JPH0710415B2 - アルミ製穴開き袋ナットの製造方法 - Google Patents

アルミ製穴開き袋ナットの製造方法

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JPH0710415B2 JP30814489A JP30814489A JPH0710415B2 JP H0710415 B2 JPH0710415 B2 JP H0710415B2 JP 30814489 A JP30814489 A JP 30814489A JP 30814489 A JP30814489 A JP 30814489A JP H0710415 B2 JPH0710415 B2 JP H0710415B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はアルミ製穴開き袋ナットの製造方法に関する。
このアルミ製穴開き袋ナットの製造方法は、例えば、自
動車のフレオンガス等の流体を移送するアルミ製配管の
接続継手に用いられる穴開き袋ナット等に適用できる。
[従来の技術] 近年、産業界では軽量性、耐腐蝕性等の要請からアルミ
ナットが広く使用されつつある。
従来よりアルミ製ナットを製造する方法としてアルミニ
ウム系合金製の短尺のビレットを用いる方法が知られて
いる。この方法の主な工程は次のようである。先ず、ビ
レットに熱を加えて均質化処理を行い、続いて押出ダイ
スとラムとを備えた押出機を用い、所望のアルミ製ナッ
トの外径と略同一の外径の棒材に押出す工程、棒材をの
こぎり刃により横断方向へ切断して切断片を得る工程、
切断片をバレル研磨してばりを落す工程、切断片を焼鈍
する工程、焼鈍された切断片の表面にボンデ被膜処理す
る工程、所望のナットに酷似した形状のナット素材に鍛
造成形する工程と、ボンデ被膜を取除く工程と、ナット
素材の底壁部の中央部を打抜く穴開け工程と、ナット素
材の中央孔の内周部にめねじ部を形成しナットを得るね
じ切り工程とを順に実施することにしている。
ここで、ビレットは上記押出機を用いて押出工程を実施
すると、押出された棒材の表面部および内部組織が比較
的均質化されるため、後工程である鍛造工程、ねじ切り
工程に有利である。しかしながら押出機を用いて得られ
る棒材の長さは精々十数メートルしかないため、作業が
断続的になりがちであり、生産性の向上には限界があっ
た。従ってアルミ製ナットの単価の低減にも限界があっ
た。
また、上記したように棒材をのこぎり刃により切断する
のは、アルミ製棒材をせん断切断すると、切断片の切断
長さと棒材の径との比(切断長さ/径)が小さい程、せ
ん断切断された切断棒がいびつに変形し、1工程でナッ
ト素材に鍛造できず、工程が多くならざるを得ないから
である。
また、上記製造方法は鍛造し易いように、焼鈍したり、
ボンデ被膜処理を行うため、多くの面倒な工程が必要と
なり、アルミ製ナットの単価が高価になるという欠点を
有していた。
一方、従来より鋼製ナットは、特開昭51−127957号に開
示されているように、長尺の丸棒材を素材として、全自
動多段冷間圧造機により、先ず鋼製で所望のナットの対
角間寸法と略同外径の長尺の丸棒材を素材として、先ず
切断ダイにセットし、カッタナイフでせん断して、所定
の長さの切断片を得るせん断切断工程を得ると共に、複
数の圧造工程を経て鋼製ナットを製造する方法が知られ
ている。
[発明が解決しようとする課題] ところでアルミニウム材の製造においては、アルミニウ
ム系合金の溶湯から連続鋳造圧延で長く連続する線材を
直接得る方法が知られている。この線材は、長さを数十
メートル、数百メートルと長尺にできる。しかし、この
線材は、中心域にはアルミビレットの場合と同様に不純
物が偏在していたり、表層部に厚い酸化被膜が形成され
ていると共に、圧延時に表面部に欠陥部が成される。
このため連続鋳造圧延法で製造した線材を用いてナット
を圧造成形すると、圧造成形工程でナット表面部に割れ
が発生したり、ねじ切り工程で形成するめねじに欠陥が
発生するので、商品として品質保証が困難と考えられて
いた。
しかも、アルミ製線材をせん断切断すると、鉄に比べて
アルミは抗張力が1/2しかないので、だれが生じ、切断
編がいびつに変形し易く、且つ伸びが鉄の1/2以下のた
め圧造時に割れが生じ易いという問題を有していた。し
かしながら本発明者等の鋭意努力の結果、連続鋳造圧延
法で製造した線材を用いてアルミ製ナットを圧造成形で
きる方法を着想した。
本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、アル
ミニウム系合金の溶湯から連続鋳造圧延で直接製造した
例えば数十メートル、数百メートルと長い線材を用い、
欠陥発生の少ないアルミ製ナットを製造するアルミ製穴
開き袋ナットの製造方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 第1請求項にかかるアルミ製穴開き袋ナットの製造方法
は、アルミニウムまたはアルミニウム系合金の長い線材
を連続鋳造圧延法で得る連続鋳造圧延工程と、 線材の表層部を皮削りして皮削り素材を得る皮削工程
と、 得られた前記皮削り素材をせん断力で横断方向へ切断し
て一定長さの切断片を得るせん断切断工程と、 切断片を圧造してナット粗形材を得る粗形工程と、 ナット粗形材を圧造して、軸方向にのびるねじ下孔とね
じ下孔の片側を塞ぐ底壁部とをもつ所望のアルミ製ナッ
トの形状と略同形状のナット素材を得る成形工程と、 ナット素材の底壁部の中央部を打抜く穴開け工程と、 ナット素材のねじ下孔の内周部にめねじ部を形成し所望
のナットを得るねじ切り工程とを順に実施することを特
徴とするものである。
また、第2請求項にかかるアルミ製穴開き袋ナットの製
造方法は、所望のアルミ製ナットの対角間寸法より小さ
い外径をもつアルミニウムまたはアルミニウム系合金の
長い線材を連続鋳造圧延方で得る連続鋳造圧延工程と、 線材の表層部を皮削りして皮削り素材を得る皮削工程
と、 得られた皮削り素材をせん断力で横断方向へ切断して一
定長さの切断片を得るせん断切断工程と、 切断片を圧造して径方向に拡大したナット粗形材を得る
粗形工程と、 ナット粗形材を圧造して、軸方向にのびるねじ下孔とね
じ下孔の片側を塞ぐ底壁部とをもつ所望のアルミ製ナッ
ト形状と略同形状のナット素材を得る成形工程と、 ナット素材の底壁部の中央部を打抜く穴開け工程と、 ナット素材のねじ下孔の内周部にねじ部を形成し所望の
ナットを得るねじ切り工程とを順に実施することを特徴
とするものである。
連続鋳造圧延工程では、従来より使用されている方式の
アルミニウム連続鋳造装置、例えば溝付き鋳造輪とベル
トとの組合せを用いたプロペチル方式、エンドレスベル
トを組合せた方式、連結チルブロックを組合せた方式、
双ロール方式を採用できる。
又、線材とは、長く伸びるものであり、伸線加工の有無
を問わない。
[作用] 第1請求項では、連続鋳造圧延工程で得られた線材は、
表層部に酸化被膜が形成されていたり、中心域に不純物
が偏在していたりする。この酸化被膜は皮削工程で除去
されるので、粗形工程、成形工程では酸化被膜が無いか
少ない状態で鍛造される。また、線材の中心域に生じて
いた不純物偏在層はナット素材の底壁部の中央域に残る
が、穴開け工程で打ち抜かれて除去される。
第2請求項では、連続鋳造圧延工程で線材の外径寸法が
所望のアルミ製ナットの外径寸法より小径になされてい
るので、この線材をせん断切断した際、切断片がいびつ
になり難く、その結果、この切断片を圧造し易いように
径方向に拡大した際、線材の中心域の不純物を中心部に
均一に残すことができる。
そして、線材の中心域に生じていた不純物は穴開け工程
の際、効果的に打ち付かれ除去される。
[実施例] 本発明にかかるアルミ製穴開き袋ナット(材質A6061)
の製造方法を図面に示した一実施例を例にとって説明す
る。
本実施例にかかるアルミ製穴開き袋ナットの製造方法の
各工程を第1図〜第13図に示す。
ここで本実施例にかかる方法で製造されたナット15を第
19図に示す。このナット15はほぼ6角筒形状をなし、め
ねじ部15aを形成した中央孔15cと中央孔15cに連通する
貫通孔15bとをもつ。ナット15は、その対角間寸法D7が2
9.5mm、貫通孔15bの内径D8が16.9mm、長さL8が20.5mmで
ある。
本実施例ではまず連続鋳造圧延工程を実施する。連続鋳
造圧延工程では、プロペチル方式の連続鋳造圧延装置を
用いる。プロペチル方式の連続鋳造圧延装置は、第1図
に示すように外周部にリング状にのびる鋳造溝200をも
つ鋳造輪201と、鋳造輪201と所定間隔隔てて配置された
ベルト張力調整輪202と鋳造輪201とベルト張力調整輪20
2との間に架設された鋼ベルト203と、ピンチローラ204
と、湯溜部205とで形成されている。鋳造溝200を鋼ベル
ト203で覆った状態を第2図に示す。
そして、鋳造輪201、鋼ベルト203を回転させた状態で、
湯溜部205に供給したアルミニウム径合金の溶湯を鋳造
輪200の一端部側から鋳造溝200に注入し、その溶湯を鋳
造輪200で冷却固化し、連続バー20Aを鋳造輪201の他端
部側から排出する。排出された連続バー20Aは第3図に
示すようにほぼ5角形状をなしており、その表層部には
厚い酸化被膜G1が形成され、中央域には不純物が偏在し
た偏在部G2が形成されている。連続バー20Aは更に複数
箇所に直列に配設された三方ローラ206の各ローラ206a
で漸次望ましくは断面円形状に圧延される。圧延した状
態の線材20Bの横断面を第4図に示す。第4図に示すよ
うに線材20Bの中央域に、不純物が偏在した偏在部G2が
残っており、また、線材20Bの表層部には酸化被膜G1が
残っている。なお断面略正六角形に圧延して線材を得て
も差支えない。
連続鋳造圧延工程の後、皮削工程を実施する。皮削工程
2では、第5図に示すように刃部300aをもつカッタダイ
ス300を用い、圧延した横断面円形状の線材20をカッダ
タイス300のダイス孔301に通すことにより、線材20の酸
化被膜G1を含む表層部を望ましくは0.1〜1.0mm皮削り
し、皮削り素材20Cを得る。皮削り素材20Cの外径寸法D1
は19mmであり、ねじ切り前のナット素材10の対角間寸法
D7よりも小さい。
以下、穴開け工程までを図示していない5ダイステージ
の全自動多段冷間圧造機で、圧造部に潤滑油を供給しつ
つ圧造成形した。
先ず、皮削工程の後せん断切断工程を実施する。せん断
切断工程では、第6図に示すようにその皮削り素材20C
の先端部を第1ステージにおける切断ダイ21の丸穴状の
保持孔21aに挿入した状態で、所定の切断長さ分だけ突
出せしめカッタ22を作動させカッタ22の刃部22bと切断
ダイ21の刃部21bとの間で生じるせん断力で皮削り素材2
0Cを所定の長さに切断し、これにより切断片23を得る。
この切断片23の軸方向の切断長さは22mmであり、望まし
くは線材20Bの外径を所望のアルミ製ナット15の外径よ
り小径になるように予め設定することにより、線材20B
の外径と切断長さの比(切断長さ/外径)が1以上にで
き、切断片23の形状がせん断切断によって大きくいびつ
に変形するのを防止できる。
第7図、第14図に示すように切断片23の切り口面24の周
縁部には、だれ25が形成されている。
せん断切断工程の後、粗形工程を実施する。この粗形工
程は第1の粗形工程と第2の粗形工程とからなり、第1
の粗形工程では、第8図に示すように、軸芯30の回りを
1周するとともに軸芯30に対して傾斜したリング状の第
1の面取り形状面型31、第1の面取り形成型面31で包囲
された底型面32、第1の面取り形状面型31の外周端から
のびる筒状の型面33をもつダイス孔34を備えたダイス35
と、軸芯36の回りを1周するとともに軸芯36に対して傾
斜しかつ第1の面取り形成型面31に対向するリング状の
第2の面取り形成型面37、第2の面取り成形型面37で包
囲された先端型面38をもつ第2ステージにおけるパンチ
39とを用いる。ここでダイス35の第1の面取り形成型面
31の外周径D30は切断片23の外周寸法よりも大きく、第
1の面取り形成型面31の内周径D32は切断片23の外径寸
法よりも小さく設定されている。そして第1の粗形工程
では、切断片23を用い、切断片23の切り口面24が底型面
32に対面する状態で、切断片23をダイス35のダイス孔34
に装入し、その状態で、パンチ39をダイス孔34に押込む
ことにより、第1の面取り形成型面31に切断片23の切り
口面24の周縁部のだれ25を押圧してだれ25を押し潰し、
かつ、切断片23をその軸長を縮小させるとともに外径を
拡径させるように成形する。これにより第1の面取り形
成型面31と第2の面取り形成型面37とで、切断片23の軸
端面である切り口面24の一方の周縁部にこれを1周する
円錐台面状の面取り部41を形成し、他方の切り口面24の
周縁部にこれを1周する円錐台面状の面取り部42を形成
し、これを第1のナット粗形材40とする。
さて切断片23の切り口面24のだれ25が成形される直前の
状態を第10図に模式的に示す。第10図に模式的に示すよ
うに第1の粗形工程では切断片23の切り口面24の周縁部
のだれ25は第1の面取り形成型面31で押し潰される。
なお第1の粗形工程で得られた第1のナット粗形材40は
第15図で示されている。第1のナット粗形材40は、中実
状態の円盤状をなし、その外径寸法D2が27.4〜27.5mm、
一方の面取り部41の内周端の外径寸法D3が15mm、他方の
面取り部42の内周端の外径寸法D4が22mm、長さ寸法L2が
12.5mm、面取り部41の外周端と面取り部42の外周端との
間の軸長寸法L3が9.4mmである。
次に、第1の粗形工程を実施した後、第1のナット粗形
材40を第3をステージに移送して第2の粗形工程を実施
する。第2の粗形工程では、第11図に示すように底型面
50、底型面50の外周端からのびる型面51をもつほぼ6角
形状のダイス孔52を備えた第3ステージにおけるダイス
53と、先端型面55をもつパンチ57を用いる。そして、ダ
イス孔52に第1のナット粗形材40を装入した状態で、パ
ンチ57をダイス孔52に押込み、ダイス孔52の底型面50、
型面51、パンチ57の先端型面55とで所定の形状に成形
し、第2のナット粗形材60を得る。第2のナット粗形材
60は第16図に示されている。第2のナット粗形材60はほ
ぼ6角形の円盤形状をなしており、一方の軸端面に中央
突起部61をもつ。第2のナット粗形材60は、その外径寸
法D5が29.5mm、長さ寸法L4が11.4mm、中央突起部61の突
出高さ寸法L5が2.4mmである。
上記したように粗形工程を実施したら、成形工程を実施
する。
成形工程では、第12図に示す底型面70、底型面70の外周
端からのびる型面71をもつほぼ6角形状のダイス孔72を
備えた第4ステージにおけるダイス73と、先端型面75、
先端型面75の外周端からのびる筒状の型面76をもつパン
チ77とを用いる。そして、ダイス孔72に第2のナット粗
形材60を装入した状態で、パンチ77をダイス孔72に押込
み、第2のナット粗形材60の肉部をパンチ77の押込み方
向と反対の方向即ち第12図に示す矢印A方向へ後方押出
し、これによりダイス孔72の底型面70、型面71で外観形
状を成形し、パンチ77の先端型面75、型面76で下穴形状
を成形し、第1のナット素材80を得る。第1のナット素
材80は第17図に示されている。第1のナット素材80は前
記したアルミ製ナット15とに略同飯の形状をなしてお
り、そして、軸方向にのびるねじ下孔80aと、ねじ下孔8
0aの片側を塞ぐ底壁部80bとをもち、更に、底壁部80bの
中央部に中央突起部81をもつ。ここで第1のナット素材
80の底壁部80bの中央域には、不純物が偏在した偏在部G
2が残っている。第1のナット素材80は、その対角間寸
法D6が29.5mm、中央突起部81を除いた長さ寸法L6が20.5
mm、中央突起部81を含めた長さ寸法L7が22.9mmである。
上記のようにナット素材80を得る成形工程を実施したら
穴開け工程を実施する。穴開け工程では、第13図に示す
底型面90、底型面90の外周端からのびる型面91をもつほ
ぼ6角形状のダイス孔92を備えた第5ステージにおける
ダイス93と、打抜き型面95をもつ打抜きパンチ97を用い
る。そして、第1のナット素材80をダイス93のダイス孔
92に装入した状態で、第1のナット素材80の中央孔80a
に打抜きパンチ97を押込み、第1のナット素材80の底壁
部80bの中央部、つまり不純物が偏在した偏在部を打ち
抜く。これにより第13図に示すように打抜きパンチ97の
打抜き型面95で貫通孔12を形成し、これによりねじ下孔
11及び貫通孔12をもつ第2のナット素材10を得る。
その後、第2のナット素材10を熱処理して材質を調整す
る熱処理工程を実施する。
次にねじ切り工程を実施する。ねじ切り工程では、第2
のナット素材10のねじ下孔11の内周部にめねじ部を形成
して最終製品たる穴開き袋ナット15を得る。その後、ね
じ切りしたナット15を洗浄液で洗浄する洗浄工程を実施
する。
以上説明したように本実施例においては、連続鋳造圧延
で形成した線材20Bを用いて、ナット15を形成するもの
であるが、連続鋳造圧延時に線材20Bの表層部に生じて
いた酸化被膜G1を皮削工程で効果的に除去することがで
き、又、線材20Bの中心域に不純物が偏在していた偏在
部G2を穴開け工程で効果的に除去することができる。即
ち、打抜き時に材料の流れが周囲よりも中心部が先行す
るからである。従って粗形工程、成形工程で鍛造する際
に欠陥が発生する頻度を著しく低下させることができ、
同様にねじ切り工程で形成しためねじ部15aに欠陥が発
生する頻度を低下させ得る。
望ましくは、連続鋳造圧延工程で得られる線材20Bの外
径を所望のアルミ製ナット15の外径よりも予め小径に設
定すると、切断片23の長さを特に線材20Bの外径との比
べ1以上にすることにより、切断工程の際に生じる切断
片23の変形を抑制でき、粗形工程時に偏在部G2を均一に
中心部に残すことができるので、穴開け工程時により不
純物を効果的に取除くことができる。
また本実施例では、せん断切断工程で得られた切断片23
の切り口面24の周縁部にだれ25が形成されている場合で
あっても、第1の粗形工程において切断片23の切り口面
24のだれ25はダイス35の第1の面取り形成型面31で押し
潰される。そのため、だれ25は折れ込まれることなく面
取り形成型面31で押し潰されて良好な面取り部41が得ら
れる。
従って本実施例では第1の粗形工程を実施した第1のナ
ット粗形材40においては、だれ25等が内部に折れ込まれ
た折込み欠陥部が発生する頻度を大幅に低減させること
ができる。よって本実施例では、第1のナット粗形材40
をもとにして圧造成形したナット素材10、ナット15の不
良率を大幅に低減することができる。
ところで、上記したように棒材をせん断力で切断する場
合には、せん断切断されるため切断片の切り口面の周縁
部にだれが生じ、切断片の形状がのこ刃切断の場合に比
較して落ちる。このように形状が変形した切断片を用い
て、切断片の外径寸法と同程度のダイス径をもつダイス
で鍛造成形すると、第20図から理解されるように切断片
W22がパンチW30で押圧されると、切り口面W24のだれW25
がダイスW26の内周側の型面W29で規制されつつ垂直型面
W27で矢印R方向で押圧され、その結果、第21図に示す
ようにだれW25が内部に折れ込まれた欠陥部W28が発生す
る頻度が高くなる。かかる欠陥部W28はナットの品質保
障上不利である。
本発明の他の実施例にかかる粗形工程で用いる鍛造型を
第22図に示す。この場合には、軸芯100の回りを1周す
るとともに軸芯100に対して傾斜したリング状の第1の
面取り形成型面101、底型面102、型面103をもつ孔104を
備えた鍛造型105と、軸芯106の回りを1周するとともに
軸芯106に対して傾斜したリング状の第2の面取り形成
型面107、底型面108、型面109をもつ孔110を備えた鍛造
型111とを用いる。そして、前記した実施例の場合と同
様に、切断片23を鍛造型105と鍛造型111との間に介在さ
せた状態で、鍛造型105と鍛造型111とを型締めし、これ
により第1の面取り形成型面101と第2の面取り形成型
面107とで、切断片23の一方の軸端面の周縁部にこれを
1周する面取り部41を形成し、他方の軸端面の周縁部に
これを1周する面取り部42を形成し、これを円盤状をな
す第1のナット粗形材40とする。
この実施例においても、切断片23の外縁部にだれ25が形
成されている場合であっても、だれ25は面取り形成型面
101で押し潰されて良好な面取り部41が得られる。従っ
て第1のナット粗形材40の面取り部41にだれ25等が内部
に折れ込まれて欠陥部が発生する頻度を大幅に低減させ
ることができる。
[発明の効果] 本発明にかかるアルミ製穴開き袋ナットの製造方法によ
れば、連続鋳造圧延で製造した線材を用いてナットを圧
造成形しても、ナット表面部に亀裂等の欠陥が発生した
り、ねじ切り工程で形成するめねじが良好でなくなると
いった問題を改善でき、良好なナットを製造することが
できる。
しかも連続鋳造圧延で製造した長く連続する線材を用い
るから全自動多段冷間機で圧造可能となるので、従来の
ように、のこぎり刃を用いて切断したり、鍛造しやすい
ように焼鈍したり、ボンデ被膜処理を行う必要がないの
で、生産性を従来に比べて飛躍的に向上できる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第19図は本発明の一実施例を示し、第1図は連
続鋳造圧延工程を示す側面図、第2図は鋳造車輪の要部
の断面図、第3図は鋳造車輪で製造した連続バーの断面
図、第4図は鋳造車輪で製造した後三方ローラで圧延し
た線材の断面図、第5図は皮削工程を示す断面図、第6
図はせん断切断工程を模式的に示す断面図、第7図は切
断片の断面図、第8図は第1の粗形工程においてパンチ
を押込む前の状態を模式的に示す断面図、第9図は第1
の粗形工程においてパンチを押込んだ状態を模式的に示
す断面図、第10図は第1の粗形工程で面取り部を形成す
る直前の状態を模式的に示す拡大断面図、第11図は第2
の粗形工程を模式的に示す断面図、第12図は成形工程を
模式的に示す断面図、第13図は穴開け工程を模式的に示
す断面図、第14図は切断片の斜視図、第15図は第1のナ
ット粗形材の側面図、第16図は第2のナット粗形材の側
面図、第17図は第1のナット素材の側面図、第18図は第
2のナット素材の側面図である。第19図は上半分を断面
にして示すナットの側面図である。 第20図および第21図はだれをもつ切断片をダイスの垂直
型面で成形する状態を示し、第20図はだれを成形する前
の状態の拡大断面図、第21図はだれを成形した後の状態
の拡大断面図である。 第22図は本発明の他の実施例にかかる第1の粗形工程で
用いる鍛造型を示す断面図である。 図中、10は第1のナット素材、15はナット、20Bは線
材、20Cは皮削り素材、23は切断片、25はだれ、31は第
1の面取り形成型面、37は第2の面取り形成型面、40は
第1のナット粗形材、60は第2のナット粗形材、80は第
1のナット素材を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムまたはアルミニウム系合金の
    長尺の長い線材を連続鋳造圧延法で得る連続鋳造圧延工
    程と、 前記線材の表層部を皮削りして皮削り素材を得る皮削工
    程と、 得られた前記皮削り素材をせん断力で横断方向へ切断し
    て一定長さの切断片を得るせん断切断工程と、 前記切断片を圧造してナット粗形材を得る粗形工程と、 前記ナット粗形材を圧造して、軸方向にのびるねじ下孔
    とねじ下孔の片側を塞ぐ底壁部とをもつ所望のアルミ製
    ナットの形状と略同形状のナット素材を得る成形工程
    と、 前記ナット素材の底壁部の中央部を打ち抜く穴開け工程
    と、 前記ナット素材のねじ下孔の内周部にめねじ部を形成し
    所望のナットを得るねじ切り工程とを順に実施すること
    を特徴とするアルミ製穴開き袋ナットの製造方法。
  2. 【請求項2】所望のアルミ製ナットの対角間寸法より小
    さい外径をもつアルミニウムまたはアルミニウム系合金
    の長い線材を連続鋳造圧延法で得る連続鋳造圧延工程
    と、 前記線材の表層部を皮削りして皮削り素材を得る皮削工
    程と、 得られた前記皮削り素材をせん断力で横断方向へ切断し
    て一定長さの切断片を得るせん断切断工程と、 前記切断片を圧造して径方向に拡大したナット粗形材を
    得る粗形工程と、 前記ナット粗形材を圧造して、軸方向にのびるねじ下孔
    とねじ下孔の片側を塞ぐ底壁部とをもつ所望のアルミ製
    ナット形状を略同形状のナット素材を得る成形工程と、 前記ナット素材の底壁部の中央部を打抜く穴開け工程
    と、 前記ナット素材のねじ下孔の内周部にめねじ部を形成し
    所望のナットを得るねじ切り工程とを順に実施すること
    を特徴とするアルミ製穴開き袋ナットの製造方法。
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