JPH07104009B2 - 空気調和機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ユニットを居室内にて使用し、居所の冷暖房
除湿を行い一体形空気調和機に関するものである。

従来の技術 第８図は、従来の一体形空気調和機を示すものである。
１は、空気調和機ユニット、２は蒸発器、３は凝縮器、
11は圧縮機、９は電動機、６は蒸発器用送風回路７と凝
縮器用送風回路８を仕切る隔壁、10は電熱装置、12は、
凝縮器用空気吹出口8aを閉鎖、開口させかつ隔壁６を貫
通し、蒸発器用送風回路７と連通させるダンパである。
図に示す様に、ダンパ12の下流側にありかつ、蒸発器用
送風回路７の使用側空気吹出口7aに到る途中に電熱装置
10を配設している。以上のように構成された空気調和機
について、以下その動作を説明する。この空気調和機を
冷房時に用いる場合、ダンパ12は、第８図に示す実線の
位置に回転させ、電熱装置10の後方で蒸発器用送風回路
７と凝縮器用送風回路８とを仕切る形状となり、蒸発器
用送風回路７を通過した冷風が、使用側空気吹出口7aか
ら排出され使用者に冷風感をもたらす。又凝縮器吹出空
気は、ダンパ12の仕切り作用によりユニットの使用側面
以外（本図では、天面）の凝縮器用吹出口8aへ排出され
る。一方、暖房時には、ダンパ12は、第８図に示す破線
の位置にあり、蒸発器用、凝縮器用送風回路７、８いず
れも冷媒熱交換なしの送風のみを利用し、凝縮器用送風
回路８からの風を通電発熱した電熱装置10を通過させ、
蒸発器用送風回路７からの風と混合した上で、使用側空
気吹出口7aへ送風し、温風感をもたらす。又、除湿時
は、ダンパ12は前記暖房時と同一の動作にて、電熱装置
10には通電せず、凝縮器用送風回路８から導かれ、凝縮
器３により放熱された空気が、蒸発器２からの冷風と混
合し、使用側空気吹出口7aより排出される。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、以上の様な構成では、冷風、温風、除湿
用混合風が、ユニットの単一の使用側吹出口より排出さ
れるため、第８図の様な構成では、冷風は上方からの吹
出となり使用者の上体の冷房感を高めるのに効果を上げ
る半面、温風が上体に当り下体（足元）に温暖感をもた
らす効果が得られない欠点を有していた。又、除湿使用
時には、単に、蒸発器を通過した低湿低温の空気と、凝
縮器を通過した高温かつ居室と同一絶対湿度の空気が混
合されるのみであり、吹出された空気が充分に除湿され
たものではないという欠点を有している。本発明は、上
記課題に鑑み、冷風温風を各々上下吹き分けると共に、
除湿風は、除湿本体の蒸発器を通過した空気が凝縮器を
通過する構造を狙い、快適な冷温除湿感が得られるよう
にしたものである。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明は、空気調和ユニット
の蒸発器用送風回路の空気吹出口上流側に、開閉自在な
ダンパ構造を設け、蒸発器通過空気を使用側空気吹出口
およびユニット内を貫通し、ユニット背面側方向に設け
られた吹出口のいずれかに分岐切替導出させる構造を有
すると共に、ユニット背面側へ導かれた蒸発器通過空気
が、ユニット背面より再度、凝縮器用送風回路空気吸込
口に流入される構造を有したものである。また、本発明
は、前記の蒸発器用送風空気の分岐切替ダンパから導び
かれた蒸発器通過空気が、ユニット内を貫通する送風路
を設け、これと、ユニット内で凝縮器の上流側位置で、
凝縮器用送風回路と合流する構造を設けた空気調和機で
ある。一方、本発明は、凝縮器用送風回路の空気吹出口
の上流側にも、開閉自在なダンパ構造を設け、ユニット
背面側に設けられた凝縮器通過空気の吹出口と、このダ
ンパ部から、ユニット使用側前面に設けられた空気吹出
口に到るユニット内を貫通する送風路を設け、そのダン
パにより凝縮器通過空気が、ユニット使用側前面と背面
のいずれかに分岐切替を行い排出可能な凝縮器用送風回
路構造を有したものである。又、本発明になるユニット
を暖房機として使用可能にすべく、本ユニットは、前記
凝縮器用送風回路の下流側に設けられた分岐切替ダンパ
とユニットの使用側前面に設けられた空気吹出口に到る
送風回路の途中に、電熱装置を収納したものである。

作用 上記手段により、本発明になる空気調和ユニットの蒸発
器用送風回路、凝縮器用送風回路に各々設けられたダン
パの切替により、次に示す作用が得られる。居室内の使
用者が、冷風感を得たい場合には、蒸発器用送風回路ダ
ンパが、ユニット使用側前面空気吹出口が開となる位置
にあり、凝縮器用送風回路ダンパが、ユニット背面空気
排出口が開となる位置にすることにより、蒸発器を通過
した冷風は、使用側前面へ吹出され、凝縮器放熱用の空
気（不要な暖風）は、ユニット背面へ放出され、蒸発器
用、凝縮器用各々独立した送風回路を形成して、使用者
に冷風感をもたらす。又、除湿運転の場合には、蒸発器
用送風回路ダンパがユニット使用側前面空気吹出口が閉
となる位置にし、蒸発器通過空気がすべて、ユニット内
を背面側へ向く送風路を経て、一担ユニット背面の凝縮
器用送風回路の空気吸込口近傍、あるいは、ユニット内
にあって凝縮器用送風回路内の凝縮器上流側に導入さ
れ、凝縮器を通過する。この経路をたどった場合、蒸発
器で吸熱され冷却された空気が、再び凝縮器の放熱によ
り過熱され居室内よりわずかに温度の高い乾燥空気とな
る上に、凝縮器用送風機の上流側で、蒸発器からの空気
と、凝縮器用空気吸込口からの空気の混合が可能となる
ために、この除湿空気に温度むらが生じることはない。
また、除湿時の凝縮器用送風回路ダンパの位置につい
て、本発明の構成によれば、ユニット背面の凝縮器用送
風回路空気吹出口へ送風することも、又、ユニット使用
側前面に設けられた空気吹出口へ送風することもいずれ
でも可能であり、使用者の選択に応じて、除湿風の吹出
口を変更することが可能である。暖房使用時には、蒸発
器用送風回路ダンパが、ユニット使用側前面空気吹出口
が閉となる位置にし、冷凍サイクルを使用しない状態に
て蒸発器を通過した居室と同一温度の空気が、使用側に
再び吹出させない状態にして、この空気をユニット内を
貫通して、凝縮器用送風回路に導入する送風回路を構成
する。一方、凝縮器用送風回路のダンパは、凝縮器用空
気吹出口を閉鎖し、ユニット使用側前面の空気吹出口に
送風される位置とすることにより、蒸発器用送風回路か
ら導入された空気と、凝縮器用送風回路の空気吸込口か
ら吸入された空気が合流し、通電状態にある電熱装置を
通過することにより、過熱され、使用者に温風感をもた
らす。本発明よりなる空気調和機を用いた場合、冷風と
温風の吹出口の位置を各々別々に選択することが可能で
あり、又、除湿風の吹出口についても、使用側前面もし
くは背面いずれかへの選択が可能であり、使用者にもた
らす空調感をより高める効果がある。

実施例 以下、本発明の実施例について第１図以後により説明す
る。第１図は、本発明の第１の実施例である。第１図
は、蒸発器用送風回路７と凝縮器用送風回路８をユニッ
ト１内中央部の隔壁６で仕切り、蒸発器用送風回路７お
よび凝縮器用送風回路８の両方に軸が突出し、各々の送
風機を同軸で回転させる電動機９が隔壁６に固定配設さ
れている。蒸発器用送風回路７側が、ユニット１の使用
者側前面1aあたり、蒸発器用送風回路７の空気吸込口1a
（以下、前面吸込口と略す）から蒸発器２、蒸発器用送
風機４、蒸発器用送風回路７の空気吸込口7a（以下、前
面冷風吹出口と略す）に到る送風回路が形成されてい
る。蒸発器用送風機４の下流側で、前面冷風吹出口7aの
手前に、回転自在なダンパ12（以下、第１ダンパと称
す）を設け、ダンパ12をはさんで、前面冷風吹出口7aと
対向する隔壁６の上部に開口部6a（以下、隔壁上部開口
部と称す）を設け、さらにユニット１内の凝縮器用送風
回路８の上部を貫通する蒸発器用空気のバイパス通風路
13（以下、上バイパス通風路と称す）を形成する。ダン
パ12の形状は、前面冷風吹出口7aを完全に閉鎖する形状
であり、かつ蒸発器用送風機４から送出される空気量全
量が、前記の隔壁上部開口部6aを通過する構造となって
いる。上バイパス通風路13の下流側は、ユニット１の背
面に開口連通し、ユニット背面グリル14の上部吹出口14
a（以下、背面上部吹出口と称す）に到る。この背面上
部吹出口14aは、ユニット背面グリル14と一体に成形さ
れており、さらにこのグリル14は、凝縮器用送風回路８
の空気吸込口14bを兼ねる。前記の背面上部吹出口14aの
グリルの風向羽根の形状は、送風空気が、凝縮器用空気
吸込口14b寄に流れる様に角度が付けられている。ユニ
ット１の背面側では、前記背面グリル14の下流側に、凝
縮器３、凝縮器用送風機５、凝縮器用送風回路８の空気
吹出口8a（以下、背面放熱空気吹出口と称す）に到る送
風回路が形成されている。第２図は、本発明の第２の実
施例を示すもので、前記のバイパス通風路13の下流側を
ユニット背面グリル14迄連通させることなく、ユニット
１の内部にあって凝縮器用送風空気吸込口14bと凝縮器
３との間に空間13aを設け、この位置と隔壁上部開口部6
aとを連通させて上バイパス通風路13を形成している。
以上２つの実施例の構成により、使用者が冷風を得たい
場合には、第３図に示す様にダンパ12の位置がａで示す
実線の位置にあり、蒸発器２で吸熱され冷却された冷風
が、前面冷風吹出口7aから排出され、使用者の上体に届
くものとなる。この時、凝縮器用送風回路８は、ダンパ
12が閉じており、隔壁６と同一構造となるため、蒸発器
用送風空気と、凝縮器用送風空気が混合することはな
い。一方、使用者が除湿運転を行う場合には、第４図に
示す様にダンパ12の位置が12bで示す破線の位置にあ
り、蒸発器２で吸熱され冷却除湿された空気が、隔壁上
部開口部6aを経て、第１例、第２例いずれの場合にも、
凝縮器用送風回路８に導入され、凝縮器３を通過し、こ
の時、凝縮器３の放熱により、居室よりわずかに温度の
高い乾燥空気となり背面放熱空気吹出口8aより排出され
る。以上の結果、冷風は、ユニットの前面上部から吹出
し、除湿風は、使用者に直接当らない方向から吹出すこ
とにより、空調感を高める効果を有する。第５図は、第
３の実施例を示すもので、前記の第１、第２の実施例の
ユニット構造に加えて、凝縮器用送風回路８の途中にあ
って、凝縮器用送風機５の下流位置に回転自在なダンパ
15（以下第２ダンパと称す）を設けこのダンパ15をはさ
んで、背面放熱空気吹出口8aと対向する隔壁６の下部に
開口部6b（以下、隔壁下開口部と称す）を設け、さらに
この隔壁下部開口部6bからユニット下部内を貫通しユニ
ット１の前面1aに設けた蒸発器用送風回路の前面吸込口
1aの下部に位置する空気吹出口16a（以下、前面下吹出
口と称す）に到るバイパス通風路16（以下、下バイパス
通風路と称す）を形成する。第２ダンパ15の形状は、背
面放熱空気吹出口8aを完全に閉鎖する形状であり、かつ
凝縮器用送風機５から送出される空気量全量が、前記の
隔壁下部開口部6bを通過する構造となっている。以上の
第３の実施例の構成により、第１、第２の実施例の構成
による冷風、除湿風の吹き分け作用に加えて、除湿風
を、ユニット１の使用側前面に吹き出すことも可能とな
る。これにより、使用者が、ユニットの前後方向を入れ
替えることなく、除湿風を直接使用することが可能とな
り、物品の乾燥等に使用することも可能となる。又、第
３の実施例によれば、背面放熱空気吹出口8aは、凝縮器
放熱の専用排出口とすることができ、この部分にダクト
を連結することにより（図示せず）、居室内に放熱空気
を分散させることなく、居室外へ凝縮器の放熱を行うこ
とが可能となる。第６図は、本発明になる第４の実施例
を示すもので、第３の実施例のユニット構造に加えて、
前記の下バイパス通風路16内に、電熱装置10を配置した
ものである。この構成により、使用者が温風を得たい場
合には、第７図前記の除湿風をユニット前面へ吹出す各
ダンパ位置に設定し、蒸発器、凝縮器を循環する冷凍サ
イクルを停止させた状態にて、蒸発器、凝縮器それぞれ
の送風機を回転させる。これにより、ユニット前面吸込
口1aより吸込まれた居室内空気が、蒸発器用送風回路７
を通り、上部バイパス通風路13を経て、凝縮器用送風回
路８に流入し、又、背面空気吸込口14bから吸込まれた
居室空気を合流して、凝縮器用送風機５にて下バイパス
通風路16に送出され、通電された電熱装置10により加熱
され、前面下吹出口16aより排出される。これによって
冷風は、ユニット上方より吹出し、使用者の上体に冷風
感をもたらすと共に、温風は、ユニット下方より吹出す
ことによって足元の温風感が得られ、頭寒足熱の効果が
得られる。

発明の効果 上記実施例より明らかなように、本発明は蒸発器、凝縮
器用各々の送風回路の下流側に、それぞれ切替ダンパ構
造を有し、蒸発器用送風回路空気を凝縮器用送風回路へ
バイパス導入させ、又、凝縮器用送風回路空気を、ユニ
ット前面へ導出させることにより、冷風、温風、除湿風
の吹出位置をそれぞれ最適の空調感が得られる位置に設
定することが可能となる。しかも、これが、単一の空気
調和ユニット内で行うことが可能であり、特に複雑な構
造を必要としないダンパ構造および、蒸発器用、凝縮器
用それぞれの送風回路のデツトスペースを利用して達成
可能である点、局所の空調を行う空気調和ユニットに適
しているという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は、本発明の第１、第２の実施例を示す
空気調和ユニットの縦断面概略構成図、第３図、第４図
は、同第１、第２実施例のそれぞれ、冷風使用時、およ
び除湿使用時の風の流れ、および第１のダンパの位置を
示す概略図、第５図は、本発明の第３の実施例を示す空
気調和ユニットの縦断面概略構成図、第６図は本発明の
第４の実施例を示す概略図、第７図は、同第４の実施例
にて、温風使用時の風の流れおよび第１、第２のダンパ
の位置を示す概略図、第８図は、従来例を示す一体形空
気調和機の縦断面概略図である。 １……空気調和機ユニット、７……蒸発器用送風回路、
８……凝縮器用送風回路、12,15……送風回路分岐切替
用ダンパ、7a……前面冷風吹出口、8a……背面放熱空気
吹出口、14a……背面上部吹出口、13……上部バイパス
通風路、16……下部バイパス通風路、16a……前面下部
吹出口。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】単一のユニット内に蒸発器、蒸発器用送風
   回路および凝縮器、凝縮器用送風回路を隔壁を介して隣
   接配置し、蒸発器用空気吸込口、蒸発器、送風機、蒸発
   器用空気吹出口（冷風吹出口）を連通する蒸発器用送風
   回路内の前記送風機下流側の前記隔壁にて、ユニット使
   用側前面の冷風吹出口および、ユニット内隔壁後方のい
   ずれかに送風空気を全分岐切替させる開閉自在なダンパ
   部を設けた空気調和機。
2. 【請求項２】ユニット背面あるいは側面にダンパ部と連
   通する送風路の空気吹出口を設け、これに隣接する形状
   にて凝縮器用空気吸込口を配置し、前記分岐流空気の吹
   出口の風向変更羽根方向が、凝縮器用空気吸込口を向い
   た請求項１記載の空気調和機。
3. 【請求項３】ユニット内隔壁背面側に、凝縮器用空気吸
   込口、凝縮器、送風機を各々配設し、凝縮器の上流側
   に、分岐切替ダンパ部と連通する送風路およびその開口
   部を設けた請求項１記載の空気調和機。
4. 【請求項４】ユニットの隔壁背面側に、凝縮器用空気吸
   込口、凝縮器、凝縮器用送風機を各々連通する送風回路
   を構成し、さらにこれらと凝縮器用空気吹出口との間
   に、ユニット前面側へ分岐する送風回路を設け、ユニッ
   ト背面に設けられた凝縮器用空気吹出口と前記分岐送風
   機の各々の分岐切替可能なダンパを設けた請求項２また
   は３記載の空気調和機。
5. 【請求項５】ユニットの凝縮器側分岐送風回路の内、ユ
   ニット前面へ導入される送風回路途中に電熱装置を組み
   込んだ請求項４記載の空気調和機。