JPH07103739A - 間隙の寸法及び内部状況検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 間隙寸法を測定することができるとともに、
間隙の内部状況をも併せて観察することができる間隙の
寸法及び内部状況検出装置を提供する。 【構成】 間隙長検出部４とカメラ部５とを備えた間隙
検出手段３と、このカメラ部５から得られた信号を映像
として表示するディスプレイ12とを備え、間隙検出手段
３を間隙の内部に挿入してディスプレイ12に間隙長検出
部４の画像を表示する。演算手段がこのディスプレイ12
上の表示画面から検出間隙長を数値化する。また、この
ディスプレイ12の同一画面上には、間隙検出手段３の測
定基準点からの位置が表示される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば磁器製のブッシ
ングとその内挿体との間隙の検査等に使用することがで
きる間隙の寸法及び内部状況検出装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】上記したブッシングとその内挿体のよう
に、中空部を持つ物体の内部に他の物体が装着されてい
る状態で両者の間隙を測定するには、通常は内パスなど
により当該箇所の間隙長を測定し、この間隙長をノギス
やマイクロメータ等を用いてmm、μm 等の基本単位で数
値化する方法が取られる。ところがこの方法は、奥行き
の深い間隙や、測定箇所よりも入口寸法の方が小さいよ
うな間隙については測定することができないという問題
があった。

【０００３】また、間隙の内部に液体を充填することが
できる場合であれば、超音波探傷器を利用して間隙の内
面または外面から寸法測定用超音波を発信し、反射波を
検出することにより検出間隙長を基本単位により表すこ
とができる。しかし液体を充填することができなかった
り、液体の充填が好ましくないような場合にはこの超音
波による方法も採用することができない。

【０００４】しかも、例えばブッシング等においては単
に各部の間隙寸法を測定するのみならず、同時にその間
隙の内部状況をも観察したいというニーズが生じてお
り、従来の間隙寸法測定器ではこの要求に応えることは
不可能であった。本発明はこのような従来の問題点を解
決し、液体を充填できない奥行きの深い間隙について
も、各部の間隙寸法を測定することができるとともに、
間隙の内部状況をも併せて観察することができる間隙の
寸法及び内部状況検出装置を提供するために完成された
ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、間隙長検出部とカメラ部とを備
えた間隙検出手段と、このカメラ部から得られた映像を
表示するディスプレイと、このディスプレイ上の表示画
面から検出間隙長を数値化する演算手段と、このディス
プレイの同一画面上に間隙検出手段の測定基準点からの
位置を表示する手段とからなることを特徴とするもので
ある。

【０００６】

【作用】本発明の間隙の寸法及び内部状況検出装置を使
用するには、間隙長検出部とカメラ部とを備えた間隙検
出手段を測定しようとする物体の間隙の内部に挿入し、
測定位置においてこれを停止させて間隙長検出部により
間隙長を検出すると同時に、この間隙長検出部及びその
周囲の間隙をカメラ部により撮影する。その画像は電気
信号として外部に取り出され、ディスプレイに表示され
る。そして、演算手段がディスプレイ上の表示画面か
ら、検出間隙長を基本単位で数値化する。またこれと同
時に間隙検出手段の測定基準点からの位置が同一ディス
プレイ上に表示されるので、どの距離における間隙の状
況がどのようになっているかをディスプレイ上で観察で
きるとともに、ビデオ録画装置により記録することがで
き、また数値化された間隙寸法と測定基準点からの位置
とをパソコン等に数値データとして記録することもでき
る。

【０００７】

【実施例】以下に本発明を図示の実施例によって更に詳
細に説明する。図１において、１はブッシングのような
中空筒体、２はその内挿体、３はこの中空筒体１と内挿
体２との間隙に挿入される間隙検出手段である。間隙検
出手段３は、例えば図２に示すように板バネ製の４本足
の接触子からなる間隙長検出部４と、ＣＣＤカメラのよ
うな小型のカメラ部５とを備えたものであり、カメラ部
５からの出力は間隙検出手段３の後方に延びるケーブル
６を介して外部に取り出されている。また間隙検出手段
３の前方にはメッセンジャーリード線７が取り付けられ
ている。実施例では、上記したケーブル６はケーブル巻
取り器８から繰り出され、メッセンジャーリード線７は
リード巻取り器９により巻き取られており、これらによ
って間隙検出手段３を間隙の内部で移動させることがで
きる。

【０００８】上記したケーブル６の後端部には信号変換
器10と画像処理器11とが接続されており、ディスプレイ
12上に画像表示する。図２に示す４本足の接触子からな
る間隙長検出部４を用いた場合には、カメラ部５は４本
の足が間隙の上下に接触している状況をその周囲の状況
とともに撮影し、ディスプレイ12上に表示している。た
だしこれだけでは間隙長検出部４が検出した間隙長の絶
対値が把握できないので、演算手段がディスプレイ上の
表示画面から検出間隙長を数値化する。

【０００９】また、ケーブル巻取り器８またはリード巻
取り器９の付近には、ケーブル６またはメッセンジャー
リード線７の移動量から、間隙検出手段３が測定基準点
からどれだけ離れた位置にあるかを検出して表示する挿
入位置表示計13、14が設けられている。この実施例では
ＴＶカメラ15、16がこの挿入位置表示計13、14を撮影
し、間隙検出手段３の位置を前記と同一のディスプレイ
12上に表示している。このため、同一のディスプレイ12
上に間隙長検出部４の周囲の状況がその位置とともに表
示されることとなり、容易に間隙の検査が行えることと
なる。また、リード巻取り器９の回転軸にエンコーダ9a
を接続し、その巻取り量から間隙検出手段３の位置を数
値としてとらえてディスプレイ12上に表示させることも
できる。

【００１０】このようにして、ディスプレイ12上に必要
な情報が表示されるので、この検出情報を検査員が観察
するほかに、ビデオレコーダ等の映像記録手段により記
録させたり、数値化された検出間隙長と間隙検出手段３
の測定基準点からの位置情報とをパソコン等に入力する
こともできる。これらの測定データはテキストデータと
して記録され、その再生も可能であることはいうまでも
ない。なお、図２の間隙検出手段３においては、板バネ
製の４本足の接触子の基部をカメラ部５の外周に取り付
けたが、図３のようにカメラ部５の前方にバー16を突設
し、その先端にメッセンジャーリード線７と接触子とを
取り付けることもできる。

【００１１】また図４〜図７に示すような光学式の間隙
長検出部４を使用することもできる。これはカメラ部５
の先端に標識ビーム発信器17を取付け、ケーブル６内に
通された光ファイバーを通じて外部から導入された光を
標識ビーム発信器17の内部の鏡18で上方に反射させ、レ
ンズ19を通じて標識ビームとして発信するものである。
この場合には、内挿体２の表面に輝点20ができるのでこ
れをカメラ部５で撮影し、前記の実施例と同様に画像処
理すれば、各部の間隙寸法を正確に測定することができ
る。なお、この標識ビーム発信器17の先端には前記と同
様にメッセンジャーリード線７が接続される。

【００１２】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明の間隙の
寸法及び内部状況検出装置によれば、液体を充填するこ
とができない間隙や奥行きの深い間隙についても、各部
の間隙寸法を正確に測定することができるとともに、間
隙の内部状況をも併せて観察することができる。またそ
の測定データを同一ディスプレイ上に表示させるため、
その取扱いや記録が容易である。このため、本発明の装
置は各種の物体の内部間隙の検査に有効なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す断面図である。

【図２】機械式の間隙検出手段の例を示す斜視図であ
る。

【図３】機械式の間隙検出手段の変形例を示す斜視図で
ある。

【図４】光学式の間隙検出手段の例を示す斜視図であ
る。

【図５】光学式の間隙検出手段の断面図である。

【図６】標識ビーム発信器の斜視図である。

【図７】カメラから標識ビーム発信器を撮影した画像で
ある。

【符号の説明】

３ 間隙検出手段、４ 間隙長検出部、５ カメラ部、
12 ディスプレイ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 間隙長検出部とカメラ部とを備えた間隙
   検出手段と、このカメラ部から得られた映像を表示する
   ディスプレイと、このディスプレイ上の表示画面から検
   出間隙長を数値化する演算手段と、このディスプレイの
   同一画面上に間隙検出手段の測定基準点からの位置を表
   示する手段とからなることを特徴とする間隙の寸法及び
   内部状況検出装置。
2. 【請求項２】 検出情報を映像記録する手段を備えた請
   求項１に記載の間隙の寸法及び内部状況検出装置。
3. 【請求項３】 数値化された検出間隙長と、間隙検出手
   段の測定基準点からの位置情報とを併せて記録する手段
   を備えた請求項１または２に記載の間隙の寸法及び内部
   状況検出装置。