JP2858261B2 - 内視鏡観察装置 - Google Patents

内視鏡観察装置

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JP2858261B2 JP1300685A JP30068589A JP2858261B2 JP 2858261 B2 JP2858261 B2 JP 2858261B2 JP 1300685 A JP1300685 A JP 1300685A JP 30068589 A JP30068589 A JP 30068589A JP 2858261 B2 JP2858261 B2 JP 2858261B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、内視鏡によって体内腔を観察するときに用
いられる内視鏡観察装置に関するもので、特に、内視鏡
画像が画像表示装置に表示されるようにされている電子
内視鏡あるいはエコー内視鏡等のための観察装置に関す
るものである。
(従来の技術) 一般に、消化管や呼吸管等の体内腔の観察には、その
体内腔に挿入される内視鏡が用いられる。その場合、体
内腔は似た形状の部位が多いので、どこを観察している
のかが把握されるようにしておかなければならない。体
内腔、例えば食道の長さは各人でほぼ一定している。し
たがって、内視鏡の挿入長が分かればその観察部位はほ
ぼ正確に推定することができる。そこで、内視鏡のケー
ブルには、その表面に、先端からの距離を示す目盛りが
印刷されている。術者は、術中、その目盛りを目視して
読み取ることによって観察部位を知ることができる。
ところで、近年、内視鏡として、内視鏡ケーブルの先
端にCCDと呼ばれる撮像素子からなるテレビカメラを取
り付けた電子内視鏡や超音波発受信器を取り付けたエコ
ー内視鏡が見られるようになってきている。このような
内視鏡においては、その内視鏡画像は、受信信号を画像
処理することによってモニタテレビ等の画像表示装置に
表示される。このような内視鏡観察装置によれば、任意
の部位の内視鏡画像を写真あるいはビデオ等として容易
に記録することができる。
従来は、このような内視鏡観察装置においても、その
観察部位は内視鏡ケーブルの目盛りを読み取ることによ
って把握するものとされていた。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、そのような内視鏡観察装置では、観察
した内視鏡画像を記録したとしても、その画像には観察
部位の記録は残らない。そして、上述のように内視鏡画
像はいずれもよく似ているので、観察部位の特徴を捉え
ていない記録画像の場合にはその観察部位を同定するこ
とが難しい。したがって、その画像を写真等の媒体に記
録する際に、その観察部位を別途記録するか記憶してお
くことが必要となる。そのような記録や記憶は誤りやす
い。しかも、記憶では、他人が読影するときには役立た
ない。
また、通常の内視鏡観察装置では、内視鏡と観察対象
物との間の距離によって画像の倍率が変わるので、対象
物の実際のサイズを知ることはできない。そこで、例え
ば特開昭62−97523号公報に示されているように、内視
鏡の先端にスケールを取り付けておき、観察時にそのス
ケールを観察対象物に当てがうようにしたものや、特開
昭59−69721号公報に示されているように、内視鏡の先
端から光ビームを放射させ、その光ビームの照射位置に
基づいて対象物までの距離を求めて、その距離に応じた
スケールパターンを内視鏡画像上に表示させるようにし
たもの等が考えられているが、そのようなものでは、ス
ケールあるいは光ビーム放射装置を備えた特殊な内視鏡
を用いることが必要となり、その内視鏡が大径となって
患者に苦痛を与える等の問題が発生する。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであ
って、その目的は、内視鏡画像が画像表示装置に表示さ
れるようにされている内視鏡観察装置において、その表
示画面上に観察部位を同定するのに役立つ情報が表示さ
れ、その情報が内視鏡画像とともに記録されるようにす
ることである。
また、本発明の他の目的は、通常の内視鏡を用いて、
観察対象物の実際のサイズが内視鏡画像上で把握される
ようにすることである。
(課題を解決するための手段) この目的を達成するために、本発明では、内視鏡ケー
ブルの移動距離を検出し得るケーブル移動距離検出装置
とその検出装置による移動距離計測開始点を入力し得る
入力装置とを設け、その入力装置に入力された計測開始
点からの内視鏡ケーブルの移動距離の値を画像処理装置
によって画像化し、その画像と内視鏡画像とを画像合成
装置によって合成して画像表示装置に表示させるように
している。
また、本発明では、内視鏡ケーブルの移動距離に対応
した目盛りのスケールパターンを作成するスケールパタ
ーン作成装置を設け、その作成装置によって作成された
スケールパターンを前記画像合成装置によって内視鏡画
像に重ね合わせるようにしている。
(作用) このように構成することにより、例えば患者の口から
内視鏡を挿入するとき、その内視鏡の先端が患者の門歯
に保持されているマウスピースの位置にある時点におい
て内視鏡ケーブルの移動距離の計測を開始させれば、検
出される移動距離は内視鏡の挿入長となる。そして、そ
の移動距離が内視鏡画像とともに画像表示装置上に表示
される。したがって、表示画面を見れば、そのときの観
察部位を知ることができ、その画面を写真等に記録して
おけば、後に読影するときにも容易にその観察部位を同
定することができる。
また、内視鏡の先端を観察対象物に当接させた状態か
ら内視鏡ケーブルの移動距離計測を開始させれば、その
内視鏡と対象物との間の距離を求めることができる。そ
して、その距離に対応した目盛りのスケールパターンを
作成して内視鏡画像とともに合成表示させれば、対象物
の実際のサイズを測定することができる。
(実施例) 以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図中、第1図は本発明による内視鏡観察装置の一実施
例を示す全体のシステム図である。
この図から明らかなように、内視鏡1は通常の電子内
視鏡であって、先端にCCDからなるテレビカメラ2を備
えた内視鏡ケーブル3によって構成されている。テレビ
カメラ2によって撮影された映像は、内視鏡画像信号と
して内視鏡ケーブル3を通してその後端から外部に導き
出され、通常のものと同様に処理される。
この内視鏡1は、患者4の門歯5によって保持される
マウスピース6を通して患者4の口から喉、食道、胃へ
と挿入されるようになっている。体内腔入口部の門歯5
によって保持されるマウスピース6の外側には、その門
歯5の位置を通過する内視鏡ケーブル3の移動距離を検
出し得るケーブル移動距離検出装置7が取り付けられて
いる。この検出装置7は内視鏡ケーブル3の移動距離に
応じたパルス信号を発生するもので、その信号は、アイ
ソレータやバッファ等を含むインターフェース回路8に
導かれるようになっている。
このインターフェース回路8には、複数個の制御スイ
ッチを有するスイッチボックス9からの制御信号も入力
されるようになっている。そのスイッチボックス9はこ
の内視鏡観察装置に必要な指示を与える入力装置となる
もので、各スイッチの押し下げによって異なるパルス信
号を発生するものとされている。
インターフェース回路8の出力側はパーソナルコンピ
ュータ10のマウスインターフェース11及びプリンタイン
ターフェース12に接続されている。こうして、ケーブル
移動距離検出装置7からの移動距離信号及びスイッチボ
ックス9からの制御信号が、インターフェース回路8に
よって入力可能なように変換された後、それぞれマウス
インターフェース11及びプリンタインターフェース12を
通してコンピュータ10に入力されるようになっている。
コンピュータ10内においては、マウスインターフェー
ス11及びプリンタインターフェース12を通して入力され
た各入力信号がCPU(中央処理装置)13に導かれる。そ
して、そのCPU13において、スイッチボックス9からの
指示に従った処理が行われる。その処理によって得られ
た情報はビデオRAM14に書き込まれる。ビデオRAM14は、
CPU13によって定められた文字や数字、及びスケールパ
ターンを画像信号として出力するものとされている。
例えばスイッチボックス9の第1組のスイッチが押さ
れたときには、その時点から、CPU13はケーブル移動距
離検出装置7による内視鏡ケーブル3の移動距離計測を
開始し、その移動距離の値を算出する。そして、その移
動距離値をビデオRAM14に書き込む。また、第2組のス
イッチが押されたときには、その時点からの内視鏡ケー
ブル3の移動距離を算出するとともに、その移動距離に
応じたスケールパターンの目盛りを計算する。そして、
求められた移動距離の値及びそれに応じた目盛りのスケ
ールパターンをビデオRAM14に書き込む。更に、第3組
のスイッチが押されたときには、術式や部位の候補名が
ビデオRAM14に順に書き込まれ、選択スイッチの押し下
げによってそのときの名称が選ばれる。
このようにして、コンピュータ10によって、ケーブル
移動距離検出装置7により検出された内視鏡ケーブル3
の移動距離の数値や他の文字が画像処理され、また、そ
の移動距離に応じた目盛りのスケールパターンが作成さ
れる。すなわち、この実施例においては、コンピュータ
10によって画像処理装置及びスケールパターン作成装置
が構成されている。
ビデオRAM14の出力信号は画像合成装置15に導かれる
ようになっている。その画像合成装置15には内視鏡1の
画像信号も入力されている。そして、その画像合成装置
15により、内視鏡1によって得られた内視鏡画像とコン
ピュータ10によって作成された画像とが合成され、その
合成画像がモニタテレビ、ビデオ、写真機等の画像表示
装置16に表示されるようになっている。その画像は、第
1図に示されているように、通常の内視鏡観察装置によ
って得られる内視鏡画像17及び患者4の氏名や年令等の
患者に関する補助情報18のほかに、門歯5からの内視鏡
挿入長のデータ19や特定の部位の名称及びその部位にお
ける位置の記録20、対象物測定用のスケールパターン2
1、そのスケールパターン21に関する目盛りの単位等の
補助情報21aを含むものとされる。
第2,3図に示されているように、ケーブル移動距離検
出装置7は、内視鏡ケーブル3に両側から摩擦接触して
回転する一対のローラ22,22と、そのローラ22の回転角
度を検出するロータリエンコーダ23とによって構成され
ている。ローラ22は、樹脂製のパイプ24とその外周に装
着されて内視鏡ケーブル3との摩擦力を確保するゴムチ
ューブ25とからなる円筒状のもので、樹脂製のローラケ
ース26に取り付けられた一対の平行なシャフト27,27に
よりそれぞれ回転自在に支持されている。そのローラ2
2,22の外周面間の間隔は、内視鏡ケーブル3の外径より
わずかに小さいものとされている。ローラケース26はロ
ーラ22,22間の中央部において2分割され、ヒンジ28に
よって開閉可能に連結されている。こうして、内視鏡ケ
ーブル3は、ローラケース26を開閉することにより、一
対のローラ22,22間に挟み付けられ、また、その間から
取り外されようになっている。
ローラ22,22の一側端部には、その外周面の互いに対
向する位置に、周方向に等間隔を置いて4個の永久磁石
29,29,…が取り付けられている。それらの磁石29,29,…
は、その表面側が交互にN極、S極となるように配置さ
れている。したがって、一対のローラ22,22は、磁力に
よって互いに同期して回転するようになっている。
ロータリエンコーダ23はコンピュータ10のマウスに用
いられているもので、ローラケース26とは別体の樹脂製
のエンコーダケース30内に収容されている。それらのケ
ース26,30はゴムバンド等により互いに固定されるよう
になっている。そして、それらのケース26,30を互いに
固定したときには、ロータリエンコーダ23の入力軸23a
がローラ22と平行になるようにされている。その入力軸
23aの一端には回転円盤31が固定されている。その回転
円盤31は、その外周面がローラ22の外周面に取り付けら
れた磁石29,29,…に近接して対向するように配置されて
いる。そして、その回転円盤31の外周面に、8個の永久
磁石32,32,…が周方向に等間隔を置いて埋め込まれてい
る。その磁石32,32,…も、その表面側が交互にN極、S
極となるようにされている。
このようにして、ローラ22側とロータリエンコーダ23
側との間はケース26,30によって互いに仕切られるとと
もに切り離し可能とされ、ローラ22とロータリエンコー
ダ23とが磁力によって互いに連動して回転するようにさ
れている。
このケーブル移動距離検出装置7は、ローラケース26
に固着された板ばね33の円筒状端部をマウスピース6に
嵌合させることによってそのマウスピース6に固定支持
されるようになっている。
次に、このように構成された内視鏡観察装置の作用に
ついて説明する。
例えば患者4の胃を観察するときには、まず、マウス
ピース6にケーブル移動距離検出装置7を取り付ける。
そして、内視鏡ケーブル3をその検出装置7の一対のロ
ーラ22,22間に挟み付けるとともに、その内視鏡ケーブ
ル3の先端をマウスピース6に挿入する。このときに
は、一方のローラ22に取り付けられた磁石29のN極と他
方のローラ22に取り付けられた磁石29のS極とが互いに
引き合って対向した状態となる。また、エンコーダケー
ス30に近い側のローラ22に取り付けられた磁石29のN極
と回転円盤31に取り付けられた磁石32のS極とも互いに
向かい合った状態となる。そこで、マウスピース6を患
者4にくわえさせ、門歯5によって保持させる。
この状態で、スイッチボックス9の第3組のスイッチ
を押し、これから行おうとする術式の候補名を画像表示
装置16に表示させる。そして、選択スイッチにより適切
な名称を選ぶ。すると、胃の観察の場合には、「門歯よ
り cm」という文字が画像表示装置16の画面に表示され
る。
次いで、内視鏡ケーブル3を移動させ、その先端のテ
レビカメラ2をマウスピース6内、すなわち体内腔入口
部に位置させる。これによって準備が完了する。
そこで、スイッチボックス9の第1組のスイッチの内
の一つを押し、コンピュータ10にケーブル移動距離の計
測開始を指示する。そして、内視鏡1を患者4の口から
喉、食道へと挿入する。すると、内視鏡ケーブル3が長
さ方向に移動し、その移動に伴って、内視鏡ケーブル3
に摩擦接触しているローラ22,22が回転する。このと
き、一方のローラ22が回転すると、そのローラ22の外周
面に取り付けられている磁石29と他方のローラ22に取り
付けられている磁石29との吸引力及び反発力によって、
他方のローラ22も同期して回転する。したがって、一方
のローラ22のみが空転することが防止され、内視鏡ケー
ブル3とローラ22,22との間のすべりが低減される。こ
うして、ローラ22,22は内視鏡ケーブル3の移動に応じ
て正確に回転する。
このようにしてローラ22,22が回転すると、エンコー
ダケース30に近い側のローラ22に取り付けられている磁
石29と回転円盤31に取り付けられている磁石32との吸引
反発力によって、回転円盤31が連動して回転する。その
場合、回転円盤31の回転数は、それらの磁石29,32の数
に比例する。すなわち、回転円盤31はローラ22の1/2の
速度で回転することになる。そして、その回転円盤31の
回転角度がロータリエンコーダ23によって検出され、そ
の回転角度に応じた数のパルスがエンコーダ23から出力
される。
こうして、ケーブル移動距離検出装置7のローラ22,2
2間を通過した内視鏡ケーブル3の長さ、すなわち患者
4の体内腔入口部である門歯5の位置を通って移動した
内視鏡ケーブル3の移動距離、に応じた信号がケーブル
移動距離検出装置7から出力され、インターフェース回
路8からマウスインターフェース11を通してコンピュー
タ10に入力される。コンピュータ10においては、プリン
タインターフェース12を通して計測開始信号が入力され
た時点からその移動距離信号のパルス数がカウントさ
れ、内視鏡ケーブル3の移動距離が算出される。その場
合、内視鏡ケーブル3が引き出し方向に移動すると、ロ
ータリエンコーダ23が逆転するので、そのときのパルス
数は減算される。したがって、算出された移動距離はマ
ウスピース6から内視鏡ケーブル3の先端までの長さ、
すなわち内視鏡ケーブル3の挿入長となる。そして、そ
の移動距離の値がビデオRAM14に書き込まれ、その数字
が「門歯より cm」という文字とともに画像合成装置15
に送られる。
また、コンピュータ10からは、一定目盛りのスケール
パターンの画像信号も画像合成装置15に送られる。
一方、内視鏡1のテレビカメラ2によって得られた内
視鏡画像信号は従来と同様に処理されて、画像合成装置
15に送られる。画像合成装置15においては、その画像信
号とコンピュータ10によって作成された文字及びスケー
ルパターンの画像信号とが合成されて、1フレームの画
像が形成される。そして、その画像が画像表示装置16に
表示される。こうして、内視鏡1の挿入長データ19とそ
のときの内視鏡画像17とがリアルタイムで表示される。
また、このようにして表示される内視鏡画像17を見な
がら内視鏡1を挿入していき、そのテレビカメラ2が例
えば胃の入口に達したとき、第3組のスイッチを押す。
すると、画像表示装置16の画面に部位の候補名が表示さ
れる。そこで、そのときの部位の名称、すなわち「胃」
を選択スイッチにより選択する。そして、第1組の他の
スイッチを押す。それによって、その時点からの内視鏡
ケーブル3の移動距離の計測が開始され、その移動距離
の値が部位名とともに画像表示装置16に表示される。し
たがって、画像表示装置16には、門歯5からの挿入長デ
ータ19と「胃」という部位名及び胃における位置記録20
とが表示されることになる。
この間においては、スケールパターン21の目盛りは一
定に保たれる。
特定の対象物を観察するときには、例えば第4図
(A)に示されているように、内視鏡1を挿入してい
き、先端のテレビカメラ2を観察対象物34に押し当て
る。次いで、内視鏡ケーブル3を徐々に引き出して、そ
のたるみを取り除く。そして、画像表示装置16の内視鏡
画像17を見ながら、テレビカメラ2が対象物34から離れ
る瞬間に第2組のスイッチを押す。すると、その時点か
ら、ケーブル移動距離検出装置7による内視鏡ケーブル
3の移動距離の計測が開始される。その移動距離は、対
象物34とテレビカメラ2との間の距離dとなる。そし
て、その移動距離の数値が「対象より cm」という文字
とともに画像表示装置16に表示される。それと同時に、
その移動距離に応じたスケールパターンの目盛りが計算
され、その目盛りのスケールパターン21が内視鏡画像17
に重ね合わされる。また、その目盛りの単位が補助情報
21aとして画像表示装置16に表示される。
スケールパターン21の目盛りの計算は次のようにして
行われる。すなわち、対象物34の実際の大きさをr、画
像17上での大きさをR、内視鏡ケーブル3の移動距離、
すなわちテレビカメラ2から対象物34までの距離をdと
すると、 R=C×tan-1(r/d) という関係がある。ここで、Cは画像表示装置16のサイ
ズ等によって定まる定数である。したがって、例えばr
が1mmのときのRの値を上式から求め、それを1単位の
目盛りとしたスケールパターンを作成すれば、そのスケ
ールパターン21はそのときの対象物34の実際の大きさを
表すものとなる。
対象物34の背面側を観察するときには、第4図(B)
に示されているように、内視鏡ケーブル3を引き出しな
がら、テレビカメラ2を対象物34の背面に当接させる。
そして、その位置で第2組のスイッチを押す。次いで、
内視鏡1を挿入していき、対象物34から適宜の距離だけ
離す。このときにも、内視鏡ケーブル3の移動距離が対
象物34とテレビカメラ2との間の距離dとなるので、ケ
ーブル移動距離検出装置7によって検出された移動距離
がその距離dとして表示される。また、その距離に応じ
た目盛りのスケールパターン21が表示される。
このようにして、内視鏡1と観察対象物34との間の距
離に応じた目盛りが付与されたスケールパターン21が内
視鏡画像17に重ね合わされ、その合成画像が画像表示装
置16に表示される。したがって、その画面を見るだけ
で、観察対象物34の実際の大きさを知ることができる。
そして、このように画像表示装置16に内視鏡画像17の
ほかにも種々の補助情報が表示されるので、その画像表
示装置16の画面を写真等として記録しておけば、後に読
影するときや他人が読影するときにも、容易にその観察
部位を同定することができる。
内視鏡ケーブル3には、術中、患者4の体液等が付着
するので、それが接触するケーブル移動距離検出装置7
は洗浄可能なものでなければならない。また、その検出
装置7は患者4に余分な負担を与えるものであってはな
らない。上述の検出装置7は、内視鏡ケーブル3の移動
に伴うローラ22の回転を磁力によってロータリエンコー
ダ23に伝えるものであるので、内視鏡ケーブル3が接触
するローラ22側と電気部品を含むエンコーダ23側とを完
全に仕切り、その間を電気的に絶縁することができる。
しかも、その間を切り離し可能とすることによって、電
気部品に影響を与えることなく洗浄することができる。
したがって、このような内視鏡観察装置に用いるのに適
したものとなる。
第5,6図はこの内視鏡観察装置に用いることのできる
ケーブル移動距離検出装置の他の例を示すものである。
第5図に示されているように、このケーブル移動距離
検出装置40の場合には、表面に一定幅の白の帯41aと黒
の帯41bとが長手方向に沿って交互に印刷された内視鏡
ケーブル41が用いられる。その内視鏡ケーブル41は、筒
状のキャップ42の内部に挿通されるようになっている。
そのキャップ42は、樹脂ケース43に取り付けられたホル
ダ44によって着脱自在に支持されている。樹脂ケース43
には、4個の1次元フォトイメージセンサ45,45,…が長
手方向に沿って埋め込まれている。そして、その樹脂ケ
ース43が、それに固着された板ばね33の円筒状端部をマ
ウスピース6に嵌合させることによって、第1〜3図の
実施例の回転式ケーブル移動距離検出装置7の場合と同
様に、マウスピース6に固定支持されるようになってい
る。
フォトイメージセンサ45は、樹脂ケース43の表面に露
出するようにされている。したがって、その上面側に内
視鏡ケーブル41の白の帯41aが位置するときには高レベ
ルの信号を出力し、黒の帯41bが位置するときには低レ
ベルの信号を出力する。第6図に示されているように、
第1のイメージセンサ45と第3のイメージセンサ45、及
び第2のイメージセンサ45と第4のイメージセンサ45
が、それぞれエクスクルーシブオア回路46,46に接続さ
れている。こうして、そのオア回路46,46の出力パルス
信号を検出することによって白の帯41aと黒の帯41bとの
境界の位置を知ることができ、そのパルス数をカウント
することによって内視鏡ケーブル41の移動距離を検出す
ることができるようになっている。そのパルス信号はコ
ンピュータ10のマウスインターフェース11に入力可能で
あるので、第1図の実施例におけるケーブル移動距離検
出装置7からの信号と同様に処理することができる。
このようなケーブル移動距離検出装置40は、可動部分
がないので機械的な劣化が起こりにくく、また、電子部
品を容易に外部から絶縁することができる。しかも、分
解能の高いフォトイメージセンサ45を使用することによ
り、高い精度を得ることができる。
なお、上記実施例においては、胃用の内視鏡について
のみ説明したが、本発明はこれに限られるものではな
く、大腸鏡や膀胱鏡等にも適用することができる。ま
た、電子内視鏡に限らず、エコー内視鏡やその他の画像
処理される内視鏡にも同様に適用することができる。
更に、入力装置としては、上記実施例のようなスイッ
チボックス9のほか、術者の手元に設置することができ
るものであれば、キーボード等、適宜のものを使用する
ことができる。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、内
視鏡画像を表示する画像表示装置の画面上に内視鏡ケー
ブルの適宜の位置からの移動距離をも表示させるように
しているので、体内腔入口部からの内視鏡の挿入長等を
表示させることができる。したがって、その画像を見る
だけで、観察部位を知ることができる。そして、その画
像を記録しておけば、観察部位を同定するのに役立つ情
報が同時に記録されるので、後に読影するときや他の術
者が読影するときにも、容易にその観察部位を同定する
ことが可能となる。
また、特定の部位における観察位置等をも表示させる
ことができるので、各部位の相互の位置関係がより明瞭
化されるようになる。
更に、内視鏡ケーブルの移動距離を検出することによ
り、内視鏡から観察対象物までの距離を求めることがで
きるので、その距離に応じた目盛りのスケールパターン
を作成することができる。そして、そのスケールパター
ンを内視鏡画像上に合成表示させることにより、その画
像を見るだけで対象物の実際の大きさを知ることができ
るようになる。その場合、内視鏡自体は従来のものと同
様のものでよいので、患者に余分な負担を与えることも
なくすことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による内視鏡観察装置の一実施例を示
す全体構成図、 第2図は、その内視鏡観察装置に用いられているケーブ
ル移動距離検出装置を示す概略側面図、 第3図は、そのケーブル移動距離検出装置の第2図III
−III線に沿う断面図、 第4図は、その内視鏡観察装置によって特定の対象物を
観察するときの手順を示す説明図、 第5図は、本発明の内視鏡観察装置に用いられるケーブ
ル移動距離検出装置の他の実施例を示す斜視図、 第6図は、そのケーブル移動距離検出装置の動作説明図
である。 1……内視鏡、2……テレビカメラ 3……内視鏡ケーブル、4……患者 5……門歯(体内腔入口部) 6……マウスピース 7……ケーブル移動距離検出装置 9……スイッチボックス(入力装置) 10……コンピュータ(画像処理装置、スケールパターン
作成装置) 16……画像合成装置 15……画像表示装置、17……内視鏡画像 19……挿入長データ、20……部位記録 21……スケールパターン 22……ローラ、23……ロータリエンコーダ 26……ローラケース、29……永久磁石 30……エンコーダケース 31……回転円盤、32……永久磁石 34……観察対象物 40……ケーブル移動距離検出装置 41……内視鏡ケーブル 41a……白い帯、41b……黒い帯 45……フォトイメージセンサ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内視鏡によって観察される内視鏡画像が画
    像表示装置に表示されるようにされている内視鏡観察装
    置において; 患者の体内腔入口部を通過する内視鏡ケーブルの移動距
    離を検出し得るケーブル移動距離検出装置と、 その検出装置による前記内視鏡ケーブルの移動距離計測
    開始点を入力し得る入力装置と、 その入力装置に入力された計測開始点から前記検出装置
    によって検出される前記内視鏡ケーブルの移動距離の値
    を画像処理する画像処理装置と、 その移動距離値を前記内視鏡画像とともに前記画像表示
    装置に表示する画像合成装置と、 前記入力装置に入力された計測開始点からの前記内視鏡
    ケーブルの移動距離に対応する目盛りのスケールパター
    ンを作成するスケールパターン作成装置と、を備え、 そのスケールパターンが、前記画像合成装置によって前
    記内視鏡画像に重ね合わされるようにされていることを
    特徴とする、 内視鏡観察装置。
  2. 【請求項2】前記ケーブル移動距離検出装置が、前記内
    視鏡ケーブルに摩擦接触して回転するローラと、そのロ
    ーラの回転角度を検出するロータリエンコーダとによっ
    て構成されている、 請求項1記載の内視鏡観察装置。
  3. 【請求項3】前記ロータリエンコーダが、前記ローラの
    外周面に近接してそのローラと平行な軸線のまわりに回
    転する回転円盤に連結されており、 そのローラ及び回転円盤の互いに対向する外周面に、そ
    れらを連動して回転させる永久磁石が取り付けられてい
    て、 それらローラ側とロータリエンコーダ側とが切り離し可
    能とされている、 請求項2記載の内視鏡観察装置。
  4. 【請求項4】前記ローラが一対設けられ、それらのロー
    ラが前記内視鏡ケーブルに両側から摩擦接触するように
    配置されていて、その各外周面に取り付けられた永久磁
    石により互いに同期して回転するようにされている、 請求項2記載の内視鏡観察装置。
  5. 【請求項5】前記ケーブル移動距離検出装置が、前記内
    視鏡ケーブルの長手方向に沿ってその表面に交互に印刷
    された一定幅の白と黒との帯と、その帯を検出し得るフ
    ォトイメージセンサとによって構成されている、 請求項1記載の内視鏡観察装置。
  6. 【請求項6】前記入力装置により、前記画像処理装置に
    観察部位の名称が入力可能とされており、 その観察部位の名称が、前記画像合成装置によって前記
    画像表示装置に表示されるようにされている、 請求項1記載の内視鏡観察装置。
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