JP2022018401A - 血管観察システムおよび血管観察方法 - Google Patents

血管観察システムおよび血管観察方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022018401A
JP2022018401A JP2020121485A JP2020121485A JP2022018401A JP 2022018401 A JP2022018401 A JP 2022018401A JP 2020121485 A JP2020121485 A JP 2020121485A JP 2020121485 A JP2020121485 A JP 2020121485A JP 2022018401 A JP2022018401 A JP 2022018401A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood vessel
endoscope
pullback
image
observation system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020121485A
Other languages
English (en)
Inventor
博文 榎本
Hirobumi Enomoto
洋太 橋本
Hirota Hashimoto
隼 江田
Hayato Eda
央朗 住吉
Hiroaki Sumiyoshi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
iPro Co Ltd
Original Assignee
Panasonic iPro Sensing Solutions Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic iPro Sensing Solutions Co Ltd filed Critical Panasonic iPro Sensing Solutions Co Ltd
Priority to JP2020121485A priority Critical patent/JP2022018401A/ja
Publication of JP2022018401A publication Critical patent/JP2022018401A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Endoscopes (AREA)

Abstract

【課題】医師等によりマニュアルプルバックされた場合に、手術等の医療行為の安全性の確保と患部等の適正な状況把握とを両立する。【解決手段】血管観察システムは、先端部が被検体の血管内に挿入されかつ基端部が固定され、ユーザの操作により先端部が基端部に向かってプルバックされる間に被検体の血管を撮像する内視鏡と、ユーザの操作に基づくプルバックを検出する検出部と、プルバックの検出結果に基づく内視鏡の位置情報と内視鏡の撮像速度とに基づいて、内視鏡の位置情報で内視鏡により撮像された血管画像と内視鏡の位置情報とを紐付け処理し、内視鏡の位置情報に対応する血管画像の表示画面をモニタに表示するコントローラと、を備える。【選択図】図3

Description

本開示は、血管内を撮像した画像を表示する血管観察システムおよび血管観察方法に関する。
特許文献1には、血管等の生体管腔内に挿入される光プローブ部が取り付けられたスキャナ部と、プルバック部と、スキャナ部を前方向に直進動作させる場合にスキャナ部の前進端位置から所定距離だけ離れた位置にスキャナ部が到達したことを検出する検出部とを備えた、光干渉断層画像診断装置(OCT)等の光画像診断装置用のモータ駆動装置が開示されている。プルバック部は、スキャナ部を前方向に直進動作させる場合に、検出部が検出するまでの間、第1の速度設定値に基づいて速度制御を行い、検出部が検出した後は第1の速度設定値よりも小さい第2の速度設定値に基づいて速度制御を行う。
特開2013-70826号公報
しかし、特許文献1の構成では、血管等の生体管腔内に挿入された光プローブ部が挿入され、一定速度で光プローブ部が自動的に生体管腔内を引き戻す(いわゆるオートプルバック)させられていることが前提となっている。ここで、血管等の生体管腔内に挿入可能な内視鏡の先端部が血管内に挿入されて一定速度でオートプルバックされると、オートプルバックの途中で内視鏡の先端部が血管内壁等に衝突してもそのまま引き戻し(つまりプルバック)がなされて血管を傷つける可能性があった。このため、手術等の医療行為中には、医師等のユーザの操作によって内視鏡の先端部が手動で引き戻し(つまりマニュアルプルバック)される方がより安全と考えられる。だが、特許文献1の構成ではマニュアルでプルバックされることは想定されていない。一方で、マニュアルプルバックされた場合に、患部等の適正な状況把握のために、内視鏡が撮像する血管内の画像と内視鏡との位置とを適切に対応付ける必要もあった。
本開示は、上述した従来の状況に鑑みて案出され、医師等によりマニュアルプルバックされた場合に、手術等の医療行為の安全性の確保と患部等の適正な状況把握とを両立する血管観察システムおよび血管観察方法を提供することを目的とする。
本開示は、先端部が被検体の血管内に挿入されかつ基端部が固定され、ユーザの操作により前記先端部が前記基端部に向かってプルバックされる間に前記被検体の血管を撮像する内視鏡と、前記ユーザの操作に基づく前記プルバックを検出する検出部と、前記プルバックの検出結果に基づく前記内視鏡の位置情報と前記内視鏡の撮像速度とに基づいて、前記内視鏡の位置情報で前記内視鏡により撮像された血管画像と前記内視鏡の位置情報とを紐付け処理し、前記内視鏡の位置情報に対応する前記血管画像の表示画面をモニタに表示するコントローラと、を備える、血管観察システムを提供する。
また、本開示は、血管観察システムにより実行される血管観察方法であって、先端部が被検体の血管内に挿入されかつ基端部が固定された内視鏡がユーザの操作により前記先端部から前記基端部に向かってプルバックされる間に、前記被検体の血管を撮像し、前記ユーザの操作に基づく前記プルバックを検出し、前記プルバックの検出結果に基づく前記内視鏡の位置情報と前記内視鏡の撮像速度とに基づいて、前記内視鏡の位置情報で前記内視鏡により撮像された血管画像と前記内視鏡の位置情報とを紐付け処理し、前記内視鏡の位置情報に対応する前記血管画像の表示画面をモニタに表示する、血管観察方法を提供する。
本開示によれば、医師等によりマニュアルプルバックされた場合に、手術等の医療行為の安全性の確保と患部等の適正な状況把握とを両立することができる。
各実施の形態に係る血管観察システムの構成例を示す図 実施の形態1に係る血管内視鏡の構成例を示す図 実施の形態1に係る血管観察システムの動作手順例を示すフローチャート アンギオ画像および血管内視鏡画像を対比表示する表示画面の一例を示す図 実施の形態2に係る血管内視鏡の構成例を示す図 マーキング検知ラインをクロスするガイドワイヤの経時変化例を示す図 実施の形態2に係る血管観察システムの動作手順例を示すフローチャート 実施の形態3に係る血管内視鏡の構成例を示す図 ハンドストラップの先端部の挿入距離の経時変化例を示す図 実施の形態3に係る血管観察システムの動作手順例を示すフローチャート 実施の形態4に係る血管内視鏡の構成例を示す図 実施の形態4に係る血管観察システムの動作手順例を示すフローチャート 実施の形態5に係る血管内視鏡の構成例を示す図 実施の形態5に係る血管観察システムの動作手順例を示すフローチャート
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る血管観察システムおよび血管観察方法を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明および実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
図1は、各実施の形態に係る血管観察システム100の構成例を示す図である。図2は、実施の形態1に係る血管内視鏡10の構成例を示す図である。血管観察システム100は、手術あるいは検査(以下「手術等」と称する)の時に、人体等の被検体を対象として被検体内の血管を血管内視鏡10,10A,10B,10C,10Dのそれぞれで撮像するとともに、それぞれの血管内視鏡により撮像された画像を表示する。図1の説明では、例えば実施の形態1に係る血管内視鏡10(図2参照)を例示して説明するが、血管観察システム100のシステム構成は他の実施の形態に係る血管内視鏡10A,10B,10C,10Dを用いた場合にも同様に適用可能である。血管は、例えば冠動脈でもよいし、上肢あるいは下肢でもよく、血管内視鏡が挿入される被検体内の部位は特に限定されなくてよい。血管観察システム100は、血管内視鏡10と、中継器20と、医療コンソールCSL1とを少なくとも含む構成である。また、血管観察システム100は、アンギオグラフィ装置50と、速度距離測定器60とをさらに含む構成としてもよい。
血管内視鏡10は、血管観察システム100を構成する内視鏡の一例であり、手術等の時に被検体内に予め挿入されたガイドワイヤGW1に沿って挿入されたり引き戻されたりする医療器具である。また、血管内視鏡10は、ガイドワイヤGW1が挿入された後、ガイドワイヤGW1に沿いながら、アウターカテーテルOCT1およびインナーカテーテルICT1のそれぞれの内部を挿入されたり引き戻されたりする。インナーカテーテルICT1は、血管内視鏡10が挿入される内側の外殻を構成する。アウターカテーテルOCT1は、血管内視鏡10が挿入される外側の外殻を構成する。つまり、血管内視鏡10は、インターカテーテルICTおよびアウターカテーテルOCT1の内周に沿って患部近傍まで挿入される(図2参照)。なお、アウターカテーテルOCT1は、被検体内に挿入されるが、インナーカテーテルICT1ほど患部近傍までは挿入されない(図2参照)。
血管内視鏡10は、被検体内に挿入されて被検体内を撮像可能な撮像部CM1が実装された先端部TP1と、基端固定部OSFX1により仮固定された基端部BE1とを有する。血管内視鏡10の基端部BE1は、基端固定部OSFX1で仮固定されるが、血管内視鏡10の基端(終端)は退避方向(後述参照)にさらに引かれることが可能である。なお、血管内視鏡10の基端(終端)は基端固定端FX1でも固定されてよい。基端部BE1から先端部TP1までは、可撓性を有する樹脂材により形成されたシースSTH1により血管内視鏡10の外周が覆われている。血管内視鏡10の外径は、血管内視鏡10の撮像部CM1の光軸に垂直な方向の外形状が円形となるシースSTH1の径に相当し、例えば血管内に挿入可能なサイズとして、最大外径として1.8mmΦであるが、このサイズに限定されなくてよい。撮像部CM1は、例えば血管を撮像可能な画像センサが実装された48万画素の高解像度カメラである。なお、48万画素はあくまで一例であり、画素数は48万画素に限定されなくてよい。血管内視鏡10が被検体内の血管に挿入されると、血管内視鏡10は、血管の内壁(血管壁)を撮像可能である。血管内視鏡10は、画像センサとして、例えばCCD(Charge Coupled Device)あるいはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子(つまりイメージセンサ)を内蔵し、被写体(例えば血管壁)からの光学像を撮像面に結像し、結像した光学像を電気信号に変換して画像のデータ信号を出力する。血管内視鏡10は、ユーザの感覚に基づいた操作によって退避方向に引き戻され、血管壁を撮像した画像のデータ信号を中継器20に出力する。以後、血管内視鏡10が血管壁を撮像した画像を「血管内視鏡画像」(血管画像の一例)と称する。なお、血管内視鏡画像のデータ信号は、静止画像および動画像のいずれの信号でもよい。また、血管内視鏡10は、患部を明るく照明するために、先端部TP1にLED(Light Emission Diode)光源を内蔵してもよいし、後述するカメラコントロールユニット30から出射された照射光を導光する光ファイバを内蔵してもよい。
血管内視鏡10は、手術等の前に予め被検体内の観察部位(例えば血管)に挿通されたガイドワイヤGW1に沿って、医師等のユーザ(以下「ユーザ」と称する)の操作によって被検体内の血管内を進退自在に挿通される。ここで、血管内視鏡10が被検体内の観察部位に向かって挿入される方向を進行方向と定義し、反対に血管内視鏡10が被検体外に向かって引き戻される方向を退避方向と定義する。したがって、進退自在とは、血管内視鏡10が被検体内に向かって挿入されることも引き戻されることも可能であることを意味する。血管内視鏡10の先端部TP1には、剛性を有するように金属製のホルダHL1が配置されている。このホルダHL1は、上部にガイドワイヤGW1の貫通孔(図示略)を有するとともに、上述した撮像部CM1を覆い隠すように周方向に覆う。これにより、血管内視鏡10は、ユーザの操作により、ホルダHL1の貫通孔を介してガイドワイヤGW1に沿って進退自在となる。つまり、血管内視鏡10は、手術等の観察部位(例えば患部)までに予め挿通されたガイドワイヤGW1に案内されて観察部位までスムーズに挿入可能である。アウターカテーテルOCT1には、例えば手術等の時に患部のカラー撮像が可能となるように造影剤等の透明な薬液が注入される。造影剤は、例えば血管内視鏡10の基端側に配置されたY型コネクターYC1の突出部FL1から、アウターカテーテルOCT1内を進行方向(上述参照)に向かうように注入される。造影剤は、インナーカテーテルICT1と血管内視鏡10のシースSTH1との隙間、アウターカテーテルOCT1とインナーカテーテルICT1との隙間から術野等の患部に流れ出て周囲を透明状態にする。
また、実施の形態1に係る血管内視鏡10の基端部BE1には、検出部DTC1が取り付けられている(図2参照)。図1および図2では詳細な図示は省略しているが、検出部DTC1の出力(具体的には後述するロータリーエンコーダRTE1の出力)が中継器20に入力可能となるように検出部DTC1と中継器20とは接続されている。検出部DTC1は、血管内視鏡10の進行方向の移動あるいは退避方向の移動に基づいて回転する回転体ROT1と、進行方向あるいは退避方向と直交する方向に設けられた回転体ROT1の回転軸AX1と同軸となるように配置されたロータリーエンコーダRTE1とを有する。回転体ROT1は、血管内視鏡10の進行方向の移動(言い換えると、血管内視鏡10のシースSTH1の進行方向)に基づいて回転軸AX1を中心として反時計回り方向DR2に回転する。回転体ROT1は、血管内視鏡10の退避方向の移動(言い換えると、血管内視鏡10のシースSTH1の退避方向)に基づいて回転軸AX1を中心として時計回り方向DR1に回転する。ロータリーエンコーダRTE1は、回転軸AX1を中心とした回転体ROT1の回転に基づいて、血管内視鏡10の進行方向あるいは退避方向の移動量(移動距離)に応じた回転体ROT1の回転量を検出する。ロータリーエンコーダRTE1は、回転体ROT1の回転量の検出結果を中継器20に伝送する。回転体ROT1の回転量の検出結果は、中継器20を介して医療コンソールCSL1のPC40に入力される。これにより、血管内視鏡10がプルバックされた時の移動距離がPC40によって算出可能となる。
中継器20は、血管観察システム100を構成するコントローラの一例であり、血管内視鏡10とカメラコントロールユニット30との間で行われる各種の信号を中継する。各種の信号は、例えば血管内視鏡10で撮像された画像のデータ信号以外に、カメラコントロールユニット30が血管内視鏡10を制御するための各種の制御信号を含む。中継器20は、入力インターフェース21,22と、出力インターフェース23と、FPGA24(Field Programmable Gate Array)とを含む構成である。図1ではインターフェースを「I/F」と略記している。
入力インターフェース21は、血管内視鏡10との間でデータ信号の入力を可能に接続され、血管内視鏡10で撮像された画像のデータ信号(例えば動画あるいは静止画)を入力してFPGA24に出力する。
入力インターフェース22は、血管内視鏡10の基端部BE1側に設けられた検出部(例えば検出部DTC1)からのデータ信号の入力を可能に接続され、検出部(例えばロータリーエンコーダRTE1)から出力されるデータ信号を入力してFPGA24に出力する。
出力インターフェース23は、FPGA24により生成された紐付けデータ(つまり、血管内視鏡10により撮像された画像のデータと血管内視鏡10の位置情報および速度情報のデータとが紐付けされたデータ)を医療コンソールCSL1に出力する。
FPGA24は、増幅器、AD(Analog Digital)コンバータ、フィルタおよび各種の演算回路を少なくとも含む集積回路により構成される。FPGA24は、入力インターフェース21を介して入力された画像のデータ信号に対し、増幅処理、アナログデジタル変換処理、フィルタリング処理等の各種の処理を行う。FPGA24は、各種の処理(前述参照)により処理された後の画像のデータと、血管内視鏡10の位置情報および速度情報のデータとを関連付けるためのリンク処理(いわゆる紐付け)を行う。FPGA24は、紐付けの処理例として、画像のデータの格納領域(例えばオプション領域)に、血管内視鏡10の位置情報および速度情報のデータ(計測データ)を格納する。または、FPGA24は、紐付けの他の処理例として、画像上の視認性を遮らない位置に、血管内視鏡10の位置情報および速度情報のデータ(例えばテキストデータ)を重畳する。ここで、画像のデータと位置情報および速度情報のデータとの紐付けの処理は、これらのデータを連結することで、例えばこれらのデータを足し合わせて1つのデータにすることで行われる。このように、中継器20による紐付けにより、血管内の血管内視鏡10の撮像位置と、血管内視鏡10により撮像された画像の取得タイミングとが一致(同期)するように対応付けられる。以下の説明において、画像のデータと位置情報および速度情報のデータとが紐付けされたデータを、単に「紐付けデータ」と称する場合がある。
なお、中継器20に使用されるプロセッサの一例として、FPGA24を挙げているが、FPGA24以外にCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等が用いられてもよい。また、中継器20は、医療コンソールCSL1の一部を構成するように設けられてもよい。さらに、上述した画像のデータと位置情報および速度情報のデータとの紐付けは、後述する医療コンソールCSL1のPC40において実行されてもよい。
医療コンソールCSL1は、例えばカメラコントロールユニット30(Camera Control Unit)と、PC40(Personal Computer)と、キーボードマウスIPT1と、モニタMN1とにより構成される。
カメラコントロールユニット30は、中継器20を介して血管内視鏡10と電気的に接続され、血管内視鏡10による撮像動作、血管内視鏡10からの画像のデータ信号に基づく血管内視鏡画像のデータ生成を制御する。カメラコントロールユニット30は、血管内視鏡画像のデータと血管内視鏡の位置情報および速度情報のデータとが結合されたデータ(つまり、上述した紐付けデータ)にメタデータを付加する。メタデータは、血管内視鏡10から提供される血管内視鏡画像の撮像日時等のデータを含む。
カメラコントロールユニット30は、画像入力部(図示略)、画像処理部(図示略)および画像出力部(図示略)を少なくとも含む。画像入力部(図示略)は、血管内視鏡画像のデータと血管内視鏡10の位置情報および速度情報のデータとが紐付けされた紐付けデータを入力する。画像入力部(図示略)は、専用の画像入力インターフェースの他、映像データを高速に転送可能なHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)あるいはUSB(Universal Serial Bus) Type-C等を用いたインターフェースでもよい。画像処理部(図示略)は、入力された紐付けデータに書誌事項からなるメタデータを付加する等の処理を行う。また、画像処理部(図示略)は、中継器20から送られた紐付けデータに対し、所定の画像処理を行うことで、モニタMN1において視認可能なRGB形式あるいはYUV形式の結合されたデータを生成してもよい。画像出力部(図示略)は、メタデータが付加された結合されたデータをPC40に送信する。
PC40は、血管観察システム100を構成するコントローラの一例であり、入力インターフェース41,42と、出力インターフェース43と、メモリ44と、ストレージ45と、プロセッサ46とを含む構成である。PC40は、中継器20により生成された紐付けデータを、カメラコントロールユニット30を介して受信する。PC40は、紐付けデータに含まれる血管内視鏡画像のデータ、あるいはこの血管内視鏡画像のデータに対して所定の画像処理を施した後の血管内視鏡画像のデータ等をストレージ45に記録して保存する。また、PC40は、血管造影装置としての役割を有するアンギオグラフィ装置50との間でデータ通信が可能に接続され、アンギオグラフィ装置50により撮像された画像(以下「アンギオ画像」と称する)を受信して保存する。
また、PC40は、カメラコントロールユニット30からの紐付けデータ(上述参照)とアンギオグラフィ装置50からのアンギオ画像とに基づいて、観察部位(例えば患部である血管)のアンギオ画像および血管内視鏡画像(図13参照)の表示画面のデータを生成し、出力インターフェース43を介してモニタMN1に出力(表示)する。これにより、PC40は、医師等のユーザに、血管の観察状況を示す表示画面によって血管内を可視化できる。
入力インターフェース41は、カメラコントロールユニット30から送られてくる血管内視鏡画像のデータを受信してプロセッサ46に送る。入力インターフェース41は、アンギオグラフィ装置50から送られてくるアンギオ画像のデータを受信してプロセッサ46に送る。また、詳細は後述するが、医療コンソールCSL1には、速度距離測定器60からのデータ信号を入力可能に接続されている。このため、入力インターフェース41は、速度距離測定器60からのデータ信号を入力してプロセッサ46に出力する。入力インターフェース41は、カメラコントロールユニット30からの画像のデータ(上述参照)を高速に転送可能なHDMI(登録商標)あるいはUSB Type-C等を用いたインターフェースでもよい。
入力インターフェース42は、医師等のユーザが使用する入力デバイスとしての役割を有するキーボードマウスIPT1からの操作信号を入力してプロセッサ46に出力する。
出力インターフェース43は、プロセッサ46により生成された表示画面(例えば血管内視鏡画像およびアンギオ画像の両方が映る表示画面)のデータをモニタMN1に出力する。
メモリ44は、プロセッサ46のワーキングメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)と、プロセッサ46により実行される各種の処理用のプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)と、を含む。
ストレージ45は、大容量の記憶装置であり、血管内視鏡10で撮像された血管内視鏡画像、アンギオグラフィ装置50により撮像されたアンギオ画像のデータ等を蓄積する。ストレージ45は、例えば二次記憶装置(例えばHDD(Hard Disk Drive)もしくはSSD(Solid StateDrive))、あるいは三次記憶装置(例えば光ディスク、SDカード)を含んでよい。
プロセッサ46は、メモリ44に記憶された各種の処理用のプログラムを実行することで、例えば上述した紐付けデータの生成処理、血管内視鏡画像およびアンギオ画像の両方が映る表示画面のデータ生成処理等のそれぞれを実行する。プロセッサ46は、例えば画像処理に適したGPUでもよいし、MPU、CPU、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で設計された専用の電子回路、またはFPGA等で再構成可能に設計された電子回路で構成されてもよい。プロセッサ46の処理例の詳細については後述する。
アンギオグラフィ装置50は、血管観察システム100を構成する血管造影装置の一例であり、手術等の時に手術台で寝ている被検体(患者)の血管の形状あるいは異常の有無等の分布、腫瘍への血管あるいは血流の状態を検査治療する機器である。具体的には、被検体内の血管に造影剤が注入され(図2参照)、アンギオグラフィ装置50によって、血流あるいは腫瘍の分布、血管の狭窄あるいは閉塞の検査治療が行われる。アンギオグラフィ装置50は、例えば被検体の血管の形状を撮像することでアンギオ画像を生成し、アンギオ画像のデータをPC40に伝送する。
キーボードマウスIPT1は、医師等のユーザにより使用される入力デバイスであり、キーボードあるいはマウス、もしくはキーボードおよびマウスの両方により構成される。また、キーボードマウスIPT1の操作により、PC40を起動させる起動信号がPC40に入力されてよい。
モニタMN1は、PC40から出力される血管内視鏡画像およびアンギオ画像の両方が映る表示画面のデータを表示する。モニタMN1は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electroluminescence)、CRT(Cathode Ray Tube)等の表示デバイスを有する。なお、カメラコントロールユニット30、PC40、キーボードマウスIPT1およびモニタMN1は、医療コンソールCSL1として単一の筐体に搭載されて手術室内に配置される。
次に、実施の形態1に係る血管観察システム100の動作手順を、図3を参照して説明する。図3は、実施の形態1に係る血管観察システム100の動作手順例を示すフローチャートである。
図3において、ユーザが医療コンソールCSL1の筐体(図示略)に設けられた起動スイッチを押下すると、血管観察システム100は起動する(St1)。血管観察システム100が起動すると、血管内視鏡10(図2参照)、中継器20、アンギオグラフィ装置50、医療コンソールCSL1は、それぞれ動作を開始する。なお、中継器20の主な処理主体はFPGA24であり、PC40の主な処理主体はプロセッサ46である。
例えば被検体内の血管内に血栓があったり血管壁にプラークができていたりする等、被検体内の血管の状態を観察するため、血管内視鏡10は血管内に挿入される。ユーザが血管内視鏡10を血管内に挿入する前に、ガイドワイヤGW1、アウターカテーテルOCT1、インナーカテーテルICT1の順に血管内に挿通される(St1)。ガイドワイヤGW1、アウターカテーテルOCT1、インナーカテーテルICT1の順に血管内に挿入されると、ユーザは、ガイドワイヤGW1に案内されかつアウターカテーテルOCT1およびインナーカテーテルICT1内に沿うように、基端部BE1側に検出部DTC1(図2参照)が取り付けられた血管内視鏡10を血管内に進行させて挿入していく(St1)。
血管内視鏡10の先端部TP1が観察部位(例えば血管等の患部)に達すると、ユーザにより、インナーカテーテルICT1内で血管内視鏡10が手動で引き戻され始まる(St2)。なお、血管内視鏡10が血管内を鮮明に撮像できるように、アウターカテーテルOCT1内から造影剤もしくは生理食塩水等の透明液が血管内に事前に注入される。血管内視鏡10は、ユーザの操作によりプルバックされている間、一定の撮像速度(いわゆるシャッター速度)で血管内を撮像する。例えばシャッター速度(言い換えるとフレームレート)が30fps(frame per second)である場合、1/30(秒)ごとに血管内視鏡画像のデータが生成される。この血管内視鏡画像(フレーム)のデータは例えば1/30(秒)ごとに都度、中継器20に入力される。
検出部DTC1において、ロータリーエンコーダRTE1は、回転軸AX1を中心とした回転体ROT1の回転に基づいて、ステップSt2のプルバック中の血管内視鏡10の退避方向の移動量(移動距離)に応じた回転体ROT1の回転量を検出する。ロータリーエンコーダRTE1は、回転体ROT1の回転量の検出結果を中継器20に伝送する。中継器20は、ロータリーエンコーダRTE1からの検出結果に基づいて、血管内視鏡10のプルバックされている距離(言い換えると、プルバック開始時からの移動距離)を算出して検出する(St3)。
中継器20は、ステップSt3で算出された血管内視鏡10の移動距離と、シャッター速度で繰り返して撮像されている中でその移動距離の算出時(検出時)と同じタイミングに入力された血管内視鏡画像のデータ(画像フレーム)とを紐付けする(St4)。なお、中継器20は、血管内視鏡10の移動距離の算出時と同じタイミングではなく、その算出時から既定時間ほど遡った時点に入力された血管内視鏡画像のデータ(画像フレーム)を紐付け処理の対象として選別してもよい。既定時間は、例えば血管内視鏡10の移動距離の算出に要する時間であり、非常に短い時間である。これにより、血管内視鏡10の算出に要する時間の影響を排除して血管内視鏡10の撮像位置とその撮像位置で撮像された血管内視鏡画像のデータとの紐付け精度を向上できる。
中継器20は、ステップSt4で生成された紐付けデータを、カメラコントロールユニット30を介してPC40に出力する。なお、ステップSt3およびステップSt4のそれぞれの処理は、中継器20でなくPC40において実行されてもよい。この場合には、PC40は、ロータリーエンコーダRTE1からの検出結果に基づいて、血管内視鏡10のプルバックされている距離(言い換えると、プルバック開始時からの移動距離)を算出して検出する。さらに、PC40は、PC40自身により算出された血管内視鏡10の移動距離と、その移動距離の算出時(検出時)と同じタイミングにPC40に入力された血管内視鏡画像のデータ(画像フレーム)とを紐付けする。
PC40は、ステップSt4において紐付けされた血管内視鏡画像のデータ(画像フレーム)と、その画像フレームの取得したタイミングと同じタイミングに入力したアンギオ画像のデータとのペアからなるデータ(ペアデータ)をタイミング情報(例えば時刻情報)と関連付けてストレージ45に記録する。PC40は、このペアデータを生成する度にペアデータの元となる各画像のデータのタイミング情報と関連付けてストレージ45に記録する。PC40は、ペアデータを構成する血管内視鏡画像VED1およびアンギオ画像ANG1の各データを対比的に配置(表示)した表示画面(図4参照)のデータを生成する(St5)。さらに、PC40は、ステップSt5で生成された表示画面(図4参照)のデータをモニタMN1に出力して表示する(St5)。
図4は、アンギオ画像ANG1および血管内視鏡画像VED1を対比表示する表示画面WD1の一例を示す図である。表示画面WD1は、アンギオ画像ANG1および血管内視鏡画像VED1のそれぞれの表示領域を有する。アンギオ画像ANG1は、アンギオグラフィ装置50によって撮像かつ生成されてPC40に伝送される。アンギオ画像ANG1は、被検体の観察部位(例えば患部の全体)の状態を広範囲に示す。血管内視鏡画像VED1は、血管内視鏡10によって撮像かつ生成されてPC40に伝送される。血管内視鏡画像VED1は、被検体の観察部位(例えば患部の一部)の状態を局所的に示す。
また、表示画面WD1は、血管内視鏡10の観察対象となる血管の血管断面図の表示領域SEC1を有する。この表示領域SEC1には、血管断面図が表示される。血管断面図には、現在表示されている血管内視鏡画像VED1が撮像している位置(撮像位置)を示す位置指定バーBAR1が表示されている。この位置指定バーBAR1は、キーボードマウスIPT1を用いたユーザの操作により、適宜スライド可能である。PC40は、ユーザの操作によりスライド可能な位置指定バーBAR1が示す位置を検出し、この位置を撮像位置とする血管内視鏡画像とその血管内視鏡画像の入力タイミングと同じタイミングに入力したアンギオ画像とのペアデータ(上述参照)をストレージ45から読み出してそれぞれの画像の表示領域に表示した表示画面WD1を生成する。
また、表示画面WD1は、位置指定バーBAR1が測定長(つまり血管内視鏡10のプルバック開始地点からプルバック終了地点までの長さ)にわたってスライドさせるための操作等を指示するためのユーザ操作指定エリアの表示領域OPE1を有する。
以上により、実施の形態1に係る血管観察システム100は、先端部TP1が被検体の血管内に挿入されかつ基端部BE1が固定され、ユーザの操作により先端部TP1が基端部BE1に向かってプルバックされる間に被検体の血管を撮像する血管内視鏡10を有する。血管観察システム100は、ユーザの操作に基づくプルバックを検出する検出部(例えば検出部DTC1、図2参照)を有する。血管観察システム100は、プルバックの検出結果に基づく血管内視鏡10の位置情報と血管内視鏡10の撮像速度(例えばシャッター速度)とに基づいて、血管内視鏡10の位置情報で血管内視鏡10により撮像された血管内視鏡画像(血管画像の一例)と血管内視鏡10の位置情報とを紐付け処理するコントローラ(例えば中継器20あるいはPC40)を有する。コントローラは、血管内視鏡10の位置情報に対応する血管内視鏡画像の表示画面WD1(図4参照)をモニタMN1に表示する。
これにより、血管観察システム100は、手術等の時に医師等のユーザが被検体内の血管壁等を傷つけないように血管内視鏡10をマニュアルプルバックする場合に、ユーザの操作によるプルバックを適切に検出できる。また、血管観察システム100は、プルバックが適切に検出された上で、そのプルバック中に血管内視鏡10が撮像した画像をモニタ70に表示できる。したがって、血管観察システム100は、手術等の医療行為の安全性の確保と医師等のユーザによる血管内の観察の利便性との両立を適切に図ることができ、さらには、ユーザによる被検体内に挿通される適切な径のステントの選択を支援することができる。
また、検出部DTC1は、血管内視鏡10の基端部BE1側に設けられ、プルバックの方向(例えば退避方向)に直交する鉛直方向を回転軸AX1の方向として回転するロータリーエンコーダRTE1である。コントローラは、ロータリーエンコーダRTE1の回転量に基づいて、プルバック中の血管内視鏡10の位置情報を取得する。これにより、血管観察システム100は、オートプルバック装置等のプルバック機器を準備する必要が無く、ロータリーエンコーダRTE1を血管内視鏡10の基端部BE1側に取り付けるだけで、ユーザのプルバックに基づく血管内視鏡10の移動距離を適切に検出できる。
また、コントローラは、血管内視鏡10の位置情報を取得したタイミングと同一のタイミングに取得した血管内視鏡画像とを紐付け処理する。これにより、血管内視鏡10の撮像位置とその撮像位置で撮像された血管内視鏡画像のデータとの紐付け精度が向上する。なお、この効果は実施の形態1に限ったものではなく、以下の各実施の形態においても同様に適用可能である。
また、コントローラは、血管内視鏡10が挿入された被検体の血管を撮像する血管造影装置(例えばアンギオグラフィ装置50)と接続され、それぞれ同一のタイミングで撮像されたアンギオグラフィ装置50からの血管造影画像(例えばアンギオ画像ANG1)および血管内視鏡10からの血管画像(例えば血管内視鏡画像VED1)を対比表示した表示画面WD1をモニタMN1に表示する。これにより、医師等のユーザは、モニタMN1においてそれぞれ同一のタイミングで撮像されたアンギオ画像ANG1および血管内視鏡画像VED1の両方を見比べながら患部(例えば血管)の状態を効率的かつ分かり易く観察できる。なお、この効果は実施の形態1に限ったものではなく、以下の各実施の形態においても同様に適用可能である。
また、血管内視鏡10は、被検体の血管を撮像可能な撮像部CM1を有する。撮像部CM1は、血管内視鏡10の先端部TP1に実装されている。これにより、血管観察システム100は、高解像度を有して血管内視鏡10により撮像された血管画像を用いて、血管内の様子を観察可能な表示画面を生成でき、ユーザの利便性を向上できる。なお、この効果は実施の形態1に限ったものではなく、以下の各実施の形態においても同様に適用可能である。
(実施の形態2)
実施の形態2では、血管観察システム100のシステム構成は実施の形態1と同一であるが、血管内視鏡10Aのプルバックを検出する検出部の構成が実施の形態1と異なる。実施の形態2に係る血管観察システム100のシステム構成は実施の形態1に係る血管観察システム100のシステム構成と同一であり、同一の要素については同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図5は、実施の形態2に係る血管内視鏡10Aの構成例を示す図である。図5の説明において、図2の要素と同一の要素については同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。実施の形態2では、実施の形態1に係るガイドワイヤGW1と異なる点として、ガイドワイヤGW2には等間隔目盛り(例えばマーカME2,ME3)が予め付されている。ガイドワイヤGW2に等間隔目盛りが付されている点を除けば、ガイドワイヤGW2はガイドワイヤGW1と同様の構成である。図5に示すように、ガイドワイヤGW2には、等間隔にマーカME2,MG3,…が予め付されている。つまり、それぞれのマーカ間の距離(例えばマーカME2とマーカME3との間の距離a)が一定値となる。
図6は、マーキング検知ラインDTL1をクロスするガイドワイヤGW2の経時変化例を示す図である。実施の形態2では、血管内視鏡10Aのプルバックを検出する検出部は、等間隔に複数のマーカが付されたガイドワイヤGW2と、血管内視鏡10Aにより撮像された血管内視鏡の所定位置に設けられた矩形状のマーキング検知ラインDTL1(検知ラインの一例)とにより構成される。マーキング検知ラインDTL1は矩形状(例えば正方形)であり、図6に示す矩形状(例えば正方形状)の血管内視鏡画像VED2のエッジ側の所定位置に配置される。つまり、マーキング検知ラインDTL1の位置(例えば座標)は予め決められている。
時刻t=t1では、ガイドワイヤGW2のマーカME1,ME2,ME3,ME4,ME5,ME6,ME7が血管内視鏡画像VED2に映り、さらに、マーカME1がマーキング検知ラインDTL1を通過する様子が示されている。時刻t=t2では、ガイドワイヤGW2のマーカME2,ME3,ME4,ME5,ME6,ME7,ME8が血管内視鏡画像VED3に映り、さらに、マーカME2がマーキング検知ラインDTL1を通過する様子が示されている。つまり、時刻t=t1の時点からユーザの操作により血管内視鏡10がプルバックされて時刻t=t2の時点になると、血管内視鏡10がガイドワイヤGW2に沿って退避方向に少し移動する。したがって、時刻t=t1のマーカME1より血管内視鏡10Aの先端部TP1側のマーカME2が退避方向に移動するので時刻t=t2にはマーキング検知ラインDTL1をクロスすることになる。
中継器20あるいはPC40は、検出部としての等間隔目盛りが付されたガイドワイヤGW2およびマーキング検知ラインDTL1を用いて血管内視鏡10Aにより撮像された血管内視鏡画像のデータ(画像フレーム)を解析することで、ユーザの操作に基づくプルバック中の血管内視鏡10Aの移動距離を判別可能である。
次に、実施の形態2に係る血管観察システム100の動作手順を、図7を参照して説明する。図7は、実施の形態2に係る血管観察システム100の動作手順例を示すフローチャートである。図7の説明において、図3の説明と同一の処理については同一のステップ番号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図7において、ユーザが医療コンソールCSL1の筐体(図示略)に設けられた起動スイッチを押下すると、血管観察システム100は起動する(St1A)。血管観察システム100が起動すると、血管内視鏡10(図5参照)、中継器20、アンギオグラフィ装置50、医療コンソールCSL1は、それぞれ動作を開始する。実施の形態2では、実施の形態1とは異なり、等間隔目盛りが付されたガイドワイヤGW2、インナーカテーテルICT1、アウターカテーテルOCT1、血管内視鏡10Aの各デバイスがセット(準備)される(St1A)。
ステップSt2のプルバック後、中継器20あるいはPC40は、検出部としての等間隔目盛りが付されたガイドワイヤGW2およびマーキング検知ラインDTL1を用いて血管内視鏡10Aにより撮像された血管内視鏡画像のデータ(画像フレーム)を解析する。具体的には、中継器20あるいはPC40は、都度入力されてくるそれぞれの血管内視鏡画像のデータ(画像フレーム)ごとに、血管内視鏡画像中のマーキング検知ラインDTL1を通過するガイドワイヤGW2のマーカを検出する(St11)。
中継器20あるいはPC40は、ステップSt11の検出結果を用いて、各隣接する画像フレーム間においてマーキング検知ラインDTL1を通過するガイドワイヤGW2のマーカの本数(言い換えると、各隣接する画像フレーム間におけるマーカの移動距離)から血管内視鏡の移動距離を算出する(St12)。中継器20あるいはPC40は、血管内視鏡の移動距離の算出時のタイミングと同じタイミングに取得した血管内視鏡画像のデータ(画像フレーム)とを紐付けする(St12)。ステップSt12以降の処理は図3と同一であるため、説明を省略する。
以上により、実施の形態2に係る血管観察システム100では、検出部は、被検体の血管内に挿入された等間隔目盛り付きのガイドワイヤGW2と、血管内視鏡画像の所定位置に設けられた矩形状のマーキング検知ラインDTL1とを有する。コントローラ(例えば中継器20あるいはPC40)は、プルバックに基づくガイドワイヤGW2の目盛り(例えばマーカ)のマーキング検知ラインDTL1の通過回数に基づいて、プルバック中の血管内視鏡10Aの位置情報を取得する。これにより、血管観察システム100は、等間隔に複数のマーカが予め付されたガイドワイヤGW2と血管内視鏡画像のデータ中のマーキング検知ラインとを用いた画像解析によって、ユーザの操作に基づくプルバック中の血管内視鏡10Aの移動距離を簡易に特定できる。
(実施の形態3)
実施の形態3では、血管観察システム100のシステム構成は実施の形態1と同一であるが、血管内視鏡10Bのプルバックを検出する検出部の構成が実施の形態1と異なる。実施の形態3に係る血管観察システム100のシステム構成は実施の形態1に係る血管観察システム100のシステム構成と同一であり、同一の要素については同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図8は、実施の形態3に係る血管内視鏡10Bの構成例を示す図である。図9は、ハンドストラップHSTP1の先端部SLL1の挿入距離の経時変化例を示す図である。図8の説明において、図2の要素と同一の要素については同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。実施の形態3では、実施の形態1に係る血管内視鏡10と異なる点として、血管内視鏡10Bの基端固定端FX1にハンドストラップHSTP1が固定されている。具体的には、ハンドストラップHSTP1は、医師等のユーザにより把持可能であり、円柱状の有底ベース部BS1と、有底ベース部BS1の一端から退避方向と平行な方向に延在する円柱棒状の遮光バーBR1とを有する構成である。
ハンドストラップHSTP1の有底ベース部BS1には血管内視鏡10Bの基端が固定される。したがって、ユーザにより把持されたハンドストラップHSTP1が退避方向に引かれると、血管内視鏡10Bの全体が退避方向に引き戻られる(つまり、プルバックされる)ことになる。ハンドストラップHSTP1の先端部SLL1は、速度距離測定器60の挿入窓WDW1を介して速度距離測定器60内に挿入される(図9参照)。
ここで、実施の形態3に係る検出部を構成する速度距離測定器60について、図1も併せて参照して説明する。つまり、実施の形態3では、血管内視鏡10Bのプルバックを検出する検出部は、血管内視鏡10Bの基端に固定されるハンドストラップHSTP1と、速度距離測定器60とにより構成される。
速度距離測定器60は、血管観察システム100を構成する測定器の一例であり、発光部61と、受光部62と、情報処理部63とを少なくとも含む構成である。速度距離測定器60は、ハンドストラップHSTP1の遮光バーBR1の先端部SLL1が挿入窓WDW1を通過して速度距離測定器60の筐体内に挿入される長さに応じて、ハンドストラップHSTP1が固定されている血管内視鏡10Bのプルバック中の移動距離および移動速度を算出して検出する。挿入窓WDW1は、円形状に形成され、速度距離測定器60の筐体の一部に設けられたハンドストラップHSTP1の先端部SLL1が挿入可能な径を有する。ハンドストラップHSTP1の先端部SLL1は、ユーザの操作に基づく血管内視鏡10Bのプルバックに基づいて、挿入窓WDW1を通過するとともに、発光部61と受光部62との間の筐体内空間を退避方向と同じ方向に進行する。
発光部61は、例えば一直線状に配列された複数の発光素子により構成される。発光部61は、速度距離測定器60が電源ON状態では、それぞれの発光素子の点灯により、受光部62の対応する各フォトトランジスタに向けて直線的な光を照射する。
受光部62は、例えば発光部61を構成する各発光素子に対応して設けられた発光素子数と同数のフォトトランジスタにより構成される。受光部62は、各発光素子から照射された光を各フォトトランジスタにより受光する。受光部62は、各フォトトランジスタによる受光結果(例えば各フォトトランジスタにおける光の受光の有無を示すデータ)を情報処理部63に出力する。
情報処理部63は、主にCPU等のプロセッサとメモリとを含んで構成される。情報処理部63は、受光部62からの出力に基づいて、ハンドストラップHSTP1の遮光バーBR1が時刻t=t1(図9参照)から時刻t=t2(図9参照)までの間に発光部61からの光をどのくらいの長さおよび速度で受光部62に対して遮光したかを示す遮光長さおよび遮光速度を定量的に導出する。情報処理部63は、遮光長さおよび遮光速度の導出結果をPC40に送る。PC40のプロセッサ46は、遮光長さおよび遮光速度の導出結果を、プルバック中の血管内視鏡10Bの移動距離dおよび移動速度vに換算して検出する。例えば、プロセッサ46は、遮光長さおよび遮光速度と、プルバック中の血管内視鏡10Bの移動距離および移動速度との間の比例係数をメモリ44から読み出し、速度距離測定器60から得られた遮光長さおよび遮光速度に前述した比例係数を乗算することで、プルバック中の血管内視鏡10Bの移動距離dおよび移動速度vを求めることが可能である。なお、比例係数は、移動距離、移動速度ごとにそれぞれ異なる値でもよいし、同一の値でも構わない。
次に、実施の形態3に係る血管観察システム100の動作手順を、図10を参照して説明する。図10は、実施の形態3に係る血管観察システム100の動作手順例を示すフローチャートである。図10の説明において、図3の説明と同一の処理については同一のステップ番号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図10において、ユーザが医療コンソールCSL1の筐体(図示略)に設けられた起動スイッチを押下すると、血管観察システム100は起動する(St1B)。血管観察システム100が起動すると、血管内視鏡10B(図8参照)、中継器20、アンギオグラフィ装置50、速度距離測定器60、医療コンソールCSL1は、それぞれ動作を開始する。実施の形態3では、実施の形態1とは異なり、ガイドワイヤGW1、インナーカテーテルICT1、アウターカテーテルOCT1、基端側にハンドストラップHSTP1が固定された血管内視鏡10Bの各デバイスがセット(準備)される(St1B)。
ステップSt1Bの後、プルバックの開始前にハンドストラップHSTP1の遮光バーBR1の先端部SLL1の先端部分が速度距離測定器60の挿入窓WDW1に挿入されるようにハンドストラップHSTP1の位置が調整される(St21)。この位置調整は、例えば速度距離測定器60の筐体をキャスター付きの支持テーブル等で移動することで、ハンドストラップHSTP1の遮光バーBR1の先端部SLL1の先端部分が挿入窓WDW1にちょうど当接するように配置されればよい。
ステップSt2のプルバック後、速度距離測定器60は、プルバック開始時点からの、ハンドストラップHSTP1の遮光バーBR1の先端部SLL1が受光部62を遮光した遮光長さおよび遮光速度を定期的に取得し(St22)、その取得結果をPC40に送る。PC40は、上述した比例係数を用いて、速度距離測定器60から得られた遮光長さおよび遮光速度に前述した比例係数を乗算することで、プルバック中の血管内視鏡10Bの移動距離dおよび移動速度vを算出する(St23)。さらに、PC40は、血管内視鏡の移動距離dの算出時のタイミングと同じタイミングに取得した血管内視鏡画像のデータ(画像フレーム)とを紐付けする(St23)。ステップSt23以降の処理は図3と同一であるため、説明を省略する。
以上により、実施の形態3に係る血管観察システム100では、検出部は、血管内視鏡10Bの基端部BE1側に設けられ、プルバックの方向(つまり退避方向)と同じ方向に延在してユーザにより把持されるハンドストラップHSTP1と、発光部61および受光部62を備えかつ発光部61からの光のハンドストラップHSTP1の先端部SLL1による遮光に基づく受光部62での受光結果に基づいて、プルバック中の血管内視鏡10Bの位置情報を算出する測定器(例えば速度距離測定器60)とを有する。これにより、血管観察システム100は、ユーザのハンドストラップHSTP1の遮光バーBR1の感覚的な手元操作による移動により血管内視鏡10Bを簡易にプルバックでき、さらに、そのプルバックに基づく血管内視鏡10Bの移動距離および移動速度を高精度に導出できる。
(実施の形態4)
実施の形態4では、血管観察システム100のシステム構成は実施の形態1と同一であるが、血管内視鏡10Cのプルバックを検出する検出部の構成が実施の形態1と異なる。実施の形態4に係る血管観察システム100のシステム構成は実施の形態1に係る血管観察システム100のシステム構成と同一であり、同一の要素については同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図11は、実施の形態4に係る血管内視鏡10Cの構成例を示す図である。図11の説明において、図2の要素と同一の要素については同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。実施の形態4では、実施の形態1に係る血管内視鏡10と異なる点として、血管内視鏡10CのシースSTH2には等間隔な縞模様のパターンPTN1(例えば白色部分と黒色等の着色部分とが等間隔で交互に設けられたパターン)が施されている。また、血管内視鏡10Cは、実施の形態4に係る検出部DTC2を基端部BE1側に備える。検出部DTC2は、発光部LG1と受光部FT1とを有する。図1および図11では詳細な図示は省略しているが、検出部DTC2の出力(具体的には後述する受光部RF1の出力)が中継器20に入力可能となるように検出部DTC2と中継器20とは接続されている。
発光部LG1は、例えばシースSTH2の延在方向(言い換えると、退避方向)に対して傾斜してシースSTH2から上方に配置され、少なくとも1つの発光素子により構成される。発光部LG1は、血管内視鏡10Cが電源ON状態では、発光素子の点灯により、シースSTH2に向けて光L1を照射する。
受光部FT1は、例えば発光部LG1を構成する発光素子に対応して設けられたフォトトランジスタにより構成される。受光部FT1は、発光素子から照射された光L1がシースSTH2により反射した光(反射光R1)を受光する。
ユーザの操作に基づくプルバック中には、等間隔な縞模様のシースSTH2が退避方向に移動する。したがって、シースSTH2の白色部分に発光部LG1からの光L1が当たると反射して反射光R1が受光部FT1の方に進む。しかし、シースSTH2の黒色等の着色部分に発光部LG1からの光L1が当たると反射しないで吸収される。受光部62は、発光部LG1からの光L1の受光結果(例えば発光部LG1からの光L1に基づく、シースSTH2での反射光R1)の受光の有無を示すデータ)を中継器20あるいはPC40に出力する。これにより、中継器20あるいはPC40は、受光部FT1からの出力に基づいて、ユーザの操作に基づくプルバック中のシースSTH2の縞の白色部分の通過回数を検出できる。
次に、実施の形態4に係る血管観察システム100の動作手順を、図12を参照して説明する。図12は、実施の形態4に係る血管観察システム100の動作手順例を示すフローチャートである。図12の説明において、図3の説明と同一の処理については同一のステップ番号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図12において、ユーザが医療コンソールCSL1の筐体(図示略)に設けられた起動スイッチを押下すると、血管観察システム100は起動する(St1C)。血管観察システム100が起動すると、血管内視鏡10C(図11参照)、中継器20、アンギオグラフィ装置50、医療コンソールCSL1は、それぞれ動作を開始する。実施の形態4では、実施の形態1とは異なり、ガイドワイヤGW1、インナーカテーテルICT1、アウターカテーテルOCT1、等間隔な縞模様のパターンPTN1が施された血管内視鏡10Cの各デバイスがセット(準備)される(St1C)。
ステップSt2のプルバック後、中継器20あるいはPC40は、検出部DTC2を構成する受光部FT1からの受光結果を入力するとともに、この受光結果に基づいて、ユーザの操作に基づくプルバック中のシースSTH2の縞の白色部分の通過回数を検出する(St31)。中継器20あるいはPC40は、ステップSt31の検出結果(つまりプルバック中のシースSTH2の縞の白色部分の通過回数)から、ユーザの操作に基づくプルバック中の血管内視鏡10Cの移動距離を算出する(St32)。中継器20あるいはPC40は、血管内視鏡の移動距離の算出時のタイミングと同じタイミングに取得した血管内視鏡画像のデータ(画像フレーム)とを紐付けする(St32)。ステップSt32以降の処理は図3と同一であるため、説明を省略する。
以上により、実施の形態4に係る血管観察システム100では、血管内視鏡10Cの外殻は、複数の異なる色(例えば光L1を反射し易い白色と光L1を吸収し易い黒色)による平行な縞模様のパターンPTN1が等間隔に施されたシースSTH2により外殻が形成されて被覆される。検出部DTC2は、ユーザの操作に基づくプルバック中の血管内視鏡10CのシースSTH2に向けて光L1を発する発光部LG1と、光L1がシースSTH2により反射された反射光R1を受光する受光部FT1とを有する。コントローラは、プルバックに基づく反射光R1の受光結果に基づいて、プルバック中の血管内視鏡10Cの位置情報を取得する。これにより、血管観察システム100は、血管内視鏡10Cが等間隔に縞模様のパターンPTN1が施されたシースSTH2により覆われた場合、発光部LG1および受光部FT1という簡易な検出部DTC2の構成により、ユーザの操作による血管内視鏡10Cのプルバックを簡易に検出でき、さらに、そのプルバックに基づく血管内視鏡10Cの移動距離を高精度に導出できる。
(実施の形態5)
実施の形態5では、血管観察システム100のシステム構成は実施の形態1と同一であるが、血管内視鏡のプルバックを検出する検出部の構成が実施の形態1と異なる。実施の形態5に係る血管観察システム100のシステム構成は実施の形態1に係る血管観察システム100のシステム構成と同一であり、同一の要素については同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図13は、実施の形態5に係る血管内視鏡10Dの構成例を示す図である。図13の説明において、図2の要素と同一の要素については同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。実施の形態5では、実施の形態1に係る血管内視鏡10と異なる点として、検出部DTC3が血管内視鏡10Cの基端部BE1側に配置されている。検出部DTC3は、血管内視鏡10Dの基端部BE1側のシースSTH1に設けられたマグネットMAG1と、ホール効果を利用してマグネットMAG1からの磁力を検出可能なホール素子HLD1とを有する。なお、ホール素子HLD1およびマグネットMAG1の取り付け位置は逆でも構わない。図1および図13では詳細な図示は省略しているが、検出部DTC3の出力(具体的には後述するホール素子HLD1の出力)が中継器20に入力可能となるように検出部DTC3と中継器20とは接続されている。
マグネットMAG1は、例えば永久磁石であり、血管内視鏡10Dの基端部BE1側のシースSTH1に所定長を有するように固定接着されている。
ホール素子HLD1は、ホール効果を利用してマグネットMAG1からの磁力を検知し、検知結果を中継器20に出力する。
ユーザの操作に基づくプルバック中には、血管内視鏡10Dの基端部BE1側のシースSTH1が退避方向に移動するため、この移動に伴いマグネットMAG1も同様に退避方向に移動する。図13に示されるように、例えばマグネットMAG1は、血管内視鏡10Dのプルバックされる長さ(いわゆる測定長)に相当する長さを有するように設けられている。このため、ユーザの操作に基づく測定長分のプルバックがなされると、ホール素子HLD1は、測定長分の長さにわたるマグネットMAG1の検知を一定時間(ON継続時間)にわたって継続可能となる。
次に、実施の形態5に係る血管観察システム100の動作手順を、図14を参照して説明する。図14は、実施の形態5に係る血管観察システム100の動作手順例を示すフローチャートである。図14の説明において、図3の説明と同一の処理については同一のステップ番号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図14において、ユーザが医療コンソールCSL1の筐体(図示略)に設けられた起動スイッチを押下すると、血管観察システム100は起動する(St1D)。血管観察システム100が起動すると、血管内視鏡10D(図13参照)、中継器20、アンギオグラフィ装置50、医療コンソールCSL1は、それぞれ動作を開始する。実施の形態5では、実施の形態1とは異なり、ガイドワイヤGW1、インナーカテーテルICT1、アウターカテーテルOCT1、基端部BE1側のシースSTH1にマグネットMAG1が取り付けされかつ基端部BE1側にホール素子HLD1が配置された血管内視鏡10Dの各デバイスがセット(準備)される(St1D)。
ステップSt2のプルバック後、中継器20あるいはPC40は、ホール素子HLD1からの出力に基づいて、ホール素子HLD1がマグネットMAG1からの磁力を検知したか否かを判定する(St41)。中継器20あるいはPC40は、ホール素子HLD1がマグネットMAG1からの磁力を検知するまで待機する(St41、NO)。
一方、中継器20あるいはPC40は、ホール素子HLD1がマグネットMAG1からの磁力を検知した場合に(St41、YES)、ホール素子HLD1によるマグネットMAG1の検知した状態(検知ON)を認識する(St42)。つまり、中継器20あるいはPC40は、プルバックが開始されたことを認識する。
中継器20あるいはPC40は、ホール素子HLD1からの出力に基づいて、検知ONが継続している時間(ON継続時間)が既定値tt2以上であるか否かを判定する(St43)。中継器20あるいはPC40は、ON継続時間が既定値未満であると判定した場合には(St43、NO)、ON継続時間が既定値tt2以上であると判定するまで待機する。例えば、ON継続時間が既定値tt2より短いtt1である場合、プルバックが未だ途中の状態であり、終わっていないことになる。また、ON継続時間が既定値tt2よりかなり短いtt3である場合、ノイズ等の影響でホール素子HLD1が瞬時的に誤って磁力を検知したことになる。したがって、ON継続時間が既定値tt2より短いtt1,tt3のいずれである場合でも、プルバックは未だ終了していないことになる。
中継器20あるいはPC40は、ON継続時間が既定値以上であると判定した場合に(St43、YES)、ホール素子HLD1が測定長分の長さの血管内視鏡10Dのプルバックが終了したことを検知する(St44)。中継器20あるいはPC40は、ステップSt42の検知ON開始時点からステップSt44の検知ON終了時点までのプルバック中の血管内視鏡10Dの移動距離(例えばマグネットMAG1の退避方向における長さ)を算出する(St45)。中継器20あるいはPC40は、血管内視鏡の移動距離の算出時のタイミングと同じタイミングに取得した血管内視鏡画像のデータ(画像フレーム)とを紐付けする(St45)。ステップSt45以降の処理は図3と同一であるため、説明を省略する。
以上により、実施の形態5に係る血管観察システム100では、検出部DTC3は、血管内視鏡10Dの基端部BE1側に設けられたマグネットMAG1と、マグネットMAG1を検出する可能なホール素子HLD1とを有する。コントローラは、ホール素子HLD1によるマグネットMAG1の検出結果に基づいて、ユーザの操作に基づくプルバック中の血管内視鏡10Dの位置情報を取得する。これにより、血管観察システム100は、血管内視鏡10Dに取り付けられた検出部DTC3内でのホール素子HLD1による検知結果を利用して、ユーザの操作による血管内視鏡10Cのプルバックを簡易に検出でき、さらに、そのプルバックに基づく血管内視鏡10Dの移動距離を高精度に導出できる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本開示は、医師等によりマニュアルプルバックされた場合に、手術等の医療行為の安全性の確保と患部等の適正な状況把握とを両立する血管観察システムおよび血管観察方法として有用である。
10、10A、10B、10C、10D 血管内視鏡
20 中継器
21、22 入力インターフェース
23 出力インターフェース
24 FPGA
30 カメラコントロールユニット
40 PC
41、42 入力インターフェース
43 出力インターフェース
44 メモリ
45 ストレージ
46 プロセッサ
50 アンギオグラフィ装置
60 速度距離測定器
61 発光部
62 受光部
63 情報処理部
CSL1 医療コンソール
IPT1 キーボードマウス
HSTP1 ハンドストラップ
MN1 モニタ

Claims (10)

  1. 先端部が被検体の血管内に挿入されかつ基端部が固定され、ユーザの操作により前記先端部が前記基端部に向かってプルバックされる間に前記被検体の血管を撮像する内視鏡と、
    前記ユーザの操作に基づく前記プルバックを検出する検出部と、
    前記プルバックの検出結果に基づく前記内視鏡の位置情報と前記内視鏡の撮像速度とに基づいて、前記内視鏡の位置情報で前記内視鏡により撮像された血管画像と前記内視鏡の位置情報とを紐付け処理し、前記内視鏡の位置情報に対応する前記血管画像の表示画面をモニタに表示するコントローラと、を備える、
    血管観察システム。
  2. 前記検出部は、前記内視鏡の基端側に設けられ、前記プルバックの方向に直交する鉛直方向を回転軸の方向として回転するロータリーエンコーダであり、
    前記コントローラは、前記ロータリーエンコーダの回転量に基づいて、前記プルバック中の前記内視鏡の位置情報を取得する、
    請求項1に記載の血管観察システム。
  3. 前記検出部は、
    前記被検体の血管内に挿入された等間隔目盛り付きのガイドワイヤと、前記血管画像の所定位置に設けられた矩形状の検知ラインとを有し、
    前記コントローラは、前記プルバックに基づく前記ガイドワイヤの目盛りの前記検知ラインの通過回数に基づいて、前記プルバック中の前記内視鏡の位置情報を取得する、
    請求項1に記載の血管観察システム。
  4. 前記検出部は、前記内視鏡の基端側に設けられ、前記プルバックの方向と同じ方向に延在してユーザにより把持されるハンドストラップと、発光部および受光部を備えかつ前記発光部からの光の前記ハンドストラップの先端部による遮光に基づく前記受光部での受光結果に基づいて、前記プルバック中の前記内視鏡の位置情報を算出する測定器とを有する、
    請求項1に記載の血管観察システム。
  5. 前記内視鏡の外殻は、複数の異なる色による平行な縞模様が等間隔に施されたシースにより被覆され、
    前記検出部は、前記プルバック中の前記内視鏡の前記シースに向けて光を発する発光部と、前記光が前記シースにより反射された反射光を受光する受光部とを有し、
    前記コントローラは、前記プルバックに基づく前記反射光の受光結果に基づいて、前記プルバック中の前記内視鏡の位置情報を取得する、
    請求項1に記載の血管観察システム。
  6. 前記検出部は、前記内視鏡の基端側に設けられたマグネットと、前記マグネットを検出する可能なホール素子とを有し、
    前記コントローラは、前記ホール素子による前記マグネットの検出結果に基づいて、前記プルバック中の前記内視鏡の位置情報を取得する、
    請求項1に記載の血管観察システム。
  7. 前記コントローラは、前記内視鏡の位置情報を取得したタイミングと同一のタイミングに取得した血管画像とを紐付け処理する、
    請求項1~6のうちいずれか一項に記載の血管観察システム。
  8. 前記コントローラは、前記内視鏡が挿入された前記被検体の血管を撮像する血管造影装置と接続され、同一のタイミングで撮像された前記血管造影装置からの血管造影画像および前記内視鏡からの血管画像を対比表示した表示画面を前記モニタに表示する、
    請求項1に記載の血管観察システム。
  9. 前記内視鏡は、前記被検体の血管を撮像可能な撮像部を有し、
    前記撮像部は、前記内視鏡の前記先端部に実装されている、
    請求項1に記載の血管観察システム。
  10. 血管観察システムにより実行される血管観察方法であって、
    先端部が被検体の血管内に挿入されかつ基端部が固定された内視鏡がユーザの操作により前記先端部から前記基端部に向かってプルバックされる間に、前記被検体の血管を撮像し、
    前記ユーザの操作に基づく前記プルバックを検出し、
    前記プルバックの検出結果に基づく前記内視鏡の位置情報と前記内視鏡の撮像速度とに基づいて、前記内視鏡の位置情報で前記内視鏡により撮像された血管画像と前記内視鏡の位置情報とを紐付け処理し、
    前記内視鏡の位置情報に対応する前記血管画像の表示画面をモニタに表示する、
    血管観察方法。
JP2020121485A 2020-07-15 2020-07-15 血管観察システムおよび血管観察方法 Pending JP2022018401A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020121485A JP2022018401A (ja) 2020-07-15 2020-07-15 血管観察システムおよび血管観察方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020121485A JP2022018401A (ja) 2020-07-15 2020-07-15 血管観察システムおよび血管観察方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022018401A true JP2022018401A (ja) 2022-01-27

Family

ID=80203282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020121485A Pending JP2022018401A (ja) 2020-07-15 2020-07-15 血管観察システムおよび血管観察方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022018401A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5617858A (en) Apparatus for endoscopic or gastroscopic examination
WO2015045368A1 (ja) 画像処理装置、画像表示システム、撮影システム、画像処理方法及びプログラム
JP5810248B2 (ja) 内視鏡システム
US20220079563A1 (en) Methods and systems for establishing parameters for three-dimensional imaging
JP3771985B2 (ja) 蛍光観察内視鏡装置
US20140180083A1 (en) System and method for flush-triggered imaging
JP2005177477A (ja) カテーテル装置
JP5988907B2 (ja) 内視鏡システム
WO2015074018A1 (en) Tracking an intraluminal catheter
JP2006230906A (ja) 医用診断システム、医用診断装置及び内視鏡
US20110077463A1 (en) Optical probe and endoscope apparatus
JP6492097B2 (ja) 解剖学的領域の測定器具
WO2015044979A1 (ja) 情報処理装置、撮影システム、情報処理方法及びプログラム
JP2016506276A (ja) 血管内画像の位置の特定
JP4436638B2 (ja) 内視鏡装置及び内視鏡挿入動作プログラム
JP5996279B2 (ja) 内視鏡を用いた物体計測装置及び物体計測方法並びに内視鏡先端フード
JP2010051390A (ja) 光断層画像取得装置及び光断層画像取得方法
WO2017122400A1 (ja) 内視鏡画像観察支援システム
JP2006346177A (ja) 画像診断装置、画像処理装置及び3次元画像データ表示方法
JP2022018401A (ja) 血管観察システムおよび血管観察方法
JP2007000639A (ja) 脈管内検査を実施するための装置
JP7068253B2 (ja) X線装置を制御する装置及び方法
CN112205958A (zh) 一种喉镜的红外探测方法及系统
US20080172065A1 (en) Medical device with beacon
JP5725579B1 (ja) 医用診断支援装置、方法およびプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230713

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240227