JPH07103309B2 - ポリアミド組成物 - Google Patents

ポリアミド組成物

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JPH07103309B2
JPH07103309B2 JP62095082A JP9508287A JPH07103309B2 JP H07103309 B2 JPH07103309 B2 JP H07103309B2 JP 62095082 A JP62095082 A JP 62095082A JP 9508287 A JP9508287 A JP 9508287A JP H07103309 B2 JPH07103309 B2 JP H07103309B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は成形加工安全性、耐熱性、剛性、耐衝撃性及び
難燃性に優れたポリアミド組成物に関する。
〔従来の技術〕 6ナイロン、66ナイロンに代表されるポリアミドは機械
的強度、剛性、耐熱性、耐油性等に優れており、その特
性を活かして、エンジニアリングプラスチツクとして、
一部機械部品、電気器具部品、自動車部品等への応用が
計られている。そしてより耐熱性、剛性を改良するため
に、ポリアミドにガラス繊維を添加した組成物も用いら
れている。
一方、6ナイロン等に比べて、更に機械的強度、剛性、
耐熱性が改良されたポリアミドとして、テレフタル酸等
の芳香族ジカルボン酸と脂肪族アルキレンジアミンから
なるポリアミド(特開昭59−53536号公報)も知られて
いる。
ところで、ポリアミドはポリオレフイン等の他の熱可塑
性樹脂と同様に、着火し易く燃焼し易いため、自己消化
性、耐炎性が要求される分野にポリアミドを使用する場
合には、ポリアミドに難燃剤を添加する必要がある。か
かる組成物として、ハロゲン化ポリスチレンを添加して
なる組成物(特開昭51−47034号公報)あるいはブロム
化フエノールの縮合生成物を添加した組成物(特公昭56
−2100号公報)が提案されており、該公報にはいずれも
補強剤としてガラス繊維及び難燃助剤として三酸化アン
チモンを添加してもよいことが開示されている。
ところが、前記テレフタル酸を成分とするポリアミドの
難燃化を計る為に前記公報に記載されたハロゲン化ポリ
スチレンもしくはブロム化フエノールの縮合生成物と三
酸化アンチモンとを添加しても難燃性の改良効果を発現
せずに、逆に成形加工時にポリアミドが分解し、耐熱性
が低下することが分つた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
かかる状況に鑑み、本発明者らはかかるテレフタル酸を
含む芳香族ジカルボン酸と脂肪族アルキレンジアミン等
とからなるポリアミドの耐熱性、剛性等の優れた特徴を
損なうことなく難燃性を付与すべく種々検討した結果、
難燃剤としてハロゲン化ポリスチレン、及び/又はハロ
ゲン化フエノールの縮合物と難燃助剤としてアンチモン
酸ナトリウムを添加することにより、上記目的が達成で
きることが分かり、本発明を完成するに至つた。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち本発明は、 (I)テレフタル酸成分単位60〜100モル%及びテレフ
タル酸成分単位以外の芳香族系ジカルボン酸成分単位0
〜40モル%からなるジカルボン酸成分単位(a)と、脂
肪族ジアミン成分単位(b)とからなるポリアミド
(A):100重量部に対して (II)ハロゲン化ポリスチレン(B)及び/又はハロゲ
ン化フェノールの縮合物(C):10〜100重量部、及び (III)アンチモン酸ナトリウム(D):0.5〜50重量部
を含むことを特徴とするポリアミド組成物を提供するも
のである。
又、本発明に係るポリアミド組成物は、上記成分(A)
〜(D)に加えて、一般式(3) MxAly(OH)2y+3y-2z(A)z・aH2O ……(3) (MはMg、CaまたはZn、AはCO3またはHPO4、x、y、
zは正数、aは零または正数) で示される複合化物(E)をポリアミド:100重量部に対
して0.1〜5重量部含んでいてもよい。
又、更に本発明に係わるポリアミド組成物は上記成分
(A)〜(D)に加えて、繊維補強剤(F)をポリアミ
ド(A):100重量部に対して5〜250重量部を含んでい
てもよい。
〔作用〕
本発明によるポリアミド組成物において、ポリアミド
(A)は、 (a)テレフタル酸成分単位60〜100モル%及びテレフ
タル酸成分単位以外の芳香族系ジカルボン酸成分単位0
〜40モル%からなるジカルボン酸成分単位と、 (b)脂肪族ジアミン成分単位とからなる。
上記ジカルボン酸成分単位(a)の組成は、テレフタル
酸成分単位単独であつてもよいが、テレフタル酸成分単
位と、テレフタル酸成分単位以外の芳香族系ジカルボン
酸成分単位との混合物であつてもよく更に、テレフタル
酸以外の芳香族系ジカルボン酸成分単位単独であつても
よい。このようなテレフタル酸成分単位以外の芳香族系
ジカルボン酸成分単位としては、具体的には、イソフタ
ル酸、フタル酸、2−メチルテレフタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸等の成分単位を例示することができる。こ
れらのなかでは、イソフタル酸成分単位又はナフタレン
ジカルボン酸成分単位、特に、イソフタル酸成分単位が
好ましく用いられる。
本発明においてとくにテレフタル酸を主成分とする芳香
族ジカルボン酸を用いる場合には、上記ジカルボン酸成
分単位(a)のうち、テレフタル酸は60〜100モル%を
占め、テレフタル酸成分単位以外の芳香族系ジカルボン
酸は0〜40モル%の範囲であることが好ましい。ジカル
ボン酸成分単位(a)のうち、テレフタル酸が60モル%
よりも少なく、且つ、テレフタル酸成分単位以外の芳香
族系ジカルボン酸成分単位が40モル%よりも多いとき
は、かかるポリアミドを含む組成物から得られる成形物
が耐熱老化性や熱変形温度を含む耐熱特性、引張強度、
曲げ強度、耐摩耗性等の機械的特性、耐薬品性、耐水性
等の化学的物理的特性の面で不利な面もある。
但し、本発明においては、上記ジカルボン酸成分単位
(a)は、テレフタル酸成分単位及び/又はテレフタル
酸成分単位以外の芳香族系ジカルボン酸成分単位と共
に、少量、例えば、10モル%程度のアジピン酸、セバシ
ン酸、トリメリツト酸、ピロメリツト酸等の多価カルボ
ン酸成分単位を含むことは何ら差支えない。
本発明によるポリアミド組成物において、脂肪族ジアミ
ン成分単位は、炭素数4〜25とくに6〜18の直鎖状又は
分岐鎖状アルキレンジアミン成分単位である。かかるア
ルキレンジアミン成分単位の具体例として、例えば、1,
4−ジアミノ−1,1−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−
1−エチルブタン、1,4−ジアミノ−1,2−ジメチルブタ
ン、1,4−ジアミノ−1,3−ジメチルブタン、1,4−ジア
ミノ−1,4−ジメチルブタン、1,4−ジアミノ−2,3−ジ
メチルブタン、1,2−ジアミノ−1−ブチルエタン、1,6
−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジ
アミノオクタン、1,6−ジアミノ−2,5−ジメチルヘキサ
ン、1,6−ジアミノ−2,4−ジメチルヘキサン、1.6−ジ
アミノ−3,3−ジメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−2,2
−ジメチルヘキサン、1,9−ジアミノノナン、1,6−ジア
ミノ−2,2,4−トリメチルヘキサン、1,6−ジアミノ−2,
4,4−トリメチルヘキサン、1,7−ジアミノ−2,3−ジメ
チルヘプタン、1,7−ジアミノ−2,4−ジメチルヘプタ
ン、1,7−ジアミノ−2,5−ジメチルヘプタン、1,7−ジ
アミノ−2,2−ジメチルヘプタン、1,10−ジアミノデカ
ン、1,8−ジアミノ−1,3−ジメチルオクタン、1,8−ジ
アミノ−1,4−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ−3,4
−ジメチルオクタン、1,8−ジアミノ、2,2−ジメチルオ
クタン、1,8−ジアミノ−3,3−ジメチルオクタン、1,8
−ジアミノ−2,2−ジメチルオクタン−1,8−ジアミノ−
3,3−メチルオクタン、1,8−ジアミノ−4,4−ジメチル
オクタン、1,6−ジアミノ−2,4−ジエチルヘキサン、1,
9−ジアミノ−5−メチルノナン、1,11−ジアミノウン
デカン、1,12−ジアミノドデカン等の成分単位を例示す
ることができる。このような脂肪族ジアミンは、主とし
てジカルボン酸成分単位(a)がテレフタル酸を主成分
とする際に積極的に利用される。
これらのなかでは、特に、1,6−ジアミノヘキサン、1,8
−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジ
アミノドデカン等の成分単位又はこれらの混合成分単位
が好ましく用いられる。
ジアミン成分単位は、前記脂肪族ジアミン成分単位のほ
かに、脂環族ジアミン成分単位を含んでいてもよい。こ
こで脂環族ジアミン成分単位は、炭素原子数が6〜25で
あり、かつ、少なくとも1個の脂環族炭化水素環を含む
ジアミンであり、具体的には、1,3−ジアミノシクロヘ
キサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビス(ア
ミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチ
ル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ピペラジ
ン、2,5−ジメチルピペラジン、ビス(4−アミノシク
ロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシ
ル)プロパン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジシ
クロヘキシルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチ
ル−5,5′−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4′−
ジアミノ−3,3′−ジメチル−5,5′−ジメチルジシクロ
ヘキシルプロパン、α,α′−ビス(4−アミノシクロ
ヘキシル)−p−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−
ビス(4−アミノシクロヘキシル)−m−ジイソプロピ
ルベンゼン、α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシ
ル)−1,4−シクロヘキサン、α,α′−ビス(4−ア
ミノシクロヘキシル)−1,3−シクロヘキサンなどを例
示することができる。
このような脂環族ジアミンは、ジカルボン酸成分単位
(a)が主としてテレフタル酸以外の芳香族族ジカルボ
ン酸を主成分とする際に積極的に利用される。
これらの脂環式ジアミン成分のうちでは、ビス(アミノ
メチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)メタン、4,4′−ジアミン−3,3′−ジメチルジシ
クロヘキシルメタンが好ましく、特にビス(4−アミノ
シクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノシクロヘ
キシル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘ
キサンが好ましい。
本発明によるポリアミド組成物においては、前述したジ
カルボン酸成分単位(a)の組成は、好ましくは、上記
ジアミンの炭素数に応じて選ばれる。このようにジアミ
ンの炭素数に応じて、ジカルボン酸成分単位(a)の組
成物を選択するとき、特に、得られるポリアミド組成物
が成形性にすぐれると共に、耐熱老化性や熱変形温度等
の耐熱特性及び曲げ強度、耐摩耗性等の機械的特性にす
ぐれる成形物を与えるからである。
即ち、ジカルボン酸成分(a)としてテレフタル酸を主
成分として用い、ジアミン成分(b)として脂肪族アル
キレンジアミンを用いる場合についていえば、上記脂肪
族アルキレンジアミンの炭素数が例えば6である場合
は、ジカルボン酸成分単位(a)の組成は、好ましくは
テレフタル酸成分単位が60〜85モル%の範囲、及びテレ
フタル酸成分単位以外の芳香族ジカルボン酸成分単位が
15〜40モル%の範囲にある。脂肪族アルキレンジアミン
の炭素数が例えば8であるときは、ジカルボン酸成分単
位(a)の組成は、好ましくはテレフタル酸成分単位が
65〜100モル%の範囲、及びテレフタル酸成分単位以外
の芳香族ジカルボン酸成分単位が0〜35モル%の範囲に
ある。また、脂肪族アルキレンジアミン成分単位が炭素
数が例えば10〜18であるときは、ジカルボン酸成分単位
(a)の組成は、好ましくはテレフタル酸成分単位が75
〜100モル%の範囲、及びテレフタル酸成分単位以外の
芳香族ジカルボン酸成分単位が0〜25モル%の範囲にあ
る。
また、本発明によるポリアミド組成物において、前述し
たポリアミド(A)は、50℃の温度の濃硫酸に可溶性で
あつて、且つ、30℃の温度の濃硫酸中で測定した極限粘
度〔η〕が0.5dl/g以上であることが好ましい。好まし
くは、〔η〕は0.6dl/g以上、特に好ましくは、0.7〜3.
0dl/gの範囲である。
このような濃硫酸可溶性ポリアミドは、既に従来より知
られている方法によつて得ることができる。例えば、Po
lymer Reviews,10,Condensation Polymers by Interfac
ial and Solution Methods(P.W.Morgan著、Interscien
ce Publishers(1965))や、Makromol.Chem.,47,93−1
13(1961)に記載されているように、前述したポリアミ
ド構成成分単位である芳香族系ジカルボン酸のジ酸ハラ
イドとジアミンとを溶液法にて重縮合させることによつ
て得ることができる。また、界面重合法によつても得る
ことができる。別の方法として、前記芳香族ジカルボン
酸とジアミン又はそのナイロン塩とを水等の溶剤の存在
下に又は不存在下に、溶融法によつて重縮合させること
によつて得ることもできる。更に、前者の方法によつて
得たポリアミドのオリゴマーを固相重合法によつて重縮
合させることによつても得ることができる。
更に、本発明によるポリアミド組成物においては、ポリ
アミド(A)は、上記濃硫酸可溶性ポリアミドのみなら
ず、この濃硫酸可溶性ポリアミドと同じ範囲の組成を有
するが、50℃の濃硫酸に不溶性のポリアミドを含有して
いてもよい。ここに、50℃の濃硫酸に不溶性のポリアミ
ドとは、ポリアミドを粉砕し、32メツシユ通過のポリア
ミドの1重量%濃度の濃硫酸溶液を50℃で10時間加熱攪
拌した後、50℃の温度にて2Gのガラスフイルターにて濾
過し可溶部分を除去したポリアミドをいう。このような
濃硫酸不溶性ポリアミドは、特に限定されるものではな
いが、360℃及び荷重2.16kgにおける溶融粘度(MFR)
が、通常、20g/10分以下、好ましくは、5g/10分以下、
特に好ましくは、0.1g/10分以下である。
このような濃硫酸不溶性ポリアミドは、上記濃硫酸可溶
性ポリアミドの製造の際に副生させることができる。ま
た、その反応条件を選択することによつて、意図的にそ
の生成量を高めることができる。従つて、このような場
合には、濃硫酸可溶性ポリアミドと濃硫酸不溶性ポリア
ミドとの混合物を得ることができる。更に、必要なら
ば、濃硫酸可溶性ポリアミド又はこれと濃硫酸不溶性ポ
リアミドとの混合物を更に架橋高分子量化させることに
よつて、すべて濃硫酸不溶性とすることもできる。
従つて、何ら制限されるものではないが、濃硫酸不溶性
ポリアミド又は濃硫酸可溶性ポリアミドと濃硫酸不溶性
ポリアミドとの混合物を製造する方法として、例えば、
上記濃硫酸可溶性ポリアミドを更に固相重合する方法、
溶融重縮合による濃硫酸可溶性ポリアミドを製造する際
に、重縮合温度により高温、例えば、最終的に約340℃
以上とする方法、ジアミンと芳香族ジカルボン酸の仕込
みモル比を1.03以上として、これらを重縮合させる方
法、ジアミン及び芳香族ジカルボン酸と共に、3官能性
以上のポリアミンやポリカルボン酸を併用して、これを
重縮合させる方法等を例示することができる。
本発明に用いるハロゲン化ポリスチレン(B)として
は、下記一般式(1)で表わされる重合体が用いられ
る。
(式中、RはHまたはCH3であり、XはBrまたはClであ
り、mは1〜5の整数であり、そしてnは2以上の整数
である。) 一般式(1)で表わされるハロゲン化ポリスチレン
(B)としては、具体的には、ポリジブロモスチレン、
ポリトリブロモスチレン、ポリペンタブロモスチレン、
ポリジクロロスチレン、オリトリクロロスチレン、ポリ
ペンタクロロスチレン、ポリトリブロモα−メチルスチ
レン等が用いられる。これらハロゲン化ポリスチレンの
中では、ポリトリブロモスチレンが耐熱性、耐熱老化性
の改良効果が最も優れるので好ましい。
ハロゲン化ポリスチレン(B)はハロゲン化スチレンな
いしハロゲン化α−メチルスチレンを重合するか、また
はポリスチレン、ポリα−メチルスチレンをハロゲン化
することによつて製造される。
本発明に用いるハロゲン化フエノールの縮合物(C)
は、下記一般式(2)で表わされる。
(式中、XはBrまたはClであり、pは1〜4の整数であ
り、そしてqは5以上の整数である。) 一般式(2)で表わされるハロゲン化フエノールの縮合
物(C)としては、具体的にはポリジブロモ−p−フエ
ニレンオキシド、ポリトリブロモ−p−フエニレンオキ
シド、ポリジクロロ−p−フレニレンオキシド、ポリブ
ロモ−p−フエニレンオキシド、ポリジブロモ−o−フ
エニレンオキシド等を挙げられる。これらハロゲン化フ
エノールの縮合物の中では、ポリジブロモ−p−フエニ
レンオキシドが耐熱性、難燃性の改良効果が優れるので
好ましい。
又、本発明に用いる難燃剤であるハロゲン化ポリスチレ
ン(B)及びハロゲン化フエノールの縮合物(C)の中
では、ポリトリブロモスチレンが、組成物の成形加工時
の熱安定性に優れ、難燃効果にも優れているので最も好
ましい。
本発明では、前記ポリアミド(A)、ハロゲン化ポリス
チレン(B)及び/又はハロゲン化フエノールの縮合物
(C)に加えて、難燃助剤として特にアンチモン酸ナト
リウム(D)を用いることによつて、成形時の熱安定性
に優れたポリアミド組成物が得られ、該組成物から得ら
れる成形品は耐熱性、剛性、耐衝撃性、難燃性、色相、
外観等に優れている。かかるアンチモン酸ナトリウム
(D)には少量の、具体的には10重量%以下の量であれ
ば、三酸化アンチモン等の酸化アンチモンを含んでいて
もよい。しかしながら、アンチモン酸ナトリウム(D)
に代えて、従来難燃剤として最も効果があるとされてい
る三酸化アンチモンを単独で用いた場合は、成形時に激
しい分解及び着色がおこり、成形が不可能である。
本発明のポリアミド組成物は、 (I)前記ポリアミド(A):100重量部に対して、 (II)ハロゲン化ポリスチレン(B)及び/又はハロゲ
ン化フエノールの縮合物(C):10〜100重量部、好まし
くは15〜75重量部、及び (III)アンチモン酸ナトリウム(D):0.5〜50重量
部、好ましくは1〜15重量部とから構成される。ハロゲ
ン化ポリスチレン(B)及び/又はハロゲン化フエノー
ルの縮合物(C)の量が10重量部未満では難燃効果が発
現せず、一方100重量部を越えると難燃効果が飽和し、
又成形品の機械的強度を低下させる。
アンチモン酸ナトリウム(D)の量が0.5重量部未満で
は難燃効果が発現せず、一方50重量部を越えると難燃効
果が飽和し、又成形品の機械強度を低下させる。
本発明のポリアミド組成物には、前記成分(A)〜
(D)に加えて、一般式(3) MxAly(OH)2y+3y-2z(A)z・aH2O ……(3) (MはMg、CaまたはZn、AはCO3またはHPO4、x、y、
zは正数、aは零または正数) で示される複合化物(E)をポリアミド:100重量部に対
して0.1〜5重量部、更には0.2〜3重量部添加すると、
成形時の耐熱性及び成形品の色相が改良されるので好ま
しい。
本発明において用いられる前記一般式(3)で占めされ
る複化合物(E)として次のようなものが例示できる。
すなわちMg6Al2(OH)16CO3・4H2O、 Mg6Al2(OH)20CO3・5H2O、 Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O、 Mg10Al2(OH)22(CO3)2・4H2O、 Mg6Al2(OH)16HPO4・4H2O、 Ca6Al2(OH)16CO3・4H2O、 Zn6Al6(OH)16CO3・4H2O などが挙げられる。あるいは前記のような正確な式で示
されないものであつてもよく、たとえばMg2Al(OH)9・3H
2OのOHの一部がCO3で置き換つたものでよい。さらには
これらの化合物の結晶水が除去されたものでもよい。こ
れら複化合物の中では、MがMgであり、AがCO3である
化合物が好ましく、とくに結晶水を除去するために300
℃で焼成した合成ハイドロタルサイト Mg4.5Al2(OH)13CO3 がポリアミド(A)の配合時に水分を放出しないため好
ましい。
又、本発明のポリアミド組成物には、前記成分(A)〜
(D)に加えて、繊維補強剤(F)をポリアミド
(A):100重量部に対して5〜250重量部、更には10〜2
20重量部添加すると、更に耐熱性、難燃性、剛性、引張
強度、曲げ強度、衝撃強度等が改良される。
本発明に用いる繊維補強剤(F)としては、ガラス繊
維、チタン酸カリウム繊維、金属被覆ガラス繊維、セラ
ミツクス繊維、ウオラストナイト、炭素繊維、金属炭化
物繊維、金属硬化物繊維等の無機繊維補強剤が用いられ
る。またこのような繊維補強剤の表面をシラン系化合
物、例えばビニルトリエトキシシラン、2−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、2−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン等で処理しておいてもよい。これらの
中では、耐熱性の点から無機繊維補強剤が好ましく、と
くにガラス繊維が補強効果に最も優れるので好ましい。
本発明のポリアミド組成物には、本発明の目的を損なわ
ない範囲で前記成分に加えて、耐熱安定剤、耐候安定
剤、可塑剤、増粘剤、帯電防止剤、離型剤、顔料、染
料、無機あるいは有機充填剤、核剤、カーボンブラツ
ク、タルク、クレー、マイカ等の無機化合物等の種々公
知の配合剤を添加しておいてもよい。
更に又、他の各種重合体、例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等のポリオレ
フイン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1
−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プ
ロピレン・1−ブテン共重合体等のオレフイン共重合
体、ポリオレフインエラストマー、またはこれらの変性
重合体、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリアセタール、ポリスルフオン、ポリフエニレン
オキシド、弗素樹脂、シリコーン樹脂等を配合してもよ
い。
本発明のポリアミド組成物を得るには、前記ポリアミド
(A)、ハロゲン化ポリスチレン(B)及び/又はハロ
ゲン化フエノールの縮合物(C)、及びアンチモン酸ナ
トリウム(D)、更に必要に応じて複合化物(E)及び
/又は繊維補強剤(F)とを前記範囲で種々公知の方
法、例えばヘンシエルミキサー、V−ブレンダー、リボ
ンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合する方
法、あるいは混合後、一軸押出機、多軸押出機、ニーダ
ー、バンバリーミキサー等で溶融混練後、造粒あるいは
粉砕する方法を採用すればよい。
〔発明の効果〕
本発明のポリアミド組成物は、従来のポリアミド組成物
に比べて、成形時の熱安定性に優れ、しかも難燃性、耐
熱性、剛性、耐衝撃性、熱変形温度等に優れており、汎
用の熱可塑性樹脂と同様に圧縮成形、射出成形、押出成
形、熱成形等によつて成形することができる。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本
発明はその要旨を越えない限りこれらの例に何ら制約さ
れるものではない。
実施例1〜6及び比較例1〜5 テレフタル酸70モル%、イソフタル酸30モル%および1,
6−ジアミノヘキサン100モル%からなる極限粘度が1.0d
l/g(濃硫酸、30℃)のポリアミド(PA−I)100重量部
に対して、ポリトリプロモスチレン(FR−1)又はポリ
ジブロモ−p−フエニレンオキシド(FR−2)、アンチ
モン酸ナトリウム(FR−3)、三酸化アンチモン(FR−
4)、合成ハイドロタルトサイト(SHT)、グラスフア
イバー(GF)を表1に示す重量部混合後、45mmφ二軸ベ
ント付押出機を使用し、340℃で溶融混練ペレツト化し
た。
次に得られたペレツトを、340℃に設定した2オンスの
スクリユーインライン型射出成形機を使用して、金型温
度110℃で成形し、ASTM−1号ダンベル、1/2″軸アイゾ
ツド衝撃試験片および燃焼試験片(1/16″×1/2″×
5″)を各々得た。これらの試験片について色相観察を
行うと共に、UL−94規格に従い垂直型燃焼試験を、ASTM
−D638規格に従い引張試験を、ASTM−D256に従いアイド
ツド衝撃試験を行つた。これらの結果を表1に示す。
比較例6〜7 ポリアミドとしてテレフタル酸30モル%、イソフタル酸
70モル%および1,6−ジアミノヘキサン70モル%、ビス
(4−アミノシクロヘキシル)メタン30モル%からなる
極限粘度が0.9dl/gのポリアミド(PA−II)を用いた以
外は実施例1と同様に種々の組成物について試験を行つ
た。結果を表2に示す。
FR−1:商品名 パイロチエツク68PB、 日産フエロ有機(株)製 FR−2:商品名 P0−64P、グレートレークス社製 FR−3:商品名 サンエポツク NA1075、日産化学
(株)製 FR−4:商品名 酸化アンチモン、住友金属鉱山(株)
製 SHT :商品名 DHT−4C、協和化学(株)製 GF :商品名 03MA486A、旭フアイバーグラス(株)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C08L 77/06 71:12)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(I)テレフタル酸成分単位60〜100モル
    %及びテレフタル酸成分単位以外の芳香族系ジカルボン
    酸成分単位0〜40モル%からなるジカルボン酸成分単位
    (a)と、脂肪族系ジアミン成分単位(b)とからなる
    ポリアミド(A):100重量部に対して (II)ハロゲン化ポリスチレン(B)及び/又はハロゲ
    ン化フェノールの縮合物(C):10〜100重量部、及び (III)アンチモン酸ナトリウム(D):0.5〜50重量部
    を含むことを特徴とするポリアミド組成物。
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