JPH07102877A - 発進坑口の防護方法 - Google Patents

発進坑口の防護方法

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JPH07102877A
JPH07102877A JP27291193A JP27291193A JPH07102877A JP H07102877 A JPH07102877 A JP H07102877A JP 27291193 A JP27291193 A JP 27291193A JP 27291193 A JP27291193 A JP 27291193A JP H07102877 A JPH07102877 A JP H07102877A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シールド掘進機の外周面に凹凸部があるとき
でも、エントランスパッキンからの泥水の浸出やシール
ド掘進機のシールの損傷を防止し、かつ、補助工法区間
を短くできるようにする。 【構成】 発進坑口15の内壁面15aに、エントラン
スパッキン18,18をシールド掘進機6の推進方向A
に所定間隔を保持して設け、この両エントランスパッキ
ン18,18にシールド掘進機6を挿入推進させ、その
シールド掘進機6の前側,後側シールド本体8,9外周
面に形成されている凹部7,11や凸部13が上記推進
方向A後側のエントランスパッキン18を通過したとき
に、中空部B内に、切羽の泥水圧Wとほぼ等しい圧力の
充填水を充填し、上記凹部7,11や凸部13が上記推
進方向A前側のエントランスパッキン18を通過した後
に、上記中空部Bの充填水を排出するとともに該中空部
を大気に開放している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発進坑口内に設けられ
た2つのエントランスパッキン間にシールド掘進機を挿
入推進する際における発進坑口の防護方法に関し、特
に、2つの環状のエントランスパッキン、シールド掘進
機のシールド本体外周面及び発進坑口の内壁面で囲繞区
画された中空部内に、シールド掘進機の推進に伴って切
羽の泥水圧とほぼ等しい圧力の充填水を充填することを
特質とするものである。
【0002】
【従来の技術】シールド掘進機を発進させる発進坑口の
防護装置として、図10に示すような2つのエントラン
スパッキンを使用したものがある。図10は発進坑口に
設けられた防護装置の概略の構造を示す断面図、図11
は図10に示すシールド掘進機の中折れ部が切羽側のエ
ントランスパッキンを通過する状態を示す部分拡大断面
図、図12は同シールド掘進機の後側シールド本体の外
周面に突設された裏込め注入管等が切羽側のエントラン
スパッキンを通過する状態を示す部分拡大説明図、図1
3は同シールド掘進機のテールエンドが切羽側のエント
ランスパッキンを通過する状態を示す部分拡大断面図で
ある。
【0003】図10に示す立坑の側壁1には円形状の発
進坑口2が形成されている。この発進坑口2の周囲には
同径の環状からなるコンクリート補強層5が形成され、
この内部に防護装置が設けられている。この防護装置
は、ゴムで形成された環状のエントランスパッキン3,
4を備えている。このエントランスパッキン3,4は、
シールド掘進機6の推進方向Aに所定間隔を保持して、
その外縁部がコンクリート補強層5の内壁面5aに固定
されている。
【0004】図示シールド掘進機6は、前側シールド本
体8と後側シールド本体9との間に中折れ部7が形成さ
れており、前側シールド本体8の前方にカッタヘッド8
aが回転可能に取り付けられている。また、後側シール
ド本体9の後方にはこの後側シールド本体9の直径より
も小径の覆工セグメント12が連続して形成されるよう
になっている。中折れ部7は、図11にも示すように後
側シールド本体9の前側シールド本体8との接続端部
に、外周面の直径よりも小径の段差部9aが全周にわた
って形成されており、この段差部9aの外周面と前側シ
ールド本体8の裏面側との間に全周にわたって中折れシ
ール10が設けられている。これにより、中折れ部7か
ら泥水が浸入しないようにしている。
【0005】ところで、エントランスパッキン3,4
は、その開口部3a,4aがここに挿入されるシールド
掘進機6の前側,後側シールド本体8,9の外周面及び
後側シールド本体9に続く覆工セグメント12の外周面
に密着するような内径に形成され、切羽Kの泥水Wが立
坑内へ浸出するのを防止するようにしたものである。し
かも、同図に示すように2つのエントランスパッキン
3,4を設ければ、たとえ切羽K側のエントランスパッ
キン3が何等かの原因によって破損した場合であって
も、立坑側のエントランスパッキン4によって泥水Wの
浸出を防止できるという利点を備えている。
【0006】また、図10と図12に示すように、後側
シールド本体9の外周面には、所定の角度間隔毎に覆工
セグメント12と地山との間に充填材を注入する裏込め
注入管13等が突出して形成されている。さらに、図1
0と図13に示すように、後側シールド本体9のテール
エンドと覆工セグメント12の外周面との間にも同様に
泥水の浸入を防止するテールシール11が全周にわたっ
て設けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような構造のシー
ルド掘進機6を、上述したエントランスパッキン3,4
内に挿入した場合、中折れ部7や後側シールド本体9の
テールエンド等が切羽K側のエントランスパッキン3を
通過するとき、次のような現象が生ずる。 <中折れ部が通過するとき>すなわち、図11に示すよ
うに切羽K側のエントランスパッキン3には、泥水Wの
圧力が常時加えられている。このため、この加圧されて
いる切羽K側のエントランスパッキン3を中折れ部7が
通過すると、このエントランスパッキン3の開口部3a
が泥水Wの圧力によって中折れ部7内に急激に押し込め
られて中折れシール10を強く叩き、この衝撃によって
中折れシール10が破れたり破損したりする。
【0008】<裏込め注入管やグリース注入管が通過す
るとき>図12に示すように、裏込め注入管13が切羽
K側のエントランスパッキン3を通過するときには、こ
のエントランスパッキン3が裏込め注入管13に完全に
密着せず、裏込め注入管13の両側にそれぞれ間隙S,
Sが生じ、この間隙S,Sから泥水Wが多量に噴き出
す。しかも、このとき両エントランスパッキン3,4の
間隔が裏込め注入管13の推進方向での長さ以下に設定
されている場合には、立坑側のエントランスパッキン4
と裏込め注入管13との間にも間隙S,Sが生じて、泥
水Wが両エントランスパッキン3,4をともに通過して
立坑内に噴出するおそれがある。このような現象は、裏
込め注入管13ばかりでなくたとえば図示しないグリー
ス注入管や他の凸部が後側シールド本体9の外周面に形
成されている場合にも同様に発生する。
【0009】<テールエンドを通過するとき>図13に
示すように、後側シールド本体9のテールエンドが切羽
K側のエントランスパッキン3を通過すると、前述と同
じくエントランスパッキン3の開口部3aが泥水圧によ
ってエンドシール11を強く叩き、エンドシール11が
破れたり破損する。以上のような泥水の浸出、中折れシ
ール10やエンドシール11の損傷を防止するため、従
来においては中折れ部7や裏込め注入管13等が切羽K
側のエントランスパッキン3を通過するまで、通常の圧
力よりも低い泥水圧となるようにしている。このため、
中折れ部7や裏込め注入管13等がエントランスパッキ
ン3を通過するまでの長い区間にわたって、地山崩壊防
止のために所要の補助工法を施工しなければならない。
このため、施工に余分な時間を必要とするとともに、施
工経費も高いものになるという欠点があった。
【0010】そこで本発明は、シールド掘進機の外周面
に凹凸部があるときでも、エントランスパッキンからの
泥水の浸出やシールド掘進機のシールの損傷を防止し、
かつ、補助工法区間を短くできる発進坑口の防護方法の
提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明発進坑口の防護方法は、発進坑口15の内壁面15a
に、弾性体からなる2つの環状のエントランスパッキン
18,18をシールド掘進機6の推進方向Aに所定間隔
を保持して設け、この両エントランスパッキン18,1
8にシールド掘進機6を挿入推進させ、そのシールド掘
進機6の前側,後側シールド本体8,9外周面に形成さ
れている中折れ部,テールシール等の凹部7,11や裏
込め注入管等の凸部13が上記推進方向A後側すなわち
坑口側のエントランスパッキン18を通過したときに、
前側,後側シールド本体8,9外周面と発進坑口15の
内壁面15a及び両エントランスパッキン18,18で
囲繞区画された中空部B内に、切羽の泥水圧Wとほぼ等
しい圧力の充填水を充填し、上記中折れ部,テールシー
ル等の凹部7,11や裏込め注入管等の凸部13が上記
推進方向A前側すなわち切羽側のエントランスパッキン
18を通過した後に、上記中空部Bの充填水を排出する
とともに該中空部を大気に開放するものである。
【0012】上記において、切羽Kの泥水Wを充填水と
して中空部B内に充填するようにし、さらに、中折れ
部,テールシール等の凹部7,11や裏込め注入管等の
凸部13の推進方向Aでの長さを越える間隔を保持し
て、両エントランスパッキン18,18を設けるように
することが実施上好適である。
【0013】
【作用】上記発進坑口の防護方法の作用について説明す
る。シールド本体外周面に形成されている凹凸部が、推
進方向後側すなわち坑口側エントランスパッキンを通過
したときに、そのシールド本体外周面と発進坑口の内壁
面及び両エントランスパッキンで囲繞区画された中空部
内に切羽の泥水圧とほぼ等しい圧力の充填水を充填する
ことによって、推進方向前側すなわち切羽側のエントラ
ンスパッキンの前後面に加わる圧力を同圧にし、これに
より上記凹凸部が実質上無負荷状態で該エントランスパ
ッキンを通過し、しかも充填水は推進方向後側すなわち
坑口側のエントランスパッキンで閉塞され、漏洩するこ
とはない。また、凹凸部が推進方向前側すなわち切羽側
のエントランスパッキンを通過した後に、上記充填水を
排出して上記中空部を大気開放状態とすることによっ
て、当該凹凸部がエントランスパッキンを実質上無負荷
状態で通過でき、切羽の泥水は推進方向前側すなわち切
羽側のエントランスパッキンで閉塞され、漏洩すること
はない。
【0014】
【実施例】本発明について図面を参照して説明する。図
1は本発明の防護方法を実施するための一例としての防
護装置の構造を示す縦断面図、図2(A),(B)は、
図1に示す押え金具の構造を拡大して示す拡大側面図,
同正面図である。なお、本実施例に示すシールド掘進機
については前述したものと同等であるので、ここでは同
一の符号を付して説明を省略する。
【0015】図1に示す図示防護装置は、立坑の側壁1
4に形成された円筒状の発進坑口15内に設置されてい
る。この防護装置は、発進坑口15の内壁面15aに設
けられた同一構造からなる2つのシール構造16,17
と、このシール構造16,17間に切羽Kの泥水Wを導
く配管路30とを有している。
【0016】発進坑口15の内壁面15aの中央部に
は、この発進坑口15の直径よりも大きな内径に形成さ
れた環状の凹部15bが形成されている。この凹部15
bの切羽K側の側壁15cには、一方のシール構造16
が取り付けられ、他方のシール構造17は立坑の側壁1
4の内周壁14aに取り付けられている。シール構造1
6,17は、それぞれシールド掘進機6が挿入されるエ
ントランスパッキン18が発進坑口15の中心に一致し
て保持されている。このエントランスパッキン18は、
上述した覆工セグメント12の外径よりも小さい内径の
開口部18aが形成された環状のものであり、たとえば
ゴム等の弾性体によって形成されている。
【0017】エントランスパッキン18の外周縁部に
は、発進坑口15を中心とする同一円周上に所定角度間
隔で複数の押え金具19が配置されている。各押え金具
19は、図2(A),(B)に詳細を示すように、エン
トランスパッキン18及び一対のワッシャ20,20と
ともに固定具21により凹部15bの側壁15cや立坑
の側壁14の内周壁14aに固定されている。この押え
金具19は、固定具21を構成するアンカーボルト22
及びこれに螺合するナット23により上記各壁に固定さ
れる第1のプレート24と、この第1のプレート24に
ピン25を介して枢着され、これにより揺動可能な第2
のプレート26と、この第2のプレート26の反時計方
向への回転を規制するストッパ27,27とを備えてい
る。以上の構造では、第2のプレート26はピン25を
中心とする時計方向には回転するが、反時計方向への回
転はストッパ27の上部が第1のプレート24に当接し
て規制される。
【0018】上述したエントランスパッキン18間の距
離Lは、シールド掘進機6の後側シールド本体9の外周
面に形成された裏込め注入管13等の凹凸部の推進方向
Aでの長さを越える寸法に設定されている。すなわち、
裏込め注入管13やグリース注入管あるいは中折れ部7
等の凹凸部が、両エントランスパッキン18,18を同
時に通過しない間隔であればよい。本実施例では、推進
方向Aで最も長い寸法を有する裏込め注入管13の長さ
寸法を越える間隔に設定している。
【0019】配管路30は、一端部31aが切羽K側の
シール構造16の図示左側の発進坑口15の内壁面15
aに配置され、他端部31bがバルブ33を介して送水
管32に接続された送水管31と、泥水の充填口及び排
水口としての一端部32aが両エントランスパッキン1
8,18の間の内壁面15aに配置され、他端部32b
がバルブ34を介して図示しない泥水槽に接続された送
水管32とを備えている。この配管構造では、バルブ3
3を開き、かつ、バルブ34を閉じれば、泥水Wが中空
部B内に充填されて、中空部B内の圧力が泥水Wの圧力
と等しくなる。また、中空部B内に泥水Wが充填されて
いるときに、バルブ33を閉じ、かつ、バルブ34を開
けば、中空部B内の泥水Wが泥水槽側に排出され、中空
部B内の圧力がほぼ大気圧と等しくなる。なお、中空部
Bからの泥水Wの排出は図示しない泥水槽側に吸引ポン
プを設け、この吸引ポンプにより吸引排出させるように
してもよい。
【0020】次いで、上記構成の防護装置による発進坑
口の防護方法について、特に図3乃至図8を参照して説
明する。まず、シールド掘進機6を推進させる前に、送
水管31のバルブ33と送水管32のバルブ34とを閉
じておく。そして、前述したシールド掘進機6を発進坑
口15の入口側に同心的に対向させて設置し、推進方向
Aに移動させる。この移動の途中でシールド掘進機6の
前側シールド本体8の外周面に押え金具19のストッパ
27の背面が当接し、ストッパ27と第2のプレート2
6とがピン25を中心として時計方向に回転移動され
る。また、第2のプレート26によってエントランスパ
ッキン18の開口部18aが、図3に示すように切羽K
側に弾性変形される。
【0021】シールド掘進機6を両シール構造16,1
7のエントランスパッキン18,18に挿入してA方向
に所定距離だけ推進させると、図3に示すように両エン
トランスパッキン18,18、発進坑口15の内壁面1
5a及びシールド掘進機6の前側シールド本体8とによ
り中空部Bが形成される。また、図3に示すように中空
部Bが形成されたときには、推進方向A前側すなわち切
羽K側のシール構造16のエントランスパッキン18の
切羽K側の側面には、泥水Wの泥水圧が加えられてい
る。他方、推進方向A後側すなわち立坑側のシール構造
17のエントランスパッキン18には上述のような泥水
圧が加えられておらず、中空部Bは実質的には大気開放
状態にあるため、シールド掘進機6の前側シールド本体
8は密着しているエントランスパッキン18の弾性力が
作用しているだけである。
【0022】従って、この図3に示す位置からシールド
掘進機6をA方向に推進させて、シール構造17のエン
トランスパッキン18に中折れ部7を通過させたときに
も、同エントランスパッキン18によって中折れ部7の
中折れシールを強打することはない。そして、シールド
掘進機6をA方向にさらに推進させて、図4に示すよう
に中折れ部7を両シール構造16,17のエントランス
パッキン18,18の間に移動させる。このとき、いっ
たんシールド掘進機6を停止させあるいは推進を継続さ
せた状態で、送水管31側のバルブ33を例えば手動で
開く。このバルブ33を開くことにより、中空部Bとシ
ール構造16のエントランスパッキン18の左側面側の
泥水Wとの間に圧力差が生じる。この圧力差により、泥
水Wは送水管31及びバルブ33を介して、送水管32
の充填口としての一端部32aから中空部B内に噴出さ
れる。
【0023】図4に示すように泥水Wが中空部B内に充
填されると、切羽K側のシール構造16のエントランス
パッキン18の両側に同一圧力の泥水Wが満たされて圧
力の平衡状態となり、シールド掘進機6に対してはこの
エントランスパッキン18の弾性力だけが作用すること
になる。そこで、この圧力平衡状態のときにシールド掘
進機6をさらにA方向に移動させ、切羽K側のエントラ
ンスパッキン18に中折れ部7を通過させる。このと
き、泥水Wの立坑内への浸出はシール構造17側のエン
トランスパッキン18により阻止されている。
【0024】そして、図4に示す位置からさらにシール
ド掘進機6をA方向に推進させて、中折れ部7を切羽K
側のシール構造16を越えて切羽K側に移動させ、送水
管31のバルブ33を閉じた後に送水管32のバルブ3
4を開けると、中空部Bと図示しない泥水槽(図示しな
い)との間に前述と同様の圧力差が生じる。この圧力差
によって、中空部B内の泥水Wは排水口としての一端部
32aから送水管32の内に流入して泥水槽内に排出さ
れる。そして、中空部B内の泥水Wを排出させた後に送
水管32のバルブ34を閉じる。この場合、中空部B内
の泥水Wが完全に排水されない場合であっても、中空部
B内の圧力が大気圧と同等になればよい。
【0025】図5に示すように、さらにシールド掘進機
6をA方向に推進させると、後側シールド本体9に突設
された裏込め注入管13が立坑側のシール構造17のエ
ントランスパッキン18を通過し、同エントランスパッ
キン18と裏込め注入管13との間に上述した間隙Sが
できる。しかしながら、中空部Bの泥水Wはすでに排出
されているかあるいは多少泥水Wが残っていても大気圧
とほぼ等しい圧力となっているため、間隙Sからの泥水
Wの浸出はない。また、泥水Wは切羽K側のシール構造
16のエントランスパッキン18によって防水されてい
る。
【0026】さらに、シールド掘進機6をA方向に推進
させて、両エントランスパッキン18,18の間に裏込
め注入管13を移動させる。このとき、図6に示すよう
にエントランスパッキン18,18の距離Lは裏込め注
入管13の長さMを越える寸法に設定されているので、
両エントランスパッキン18,18には同時に裏込め注
入管13が当接しない。
【0027】図6に示すように、エントランスパッキン
18,18の間に裏込め注入管13が移動されたとき、
いったんシールド掘進機6を停止させあるいは推進を継
続させた状態で、送水管31側のバルブ33を例えば手
動で開いて、泥水Wを中空部B内に充填させる。この中
空部B内に泥水Wが充填された圧力平衡状態のときに、
図7に示すようにシールド推進機6をさらにA方向に移
動させ、切羽K側のシール構造16のエントランスパッ
キン18に裏込め注入管13を通過させる。この通過の
際にも、このエントランスパッキン18と裏込め注入管
13との間に間隙Sが生じるが、泥水Wは立坑側のシー
ル構造17のエントランスパッキン18により浸水が阻
止される。また、同エントランスパッキン18の弾性力
だけで裏込め注入管13に接触しているので、裏込め注
入管13によって同エントランスパッキン18自体が傷
つくこともない。
【0028】次に、図7に示す位置からさらにシールド
掘進機6をA方向に推進させて、裏込め注入管13を切
羽K側のシール構造16を越えて切羽K側に移動させ
る。そして送水管31のバルブ33を閉じた後に、送水
管32のバルブ34を開けて中空部B内の泥水を排出さ
せ、この後に送水管32のバルブ34を閉じる。
【0029】さらにシールド掘進機6をA方向に推進さ
せると、図8に示すように後側シールド本体9のテール
エンドと覆工セグメント12との間のテールシール11
が、立坑側のシール構造17のエントランスパッキン1
8を通過する。しかし、中空部B内の泥水はすでに排出
されているので、テールシール11には当接するエント
ランスパッキン18の弾性力だけが作用している。この
ため、同エントランスパッキン18によってテールシー
ル11を強打することはない。
【0030】そして、エントランスパッキン18,18
の間にテールシール11が移動されたとき、いったんシ
ールド掘進機6を停止させあるいは推進を継続させた状
態で、送水管31側のバルブ33を例えば手動で開い
て、泥水Wを中空部B内に充填させる。この中空部B内
に泥水Wが充填された圧力の平衡状態のときに、図9に
示すようにシールド掘進機6をさらにA方向に移動さ
せ、切羽K側のシール構造16のエントランスパッキン
18にテールシール11を通過させる。このとき、泥水
Wの立坑内への浸出はシール構造17側のエントランス
パッキン18により阻止されている。このような中空部
B内への泥水の充填動作と排出動作とは、凹凸部をエン
トランスパッキンに通過させる度に繰り返し行う。
【0031】前述した防護方法であれば、次のような各
効果を得ることができる。 (a)中折れ部7やテールシール11が切羽側のシール
構造16のエントランスパッキン18を通過するとき、
この当接するエントランスパッキン18の両側にはほぼ
等しい泥水圧が加えられている。従って、このエントラ
ンスパッキン18を通過する中折れシール10やテール
シール11には、この当接するエントランスパッキン1
8自体の弾性力だけが作用する。このため、中折れシー
ル10やテールシール11の破損を防止できる。
【0032】(b)両エントランスパッキン18,18
間の間隔が裏込め注入管13の推進方向Aの長さよりも
大きく設定されているため、裏込め注入管13が切羽K
側のエントランスパッキン18を通過するときでも、立
坑側のエントランスパッキン18は後側シールド本体9
に密着している。従って、たとえ裏込め注入管13の両
側に間隙S,Sが生じたとしても、泥水Wの立坑内への
噴出を防止することができる。
【0033】(c)中折れシール10や裏込め注入管1
3、テールシール11等の凹凸部がエントランスパッキ
ン18を通過するまで必須であった地山崩壊防止の為の
補助工法を行う距離を短くすることができ、施工時間の
短縮を図ることができるとともに、施工経費を低減させ
ることができる。なお、本発明は上述した実施例に限る
ものではなく、次のような変形実施も可能である。
【0034】(1)上記実施例では、中空部に充填する
充填水として切羽の泥水を使用したが、たとえば立坑内
に泥水を貯蔵した泥水槽を設置し、この泥水槽の泥水を
両エントランスパッキン間に充填させる送水管を設け、
泥水槽の泥水を切羽の泥水圧とほぼ同一の圧力で中空部
に充填させるようにしてもよい。この構造であっても、
上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0035】(2)上記実施例では凹凸部として裏込め
注入管13や中折れ部7を例として説明したが、グリー
ス注入管やシールド本体に形成されているその他の凹凸
部であっても、同様に対応することができる。
【0036】(3)上記実施例ではエントランスパッキ
ン18が押え金具によって保持されてバックリングを予
防した構造となっているが、泥水圧とエントランスパッ
キンとの関係でエントランスパッキンのバックリングが
懸念されない場合等では、必ずしも設ける必要はない。
【0037】(4)図1等に示す防護装置ではシール構
造を2つ設けたものを示すが、3つ以上設けてもよい。
たとえば、シール構造を3つ設けたものを想定すると、
最も両側に配置されたシール構造のエントランスパッキ
ン間の距離を凹凸部の推進方向の寸法を越える寸法にし
ておけば、間に配置された隣合うエントランスパッキン
間の距離は、必ずしも凹凸部の推進方向での長さを越え
る寸法に設定しなくてもよい。このような構造を備えた
防護装置において上述した防護方法を実施したとして
も、同様の効果を得ることができると考えられる。
【0038】(5)上記実施例では、シールド掘進機の
推進距離を目視確認しつつ、送水管に設けたバルブを手
動で開閉する例について説明したが、シールド掘進機を
検出する複数のセンサと、この複数のセンサから出力さ
れる検出信号によってシールド掘進機6の推進距離を算
出する制御部と、この制御部から出力される開閉駆動信
号によって各バルブを開閉するバルブ駆動部とを併設し
て、自動的にバルブの開閉を行うようにしてもよい。こ
の場合には、上述した各効果に加えて省力化に寄与でき
る。
【0039】
【発明の効果】請求項1に記載した発進坑口の防護方法
によれば、シールド掘進機のシールド本体外周面に形成
されている凹凸部が切羽側のエントランスパッキンを通
過するときには、この切羽側のエントランスパッキンの
両側の圧力が平衡状態となっている。このため、上記凹
凸部にはエントランスパッキンの弾性力だけが作用する
ことになり、シールド掘進機のシールの損傷を防止する
ことができる。また、凹凸部が切羽側のエントランスパ
ッキンを通過するときには、同エントランスパッキンと
凹凸部との間に間隙が生じるが、泥水は他方のエントラ
ンスパッキンによって防水され、泥水の浸出を防止する
ことができる。さらに、凹凸部が切羽側のエントランス
パッキンを通過するまで、切羽の自立に必要な泥水圧を
下げなくてすむので、これにより補助工法区間を短くす
ることができる。
【0040】請求項2に記載した発進坑口の防護方法に
よれば、請求項1に記載した発進坑口の防護方法で得ら
れる効果に加え、中空部に充填する充填水として切羽の
泥水を使用するので、泥水とは別の充填水を供給する場
合のように、その充填水と泥水との圧力調整を行う必要
がない。従って、防護装置を簡単な構造にすることがで
き、これによりコストの低減を図ることもできる。
【0041】請求項3に記載した発進坑口の防護方法に
よれば、請求項1又は2に記載した発進坑口の防護方法
で得られる効果に加え、両エントランスパッキンが凹凸
部の推進方向での長さを越える間隔を保持して設けられ
ているので、両エントランスパッキンを同時に凹凸部が
通過することがなく、推進方向に長い凹凸部が設けられ
ているときにも確実に泥水の浸出を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防護方法を実施するための一例として
の防護装置の構造を示す縦断面図である。
【図2】(A),(B)は、図1に示す押え金具の構造
を拡大して示す拡大側面図,同正面図である。
【図3】シールド掘進機の外周面に形成された凹凸部
が、立坑側のエントランスパッキンの手前側に移動され
た状態を示す説明図である。
【図4】シールド掘進機の外周面に形成された凹凸部
が、2つのエントランスパッキンの間に移動された状態
を示す説明図である。
【図5】シールド掘進機の外周面に形成された凹凸部
が、立坑側のエントランスパッキンを通過する状態を示
す説明図である。
【図6】シールド掘進機の外周面に形成された凹凸部
が、2つのエントランスパッキンの間に移動された状態
を示す説明図である。
【図7】シールド掘進機の外周面に形成された凹凸部
が、切羽側のトランスパッキンを通過する状態を示す説
明図である。
【図8】シールド掘進機の外周面に形成された凹凸部
が、立坑側のトランスパッキンを通過する状態を示す説
明図である。
【図9】シールド掘進機の外周面に形成された凹凸部
が、切羽側のトランスパッキンを通過する状態を示す説
明図である。
【図10】発進坑口に設けられた防護装置の概略の構造
を示す断面図である。
【図11】図9に示すシールド掘進機の中折れ部が切羽
側のエントランスパッキンを通過する状態を示す部分拡
大断面図である。
【図12】同シールド掘進機の後部シールドの外周面に
突設された裏込め注入管等が切羽側のエントランスパッ
キンを通過する状態を示す部分拡大説明図である。
【図13】同シールド掘進機のテールエンドが切羽側の
エントランスパッキンを通過する状態を示す部分拡大断
面図である。
【符号の説明】
7 凹部としての中折れ部 11 凹部としてのテールシール 13 凸部としての裏込め注入管 15 発進坑口 15a 内壁面 16,17 シール構造 18 エントランスパッキン 19 押え金具 30 配管路 32a 充填口,排出口 A 推進方向

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発進坑口の内壁面に、弾性体からなる2
    つの環状のエントランスパッキンをシールド掘進機の推
    進方向に所定間隔を保持して設け、この両エントランス
    パッキンにシールド掘進機を挿入推進させ、そのシール
    ド掘進機のシールド本体外周面に形成されている凹凸部
    が上記推進方向後側すなわち坑口側のエントランスパッ
    キンを通過したときに、シールド本体外周面と発進坑口
    の内壁面及び両エントランスパッキンで囲繞区画された
    中空部内に、切羽の泥水圧とほぼ等しい圧力の充填水を
    充填し、上記凹凸部が上記推進方向前側すなわち切羽側
    のエントランスパッキンを通過した後に、上記中空部の
    充填水を排出するとともに該中空部を大気に開放するこ
    とを特徴とする発進坑口の防護方法。
  2. 【請求項2】 切羽の泥水を上記中空部内に導く送水管
    を設け、この泥水を充填水として中空部内に充填する請
    求項1に記載の発進坑口の防護方法。
  3. 【請求項3】 凹凸部の推進方向での長さを越える間隔
    を保持して両エントランスパッキンを設ける請求項1又
    は2に記載の発進坑口の防護方法。
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