JP2903002B2 - トンネルエントランス構造及びこれを用いたシールド工法 - Google Patents

トンネルエントランス構造及びこれを用いたシールド工法

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JP2903002B2
JP2903002B2 JP32148896A JP32148896A JP2903002B2 JP 2903002 B2 JP2903002 B2 JP 2903002B2 JP 32148896 A JP32148896 A JP 32148896A JP 32148896 A JP32148896 A JP 32148896A JP 2903002 B2 JP2903002 B2 JP 2903002B2
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亨 松崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトンネルエントラン
ス構造及びこれを用いたシールド工法に関するものであ
り、特に外周面に段差部を有するシールド掘進機を用い
た場合でも地下水の立坑への流出を防ぐことができるト
ンネルエントランス構造及びこれを用いたシールド工法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より地下鉄等の交通機関用や共同溝
用等のトンネルを建設する手段として、例えば特開平8
−93390号公報に記載のようにシールド掘進機を用
いてトンネルが掘り進められるシールド工法が用いられ
ている。このシールド工法は、一般的にはまず立坑が掘
り下げられ、この立坑を起点としてシールド掘進機にて
横坑が掘り進められる。この横坑の掘りはじめ地点で
は、地下水や地下水に土砂が混ざった泥水が流出し立坑
を埋めてしまうおそれがある。これを防ぐため、横坑の
掘りはじめ地点には地下水をシールする機能を備えたト
ンネルエントランス構造が採用されている。また、横坑
を掘り進めて他の立坑に到達する地点や、第1の横坑か
らこれと分岐される第2の横坑を掘りはじめる地点等に
も、上記と同様の理由から地下水をシールする機能を備
えたトンネルエントランス構造が採用されている。
【0003】このようなトンネルエントランス構造を、
立坑を起点としてシールド掘進機によって横坑が掘り進
められる場合を例にして説明する。図9においてAは立
坑である。この立坑Aを起点としてシールド掘進機4を
図中矢印F方向に前進させて横坑が掘り進められる。シ
ールド掘進機4の前進に伴い、地山Bからは地下水や泥
水が立坑Aに向かって流出する。地下水や泥水の流出を
防ぐため、立坑Aの土留め壁103に環状のエントラン
スパッキン101が設けられている。このエントランス
パッキン101はゴム等の可撓性材料で形成されてい
る。エントランスパッキン101の立坑側にはその先端
が立坑側へ折り返るのを防ぐため金属製の裏当て材(図
示せず)が設けられている。このエントランスパッキン
101の先端部分はシールド掘進機4のスキンプレート
41に当接され、これにより地山Bからの地下水の流出
が防止される。なお、エントランスパッキン101は土
留め壁103に直接設置される場合もあるが、図9に示
すように例えばエントランスコンクリート102を介し
て設置されることもある。
【0004】ところで曲線状のトンネルを掘削する場
合、シールド掘進機はトンネルの計画曲率に応じトンネ
ル内である程度中折れ状態にされ得る、いわゆる中折れ
式のものが用いられる。図9を参照しつつ従来のトンネ
ルエントランス構造及び上記中折れ式のシールド掘進機
を用いたシールド工法を説明する。図9に示すシールド
掘進機4は前胴4aと後胴4bとより構成されており、
前胴4aの後端に後胴4bの前端が嵌入されている。嵌
入部において前胴4aと後胴4bとは図示しないピンに
て軸着されている。これによりシールド掘進機4はピン
を回転中心として中折れ状態とされ得る。嵌入と中折れ
を容易とするために後胴4bの嵌入部近傍は短径とされ
ており、この短径部分はシールド掘進機4全体としてみ
れば環状の段差部42を形成することとなる。
【0005】このような段差部42を有するシールド掘
進機4で横坑を掘りはじめる場合において図9に示すよ
うな従来のエントランスパッキン101を用いると、エ
ントランスパッキン101が段差部42に当接する段階
でエントランスパッキン101が起きあがった状態とな
り、当接圧力が低下して地下水の流出防止が不完全とな
る場合がある。また、段差部42がエントランスパッキ
ン101を通過する際に衝撃によりエントランスパッキ
ン101が破損し、やはり地下水の流出防止が不完全と
なる場合がある。
【0006】これらの問題を解決するため、シールド掘
進機4の段差部42に固化剤を塗着したり木材を巻き付
けたりしてスキンプレート41全外面を平滑状態とし、
エントランスパッキン101の破損を防ぐ方法が知られ
ている。固化剤や木材はシールド掘進機4が中折れ状態
となる際に変形応力により破壊、除去される。しかし、
固化剤や木材ではスキンプレート41の完全な平滑化は
困難であり、エントランスパッキン101の破損を防ぐ
ことは難しい。また、固化剤や木材の隙間から地下水が
漏れ出す場合もある。さらに固化剤や木材の存在によ
り、シールド掘進機4の中折れ作業が困難となる場合も
ある。
【0007】シールド工法では、シールド掘進機4が掘
り進むに従ってシールド掘進機4の後方からトンネルの
構造物となるセグメント45が露出していく。スキンプ
レート41とセグメント45との間隙のシールのため、
スキンプレート41の後方にはテールシール44が設け
られている。スキンプレート41後端からテールシール
44を経てさらにその後方のセグメント45に至る部分
にも段差があり、この段差部43においても上記段差部
42と同様、エントランスパッキン101の破損による
地下水流出の問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した問題
に鑑みてなされたものであり、外周面に段差部が存在す
るシールド掘進機を用いた場合でも、エントランスパッ
キンのシールド掘進機の外周面への当接圧力が低下して
立坑内に地下水が流出したり、エントランスパッキンが
破損したりすることがないトンネルエントランス構造及
びこれを用いたシールド工法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため本発明のうちの1つにおいては、パッキンケース
と、上記パッキンケースの内側に設けられ、膨出・後退
が可能な第1エントランスパッキンと、上記パッキンケ
ースの内側に設けられ、上記第1エントランスパッキン
に対しシールド掘進機の前進方向に位置し、膨出・後退
が可能な第2エントランスパッキンと、より成り、第1
エントランスパッキンと第2エントランスパッキンとの
距離が、パッキンケースを通過するシールド掘進機の段
差部の前後方向の長さよりも大きく設定されているトン
ネルエントランス構造、を提供するものである。
【0010】また本発明のうち他の発明においては、上
記トンネルエントランス構造及び外周面に段差部を有す
るシールド掘進機を用いてトンネルが掘り進められるシ
ールド工法であって、上記段差部が第1エントランスパ
ッキンを通過する段階では、第1エントランスパッキン
は後退状態、第2エントランスパッキンは膨出状態とさ
れており、シールド掘進機の外周面とパッキンケースと
のシールは第2エントランスパッキンのみでなされてお
り、上記段差部が第2エントランスパッキンを通過する
段階では、第1エントランスパッキンは膨出状態、第2
エントランスパッキンは後退状態とされており、シール
ド掘進機の外周面とパッキンケースとのシールは第1エ
ントランスパッキンのみでなされている、ことを特徴と
するシールド工法、を提供するものである。
【0011】これらの発明によれば、段差部が第1エン
トランスパッキンを通過する場合にはこの第1エントラ
ンスパッキンを後退させて第1エントランスパッキンの
破損を防ぐことができる。しかも、第2エントランスパ
ッキンが膨出状態とされているためシールド掘進機の外
周面とパッキンケースとのシールは確保される。また、
段差部が第2エントランスパッキンを通過する場合には
この第2エントランスパッキンを後退させ、第2エント
ランスパッキンの破損を防ぐことができる。しかも、第
1エントランスパッキンが膨出状態とされているためシ
ールド掘進機の外周面とパッキンケースとのシールは確
保される。
【0012】本発明において第1及び第2エントランス
パッキンの膨出・後退の作動手段は特には限定されない
が、第1及び第2エントランスパッキンが各々加圧流体
の注入・排出により膨出・後退するようにすれば、流体
の注入・排出のみで膨出・後退の作動を制御でき、簡便
で好ましい。
【0013】また、第1エントランスパッキンと第2エ
ントランスパッキンとの中間部に地下水除去手段を設
け、この地下水除去手段により第1エントランスパッキ
ンと第2エントランスパッキンとの間に貯まった地下水
を除去すれば、地下水が徐々に第1エントランスパッキ
ンの後方に漏れ出ることがなく好ましい。特に段差部が
第2エントランスパッキンを通過した後、スキンプレー
トの後端の新たな段差部が第1エントランスパッキンを
通過する場合には第1エントランスパッキンを再度後退
させるが、その前に第1エントランスパッキンと第2エ
ントランスパッキンとの間に貯まった地下水を除去すれ
ば、一度に多量の地下水が第1エントランスパッキンの
後方に流れ出るのを防ぐことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を説明する。
【0015】図1では、立坑Aからシールド掘進機4が
図中矢印方向Fに進んでいる状態が表されている。立坑
Aの周囲は土砂崩れを防止する等の目的で、コンクリー
ト製の土留め壁3が設けられている。土留め壁3には開
口部が設けられており、この開口部からシールド掘進機
4が前進せしめられ、トンネルが建設される。
【0016】土留め壁3には開口部に連続させて、鋼製
で筒状のパッキンケース2が設けられている。図1では
パッキンケース2は土留め壁3の壁面に取り付けられて
いるが、取り付け位置はこれに限られず、開口部の内周
面に取り付けられる場合もある。また、土留め壁3の厚
みを大きくして、開口部の内周面自体がパッキンケース
2とされる場合もある。
【0017】パッキンケース2の内側には、環状の第1
エントランスパッキン1aが設けられている。また、パ
ッキンケース2の内側であって上記第1エントランスパ
ッキン1aに対しシールド掘進機4の前進方向側には、
やはり環状の第2エントランスパッキン1bが設けられ
ている。第1エントランスパッキン1a及び第2エント
ランスパッキン1bは後述するようにパッキンケースの
内側に向けて膨出・後退が可能であり、膨出した状態で
はその先端が適切な圧力でスキンプレート41外周に当
接し、パッキンケース2とスキンプレート41との間隙
をシールする。
【0018】中折れ式のシールド掘進機4は、主として
前胴4aと後胴4bとから構成され、各胴4a、4bの
スキンプレート41でその外周が構成されている。前胴
4aの後端には後胴4bの前端が嵌入されており、嵌入
部において前胴4aと後胴4bとは図示しないピンにて
軸着されている。これによりシールド掘進機4はピンを
回転中心として中折れ状態とされ得る。嵌入と中折れを
容易とするため、後胴4bの嵌入部近傍は短径とされて
おり、この短径部分はシールド掘進機4全体としてみれ
ば環状の段差部42を形成することとなる。図1中の黒
両矢印Gはこの段差部42の長さを示している。
【0019】シールド工法では、シールド掘進機4が掘
り進むに従ってシールド掘進機4の後方からトンネルの
構造物となるセグメント45が露出される。スキンプレ
ート41とセグメント45との間隙のシールのため、ス
キンプレート41の後方にはテールシール44が設けら
れている。スキンプレート41後端からこのテールシー
ル44を経てセグメント45に至る部分にも段差部43
が存在する。図1中の白両矢印Hはこの段差部43の長
さを示している。
【0020】第1エントランスパッキン1aと第2エン
トランスパッキン1bとの間隔は、上記した嵌入部近傍
の段差部42の長さ(図1中の黒両矢印Gで示される)
及びテールシール近傍の段差部43の長さ(図1中白両
矢印Hで示される)よりも大きく設定されている。従っ
て、シールド掘進機4の外周面の段差部42、43が第
1エントランスパッキン1aを通過する場合は、第2エ
ントランスパッキン1bはスキンプレート41のうちこ
の段差部42、43以外の平滑な部分と当接させること
ができる。逆に段差部42、43が第2エントランスパ
ッキン1bを通過する場合は、第1エントランスパッキ
ン1aはスキンプレートのうちこの段差部42、43以
外の平滑な部分と当接させることができる。すなわち、
常に第1及び第2エントランスパッキン1のうち少なく
とも1つをシールド掘進機4の外周面の平滑部と当接さ
せることができ、シールド掘進機4の外周面とパッキン
ケース2とのシールが確保される。また、段差部42、
43が通過中でないエントランスパッキン1によりシー
ルド掘進機4の外周面とエントランスパッキン1とのシ
ールが確保されることから、段差部42、43が通過中
のエントランスパッキン1を後退させることができる。
これにより段差部42、43とエントランスパッキン1
との直接接触を防止することができて段差部42、43
通過時の衝撃によりエントランスパッキン1が破損する
こともない。
【0021】エントランスパッキン1の構成は膨出・後
退が可能なものであれば特に限定されず、従来より公知
のパッキンを用いることができる。このようなパッキン
としては、例えば特開平8−158783号公報や前述
の特開平8−93390号公報に記載されたものがあげ
られる。図2を用いてこのエントランスパッキン1の構
成を説明する。パッキンケース2の内面には円環状の2
つの突条22、22が設けられており、両突起22、2
2の中間には給水孔21が設けられている。給水孔21
は1個のみ設けられる場合もあるが、円周上に複数個並
設される場合もある。両突条22、22に挟まれた部分
にはゴム等の可撓性材料よりなるシール部材11が、そ
の前後両端を取り付け金具14a、14bにより固定さ
れることによりパッキンケース2の内面全周にわたって
取り付けられている。シール部材11のパッキンケース
中心より側には、閉止板12が一端のみを取り付け金具
14bにより固定されることによりパッキンケース2の
内面全周にわたって取り付けられている。この閉止板1
2はゴム等の可撓性材料の中に鋼製の短冊状の補強板1
3を加硫接着により多数枚埋め込んだものである。
【0022】給水孔21より水等の流体が注入されると
シール部材11とパッキンケース2で囲まれた部分が加
圧状態となり、シール部材11が図2中二点鎖線で示さ
れたように膨張する。閉止板12は一端のみが固定され
ているので、シール部材11の膨張に伴い図2中の二点
鎖線で示されたように起立し、固定されていない他端が
膨出する。膨出した他端近傍がシールド掘進機4の外周
面に当接し、シールド掘進機4の外周面とパッキンケー
ス2とのシールがなされる。
【0023】加圧に用いる流体は水に限られず、その他
の液体や気体を用いることができる。また、膨出、後退
の手段は加圧流体に限られない。しかし、図2のように
加圧流体、特に水により膨出、後退の作動を制御すれ
ば、簡便でしかも低コストであるため好ましい。
【0024】次に図3〜図8を用いて本エントランス構
造Cを用いたシールド工法について説明する。
【0025】図3には中折れ部近傍の段差部42が第1
エントランスパッキン1aを通過する直前の状態が示さ
れている。この時点で第1エントランスパッキン1aは
近づいてくる段差部42に対応して後退状態とさせら
れ、第2エントランスパッキン1bは吸水口21からの
水注入により膨出状態とされている。従ってスキンプレ
ート41とパッキンケース2とのシールは第2エントラ
ンスパッキン1bのみでなされており、第2エントラン
スパッキン1bのみで地下水の流出が防止されている。
【0026】図4には中折れ部近傍の段差部42が第1
エントランスパッキン1aを通過中の状態が示されてい
る。この時点では図3に示した状態に引き続いて、第1
エントランスパッキン1aは後退状態を維持されてお
り、第2エントランスパッキン1bは吸水口21から水
が注入されることにより膨出状態とされている。従って
スキンプレート41とパッキンケース2とのシールは第
2エントランスパッキン1bのみでなされており、第2
エントランスパッキン1bのみで地下水の流出が防止さ
れている。第1エントランスパッキン1aは後退状態で
あるため先端が段差部42と接触することがなく、破損
することがない。
【0027】図5には中折れ部近傍の段差部42が第1
エントランスパッキン1aを通過した直後の状態が示さ
れている。この時点で第1エントランスパッキン1aは
吸水口21から水が注入されることにより膨出状態とさ
れる。従ってスキンプレート41とパッキンケース2と
のシールは第1及び第2エントランスパッキン1a、1
bの両方でなされている。
【0028】図6には中折れ部近傍の段差部42が第2
エントランスパッキン1bを通過する直前の状態が示さ
れている。この時点で第2エントランスパッキン1bは
近づいてくる段差部42に対応するため、吸水口21か
ら水が除去されることにより後退させられる。第2エン
トランスパッキン1bでせき止められていた地下水は後
方へ流れ出るが、膨出状態である第1エントランスパッ
キン1aがスキンプレート41とパッキンケース2との
間をシールしているため、第1エントランスパッキン1
aよりも後方の立坑へ地下水が流れ出ることはない。
【0029】図7には中折れ部近傍の段差部42が第2
エントランスパッキン1bを通過中の状態が示されてい
る。この時点では図6に示した状態に引き続いて第1エ
ントランスパッキン1aは膨出状態を、第2エントラン
スパッキン1bは後退状態を維持されている。従ってス
キンプレート41とパッキンケース2のシールは第1エ
ントランスパッキン1aのみでなされている。第2エン
トランスパッキン1bは後退状態であるため先端が段差
部と接触することがなく、破損することがない。
【0030】段差部42が第2エントランスパッキン1
bを通過した後は図7の状態を維持し第1エントランス
パッキン1aのみで地下水の流出を防止してもよいが、
さらに図8に示すように第2エントランスパッキン1b
を膨出させて、2つのエントランスパッキン1a、1b
によってスキンプレート41とパッキンケース2とのシ
ールを行えば、地下水の流出防止がさらに確実となる。
この際、第1エントランスパッキン1aと第2エントラ
ンスパッキン1bとの中間部に地下水除去手段としてド
レイン23を設け、第2エントランスパッキン1bを膨
出させた後又は第2エントランスパッキン1bを膨出さ
せると同時にこのドレインから第1エントランスパッキ
ン1aと第2エントランスパッキン1bとの間に貯まっ
た地下水を除去すれば、地下水が徐々に第1エントラン
スパッキン1aの後方に漏れ出ることがなく好ましい。
特に段差部42が第2エントランスパッキン1bを通過
した後、新たな段差部43(図1参照)が第1エントラ
ンスパッキン1aを通過する場合には第1エントランス
パッキン1aを再度後退させるが、その前に第1エント
ランスパッキン1aと第2エントランスパッキン1bと
の間に貯まった地下水を除去しておけば、一度に多量の
地下水が第1エントランスパッキン1aの後方に流れ出
るのを防ぐことができる。ドレイン23は1個のみ設け
られる場合もあるが、円周上に複数個並設される場合も
ある。
【0031】地下水除去手段としては特に限定されず、
上記のドレイン23をバルブ付きで用いてもよいし、必
要に応じ地下水をポンプで吸引除去してもよい。
【0032】図3〜図8においては、シールド掘進機4
の中折れ部近傍の段差42を例に本シールド工法を説明
したが、この工法はテールシール近傍の段差部43や、
その他必要に応じシールド掘進機4の外周面に設けられ
る段差部においても適用することができる。テールシー
ル近傍の段差部43は、スキンプレート41からテール
シール44を経てセグメント45に至が、本発明で用い
る「シールド掘進機の外周面」とはシールド掘進機4の
後方直近のセグメント45を含む概念であり、「シール
ド掘進機の段差部」とはシールド掘進機4とシールド掘
進機4の後方直近のセグメント45との段差部をも含む
概念である。
【0033】なお、図1〜図8においては立坑Aを起点
として横坑を掘りはじめる場合を例にとり本発明を説明
したが、本発明のトンネルエントランス構造及びシール
ド工法は、横坑から他の立坑に到達する地点や、第1の
横坑からこれと分岐させて第2の横坑を掘りはじめる地
点や、シールド掘進機内部から直角方向又は垂直方向に
分岐させて立坑又は横坑を掘る地点にも適応できる。ま
た、以上の説明で用いた「シールド掘進機」には、軟質
地盤の掘進に用いるもののみならず、岩盤の掘進に適し
たいわゆる硬岩用トンネル掘削機も含まれる。さらに、
シールド掘進機には断面円形のもののほかに断面矩形等
のものもあるが、本発明のトンネルエントランス構造及
びシールド工法は、パッキンケース及びエントランスパ
ッキンの断面形状をシールド掘進機の断面形状に応じた
ものとすることにより、いずれのタイプのシールド掘進
機にも適用できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかるト
ンネルエントランス構造及びこれを用いたシールド工法
では、外周面に段差部のあるシールド掘進機を用いた場
合でも地下水の流出をより確実に防ぐことができ、しか
もエントランスパッキンの損傷を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトンネルエントランス構造の一実施形
態を示す断面図である。
【図2】本発明に用いるエントランスパッキンの一例を
示す断面図である。
【図3】本発明のシールド工法の一段階を示す断面図で
あり、段差部が第1エントランスパッキンを通過する前
の状態を表したものである。
【図4】本発明のシールド工法の一段階を示す断面図で
あり、段差部が第1エントランスパッキンを通過中の状
態を表したものである。
【図5】本発明のシールド工法の一段階を示す断面図で
あり、段差部が第1エントランスパッキンを通過した後
の状態を表したものである。
【図6】本発明のシールド工法の一段階を示す断面図で
あり、段差部が第2エントランスパッキンを通過する前
の状態を表したものである。
【図7】本発明のシールド工法の一段階を示す断面図で
あり、段差部が第2エントランスパッキンを通過中の状
態を表したものである。
【図8】本発明のシールド工法の一段階を示す断面図で
あり、段差部が第2エントランスパッキンを通過した後
の状態を表したものである。
【図9】従来のシールド工法を表した断面図である。
【符号の説明】
1・・・エントランスパッキン 1a・・・第1エントランスパッキン 1b・・・第2エントランスパッキン 11・・・シール部材 12・・・閉止板 13・・・補強板 14a、14b・・・取り付け金具 2・・・パッキンケース 21・・・給水孔 22・・・突条 23・・・ドレイン 3・・・土留め壁 4・・・シールド掘進機 4a・・・前胴 4b・・・後胴第2スキンプレート 41・・・スキンプレート 42、43・・・段差部 44・・・テールシール 45・・・セグメント A・・・立坑 B・・・地山 C・・・トンネルエントランス構造
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大前 仁美 兵庫県神戸市長田区若松町9丁目1番30 号 六菱ゴム株式会社内 (72)発明者 上田 奏一朗 兵庫県神戸市長田区若松町9丁目1番30 号 六菱ゴム株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21D 9/06 301

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パッキンケースと、 上記パッキンケースの内側に設けられ、膨出・後退が可
    能な第1エントランスパッキンと、 上記パッキンケースの内側に設けられ、上記第1エント
    ランスパッキンに対しシールド掘進機の前進方向に位置
    し、膨出・後退が可能な第2エントランスパッキンと、
    より成り、 第1エントランスパッキンと第2エントランスパッキン
    との距離が、パッキンケースを通過するシールド掘進機
    の段差部の前後方向の長さよりも大きく設定されている
    トンネルエントランス構造。
  2. 【請求項2】 上記第1エントランスパッキンと第2エ
    ントランスパッキンとが、各々加圧流体の注入・排出に
    より膨出・後退することを特徴とする請求項1に記載の
    トンネルエントランス構造。
  3. 【請求項3】 上記第1エントランスパッキンと第2エ
    ントランスパッキンの中間部に、両エントランスパッキ
    ン間に貯まった地下水を除去するための手段が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネ
    ルエントランス構造。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3に記載のトンネルエ
    ントランス構造及び外周面に段差部を有するシールド掘
    進機が用いられるシールド工法であって、 上記段差部が第1エントランスパッキンを通過する段階
    では、第1エントランスパッキンは後退状態、第2エン
    トランスパッキンは膨出状態とされており、シールド掘
    進機の外周面とパッキンケースとのシールは第2エント
    ランスパッキンのみでなされており、 上記段差部が第2エントランスパッキンを通過する段階
    では、第1エントランスパッキンは膨出状態、第2エン
    トランスパッキンは後退状態とされており、シールド掘
    進機の外周面とパッキンケースとのシールは第1エント
    ランスパッキンのみでなされている、 ことを特徴とするシールド工法。
  5. 【請求項5】 さらに上記段差部が第2エントランスパ
    ッキンを通過した段階で、第2エントランスパッキンを
    膨出させた後又は第2エントランスパッキンを膨出させ
    ると同時に、第1エントランスパッキンと第2エントラ
    ンスパッキンとの間に貯まった地下水を除去することを
    特徴とする請求項4に記載のシールド工法。
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