JPH07102791A - 建物及び建物の改装方法 - Google Patents

建物及び建物の改装方法

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JPH07102791A
JPH07102791A JP27498193A JP27498193A JPH07102791A JP H07102791 A JPH07102791 A JP H07102791A JP 27498193 A JP27498193 A JP 27498193A JP 27498193 A JP27498193 A JP 27498193A JP H07102791 A JPH07102791 A JP H07102791A
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Yukikazu Takeda
幸和 武田
Hitoshi Kimura
仁 木村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 旧外壁と新外壁との間に通気のための空間を
設けて、省エネを実現できる建物を提供する。 【構成】 建物躯体20の旧外壁の上に、支持材を介し
て通気のための空間を形成するよう新外壁1を設ける。
また、天面8の上に、通気のための空間を形成するよう
新屋根2を設ける。この空間に配管や配線16を収納す
ることもできる。屋上に設けられた主となる設備機器1
9から配管や配線16を通して、室内の設備機器19
a,19b,19cに接続が行なわれる。新外壁1の下
方、例えば、2階の窓3の上部額縁部に通気口を設け、
矢印に示すように空気を取り入れ、旧外壁と新外壁1と
の間の空間から、新屋根2と天面8との空間を通して排
出する。夏期は壁面から取り入れられた熱が室内に入る
ことを防止でき、冬季は通気口を遮断して、空気の流れ
を生じないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、既設の建物において、
展装された旧外壁を新外壁によって改装された建物、な
らびに、その改装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】既設の建物において、外壁を修復した
り、あるいは、別の外壁材を用いるなどして、建物の改
装を行なうことが知られている。このような場合に、従
来の外壁として用いられた旧外壁を、建物躯体から外し
たり、剥したり、あるいは、削り取ったりして、その後
に、新外壁を展装する方法がある。この方法は、旧外壁
の撤去作業に時間がかかり、また、粉塵等を、近隣にま
き散らすことがあり、問題がある工法である。
【0003】この問題点に対処して、旧外壁を除去する
ことなく、その上に新外壁を展装する工法が知られてい
る。この工法は、旧外壁の上から支持部材を固定し、そ
れに新外壁を取り付けるというものである。この工法に
よれば、見かけ上は外壁の厚みが厚くなったことにな
り、窓等においては、新外壁がかなり出張ることになる
という問題があり、支持部材を工夫して、旧外壁と新外
壁との間隔をなるべく少なくすることが望まれている。
新外壁に新しく窓を設け、出窓のような形をとるように
して、室内の利用空間を実質的に広げようとすることが
特開平4−42513号公報に記載されているが、これ
とて、この利用空間に、植木鉢や小物の飾り物を置いた
り、カーテンレールを取り付ける空間に用いるなどを期
待するものであり、旧外壁と新外壁の空間はなるべく小
さくすることを前提とするものである。
【0004】また、上述の工法によって、費用をかけて
外壁を改装したとしても、建物自体の機能には、格別に
寄与するものはなく、外壁の断熱効果の僅かの向上や、
出窓が形成される程度のものであった。
【0005】古い建物では、外壁ばかりでなく、天面に
も漏水という問題が生じる。僅かな亀裂等により建物の
天面より建物内に漏水が生じた場合は、従来の改修工法
では、手当をすることが困難であった。屋上のアスファ
ルト防水をやり直すなどの方法を講じたとしても、漏水
箇所が明確でないために、漏水防止が必ずできるという
保証がなく、実際的には、漏水を防止することは不可能
に近いというのが現状である。
【0006】また、インテリジェントビルなどの呼び名
が用いられるようになり、最近の建物においては、電気
設備、給排水衛生設備、通信設備、ガス設備等、様々な
設備機器が多様に用いられるようになっている。古い建
物においては、これら設備機器を設置ないしは増設しよ
うとする場合に、その配管や配線のためのダクト等のス
ペースの確保ができず、インテリジェント化に対応でき
ない建物もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、旧外壁と新外壁との間に通
気のための空間を設けるとともに、天面にも新屋根を設
けて、通気のための空間を確保することによって、省エ
ネを図ることができるとともに、インテリジェント化に
も対応できる建物を実現することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1に記
載の発明においては、旧外壁に支持部材を介して新外壁
を連接展張し、天面に取付部材を介して新屋根を設けた
建物であって、前記支持部材及び前記取付部材は、旧外
壁と新外壁との間及び天面と新屋根との間に通気可能な
空間を確保できるものであることを特徴とするものであ
る。
【0009】請求項2に記載の発明においては、請求項
1に記載の建物において、少なくとも上方および下方の
新外壁に通気機構を付与したことを特徴とするものであ
り、請求項3に記載の発明においては、請求項2に記載
の建物において、通気機構が遮蔽可能であることを特徴
とするものである。
【0010】請求項4に記載の発明においては、請求項
1乃至3のいずれか1項に記載の建物において、前記空
間の一部に旧建物内の設備機器に接続される配管及び/
又は配線を収納することを特徴とするものである。
【0011】請求項5に記載の発明においては、旧外壁
に支持部材を介して新外壁を取り付け、天面に取付部材
を介して新屋根を取り付ける建物の改装方法において、
旧外壁と新外壁との間及び天面と新屋根との間に通気可
能な空間を確保できるように支持部材及び取付部材を取
り付けることを特徴とするものである。
【0012】
【作用】本発明によれば、旧外壁と新外壁との間、およ
び、天面と新屋根との間に通気のための空間を確保して
通気機構を設けたことによって、放熱を促進させること
ができ、冷房期間において、壁面からの室内の温度上昇
を防止できる。また、通気機構を遮蔽可能にすることに
よって、冬季等において、壁面で受けた太陽光からの輻
射熱を有効に室内に伝達することが可能となる。この空
間に旧建物のインテリジェント化に必要な設備機器に接
続される配管及び/又は配線等を収納することによっ
て、旧建物に設置することが困難であった設備機器を設
けることが可能となり、しかも、配管や配線を収納する
空間が、旧建物の室内利用空間に大きな影響を与えるこ
となしに、インテリジェントビルが実現できる。
【0013】
【実施例】図1乃至図4は、本発明の建物の一実施例を
説明するためのものであり、図1は、建物の一部の概略
を示す正面図、図2は、下地材の取り付け構造の一実施
例の説明図、図3は配管の配置図、図4は建物の側断面
図である。図中、1は新外壁、2は新屋根、3は窓、4
は旧外壁、5は立ち上がり部、6は横下地材、7は縦下
地材、8は天面、9は取付部材、10はアンカーボル
ト、11は下地固定ブラケット、12は支持材、13は
パネル固定ブラケット、14,15はルーバー、16は
配管、17はフロアライン、18は旧笠木、19,19
a,19b,19cは設備機器、20は建物躯体、21
は床面である。
【0014】図1に示すように、この建物は4階建ての
ビルである。図の左側は新外壁1と新屋根2を取り付け
た状態であり、右側は新外壁1を外した状態を示してい
る。窓3は、旧外壁に設けられたものであり、旧建物に
おける窓部材をそのまま用いたり、旧建物の窓部材を撤
去し、新しい窓部材を取り付けるなどによって、窓3が
旧建物の躯体に取り付けられている。しかし、窓部材に
関しては、これに限られるものではなく、さらに、新外
壁側にも窓部材を取り付けて、二重窓としてもよく、あ
るいは、旧窓部材を撤去して新外壁側にのみ新しい窓を
設けるようにしてもよい。新外壁1の取付は、旧外壁4
の上に図示しない下地固定ブラケットを固定し、それに
横下地材6を取り付け、支持材により、縦下地材7を取
り付け、縦下地材7に新外壁1を取り付ける。この実施
例では、横下地材6は横方向に通して設けたが、一部を
切除してもよい。また、横方向の窓間には、縦下地材7
が縦方向に通して配設されている。
【0015】図2により下地材の取り付け構造の一実施
例を説明する。図2(A)は上面図、図2(B)は側面
図である。なお、旧外壁4は、図を見やすくするため
に、表面近くの一部にのみハッチングを施した。旧外壁
4から躯体にアンカーボルト10を打ち込み、下地固定
ブラケット11を固定する。横下地材6を溶接やボルト
止め等によって下地固定ブラケット11に固定し、下地
固定ブラケット11に同様に溶接やボルト止め等によっ
て支持材12を固定する。ついで、支持材12に縦下地
材7を溶接やボルト止め等によって固定し、下地材が旧
外壁4に取り付けられる。この縦下地材7に、パネル固
定ブラケット13を介して新外壁1が取り付けられる。
【0016】新屋根2は、取付部材9により取り付けら
れる。取付部材9は、天面8と間隔を開けて支持されて
いる。建物の屋上に立ち上がり部5が設けられている場
合には、立ち上がり部を利用して取付部材9が取り付け
られてもよい。立ち上がり部がない建物においては、適
当な支持材を天面8に固定して、取付部材9を支持す
る。いずれにしても、新屋根2と天面8との間には、空
間が確保される。新屋根2の材料は、適宜の材料を用い
ることができる。この実施例では、鋼板を台形状に折り
曲げた折版を用いた。
【0017】図3は、通気経路の一例を示す。新外壁1
と旧外壁4との空間、ならびに、新屋根2と天面8との
空間は、通気が可能となるように支持材12の長さと取
付部材9の支持構造を選定する。また、新外壁の下方に
通気口を設け、上方にも通気口を設ける。通気口につい
ては後述するが、遮蔽可能の通気口が好ましい。下方の
通気口は、Aの領域では、1階の新外壁の地表近くの部
分に固定式または可動式のルーバー14を通気口として
設けたもの、Bの領域では、1階に設けられた窓3の窓
枠の上部額縁部に通気口を設けたもの、Cの領域では、
2階に設けられた窓3の窓枠の上部額縁部に通気口を設
けたものを図示した。上方の通気口は、後述するよう
に、新外壁の上方に設ける。新屋根に突き出して排気塔
を構成してもよい。
【0018】ルーバー15は、新外壁の上方に排気のた
めに設けられたものであるが、ルーバー14とは異なる
壁面、例えば、ルーバー14が設けられた壁面とは反対
側の壁面に設けるとよい。ルーバー14から取り入れら
れた空気は、新外壁1と旧外壁4との空間を上昇し、新
屋根2と天面8との空間を通って、ルーバー15から排
出されて、通気ができる。天面に立ち上がり部が設けら
れている場合には、立ち上がり部と新屋根との間に隙間
を設けたり、立ち上がり部の一部に通気のための開口を
形成する。
【0019】建物と日射の関係は、夏においては、気温
が高く、日射が強い。太陽光が照射された壁面は、温度
上昇が大きいから、壁面から取り入れられた熱が室内に
入り、冷房効果が減殺される。そこで、新外壁1と旧外
壁4との空間、および、新屋根2と天面8との空間の通
気を行なって、壁面から取り入れられた熱が室内に入る
ことを防止するようにすれば、省エネの面から有利であ
る。建物の近くの地面が、灌木や草等によって、温度上
昇が少なく、気温よりも低いような環境であれば、Aの
領域に示したような通気口の採用がよい。建物の近くの
地面が、舗装されたものであって、そこからの輻射熱が
大きいような環境では、地面から離れた高さの所の方が
気温が低い。そのような環境では、その状況によって、
Bの領域に示した1階の部分や、Cの領域に示した2階
の部分から、空気を取り入れるのがよい、取り入れられ
た空気は、それぞれ矢印で示すように、上方へ流れて抜
ける。この空気の流れによって、外壁面で吸収された熱
は、上方へ排出でき、室内の温度上昇を低くでき、大幅
な省エネを実現できる。
【0020】冬においては、通気口を遮断して、空気の
流れを生じないようにする。太陽光を新外壁面で吸収し
て暖められた空気を逃がすことなく、外壁冷房を抑える
とともに、空気層を断熱空間として利用できるから、大
幅な省エネが実現できる。遮音特性も向上する。
【0021】春または秋における冷暖房機が用いられな
い期間において、気温の変化が大きい場合は、冷暖房が
欲しいときがある。各室等に個別の冷暖房機が備えられ
ていれば、適当に運転制御を行なうことができる。しか
し、個別の冷暖房機があっても、冷暖房期間を除いて
は、冷暖房機の配線に電力が供給されない場合もある。
また、このようなときは、冷暖房機を用いるとしても、
強力な冷暖房を行なう必要がないことが多い。この時期
には、冷暖房機を用いることなく、通気口を制御して、
通気を行なうことによって室内の熱を発散させたり、ま
たは、遮断を行なうことによって室内を保温したりすれ
ば、冷房と暖房の中間期間において、省エネを行なうこ
とができる。
【0022】この空間に、配管や配線を収納することも
できる。図3に示すように、配管や配線は、窓3の左右
と上下の間に配置される。図3では、空調のための配管
16を示したが、これに限られるものではない。ガス管
や、上下水道管、配電線や通信線の配管、あるいは、配
電線や通信線自体であってもよい。通信線も、電話線、
同軸ケーブル、光配線、制御線など、ビル内の各室間や
外部との接続線を配置することができる。
【0023】配管や配線は、必要な室に配置された設備
機器に接続される。図3では、配管の引き込みについ
て、天井側や床側に引き込む場合を模式的に図示した。
点線で示した部分は、その上部に図示した配管と接続さ
れておらず、異なる配管が行なわれていることを示し
た。したがって、配管や配線は、単独で設備機器に接続
されてもよく、あるいは、幹線から分岐して接続されて
もよいものである。これらの配管や配線は、各室の設備
機器を端末機器として、制御室や機械室等に配置された
主となる設備機器に接続されるのが普通である。このよ
うな主となる設備機器は、適宜のフロアに設けられても
よく、あるいは、屋上に設置されてもよい。
【0024】図4に空調のための設備機器の配置と配管
の一例を図示する。図4(A)は窓を通る断面であり、
図4(B)は窓間の断面である。上述した空気流は、図
4(A)に示すように、例えば、2階に設けられた窓3
の窓枠の上部額縁部から矢印で示すように取り入れら
れ、新屋根2と天面8との空間を通って排出される。換
気ファン等を適宜の箇所に取り付けて強制通気を行なう
ようにしてもよい。風車を利用して通気を行なったり、
太陽電池を電源として、換気ファンを駆動するようにし
てもよい。
【0025】配管は、天井近くの壁に配置された設備機
器19a、天井に配置された設備機器19b、床面に配
置された設備機器19cに対して、主となる設備機器1
9から空気が送られるように行なわれている。図示しな
いが、制御線も主となる設備機器19から、各端末の設
備機器19a,19b,19cに配線されている。配管
16は、図4(B)に示すように、建物躯体の20にお
ける旧外壁と新外壁1との空間を有効空間として、そこ
に収納されている。主となる設備機器19は、屋上に配
置した場合を図示したから、配管や配線は、新屋根2と
天面8との空間に導かれて設備機器19に接続される。
新外壁1と旧外壁との空間から、新屋根2と天面8との
空間への導入は、旧笠木18の上方に空間を設けたり、
旧笠木の下方に開口を形成するなど、適宜の方法が採用
できる。このようにして、建物内に配管や配線のための
空間を設けることなく、新たな設備機器を設置すること
ができる。
【0026】図5は、配管、配線の支持態様の実施例の
説明図である。図中、図1乃至図4と同様な部分には同
じ符号を付して説明を省略する。22は枠部材、23は
開閉パネル、24は蝶番、25は保温配管、26は配線
である。この図は、縦方向の配管、配線を上から見た図
であるが、新外壁を構成するパネルの一部を開閉自在な
開閉パネルとして、配管、配線の点検作業を容易とした
ものである。すなわち、縦下地材7に枠部材22を固定
し、枠部材22に取り付けた蝶番24によって、開閉パ
ネル23を図の矢印の方向に開閉できるようにしたもの
である。勿論、本発明においては、配管や配線を収納し
た部分の外壁が必ずしも開閉できる必要はないものであ
る。図では、配管として保温配管25を図示した。保温
配管である必要はないが、配管は支持材12に止めバン
ドを用いて支持されている。支持材12として、溝付き
鋼を用いて、開口部を配管側にすると、支持が容易であ
る。配線26は、横下地材6に止め金具を用いて支持さ
れる。配管を同様にして支持してもよい。配管や配線を
新外壁1と旧外壁4との空間に収納し、支持手段によっ
て支持したことにより、位置ズレ等の事故を防止でき
る。旧外壁と新外壁との間の空間に配管や配線を収納し
ても、通気のための空間を確保することができるが、通
気のみを問題とする建物を実現する場合には、配管や配
線を収納しないようにしてもよい。
【0027】図6は、配管、配線の支持態様の他の実施
例の説明図である。図中、図1乃至図5と同様な部分に
は同じ符号を付して説明を省略する。27はコンクリー
ト釘である。この実施例においては、縦方向の収納空間
において、横下地材6が設けられていない。収納空間を
広くできる。また、配線26の支持バンドをコンクリー
ト釘27で旧外壁4に固定した。すなわち、旧外壁を配
管や配線の支持部材の一部に利用するものである。
【0028】図7は、新外壁の下方に設けられる通気口
の一実施例の断面図である。図中、図1乃至図4と同様
な部分には同じ符号を付して説明を省略する。28はル
ーバーである。この図は、窓の上部額縁部に通気口を設
けたものである。通気口にはルーバー28を配置した。
必要に応じて開閉できる。上述したように、夏は通気口
を開け、冬は通気口を遮断する。ルーバー28を電動式
として管理室等から開閉させてもよい。センサを利用し
て、外気温や日射により開閉を自動制御してもよい。形
状記憶合金を、ルーバー28の駆動機構の一部に用いた
り、ルーバー28の羽根の一部に用いたりして、温度に
応じた開閉を行なわせてもよい。
【0029】図8は、新外壁の下方に設けられる通気口
の他の実施例の断面図である。図中、図1乃至図4と同
様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。29は
開き戸、30は蝶番である。この実施例では、通気口に
開き戸29を設け、蝶番30で開閉できるようにした。
図7で説明したように、電動式等、適宜の開閉機構を採
用できる。このように、窓枠の上部額縁部に通気口を設
けると、雨仕舞いの点からは有利であるが、新外壁1の
外面側に通気口を設けてもよいことは勿論である。
【0030】図9は、新外壁の上方に設けられる通気口
の実施例の概略構成図である。この実施例では、ルーバ
ーを用いた。図中、図1乃至図4と同様な部分には同じ
符号を付して説明を省略する。31は支持材、32はル
ーバーである。旧笠木18の上に支持材31を取り付
け、支持材31により取付部材9を支持して、新屋根2
を取り付ける。支持材31によって通気のための空間が
形成され、また、この空間を利用して配管16を、新屋
根2と天面8との空間に導出することができる。なお、
この実施例では、配管について説明したが、配線の場合
も同様である。ルーバーの開閉は、図7で説明したよう
に、手動操作、自動操作のいずれの方法も採用できる。
【0031】通気口は、ルーバーに限られるものではな
く、適宜の構造のものを採用することができる。開き戸
を用いてもよい。開き戸の操作は、手動、自動のいずれ
でもよい。回動式でなく、引き戸やスライド式の戸とし
てもよい。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明かなように、本発明に
よれば、新外壁と旧外壁との空間、ならびに、新屋根と
天面との空間に通気のための空間を設けることによっ
て、省エネに大きな効果がある。また、この空間を利用
して、配管及び/又は配線を収納することによってイン
テリジェント化が実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の建物の一部の概略を示す正
面図である。
【図2】本発明の建物における下地材の取り付け構造の
一実施例の説明図である。
【図3】本発明の一実施例の建物における通気状態の説
明図である。
【図4】本発明の一実施例の建物の側断面図である。
【図5】配管、配線の支持態様の実施例の説明図であ
る。
【図6】配管、配線の支持態様の他の実施例の説明図で
ある。
【図7】新外壁の下方に設けられる通気口の一実施例の
断面図である。
【図8】新外壁の下方に設けられる通気口の他の実施例
の断面図である。
【図9】新外壁の上方に設けられる通気口の実施例の概
略構成図である。
【符号の説明】
1 新外壁 2 新屋根 3 窓 4 旧外壁 5 立ち上がり部 6 横下地材 7 縦下地材 8 天面 9 取付部材 10 アンカーボルト 11 下地固定ブラケット 12 支持材 13 パネル固定ブラケット 14,15 ルーバー 16 配管 17 フロアライン 18 旧笠木 19,19a,19b,19c 設備機器 20 建物躯体 21 床面 22 枠部材 23 開閉パネル 24 蝶番 25 保温配管 26 配線 27 コンクリート 28 ルーバー 29 開き戸 30 蝶番 31 支持材 32 ルーバー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 旧外壁に支持部材を介して新外壁を連接
    展張し、天面に取付部材を介して新屋根を設けた建物で
    あって、前記支持部材及び前記取付部材は、旧外壁と新
    外壁との間及び天面と新屋根との間に通気可能な空間を
    確保できるものであることを特徴とする建物。
  2. 【請求項2】 少なくとも上方および下方の新外壁に通
    気機構を付与したことを特徴とする請求項1に記載の建
    物。
  3. 【請求項3】 通気機構が遮蔽可能であることを特徴と
    する請求項2に記載の建物。
  4. 【請求項4】 前記空間の一部に旧建物内の設備機器に
    接続される配管及び/又は配線を収納することを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建物。
  5. 【請求項5】 旧外壁に支持部材を介して新外壁を取り
    付け、天面に取付部材を介して新屋根を取り付ける建物
    の改装方法において、旧外壁と新外壁との間及び天面と
    新屋根との間に通気可能な空間を確保できるように支持
    部材及び取付部材を取り付けることを特徴とする建物の
    改装方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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