JP2888403B2 - 建物及び建物の改装方法 - Google Patents

建物及び建物の改装方法

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JP2888403B2 JP16629393A JP16629393A JP2888403B2 JP 2888403 B2 JP2888403 B2 JP 2888403B2 JP 16629393 A JP16629393 A JP 16629393A JP 16629393 A JP16629393 A JP 16629393A JP 2888403 B2 JP2888403 B2 JP 2888403B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、既設の建物において、
展装された旧外壁を新外壁によって改装された建物、な
らびに、その改装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建物が古くなると、外壁がタイル壁であ
る場合には、タイルが剥がれて落下することがあり、コ
ンクリート壁である場合には、表面が剥がれて落下する
ことがある。このような建物の外壁からの落下物は、危
険である。
【0003】このため、既設の建物において、外壁を修
復したり、あるいは、別の外壁材を用いるなどして、建
物の改装を行なうことが知られている。このような場合
に、従来の外壁として用いられた旧外壁を、建物躯体か
ら外したり、剥したり、あるいは、削り取ったりして、
その後に、新外壁を展装する方法がある。この方法は、
旧外壁の撤去作業に時間がかかり、また、粉塵等を、近
隣にまき散らすことがあり、問題がある工法である。
【0004】この問題点に対処して、旧外壁を除去する
ことなく、その上に新外壁を展装する工法が知られてい
る。この工法は、旧外壁の上から支持材を固定し、それ
に新外壁を取り付けるというものである。この工法によ
れば、見かけ上は外壁の厚みが厚くなったことになり、
窓等においては、新外壁がかなり出張ることになるとい
う問題があり、支持材を工夫して、旧外壁と新外壁との
間隔をなるべく少なくすることが望まれている。新外壁
に新しく窓を設け、出窓のような形をとるようにして、
室内の利用空間を実質的に広げようとすることが特公平
4−42513号公報に記載されているが、これとて、
この利用空間に、植木鉢や小物の飾り物を置いたり、カ
ーテンレールを取り付ける空間に用いるなどを期待する
ものであり、旧外壁と新外壁の空間はなるべく小さくす
ることを前提とするものである。
【0005】また、上述の工法によって、費用をかけて
外壁を改装したとしても、建物自体の機能には、格別に
寄与するものはなく、外壁の断熱効果の僅かの向上や、
出窓が形成される程度のものであった。
【0006】また、インテリジェントビルなどの呼び名
が用いられるようになり、最近の建物においては、電気
設備、給排水衛生設備、通信設備、ガス設備等、様々な
設備機器が多様に用いられるようになっている。古い建
物においては、これら設備機器を設置ないしは増設しよ
うとする場合に、その配管や配線のためのダクト等のス
ペースの確保ができず、インテリジェント化に対応でき
ない建物もある。
【0007】さらに、旧外壁の外側に新外壁を取り付け
たとしても、旧外壁からの落下物は、旧外壁と新外壁と
の間に落下し、旧外壁と新外壁との間の収納有効空間に
設置した設備機器に損傷を与えるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、旧外壁に支持材を介して、
かつ、設備機器を設置し得るように所要の収納有効空間
を確保して新外壁を取り付けた建物において、旧外壁か
らの落下物による収納有効空間に設置した設備機器の損
傷を防止できる建物を実現することを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、旧外壁の外側に支持材が固定され、かつ、該支持材
により設備機器を設置し得るように所要の収納有効空間
を確保して新外壁を取り付けた建物において、前記旧外
壁からの落下物から前記設備機器を防護するように前記
支持材が固定された後に前記旧外壁に沿って被覆部材が
取り付けられていることを特徴とするものである。
【0010】請求項2に記載の発明は、旧外壁の外側に
支持材を介して、かつ、設備機器を設置し得るように所
要の収納有効空間を確保して新外壁を取り付ける建物の
改装方法において、前記支持材を前記旧外壁に固定した
後、前記旧外壁からの落下物から前記設備機器を防護す
るように前記旧外壁に沿って被覆部材を配設することを
特徴とするものである。
【0011】
【0012】
【作用】本発明によれば、旧外壁に沿って被覆部材を取
り付けたことにより、旧外壁からの落下物により、収納
有効空間に設置した設備機器に落下物が損傷を与えるこ
とがない。
【0013】
【実施例】図1は、本発明の建物の一実施例を説明する
ための建物の一部の概略を示す正面図、図2は、下地材
の取り付け構造の参考例の説明図、図3は、図1の建物
における通気状態の説明図、図4は建物の側断面図であ
る。図中、1は新外壁、2は旧外壁、3は窓、4は横下
地材、5は縦下地材、6はアンカーボルト、7は下地固
定ブラケット、8は連結部材、9はパネル固定ブラケッ
ト、10はネット、11は配管、12はフロアライン、
13,13a,13b,13cは設備機器、14は建物
躯体、15は床面、16は旧笠木、17は新笠木であ
る。
【0014】図1に示すように、この建物は4階建ての
ビルである。図の左側は新外壁1を取り付けた状態であ
り、右側は新外壁1を外した状態を示している。窓3
は、旧外壁に設けられたものであり、旧建物における窓
部材をそのまま用いたり、旧建物の窓部材を撤去し、新
しい窓部材を取り付けるなどによって、窓部材は、旧建
物の躯体に取り付けられている。しかし、窓部材に関し
ては、これに限られるものではなく、さらに、新外壁側
にも窓部材を取り付けて、二重窓としてもよく、あるい
は、旧窓部材を撤去して新外壁側にのみ新しい窓を設け
るようにしてもよい。新外壁側または旧外壁側にブライ
ンドシャッターを取り付けてもよい。新外壁の取付は、
旧外壁2の上に図示しない下地固定ブラケットを固定
し、下地固定ブラケットに横下地材4を固定し、図示し
ない連結部材を介して縦下地材5を取り付け、縦下地材
5に新外壁1を取り付ける。この実施例では、横下地材
4は横方向に通して設けたが、一部を切除してもよい。
また、横方向の窓間には、縦下地材5が縦方向に通して
配設されている。
【0015】図2により下地材の取り付け構造の参考例
を説明する。図2(A)は上面図、図2(B)は側面図
である。なお、旧外壁2は、図を見やすくするために、
表面近くの一部にのみハッチングを施した。旧外壁2の
表面にネット10を張り、その上から躯体にアンカーボ
ルト6を打ち込み、下地固定ブラケット7を固定する。
横下地材4を溶接やボルト止め等によって下地固定ブラ
ケット7に固定し、横下地材4に連結部材8を固定し、
連結部材8を介して縦下地材5を取り付け、縦下地材5
にパネル固定ブラケット9を用いて新外壁1を取り付け
る。なお、横下地材4は横方向に通して設けたが、一部
を切除してもよい。また、横方向の窓間には、縦下地材
5が縦方向に通して配設されている。
【0016】これら、下地固定ブラケット7、横下地材
4、連結部材8、縦下地材5により支持材が構成されて
いるが、支持材の構成は適宜でよい。勿論、下地固定ブ
ラケット7に縦下地材5を固定し、連結部材を介して横
下地材4を取り付けるようにしてもよい。
【0017】この参考例では、旧外壁2の表面を覆うた
めに、ネット10を用いた。ネット10は、下地固定ブ
ラケット7を固定する前に、旧外壁2の表面に仮止め
し、下地固定ブラケット7を固定することによって、ネ
ット10を固定した。勿論、アンカーボルト等を、下地
固定ブラケット7の固定とは別に用いて、ネット10を
固定してもよい。ネット10を設けることによって、落
下物があっても、落下物はネット10に遮られて、新外
壁1に衝突することはない。旧外壁2と新外壁1との間
隔が小さい場合で、落下物がネット10を通して新外壁
1にぶつかるような状況であったとしても、落下物は、
ネット10によって受けられ、それに接触する抵抗によ
って、急速に落下することはないから、新外壁1に損傷
を与えることはなく、また、落下物によって、旧外壁2
からの落下物を誘発することもない。また、旧外壁2と
新外壁1との間を有効収納空間として用い、その空間に
設置した通気口や、設備機器等を、落下物から保護する
ことができる。なお、後述するように、本発明では、下
地固定ブラケット7を固定した後、ネット10を取り付
けるようにした点において、参考例と相違する。したが
って、下地固定ブラケット7、横下地材4、連結部材
8、縦下地材5、パネル固定ブラケット9、新外壁1の
構造に関しては、本発明の実施例に該当するものであ
る。
【0018】ネット10は、金属製のものや合成樹脂製
のものなど、耐久性のある材料がよい。また、ネットに
限られるものではなく、孔の開いた板状体、例えば、パ
ンチングメタルや、網状のエキスパンドメタルなど、適
宜の材料を用いることができる。シート状のものでもよ
い。
【0019】新外壁1と旧外壁2との間の距離は、新外
壁1と旧外壁2との空間に設備機器を収納できる有効収
納空間が確保できる距離となるように、連結部材9の長
さを選定して、新外壁1と旧外壁2との間の距離を大き
くした。この実施例では、新外壁1と旧外壁2との空間
が通気が可能となるようにもした。そして、新外壁の下
方に通気口を設け、上方にも通気口を設ける。通気口に
ついては後述するが、遮蔽可能の通気口が好ましい。図
3に示すように、下方の通気口は、Aの領域では、1階
の新外壁の地表近くの部分に固定式または可動式のルー
バーを通気口として設けたもの、Bの領域では、1階に
設けられた窓3の窓枠の上部額縁部に通気口を設けたも
の、Cの領域では、2階に設けられた窓3の窓枠の上部
額縁部に通気口を設けたものを図示した。上方の通気口
は、後述するように、旧笠木と新笠木との間に空間を設
けて、そこを通気口とすることができる。
【0020】建物と日射の関係は、夏においては、気温
が高く、日射が強い。太陽光が照射された壁面は、温度
上昇が大きいから、壁面から取り入れられた熱が室内に
入り、冷房効果が減殺される。そこで、旧外壁と新外壁
との空間の通気を行なって、壁面から取り入れられた熱
が室内に入ることを防止するようにすれば、省エネの面
から有利である。建物の近くの地面が、灌木や草等によ
って、温度上昇が少なく、気温よりも低いような環境で
あれば、Aの領域に示したような通気口の採用がよい。
建物の近くの地面が、舗装されたものであって、そこか
らの輻射熱が大きいような環境では、地面から離れた高
さの所の方が気温が低い。そのような環境では、その状
況によって、Bの領域に示した1階の部分や、Cの領域
に示した2階の部分から、空気を取り入れるのがよい、
取り入れられた空気は、それぞれ矢印で示すように、上
方へ流れて抜ける。この空気の流れによって、外壁面で
吸収された熱は、上方へ排出でき、室内の温度上昇を低
くでき、大幅な省エネを実現できる。
【0021】冬においては、通気口を遮断して、空気の
流れを生じないようにする。太陽光を新外壁面で吸収し
て暖められた空気を逃がすことなく、外壁冷房を抑える
とともに、空気層を断熱空間として利用できるから、大
幅な省エネが実現できる。遮音特性も向上する。
【0022】春または秋における冷暖房機が用いられな
い期間において、気温の変化が大きい場合は、冷暖房が
欲しいときがある。各室等に個別の冷暖房機が備えられ
ていれば、適当に運転制御を行なうことができる。しか
し、個別の冷暖房機があっても、冷暖房期間を除いて
は、冷暖房機の配線に電力が供給されない場合もある。
また、このようなときは、冷暖房機を用いるとしても、
強力な冷暖房を行なう必要がないことが多い。この時期
には、冷暖房機を用いることなく、通気口を制御して、
通気を行なうことによって室内の熱を発散させたり、ま
たは、遮断を行なうことによって室内を保温したりすれ
ば、冷房と暖房の中間期間において、省エネを行なうこ
とができる。
【0023】この空間に、配管や配線を収納することも
できる。図3に示すように、配管や配線は、窓3の左右
と上下の間に配置される。図3では、空調のための配管
11を示したが、これに限られるものではない。ガス管
や、上下水道管、配電線や通信線の配管、あるいは、配
電線や通信線自体であってもよい。通信線も、電話線、
同軸ケーブル、光配線、制御線など、ビル内の各室間や
外部との接続線を配置することができる。
【0024】配管や配線は、必要な室に配置された設備
機器に接続される。図3では、配管の引き込みについ
て、天井側や床側に引き込む場合を模式的に図示した。
点線で示した部分は、その上部に図示した配管と接続さ
れておらず、異なる配管が行なわれていることを示し
た。したがって、配管や配線は、単独で設備機器に接続
されてもよく、あるいは、幹線から分岐して接続されて
もよいものである。これらの配管や配線は、各室の設備
機器を端末機器として、制御室や機械室等に配置された
主となる設備機器に接続されるのが普通である。このよ
うな主となる設備機器は、適宜のフロアに設けられても
よく、あるいは、屋上に設置されてもよい。
【0025】図4に空調のための設備機器の配置と配管
の一例を図示する。図4(A)は窓を通る断面であり、
図4(B)は窓間の断面である。上述した空気流は、図
4(A)に示すように、例えば、2階に設けられた窓3
の窓枠の上部額縁部から矢印で示すように取り入れら
れ、旧笠木16と新笠木17との間の空間から排出され
る。換気ファン等を適宜の箇所に取り付けて強制通気を
行なうようにしてもよい。
【0026】配管は、天井近くの壁に配置された設備機
器13a、天井に配置された設備機器13b、床面に配
置された設備機器13cに対して、主となる設備機器1
3から空気が送られるように行なわれている。図示しな
いが、制御線も主となる設備機器13から、各端末の設
備機器13a,13b,13cに配線されている。配管
11は、図4(B)に示すように、建物躯体の14にお
ける旧外壁と新外壁1との空間を有効空間として、そこ
に収納されている。主となる設備機器13は、屋上に配
置した場合を図示したから、配管や配線は、旧笠木16
の上方に空間を開けて設けられた新笠木17との間か
ら、主となる設備機器13に接続されている。このよう
に、建物内に配管や配線のための空間を設けることな
く、新たな設備機器を設置することができる。
【0027】また、この空間に設備機器、例えば、空調
機器の屋外機や、配線系統の分電盤、あるいは、通信線
の接続箱、光通信線の接続箱等、設備機器を配置するこ
ともできる。
【0028】図5は、配管、配線空間の実施例の説明図
である。図中、図1乃至図4と同様な部分には同じ符号
を付して説明を省略する。18は枠部材、19は開閉パ
ネル、20は蝶番、21は保温配管、22は配線であ
る。この図は、縦方向の配管、配線を上から見た図であ
るが、新外壁を構成するパネルの一部を開閉自在な開閉
パネルとして、配管、配線の点検作業を容易としたもの
である。すなわち、縦下地材5に枠部材18を固定し、
枠部材18に取り付けた蝶番20によって、開閉パネル
19を図の矢印の方向に開閉できるようにしたものであ
る。勿論、本発明においては、配管や配線を収納した部
分の外壁が必ずしも開閉できる必要はないものである。
図では、配管として保温配管21を図示した。保温配管
である必要はないが、配管は連結部材8に止めバンドを
用いて支持されている。連結部材8として、リップ付き
溝型鋼を用いて、開口部を配管側にすると、支持が容易
である。配線22は、横下地材4に止め金具を用いて支
持される。配管を同様にして支持してもよい。配管や配
線を旧外壁2と新外壁1との空間に収納し、支持手段に
よって支持したことにより、位置ズレ等の事故を防止で
きる。
【0029】ネット10は、横下地材4によって支持し
た、下地固定ブラケット7をアンカーボルト6で旧外壁
2に固定した後、下地固定ブラケット7の部分におい
て、ネット10を下地固定ブラケット7がくぐる程度に
切り裂いて、旧外壁2を覆った後、横下地材4を下地固
定ブラケット7に固定した。ついで、適宜の場所におい
て、バンドやワイヤー等により、ネット10を横下地材
4に固定した。ネット10にワイヤーを取り付けておい
て、ワイヤーを横下地材4に固定するようにしてもよ
い。アンカーボルトやコンクリート釘等によりネット1
0を旧外壁に固定してもよく、さらに、横下地材4で押
さえるようにしてもよい。
【0030】下地固定ブラケット7の取り付け位置を垂
直方向に通しておいて、ネット10を両側から合わせる
ようにしてもよい。ネット10に切り裂き等を行なう必
要がなくなる。
【0031】図6は、配管、配線空間の他の実施例の説
明図である。図中、図1乃至図5と同様な部分には同じ
符号を付して説明を省略する。23はコンクリート釘で
ある。この実施例においては、縦方向の収納空間におい
て、横下地材4が設けられていない。収納空間を広くで
きる。また、配線22の支持バンドをコンクリート釘2
3で旧外壁2に固定した。すなわち、旧外壁を配管や配
線の支持部材の一部に利用するものである。ネット10
も図5と同様に配置されている。
【0032】図7は、新外壁の下方に設けられる通気口
の一実施例の断面図である。図中、図1乃至図4と同様
な部分には同じ符号を付して説明を省略する。24はル
ーバーである。この図は、窓の上部額縁部に通気口を設
けたものである。通気口にはルーバー24を配置した。
必要に応じて開閉できる。上述したように、夏は通気口
を開け、冬は通気口を遮断する。ルーバー24を電動式
として管理室等から開閉させてもよい。センサを利用し
て、外気温や日射により開閉を自動制御してもよい。形
状記憶合金を、ルーバー24の駆動機構の一部に用いた
り、ルーバー24の羽根の一部に用いたりして、温度に
応じた開閉を行なわせてもよい。下地固定ブラケット7
を固定した後、旧外壁2の表面にネット10が張られて
いるので、旧外壁2からの落下物がルーバーに24に衝
突したり、その間隙から外部に落下したりすることがな
い。
【0033】図8は、新外壁の下方に設けられる通気口
の他の実施例の断面図である。図中、図1乃至図4と同
様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。25は
開き戸、26は蝶番である。この実施例では、通気口に
開き戸25を設け、蝶番26で開閉できるようにした。
図7で説明したように、電動式等、適宜の開閉機構を採
用できる。下地固定ブラケット7を固定した後、旧外壁
2の表面にネット10を張ることにより、落下物が開き
戸に当たったり、開けた開き戸から落下する事故を防止
できる。このように、窓枠の上部額縁部に通気口を設け
ると、雨仕舞いの点からは有利であるが、新外壁1の外
面側に通気口を設けてもよいことは勿論である。
【0034】図9乃至図13は、新外壁の上方に設けら
れる通気口の種々の実施例の概略構成図である。
【0035】図9は、ルーバーを用いた実施例である。
図中、図1乃至図4と同様な部分には同じ符号を付して
説明を省略する。27は支持部材、28はルーバーであ
る。旧笠木16の上に支持部材27を取り付け、新笠木
17を取り付ける。支持部材27によって通気のための
空間が設けられる。この空間を利用して配管11を屋上
に導出することができる。この実施例では、ルーバー2
8は、配管11が導出されない箇所に設置される。図3
で説明したように、通気のための空間に配管を収納した
場合には、縦方向の配管は、横に見て窓と窓の間の所に
収納され、当然に通気の空間と一致する。通気通路は、
真っ直ぐに抜く方が望ましいから、この部分にルーバー
28を設けるのがよい。配管は、迂回させて窓の上方の
領域から導出すればよい。なお、この実施例では、配管
について説明したが、配線の場合も同様である。ルーバ
ーの開閉は、図7で説明したように、手動操作、自動操
作のいずれの方法も採用できる。
【0036】図10は、ルーバーが設けられない部分、
すなわち、配管や配線が導出される部分の概略構成図で
ある。図中、図1乃至図4と同様な部分には同じ符号を
付して説明を省略する。29は塞ぎ板である。配管や配
線は、塞ぎ板29に孔を開けて導出される。塞ぎ板29
を分割して構成し、両側から配管11を挟むように半円
に近い形状の切り込みを設けておいてもよい。重なり部
分を設けるのが雨仕舞いの面からは有利である。
【0037】図11は、新笠木を旧笠木を後方部分にお
いても覆うようにした実施例である。図中、図1乃至図
4と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。
30は配管導出部である。新笠木17が旧笠木16を後
方部分においても覆うため、新笠木17と旧笠木16の
空間から雨水が吹き込むおそれはない。
【0038】図12は、開き戸を用いた実施例である。
図中、図1乃至図4と同様な部分には同じ符号を付して
説明を省略する。31は開き戸、32は蝶番である。こ
の実施例においても、図9,図10で説明したように、
開き戸31は、配管や配線が導出されない領域に設けら
れる。開き戸31の操作は、手動、自動のいずれでもよ
い。回動式でなく、引き戸やスライド式の戸としてもよ
い。
【0039】図13は、倹飩式の戸を用いた実施例であ
る。図中、図1乃至図4と同様な部分には同じ符号を付
して説明を省略する。33は倹飩式(けんどん式:はめ
殺しの建具のかけはずし構造)の戸である。この実施例
においても、図9乃至図11で説明したように、倹飩式
の戸33は、配管や配線が導出されない領域に設けられ
る。季節に応じて、倹飩式の戸33を装着したり、外し
たりすればよい。
【0040】なお、本発明では、新外壁と旧外壁との間
の空間を、設備機器の設置空間に利用するから、上述し
た通気口は必ずしも設ける必要はないが、防湿を考慮す
ると、多少の通気機能をもたせておくのがよい。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明かなように、本発明に
よれば、支持材を固定した後、旧外壁に沿って被覆部材
を取り付けることによって、有効収納空間に設置した設
備機器が旧外壁からの落下物によって、損傷を受けるこ
とがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建物の一実施例の一部の概略を示す正
面図である。
【図2】本発明の建物の参考例における下地材の取り付
け構造の一実施例の説明図である。
【図3】図1の建物における通気状態の説明図である。
【図4】図1の建物の側断面図である。
【図5】配管、配線空間の実施例の説明図である。
【図6】配管、配線空間の他の実施例の説明図である。
【図7】新外壁の下方に設けられる通気口の一実施例の
断面図である。
【図8】新外壁の下方に設けられる通気口の他の実施例
の断面図である。
【図9】新外壁の上方に設けられる通気口の実施例の概
略構成図である。
【図10】新外壁の上方に設けられる塞ぎ板の実施例の
概略構成図である。
【図11】新外壁の上方に設けられる通気口の他の実施
例の概略構成図である。
【図12】新外壁の上方に設けられる通気口の他の実施
例の概略構成図である。
【図13】新外壁の上方に設けられる通気口の他の実施
例の概略構成図である。
【符号の説明】
1…新外壁、2…旧外壁、3…窓、4…横下地材、5…
縦下地材、6…アンカーボルト、7…下地固定ブラケッ
ト、8…連結部材、9…パネル固定ブラケット、10…
ネット、11…配管、12…フロアライン、13,13
a,13b,13c…設備機器、14…建物躯体、15
…床面、16…旧笠木、17…新笠木、18…枠部材、
19…開閉パネル、20…蝶番、21…保温配管、22
…配線、23…コンクリート釘、24…ルーバー、25
…開き戸、26,32…蝶番、27…支持部材、28…
ルーバー、29…塞ぎ板、30…配管導出部、31…開
き戸、33…倹飩式の戸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04G 23/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 旧外壁の外側に支持材が固定され、か
    つ、該支持材により設備機器を設置し得るように所要の
    収納有効空間を確保して新外壁を取り付けた建物におい
    て、前記旧外壁からの落下物から前記設備機器を防護す
    るように前記支持材が固定された後に前記旧外壁に沿っ
    て被覆部材が取り付けられていることを特徴とする建
    物。
  2. 【請求項2】 旧外壁の外側に支持材を介して、かつ、
    設備機器を設置し得るように所要の収納有効空間を確保
    して新外壁を取り付ける建物の改装方法において、前記
    支持材を前記旧外壁に固定した後、前記旧外壁からの落
    下物から前記設備機器を防護するように前記旧外壁に沿
    って被覆部材を配設することを特徴とする建物の改装方
    法。
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