JPH07102639B2 - 熱収縮性シート - Google Patents

熱収縮性シート

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JPH07102639B2
JPH07102639B2 JP2023235A JP2323590A JPH07102639B2 JP H07102639 B2 JPH07102639 B2 JP H07102639B2 JP 2023235 A JP2023235 A JP 2023235A JP 2323590 A JP2323590 A JP 2323590A JP H07102639 B2 JPH07102639 B2 JP H07102639B2
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heat
sheet
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shrinkable
copolymer
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匡泰 坪根
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Sekisui Kasei Co Ltd
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Sekisui Kasei Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は熱収縮性シートに関し、より詳しくは各種の
被包装物をシュリンク包装するのに用いられる熱収縮性
シートに関する。
<従来技術と発明が解決しようとする課題> 従来より熱収縮性シートとしてポリスチレン系発泡シー
トおよびポリエチレン系発泡シート等がよく知られてい
る。
これら発泡シートは、例えばガラス瓶等の割れ易い容器
にシュリンク包装されることにより、緩衝効果を発揮
し、また割れ易い容器が破損した際には、破片の飛散防
止の役目を果すことから、割れ易い容器等の包装用材料
として提供されている。
しかしポリスチレン系発泡シートでは、熱収縮性、印刷
性、緩衝性および剛性に優れる一方、衝撃には比較的弱
く脆い性質を有し、例えばシュリンク包装されたガラス
瓶が破損した時など、ガラスの飛散防止を有効に行なう
ことができない。しかも融点が比較的低いため、耐熱性
に劣り、例えば高温レトルト殺菌には不向となってい
る。
ポリエチレン系発泡シートでは、上記ポリスチレン系発
泡シートに比べ、熱収縮性については同様に優れ、緩衝
性ならびに容器破損時の破片の飛散防止性については良
好であるものの、耐熱性、印刷性および剛性については
あまりよくない。
このため、従来、耐熱性については良好となるポリプロ
ピレン系発泡シートの使用が提案されている。
しかしながら、ポリプロピレン系発泡シートでは、上記
ポリスチレン系発泡シートおよびポリエチレン系発泡シ
ートに比べ、熱収縮性の点で劣り、さらに印刷性と剛性
の面でも良いとはいえない。従って、耐熱性に優れるに
も拘らずポリプロピレン系発泡シートを用いて、熱収縮
性、印刷性、緩衝性ならびに剛性等を備えた熱収縮性シ
ートを得ることが困難である。
そのため、上記種類の発泡シートに、非発泡フィルムを
積層することも提案されたが、発泡シート側と非発泡フ
ィルム側とを如何に相互補完をさせるかの点でどのよう
な組合せにして構成するか鋭意研究を繰り返してきた。
この発明は上記のごとき従来品の問題点を解決して耐熱
性、熱収縮性、印刷性、緩衝性および剛性が良好であ
り、シュリンク包装に好適に用いられる熱収縮性シート
を提供することを目的とする。
<課題を解決するための手段および作用> 上記課題を解決し、目的を達成するためのこの発明に係
る熱収縮性シートは、熱収縮性を有するポリオレフィン
系樹脂の発泡シートと非発泡フィルムとの積層シートか
らなり、発泡シートには5〜40重量%の無機充填材が含
有され、非発泡フィルムには溶剤可溶性樹脂が添加され
ていることを特徴としている。
上記構成のこの発明に係る熱収縮性シートは、発泡シー
トが5〜40重量%の割合で無機充填材を含有しており、
無機充填材はオレフィン系樹脂より比熱が小さく熱伝導
性が大きいので、この発明の熱収縮性シートの熱伝導性
を向上させ、熱収縮時間を短くして熱収縮性を向上させ
る。さらに、無機充填材は耐熱性が大きいため、熱収縮
性シートは耐熱性に優れたものとなる。また、発泡シー
トの表面が微少な凹凸状の粗面となるため、発泡シート
と非発泡フィルムとは強固に接着している。
なお、このような無機充填材の含有は熱収縮性が悪い発
泡シートの材料としてポリプロピレン系ポリマーを用い
た場合にあっても、熱収縮性を高めることができ、しか
も熱収縮性シートの印刷性並びに剛性等を向上させる。
さらに、このように剛性を向上させることができるの
で、シュリンク包装に際して、円筒状に形成した発泡シ
ートをビン等に嵌め込みやすくでき、作業性を向上させ
る。
無機充填剤の充填量が5%未満の場合、耐熱性および熱
伝導性を高めたり熱収縮性シートの印刷性を高めること
ができない。また、40%を越えると、延伸に支障をきた
す。
また、少なくとも上記非発泡フィルムには溶剤可溶性樹
脂が添加されており、その表面においては溶剤可溶性樹
脂が溶剤により溶出するので、この発明に係る熱収縮性
シートの表面を微少な凹凸状の粗面とすることができ
る。このため、表面において、いわゆる投錨効果(アン
カー効果)や凹凸形状による適度な毛細管現象を生じ、
この発明の熱収縮性シートは印刷性および接着性に優れ
たものとなる。
以下に、この発明に係る熱収縮性シートを詳細に説明す
る。
この発明に係る熱収縮性シートは、ガラス瓶等のわれや
すい容器にシュリンク包装して使用するものであり、リ
ングクラッシュでの圧縮強さ等を増大させるため、発泡
シートに表皮層として非発泡フィルムを積層したもので
あり、緩衝性に優れたものであると共に、その外観も良
好である。
上記熱収縮性シートの熱収縮率は130℃、15秒間の加熱
条件において一方向に15%以上、且つこの方法に直交す
る方向に−10〜10%であることが好ましい。上記加熱条
件下における一方向の熱収縮率が15%未満であれば、被
包装物を緊密にシュリンク包装することが困難であり、
またこの方向と直交する方向の熱収縮率が上記範囲を外
れると、外観よく熱収縮させることが困難となる。
この発明の熱収縮性シートに用いられる発泡シートは、
ポリオレフィン系樹脂の発泡シートであって、素材とし
ては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、ブテン等の
オレフィン系モノマーの単独又は共重合体が挙げられ
る。
エチレン系ポリマーとしては、超低密度ポリエチレン、
低密度ポリエレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、超高分子量ポリエチレン等、各種のポリエチレ
ン;塩素化ポリエチレン;エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル重合体、エチレン−α−オレ
フィン共重合体、アイオノマー、エチレン−アクリル酸
共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン
−アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−メ
タクリル酸アルキルエステル共重合体等の共重合体等が
例示できる。
プロピレン系ポリマーとしては、アイソタクチックポリ
プロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、アタ
クチックポリプロピレン;プロピレン−エチレン共重合
体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン
−ジオレフィン共重合体、プロピレン−ビニルモノマー
共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体;ポ
リプロピレン−アクリル酸共重合体、ポリプロピレン−
メタクリル酸、プロピレン−アクリル酸アルキルエステ
ル共重合体、プロピレン−メタクリル酸アルキルエステ
ル共重合体等の共重合体等が例示できる。なお、上記共
重合体はランダム、ブロック及びグラフト共重合体であ
ってもよい。また、上記各ポリマーは、一種または二種
以上混合して用いられる。
このうち、耐熱性を具備させるためには、プロピレン系
ポリマーが好ましく、プロピレン−エチレン共重合体、
或いはより柔軟性(ビン破片飛散防止性)を発揮するも
のとしてプロピレン−エチレン−ブテン共重合体が好ま
しい。
オレフィン系ポリマーは、種々の分子量を持ったものが
使用できるが、熱収縮時の応力を大きくし、且つ延伸倍
率を大きくする上で、例えば、メルトフローインデック
ス(以下、「MFI」という。)0.05〜6.00を有するもの
が好ましい。MFI0.05未満であると、押出し発泡時の発
泡効率が低下し、MFIが6.00を越えると、熱収縮時の収
縮応力が小さくなるだけでなく、延伸工程及び熱収縮時
に、均一な延伸、シュリンク包装ができない。また、体
積痩せ等などの問題が生じ易くなる。
上記オレフィン系ポリマー、例えば、130℃で20分間の
高温レトルト殺菌に対応できるように、融点が120〜145
℃をのものを用いることが好ましい。融点が120℃未満
では、上述したようなレトルト殺菌時の高温に対処でき
ず、耐熱性の点で劣り、融点が145℃以上では、熱収縮
性において劣る。ここに融点とは、示差熱走査測定(DS
C)により測定した結晶融点ピーク温度を言う。
融点が上記範囲のものを選んでおけば無機充填剤5〜40
重量%が含有されていることから、熱収縮性シートの耐
熱性、及び熱伝導性等を特に高めることができる。
また、オレフィン系ポリマーに含有される無機充填剤と
しては、シリカ、マイカ、タルク、ケイ藻土、クレー、
炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム
等の紛状物が例示されるが、このうち、タルク又は炭酸
カルシウムが好適である。上記無機充填剤は1種又は2
種以上混合して用いられる。
また、無機充填剤としては、適宜の粒径を有するものが
選択されるが、平均粒径が30μm以下のものが好まし
い。平均粒径が、30μmを越えると、発泡性が大きくな
り、外観の見栄えが悪くなると共に、それだけ脆くなっ
て不都合となる。
上記発泡樹脂シートの厚みは50〜500μmであること
が、緩衝性および被包装物との密着性の上から好まし
い。50μm未満の場合、外観が悪く、また延伸作業性が
悪く、延伸時に切断等が生じ易い。さらに、緩衝性が充
分でなくなり、例えばシュリンク包装したガラス瓶が破
損した時など、ガラス片の飛散防止を有効に行なうこと
ができない。一方、500μmを越える場合、収縮率が上
がらず、容器に密着した状態で巻き付かせることができ
ない。
また、ポリオレフィン系樹脂の非発泡フィルムの素材と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン
系ポリマー、スチレン−ブタジエン共重合体等のスチレ
ン系ポリマー、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン等、種々のものが例示できる。このうち、非発
泡シート又はフィルムとしては、上記発泡シートと同じ
く延伸されて、適宜の熱収縮率を有するものが好まし
い。また、非発泡フィルは、前記発泡シートと同一の構
成ポリマーからなるものが好ましく、特に、プロピレン
−エチレン共重合体又はプロピレン−エチレンブテン共
重合体が好ましい。
上記非発泡フィルムに添加されている溶剤可溶性樹脂と
しては、上記母材となる無極性オレフィン系ポリマーに
対して、極性基を有するオレフィン系ポリマー、或いは
非オレフィン系ポリマーが挙げられる。
そして、上記無極性オレフィン系ポリマーと相溶性が良
く、且つ溶解性の一致した溶剤に溶出されやすい溶剤可
溶性樹脂としては、極性基を含むオレフィン系ポリマー
の他、非オレフィン系ポリマーとしてのスチレン系ポリ
マー、アクリル系ポリマー等が例示される。
このうち、極性基を含むオレフィン系ポリマーとしては
種々選択できるが、その中でも好ましくは、エチレン系
ポリマーが選ばれ、エチレン−無水マレイン酸共重合
体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−
無水マレイン酸−アクリル酸エチル共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体が例示される。
また、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体等の
スチレン系ポリマーとしては、スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロ
ック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体及びこれらのエラストマーが挙げられ、特
に、水素添加されたスチレン系エラストマーが好まし
い。水素添加することにより、芳香環を有するポリマー
では、ポリオレフィンとの相溶性を更に良くし、さらに
溶剤に対する溶解性をも上げることができる。
そして、アクリル系ポリマーとしては、アクリル酸、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル
酸オクチル;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチ
ル;アクリル酸フェニル、アクリル酸−2−ヒドロキシ
エチル、アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル;メタク
リル酸フェニル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸−3−ヒドロキシプロピル;アクリロ
ニトリル、アクリルアミド等のアクリル又はメタクリル
系モノマーの単独又は共重合体が例示され、特に、メタ
クリル酸メチルが選ばれる。
上記溶剤可溶性樹脂は1種又は2種以上混合して用いら
れる。
溶剤可溶性樹脂は、2〜50重量%含有されることが好ま
しい。溶剤可溶性樹脂の含有量が2重量%より少なけれ
ば、表面において充分な量の溶剤可溶性樹脂を溶剤によ
り溶出させることができず、充分な投錨効果や毛細環現
象が得られず、印刷性および接着性が悪くなる。また、
50重量%より多ければ、オレフィン系ポリマーの特性が
損なわれる。
なお、溶剤可溶性樹脂が5〜30重量%含有されている場
合は、濡れ指数の経日変化が小さく、良好な印刷性およ
び接着性を長期間保持できるので、特に好ましい。
そして、オレフィン系ポリマーの溶解度パラメータをSP
oとし、溶剤可溶性樹脂の溶解度パラメータをSPsとした
とき、オレフィン系ポリマーの溶解度パラメータSPoと
溶剤可溶性樹脂の溶解度パラメータSPsとが、下記関係
式(1)、好ましくは関係式(2) |SPo−SPs|≦1.5 ……(1) |SPo−SPs|≦1.0 ……(2) を満足することが好ましい。SPoとSPsとの差が1.5より
も大きくなれば、上記オレフィン系ポリマーに対する溶
剤可溶性樹脂の相溶性が悪くなり、成形品表面の表面状
態を良くすることができない。
一方、溶剤は上記溶剤可溶性樹脂を一部又は全部を溶出
するものが選ばれ、例えば炭化水素類、ハロゲン化炭化
水素類、アルコール、エーテル類、エステル類、ケトン
類が挙げられる。炭化水素類としては、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、石油エーテル、石油ベンジン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等が例示できる。ハロゲン化炭
化水素類としては、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロ
ロエタン、トリクロロエチレン、モノクロロベンゼン等
が例示できる。アルコール、エーテル類としては、メタ
ノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエ
ーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、エチレングリコールジエチルエーテル等が例示でき
る。エステル類としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピ
ル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノアセテート、
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が
例示できる。ケトン類としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等が例示できる。
このうち、溶剤処理後の作業性を考慮すると、できるだ
け溶解度の高いものが好ましく、ケトン類のアセトン、
エーテル類のテトラヒドロフラン、炭化水素類のベンゼ
ンが特に好ましい。上記溶剤は1種又は2種以上混合し
て用いられる。
次いで、このような溶剤によって処理された熱可塑性樹
脂成形品は、表面張力が37dyn/cm以上となるものが好ま
しい。表面張力が、37dyn/cmを下回ると表面張力が小さ
くなり、印刷インキの印刷性等が低下する。
以下に、この発明の熱収縮性シートの製造方法について
簡単に説明する。
上記熱収縮性シートは、サーキュラーダイを用いたプラ
グ方式、インフレ方式、又はTダイを用いた方式等、適
宜の方法で製造することができる。即ち、熱収縮性シー
トの上記素材と発泡剤からなる組成物を、常法により、
シート状に押出し発泡させる。このとき、押出したシー
トに熱収縮性を付与するため、一軸方向としての流れ方
向の少なくとも一方に延伸加工を施す。なお、延伸倍率
は、熱収縮性シートの収縮率が前記熱収縮率となるよう
に行えばよく、従来の方法、例えば、ピンテンター法、
クリップテンター法、又はロール延伸法等、適宜の方法
で行うことができ、通常、一軸方向に延伸することが好
ましい。
なお、上記発泡シートの発泡剤としては、アゾジカルボ
ンアミドなどのアゾ化合物、テレフタルアジド等のアジ
ド化合物の他、重炭酸ナトリウム等の重炭酸塩とクエン
酸の混合物、メタン、プロパン、ブタンなどの炭化水
素、フレオン11、フレオン12等のフッ化炭化水素、エス
テル系、ケトン系の低沸点液体、または窒素ガス、炭酸
ガス等各種のものが例示される。これらの発泡剤は、1
種又2種以上混合して発泡倍率に応じて適宜量、例え
ば、0.1〜5.0重量%使用される。
また、上記複数層からなる熱収縮性シートを得るには、
エチレン−酢酸ビニル共重合体或いはプロピレン−酢酸
ビニル共重合体等の溶液型、ホットメルト型その他の接
着剤を用いて、上記発泡シートと非発泡フィルムとを積
層してもよく、又発泡シートと非発泡フィルムとを溶融
して共押出し、両者を溶融状態で積層してもよい。
なお、上記非発泡シシートを予め延伸加工して熱収縮性
を付与すると共に、その後、延伸加工された発泡シート
と積層してもよく、発泡シートと非発泡フィルムとを積
層した後に上記両者を同時に延伸加工してもよい。
以上のようにして得られる熱収縮性シートを、ガラス瓶
等に巻き付ける場合、巻き付け後の残存収縮率を5%以
上にすることが好ましい。巻き付け後の残存収縮率が5
%未満である場合、熱収縮性シートと容器との密着性が
悪くなり、巻き付けられた熱収縮性シートが回転したり
外れたりする。
<実施例> 以下に、この発明を実施例に基づき、より詳細に説明す
る。
[実施例1] (I) MFI1.2、融点137℃のプロピレン−エチレン−
ランダム共重合体95重量%と、平均粒度30μm未満のタ
ルク5重量%とを混合し、これらに重炭酸ナトリウムと
クエン酸との混合物を発泡剤として添加注入した。
(II) またMFI13.2、融点140℃とMFI1.2、融点137℃
とのものを重量比1:1で混合したプロピレン−エチレン
−ランダム共重合体90重量%に、水素添加したエラスト
マー(旭化成工業株式会社製:商品名タフテックHR104
1,10重量%とを混合した。
(III) 上記(I)と(II)とのそれぞれの混合物
を、(I)用の口径65mmと(II)用の口径32mmとを有す
る共押出機で加熱溶融し、(I)の混合物を押出量19kg
/Hrで、(II)の混合物を押出量6kg/Hrで、口径85mm、
隙間0.75mmのサーキュラーダイに供給した。
(IV) そして、上記サーキュラーダイを用いて、フラ
ット状フィルムの押出し成形を行い、発泡層と非発泡層
とからなる幅530mm、厚み1000μm、坪量662g/m2の熱収
縮性シートを得た。
(V) 次に、この熱収縮性シートを100〜120℃の予熱
ロール間に通し、十分に予熱した後、表面温度50℃の延
伸ロールにて、例えば流れ方向(MD)に7倍延伸した。
(VI) そして、表面温度30℃の冷却ロールにて冷却
後、幅501mm、厚み205μm、坪量110g/m2の熱収縮性シ
ートを得た。
[実施例2〜9、比較例1〜2] それぞれ、第1表に示す材料を用いて実施例1と同様に
して、熱収縮性シートを作成した。
[実施例10〜12、比較例3] それぞれ、第1表に示す材料を用いて、発泡シートの溶
融物と非発泡フィルムの溶融物とを共押出しして、両者
を溶融状態で積層した。そして、実施例1と同様にして
冷却することにより、発泡シートの片面に非発泡フィル
ムが積層された積層物を得た。
次いで、上記発泡シートの非発泡フィルムが積層されて
いない面に上記非発泡フィルムと同じ組成の非発泡フィ
ルムをホットメルト接着剤で接着し、実施例1と同様に
して7倍に延伸して、三層構造を有する熱収縮性シート
を得た。
但し、実施例12では、非発泡フィルムをバックプリント
したものを接着した。
[評価試験] 実施例1〜12および比較例1〜3で得られた熱収縮性シ
ートについて以下の評価試験を行った。その結果を第2
表に示す。
(1)収縮性試験 130℃の熱風雰囲気下(ギヤーオーブン)で15秒間加熱
後、流れ方向(MD)の収縮率、該方向と直交する方向
(TD)の収縮率を求めた。
(2)印刷性試験 グラビア印刷を行い、インキの馴染み具合により、印刷
性を評価した。
なお、第2表中の印刷性の欄において、◎、○、△およ
び×はそれぞれ、インキが完全に馴染んでいた場合、イ
ンキが一部馴染んでいない部分がある場合、インキが一
部のみ馴染んでいた場合およびインキがほとんど馴染ん
でいなかった場合を示す。
(3)接着性試験 上記各熱収縮性シートを両側縁で重ね合わせ、シームを
行い、直径68mmの円筒形の容器に上記熱収縮性シートを
被せて、130℃で13秒間の加熱を行うことによりシュリ
ンク包装を行った。そして、熱収縮性シートの逆反りを
調べ、逆反りが少ない順に、◎、○、△および×の4段
階で評価した。
また、熱収縮性シートのシームされた端面に、100mmの
距離から2kg/m2の圧力がジェットシャワーを当て、熱収
縮性シートの剥離が始まるまでの時間を測定し、接着性
を評価した。
なお、第3表中の接着性の欄において◎、○、△および
×はそれぞれ、シームされた端面の剥離が始まるまでの
時間が12秒以上、10秒以上12秒未満、8秒以上10秒未満
および8秒未満であったことを示す。
(4)外観 各熱収縮性シートについて、その外観を目視により確認
し、外観が良好な順に◎、○、△および×の4段階で評
価した。
第2表より、発泡シートに5〜40重量%の割合で無機充
填剤を含有する実施例1〜12の熱収縮性シートは、無機
充填剤の含有量が5%未満である比較例1のものに比べ
て、逆反りが少なく、外観および印刷性が良好であるこ
とがわかる。また、無機充填剤の含有量が40重量%を越
える比較例2に比べて、外観および印刷性が良好である
ことがわかる。
また、非発泡フィルムに溶剤可溶性樹脂を含有する実施
例1〜12の熱収縮性シートは、非発泡フィルムに溶剤可
溶性樹脂を含有しない比較例5に比べて、接着性が優れ
ていることがわかる。
[密着性試験] 実施例2、5および7で得られた熱収縮性シートをクリ
アランス1mmで直径約68mmの円筒形の容器を被包装物と
して、第3表に示す収縮率(MDの残存収縮率)を残存さ
せた状態でこれに巻き付け、該容器との密着性を調べ、
密着性がよい順に◎、○、△および×の4段階で評価し
た。その結果を第3表に示す。
第3表より、実施例2、5および7の熱収縮性シート
は、被包装物に対する密着性が良好であることがわか
る。
また、残存収縮率が大きい実施例2および7の場合が、
特に密着性が良好であることがわかる。
[比較例4] 非発泡フィルムに溶剤可溶性樹脂を添加しなかったほか
は実施例2と同様にして、熱収縮性シートを製造した。
[濡れ指数の経日変化試験] 実施例2および比較例4の熱収縮性シートに、5A140Vで
3秒および5秒間コロナ放電を施した。そして、それぞ
れの場合について、コロナ放電直後、6日後および16日
後の濡れ指数の値を求め、濡れ指数の経日変化を調べ
た。また、コロナ放電しない場合の濡れ指数も求めた。
その結果を第4表に示す。
なお、濡れ指数は、JIS K 6768記載の方法により求
めた。
第4表より、溶剤可溶性樹脂を含有する非発泡フィルム
を用いた実施例2は、溶剤可溶性樹脂を含有しない非発
泡フィルムを用いた比較例4に比べて、濡れ指数の経日
変化が少ないことがわかる。
<発明の効果> 以上のように、この発明の熱収縮性シートによれば、発
泡シートには5〜40重量%の無機充填材が含有されてい
るので、熱収縮時間が短く、熱収縮性に優れたものであ
る。また、耐熱性にも優れたものとなる。
また、剛性に優れているのでスリーブの直立する腰強度
が充分にあり、シュリンク包装等に際して、作業性を向
上させることができる。さらに、緩衝性および被包装物
との密着性に優れているので、ガラス瓶等の被包装物を
有効に保護しうる。また、外観も良好なものであるの
で、見栄えよく包装することができる。
そして、非発泡フィルムには溶剤可溶性樹脂が添加され
ているので、接着性および印刷性が優れたものとなるば
かりか、経日変化の少ないものを提供することができ、
シュリンク包装に好適に用いることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱収縮性を有するポリオレフィン系樹脂の
    発泡シートと非発泡フィルムとの積層シートからなり、 発泡シートには5〜40重量%の無機充填材が含有され、
    非発泡フィルムには溶剤可溶性樹脂が添加されているこ
    とを特徴とする熱収縮性シート。
  2. 【請求項2】熱収縮率が130℃、15秒間の加熱条件にお
    いて一方向に15%以上であり、且つこの方向に直交する
    方向に−10〜10%である上記請求項1記載の熱収縮性シ
    ート。
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