JPH07102210A - 塩化ビニル系ブロック共重合体および塗料組成物 - Google Patents

塩化ビニル系ブロック共重合体および塗料組成物

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JPH07102210A
JPH07102210A JP25147493A JP25147493A JPH07102210A JP H07102210 A JPH07102210 A JP H07102210A JP 25147493 A JP25147493 A JP 25147493A JP 25147493 A JP25147493 A JP 25147493A JP H07102210 A JPH07102210 A JP H07102210A
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JP
Japan
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vinyl chloride
polysiloxane
block
block copolymer
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JP25147493A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Miyaki
義行 宮木
Yoshihiko Sugiura
嘉彦 杉浦
Yusaku Suenaga
勇作 末永
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 撥水性が高く、摩擦係数が低く、各種材料へ
の接着性に優れた塗膜を与える塩化ビニル系樹脂塗料に
使用可能な塩化ビニル系のブロック共重合体を提供す
る。 【構成】 塩化ビニル90〜50重量%と下記一般式
(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基である)で表さ
れるエチレン誘導不飽和単量体10〜50重量%とから
なる共重合体ブロック99.9〜80重量部と下記一般
式(2) 【化2】 (式中、R1〜R4は同一または異なっていてもよく、水
素原子、ハロゲン基、アルキル基、アリール基であり、
mおよびnは3〜1000の整数である)で表されるポ
リシロキサンブロック0.1〜20重量部とが結合して
なるブロック共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種溶剤への溶解性が
良好なポリシロキサンブロックを含有する新規な塩化ビ
ニル系ブロック共重合体に関する。本ブロック共重合体
は、ポリシロキサンの効果により、撥水性の他、低摩擦
性に特徴を有し、木材,金属,合成樹脂,コンクリート
など各種材料用の塗料としての用途が期待される。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニルを酢酸ビニルあるいは
プロピオン酸ビニルと共重合させることにより樹脂の溶
剤への溶解性が向上し、この共重合体をビヒクルとして
用いることにより、耐薬品性と作業性に優れ、卓越した
塗膜性能を有する塗料が得られることは知られていた
(特公昭55−5781号公報、特公昭47−2888
7号公報など)。
【0003】一方、塩化ビニル系樹脂にオルガノポリシ
ロキサンを添加することにより、その成形品に撥水性、
汚れ防止、耐候性、耐摩耗性が付与されることは従来知
られている(特開昭63−94503号公報、特開昭6
3−6045号公報、特開昭63−6044号公報)。
しかし、ポリ塩化ビニルとオルガノポリシロキサンは、
元来、非相溶性であり、両者を単に混合した場合、得ら
れる成形品の透明性が損なわれたり、成形品表面からの
オルガノポリシロキサンの浸出が生じ、効果の持続性が
ないなどの欠点があった。また、これを塗料として用い
た場合、基材との接着性に著しく欠けるという欠点があ
った。
【0004】最近、末端にアクリル基を有するオルガノ
ポリシロキサン(マクロマー)と塩化ビニルとの共重合
やオルガノポリシロキサンとアゾ化合物を結合してなる
マクロアゾ開始剤を用いて、オルガノポリシロキサンと
塩化ビニルをブロック共重合することにより両者の相溶
性を改良する試みが行われている(特開平4−1357
49号公報、特開平4−39315号公報)。これらの
両者を比較すると、後者のマクロアゾ法がオルガノポリ
シロキサンとポリ塩化ビニルを効率よく結合できる点に
おいて有利である。
【0005】しかしながら、ポリシロキサンブロックと
ポリ塩化ビニルブロックとからなるブロック共重合体に
おいては、ポリシロキサン含量が20重量%以下の場
合、溶剤への溶解性はポリ塩化ビニルホモポリマーとほ
とんど変わらず、これを塗料に利用するには支障があ
り、これまで、溶剤への溶解性に優れたポリシロキサン
ブロックとポリ塩化ビニルブロックとからなるブロック
共重合体は知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は撥水性
が高く、摩擦係数が低く、各種材料への接着性に優れた
塗膜を与える塩化ビニル系樹脂塗料に使用可能な塩化ビ
ニル系のブロック共重合体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、特定の組成の塩
化ビニルとエチレン誘導不飽和単量体とからなる共重合
体ブロックとポリシロキサンブロックとを結合させるこ
とにより上記目的を達成できることを見出し、本発明に
到達した。
【0008】すなわち本発明は、塩化ビニル90〜50
重量%と下記一般式(1)
【0009】
【化3】
【0010】(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基で
ある)で表されるエチレン誘導不飽和単量体10〜50
重量%とからなる共重合体ブロック99.9〜80重量
部と下記一般式(2)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R1〜R4は同一または異なってい
てもよく、水素原子、ハロゲン基、アルキル基、アリー
ル基であり、mおよびnは3〜1000の整数である)
で表されるポリシロキサンブロック0.1〜20重量部
とが結合してなるブロック共重合体およびそれからなる
塗料組成物である。
【0013】以下に本発明を詳しく説明する。
【0014】本発明のブロック共重合体においては、ポ
リ塩化ビニル系共重合体ブロックは、塩化ビニル90〜
50重量%と一般式(1)で表されるエチレン誘導不飽
和単量体10〜50重量%とを共重合したものであり、
さらに望ましくは、塩化ビニル80〜60重量%とエチ
レン誘導不飽和単量体20〜40重量%とを共重合した
ものである。10重量%よりエチレン誘導不飽和単量体
の含有割合が少ない場合、得られるポリシロキサンとの
ブロック共重合体の溶剤への溶解性が不十分となり、5
0重量%より多い場合は、塗膜の粘着性が強く、ブロッ
キングを生じる原因となる。また、ポリシロキサンブロ
ックの含量は0.1〜20重量%であり、20重量%よ
り多い場合、塗料に含まれる他の添加剤との親和性が損
なわれたり塗膜性能に悪影響を与え、0.1重量%より
少ない場合、ポリシロキサンブロックの分子量を下げる
ことになるのでポリシロキサンによる効果が不十分とな
る。
【0015】さらに、本発明のブロック共重合体の数平
均分子量は、ポリスチレン換算で、2500〜2500
00であることが好ましく、より好ましくは5000〜
100,000であり、またポリシロキサンブロックの
数平均分子量は500〜50,000が好ましく、より
好ましくは1000〜25000である。
【0016】このようなブロック共重合体の合成方法と
しては、例えば一般式(2)で表されるポリシロキサン
単位とアゾ化合物単位とが結合してなるマクロアゾ開始
剤を用いて、塩化ビニルおよび一般式(1)で表される
エチレン誘導不飽和単量体を重合する方法が挙げられ
る。
【0017】このマクロアゾ開始剤は、反応性の官能基
を2個と一般式(2)で表される繰り返し単位を有する
ポリシロキサンとアゾ化合物を化学結合させることによ
り合成される。例として、アミノ基または水酸基(フェ
ノール基を含む)を2個有するポリシロキサンとアゾ基
を有するジカルボン酸(例えば、4,4’−アゾビス
(4−シアノペンタン酸)など)との縮合体、カルボキ
シル基を2個有するポリシロキサンとアゾ基を有するジ
オール(例えば、2,2’−アゾビス(2−シアノプロ
パノール)など)との縮合体、アミノ基または水酸基
(フェノール基を含む)を2個有するポリシロキサンと
アゾ基を有するジオール(例えば、2,2’−アゾビス
(2−シアノプロパノール)、4,4’−アゾビス(4
−シアノペンタノール)など)をジカルボン酸ハライド
(例えば、セバチン酸クロリド、アジピン酸クロリドな
ど)またはジイソシアナート(例えば、トリレンジイソ
シアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナ
ート、ヘキサメチレンジイソシアナートなど)を用いて
結合させたものがある(高分子加工、41巻7号24ペ
ージ)。
【0018】上述のマクロアゾ開始剤の合成に使用され
るポリシロキサンは、両末端あるいはその近傍に反応性
官能基を有していることが望ましく、この数平均分子量
は500〜50000が好ましく、さらに好ましくは1
000〜25000である。また、このマクロアゾ開始
剤の数平均分子量は、2000〜300000が望まし
く、さらに望ましくは5000〜150000であり、
1つの分子内にアゾ基を2以上もつものが望ましい。
【0019】マクロアゾ開始剤により、塩化ビニルおよ
び上述のエチレン誘導不飽和単量体を重合する際、樹脂
の溶解性に影響しない程度にこれら以外のラジカル重合
性の単量体を0〜5重量%添加してもよい。このような
単量体として、例えばマレイン酸やイタコン酸などの不
飽和脂肪酸、無水マレイン酸などの不飽和脂肪酸無水
物、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系化合
物、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等が挙げられ
る。
【0020】マクロアゾ開始剤を用いて本発明のブロッ
ク共重合体を重合する方法として、懸濁重合法、溶液重
合法、乳化重合法等を用いることができる。この際、マ
クロアゾ開始剤と通常のラジカル重合開始剤を併用する
ことも可能である。通常のラジカル重合開始剤として
は、例えばラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパー
オキサイド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パ
ーオキシフェノキシアセテート、アセチルシクロヘキシ
ルスルホニルパーオキサイドなどの過酸化物;t−ブチ
ルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデ
カノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレートなどの
有機酸のパーオキシエステル類;ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオ
キシジカーボネートなどのジオキシカーボネート;アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)のようなアゾ
化合物;さらに過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムな
どが使用される。
【0021】上記の懸濁重合に用いる分散安定剤として
は、通常、塩化ビニルの懸濁重合あるいは乳化重合に使
われているものであれば特に制限はなく使用可能であ
る。例として、部分ケン化ポリビニルアルコール、メチ
ルセルロース,エチルセルロース,ヒドロキシエチルセ
ルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース等のセルロースエーテル、メ
チルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体,アクリ
ル酸重合体,ゼラチンなどの水溶性ポリマー、ソルビタ
ンモノラウレート,グリセリントリステアレート,エチ
レンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体
などの油溶性乳化剤、ポリオキシエチレングリセリンオ
レート,ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト,ラウリン酸ナトリウムなどの水溶性乳化剤等があ
り、これらは単独あるいは2種以上を混合して用いられ
る。
【0022】重合温度は通常の塩化ビニルの重合温度に
従い選ぶことができ、30〜80℃が好ましい。
【0023】ポリシロキサン系化合物とアゾ化合物とが
結合してなるマクロアゾ開始剤を用いて塩化ビニルを主
成分とする単量体を重合した時、生成物中には、ポリシ
ロキサン系ブロックとポリ塩化ビニル系ブロックからな
るブロック共重合体以外に、マクロアゾ開始剤の分解物
であり、塩化ビニル系重合体ブロックに結合しないポリ
シロキサン系化合物が含まれることがある。この非結合
のポリシロキサン系化合物の量は、マクロアゾ開始剤の
分子量、ポリシリキサン系ブロックの分子量の他、重合
温度や重合時間にも依存する。
【0024】即ち、マクロアゾ開始剤を用いて行う塩化
ビニルを主成分とする単量体の重合時間(重合を開始し
てから所定の重合収率が得られるまでの時間)は、マク
ロアゾ開始剤のアゾ基の重合温度における半減期(t
1/2)の1/5以上であることが望ましく、さらに望ま
しくはその1/4以上である。また、重合収率が80%
に達するのに必要な時間はt1/2の1/5以上であるこ
とが望ましく、さらに望ましくはその1/4以上であ
る。従って、この条件に適合するように、通常の開始剤
の種類と濃度、マクロアゾ開始剤の濃度などを選択する
必要がある。重合時間がt1/2の1/5より短い場合、
ポリ塩化ビニルに結合しないポリシロキサン系化合物が
増加する。
【0025】以上の様にして得られるポリシロキサンブ
ロックを有する本発明の塩化ビニル系ブロック共重合体
は、それ自体あるいは各種添加剤と共に溶剤に溶解ある
いは分散させることにより、目的の塗料組成物を得るこ
とができる。この時、塗料組成物中のポリシロキサン含
量は固形分全体の0.001〜10重量%であることが
望ましく、さらに望ましくは0.01〜2重量%であ
る。ポリシロキサン含量が0.001重量%より低い場
合、ポリシロキサンを添加する効果が現れず、10重量
%より高い場合、塗膜の各種基材への接着性が著しく損
なわれる。
【0026】本発明の塗料組成物に使用しうる溶剤とし
ては、特に限定されるものではないが、酢酸エチル,酢
酸ブチルなどのエステル類、トルエン,キシレンなどの
芳香族炭化水素、アセトン,メチルエチルケトン,メチ
ルイソブチルケトン,シクロヘキサノンなどのケトン
類、トリクレン,塩化エチレン,クロロホルムなどのハ
ロゲン系炭化水素、テトラヒドロフラン,メチルセロソ
ルブなどのアルコール・エーテル類などがある。
【0027】本発明の塗料組成物には、その塗料物性を
さらに向上・改質させるために、各種安定剤、可塑剤、
顔料、増粘剤、分散剤、色分かれ防止剤などの各種添加
剤を添加することができる。可塑剤としては、例えば、
塩素化パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジ
ルフォスフェート、ジブチルフタレートが挙げられる。
また、必要に応じて、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポ
リエチレン、塩素化ゴム、アクリル系樹脂、ケトン樹脂
などの合成樹脂をブレンドすることもできる。
【0028】また、塗料組成物のポリシロキサン含量を
調整するために、塩化ビニル90〜50重量%と一般式
(1)で表されるエチレン誘導不飽和単量体10〜50
重量%とを共重合してなる共重合体あるいはその部分鹸
化物を必要量添加することも可能である。ここで添加さ
れる共重合体には、一般式(1)で表されるエチレン誘
導不飽和単量体以外の単量体を5重量%を越えない範囲
で共重合成分として含まれていても良く、このような単
量体として、例えば、マレイン酸やイタコン酸などの不
飽和脂肪酸、無水マレイン酸などの不飽和脂肪酸無水
物、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系化合
物、ビニルピリジン、ビニルイミダゾールが挙げられ
る。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例、参考例、比較例によ
り本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例
に限定されるものではない。
【0030】参考例1 乾燥した4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)
5.6gを仕込み、ジクロロメタン140mlに分散さ
せ、これに1,1’−カルボニルジイミダゾール 7.
1gを加え、室温で1時間攪拌した後、アミノ変性ポリ
ジメチルシロキサン(信越化学工業(株)製 X−22
−161C、分子量約4500)90gを乾燥した後に
加え、室温で5時間反応させた。反応終了後、副生物の
イミダゾールをメタノールで抽出して除去した後、室温
で溶媒を減圧下留去して、ほぼ無色の粘性体93g(収
率98%)を得た。生成物が、ポリシロキサンとアゾ化
合物とが結合してなるマクロアゾ開始剤であることの確
認は、IR吸収スペクトル測定およびNMR測定により
行った。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)測定により、重量平均分子量は8400
0、数平均分子量は34000(いずれも、ポリスチレ
ン換算)であった。
【0031】実施例1 1lステンレス製耐圧容器に、参考例1のマクロアゾ開
始剤7.7g、水514g、ビニルエーテル−無水マレ
イン酸共重合体(GAF社製 ガントレッツ)0.5
g、エチルセルロース1gを仕込み、減圧・窒素置換を
数回繰り返した後、塩化ビニル176g、プロピオン酸
ビニル78g、無水マレイン酸2.6gを導入した。室
温で30分間予備溶解させた後、撹拌下、67.5℃に
昇温し、重合を開始した。重合を5時間行った後、冷却
を開始し、重合を停止した。重合体スラリーをろ過して
得られた粉体を40℃で25時間真空乾燥し、170g
の乾燥粉体を得た。
【0032】GPC測定により、得られたポリマーの重
量平均分子量は77000、数平均分子量は35000
(いずれも、ポリスチレン換算)であり、ポリジメチル
シロキサン含量は4.3重量%であった。また、ジエチ
ルエーテルによる抽出を8時間行ったところ、樹脂10
0gに対し0.8gのシリコーンが抽出されたのみであ
った。これより、重合体に含まれるポリジメチルシロキ
サンの81%はブロック共重合体として結合しており、
19%は非結合であることが分かった。図1および図2
に、それぞれ得られた試料のIR吸収スペクトルおよび
1H−NMRスペクトルを示す。これらの結果より、得
られたポリマーはポリジメチルシロキサンと塩化ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、無水マレイン酸のブロック共
重合体であることが確認された。
【0033】生成物の各種溶剤への溶解試験を行ったと
ころ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、トルエン、酢酸エチル、塩化エチレン、クロロホル
ム、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブに溶解し、
メタノール、エタノール、n−ヘキサン、ジエチルエー
テル、四塩化炭素に不溶解であった。
【0034】得られた重合体をトルエンと酢酸エチルの
体積比で50:50混合溶媒に溶解し、これをガラス
板、ポリ塩化ビニル板、鉄板に塗布し、表面塗膜の性状
を調べた。これらの結果を表1に示した。塗膜の透明性
は良好であり、撥水性で、摩擦係数は低い値であり、各
種材料への接着性は良好であった。
【0035】実施例2 1lステンレス製耐圧容器に、参考例1のマクロアゾ開
始剤7.6g、水514g、ビニルエーテル−無水マレ
イン酸共重合体(GAF社製 ガントレッツ)0.5
g、エチルセルロース1gを仕込み、減圧・窒素置換を
数回繰り返した後、塩化ビニル176g、酢酸ビニル7
8gを導入した。室温で30分間予備溶解させた後、撹
拌下、67.5℃に昇温し、重合を開始した。重合を5
時間行った後、冷却を開始し、重合を停止した。重合体
スラリーをろ過して、得られた粉体を40℃で25時間
真空乾燥し、160gの乾燥粉体を得た。
【0036】GPC測定により、得られた重合体の重量
平均分子量は79000、数平均分子量は37000
(いずれも、ポリスチレン換算)であり、ポリジメチル
シロキサン含量は4.5重量%であった。また、ジエチ
ルエーテルによる抽出を8時間行ったところ、樹脂10
0gに対し0.91gのシリコーンが抽出されたことよ
り、重合体に含まれるポリジメチルシロキサンの80%
はブロック共重合体として結合しており、20%は非結
合であることが分かった。図3および図4に、それぞれ
得られた試料のIR吸収スペクトルおよび1H−NMR
スペクトルを示した。これらの結果より、得られたポリ
マーはポリジメチルシロキサンと塩化ビニル、酢酸ビニ
ルのブロック共重合体であることが確認された。
【0037】生成物の各種溶剤への溶解試験を行ったと
ころ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、トルエン、酢酸エチル、塩化エチレン、クロロホル
ム、テトラヒドロフランに溶解し、メタノール、エタノ
ール、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、四塩化炭素に
不溶解であった。
【0038】実施例1と同様の方法で塗膜の性質を調べ
た結果を表1に示した。実施例1とほぼ同様の結果が得
られた。
【0039】比較例1 1lステンレス製耐圧容器に、参考例1のマクロアゾ開
始剤7.7g、水514g、部分ケン化ポリビニルアル
コール(日本合成化学製 KH−20)の3%水溶液1
3gを仕込み、減圧・窒素置換を数回繰り返した後、塩
化ビニル223g、プロピオン酸ビニル12g、無水マ
レイン酸2.6gを導入した。室温で30分間予備溶解
させた後、撹拌下、67.5℃に昇温し、重合を開始し
た。重合を5時間行った後、冷却を開始し、重合を停止
した。重合体スラリーをろ過して、得られた粉体を40
℃で25時間真空乾燥し、185gの乾燥粉体を得た。
【0040】GPC測定により、得られたポリマーの重
量平均分子量は77000、数平均分子量は34000
(いずれも、ポリスチレン換算)であり、ポリジメチル
シロキサン含量は4.1重量%であった。また、ジエチ
ルエーテルによる抽出を8時間行ったところ、樹脂10
0gに対し0.5gのシリコーンが抽出されたのみであ
った。
【0041】重合生成物の各種溶剤への溶解試験を行っ
たところ、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テ
トラヒドロフランに溶解し、メタノール、エタノール、
トルエン、酢酸エチル、n−ヘキサン、ジエチルエーテ
ル、クロロホルム、四塩化炭素、メチルセロソルブに不
溶解であり、アセトン、塩化エチレンには膨潤したのみ
であった。
【0042】比較例2 1lステンレス製耐圧容器に、過酸化ベンゾイル0.8
4g、水514g、ビニルエーテル−無水マレイン酸共
重合体(GAF社製 ガントレッツ)0.1g、エチル
セルロース0.2gを仕込み、減圧・窒素置換を数回繰
り返した後、塩化ビニル176g、プロピオン酸ビニル
78g、無水マレイン酸2.6gを導入した。撹拌下、
67.5℃に昇温し、重合を開始した。5時間重合を行
った後、冷却を行い、重合を停止した。重合体スラリー
をろ過して、得られた粉体を40℃で25時間真空乾燥
し、190gの乾燥粉体を得た。
【0043】GPC測定により、得られたポリマーの重
量平均分子量は76000、数平均分子量は35000
(いずれも、ポリスチレン換算)であった。
【0044】生成物の各種溶剤への溶解試験を行ったと
ころ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、トルエン、酢酸エチル、塩化エチレン、クロロホル
ム、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブに溶解し、
メタノール、エタノール、n−ヘキサン、ジエチルエー
テル、四塩化炭素に不溶解であった。
【0045】得られた重合体をトルエンと酢酸エチルの
体積比で50:50混合溶媒に溶解し、これをガラス
板、ポリ塩化ビニル板、鉄板に塗布し、表面塗膜の性状
を調べた。これらの結果を表2に示した。
【0046】実施例3 実施例1で得られたブロック共重合体2gを、比較例2
で得られた塩化ビニル、プロピオン酸ビニル、無水マレ
イン酸(重量比で70:30:1)の共重合体8gと共
に、トルエンと酢酸エチルの体積比で50:50混合溶
媒100mlに溶解し、塗料組成物を得た。これをガラ
ス板、ポリ塩化ビニル板、鉄板に塗布し、表面塗膜の性
状を調べ、これらの結果を表1に示した。
【0047】実施例4 実施例1で得られたブロック共重合体0.1gを、比較
例2で得られた塩化ビニル、プロピオン酸ビニル、無水
マレイン酸(重量比で70:30:1)の共重合体9.
9gと共に、トルエンと酢酸エチルの体積比で50:5
0混合溶媒100mlに溶解し、塗料組成物を得た。こ
れをガラス板、ポリ塩化ビニル板、鉄板に塗布し、表面
塗膜の性状を調べ、これらの結果を表1に示した。
【0048】比較例3 比較例2で得られた共重合体9.6gとポリジメチルシ
ロキサン(信越化学工業(株)製 KF96−100)
0.4gをトルエンと酢酸エチルの体積比で50:50
混合溶媒100mlに溶解し、これをガラス板、ポリ塩
化ビニル板、鉄板に塗布し、表面塗膜の性状を調べ、こ
れらの結果を表2に示した。塗膜は不透明であり、撥水
性は認められたが、特に金属への接着性が悪かった。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明のブロック共重合体は、溶剤への
溶解性が良好であり、塗料として用いれば、従来の塩化
ビニル系塗料に比べ、撥水性に優れた塗膜を与える。ま
た、単にシリコーンオイルを添加した場合と比較して、
各種材料への密着性に優れ、シリコーンの浸出が少ない
ので、効果の持続性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたブロック共重合体のIR吸
収スペクトルを示す図である。
【図2】実施例1で得られたブロック共重合体の1H−
NMRスペクトルを示す図である。
【図3】実施例2で得られたブロック共重合体のIR吸
収スペクトルを示す図である。
【図4】実施例2で得られたブロック共重合体の1H−
NMRスペクトルを示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル90〜50重量%と下記一般式
    (1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基である)で表さ
    れるエチレン誘導不飽和単量体10〜50重量%とから
    なる共重合体ブロック99.9〜80重量部と下記一般
    式(2) 【化2】 (式中、R1〜R4は同一または異なっていてもよく、水
    素原子、ハロゲン基、アルキル基、アリール基であり、
    mおよびnは3〜1000の整数である)で表されるポ
    リシロキサンブロック0.1〜20重量部とが結合して
    なるブロック共重合体。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のブロック共重合体を含有
    し、ポリシロキサンブロックの含有量が固形分全体の
    0.001〜10重量%であることを特徴とする合成樹
    脂塗料組成物。
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EP0779318A1 (en) 1995-12-14 1997-06-18 Wako Pure Chemical Industries, Ltd. Silicon-containing block copolymer

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0779318A1 (en) 1995-12-14 1997-06-18 Wako Pure Chemical Industries, Ltd. Silicon-containing block copolymer
US5760136A (en) * 1995-12-14 1998-06-02 Wako Pure Chemical Industries, Ltd. Silicon-containing block copolymer

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