JPH07102152A - ポリエステル樹脂用改質剤、ポリエステル樹脂組成物およびポリエステル樹脂成形品 - Google Patents
ポリエステル樹脂用改質剤、ポリエステル樹脂組成物およびポリエステル樹脂成形品Info
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- JPH07102152A JPH07102152A JP25161793A JP25161793A JPH07102152A JP H07102152 A JPH07102152 A JP H07102152A JP 25161793 A JP25161793 A JP 25161793A JP 25161793 A JP25161793 A JP 25161793A JP H07102152 A JPH07102152 A JP H07102152A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 式(1) で表される化合物よりなる改質剤、こ
の化合物を含有するポリエステル樹脂組成物、この組成
物を成形してなる成形品。 【化1】 (式中、B1,B2は炭素数1〜18のアルキル基、p ,q は
1以上で p+q は2〜6かつp 個のB1及びq 個のB2のア
ルキル基の総炭素数は6〜36、A は炭素数2〜4のアル
キレン基、m ,n は1以上で m+n は2〜4、k は0ま
たは1、X は 【化2】 R1,R2はH または炭素数4以下のアルキルである。) 【効果】 繊維、フィルム、ボトル等の成形品において
優れた耐熱性や強度及び染色性を有する。
の化合物を含有するポリエステル樹脂組成物、この組成
物を成形してなる成形品。 【化1】 (式中、B1,B2は炭素数1〜18のアルキル基、p ,q は
1以上で p+q は2〜6かつp 個のB1及びq 個のB2のア
ルキル基の総炭素数は6〜36、A は炭素数2〜4のアル
キレン基、m ,n は1以上で m+n は2〜4、k は0ま
たは1、X は 【化2】 R1,R2はH または炭素数4以下のアルキルである。) 【効果】 繊維、フィルム、ボトル等の成形品において
優れた耐熱性や強度及び染色性を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定のポリエステル樹脂
改質剤、その改質剤を含む成形性に優れたポリエステル
樹脂組成物、および該ポリエステル樹脂組成物より得ら
れる強度特性に優れた繊維、フィルム、ボトル等の成形
品に関するものである。
改質剤、その改質剤を含む成形性に優れたポリエステル
樹脂組成物、および該ポリエステル樹脂組成物より得ら
れる強度特性に優れた繊維、フィルム、ボトル等の成形
品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
や全芳香族ポリエステルなどのポリエステル樹脂は、繊
維、フィルム、ボトル容器等の成形品に使われてきた。
これらの成形品の強度を上げることは、省資源・省エネ
ルギーの観点から、要求が大きい。例えば高強力ポリエ
ステルフィラメントはタイヤコードとして広く使用され
ているが、ポリエステルタイヤコードの高強度化は、タ
イヤにおけるコード使用量の低減のみならず自動車の燃
費向上にも役立つ。
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
や全芳香族ポリエステルなどのポリエステル樹脂は、繊
維、フィルム、ボトル容器等の成形品に使われてきた。
これらの成形品の強度を上げることは、省資源・省エネ
ルギーの観点から、要求が大きい。例えば高強力ポリエ
ステルフィラメントはタイヤコードとして広く使用され
ているが、ポリエステルタイヤコードの高強度化は、タ
イヤにおけるコード使用量の低減のみならず自動車の燃
費向上にも役立つ。
【0003】ポリエチレンナフタレートや全芳香族ポリ
エステルはその優れた耐熱性故に熱に対して変形しにく
いという性質があり、なおかつその優れた強度特性のた
め磁気テープ等のフィルム材料として有望であるが、更
に強度を上げる事により薄膜化が可能で、小型軽量な磁
気記録テープを作る事ができる。ポリエステル樹脂の代
表であるポリエチレンテレフタレート(PET)は、通
常二軸延伸ブロー成形という方法で容器成形され、透明
性、力学的強度が優れ、ガスバリヤー性も比較的良好な
容器素材として広く用いられている。
エステルはその優れた耐熱性故に熱に対して変形しにく
いという性質があり、なおかつその優れた強度特性のた
め磁気テープ等のフィルム材料として有望であるが、更
に強度を上げる事により薄膜化が可能で、小型軽量な磁
気記録テープを作る事ができる。ポリエステル樹脂の代
表であるポリエチレンテレフタレート(PET)は、通
常二軸延伸ブロー成形という方法で容器成形され、透明
性、力学的強度が優れ、ガスバリヤー性も比較的良好な
容器素材として広く用いられている。
【0004】一方、近年、環境問題がクローズアップさ
れ、環境に優しい材料の使用、省資源、省エネルギー、
リサイクル等がさかんに叫ばれている。省資源の点から
少しでも樹脂量を減らし、肉薄な容器の開発が望まれ
る。しかし、PETの樹脂量を極端に減らすと強度的に
は不十分であり、高強度化をはかる必要がある。高強度
化をはかる方法の1つとしては分子量を上げることが考
えられるが、分子量をあげるだけでは効果が不十分な上
に溶融粘度が高くなり、成形しにくくなり、更に分子の
からみ合いにより延伸効果が不十分になるため、高強度
化を十分に達成する事が出来なかった。
れ、環境に優しい材料の使用、省資源、省エネルギー、
リサイクル等がさかんに叫ばれている。省資源の点から
少しでも樹脂量を減らし、肉薄な容器の開発が望まれ
る。しかし、PETの樹脂量を極端に減らすと強度的に
は不十分であり、高強度化をはかる必要がある。高強度
化をはかる方法の1つとしては分子量を上げることが考
えられるが、分子量をあげるだけでは効果が不十分な上
に溶融粘度が高くなり、成形しにくくなり、更に分子の
からみ合いにより延伸効果が不十分になるため、高強度
化を十分に達成する事が出来なかった。
【0005】上記の理由によりポリエステルの溶融粘度
を下げ、なおかつ延伸を容易にする改質剤が要望されて
きた。このような改質剤は、繊維用途においては、高強
力ポリエステルフィラメントのみならず、従来強度が十
分でなかった衣料用カチオン可染ポリエステルフィラメ
ントの高強度化や、短繊維の紡糸円滑化および、高速紡
糸プロセスの生産向上にも有用である。これらの問題を
解決するために、滑剤の添加が考えられたが、例えばエ
チレンビスステアリン酸アミド、ステアリン酸、ステア
リルアルコールを樹脂に添加すると、溶融粘度は下がる
が同時に樹脂の重合度も低下し、本来の目的を達し得な
い。
を下げ、なおかつ延伸を容易にする改質剤が要望されて
きた。このような改質剤は、繊維用途においては、高強
力ポリエステルフィラメントのみならず、従来強度が十
分でなかった衣料用カチオン可染ポリエステルフィラメ
ントの高強度化や、短繊維の紡糸円滑化および、高速紡
糸プロセスの生産向上にも有用である。これらの問題を
解決するために、滑剤の添加が考えられたが、例えばエ
チレンビスステアリン酸アミド、ステアリン酸、ステア
リルアルコールを樹脂に添加すると、溶融粘度は下がる
が同時に樹脂の重合度も低下し、本来の目的を達し得な
い。
【0006】また、特開平3−223382号公報、特
開平3−223383号公報に提案されているように、
芳香族エーテル系化合物、アルキルジフェニル系化合
物、さらに芳香族イミド系化合物がポリエステル樹脂用
の溶融粘度低下剤として知られている。しかし、これら
の化合物は耐熱性が十分でなく、分子量の大きなポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
や、さらに成形温度の高いポリエチレンナフタレート、
全芳香族ポリエステルの紡糸、フィルム化などには適当
でなかった。
開平3−223383号公報に提案されているように、
芳香族エーテル系化合物、アルキルジフェニル系化合
物、さらに芳香族イミド系化合物がポリエステル樹脂用
の溶融粘度低下剤として知られている。しかし、これら
の化合物は耐熱性が十分でなく、分子量の大きなポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
や、さらに成形温度の高いポリエチレンナフタレート、
全芳香族ポリエステルの紡糸、フィルム化などには適当
でなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、ポリエステル樹脂の重合度を本質的に低下
させないで、溶融粘度を低下させ成形を容易にし、成形
温度の高い高分子量のポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレートなどの成形時に発煙等のトラブ
ルがなく、かつ延伸性が良好で強度特性に優れた繊維、
フィルム、ボトル等の成形品の製造を可能にする、ポリ
エステル樹脂用改質剤、および該樹脂改質剤を含むポリ
エステル樹脂組成物、さらには該ポリエステル樹脂組成
物より得られる高強度の成形物を得る事にある。
する課題は、ポリエステル樹脂の重合度を本質的に低下
させないで、溶融粘度を低下させ成形を容易にし、成形
温度の高い高分子量のポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレートなどの成形時に発煙等のトラブ
ルがなく、かつ延伸性が良好で強度特性に優れた繊維、
フィルム、ボトル等の成形品の製造を可能にする、ポリ
エステル樹脂用改質剤、および該樹脂改質剤を含むポリ
エステル樹脂組成物、さらには該ポリエステル樹脂組成
物より得られる高強度の成形物を得る事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究の結果、特定の化合物がポリエステ
ル樹脂用改質剤としてその性能に優れ、この改質剤を含
むポリエステル樹脂組成物が上記の課題に対し優れた効
果を発揮する事を見出し本発明を完成するに至った。即
ち、本発明は、一般式(1) で表される化合物よりなるポ
リエステル樹脂用改質剤を提供するものである。
解決すべく鋭意研究の結果、特定の化合物がポリエステ
ル樹脂用改質剤としてその性能に優れ、この改質剤を含
むポリエステル樹脂組成物が上記の課題に対し優れた効
果を発揮する事を見出し本発明を完成するに至った。即
ち、本発明は、一般式(1) で表される化合物よりなるポ
リエステル樹脂用改質剤を提供するものである。
【0009】
【化3】
【0010】(式中、B1,B2は炭素数1〜18の直鎖又は
分岐のアルキル基、p ,q は1以上の整数で p+q は2
〜6の範囲であり、尚かつ、p 個のB1及びq 個のB2のア
ルキル基の炭素総数は6〜36の範囲である。A は炭素数
2〜4のアルキレン基、m ,nは1以上の整数で2≦ m
+n ≦4である。k は0または1、X は
分岐のアルキル基、p ,q は1以上の整数で p+q は2
〜6の範囲であり、尚かつ、p 個のB1及びq 個のB2のア
ルキル基の炭素総数は6〜36の範囲である。A は炭素数
2〜4のアルキレン基、m ,nは1以上の整数で2≦ m
+n ≦4である。k は0または1、X は
【0011】
【化4】
【0012】尚ここで、R1,R2はH または炭素数4以下
のアルキル基である。) また、本発明は、ポリエステル樹脂と、前記一般式(1)
で表される化合物を含有することを特徴とするポリエス
テル樹脂組成物、及び該ポリエステル樹脂組成物を成形
して得られるポリエステル樹脂成形品、特に延伸工程を
伴うプロセスで、紡糸、フィルム成形、ボトル成形等の
成形を行って得られる繊維、フィルム、ボトル等の成形
品を提供するものである。
のアルキル基である。) また、本発明は、ポリエステル樹脂と、前記一般式(1)
で表される化合物を含有することを特徴とするポリエス
テル樹脂組成物、及び該ポリエステル樹脂組成物を成形
して得られるポリエステル樹脂成形品、特に延伸工程を
伴うプロセスで、紡糸、フィルム成形、ボトル成形等の
成形を行って得られる繊維、フィルム、ボトル等の成形
品を提供するものである。
【0013】本発明の一般式(1) で表される化合物にお
いて、B1,B2は炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキ
ル基であり、好ましくは炭素数3〜12のアルキル基であ
る。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル
基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサ
デシル基、n−オクタデシル基等の直鎖アルキル基や、
2−エチルヘキシル基、1−ヘキシルノニル基、1−ブ
チルペンチル基、メチル分岐ヘプタデシル基、1,1,3,3
−テトラメチルブチル基、1,3,5 −トリメチルヘキシル
基、1,3,5,7 −テトラメチルオクチル基等の分岐アルキ
ル基などが挙げられる。p ,q は1以上の整数で p+q
は2〜6の範囲であり、p 個のB1及びq 個のB2のアルキ
ル基の炭素総数は6〜36の範囲内であればよく、この炭
素総数が6未満では十分な耐熱性が得られず、36より大
きいとポリエステル樹脂に対する相溶性が低下し樹脂物
性に悪影響を与える。
いて、B1,B2は炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキ
ル基であり、好ましくは炭素数3〜12のアルキル基であ
る。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル
基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサ
デシル基、n−オクタデシル基等の直鎖アルキル基や、
2−エチルヘキシル基、1−ヘキシルノニル基、1−ブ
チルペンチル基、メチル分岐ヘプタデシル基、1,1,3,3
−テトラメチルブチル基、1,3,5 −トリメチルヘキシル
基、1,3,5,7 −テトラメチルオクチル基等の分岐アルキ
ル基などが挙げられる。p ,q は1以上の整数で p+q
は2〜6の範囲であり、p 個のB1及びq 個のB2のアルキ
ル基の炭素総数は6〜36の範囲内であればよく、この炭
素総数が6未満では十分な耐熱性が得られず、36より大
きいとポリエステル樹脂に対する相溶性が低下し樹脂物
性に悪影響を与える。
【0014】A は炭素数2〜4のアルキレン基である
が、具体的にはエチレン、プロピレン、ブチレン基が挙
げられる。m ,n は上記範囲内において、任意に選ぶこ
とができるが、好ましくは m=n=1である。
が、具体的にはエチレン、プロピレン、ブチレン基が挙
げられる。m ,n は上記範囲内において、任意に選ぶこ
とができるが、好ましくは m=n=1である。
【0015】本発明の一般式(1) で表される化合物は、
公知の反応の組み合わせにより容易に得ることができ
る。例えば、下記反応式で示すように、一般式(2) で表
される化合物と、一般式(3) で表される化合物及び一般
式(4) で表される化合物との反応、一般式(5) で表され
る化合物と、一般式(6)で表される化合物及び一般式(7)
で表される化合物との反応、又は一般式(8) で表される
化合物と、一般式(9) で表される化合物及び一般式(10)
で表される化合物との反応などによって容易に合成する
ことができる。
公知の反応の組み合わせにより容易に得ることができ
る。例えば、下記反応式で示すように、一般式(2) で表
される化合物と、一般式(3) で表される化合物及び一般
式(4) で表される化合物との反応、一般式(5) で表され
る化合物と、一般式(6)で表される化合物及び一般式(7)
で表される化合物との反応、又は一般式(8) で表される
化合物と、一般式(9) で表される化合物及び一般式(10)
で表される化合物との反応などによって容易に合成する
ことができる。
【0016】
【化5】
【0017】(上記一連の式中、B1,B2,p, q,A, m,
n, k, X は前記の意味を示し、Y はCl, BrまたはIを示
す。) 一般式(1) で表される化合物の具体例を以下に示す。
n, k, X は前記の意味を示し、Y はCl, BrまたはIを示
す。) 一般式(1) で表される化合物の具体例を以下に示す。
【0018】
【化6】
【0019】本発明に係わるポリエステル樹脂として
は、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
ブチレンイソフタレートなどのアルキレングリコールと
芳香族ジカルボン酸より合成されるポリエステル、テレ
フタル酸と 1,4−シクロヘキサンジメタノールより得ら
れるポリエステル、ポリオキシエチレン(付加モル数
2)ビスフェノールAとマレイン酸、フタール酸、アジ
ピン酸などを縮合して得られるポリエステル、芳香族ジ
カルボン酸および芳香族ジヒドロキシ化合物および/ま
たは芳香族ヒドロキシカルボン酸を縮合して得られる全
芳香族ポリエステル、より具体的にはテレフタル酸とビ
スフェノールAの縮合物、イソフタル酸とハイドロキノ
ンとp−ヒドロキシ安息香酸の縮合物を挙げることがで
きる。これらの中で特に、エチレンテレフタレート、エ
チレンナフタレート又はブチレンテレフタレートを主た
る繰り返し単位とするポリエステル樹脂が好ましい。
は、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
ブチレンイソフタレートなどのアルキレングリコールと
芳香族ジカルボン酸より合成されるポリエステル、テレ
フタル酸と 1,4−シクロヘキサンジメタノールより得ら
れるポリエステル、ポリオキシエチレン(付加モル数
2)ビスフェノールAとマレイン酸、フタール酸、アジ
ピン酸などを縮合して得られるポリエステル、芳香族ジ
カルボン酸および芳香族ジヒドロキシ化合物および/ま
たは芳香族ヒドロキシカルボン酸を縮合して得られる全
芳香族ポリエステル、より具体的にはテレフタル酸とビ
スフェノールAの縮合物、イソフタル酸とハイドロキノ
ンとp−ヒドロキシ安息香酸の縮合物を挙げることがで
きる。これらの中で特に、エチレンテレフタレート、エ
チレンナフタレート又はブチレンテレフタレートを主た
る繰り返し単位とするポリエステル樹脂が好ましい。
【0020】これらのポリエステル樹脂には、必要によ
りスルホン化イソフタル酸ナトリウム、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチ
レン(付加モル数2)ビスフェノール類などの共重合モ
ノマーが改質モノマーとして含まれていても良いし、カ
ーボンブラック、有機または無機顔料、つや消し剤とし
ての酸化チタン、シリカ、更にリン系又はハロゲン系の
難燃剤などの改質剤を含んでいても良い。
りスルホン化イソフタル酸ナトリウム、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチ
レン(付加モル数2)ビスフェノール類などの共重合モ
ノマーが改質モノマーとして含まれていても良いし、カ
ーボンブラック、有機または無機顔料、つや消し剤とし
ての酸化チタン、シリカ、更にリン系又はハロゲン系の
難燃剤などの改質剤を含んでいても良い。
【0021】本発明の一般式(1) で表される化合物は、
その目的とする性能を発揮させる為には原料ポリエステ
ル樹脂 100部(重量基準、以下同じ)に対して、好まし
くは0.1から10部、さらに好ましくは 0.5から5部添加
するのが良い。添加量が 0.1部未満ではその効果が小さ
くなるし、10部を越えると樹脂物性に悪影響が現れる。
本発明に係わる一般式(1) で表される化合物を原料ポリ
エステル樹脂に添加する方法は、樹脂製造時或いは製造
後適当な工程で添加しても良いし、または、成形時に樹
脂ペレット又は溶融した樹脂に混合添加しても良い。さ
らには、高濃度のマスターチップを調製しておき、成形
時に一般式(1) で表される化合物を含まないポリエステ
ル樹脂とマスターチップを溶融混合しても良い。本発明
に係る一般式(1) で表される化合物はポリエステル樹脂
に均一に添加混合され、溶融紡糸時の高温にさらされて
も発煙したり、分解したりすることは殆どなく、耐熱性
に優れている。
その目的とする性能を発揮させる為には原料ポリエステ
ル樹脂 100部(重量基準、以下同じ)に対して、好まし
くは0.1から10部、さらに好ましくは 0.5から5部添加
するのが良い。添加量が 0.1部未満ではその効果が小さ
くなるし、10部を越えると樹脂物性に悪影響が現れる。
本発明に係わる一般式(1) で表される化合物を原料ポリ
エステル樹脂に添加する方法は、樹脂製造時或いは製造
後適当な工程で添加しても良いし、または、成形時に樹
脂ペレット又は溶融した樹脂に混合添加しても良い。さ
らには、高濃度のマスターチップを調製しておき、成形
時に一般式(1) で表される化合物を含まないポリエステ
ル樹脂とマスターチップを溶融混合しても良い。本発明
に係る一般式(1) で表される化合物はポリエステル樹脂
に均一に添加混合され、溶融紡糸時の高温にさらされて
も発煙したり、分解したりすることは殆どなく、耐熱性
に優れている。
【0022】本発明に係わる一般式(1) で表される化合
物を添加したポリエステル樹脂組成物からは高強度のポ
リエステル繊維、フィルム、およびボトル等の成形物を
得る事ができる。この理由は定かではないが、樹脂の溶
融粘度を下げ従来成形できなかった高粘度、高重合度の
ものが成形できることに加え、溶融押出し後の延伸過程
を円滑にし、より高配向の成形物を得る事ができること
によるものと推定される。
物を添加したポリエステル樹脂組成物からは高強度のポ
リエステル繊維、フィルム、およびボトル等の成形物を
得る事ができる。この理由は定かではないが、樹脂の溶
融粘度を下げ従来成形できなかった高粘度、高重合度の
ものが成形できることに加え、溶融押出し後の延伸過程
を円滑にし、より高配向の成形物を得る事ができること
によるものと推定される。
【0023】本発明に係わる一般式(1) で表される化合
物の類似化合物が、ポリエステル樹脂用改質剤として特
開昭58−93754 号公報に開示されている。しかしなが
ら、特開昭58−93754 号公報においては、結晶核剤を必
須成分とする比較的分子量の低いポリエチレンテレフタ
レート樹脂組成物に関するものであり、この樹脂組成物
は延伸を必要としない射出成形用途において、100 ℃付
近という比較的低温での金型成形を実現することを目的
としている。これに対して本発明の場合は、結晶核剤を
併用すると、繊維、フィルムの成形においては押出冷却
固化時、ボトルの成形においてはプレフォームの射出時
に樹脂の結晶化が促進され、後の延伸プロセスを損ない
本発明の目的とする高強度の成形品を得ることができな
い。また、これらの類似化合物は、比較的低温での成形
を目的としているため、本発明におけるような高温での
成形を強いられる樹脂の成形に対しては、耐熱性が十分
でなかった。
物の類似化合物が、ポリエステル樹脂用改質剤として特
開昭58−93754 号公報に開示されている。しかしなが
ら、特開昭58−93754 号公報においては、結晶核剤を必
須成分とする比較的分子量の低いポリエチレンテレフタ
レート樹脂組成物に関するものであり、この樹脂組成物
は延伸を必要としない射出成形用途において、100 ℃付
近という比較的低温での金型成形を実現することを目的
としている。これに対して本発明の場合は、結晶核剤を
併用すると、繊維、フィルムの成形においては押出冷却
固化時、ボトルの成形においてはプレフォームの射出時
に樹脂の結晶化が促進され、後の延伸プロセスを損ない
本発明の目的とする高強度の成形品を得ることができな
い。また、これらの類似化合物は、比較的低温での成形
を目的としているため、本発明におけるような高温での
成形を強いられる樹脂の成形に対しては、耐熱性が十分
でなかった。
【0024】尚、本発明のポリエステル樹脂組成物には
必要に応じて種々の添加剤、例えば着色剤、酸化安定
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃化剤等を配合する
ことができる。しかしながら、上述の如く結晶核剤の使
用は好ましくない。
必要に応じて種々の添加剤、例えば着色剤、酸化安定
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃化剤等を配合する
ことができる。しかしながら、上述の如く結晶核剤の使
用は好ましくない。
【0025】本発明の樹脂組成物は繊維、フィルム、ボ
トル以外の射出成形、押出成形や、ガラス繊維をブレン
ドした、強化樹脂の成形性向上にも有効である。次に本
発明のポリエステル樹脂組成物を用いた繊維、フィルム
及びボトルの製造方法について説明する。
トル以外の射出成形、押出成形や、ガラス繊維をブレン
ドした、強化樹脂の成形性向上にも有効である。次に本
発明のポリエステル樹脂組成物を用いた繊維、フィルム
及びボトルの製造方法について説明する。
【0026】〔1〕繊維 本発明のポリエステル繊維は上記の如き原料ポリエステ
ル樹脂及び本発明の改質剤である一般式(1) で表される
化合物を均一に混合し、溶融状態で紡糸し、冷却後延
伸、熱処理を施すことにより得られる。紡出された糸は
冷却後一旦未延伸糸として巻き取った後に予熱延伸し、
引き続き緊張下に熱処理してもよいし、紡出糸を巻き取
らずに引き取りローラーで引き取り、引き続き加熱ロー
ラー上で延伸、熱処理してもよい。延伸、熱処理は通常
のポリエステル繊維と変わることなく行うことができ
る。樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合、延伸時
の好ましい予熱温度は60〜100 ℃、熱処理の好ましい温
度は 150〜250 ℃である。高強力の繊維を得るための延
伸倍率は4倍以上にすることが望ましい。
ル樹脂及び本発明の改質剤である一般式(1) で表される
化合物を均一に混合し、溶融状態で紡糸し、冷却後延
伸、熱処理を施すことにより得られる。紡出された糸は
冷却後一旦未延伸糸として巻き取った後に予熱延伸し、
引き続き緊張下に熱処理してもよいし、紡出糸を巻き取
らずに引き取りローラーで引き取り、引き続き加熱ロー
ラー上で延伸、熱処理してもよい。延伸、熱処理は通常
のポリエステル繊維と変わることなく行うことができ
る。樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合、延伸時
の好ましい予熱温度は60〜100 ℃、熱処理の好ましい温
度は 150〜250 ℃である。高強力の繊維を得るための延
伸倍率は4倍以上にすることが望ましい。
【0027】高強度のポリエステル繊維を得るために
は、高重合度の樹脂を使う事が好ましい。例えば樹脂に
ポリエチレンテレフタレートを使用する場合、フェノー
ル/テトラクロロエタン(60/40、重量比)中、25℃の
極限粘度が 0.9以上であることが望ましい。ポリエステ
ル樹脂がスルホン化イソフタル酸Naを共重合したカチオ
ン可染ポリエステル樹脂の場合、通常のポリエチレンテ
レフタレート樹脂よりも溶融粘度が高く、延伸性も劣る
ため、強度の高い繊維が得られにくい。しかし、本発明
の改質剤を含むカチオン可染ポリエステル樹脂組成物よ
り上記の方法で紡糸延伸する事により従来になく高強度
のカチオン可染糸を得る事ができる。この場合カチオン
可染ポリエステル樹脂の極限粘度は 0.5以上である事が
好ましい。
は、高重合度の樹脂を使う事が好ましい。例えば樹脂に
ポリエチレンテレフタレートを使用する場合、フェノー
ル/テトラクロロエタン(60/40、重量比)中、25℃の
極限粘度が 0.9以上であることが望ましい。ポリエステ
ル樹脂がスルホン化イソフタル酸Naを共重合したカチオ
ン可染ポリエステル樹脂の場合、通常のポリエチレンテ
レフタレート樹脂よりも溶融粘度が高く、延伸性も劣る
ため、強度の高い繊維が得られにくい。しかし、本発明
の改質剤を含むカチオン可染ポリエステル樹脂組成物よ
り上記の方法で紡糸延伸する事により従来になく高強度
のカチオン可染糸を得る事ができる。この場合カチオン
可染ポリエステル樹脂の極限粘度は 0.5以上である事が
好ましい。
【0028】〔2〕フィルム 本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂及
び本発明の改質剤である一般式(1) で表される化合物を
均一に混合し溶融状態でTダイより押し出し、冷却後、
加熱下に同時又は逐次二軸延伸した後、熱処理して得ら
れる。例えば樹脂がポリエチレンテレフタレートの場
合、延伸時の好ましい予熱温度は60〜120℃、熱処理の
好ましい温度は 150〜250 ℃である。高強度のフィルム
を得るための好ましい延伸倍率は縦横方向とも 3.5倍以
上にすることが望ましい。
び本発明の改質剤である一般式(1) で表される化合物を
均一に混合し溶融状態でTダイより押し出し、冷却後、
加熱下に同時又は逐次二軸延伸した後、熱処理して得ら
れる。例えば樹脂がポリエチレンテレフタレートの場
合、延伸時の好ましい予熱温度は60〜120℃、熱処理の
好ましい温度は 150〜250 ℃である。高強度のフィルム
を得るための好ましい延伸倍率は縦横方向とも 3.5倍以
上にすることが望ましい。
【0029】〔3〕ボトル 本発明のポリエステルボトル容器の成形方法は、通常の
PET容器を製造する場合に用いられる二軸延伸ブロー
成形が好ましく、プリフォーム(予備成形体)を一旦取
り出してから別工程で延伸ブロー成形するコールドパリ
ソン法と呼ばれる方法と、プリフォームを作る工程と延
伸ブロー成形の工程が連続的であるホットパリソン法と
呼ばれる方法のいずれの方法も採用することができる。
本発明のポリエステルボトル容器を製造するにあたって
は、上記一般式(1) で表される化合物をポリエステル樹
脂に添加するだけでは効果は小さく、延伸ブロー成形し
てはじめて本発明の効果が達成されるものである。
PET容器を製造する場合に用いられる二軸延伸ブロー
成形が好ましく、プリフォーム(予備成形体)を一旦取
り出してから別工程で延伸ブロー成形するコールドパリ
ソン法と呼ばれる方法と、プリフォームを作る工程と延
伸ブロー成形の工程が連続的であるホットパリソン法と
呼ばれる方法のいずれの方法も採用することができる。
本発明のポリエステルボトル容器を製造するにあたって
は、上記一般式(1) で表される化合物をポリエステル樹
脂に添加するだけでは効果は小さく、延伸ブロー成形し
てはじめて本発明の効果が達成されるものである。
【0030】プリフォームと容器の延伸されない口部を
除く縦、横の寸法比から縦方向、横方向の延伸倍率を出
してそれぞれの積を面延伸倍率と定義した場合、本発明
では面延伸倍率を4倍以上にするのが好ましい。4倍未
満では上記一般式(1) で表される化合物を添加しない場
合と比較して強度アップの程度が小さい。本発明で強度
がアップするメカニズムについては明らかではないが、
上記一般式(1) で表される化合物を添加することでポリ
エステル樹脂が延伸時に配向しやすくなったものと考え
られる。また上記一般式(1) で表される化合物はポリエ
ステル樹脂の溶融粘度を低下させる性質もあり、プリフ
ォームを成形する射出工程の加工性がよくなり、生産性
が向上するという長所もある。
除く縦、横の寸法比から縦方向、横方向の延伸倍率を出
してそれぞれの積を面延伸倍率と定義した場合、本発明
では面延伸倍率を4倍以上にするのが好ましい。4倍未
満では上記一般式(1) で表される化合物を添加しない場
合と比較して強度アップの程度が小さい。本発明で強度
がアップするメカニズムについては明らかではないが、
上記一般式(1) で表される化合物を添加することでポリ
エステル樹脂が延伸時に配向しやすくなったものと考え
られる。また上記一般式(1) で表される化合物はポリエ
ステル樹脂の溶融粘度を低下させる性質もあり、プリフ
ォームを成形する射出工程の加工性がよくなり、生産性
が向上するという長所もある。
【0031】
【実施例】以下、合成例及び実施例をもって本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。 実施例1 ポリエチレンテレフタレート樹脂 100重量部に表1に示
す改質剤を5重量部の割合で添加後押出機にて溶融混合
し、得られたストランドを水冷後カッティングし試料と
した。この樹脂組成物の溶融粘度をフローテスターを用
い 280℃、荷重10kgf 、ダイ直径1.0mm 、長さ10mm、プ
ランジャー面積 1.0cm2 の条件で測定した。フローテス
ター測定後の試料をフェノール/テトラクロロエタン
(60/40、重量比)混合溶液に溶解し、25℃における極
限粘度〔η〕を測定した。尚、以下各実施例での〔η〕
はいずれもこの条件下における値を示す。〔η〕が添加
剤無添加のものと同じものは本質的に樹脂重合度の低下
がないといえる。これらの結果を表1に示す。
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。 実施例1 ポリエチレンテレフタレート樹脂 100重量部に表1に示
す改質剤を5重量部の割合で添加後押出機にて溶融混合
し、得られたストランドを水冷後カッティングし試料と
した。この樹脂組成物の溶融粘度をフローテスターを用
い 280℃、荷重10kgf 、ダイ直径1.0mm 、長さ10mm、プ
ランジャー面積 1.0cm2 の条件で測定した。フローテス
ター測定後の試料をフェノール/テトラクロロエタン
(60/40、重量比)混合溶液に溶解し、25℃における極
限粘度〔η〕を測定した。尚、以下各実施例での〔η〕
はいずれもこの条件下における値を示す。〔η〕が添加
剤無添加のものと同じものは本質的に樹脂重合度の低下
がないといえる。これらの結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】実施例2 樹脂をポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレン
ナフタレートに代え、また溶融粘度測定温度を表2の温
度条件とし、他は実施例1と同様にして溶融粘度および
極限粘度を測定した。これらの結果を表2に示す。
ナフタレートに代え、また溶融粘度測定温度を表2の温
度条件とし、他は実施例1と同様にして溶融粘度および
極限粘度を測定した。これらの結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】実施例3 ポリエチレンテレフタート樹脂 100重量部(極限粘度1.
2 )に表3に示す本発明改質剤又は比較改質剤を3重量
部添加し、押出機にて溶融混合し、直径0.4mm、48ホー
ルのノズルより85g/分の吐出量で押出した。押出温度
は310 ℃であった。紡糸糸を720m/分で巻き取り未延伸
糸を得た。得られた未延伸糸をローラー型延伸機にて予
熱温度90℃にて延伸した後、第2ローラー(温度120
℃)、延伸プレート(210 ℃)、第3ローラー(温度20
0 ℃)の間でさらに2倍に延伸し、第3ローラーにて熱
固定して巻き取った。
2 )に表3に示す本発明改質剤又は比較改質剤を3重量
部添加し、押出機にて溶融混合し、直径0.4mm、48ホー
ルのノズルより85g/分の吐出量で押出した。押出温度
は310 ℃であった。紡糸糸を720m/分で巻き取り未延伸
糸を得た。得られた未延伸糸をローラー型延伸機にて予
熱温度90℃にて延伸した後、第2ローラー(温度120
℃)、延伸プレート(210 ℃)、第3ローラー(温度20
0 ℃)の間でさらに2倍に延伸し、第3ローラーにて熱
固定して巻き取った。
【0036】得られた繊維中に含まれる本発明改質剤又
は比較改質剤の量を以下の方法により定量した。即ち、
繊維50mgをヘキサフロロイソプロパノール2mlに溶解
し、さらにクロロホルムを加え全量20mlとする。この液
を高速液体クロマトグラフィー(カラムWAKOSIL 5SIL,
直径4.6ml,長さ250mm )にて、以下の検出条件でクロロ
ホルムを溶離液として定量した。 検出条件…検出装置UV285nm 、流速1ml/分 本条件ではポリエステルは溶出されず、本発明改質剤又
は比較改質剤のみ定量できる。結果を表3にまとめて示
した。なお延伸倍率は最大延伸倍率の0.9 倍とした。表
3中の比較化合物及びは下記式で表される化合物で
ある。
は比較改質剤の量を以下の方法により定量した。即ち、
繊維50mgをヘキサフロロイソプロパノール2mlに溶解
し、さらにクロロホルムを加え全量20mlとする。この液
を高速液体クロマトグラフィー(カラムWAKOSIL 5SIL,
直径4.6ml,長さ250mm )にて、以下の検出条件でクロロ
ホルムを溶離液として定量した。 検出条件…検出装置UV285nm 、流速1ml/分 本条件ではポリエステルは溶出されず、本発明改質剤又
は比較改質剤のみ定量できる。結果を表3にまとめて示
した。なお延伸倍率は最大延伸倍率の0.9 倍とした。表
3中の比較化合物及びは下記式で表される化合物で
ある。
【0037】
【化7】
【0038】
【表3】
【0039】表3から明らかなように、本発明改質剤の
添加により紡糸が円滑になり、比較改質剤のように紡糸
時の発煙がなく、本発明改質剤は糸中に実質的にすべて
残存し、延伸倍率が上がり最終的に得られた延伸糸は改
質剤無添加又は比較改質剤添加時より高強度になる。
添加により紡糸が円滑になり、比較改質剤のように紡糸
時の発煙がなく、本発明改質剤は糸中に実質的にすべて
残存し、延伸倍率が上がり最終的に得られた延伸糸は改
質剤無添加又は比較改質剤添加時より高強度になる。
【0040】実施例4 ポリエチレンテレフタレート樹脂100 重量部(極限粘度
1.2 )に表4に示す本発明改質剤又は比較改質剤を1〜
3重量部添加し、押出機にて溶融混合して、温度300 ℃
で巾 0.3mm、長さ10cmのTダイより押し出し、冷却ドラ
ムに巻き付けて冷却固化し未延伸フィルムを得た。この
未延伸フィルムを温度90℃で縦横同一倍率で最大延伸倍
率の0.9 倍に同時2軸延伸し、さらに温度210 ℃で熱固
定した。得られたフィルムの応力−歪曲線をASTM D-882
に従い測定した。また得られたフィルム中に含まれる改
質剤の量を実施例3の方法に準じて定量した。結果を表
4にまとめて示した。
1.2 )に表4に示す本発明改質剤又は比較改質剤を1〜
3重量部添加し、押出機にて溶融混合して、温度300 ℃
で巾 0.3mm、長さ10cmのTダイより押し出し、冷却ドラ
ムに巻き付けて冷却固化し未延伸フィルムを得た。この
未延伸フィルムを温度90℃で縦横同一倍率で最大延伸倍
率の0.9 倍に同時2軸延伸し、さらに温度210 ℃で熱固
定した。得られたフィルムの応力−歪曲線をASTM D-882
に従い測定した。また得られたフィルム中に含まれる改
質剤の量を実施例3の方法に準じて定量した。結果を表
4にまとめて示した。
【0041】
【表4】
【0042】実施例5 表5に示す本発明改質剤又は比較改質剤を用い、樹脂を
ポリエチレンナフタレート (極限粘度0.9)に代え、押出
温度310 ℃、押出圧力を表5に示す圧力とし、また延伸
温度を130 ℃、熱固定温度を240 ℃とする以外は実施例
4と同様に実験を行った。結果を表5にまとめて示し
た。
ポリエチレンナフタレート (極限粘度0.9)に代え、押出
温度310 ℃、押出圧力を表5に示す圧力とし、また延伸
温度を130 ℃、熱固定温度を240 ℃とする以外は実施例
4と同様に実験を行った。結果を表5にまとめて示し
た。
【0043】
【表5】
【0044】実施例6 表6に示す本発明改質剤又は比較改質剤を用い、樹脂を
ポリブチレンテレフタレート(極限粘度1.2 ) に代え、
押出温度290 ℃、押出圧力を表6に示す圧力とし、延伸
温度90℃、熱固定温度を190 ℃とする以外は実施例4と
同様に実験を行った。結果を表6にまとめて示した。
ポリブチレンテレフタレート(極限粘度1.2 ) に代え、
押出温度290 ℃、押出圧力を表6に示す圧力とし、延伸
温度90℃、熱固定温度を190 ℃とする以外は実施例4と
同様に実験を行った。結果を表6にまとめて示した。
【0045】
【表6】
【0046】実施例4〜6に示されるように、本発明の
樹脂組成物は耐熱性に優れているので押出時の発煙もな
く、押出圧力を低下させ、なおかつ延伸倍率を上げる事
ができ、得られたフィルムの強度も高くなる。従って磁
気テープ等の薄膜化が可能となる。
樹脂組成物は耐熱性に優れているので押出時の発煙もな
く、押出圧力を低下させ、なおかつ延伸倍率を上げる事
ができ、得られたフィルムの強度も高くなる。従って磁
気テープ等の薄膜化が可能となる。
【0047】実施例7 ポリエチレンテレフタレート樹脂 100重量部(極限粘度
1.2 )に、本発明改質剤又は比較改質剤を表7に示す量
添加して、押出機にて溶融混合して口部を除いた部分が
外径20mm、長さ85mm、重量23g のプリフォーム(予備成
形体)を射出成形で成形した。その時の成形条件はシリ
ンダー温度の設定値を 290℃、金型の設定温度を20℃と
した。引き続き 110℃にて二軸延伸ブロー成形を行い、
容量1リットル、胴部の直径90mm、口部を除く高さ160m
m 、口部の直径20mmの円筒容器を成形した。この容器の
延伸倍率は縦方向 1.9倍、横方向 4.5倍、面延伸倍率が
8.6倍である。また、成形機にはホットパリソン方式日
精エー・エス・ビー機械(株)製射出ブロー成形機を用
いた。
1.2 )に、本発明改質剤又は比較改質剤を表7に示す量
添加して、押出機にて溶融混合して口部を除いた部分が
外径20mm、長さ85mm、重量23g のプリフォーム(予備成
形体)を射出成形で成形した。その時の成形条件はシリ
ンダー温度の設定値を 290℃、金型の設定温度を20℃と
した。引き続き 110℃にて二軸延伸ブロー成形を行い、
容量1リットル、胴部の直径90mm、口部を除く高さ160m
m 、口部の直径20mmの円筒容器を成形した。この容器の
延伸倍率は縦方向 1.9倍、横方向 4.5倍、面延伸倍率が
8.6倍である。また、成形機にはホットパリソン方式日
精エー・エス・ビー機械(株)製射出ブロー成形機を用
いた。
【0048】得られた容器を用いて、下記方法で落下強
度、引張強度を測定した。結果を表7に示した。 <試験方法> ・落下強度 容器に水を満たし、キャップで栓をした後、1mの高さ
からコンクリート面に自然落下させた。10本の容器を最
高10回落下させ、2本(20%)が割れた回数で評価し
た。 ・引張強度 容器を切り開いて、ダンベル3号で試験片を作った。オ
リエンテック社製、テンシロンUCT−100 を用い、一
定速度10mm/min で引っ張りながら応力を測定し、破断
点応力及び弾性率を求めた。
度、引張強度を測定した。結果を表7に示した。 <試験方法> ・落下強度 容器に水を満たし、キャップで栓をした後、1mの高さ
からコンクリート面に自然落下させた。10本の容器を最
高10回落下させ、2本(20%)が割れた回数で評価し
た。 ・引張強度 容器を切り開いて、ダンベル3号で試験片を作った。オ
リエンテック社製、テンシロンUCT−100 を用い、一
定速度10mm/min で引っ張りながら応力を測定し、破断
点応力及び弾性率を求めた。
【0049】
【表7】
【0050】表7から明らかなように、本発明の樹脂組
成物は耐熱性に優れているので射出時の発煙もなく、得
られた容器(ボトル)の強度を上げることができ、高強
度肉薄ボトルの製造を可能にした。
成物は耐熱性に優れているので射出時の発煙もなく、得
られた容器(ボトル)の強度を上げることができ、高強
度肉薄ボトルの製造を可能にした。
【0051】実施例8 表8に示す本発明改質剤3重量部を、ポリエチレンテレ
フタレート(J−125、三井ペット樹脂(株)製)チッ
プの粉砕物100 重量部に加え、140 ℃、2mmHgの条件で
10時間乾燥した。次いでこの混合物を二軸溶融押出機に
て、均一混練しチップ化した。このチップを前記の条件
で乾燥し、通常の単軸紡糸装置を用いて290 ℃で紡糸
し、次いで、巻き取られた未延伸糸を最終的に得られる
延伸糸の伸度が約30%になる延伸倍率で、80℃で延伸
し、180 ℃で熱固定し繊維を得た。この繊維から靴下編
地(一口筒編地)を編成し、以下の条件で染色し、水洗
後、還元洗浄、風乾した。
フタレート(J−125、三井ペット樹脂(株)製)チッ
プの粉砕物100 重量部に加え、140 ℃、2mmHgの条件で
10時間乾燥した。次いでこの混合物を二軸溶融押出機に
て、均一混練しチップ化した。このチップを前記の条件
で乾燥し、通常の単軸紡糸装置を用いて290 ℃で紡糸
し、次いで、巻き取られた未延伸糸を最終的に得られる
延伸糸の伸度が約30%になる延伸倍率で、80℃で延伸
し、180 ℃で熱固定し繊維を得た。この繊維から靴下編
地(一口筒編地)を編成し、以下の条件で染色し、水洗
後、還元洗浄、風乾した。
【0052】〔染色条件〕 染 料 :Foron Navy S−2GL gran 、200 % (San
doz(株)製) 染色濃度:5% o.w.f 染色助剤:レベノールTD−550(花王(株)製) 染色助剤濃度:1g/リットル 染色浴pH:4.5 染色浴比:1/20 染色温度、時間: 130℃、30分 〔還元洗浄〕 ハイドロサルファイト:2g/リットル 苛性ソーダ:1g/リットル 洗浄温度、時間:80℃、10分 浴 比:1/30。
doz(株)製) 染色濃度:5% o.w.f 染色助剤:レベノールTD−550(花王(株)製) 染色助剤濃度:1g/リットル 染色浴pH:4.5 染色浴比:1/20 染色温度、時間: 130℃、30分 〔還元洗浄〕 ハイドロサルファイト:2g/リットル 苛性ソーダ:1g/リットル 洗浄温度、時間:80℃、10分 浴 比:1/30。
【0053】次いで、分光白色度計ERP−80WX(東
京電色株式会社製)にてL値(%)、b値を測定後、
乾、湿の摩擦堅牢度を(JIS L 0849)に従い測定し、こ
れら諸物性値を表8に示した。また、カーボンアーク燈
光に対する染色堅牢度試験を以下の方法で行った。即
ち、染色堅牢度はJIS L 0842に従い、サンシャインスー
パーロングライフウェザーメーター(スガ試験機
(株))を使用し、カーボンアーク法で63℃、40時間行
い、同時に露光したブルースケールにより等級を判定し
た。その結果を表8に示した。
京電色株式会社製)にてL値(%)、b値を測定後、
乾、湿の摩擦堅牢度を(JIS L 0849)に従い測定し、こ
れら諸物性値を表8に示した。また、カーボンアーク燈
光に対する染色堅牢度試験を以下の方法で行った。即
ち、染色堅牢度はJIS L 0842に従い、サンシャインスー
パーロングライフウェザーメーター(スガ試験機
(株))を使用し、カーボンアーク法で63℃、40時間行
い、同時に露光したブルースケールにより等級を判定し
た。その結果を表8に示した。
【0054】比較例1 本発明改質剤を添加せずに実施例8と同様に靴下編地を
編成し、同様の試験を行った。その結果を表8に示し
た。
編成し、同様の試験を行った。その結果を表8に示し
た。
【0055】比較例2 比較例1で得られた靴下編地を染色する際、染色液にキ
ャリヤー、o−フェニルフェノールをノニオン活性剤
(エマルゲン913 ;花王(株)製)で乳化したものを添
加し、o−フェニルフェノールが10% o.w.fになるよう
にした。100 ℃、60分で染色、還元洗浄後、風乾し、さ
らに180 ℃、2分でキャリヤーの一般的条件として熱処
理し、キャリヤーを除去し、実施例8と同様に各種測定
を行い、表8に結果を示した。
ャリヤー、o−フェニルフェノールをノニオン活性剤
(エマルゲン913 ;花王(株)製)で乳化したものを添
加し、o−フェニルフェノールが10% o.w.fになるよう
にした。100 ℃、60分で染色、還元洗浄後、風乾し、さ
らに180 ℃、2分でキャリヤーの一般的条件として熱処
理し、キャリヤーを除去し、実施例8と同様に各種測定
を行い、表8に結果を示した。
【0056】
【表8】
【0057】表8から明らかなように、本発明改質剤を
添加したものは、すべて深みのある紺色に染まったが、
添加しない場合(比較例1)はやや淡色に染まった。ま
た、従来より行われているキャリヤー染色(比較例2)
では本発明改質剤同様濃色に染まったが、染色後、熱処
理を必要とし、尚かつ、耐光堅牢度は低下した。
添加したものは、すべて深みのある紺色に染まったが、
添加しない場合(比較例1)はやや淡色に染まった。ま
た、従来より行われているキャリヤー染色(比較例2)
では本発明改質剤同様濃色に染まったが、染色後、熱処
理を必要とし、尚かつ、耐光堅牢度は低下した。
【0058】
【発明の効果】以上、実施例に示した様に一般式(1) で
示される化合物を含有するポリエステル樹脂組成物は、
繊維、フィルム、ボトル等の成形品において優れた耐熱
性や強度及び染色性を有する。
示される化合物を含有するポリエステル樹脂組成物は、
繊維、フィルム、ボトル等の成形品において優れた耐熱
性や強度及び染色性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/92 H 7199−3B
Claims (8)
- 【請求項1】 一般式(1) で表される化合物よりなるポ
リエステル樹脂用改質剤。 【化1】 (式中、B1,B2は炭素数1〜18の直鎖又は分岐のアルキ
ル基、p ,q は1以上の整数で p+q は2〜6の範囲で
あり、尚かつ、p 個のB1及びq 個のB2のアルキル基の炭
素総数は6〜36の範囲である。A は炭素数2〜4のアル
キレン基、m ,nは1以上の整数で2≦ m+n ≦4であ
る。k は0または1、X は 【化2】 尚ここで、R1,R2はH または炭素数4以下のアルキル基
である。) - 【請求項2】 ポリエステル樹脂と、請求項1記載の一
般式(1) で表される化合物を含有することを特徴とする
ポリエステル樹脂組成物。 - 【請求項3】 ポリエステル樹脂が、エチレンテレフタ
レート、エチレンナフタレート又はブチレンテレフタレ
ートを主たる繰り返し単位とするポリエステル樹脂であ
る請求項2記載のポリエステル樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項2記載のポリエステル樹脂組成物
を成形して得られるポリエステル樹脂成形品。 - 【請求項5】 請求項2記載のポリエステル樹脂組成物
を延伸工程を伴うプロセスで成形して得られるポリエス
テル樹脂成形品。 - 【請求項6】 請求項2記載のポリエステル樹脂組成物
を紡糸して得られるポリエステル繊維。 - 【請求項7】 請求項2記載のポリエステル樹脂組成物
をフィルム成形して得られるポリエステルフィルム。 - 【請求項8】 請求項2記載のポリエステル樹脂組成物
をボトル成形して得られるポリエステルボトル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25161793A JPH07102152A (ja) | 1993-10-07 | 1993-10-07 | ポリエステル樹脂用改質剤、ポリエステル樹脂組成物およびポリエステル樹脂成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25161793A JPH07102152A (ja) | 1993-10-07 | 1993-10-07 | ポリエステル樹脂用改質剤、ポリエステル樹脂組成物およびポリエステル樹脂成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07102152A true JPH07102152A (ja) | 1995-04-18 |
Family
ID=17225495
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25161793A Pending JPH07102152A (ja) | 1993-10-07 | 1993-10-07 | ポリエステル樹脂用改質剤、ポリエステル樹脂組成物およびポリエステル樹脂成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07102152A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019155927A (ja) * | 2019-06-26 | 2019-09-19 | 大日本印刷株式会社 | ポリエステル樹脂組成物の積層体 |
-
1993
- 1993-10-07 JP JP25161793A patent/JPH07102152A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019155927A (ja) * | 2019-06-26 | 2019-09-19 | 大日本印刷株式会社 | ポリエステル樹脂組成物の積層体 |
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