JPH0665481A - ポリエステル樹脂用改質剤、ポリエステル樹脂組成物およびポリエステル樹脂成形品 - Google Patents

ポリエステル樹脂用改質剤、ポリエステル樹脂組成物およびポリエステル樹脂成形品

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JPH0665481A
JPH0665481A JP22020192A JP22020192A JPH0665481A JP H0665481 A JPH0665481 A JP H0665481A JP 22020192 A JP22020192 A JP 22020192A JP 22020192 A JP22020192 A JP 22020192A JP H0665481 A JPH0665481 A JP H0665481A
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JP
Japan
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polyester resin
formula
polyester
molding
resin composition
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Application number
JP22020192A
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English (en)
Inventor
Yasuo Ishii
保夫 石井
Akito Itoi
昭人 井樋
Isao Nishi
勲 西
Akira Takenaka
晃 武中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Publication of JPH0665481A publication Critical patent/JPH0665481A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 成形が容易で高温での成形時にトラブルがな
く、かつ延伸性が良好で強度特性に優れたポリエステル
樹脂成形品の製造を可能にする、ポリエステル樹脂用改
質剤を提供する。 【構成】 一般式(1) 又は(2) で表される化合物よりな
るポリエステル樹脂用改質剤。 〔式中、X1、X2、X3は直接結合手、又は−O−、−S−、
−SO−、−CO−、−SO2−、−P(=O)R5−、−CR6R7−(R
5〜R7は炭化水素基) の中のいずれかで、(1) 式のX1、X2、(2) 式のX1、X2
X3のうち少なくとも1つは−SO−、−CO−、−SO2−、
−P(=O)R5−より選ばれる。R1〜R4は炭素数9以上のア
ルキル基又は炭素数8以上のアルコキシ基。p, q, r, s
は0又は1以上の整数で、かつ(1) 式において p+q+r
は1以上の整数、(2) 式において p+q+r+sは1以上
の整数である。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定のポリエステル樹脂
改質剤、その改質剤を含む成形性に優れたポリエステル
樹脂組成物、および該ポリエステル樹脂組成物より得ら
れる強度特性に優れた繊維、フィルム、ボトル等の成形
品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
や全芳香族ポリエステルなどのポリエステル樹脂は、繊
維、フィルム、ボトル容器等の成形品に使われてきた。
これらの成形品の強度を上げることは、省資源・省エネ
ルギーの観点から、要求が大きい。例えば高強力ポリエ
ステルフィラメントはタイヤコードとして広く使用され
ているが、ポリエステルタイヤコードの高強度化は、タ
イヤにおけるコード使用量の低減のみならず自動車の燃
費向上にも役立つ。
【0003】ポリエチレンナフタレートや全芳香族ポリ
エステルはその優れた耐熱性故に熱に対して変形しにく
いという性質があり、なおかつその優れた強度特性のた
め磁気テープ等のフィルム材料として有望であるが、更
に強度を上げる事により薄膜化が可能で、小型軽量な磁
気記録テープを作る事ができる。ポリエステル樹脂の代
表であるポリエチレンテレフタレート(PET)は、通
常二軸延伸ブロー成形という方法で容器成形され、透明
性、力学的強度が優れ、ガスバリヤー性も比較的良好な
容器素材として広く用いられている。
【0004】一方、近年、環境問題がクローズアップさ
れ、環境に優しい材料の使用、省資源、省エネルギー、
リサイクル等がさかんに叫ばれている。省資源の点から
少しでも樹脂量を減らし、肉薄な容器の開発が望まれ
る。しかし、PETの樹脂量を極端に減らすと強度的に
は不十分であり、高強度化をはかる必要がある。高強度
化をはかる方法の1つとしては分子量を上げることが考
えられるが、分子量をあげるだけでは効果が不十分な上
に溶融粘度が高くなり、成形しにくくなり、更に分子の
からみ合いにより延伸効果が不十分になるため、高強度
化を十分に達する事が出来なかった。
【0005】上記の理由によりポリエステルの溶融粘度
を下げ、なおかつ延伸を容易にする改質剤が要望されて
きた。このような改質剤は、繊維用途においては、高強
力ポリエステルフィラメントのみならず、従来強度が十
分でなかった衣料用カチオン可染ポリエステルフィラメ
ントの高強度化や、短繊維の紡糸円滑化および、高速紡
糸プロセスの生産向上にも有用である。これらの問題を
解決するために、滑剤の添加が考えられたが、例えばエ
チレンビスステアリン酸アミド、ステアリン酸、ステア
リルアルコール等を樹脂に添加すると、溶融粘度が下が
るが、同時に樹脂の重合度も低下させることがわかって
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、ポリエステル樹脂の重合度を本質的に低下
させないで、溶融粘度を低下させ成形を容易にし、高温
での成形時に発煙等のトラブルがなく、かつ延伸性が良
好で強度特性に優れた繊維、フィルム、ボトル等の成形
品の製造を可能にする、ポリエステル樹脂用改質剤、お
よび該樹脂改質剤を含むポリエステル樹脂組成物、さら
には該ポリエステル樹脂組成物より得られる高強度の成
形物を得る事にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究の結果、特定の化合物がポリエステ
ル樹脂用改質剤としてその性能に優れ、この改質剤を含
むポリエステル樹脂組成物が上記の課題に対し優れた効
果を発揮する事を見出し本発明を完成するに至った。即
ち、本発明は、下記一般式(1) 又は(2) で表される化合
物よりなるポリエステル樹脂改質剤を提供するものであ
る。
【0008】
【化4】
【0009】〔式中、X1、X2、X3はそれぞれ、直接結合
手、又は−O−、−S−、−SO−、−CO−、−SO2−、
【0010】
【化5】
【0011】の中のいずれかであり、(1) 式のX1、X2
(2) 式のX1、X2、X3のうち少なくとも1つは−SO−、−
CO−、−SO2−、
【0012】
【化6】
【0013】より選ばれたものである。R1、R2、R3、R4
はそれぞれ炭素数9以上のアルキル基又は炭素数8以上
のアルコキシ基である。p, q, r, sはそれぞれ0又は1
以上の整数で、かつ(1) 式において p+q+rは1以上の
整数、(2) 式において p+q+r+s は1以上の整数であ
る。〕また本発明は、ポリエステル樹脂と、前記一般式
(1) 又は(2) で表される化合物を含有することを特徴と
するポリエステル樹脂組成物、及び該ポリエステル樹脂
組成物を成形して得られるポリエステル樹脂成形品、特
に延伸工程を伴うプロセスで、紡糸、フィルム成形、ボ
トル成形等の成形を行って得られる繊維、フィルム、ボ
トル等の成形品を提供するものである。
【0014】本発明に係わる一般式(1) 又は(2) で表さ
れる化合物において、X1、X2、X3は上記の範囲内におい
て任意に選ぶ事ができる。(1) 式のX1、X2、(2) 式の
X1、X2、X3のうち少なくとも1つは−SO−、−CO−、−S
O2−、
【0015】
【化7】
【0016】より選ばれたものでなければならないが、
これは、樹脂との相溶性を確保するために必要である。
これらの中で耐候性の面から特に好ましい連結基は−SO
2 −である。残りの連結基で耐候性の面から特に好まし
いものは−O−、−S−、
【0017】
【化8】
【0018】具体的にはメチル基、エチル基、ブチル基
などのアルキル基や、フェニル基、トルイル基などのア
リール基である。R6、R7は一緒になって環を形成してい
ても良く、このような
【0019】
【化9】
【0020】等をあげる事ができる。本発明に係わる一
般式(1) 又は(2) で表される化合物において、R1、R2
R3、R4は上記範囲内で任意に選ぶ事ができる。R1、R2
R3、R4の炭素数が上記範囲より小さな時は、揮発しやす
かったり、溶融粘度の低下が不十分であったり、延伸性
向上効果が小さくなる。R1、R2、R3、R4の炭素数の好ま
しい範囲はアルキル基では9〜22、アルコキシ基では8
〜22、特に好ましくはアルキル基では11〜18、アルコキ
シ基では10〜18である。R1、R2、R3、R4の炭素数が大き
すぎるとポリエステル樹脂との相溶性が悪くなる場合が
ある。R1、R2、R3、R4の具体例としては、n−デシル
基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−オクタ
デシル基等のn−アルキル基、 sec−デシル基、 sec−
ドデシル基、 sec−オクタデシル基等の sec−アルキル
基、プロピレントリマー、プロピレンテトラマー、イソ
ブチレントリマー等のα−オレフィンをフリーデルクラ
フト(Friedel Craft) アルキル化して得られる分岐アル
キル基、2−ブチルオクチル基、2−ヘキシルデシル基
等の分岐アルキル基、n−オクチルオキシ基、n−ドデ
シルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基等の直鎖アル
コキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、2−ブチルオ
クチルオキシ基、2−ヘキシルデシルオキシ基、メチル
分岐オクタデシルオキシ基等の分岐アルコキシ基等をあ
げる事ができる。
【0021】上記(1) 及び(2) 式において、p, q, r, s
はそれぞれ0又は1以上の整数で、かつ(1) 式において
p+q+r は1以上の整数であるが、特に好ましくは1以
上3以下である。(2) 式において p+q+r+s は1以上
の整数であるが、特に好ましくは1以上3以下である。
p+q+r 又は p+q+r+s が3を越える場合樹脂との相
溶性が悪くなる場合がある。
【0022】本発明に係わる一般式(1) 又は(2) で表さ
れる化合物は、公知の反応の組合せにより容易に得る事
ができる。芳香核の連結方法については、高分子学会編
集「エンジニアリングプラスチックス」(共立出版、19
87年発行), 第8章、9章、11章にまとめられている。
より具体的に以下に合成方法の例を列挙する。合成方法1 X1=−SO2−、X2=−O− 、X3=−SO2−の式(2) で表
される化合物は下記の反応で合成できる。
【0023】
【化10】
【0024】(Rは炭素数9以上のアルキル基又は炭素数
8以上のアルコキシ基である。)合成方法2 X1=X3=−O− 、X2=−SO2−、−CO−、−SO−又は
【0025】
【化11】
【0026】の式(2) で表される化合物は下記の芳香核
置換反応により合成できる。
【0027】
【化12】
【0028】( X は F又はCl、R は炭素数9以上のアル
キル基又は炭素数8以上のアルコキシ基である。)合成方法3 X1=X3=−CO−、X2=−SO2−又は直接結合手の式(2)
で表される化合物は下記の反応で合成できる。
【0029】
【化13】
【0030】(Rは炭素数9以上のアルキル基又は炭素数
8以上のアルコキシ基である。)合成方法4 X1=−SO2−、X2=−O−、−S−
【0031】
【化14】
【0032】又は直接結合手の式(1) で表される化合物
は、下記の反応で合成できる。
【0033】
【化15】
【0034】(Rは炭素数9以上のアルキル基又は炭素数
8以上のアルコキシ基である。)合成方法5 X1=−CO−、X2=−O−、
【0035】
【化16】
【0036】−S−、又は直接結合手の式(1) で表され
る化合物は下記の反応で合成できる。
【0037】
【化17】
【0038】(Rは炭素数9以上のアルキル基又は炭素数
8以上のアルコキシ基である。)合成方法6 X1=−O− 、X2=−SO2−、−CO−、−SO−、又は
【0039】
【化18】
【0040】の式(1) で表される化合物は下記の反応で
合成できる。
【0041】
【化19】
【0042】(Rは炭素数9以上のアルキル基又は炭素数
8以上のアルコキシ基である。)これらの化合物にさら
にアルキル基を導入する場合には、フリーデルクラフト
アルキル化反応によって容易にアルキル化する事ができ
る。
【0043】本発明に係わるポリエステル樹脂として
は、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
ブチレンイソフタレートなどのアルキレングリコールと
芳香族ジカルボン酸より合成されるポリエステル、テレ
フタル酸と 1,4−シクロヘキサンジメタノールより得ら
れるポリエステル、ポリオキシエチレン(付加モル数
2)ビスフェノールAとマレイン酸、フタール酸、アジ
ピン酸などを縮合して得られるポリエステル、芳香族ジ
カルボン酸および芳香族ジヒドロキシ化合物および/ま
たは芳香族ヒドロキシカルボン酸を縮合して得られる全
芳香族ポリエステル、より具体的にはテレフタル酸とビ
スフェノールAの縮合物、イソフタル酸とハイドロキル
p−ヒドロキシ安息香酸の縮合物を挙げることができ
る。これらの中で特に、エチレンテレフタレート、エチ
レンナフタレート又はブチレンテレフタレートを主たる
繰り返し単位とするポリエステル樹脂が好ましい。
【0044】これらのポリエステル樹脂には、必要によ
りスルホン化イソフタル酸ナトリウム、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチ
レン(付加モル数2)ビスフェノール類などの共重合モ
ノマーが改質モノマーとして含まれていても良いし、カ
ーボンブラック、有機または無機顔料、つや消し剤とし
ての酸化チタン、シリカ、更にリン系又はハロゲン系の
難燃剤などの改質剤を含んでいても良い。
【0045】本発明の式(1) 又は(2) で表される化合物
は、その目的とする性能を発揮させる為には原料ポリエ
ステル樹脂 100部(重量基準、以下同じ)に対して、好
ましくは 0.1から10部、さらに好ましくは 0.5から5部
添加するのが良い。添加量が0.1部未満ではその効果が
小さくなるし、10部を越えると樹脂物性に悪影響が現れ
る。本発明に係わる式(1) 又は(2) で表される化合物を
原料ポリエステル樹脂に添加する方法は、樹脂製造時或
いは製造後適当な工程で添加しても良いし、または、成
形時に樹脂ペレット又は溶融した樹脂に混合添加しても
良い。さらには、高濃度のマスターチップを調製してお
き、成形時に式(1) 又は(2)で表される化合物を含まな
いポリエステル樹脂とマスターチップを溶融混合しても
良い。本発明に係る式(1) 又は(2) で表される化合物は
ポリエステル樹脂に均一に添加混合され、溶融紡糸時の
高温にさらされても発煙したり、分解したりすることは
殆どなく、耐熱性に優れている。
【0046】本発明に係わる式(1) 又は(2) で表される
化合物を添加したポリエステル樹脂組成物からは高強度
のポリエステル繊維、フィルム、およびボトル等の成形
物を得る事ができる。この理由は定かではないが、樹脂
の溶融粘度を下げ従来成形できなった高粘度、高重合度
のものが成形できることに加え、溶融押出し後の延伸過
程を円滑にし、より高配向の成形物を得る事ができるこ
とによるものと推定される。本発明の樹脂組成物は繊
維、フィルム、ボトル以外の射出成形、押し出し成形
や、ガラス繊維をブレンドした、強化樹脂の成形性向上
にも有効である。
【0047】次に本発明のポリエステル樹脂組成物を用
いた繊維、フィルム及びボトルの製造方法について説明
する。 〔1〕繊維 本発明のポリエステル繊維は上記の如き原料ポリエステ
ル樹脂及び本発明の改質剤である式(1) 又は(2) で表さ
れる化合物を均一に混合し、溶融状態で紡糸し、冷却後
延伸、熱処理を施すことにより得られる。紡出された糸
は冷却後一旦未延伸糸として巻き取った後に予熱延伸
し、引き続き緊張下に熱処理してもよいし、紡出糸を巻
き取らずに引き取りローラーで引き取り、引き続き加熱
ローラー上で延伸、熱処理してもよい。延伸、熱処理は
通常のポリエステル繊維と変わることなく行うことがで
きる。樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合、延伸
時の好ましい予熱温度は60〜100 ℃、熱処理の好ましい
温度は 150〜250 ℃である。高強力の繊維を得るための
延伸倍率は4倍以上にすることが望ましい。
【0048】高強度のポリエステル繊維を得るために
は、高重合度の樹脂を使う事が好ましい。例えば樹脂に
ポリエチレンテレフタレートを使用する場合、フェノー
ル/テトラクロロエタン(60/40、重量比)中、25℃の
極限粘度が 0.9以上であることが望ましい。ポリエステ
ル樹脂がスルホン化イソフタル酸Naを共重合したカチオ
ン可染ポリエステル樹脂の場合、通常のポリエチレンテ
レフタレート樹脂よりも溶融粘度が高く、延伸性も劣る
ため、強度の高い繊維が得られにくい。しかし、本発明
の改質剤を含むカチオン可染ポリエステル樹脂組成物よ
り上記の方法で紡糸延伸する事により従来になく高強度
のカチオン可染糸を得る事ができる。この場合カチオン
可染ポリエステル樹脂の極限粘度は 0.5以上である事が
好ましい。
【0049】〔2〕フィルム 本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステル樹脂及
び本発明の改質剤である式(1) 又は(2) で表される化合
物を均一に混合し溶融状態でTダイより押し出し、冷却
後、加熱下に同時又は逐次二軸延伸した後、熱処理して
得られる。例えば樹脂がポリエチレンテレフタレートの
場合、延伸時の好ましい予熱温度は60〜120 ℃、熱処理
の好ましい温度は 150〜250 ℃である。高強度のフィル
ムを得るための好ましい延伸倍率は縦横方向とも 3.5倍
以上にすることが望ましい。
【0050】〔3〕ボトル 本発明のポリエステルボトル容器の成形方法は、通常の
PET容器を製造する場合に用いられる二軸延伸ブロー
成形が好ましく、プリフォーム(予備成形体)を一旦取
り出してから別工程で延伸ブロー成形するコールドパリ
ソン法と呼ばれる方法と、プリフォームを作る工程と延
伸ブロー成形の工程が連続的であるホットパリソン法と
呼ばれる方法のいずれの方法も採用することができる。
本発明のポリエステルボトル容器を製造するにあたって
は、上記一般式(1) 又は(2) で表される化合物をポリエ
ステル樹脂に添加するだけでは効果は小さく、延伸ブロ
ー成形してはじめて本発明の効果が達成されるものであ
る。
【0051】プリフォームと容器の延伸されない口部を
除く縦、横の寸法比から縦方向、横方向の延伸倍率を出
してそれぞれの積を面延伸倍率と定義した場合、本発明
では面延伸倍率を4倍以上にするのが好ましい。4倍未
満では上記一般式(1) 又は(2) で表される化合物を添加
しない場合と比較して強度アップの程度が小さい。本発
明で強度がアップするメカニズムについては明らかでは
ないが、上記一般式(1) 又は(2) で表される化合物を添
加することでポリエステル樹脂が延伸時に配向しやすく
なったものと考えられる。また上記一般式(1) 又は(2)
で表される化合物はポリエステル樹脂の溶融粘度を低下
させる性質もあり、プリフォームを成形する射出工程の
加工性がよくなり、生産性が向上するという長所もあ
る。
【0052】
【実施例】以下、合成例及び実施例をもって本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。 合成例1
【0053】
【化20】
【0054】1,2−ジクロルエタン 500mlに粉砕した塩
化アルミニウム1.25モルを加え、これにジフェニルエー
テル−4,4'−ジスルホニルクロライド 0.5モルを加え30
分放置した。上澄み液をドデシルオキシベンゼン 1.1モ
ルの 1,2−ジクロルエタン(500ml) 溶液中に加え、一夜
放置した。反応液を希塩酸の氷浴中で分解し、ジクロル
エタン相を水洗し脱溶媒した。得られた残渣をイソプロ
パノール中で晶析し目的物を70%の収率で得た。 合成例2
【0055】
【化21】
【0056】合成例1のジフェニルエーテル−4,4'−ジ
スルホニルクロライドの代わりにビフェニル−4,4'−ジ
スルホニルクロライドを用い、ドデシルオキシベンゼン
の代わりにオクタデシルオキシベンゼンを用いる以外は
合成例1と同様の反応により目的物を72%の収率で得
た。 合成例3
【0057】
【化22】
【0058】合成例1のドデシルオキシベンゼンの代わ
りに、イソドデシルベンゼン(プロピレンテトラマーと
ベンゼンのフリーデルクラフトアルキル化反応物)を使
い、同様の反応を行なった。脱溶媒して得られた残渣
を、シリカゲルのカラムクロマトにより精製し目的物を
得た。 合成例4
【0059】
【化23】
【0060】p−テトラデシルオキシフェノール0.45モ
ル、ジメチルスルホキシド 120g、クロルベンゼン 330
gに50%水酸化ナトリウム0.45モルを加え、昇温した。
共沸により水分を除去しながら最終的に 160℃まで昇温
した。これにビス(4−クロロフェニル)スルホン 0.2
25モルのクロルベンゼン65g溶液を滴下した。 160℃で
1時間反応をつづけた。クロルベンゼン 700gを追加し
生成した塩化ナトリウムを沈澱させろ過によりとり除い
た。脱溶媒した後、イソプロパノール中より晶析を行な
い目的物を80%の収率で得た。 合成例5
【0061】
【化24】
【0062】合成例4のビス(4−クロロフェニル)ス
ルホンの代わりに、ビス(4−クロロフェニル)ケトン
を使い同様の反応で目的物を得た。 合成例6
【0063】
【化25】
【0064】1,2−ジクロルエタン 100mlに粉砕した塩
化アルミニウム0.25モルを加え、これにp−オクタデシ
ルオキシベンゼンスルホニルクロライド 0.2モルを加え
30分放置した。上澄み液をジフェニルエーテル 1.0モル
の 1,2−ジクロルエタン(500ml) 溶液中に加え、一夜放
置した。反応液を希塩酸の氷浴中で分解し、ジクロルエ
タン相を水洗し脱溶媒した。過剰のジフェニルエーテル
を蒸留によりとり除き、残渣をイソプロパノール中より
晶析し、目的物を60%の収率で得た。 合成例7
【0065】
【化26】
【0066】p−テトラデシルオキシフェノール0.45モ
ル、ジメチルスルホキシド 120g、クロルベンゼン 330
gに50%水酸化ナトリウム0.45モルを加え、昇温した。
共沸により水分を除去しながら最終的に 160℃まで昇温
した。これに4−クロロフェニルフェニルケトン0.45モ
ルのクロルベンゼン65g溶液を滴下した。 160℃で1時
間反応をつづけた。クロルベンゼン 700gを追加し生成
した塩化ナトリウムを沈澱させろ過によりとり除いた。
脱溶媒した後、イソプロパノール中より晶析を行ない目
的物を70%の収率で得た。
【0067】実施例1 ポリエチレンテレフタレート樹脂 100重量部に表1に示
す改質剤を5重量部の割合で添加後押し出し機にて溶融
混合し、得られたストランドを水冷後カッティングし試
料とした。この樹脂組成物の溶融粘度をフローテスター
を用い 280℃、荷重10kgf 、ダイ直径1.0mm 、長さ10m
m、プランジャー面積1.0cm2の条件で測定した。フロー
テスター測定後の試料をフェノール/テトラクロロエタ
ン(60/40、重量比)混合溶液に溶解し、25℃にお
ける極限粘度〔η〕を測定した。尚、以下各実施例での
〔η〕はいずれもこの条件下における値を示す。〔η〕
が改質剤無添加のものと同じものは本質的に樹脂重合度
の低下がないといえる。これらの結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】実施例2 樹脂をポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレン
ナフタレートに代え、また温度を表2の温度条件とし、
他は実施例1と同様にして溶融粘度および極限粘度を測
定した。これらの結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】実施例3 ポリエチレンテレフタレート樹脂 100重量部(極限粘度
1.2)に表3に示す本発明の改質剤を3重量部添加し、押
し出し機にて溶融混合し、直径0.4mm 、48ホールのノズ
ルより85g/分の吐出量で押出した。押し出し温度は 3
10℃であった。紡糸糸を720m/分で巻き取り未延伸糸を
得た。得られた未延伸糸をローラー型延伸機にて予熱温
度90℃にて延伸した後、第2ローラー(温度120 ℃) 、
延伸プレート(210℃) 、第3ローラー(温度200 ℃)の
間でさらに2倍に延伸し、第3ローラーにて熱固定して
巻き取った。
【0072】得られた繊維中に含まれる改質剤の量を以
下の方法により定量した。繊維50mgをヘキサフロロイソ
プロパノール2mlに溶解し、さらにクロロホルムを加え
全量20mlとする。この液を高速液体クロマトグラフィー
(カラムWAKOSIL 5SIL、直径4.6ml 、長さ250mm)にて、
以下の検出条件でクロロホルムを溶離液として定量し
た。 検出条件・・・・検出装置UV285nm 、流速1ml/分 本条件ではポリエステルは溶出されず、本発明の改質剤
のみ定量できる。結果を表3にまとめた。なお延伸倍率
は最大延伸倍率の0.9 倍とした。
【0073】
【表3】
【0074】表3から明らかなように、本発明の改質剤
の添加により紡糸が円滑になり、本発明改質剤は糸中に
実質的にすべて残存し、延伸倍率が上がり最終的に得ら
れた延伸糸は無添加より高強度になる。
【0075】実施例4 ポリエチレンテレフタレート樹脂 100重量部(極限粘度
1.2)に表4に示す本発明の改質剤を1〜3重量部添加
し、押し出し機にて溶融混合して、温度 300℃で巾 0.3
mm、長さ10cmのTダイより一定吐出量で押し出し、冷却
ドラムに巻き付けて冷却固化し厚さ約240 μm の未延伸
フィルムを得た。この未延伸フィルムを温度90℃で縦横
同一倍率で最大延伸倍率の0.9倍に同時二軸延伸し、さ
らに温度210℃で熱固定した。得られたフィルムの応力
−歪曲線をASTM D-882に従い測定した。結果を表4にま
とめた。
【0076】
【表4】
【0077】実施例5 表5に示す本発明の改質剤を用い、樹脂をポリエチレン
ナフタレート(極限粘度0.9)に代え、押出温度 310℃、
また延伸温度を130 ℃、熱固定温度を 240℃とする以外
は実施例4と同様に実験を行った。結果を表5にまとめ
た。
【0078】
【表5】
【0079】実施例6 表6に示す本発明の改質剤を用い、樹脂をポリブチレン
テレフタレート(極限粘度1.2)に代え、押出温度 290
℃、延伸温度90℃、熱固定温度を 190℃とする以外は実
施例4と同様に実験を行った。結果を表6にまとめた。
【0080】
【表6】
【0081】実施例4〜6に示されるように、本発明の
樹脂組成物は押し出し圧力を低下させ、なおかつ延伸倍
率を上げる事ができ、得られたフィルムの強度も高くな
る。従って磁気テープ等の薄膜化が可能となる。
【0082】実施例7 ポリエチレンテレフタレート樹脂 100重量部(極限粘度
1.2)に、本発明の改質剤を表7に示す量添加して、押し
出し機にて溶融混合して口部を除いた部分が外径20mm、
長さ85mm、重量23gのプリフォーム(予備成形体)を射
出成形で成形した。その時の成形条件はシリンダー温度
の設定値を 290℃、金型の設定温度を20℃とした。引き
続き 110℃にて二軸延伸ブロー成形を行い、容量1リッ
トル、胴部の直径90mm、口部を除く高さ160mm 、口部の
直径20mmの円筒容器を成形した。この容器の延伸倍率は
縦方向 1.9倍、横方向 4.5倍、面延伸倍率が 8.6倍であ
る。また、成形機にはホットパリソン方式日精エー・エ
ス・ビー機械(株)製射出ブロー成形機を用いた。得ら
れた容器を用いて、下記方法で落下強度、引張強度を測
定した。結果を表7に示した。
【0083】<試験方法> ・落下強度 容器に水を満たし、キャップで栓をした後、1mの高さ
からコンクリート面に自然落下させた。10本の容器を最
高10回落下させ、2本 (20%) が割れた回数で評価し
た。 ・引張強度 容器を切り開いて、ダンベル3号で試験片を作成した。
オリエンテック社製、テンシロンUCT-100 を用い、一定
速度10mm/min で引っ張りながら応力を測定し、降伏点
応力、破断点応力、弾性率を求めた。結果を表7にまと
めた。
【0084】
【表7】
【0085】表7から明らかなように、本発明の樹脂組
成物は得られた容器(ボトル)の強度を上げることがで
き、高強度肉薄ボトルの製造を可能にする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/50 KKC 7242−4J D01F 6/92 301 A 7199−3B // B29K 67:00 4F B29L 24:00 4F

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 又は(2) で表される化合物よ
    りなるポリエステル樹脂用改質剤。 【化1】 〔式中、X1、X2、X3はそれぞれ、直接結合手、又は−O
    −、−S−、−SO−、−CO−、−SO2−、 【化2】 の中のいずれかであり、(1) 式のX1、X2、(2) 式のX1
    X2、X3のうち少なくとも1つは−SO−、−CO−、−SO2
    −、 【化3】 より選ばれたものである。R1、R2、R3、R4はそれぞれ炭
    素数9以上のアルキル基又は炭素数8以上のアルコキシ
    基である。p, q, r, sはそれぞれ0又は1以上の整数
    で、かつ(1) 式において p+q+rは1以上の整数、(2)
    式において p+q+r+s は1以上の整数である。〕
  2. 【請求項2】 ポリエステル樹脂と、請求項1記載の一
    般式(1) 又は(2) で表される化合物を含有することを特
    徴とするポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリエステル樹脂が、エチレンテレフタ
    レート、エチレンナフタレート又はブチレンテレフタレ
    ートを主たる繰り返し単位とするポリエステル樹脂であ
    る請求項2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の樹脂組成物を成形して得
    られるポリエステル樹脂成形品。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の樹脂組成物を延伸工程を
    伴うプロセスで成形して得られるポリエステル樹脂成形
    品。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の樹脂組成物を紡糸して得
    られるポリエステル繊維。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の樹脂組成物をフィルム成
    形して得られるポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】 請求項2記載の樹脂組成物をボトル成形
    して得られるポリエステルボトル。
JP22020192A 1992-08-19 1992-08-19 ポリエステル樹脂用改質剤、ポリエステル樹脂組成物およびポリエステル樹脂成形品 Pending JPH0665481A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5821272A (en) * 1996-06-20 1998-10-13 Kaneka Corporation Method for post-treatment of polyolefin resin pre-expanded particles
US9228080B2 (en) 2006-12-15 2016-01-05 Ticona Llc Reinforced PCT compositions

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5821272A (en) * 1996-06-20 1998-10-13 Kaneka Corporation Method for post-treatment of polyolefin resin pre-expanded particles
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