JPH07102144A - 燃焼性指標が準不燃乃至不燃で、且つ、燃焼時に塩化水素ガスの発生の少ない塩化ビニル系樹脂組成物及びそれより得られるフイルム - Google Patents
燃焼性指標が準不燃乃至不燃で、且つ、燃焼時に塩化水素ガスの発生の少ない塩化ビニル系樹脂組成物及びそれより得られるフイルムInfo
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- JPH07102144A JPH07102144A JP24959993A JP24959993A JPH07102144A JP H07102144 A JPH07102144 A JP H07102144A JP 24959993 A JP24959993 A JP 24959993A JP 24959993 A JP24959993 A JP 24959993A JP H07102144 A JPH07102144 A JP H07102144A
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Abstract
(57)【要約】 （修正有）
【目的】塩化ビニル系樹脂が有するカレンダー加工性、
透明性、機械的性質等を保持しながら、燃焼性指標が準
不燃乃至不燃で、且つ、その燃焼時に発生する塩化水素
ガスを低減させた樹脂組成物を提供する。 【構成】(a) 塩化ビニル系重合体２０〜７０重量％とメ
タクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体、α−
メチルスチレン−アクリロニトリル共重合体、メタクリ
ル酸メチル−マレイミド共重合体及びポリメタクリル酸
メチルから選ばれる少なくとも１種のアクリル系樹脂８
０〜３０重量％とからなる樹脂混合物１００重量部につ
いて、(b) メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル−
スチレン共重合体５〜５０重量部を含有すると共に、上
記塩化ビニル系重合体１００重量部について、(c) 可塑
剤５〜５０重量部を含有することを特徴とする塩化ビニ
ル系樹脂組成物。
透明性、機械的性質等を保持しながら、燃焼性指標が準
不燃乃至不燃で、且つ、その燃焼時に発生する塩化水素
ガスを低減させた樹脂組成物を提供する。 【構成】(a) 塩化ビニル系重合体２０〜７０重量％とメ
タクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体、α−
メチルスチレン−アクリロニトリル共重合体、メタクリ
ル酸メチル−マレイミド共重合体及びポリメタクリル酸
メチルから選ばれる少なくとも１種のアクリル系樹脂８
０〜３０重量％とからなる樹脂混合物１００重量部につ
いて、(b) メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル−
スチレン共重合体５〜５０重量部を含有すると共に、上
記塩化ビニル系重合体１００重量部について、(c) 可塑
剤５〜５０重量部を含有することを特徴とする塩化ビニ
ル系樹脂組成物。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、燃焼性指標が準不燃乃
至不燃で、且つ、その燃焼時に塩化水素ガスの発生を低
減した塩化ビニル系樹脂組成物及びそれより得られるフ
イルム、特に、厚さ８０μｍ以上のカレンダー加工によ
るフイルムに関する。
至不燃で、且つ、その燃焼時に塩化水素ガスの発生を低
減した塩化ビニル系樹脂組成物及びそれより得られるフ
イルム、特に、厚さ８０μｍ以上のカレンダー加工によ
るフイルムに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、化粧板、家具、家庭用電気製品、
電線、ケーブル等、種々の塩化ビニル系樹脂製品に、安
全上の観点から、一般に、容易には燃焼せず、且つ、燃
焼時、有害な塩化水素ガスの発生量を低減させた成形品
を用いることが強く求められるに至つており、例えば、
塩化ビニル系樹脂に炭酸カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム、三酸化ヒ素等、種々の無機質
材料を充填剤や難燃剤として配合することが行なわれて
いる。また、塩化ビニル系樹脂に多量の金属粉を配合し
て、燃焼時の塩化水素ガスの発生を低減した組成物も知
られている。しかし、このように、塩化ビニル系樹脂に
無機質材料や金属粉を多量に配合すれば、本来、塩化ビ
ニル系樹脂が有するすぐれたカレンダー加工性や透明性
のほか、耐候性や、更に、引張強度や引裂強度等の機械
的性質も損なわれる。
電線、ケーブル等、種々の塩化ビニル系樹脂製品に、安
全上の観点から、一般に、容易には燃焼せず、且つ、燃
焼時、有害な塩化水素ガスの発生量を低減させた成形品
を用いることが強く求められるに至つており、例えば、
塩化ビニル系樹脂に炭酸カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム、三酸化ヒ素等、種々の無機質
材料を充填剤や難燃剤として配合することが行なわれて
いる。また、塩化ビニル系樹脂に多量の金属粉を配合し
て、燃焼時の塩化水素ガスの発生を低減した組成物も知
られている。しかし、このように、塩化ビニル系樹脂に
無機質材料や金属粉を多量に配合すれば、本来、塩化ビ
ニル系樹脂が有するすぐれたカレンダー加工性や透明性
のほか、耐候性や、更に、引張強度や引裂強度等の機械
的性質も損なわれる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塩化ビニル
系樹脂における上述した問題を解決するためになされた
ものであつて、本来、塩化ビニル系樹脂が有するカレン
ダー加工性、透明性、機械的性質等を保持しながら、燃
焼性指標が準不燃乃至不燃で、且つ、その燃焼時に発生
する塩化水素ガスを低減させた樹脂組成物を提供するこ
とを目的とする。更に、本発明は、そのような樹脂組成
物から、好ましくはカレンダー加工によつて、得られる
フイルムを提供することを目的とする。
系樹脂における上述した問題を解決するためになされた
ものであつて、本来、塩化ビニル系樹脂が有するカレン
ダー加工性、透明性、機械的性質等を保持しながら、燃
焼性指標が準不燃乃至不燃で、且つ、その燃焼時に発生
する塩化水素ガスを低減させた樹脂組成物を提供するこ
とを目的とする。更に、本発明は、そのような樹脂組成
物から、好ましくはカレンダー加工によつて、得られる
フイルムを提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明による燃焼性指標
が準不燃乃至不燃で、且つ、燃焼時に塩化水素ガスの発
生の少ない塩化ビニル系樹脂組成物は、(a) 塩化ビニル
系重合体２０〜７０重量％とメタクリル酸メチル−アク
リル酸アルキル共重合体、α−メチルスチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、メタクリル酸メチル−マレイミド
共重合体及びポリメタクリル酸メチルから選ばれる少な
くとも１種のアクリル系樹脂８０〜３０重量％とからな
る樹脂混合物１００重量部について、(b) メタクリル酸
メチル−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体５〜５
０重量部を含有すると共に、上記塩化ビニル系重合体１
００重量部について、(c) 可塑剤５〜５０重量部を含有
することを特徴とする。
が準不燃乃至不燃で、且つ、燃焼時に塩化水素ガスの発
生の少ない塩化ビニル系樹脂組成物は、(a) 塩化ビニル
系重合体２０〜７０重量％とメタクリル酸メチル−アク
リル酸アルキル共重合体、α−メチルスチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、メタクリル酸メチル−マレイミド
共重合体及びポリメタクリル酸メチルから選ばれる少な
くとも１種のアクリル系樹脂８０〜３０重量％とからな
る樹脂混合物１００重量部について、(b) メタクリル酸
メチル−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体５〜５
０重量部を含有すると共に、上記塩化ビニル系重合体１
００重量部について、(c) 可塑剤５〜５０重量部を含有
することを特徴とする。
【０００５】本発明において、燃焼性指標とは、昭和５
１年８月２５日建設省告示第１２３１号による「準不燃
材料」及び「難燃材料」としての試験に合格するかどう
かで「準不燃」又は「難燃」とし、昭和４５年１２月２
８日建設省告示第１８２８号による「不燃材料」として
の試験に合格すれば、「不燃」とした。上記いずれの燃
焼性指標ももつに至らなかつた場合を「可燃」とした。
本発明においては、燃焼性指標が「不燃」又は「準不
燃」である樹脂組成物を得ることを目的としている。
１年８月２５日建設省告示第１２３１号による「準不燃
材料」及び「難燃材料」としての試験に合格するかどう
かで「準不燃」又は「難燃」とし、昭和４５年１２月２
８日建設省告示第１８２８号による「不燃材料」として
の試験に合格すれば、「不燃」とした。上記いずれの燃
焼性指標ももつに至らなかつた場合を「可燃」とした。
本発明においては、燃焼性指標が「不燃」又は「準不
燃」である樹脂組成物を得ることを目的としている。
【０００６】本発明において、塩化ビニル系重合体とし
ては、ポリ塩化ビニルのほか、塩化ビニル共重合体、ポ
リ塩化ビニルへのグラフト共重合体、更には、他の樹脂
との混合物を含むものとする。上記塩化ビニル共重合体
における共単量体としては、例えば、酢酸ビニルのよう
なビニルエステル類、エチレンビニルエーテルのような
ビニルエーテル類、エチレン、プロピレン、１−ブテン
等のα−オレフイン類、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等の
（メタ）アクリル酸エステル類、塩化ビニリデン等を挙
げることができる。しかし、本発明においては、特に、
ポリ塩化ビニルが好ましく用いられる。本発明において
は、平均重合度８００〜１７００のポリ塩化ビニルを用
いることができるが、なかでも、比較的高い重合度を有
するポリ塩化ビニルを用いることによつて、機械的性質
にすぐれると共に、可塑剤のブリードのない樹脂組成物
を得ることができる。
ては、ポリ塩化ビニルのほか、塩化ビニル共重合体、ポ
リ塩化ビニルへのグラフト共重合体、更には、他の樹脂
との混合物を含むものとする。上記塩化ビニル共重合体
における共単量体としては、例えば、酢酸ビニルのよう
なビニルエステル類、エチレンビニルエーテルのような
ビニルエーテル類、エチレン、プロピレン、１−ブテン
等のα−オレフイン類、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等の
（メタ）アクリル酸エステル類、塩化ビニリデン等を挙
げることができる。しかし、本発明においては、特に、
ポリ塩化ビニルが好ましく用いられる。本発明において
は、平均重合度８００〜１７００のポリ塩化ビニルを用
いることができるが、なかでも、比較的高い重合度を有
するポリ塩化ビニルを用いることによつて、機械的性質
にすぐれると共に、可塑剤のブリードのない樹脂組成物
を得ることができる。
【０００７】本発明において、樹脂混合物は、塩化ビニ
ル系重合体２０〜７０重量％とメタクリル酸メチル−ア
クリル酸アルキル共重合体、α−メチルスチレン−アク
リロニトリル共重合体、メタクリル酸メチル−マレイミ
ド共重合体及びポリメタクリル酸メチルから選ばれる少
なくとも１種のアクリル系樹脂８０〜３０重量％とから
なる。樹脂混合物において、塩化ビニル系重合体が２０
重量％よりも少ないときは、得られる樹脂組成物がカレ
ンダー加工性に劣る。他方、７０重量％を越えるとき
は、得られる樹脂組成物が燃焼時に塩化水素ガスを多量
に発生し、目的とする燃焼性指標を有せしめることがで
きない。
ル系重合体２０〜７０重量％とメタクリル酸メチル−ア
クリル酸アルキル共重合体、α−メチルスチレン−アク
リロニトリル共重合体、メタクリル酸メチル−マレイミ
ド共重合体及びポリメタクリル酸メチルから選ばれる少
なくとも１種のアクリル系樹脂８０〜３０重量％とから
なる。樹脂混合物において、塩化ビニル系重合体が２０
重量％よりも少ないときは、得られる樹脂組成物がカレ
ンダー加工性に劣る。他方、７０重量％を越えるとき
は、得られる樹脂組成物が燃焼時に塩化水素ガスを多量
に発生し、目的とする燃焼性指標を有せしめることがで
きない。
【０００８】上記アクリル系樹脂は、塩化ビニル樹脂の
改質剤、特に、耐熱性向上剤として市販されているもの
を好適に用いることができる。そのような市販品とし
て、例えば、三菱レイヨン（株）製の「メタブレンＨ−
６０２」（メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共
重合体）、「メタブレンＨ−６０５」（α−メチルスチ
レン−アクリロニトリル共重合体）、「メタブレンＨ−
６３０」（メタクリル酸メチル−マレイミド共重合体）
や、（株）クラレ製「パラペツトＧ」（ポリメタクリル
酸メチル）等を挙げることができる。
改質剤、特に、耐熱性向上剤として市販されているもの
を好適に用いることができる。そのような市販品とし
て、例えば、三菱レイヨン（株）製の「メタブレンＨ−
６０２」（メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共
重合体）、「メタブレンＨ−６０５」（α−メチルスチ
レン−アクリロニトリル共重合体）、「メタブレンＨ−
６３０」（メタクリル酸メチル−マレイミド共重合体）
や、（株）クラレ製「パラペツトＧ」（ポリメタクリル
酸メチル）等を挙げることができる。
【０００９】本発明による塩化ビニル系樹脂組成物は、
上記樹脂混合物１００重量部について、メタクリル酸メ
チル−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体（以下、
ＭＡＳ樹脂ということがある。）５〜５０重量部を含有
する。このようなアクリル系樹脂は、得られる樹脂組成
物の燃焼温度を低下させると共に、燃焼時に有害なガス
を発生しないので、本発明による樹脂組成物の燃焼時、
塩化水素ガスの発生量を相対的に低くする。
上記樹脂混合物１００重量部について、メタクリル酸メ
チル−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体（以下、
ＭＡＳ樹脂ということがある。）５〜５０重量部を含有
する。このようなアクリル系樹脂は、得られる樹脂組成
物の燃焼温度を低下させると共に、燃焼時に有害なガス
を発生しないので、本発明による樹脂組成物の燃焼時、
塩化水素ガスの発生量を相対的に低くする。
【００１０】本発明による塩化ビニル系樹脂組成物は、
上記樹脂混合物１００重量部について、ＭＡＳ樹脂５〜
５０重量部、好ましくは、１０〜４０重量部を含有す
る。しかし、ＭＡＳ系樹脂を過多に配合すれば、得られ
る樹脂組成物をカレンダー加工した場合に、白濁したフ
イルムを与え、また、カレンダーへの密着性が過大とな
つて、得られるフイルムが伸びすぎて、収縮が大きくな
る。
上記樹脂混合物１００重量部について、ＭＡＳ樹脂５〜
５０重量部、好ましくは、１０〜４０重量部を含有す
る。しかし、ＭＡＳ系樹脂を過多に配合すれば、得られ
る樹脂組成物をカレンダー加工した場合に、白濁したフ
イルムを与え、また、カレンダーへの密着性が過大とな
つて、得られるフイルムが伸びすぎて、収縮が大きくな
る。
【００１１】更に、本発明による樹脂組成物は、上述し
たように、塩化ビニル系重合体に上記アクリル系樹脂と
ＭＡＳ樹脂とを配合してなるが、ここに、上記アクリル
系樹脂とＭＡＳ樹脂とが塩化ビニル系重合体と同じ屈折
率を有するので、樹脂組成物にすぐれた透明性を与える
ことができる。特に、本発明によれば、望ましい燃焼性
指標を有すると共に、カレンダー加工性と透明性とのバ
ランスの点から、樹脂組成物における塩化ビニル系重合
体の量は、３０〜７０重量％の範囲が好ましく、特に、
３５〜６５重量％の範囲が好ましい。
たように、塩化ビニル系重合体に上記アクリル系樹脂と
ＭＡＳ樹脂とを配合してなるが、ここに、上記アクリル
系樹脂とＭＡＳ樹脂とが塩化ビニル系重合体と同じ屈折
率を有するので、樹脂組成物にすぐれた透明性を与える
ことができる。特に、本発明によれば、望ましい燃焼性
指標を有すると共に、カレンダー加工性と透明性とのバ
ランスの点から、樹脂組成物における塩化ビニル系重合
体の量は、３０〜７０重量％の範囲が好ましく、特に、
３５〜６５重量％の範囲が好ましい。
【００１２】本発明による樹脂組成物は、カレンダー加
工性にすぐれるように、塩化ビニル系重合体１００重量
部について、可塑剤５〜５０重量部を含有する。塩化ビ
ニル系重合体１００重量部について、可塑剤量が５重量
部よりも少ないときは、カレンダー加工ができない。し
かし、５０重量部を越えるときは、得られる樹脂組成物
からの成形品にブリードが生じるので好ましくない。特
に、８〜４０重量部の範囲が好ましい。
工性にすぐれるように、塩化ビニル系重合体１００重量
部について、可塑剤５〜５０重量部を含有する。塩化ビ
ニル系重合体１００重量部について、可塑剤量が５重量
部よりも少ないときは、カレンダー加工ができない。し
かし、５０重量部を越えるときは、得られる樹脂組成物
からの成形品にブリードが生じるので好ましくない。特
に、８〜４０重量部の範囲が好ましい。
【００１３】本発明による樹脂組成物は、必要に応じ
て、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウム等のような無機質充填剤を含有してもよい。本
発明によれば、このような通常の無機質充填剤を樹脂組
成物に配合することによつて、容易に不燃材料を得るこ
とができる。本発明による樹脂組成物は、塩化ビニル系
樹脂組成物に通常用いられる種々の添加剤を適宜量有し
ていてもよい。このような添加剤としては、例えば、安
定剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤等を挙
げることができる。
て、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウム等のような無機質充填剤を含有してもよい。本
発明によれば、このような通常の無機質充填剤を樹脂組
成物に配合することによつて、容易に不燃材料を得るこ
とができる。本発明による樹脂組成物は、塩化ビニル系
樹脂組成物に通常用いられる種々の添加剤を適宜量有し
ていてもよい。このような添加剤としては、例えば、安
定剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤等を挙
げることができる。
【００１４】
【実施例】以下に比較例と共に実施例を挙げて本発明を
説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定され
るものではない。平均重合度１７００のポリ塩化ビニル
（チツソ（株）製ニポリツトＣＫ）にジオクチルフタレ
ート（可塑剤）、アクリル系樹脂及びＭＡＳ樹脂を表１
及び表２に示す量にて配合し、逆Ｌ４本カレンダーにて
カレンダー温度１８３〜１８５℃、カレンダー速度３０
ｍ／分±５ｍ／分として、厚さ１５０μｍのフイルムに
成形し、その物性を測定した。
説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定され
るものではない。平均重合度１７００のポリ塩化ビニル
（チツソ（株）製ニポリツトＣＫ）にジオクチルフタレ
ート（可塑剤）、アクリル系樹脂及びＭＡＳ樹脂を表１
及び表２に示す量にて配合し、逆Ｌ４本カレンダーにて
カレンダー温度１８３〜１８５℃、カレンダー速度３０
ｍ／分±５ｍ／分として、厚さ１５０μｍのフイルムに
成形し、その物性を測定した。
【００１５】用いたアクリル系樹脂は、次のとおりであ
る。 Ｈ−６０５：α−メチルスチレン−アクリロニトリル共
重合体（三菱レイヨン（株）製） Ｈ−６０２：メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル
共重合体（三菱レイヨン（株）製） Ｈ−６３０：メタクリル酸メチル−マレイミド共重合体
（三菱レイヨン（株）製） また、ＭＡＳ樹脂は、メタクリル酸メチル−アクリル酸
メチル−スチレン共重合体Ｗ−３００（三菱レイヨン
（株）製）を用いた。
る。 Ｈ−６０５：α−メチルスチレン−アクリロニトリル共
重合体（三菱レイヨン（株）製） Ｈ−６０２：メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル
共重合体（三菱レイヨン（株）製） Ｈ−６３０：メタクリル酸メチル−マレイミド共重合体
（三菱レイヨン（株）製） また、ＭＡＳ樹脂は、メタクリル酸メチル−アクリル酸
メチル−スチレン共重合体Ｗ−３００（三菱レイヨン
（株）製）を用いた。
【００１６】表中、Ｃ−２０７は、比較例において用い
たメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体
樹脂（ＭＢＳ樹脂）である。更に、安定剤としては、ス
テアリン酸カルシウム−ステアリン酸バリウム系のもの
を用いた。
たメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体
樹脂（ＭＢＳ樹脂）である。更に、安定剤としては、ス
テアリン酸カルシウム−ステアリン酸バリウム系のもの
を用いた。
【００１７】燃焼性指標 昭和５１年８月２５日建設省告示第１２３１号に従つ
て、準不燃材料及び難燃材料としての試験に合格するか
どうかで判定した。また、昭和４５年１２月２８日建設
省告示第１８２８号に従つて、不燃材料としての試験に
合格するかどうかで判定した。 塩化水素ガス量 ＪＩＳ Ｋ−２５４１に従つて測定した。 透明性 ＪＩＳ Ｋ−７１０５に従つて全光線透過率を測定し
た。
て、準不燃材料及び難燃材料としての試験に合格するか
どうかで判定した。また、昭和４５年１２月２８日建設
省告示第１８２８号に従つて、不燃材料としての試験に
合格するかどうかで判定した。 塩化水素ガス量 ＪＩＳ Ｋ−２５４１に従つて測定した。 透明性 ＪＩＳ Ｋ−７１０５に従つて全光線透過率を測定し
た。
【００１８】耐候性 ウエザオメーターにて６０℃で３００時間処理したとき
の変色や物性の劣化等から総合的に評価した。○は良
い、×は悪いを示す。 カレンダー加工性 上述したカレンダー加工において、樹脂組成物の物性や
粘度等を考慮し、ポリ塩化ビニル樹脂とほぼ同じく、特
に問題なく、カレンダー加工できた場合を○で示し、カ
レンダー加工が困難な場合を程度に応じて△（やや不
良）と×（不良）とで示す。
の変色や物性の劣化等から総合的に評価した。○は良
い、×は悪いを示す。 カレンダー加工性 上述したカレンダー加工において、樹脂組成物の物性や
粘度等を考慮し、ポリ塩化ビニル樹脂とほぼ同じく、特
に問題なく、カレンダー加工できた場合を○で示し、カ
レンダー加工が困難な場合を程度に応じて△（やや不
良）と×（不良）とで示す。
【００１９】結果を表１から表３に示す。
【００２０】
【表１】
【００２１】
【表２】
【００２２】
【表３】
【００２３】表１の比較例１〜３及び６に示すように、
ポリ塩化ビニルやアクリル系樹脂は、それ自体では、燃
焼性指標は、難燃乃至可燃であり、目的とする準不燃や
不燃とすることができない。比較例２に示すように、ポ
リ塩化ビニル１００重量部に無機質難燃剤３０重量部を
配合しても、燃焼性指標を難燃とすることができるにす
ぎない。
ポリ塩化ビニルやアクリル系樹脂は、それ自体では、燃
焼性指標は、難燃乃至可燃であり、目的とする準不燃や
不燃とすることができない。比較例２に示すように、ポ
リ塩化ビニル１００重量部に無機質難燃剤３０重量部を
配合しても、燃焼性指標を難燃とすることができるにす
ぎない。
【００２４】比較例４及び５に示すように、ポリ塩化ビ
ニルとアクリル系重合体からなる樹脂混合物において、
これら両者の配合比率が本発明で規定する範囲をはずれ
るときは、この樹脂混合物にＭＡＳ樹脂を配合しても、
目的とする準不燃材料や不燃材料とすることができな
い。他方、比較例７に示すように、樹脂混合物における
両者の配合比率が本発明で規定する範囲内にあつても、
この樹脂混合物にＭＡＳ樹脂を過多に配合するときは、
難燃性に関しては、準不燃とすることができても、カレ
ンダー加工性が劣化する。また、比較例８に示すよう
に、ＭＡＳ樹脂に代えて、ＭＢＳ樹脂を用いるときは、
得られる樹脂組成物の燃焼性指標を準不燃とすることが
できても、耐候性に著しく劣ることとなる。
ニルとアクリル系重合体からなる樹脂混合物において、
これら両者の配合比率が本発明で規定する範囲をはずれ
るときは、この樹脂混合物にＭＡＳ樹脂を配合しても、
目的とする準不燃材料や不燃材料とすることができな
い。他方、比較例７に示すように、樹脂混合物における
両者の配合比率が本発明で規定する範囲内にあつても、
この樹脂混合物にＭＡＳ樹脂を過多に配合するときは、
難燃性に関しては、準不燃とすることができても、カレ
ンダー加工性が劣化する。また、比較例８に示すよう
に、ＭＡＳ樹脂に代えて、ＭＢＳ樹脂を用いるときは、
得られる樹脂組成物の燃焼性指標を準不燃とすることが
できても、耐候性に著しく劣ることとなる。
【００２５】表２及び３に示す結果から明らかなよう
に、本発明によれば、無機質難燃剤を配合せずとも、塩
化ビニル系樹脂組成物の燃焼性指標を準不燃乃至不燃と
することができる。特に、炭酸カルシウム、水酸化マグ
ネシウム又は水酸化アルミニウムのような通常の無機質
充填剤を配合することによつて、不燃材料を得ることが
できる。
に、本発明によれば、無機質難燃剤を配合せずとも、塩
化ビニル系樹脂組成物の燃焼性指標を準不燃乃至不燃と
することができる。特に、炭酸カルシウム、水酸化マグ
ネシウム又は水酸化アルミニウムのような通常の無機質
充填剤を配合することによつて、不燃材料を得ることが
できる。
【００２６】
【発明の効果】以上のように、本発明による塩化ビニル
系樹脂組成物は、アクリル系樹脂とメタクリル酸メチル
−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体とをそれぞれ
所定量配合してなり、難燃性で、且つ、燃焼時に塩化水
素ガスの発生が少なく、従つて化粧板、家具、家庭用電
気製品、電線、ケーブル等、種々の塩化ビニル系樹脂製
品に好適に用いることができる。特に、本発明による樹
脂組成物は、特に、カレンダー加工によるフィルムの製
造に好適であり、８０μｍ以上の厚さで、難燃性で、且
つ、燃焼時に塩化水素ガスの発生の少ないフイルムをカ
レンダー加工によつて容易に得ることができる。
系樹脂組成物は、アクリル系樹脂とメタクリル酸メチル
−アクリル酸アルキル−スチレン共重合体とをそれぞれ
所定量配合してなり、難燃性で、且つ、燃焼時に塩化水
素ガスの発生が少なく、従つて化粧板、家具、家庭用電
気製品、電線、ケーブル等、種々の塩化ビニル系樹脂製
品に好適に用いることができる。特に、本発明による樹
脂組成物は、特に、カレンダー加工によるフィルムの製
造に好適であり、８０μｍ以上の厚さで、難燃性で、且
つ、燃焼時に塩化水素ガスの発生の少ないフイルムをカ
レンダー加工によつて容易に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ０８Ｌ 25/16 ＬＤＵ 33/12 ＬＪＤ
Claims (5)
- 【請求項１】(a) 塩化ビニル系重合体２０〜７０重量％
とメタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル共重合体、
α−メチルスチレン−アクリロニトリル共重合体、メタ
クリル酸メチル−マレイミド共重合体及びポリメタクリ
ル酸メチルから選ばれる少なくとも１種のアクリル系樹
脂８０〜３０重量％とからなる樹脂混合物１００重量部
について、 (b) メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキル−スチレ
ン共重合体５〜５０重量部を含有すると共に、上記塩化
ビニル系重合体１００重量部について、 (c) 可塑剤５〜５０重量部 を含有することを特徴とする燃焼性指標が準不燃乃至不
燃で、且つ、燃焼時に塩化水素ガスの発生の少ない塩化
ビニル系樹脂組成物。 - 【請求項２】樹脂混合物(a) １００重量部について、 (d) 無機質充填剤３０重量部以下 を含有することを特徴とする燃焼性指標が準不燃乃至不
燃で、且つ、燃焼時に塩化水素ガスの発生の少ない塩化
ビニル系樹脂組成物。 - 【請求項３】無機質充填剤が炭酸カルシウム、水酸化マ
グネシウム及び水酸化アルミニウムより選ばれる少なく
とも１種である請求項２記載の塩化ビニル系樹脂組成
物。 - 【請求項４】請求項１乃至３いずれかに記載の塩化ビニ
ル系樹脂組成物をカレンダー加工してなるフイルム。 - 【請求項５】厚さが８０μｍ以上である請求項４記載の
フイルム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24959993A JPH07102144A (ja) | 1993-10-05 | 1993-10-05 | 燃焼性指標が準不燃乃至不燃で、且つ、燃焼時に塩化水素ガスの発生の少ない塩化ビニル系樹脂組成物及びそれより得られるフイルム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24959993A JPH07102144A (ja) | 1993-10-05 | 1993-10-05 | 燃焼性指標が準不燃乃至不燃で、且つ、燃焼時に塩化水素ガスの発生の少ない塩化ビニル系樹脂組成物及びそれより得られるフイルム |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07102144A true JPH07102144A (ja) | 1995-04-18 |
Family
ID=17195421
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24959993A Pending JPH07102144A (ja) | 1993-10-05 | 1993-10-05 | 燃焼性指標が準不燃乃至不燃で、且つ、燃焼時に塩化水素ガスの発生の少ない塩化ビニル系樹脂組成物及びそれより得られるフイルム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07102144A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH07268161A (ja) * | 1994-04-01 | 1995-10-17 | Mitsubishi Chem Mkv Co | 塩化ビニル樹脂系エラストマー組成物 |
| JPH07331008A (ja) * | 1994-06-13 | 1995-12-19 | Mitsubishi Chem Mkv Co | 印刷用塩化ビニル系樹脂フィルム |
| JP2003501534A (ja) * | 1999-06-04 | 2003-01-14 | イネオス アクリリックス ユーケー リミティド | 高分子材料の耐候性におけるまたは関連する改善 |
| JP2012067204A (ja) * | 2010-09-24 | 2012-04-05 | Sekisui Chem Co Ltd | ビニル系樹脂組成物成形体及び耐燃焼性シート |
| KR20180037651A (ko) * | 2016-10-05 | 2018-04-13 | (주)엘지하우시스 | 폴리염화비닐 수지와 아크릴계 수지의 혼합수지 조성물로 제조된 실내 내장재용 보드 |
| KR20180107724A (ko) * | 2017-03-22 | 2018-10-02 | (주)엘지하우시스 | 폴리염화비닐 수지와 아크릴계 수지가 혼합된 수지 조성물 및 이를 이용하여 제조된 실내 내장재용 보드 |
| CN109923171A (zh) * | 2017-03-22 | 2019-06-21 | 乐金华奥斯株式会社 | 含有聚氯乙烯树脂和丙烯酸类树脂的树脂组合物以及使用其制造的内饰材料用板 |
-
1993
- 1993-10-05 JP JP24959993A patent/JPH07102144A/ja active Pending
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| JPH07331008A (ja) * | 1994-06-13 | 1995-12-19 | Mitsubishi Chem Mkv Co | 印刷用塩化ビニル系樹脂フィルム |
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| KR20180037651A (ko) * | 2016-10-05 | 2018-04-13 | (주)엘지하우시스 | 폴리염화비닐 수지와 아크릴계 수지의 혼합수지 조성물로 제조된 실내 내장재용 보드 |
| KR20180107724A (ko) * | 2017-03-22 | 2018-10-02 | (주)엘지하우시스 | 폴리염화비닐 수지와 아크릴계 수지가 혼합된 수지 조성물 및 이를 이용하여 제조된 실내 내장재용 보드 |
| CN109923171A (zh) * | 2017-03-22 | 2019-06-21 | 乐金华奥斯株式会社 | 含有聚氯乙烯树脂和丙烯酸类树脂的树脂组合物以及使用其制造的内饰材料用板 |
| CN109923171B (zh) * | 2017-03-22 | 2021-12-17 | 乐金华奥斯株式会社 | 含有聚氯乙烯树脂和丙烯酸类树脂的树脂组合物以及使用其制造的内饰材料用板 |
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