JPH02218731A

JPH02218731A - 難燃性塩化ビニル系樹脂組成物及びそれを保護層材とする難燃性電線・ケーブル

Info

Publication number: JPH02218731A
Application number: JP4060489A
Authority: JP
Inventors: Isao Takeshita; 竹下　以佐夫; Shiyouzou Masakuni; 正国　正三
Original assignee: Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Current assignee: Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date: 1989-02-20
Filing date: 1989-02-20
Publication date: 1990-08-31

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野〕本発明は、塩化ビニル系樹脂を主成分とし塩素化塩化ビ
ニル樹脂を従成分とする難燃性及び耐油性に優れるとと
もに、熱安定性を有し押出成形加工の際に長時間の運転
に耐え得る熱可塑性樹脂組成物及び該組成物を保護層の
材料として使用した電線・ケーブルに関するものである
。本発明の組成物は電線又はケーブルの保護層の材料と
して使用した場合、燃焼時に酸素指数で示される燃え難
さの特性を有すると同時に、火炎の当たった箇所が膨張
して、その結果、燃焼後に発泡した炭化層を形成し、こ
れが断熱性のある防火壁の役割を演じて火災の延焼を防
止する特性も兼ね備えており、且つ電線又はケーブルの
保護層として、必須の特性である耐油性を低下させるこ
となく高度のレベルに保持し、更にまた、押出成形加工
をする際、長時間の運転に耐え得るだけの充分な熱安定
性を有する。

電線及びケーブルは漏電などが原因となる火災に曝され
る機会が多く、火災の延焼を防ぐために難燃性は不可欠
の課題である。特に電気特性、高周波特性等の要求によ
り絶縁層にポリエチレン、架橋ポリエチレン、ＥＰＤＭ
等のポリオレフィン系樹脂のような非常に燃え易い材料
を使用している電線又はケーブルは、−旦火災が発生す
ると延焼の危険性は極めて大きく、難燃性はますます重
要なｙＡ題になってきている。このような事情から、１
１ｉｔ線又はケーブルに関する難燃性については、厳し
い規格が制定されている。

電線に関しては、機器内部配線やコードに関してｔＪＬ
規格（ＵＬ−ｓｕｂｊｅｃｔ　７５８等）に定められて
いるｒｖｗ−を燃焼テスト」があり、またケーブルに関
しては日本電線工業会規格ＪＣ３第３６６号「ケーブル
の耐延焼性試験方法」が制定されている。ｉｉ線又はケ
ーブルは導体と、該導体を直接被覆する絶縁層と、該絶
縁層の外周を包み囲む保護層とからなるが、電線又はケ
ーブルを１１化するためには、通常は絶縁層は難燃化し
ないで保護層のみを１ｄ燃化させるのが一般的な方法で
ある。その理由は、絶縁層は電気特性や高周波特性の高
度なレベルを維持する必要があり、これを難燃化すると
これらの特性が大きく阻害され、電線やケーブルとして
の基本的な機能が発揮できなくなるためである。そのた
め、保護層のみを難燃化して、これだけで電線又はケー
ブル全体の難燃性を確保しなければならないが、前記の
如く、特に絶縁層にポリエチレン、架橋ポリエチレン、
ＥＰＤＭ等のポリオレフィン系樹脂を使用している場合
に於いては、保１！層の難燃性のレベルを一段と高度な
ものにしなければならない。

一方、保護層は電線又はケーブルを外部の環境から保護
し、内部の絶縁層の機能が損なわれないようにする役割
を持っている。従って、保ｒＪＮに要求される特性とし
ては耐油性が優れていること等があり、これらの特性に
関しても上記のＵＬ規格やＪＣ３規格で明確に規定され
ている。そして、これらの規格を満足するものでなけれ
ば、たとえ難燃性の如き、ある一つの特性が優れていた
としても、電線又はケーブルの保ｐｉ層の材料としては
使用できない。即ち、難燃性、耐油性等の緒特性のバラ
ンスが電線又はケーブルの保！ｉ層の材料としては重要
なことである。また、保護層は樹脂組成物の押出成形加
工により成形されるので、長時間の押出成形加工に耐え
得る熱安定性を備えている必要がある。

〔従来技術と問題点〕

従来、絶縁層にポリオレフィン系樹脂を使用している電
線又はケーブルの難燃性を向上させるための保護層材料
として難燃性塩化ビニル系樹脂組成物が知られている。

例えば特公昭６１−４６０１７号公報には、塩化ビニル
樹脂１００重量部、亜鉛の酸化物又は硫化物３０〜７０
重量部、二酸化アンチモン２〜２０重量部、可塑剤２０
〜１００重量部からなる組成物が記載されている。しか
し乍ら、この組成物にあっては、燃え易いポリオレフィ
ン系樹脂を絶縁層の材料として使用している電線又はケ
ーブルの難燃性を向上させんとして、大量の無機物、特
に亜鉛の酸化物又は硫化物を大量に使用するため、得ら
れる組成物の耐油性が低下するばかりでなく、熱安定性
が悪く、長時間の押出成形加工に耐えられないという問
題を有している。

また、特開昭６３−２６４６５３号公報には、比粘度０
．２４以上で塩素含量６２〜７２％の塩素化塩化ビニル
樹脂と塩化ビニル樹脂との混合樹脂で、全塩素含有量が
５８．５％以上である混合樹脂１００重量部、軟質剤（
可塑剤又はエラストマー）４０重量部以上、難燃性強化
剤（炭酸カルシウム、珪酸す）　ＩＪウム、二酸化珪素
、金属酸化物、金属水酸化物、金属粉、メラミンシアヌ
レート、マイカ）２０重量部以上からなる組成物が記載
されている。しかるに、この組成物にあっては難燃性を
向上させるために塩素含量の高い塩素化塩化ビニル樹脂
を配合しており、このため得られる組成物の熱安定性が
低下し、長時間の押出成形加工に耐えられないという問
題がある。

上記した如く、電線又はケーブルの保護層に使用される
材料としては、難燃性を有して火災時の延焼を防止し得
るｉ能を持っていなければならないことは言うまでもな
いが、耐油性等の難燃性以外の特性もバランスよく保持
していることが重要であり、その上、押出成形加工を実
施する際に充分な熱安定性を兼ね備えていることが望ま
れているのである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、従来難燃性を重要視するあまりに、電線又は
ケーブルの保護層に使用する材料として必須である他の
特性、特に耐油性の低下及び押出成形加工時の熱安定性
の低下という、従来技術に内在する！！ｉ！題に着目し
、難燃性を従来の技術より低下させることなく良好なレ
ベルを保持させると同時に、耐油性及び熱安定性をバラ
ンスよく保持させた樹り＆ｌＩ酸物及び該組成物を保護
層として用いた電線・ケーブルを提供するものである。

即ち、本発明の第１は、重合度が８００〜２０００であ
り塩化ビニル含量が８５重量％以上である塩化ビニル系
樹脂（ＡＩ）９５〜８０重量％と樹脂２００■を含む５
０−のニトロベンゼン溶液の３０℃に於ける比粘度が０
．２４〜０．５４で塩素含量が５９〜６５重景％で重量
塩素化塩化ビニル樹脂（Ａｘ）５〜２０重量％とからな
る塩素系樹脂（Ａ）１００ｆｆｉｆｆｉ部、樹脂４００
■を含む１００−のベンゼン溶液の３０℃に於ける比粘
度が２．５以上でありメタクリル酸メチル含量が５０〜
９５重攪％であるメタクリル酸メチル系共重合体（Ｂ）
１〜１０１ｉ量部、二酸化アンチモン（Ｃ）５〜２０重
量部、酸化亜鉛（Ｄ）５〜２５重景部重量可塑剤（Ｅ）
３０〜１００重量部からなる難燃性塩化ビニル系樹脂組
成物を、本発明の第２は、上記組成物を保護層の材料として使用
してなる難燃性電線を、本発明の第３は、上記組成物を保護層の材料として使用
してなる難燃性ケーブルをそれぞれ内容とするものであ
る。

本発明における塩素系樹脂（Ａ）は、塩化ビニル系樹脂
（ＡＩ）と塩素化塩化ビニル樹脂（Ａ２）とから構成さ
れる。

本発明で使用する塩化ビニル系樹脂（Ａ１）は塩化ビニ
ルモノマーを単独重合させた塩化ビニル樹脂だけでなく
、塩化ビニルを８５重重量以上含有する塩化ビニル系共
重合樹脂も含み、これらの重合度（ＪＩＳ　Ｋ　６７２
１による）が８００〜２０００のものである。塩化ビニ
ル系共重合樹脂の具体例としては、例えば塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合樹脂等の塩化ビニル−アルキルビニル
エステル共重合樹脂、塩化ビニル−エチレン共重合樹脂
、塩化ビニル−プロピレン共重合樹脂等の塩化ビニルオ
レフィン共重合樹脂、塩化ビニル−アクリル酸ブチル共
重合樹脂、塩化ビニル−アクリル酸エチル共重合樹脂等
の塩化ビニル−アクリル酸アルキルエステル共重合樹脂
、塩化ビニル−メタクリル酸メチル共重合樹脂、塩化ビ
ニル−メタクリル酸エチル共重合樹脂等の塩化ビニル−
メタクリル酸アルキルエステル共重合樹脂、塩化ビニル
−アルキルビニルエーテル共重合樹脂等が挙げられる。

これらの樹脂は単独で使用してもよく、２種以上併用し
てもよい。塩化ビニル系樹脂の重合度が８００未満では
抗張力、伸びが低下し、また２０００を越えると混練が
充分にできなくなり、その結果、抗張力、伸びが低下し
て、いずれの場合も電線又はケーブルの保護層の材料と
して好ましくない。

本発明で使用する塩素化塩化ビニル樹脂（Ａ２）は、該
樹脂２００曙を含む５００ｄのニトロベンゼン溶液の３
０℃に於ける比粘度が０．２４〜０．５４で塩素含量が
５９〜６５％のものである。比粘度が０．２４未満では
得られる組成物の抗張力、伸びが低下し、また比粘度が
０．５４を越えると混練が十分にできな（なり、抗張力
、伸びが低下する。

塩素含量は、５９％未満では組成物の酸素指数が低下す
るとともに、燃焼させた際の炭化物の発泡度が低くなり
、断熱効果が不充分になって難燃性が低下し、また６５
％を越えると熱安定性が悪くなり、長時間の押出成形加
工ができなくなる。

本発明における塩素系樹脂（Ａ＞は塩化ビニル系樹脂（
Ａ１）９５〜８０重量％と、塩素化塩化ビニル樹脂（Ａ
８）５〜２０重量％からなる。塩素化塩化ビニル樹脂（
Ａ１）が５重量％未満では、組成物の酸素指数が低くな
ると同時に、燃焼させた際の炭化物の発泡度が低くなり
、断熱効果が不充分になって難燃性が低下し、また、２
０重量％を越えると組成物の混練が充分できなくなり、
その結果、抗張力、伸びが低下すると共に、熱安定性が
著しく悪くなる。

本発明で使用するメタクリル酸メチル系共重合体（Ｂ）
は、メタクリル酸メチルを主成分、即ち５０〜９５重量
％含有する共重合体であって、該共重合体４００■を含
む１００　ｗｓｌのベンゼン溶液の３０℃で測定した比
粘度が２．５以上、好ましくは２．５〜６．０のもので
ある。比粘度が２．５未満では、得られる組成物を燃焼
させた際の炭化物の発泡度が低くなり、断熱効果が不充
分になって難燃性が低下する。

メタクリル酸メチル系共重合体（Ｂ）のメタクリル酸メ
チル以外の成分としては、例えば、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸２
−エチルヘキシル等のアクリル酸エステルやメタクリル
酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル
、メタクリル酸２−エチルヘキシル等のメタクリル酸エ
ステル（メタクリル酸メチルを除く）等が挙げられる。

これらの成分は単に共重合させてもグラフト重合させて
もよく、更には、これらの重合の際に分子内に官能性基
を複数個有する架橋性上ツマ−を少量共重合させてもよ
い。

本発明で使用するメタクリル酸メチル系共重合体（Ｂ）
は塩素系樹脂成分１００重■部に対し１〜１０重量部配
合される。該共重合体量が１重量部未満では得られる組
成物を燃焼させた際の炭化物の発泡度が低くなり、断熱
効果が充分に得られず難燃性が低下する。また１０重量
部を越えると組成物の硬度が硬くなり、また酸素指数が
低下し難燃性が悪くなる。尚、該メタクリル酸メチル系
共重合体（Ｂ）は単独で使用してもよく、２種以上併用
してもよい。

本発明で使用する二酸化アンチモン（Ｃ）は塩素系樹脂
成分１００重量部に対し５〜２０重量部配合される。二
酸化アンチモン（Ｃ）が５重量部未満では酸素指数が低
くなって難燃性が不充分になり、また２０重置部を越え
ると組成物の耐油性が低下する。

本発明で使用する酸化亜鉛（Ｄ）は塩素系樹脂成分１０
０重量部に対し５〜２５重量部配合される゛、酸化亜鉛
（Ｄ）が５重量部未満では燃焼させた際の炭化物の発泡
度が低くなり、断熱効果が不充分になって難燃性が低下
し、また２５重量部を越えると耐油性が著しく低下し、
熱安定性も悪くなる。

本発明で使用する可塑剤（Ｅ）はフタール酸アルキルエ
ステル、アジピン酸アルキルエステル、セバシン酸アル
キルエステル、アゼライン酸アルキルエステル等の脂肪
酸アルキルエステル、トリメリット酸アルキルエステル
、燐酸エステル、塩素化パラフィン、エポキシ系可塑剤
、ポリエステル系可塑剤等が挙げられる。可塑剤（Ｅ）
の使用量は製品に要求される柔軟性等に応じて、塩素系
樹脂成分１００重量部に対し３０〜１００重量部の範囲
で変えることができる。

本発明の組成物には、必要に応じてタルク、クレー等の
難燃助剤を加えてもよい。また必要に応じて、安定剤、
滑剤、充填剤、紫外線吸収剤、顔料、他の熱可塑性樹脂
等を添加してもよい。それらの種類や添加量は、目的に
応じて適宜ｉｉｆ訳すればよい。

本発明の難燃性組成物は絶縁層の材料にポリオレフィン
系樹脂を使用している電線・ケーブルにも、軟質塩化ビ
ニル樹脂組成物を使用している電線・ケーブルにも保護
層の材料として使用可能であるが、特に絶縁層の材料に
燃え易いポリオレフィン系樹脂を使用している電線・ケ
ーブルに於いても、高レベルの難燃効果が発揮される。

絶縁層の材料にポリオレフィン系樹脂を使用する電線種
で保護層の材料に本発明の組成物を使用する具体的な例
としては、ＵＬ　１０７１．　ＵＬ　１３６５（７）よ
うな高周波同軸ケーブル、ＵＬ　１１０７．　ＵＬ　１
４８９．　ＵＬ　１１１３．　ｕＬ　２６７４．　ＵＬ
　１３５４．　ＩＩＬ　２５５２のような機器内部配線
が挙げられる。またケーブルは絶縁層にポリエチレン樹
脂を使用するＥＶ、架橋ポリエチレン樹脂を使用するＣ
ｖ等が挙げられる。

〔実施例〕

以下、本発明を実施例に基づき更に詳しく説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。

実施例１〜１２、比較例１〜６第１表に示す重合度を有する塩化ビニル樹脂及び第１表
に示す比粘度及び塩素含量を有する塩素化塩化ビニル樹
脂、第１表に示す比粘度を有するメタクリル酸メチル系
共重合体、二酸化アンチモン、酸化亜鉛、可塑剤〔ジイ
ソデシルフタレート（ＤＩＤＰ）　、ｌ−リ　（２−エ
チルヘキシル）トリメリテー）　（ＴＯＴＭ）　、ポリ
エステル可塑剤〕及びタルク、クレーをそれぞれ第１表
に示す量を添加し、リボンフ゛レンゲ−によりン昆合し
ドライアップさせた。得られたパウダー状コンパウンド
を１７０℃で７分間ロール混練し、厚さ約３ｍｍの素練
りシートを得た。これを更に１７５℃で熱プレスしプレ
スシートを作製した。該シートを使用して、酸素指数、
炭化物の発泡度（倍率）、耐油性テスト、熱安定性（コ
ンゴーレッド）の各テストを実施した。一方、前記素練
りシートを約３１四方に切断してペレット状にし、押出
成形により電線又はケーブルを製造し、それぞれｖｗ−
１燃焼テスト及びケーブルの耐延焼性試験に供した。評
価結果を第１表に示す。

第１表から明らかな通り、本発明の組成物は難燃性が良
好であり、これらを使用した電線又はケーブルはそれぞ
れの規格に対し充分合格するものであり、且つ耐油性及
び熱安定性共に優れたものであった。

＊ＩＪＩＳに７２０１による＄２１￥さ約３鶴の素練りシートを５ｍｍＸ５０ａ＋＋
ｍの長方形に切り出し、咳長方形シートをバーナーで燃
焼させて得た炭化物の比重をビクノメーターにて測定し
た。

＊３　ＵＬ−ｓｕｂｊｅｃｔ　７５８　ＶＷ−１テスト
使用線種　ｔｌＬスタイル１３６５導体：直径０．２６龍１本絶縁層：ボリエヂレン平均厚み０．６２ｍｍ、外径１．
５■臘保３ＩＪＷ材料：平均厚みＱ、５ｍｓ、仕上がり外径３
．１龍＊４ケーブルの耐延焼性試験使用線種ＪＣＳ第３６６号に定める垂直トレイ試験方法＊５　Ｊ
ＩＳ　Ｋ　６７２３による＊５ＪＩＳに６７２３による〔作用・効果〕畝上の通り、本発明の樹脂組成物は、例えば絶縁層に燃
え易いポリオレフィン系樹脂を使用した電線又はケーブ
ルの保３１１１ｆｆｌ用材料として使用される場合にお
いても、Ｕ　Ｌ規格に規定している「ＶＷ−１燃焼テス
ト」又はＪＣ３第３６６号「ケーブルの耐延焼性試験方
法」に合格するとともに耐油性及び熱安定性をバランス
よく備えており、長時間の押出成形加工にも耐え得るも
のである。

特許出願人　鐘淵化学工業株式会社保護層材料：平均厚みｌ、　５　ｗｓｓ、仕上がり外径
１４．５ｍ燃焼方法

Claims

【特許請求の範囲】

１．重合度が８００〜２０００であり塩化ビニル含量が
８５重量％以上である塩化ビニル系樹脂（Ａ＿１）９５
〜８０重量％と樹脂２００ｍｇを含む５０ｍｌのニトロ
ベンゼン溶液の３０℃に於ける比粘度が０．２４〜０．
５４で塩素含量が５９〜６５重量％である塩素化塩化ビ
ニル樹脂（Ａ＿２）５〜２０重量％とからなる塩素系樹
脂（Ａ）１００重量部、樹脂４００ｍｇを含む１００ｍ
ｌのベンゼン溶液の３０℃に於ける比粘度が２．５以上
でありメタクリル酸メチル含量が５０〜９５重量％であ
るメタクリル酸メチル系共重合体（Ｂ）１〜１０重量部
、三酸化アンチモン（Ｃ）５〜２０重量部、酸化亜鉛（
Ｄ）５〜２５重量部及び可塑剤（Ｅ）３０〜１００重量
部からなる難燃性塩化ビニル系樹脂組成物。
２．請求項１記載の組成物を保護層の材料として使用し
てなる難燃性電線。
３．請求項１記載の組成物を保護層の材料として使用し
てなる難燃性ケーブル。