JPH07101895A - テトラヒドロジベンゾ[a,c]シクロオクテン誘導体の製造法およびこれに用いる中間体 - Google Patents

テトラヒドロジベンゾ[a,c]シクロオクテン誘導体の製造法およびこれに用いる中間体

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JPH07101895A
JPH07101895A JP26556093A JP26556093A JPH07101895A JP H07101895 A JPH07101895 A JP H07101895A JP 26556093 A JP26556093 A JP 26556093A JP 26556093 A JP26556093 A JP 26556093A JP H07101895 A JPH07101895 A JP H07101895A
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JP
Japan
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tetrahydrodibenzo
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cyclooctene
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Application number
JP26556093A
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English (en)
Inventor
Masahide Tanaka
正英 田中
Takeshi Wakamatsu
武 若松
Rie Yoshida
理恵 由田
Masao Maruno
政雄 丸野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsumura and Co
Original Assignee
Tsumura and Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 式(III)で表される13a−ヒドロキシ−
テトラヒドロジベンゾ[4,5:6,7]シクロオクタ
[1,2−c]フラン−1(3H)−オン誘導体を還元
後、これをアルカンスルホニル化またはアレーンスルホ
ニル化して式(II)で表される6,7−ビス(アルカン
またはアレーンスルホニルオキシメチル)−5,6,7,
8−テトラヒドロジベンゾ[a,c]シクロオクテン誘
導体とした後、これを還元することを特徴とする式
(I)で表される6,7−ジメチル−5,6,7,8−テト
ラヒドロジベンゾ[a,c]シクロオクテン誘導体の製
造法。 (R1〜R6は、低級アルコキシ基か、隣接する2つの基
で低級アルキレンジオキシ基を示し、Xはアルカンスル
ホニル基またはアレーンスルホニル基を示す) 【効果】 この方法により、脳機能改善剤等の医薬とし
て有用な誘導体(I)が合成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、解熱剤、肝障害改善
剤、脳機能改善剤、抗潰瘍剤等の医薬として有用な次の
式(I)
【化7】 (式中、R1〜R6は、低級アルコキシ基を示すか、隣接
する2つの基が一緒になって低級アルキレンジオキシ基
を示す)6,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ
ジベンゾ[a,c]シクロオクテン誘導体の製造法およ
びこれに用いる中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】上記式(I)で表される6,7−ジメチル
−5,6,7,8−テトラヒドロジベンゾ[a,c]シクロ
オクテン誘導体には、薬理活性を有する化合物が多く、
医薬としての利用が検討されている。
【0003】例えば、上記式(I)中、R1とR2がそれ
ぞれメトキシ基である化合物は、シザンドリンと命名さ
れ、また、R1とR2がメチレンジオキシ基である化合物
は、ゴミシンAと命名されており、解熱剤、肝不全治療
剤等の肝障害改善剤、脳機能改善剤等として有用である
ことが報告されている(特公昭60−33086号、特
開昭61−282315号、特公平3−27530
号)。また、シザンドリンの異性体であるイソシザンド
リンは、抗潰瘍剤として有用な化合物である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、6,7
−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒドロジベンゾ[a,
c]シクロオクテン誘導体(I)であるシザンドリン、
イソシザンドリン、ゴミシンA等は、医薬としての有用
性を有する化合物であるが、その経済性や安定供給の面
で問題を有していた。
【0005】すなわち、これらの化合物は、マツブサ科
に属するチョウセンゴミシ[シザンドラ・シネンシス
(Schizandora chinensis Baill.)]の果実を乾燥した
北五味子から単離抽出される化合物であるが、その収量
は、北五味子1kgから、シザンドリンが5g程度、イ
ソシザンドリンが0.02g程度、ゴミシンAが3g程
度であった。 また、北五味子自体生薬であるため、そ
の生産地が限られ、価格も気候により左右されるという
問題があった。
【0006】従って、6,7−ジメチル−5,6,7,8−
テトラヒドロジベンゾ[a,c]シクロオクテン誘導体
(I)であるシザンドリン、イソシザンドリン、ゴミシ
ンA等を医薬として開発するためには、経済的価格でし
かも安定に供給すること、すなわち化学的合成法による
製造法の開発が必須であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、シザンドリ
ン等の化学合成法に関し、鋭意検討を行っていたとこ
ろ、下式に従い、次の式(III)で表される13a−ヒ
ドロキシ−テトラヒドロジベンゾ[4,5:6,7]シク
ロオクタ[1,2−c]フラン−1(3H)−オン誘導
体を二段階で還元することにより、6,7−ジメチル−
5,6,7,8−テトラヒドロジベンゾ[a,c]シクロオ
クテン誘導体(I)を合成しうることを見出した。
【0008】
【化8】 (式中、R1〜R6は、低級アルコキシ基を示すか、隣接
する2つの基が一緒になって低級アルキレンジオキシ基
を示し、Xはアルカンスルホニル基またはアレーンスル
ホニル基を示す)
【0009】従って本発明は、式(III)で表される1
3a−ヒドロキシ−テトラヒドロジベンゾ[4,5:6,
7]シクロオクタ[1,2−c]フラン−1(3H)−
オン誘導体を還元後、スルホニル化させて式(II)で表
される6,7−ビス(アルカンまたはアレーンスルホニ
ルオキシメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロジベン
ゾ[a,c]シクロオクテン誘導体とした後、これを還
元することを特徴とする式(I)6,7−ジメチル−5,
6,7,8−テトラヒドロジベンゾ[a,c]シクロオク
テン誘導体の製造法である。
【0010】本発明の化合物(II)において、アルカン
スルホニル基の好ましい例としては、メタンスルホニル
基、トリフルオロメタンスルホニル基等が挙げられ、ま
た、アレーンスルホニル基の好ましい例としては、トル
エンスルホニル基、メシチレンスルホニル基等が挙げら
れる。
【0011】本発明方法を実施するには、まず、次式に
従い、13a−ヒドロキシ−テトラヒドロジベンゾ
[4,5:6,7]シクロオクタ[1,2−c]フラン−
1(3H)−オン誘導体(III)を還元した後、これに
ハロゲン化スルホニル、例えばメタンスルホニルクロラ
イド、メシチレンスルホニルクロライド、トルエンスル
ホニルクロライド等や、スルホン酸無水物、例えば無水
メタンスルホン酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸
等を作用させれば良い。
【0012】
【化9】 (式中、R1〜R6およびXは前記した意味を有する)
【0013】このうち還元反応は、テトラヒドロフラン
(THF)、ジメトキシエタン、ジオキサン等の溶媒
中、水素化リチウムアルミニウム、水素化アルミニウム
等の還元剤を作用させることにより行われる。 この還
元反応は、上記の溶媒の還流温度下で、10〜30分程
度行えば良く、また還元剤は、化合物(III)に対し、
3/4〜10モル倍程度用いれば良い。
【0014】また、ハロゲン化スルホニルやスルホン酸
無水物は、ピリジン、トリエチルアミン等の溶媒中、0
〜30℃程度の温度で、最低2モル倍程度の量を作用さ
せれば良い。
【0015】上記反応において、出発原料として用いら
れる化合物(III)は、下式に従い、式(IV)で表され
るジヒドロジベンゾ[4,5:6,7]シクロオクタ
[1,2−c]フラン−1(3H)−オン化合物をマン
ガン化合物の存在下水和することにより調製される。
また、この化合物(IV)は、既に特開平5−13243
3号に記載されている方法に従い、ラクトン化合物
(V)と、ベンズアルデヒド誘導体(VI)を反応させる
ことにより製造される化合物(VII)を、トリフルオロ
酢酸の存在下過塩素酸鉄を作用させて環化させることに
より製造される。
【0016】
【化10】 (R1〜R6は前記した意味を有する)
【0017】化合物(IV)の水和反応は、2−プロパノ
ール、THF等の溶媒中、酵素を酸化剤、フェニルシラ
ン等の水素化ケイ素化合物を還元剤として、マンガン
(II)ビス(アセチルアセトナート)等のマンガン化合
物を触媒として用い、室温から70℃の温度で5時間〜
3日間反応させることにより行なわれる。
【0018】かくして得られる6,7−ビス(アルカン
またはアレーンスルホニルオキシメチル)−5,6,7,
8−テトラヒドロジベンゾ[a,c]シクロオクテン誘
導体(II)から、6,7−ジメチル−5,6,7,8−テト
ラヒドロジベンゾ[a,c]シクロオクテン誘導体(I)
を導くには、次式に従って化合物(II)を還元すれば良
い。
【0019】
【化11】 (R1〜R6およびXは前記した意味を有する)
【0020】この還元反応も、テトラヒドロフラン(T
HF)、ジメトキシエタン、ジオキサン等の溶媒中、水
素化リチウムアルミニウム、水素化アルミニウム等の還
元剤を用いて行われ、上記の溶媒の還流温度下で、10
分〜60分程度行えば良く、また還元剤は、化合物(I
I)に対し、3/4〜10モル倍程度用いれば良い。
【0021】なお、化合物(II)は前記方法により製造
されたもののみならず、特開平4−330027号に記
載の方法で製造されたものを利用しても良い。
【0022】かくして得られた化合物(I)は、カラム
クロマトグラフィー、再結晶等公知の分離、精製手段に
より反応液より分離し、更に必要に応じて精製すること
により医薬として利用することが可能となる。
【0023】
【発明の効果】本発明方法によれば、従来天然中からし
か得られなかったシザンドリン、イソシザンドリン、ゴ
ミシンA等の6,7−ジメチル−5,6,7,8−テトラヒ
ドロジベンゾ[a,c]シクロオクテン誘導体(I)が合
成でき、これら化合物を経済的かつ安定的に供給するこ
とが可能となる。従って、本発明方法は、シザンドリ
ン、イソシザンドリン、ゴミシンA等の医薬としての開
発の上で極めて大きな意味をもつものである。
【0024】
【実施例】次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例になんら制約されるもの
ではない。
【0025】実 施 例 1 (3aR,13aS,Rbiar)−3a,4,13,13
a−テトラヒドロ−13a−ヒドロキシ−6,7,8,9,
10,11−ヘキサメトキシジベンゾ[4,5:6,7]
シクロオクタ[1,2−c]フラン−1(3H)−オン
(化合物1)及び(3aR,13aR,Rbiar)−3
a,4,13,13a−テトラヒドロ−13a−ヒドロキ
シ−6,7,8,9,10,11−ヘキサメトキシジベンゾ
[4,5:6,7]シクロオクタ[1,2−c]フラン−
1(3H)−オン(化合物2)の合成:
【0026】(3aS,Rbiar)−3a,4−ジヒド
ロ−6,7,8,9,10,11−ヘキサメトキシジベンゾ
[4,5:6,7]シクロオクタ[1,2−c]フラン−
1(3H)−オン 1.0g(2.26mmole)、マ
ンガンビス(アセチルアセトナート) 670mg(2.
32mmole)を2−プロパノール 50mlに溶か
し、一気圧の酸素雰囲気下で撹拌しながら、フェニルシ
ラン 2.0ml(16.2mmole)を加え、さらに
室温で24時間撹拌した。 水洗後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、溶媒を留去すると褐色泡状残渣 2.2g
が得られた。
【0027】これをカラムクロマトグラフィー(シリカ
ゲル;酢酸エチル−ヘキサン=2:3)で精製し、(3
aR,13aS,Rbiar)−3a,4,13,13a−
テトラヒドロ−13a−ヒドロキシ−6,7,8,9,1
0,11−ヘキサメトキシジベンゾ[4,5:6,7]シ
クロオクタ[1,2−c]フラン−1(3H)−オン
(化合物1) 733mg(70%)を無色固体とし
て、また、(3aR,13aR,Rbiar)−3a,4,
13,13a−テトラヒドロ−13a−ヒドロキシ−6,
7,8,9,10,11−ヘキサメトキシジベンゾ[4,
5:6,7]シクロオクタ[1,2−c]フラン−1(3
H)−オン(化合物2) 111mg(11%)を無色
油状物としてそれぞれ得た。
【0028】(化合物1) 融 点 : 178−179℃(無色針状晶;酢酸エチル
−ヘキサンから) NMR(CDCl3):2.68(6H,m),3.367
(3H,s),3.643(3H,s),3.88(3H,
s),3.89(3H,s),3.90(3H,s),3.92
(3H,s),3.85−3.95(1H,m),4.40
(1H,dd,J=8,9Hz),6.37(1H,s),6.
72(1H,s).
【0029】IR(KBr):3476, 2940, 2
832, 1760,1596,1402, 1128,11
10. LRMS: 460(M+, base) 元素分析値(C24289として): 計算値: C,62.60, H,6.13 実測値: C,62.49, H,6.15 [α]D 26: −13.6°(c=0.425,CHCl3
【0030】(化合物2) NMR:(CDCl3):1.78−1.94(1H,b
r),2.10−2.30(1H,m),2.57(1H,d,
J=13Hz),3.44(1H,d,J=13Hz),2.7
3(1H,dd,J=12,15Hz),3.01(1H,d
d,J=7,15Hz),3.57(3H,s),3.72(3
H,s),3.84(3H,s),3.88(3H,s),3.
89(6H,s),4.05(1H,dd,J=8,10H
z),4.19(1H,t,J=8Hz),6.41(1H,
s),6.55(1H,s).
【0031】IR(CHCl3):3580, 3004,
2940, 2840, 1778, 1598,1574,
1486, 1462, 1432, 1126, 1106,
1002. LRMS(El): 460(M+,base) HRMS(C24289(M+)として): 計算値: 460.17333 実測値: 460.17291(Error:0.42) [α]D 26: +109.6°(c=0.585,CHC
3
【0032】実 施 例 2 (3aR,13aS,Rbiar)−3a,4,13,13
a−テトラヒドロ−13a−ヒドロキシ−8,9,10,
11−ヘキサメトキシ−6,7−メチレンジオキシジベ
ンゾ[4,5:6,7]シクロオクタ[1,2−c]フラ
ン−1(3H)−オン(化合物3)及び(3aR,13
aR,Rbiar)−3a,4,13,13a−テトラヒド
ロ−13a−ヒドロキシ−8,9,10,11−ヘキサメ
トキシ−6,7−メチレンジオキシジベンゾ[4,5:
6,7]シクロオクタ[1,2−c]フラン−1(3H)
−オン(化合物4)の合成:
【0033】(3aS,Rbiar)−3a,4−ジヒド
ロ−8,9,10,11−テトラメトキシ−6,7−メチレ
ンジオキシジベンゾ[4,5:6,7]シクロオクタ
[1,2−c]フラン−1(3H)−オン 236mg
(0.55mmole)の2−プロパノール 15ml溶
液にマンガンビス(アセチルアセトナート) 25mg
(0.087mmole)を加え、一気圧の酸素雰囲気
下で撹拌しながら、フェニルシラン 0.25ml(2.
0mmole)を加え、70℃で24時間撹拌した。さ
らにマンガンビス(アセチルアセトナート) 25mg
(0.087mmole)、フェニルシラン 0.25m
l(2.0mmole)を加え、60℃で66時間撹拌
した。
【0034】溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラ
フィー(シリカゲル、酢酸エチル−ヘキサン=1:2)
で精製し、(3aR,13aS,Rbiar)−3a,4,
13,13a−テトラヒドロ−13a−ヒドロキシ−8,
9,10,11−ヘキサメトキシ−6,7−メチレンジオ
キシジベンゾ[4,5:6,7]シクロオクタ[1,2−
c]フラン−1(3H)−オン(化合物3) 166m
g(67%)を無色固体として、また、(3aR,13
aR,Rbiar)−3a,4,13,13a−テトラヒド
ロ−13a−ヒドロキシ−8,9,10,11−ヘキサメ
トキシ−6,7−メチレンジオキシジベンゾ[4,5:
6,7]シクロオクタ[1,2−c]フラン−1(3H)
−オン(化合物4) 26mg(11%)を無色油状物
として得るとともに、原料 52mg(22%)を回収
した。
【0035】(化合物3) 融 点 : 260℃以上(無色プリズム晶;酢酸エチル
から) NMR:(CDCl3):2.60−2.86(6H,
m),3.62(3H,s),3.87(3H,s),3.90
(3H,s),3.91(3H,s),3.85−3.96
(1H,m),4.38(1H,dd,J=8,9Hz),5.
99(2H,s),6.30(1H,s),6.73(1H,
s).
【0036】IR(KBr):3420, 2980, 2
936, 1766, 1620, 1600. LRMS: 444(M+,base) 元素分析値(C23249として): 計算値: C,62.15, H,5.44 実測値: C,62.05, H,5.45 [α]D 26: −37.96°(c=0.485,CHC
3
【0037】(化合物4) NMR(CDCl3):1.60(1H,brs),2.0
8−2.24(1H,m),2.58(1H,d,J=14H
z),2.61(1H,dd,J=9,16Hz),2.93
(1H,dd,J=8,16Hz),3.43(1H,d,J=
14Hz),3.70(3H,s),3.80(3H,s),
3.84(3H,s),3.89(3H,s),4.00−4.
20(2H,m),5.97(1H,d,J=1.5Hz),
5.99(1H,d,J=1.5Hz),6.41(1H,
s),6.49(1H,s).
【0038】IR(CHCl3):3576, 3004,
2968, 2940, 1778, 1618,1600,
1478, 1464. LRMS: 444(M+,base) HRMS(C12249として): 計算値: 444.14203(M+) 実測値: 444.14350(Error:1.47) [α]D 25: +94.4°(c=0.32,CHCl3
【0039】実 施 例 3 (6S,7R,Rbiar)−6−ヒドロキシ−6,7−
ビス(メタンスルホニルオキシメチル)−1,2,3,1
0,11,12−ヘキサメトキシ−5,6,7,8−テトラ
ヒドロジベンゾ[a,c]シクロオクテン(化合物5)
の合成:
【0040】実施例1で得た化合物1 2.32g(5.
43mmole)のTHF 20ml溶液を、加熱還流
したLiAlH4 1.0g(26mmole)のTHF
30ml懸濁液に滴下した。 30分加熱還流後、0℃
で硫酸ナトリウム10水和物を加え、室温で1時間撹拌
後、不溶物を濾過して除いた。 濾液を濃縮し、得られ
た残渣 2.22gをピリジン 10mlに溶かし、塩化
メタンスルホニル 2.0mlを加え、0℃で1.5時間
撹拌した。
【0041】水を加えた後、酢酸エチル 50mlに溶
かし、2N−塩酸水、水、飽和重曹水、飽和食塩水で洗
浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 溶媒を留去
し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ
ゲル;酢酸エチル−ヘキサン=2:1)で精製し、(6
S,7R,Rbiar)−6−ヒドロキシ−6,7−ビス
(メタンスルホニルオキシメチル)−1,2,3,10,1
1,12−ヘキサメトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ
ジベンゾ[a,c]シクロオクテン(化合物5)2.24
g(72%)を無色泡状物として得た。
【0042】NMR(CDCl3):1.80(1H,b
rs),2.30−2.50(1H,m),2.41(1H,
d,J=14Hz),2.58(1H,d,J=14Hz),
2.70−2.80(2H,m),3.07(3H,s),3.
17(3H,s),3.63(3H,s),3.65(3H,
s),3.92(3H,s),3.94(3H,s),3.95
(3H,s),3.96(3H,s),4.10−4.25
(4H,m),6.55(1H,s),6.78(1H,s).
【0043】実 施 例 4 シザンドリンの合成:LiAlH4(1.0g、26.3
mmole)をTHF(30ml)に懸濁させ、加熱還
流した。 これに実施例3で得た化合物5、2.24g
(3.61mmole)のTHF(30ml)溶液を加
え、15分加熱還流した。 室温に放冷後、硫酸ナトリ
ウム10水和物を加え、室温で1時間撹拌し、不溶物を
濾過して除いた。 濾液を濃縮後、カラムクロマト(シ
リカゲル;酢酸エチル−ヘキサン=1:2)で精製し、
シザンドリン 1.38g(88%)を無色固体として得
た。
【0044】融 点: 130.5−131.5℃ NMR: スペクトルは天然から得たシザンドリンのも
のと一致した。
【0045】実 施 例 5 (6R,7R,Rbiar)−6−ヒドロキシ−6,7−
ビス(メタンスルホニルオキシメチル)−1,2,3,1
0,11,12−ヘキサメトキシ−5,6,7,8−テトラ
ヒドロジベンゾ[a,c]シクロオクテン(化合物6)
の合成:
【0046】実施例1で得た化合物2 365mg(0.
79mmole)のTHF 10ml溶液を、加熱還流
したLiAlH4 300mg(7.9mmole)のT
HF10ml懸濁液に滴下した。 20分加熱還流後、
0℃で硫酸ナトリウム10水和物を加え、室温で1時間
撹拌後、不溶物を濾過して除いた。 濾液を濃縮し、得
られた残渣 341mgをピリジン 5mlに溶かし、塩
化メタンスルホニル0.3mlを加えて1時間0℃で撹
拌した。
【0047】水を加えた後、酢酸エチル 20mlに溶
かし、2N−塩酸水、水、飽和重曹水、飽和食塩水で洗
浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 溶媒を留去
して(6R,7R,Rbiar)−6−ヒドロキシ−6,
7−ビス(メタンスルホニルオキシメチル)−1,2,
3,10,11,12−ヘキサメトキシ−5,6,7,8−テ
トラヒドロジベンゾ[a,c]シクロオクテン(化合物
6) 394mg(80%)を無色泡状物として得た。
【0048】NMR(CDCl3):1.74(1H,b
rs),2.10−2.64(3H,m),2.80−2.9
3(2H,m),3.03(3H,s),3.11(3H,
s),3.58(6H,s),3.89(3H,s),3.91
(3H,s),3.93(3H,s),3.88(3H,s),
4.15−4.31(2H,m),4.28(1H,d,J=1
1Hz),4.60(1H,dd,J=4,10Hz),6.6
7(1H,s),6.77(1H,s).
【0049】IR(CHCl3):3576, 3004,
2940, 2836, 1596, 1492,1462,
1358, 1194, 1106. LRMS:620(M+),524(base) HRMS(C2636213(M+)として): 計算値: 620.15974 実測値: 620.15931 [α]D 25: +108.96°(c=0.53,CHC
3
【0050】実 施 例 6 イソシザンドリンの合成:LiAlH4 300mg
(7.9mmole)をTHF 10mlに懸濁させ、加
熱還流した。 これに実施例5で得た化合物6、300
mg(0.4mmole)のTHF(5ml)溶液を加
え、30分加熱還流した。 室温に放冷後、硫酸ナトリ
ウム10水和物を加え、室温で1時間撹拌し、不溶物を
濾過して除いた。濾液を濃縮後、カラムクロマト(シリ
カゲル、酢酸エチル−ヘキサン=1:2)で精製し、イ
ソシザンドリン 164mg(78%)を無色アモルフ
ァスとして得た。
【0051】融 点 : 111−111.5℃(無色プ
リズム晶;酢酸エチル−ヘキサンから) NMR(CDCl3):0.89(3H,d,J=7Hz),
1.19(3H,s),1.50(1H,brs),1.80
−1.96(1H,m),2.32(1H,d,J=13H
z),2.52−2.54(2H,m),2.82(1H,d,
J=13Hz),3.56(3H,s),3.57(3H,
s),3.876(3H,s),3.88(3H,s),3.8
9(6H,s),6.54(1H,s),6.61(1H,
s).
【0052】IR(CHCl3):3600, 3004,
2936, 2836, 1596, 1490, 1462
1402, 1106. LRMS:432(M+,base) HRMS(C24327(M+)として): 計算値: 432.21481 実測値: 432.21513 [α]D 25: +100.1°(c=0.705,CHC
3) 元素分析(C24327として): 計算値: C,66.65, H,7.46 実測値: C,66.36, H,7.50
【0053】実 施 例 7 (6S,7R,Rbiar)−6−ヒドロキシ−6,7−
ビス(メタンスルホニルオキシメチル)−1,2,3,1
2−ヘキサメトキシ−10,11−メチレンジオキシ−
5,6,7,8−テトラヒドロジベンゾ[a,c]シクロオ
クテン(化合物7)の合成:
【0054】実施例2で得た化合物3 471mg(1.
06mmole)のTHF(10ml)溶液を加熱還流
したLiAlH4 400mg(10.5mmole)の
THF 10ml懸濁液に滴下した。 30分加熱還流
後、0℃で硫酸ナトリウム10水和物を加え、室温で1
時間撹拌後不溶物を濾過して除いた。 濾液を濃縮し、
得られた残渣 384mgをピリジン 5mlに溶かし、
塩化メタンスルホニル0.5mlを加えて1時間、0℃
で4時間撹拌した。
【0055】水を加えた後、酢酸エチル 20mlに溶
かし、2N−塩酸水、水、飽和重曹水、飽和食塩水で洗
浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 溶媒を留去し
て得られた残渣をエーテル中で結晶化させ(6S,7R,
Rbiar)−6−ヒドロキシ−6,7−ビス(メタン
スルホニルオキシメチル)−1,2,3,12−ヘキサメ
トキシ−10,11−メチレンジオキシ−5,6,7,8−
テトラヒドロジベンゾ[a,c]シクロオクテン(化合
物7) 416mg(65%)を無色固体として得た。
【0056】融 点 : 170.5−171.5℃(分
解、無色針状晶;酢酸エチル−ヘキサンから) NMR(CDCl3):1.67(1H,brs),2.2
5−2.69(5H,m),3.05(3H,s),3.14
(3H,s),3.57(3H,s),3.85(3H,s),
3.91(6H,s),4.09−4.21(4H,m),5.
98(1H,d,J=1.5Hz),5.99(1H,d,J=
1.5Hz),6.54(1H,s),6.64(1H,s).
【0057】IR(KBr):3524, 2940, 1
622, 1600, 1478, 1462, 135411
76. LRMS: 604(M+),83(base) HRMS(C2532213として): 計算値: 604.12844(M+) 実測値: 604.12610(Err.−2.34) [α]D 24: +89.7°(c=0.30,CHCl3) 元素分析値(C2532210として): 計算値: C,49.66, H,5.33 実測値: C,49.41, H,5.53
【0058】実 施 例 8 ゴミシンAの合成:水素化アルミニウムリチウム 10
0mg(2.6mmole)のTHF 5ml懸濁液に実
施例7で得た 化合物7 150mg(0.25mmol
e)のTHF 5ml溶液を加え、20分加熱還流し
た。 硫酸ナトリウム10水和物を加え、室温で1時間
撹拌した後、不溶物を濾過して除き、濾液を濃縮した。
残渣をPTLC(シリカゲル;酢酸エチル−ヘキサン=
1:1)で精製し、ゴミシンA76mg(74%)を無
色固体として得た。
【0059】NMR(CDCl3):0.83(3H,d,
J=7Hz),1.25(3H,s),1.78−2.10
(2H,m),2.33(1H,dd,J=7,10Hz),
2.35(1H,d,J=14Hz),2.39(1H,dd,
J=7,1Hz),2.69(1H,d,J=14Hz),3.
52(3H,s),3.84(3H,s),3.91(6H,
s),5.96(1H,d,J=1.5Hz),5.97(1
H,d,J=1.5Hz),6.48(1H,s),6.62
(1H,s). 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸野 政雄 茨城県稲敷郡阿見町吉原3586 株式会社ツ ムラ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式(II) 【化1】 (式中、R1〜R6は、低級アルコキシ基を示すか、隣接
    する2つの基が一緒になって低級アルキレンジオキシ基
    を示し、Xはアルカンスルホニル基またはアレーンスル
    ホニル基を示す)で表される6,7−ビス(アルカンま
    たはアレーンスルホニルオキシメチル)−5,6,7,8
    −テトラヒドロジベンゾ[a,c]シクロオクテン誘導
    体を還元することを特徴とする次の式(I) 【化2】 (式中、R1〜R6は前記した意味を有する)6,7−ジ
    メチル−5,6,7,8−テトラヒドロジベンゾ[a,c]
    シクロオクテン誘導体の製造法。
  2. 【請求項2】 次の式(III) 【化3】 (式中、R1〜R6は、低級アルコキシ基を示すか、隣接
    する2つの基が一緒になって低級アルキレンジオキシ基
    を示す)で表される13a−ヒドロキシ−テトラヒドロ
    ジベンゾ[4,5:6,7]シクロオクタ[1,2−c]
    フラン−1(3H)−オン誘導体を還元後、スルホニル
    化させて次の式(II) 【化4】 (式中、R1〜R6およびXは前記した意味を有する)で
    表される6,7−ビス(アルカンまたはアレーンスルホ
    ニルオキシメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロジベ
    ンゾ[a,c]シクロオクテン誘導体とした後、これを
    還元することを特徴とする次の式(I) 【化5】 (式中、R1〜R6は前記した意味を有する)6,7−ジ
    メチル−5,6,7,8−テトラヒドロジベンゾ[a,c]
    シクロオクテン誘導体の製造法。
  3. 【請求項3】 次の式(III) 【化6】 (式中、R1〜R6は、低級アルコキシ基を示すか、隣接
    する2つの基が一緒になって低級アルキレンジオキシ基
    を示す)で表されるテトラヒドロジベンゾ[4,5:6,
    7]シクロオクタ[1,2−c]フラン−1(3H)−
    オン誘導体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010536720A (ja) * 2007-08-16 2010-12-02 インターメッド・ディスカバリー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 肝臓x受容体モジュレーターと組み合わせた抽出物、化合物および特に体重管理におけるそれらの使用

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JP2010536720A (ja) * 2007-08-16 2010-12-02 インターメッド・ディスカバリー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 肝臓x受容体モジュレーターと組み合わせた抽出物、化合物および特に体重管理におけるそれらの使用

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