JPH07101892A - 新規なビスフェノール誘導体 - Google Patents

新規なビスフェノール誘導体

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JPH07101892A
JPH07101892A JP5273009A JP27300993A JPH07101892A JP H07101892 A JPH07101892 A JP H07101892A JP 5273009 A JP5273009 A JP 5273009A JP 27300993 A JP27300993 A JP 27300993A JP H07101892 A JPH07101892 A JP H07101892A
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JP
Japan
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bis
phenyl
formula
general formula
propane
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Application number
JP5273009A
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English (en)
Inventor
Fumiyoshi Urano
文良 浦野
Takakuni Yasuda
高訓 安田
Yasushi Matsuda
裕史 松田
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Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
Original Assignee
Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】下記一般式〔1〕 【化1】 [式中、R1は炭素数1〜6の直鎖状、分枝状又は環状
のアルキル基を表し、R2は水素原子又はメチル基を表
わし、R3及びR4は夫々独立して水素原子又は炭素数1
〜5の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表し、Xは下記
一般式〔2〕 【化2】 (但し、R5及びR6は夫々独立して水素原子又は炭素数
1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基を表
し、又、R5とR6は互いに結合してメチレン鎖を形成し
ていても良い。)で示される基又は−SO2−を表し、
Yは単結合、−C(CH3)2COO−又は−CH2COO
−を表す。]で示されるビスフェノール誘導体。』 【効果】本発明のビスフェノール誘導体は酸の作用で容
易に保護基を脱離してフェノール化合物又はカルボン酸
化合物に変化する。半導体分野、特に微細加工が要求さ
れる半導体素子製造のリソグラフィーでは、この性質を
利用して化学増幅型3成分系レジスト材料の溶解阻害剤
として使用する事により高解像性能が達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明はレジスト材料、記録材料
を始めとする各種機能性材料、液晶中間体、医薬品中間
体、農薬中間体等として有用な、特定な官能基を有する
新規なビスフェノール誘導体に関する。
【0002】
【発明の背景】ビスフェノール誘導体は従来から種々の
用途に使用されているが、近時、レジスト材料にも使用
されるようになってきている。即ち、H.Ito等により提
唱された所謂化学増幅型レジスト材料[Polym.Eng.Sc
i.,23巻,1012頁(1983年)] の中の3成分系化学増幅
型ポジレジスト材料に於ける溶解阻害剤としての用途が
それである[例えば、J.Vac.Sci.Technol,B9(2),278頁
(1991年) ; Polymers for microelectronics,science a
nd technology,66頁(1989年)等]。
【0003】しかながら、これまでの報告に於て上記用
途に用いられているビスフェノール誘導体は何れも3成
分系化学増幅型ポジレジスト材料の溶解阻害剤としては
性能的に今一つであり、これらを溶解阻害剤として用い
たレジスト材料は解像性能が不十分であり、又、露光か
ら加熱処理の間に寸法変動が起こる等の問題を抱えてい
る。従って、十分な解像性能を有し、且つ寸法変動しな
い3成分系のレジスト材料を構成し得る新規且つ性能的
により優れた溶解阻害剤が渇望されている現状にある。
【0004】
【発明の目的】本発明は上記した如き状況に鑑みなされ
たもので、例えばこれを3成分系化学増幅型ポジレジス
ト材料に於ける溶解阻害剤として用いた場合には、パタ
ーンの解像性能を向上させ、且つ寸法変動をも抑制し得
る新規で且つ有用な化合物を提供することを目的とす
る。
【0005】
【発明の構成】上記目的を達成する為、本発明は下記の
構成からなる。『下記一般式〔1〕
【0006】
【化3】
【0007】[式中、R1は炭素数1〜6の直鎖状、分
枝状又は環状のアルキル基を表し、R2は水素原子又は
メチル基を表わし、R3及びR4は夫々独立して水素原子
又は炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表
し、Xは下記一般式〔2〕
【0008】
【化4】
【0009】(但し、R5及びR6は夫々独立して水素原
子又は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のアル
キル基を表し、又、R5とR6とが互いに結合してメチレ
ン鎖を形成していても良い。)で示される基又は−SO
2−を表し、Yは単結合、−C(CH3)2COO−又は−
CH2COO−を表す。]で示されるビスフェノール誘
導体。』
【0010】即ち、本発明者らは、例えばこれを化学増
幅型レジスト材料の溶解阻害成分として用いた場合に、
露光により発生した酸の存在下、従来から知られている
この種の化合物に比して極めて容易に保護基を脱離して
アルカリ可溶性となり、これにより解像性能をより向上
させ、且つ寸法変動をも抑制し得る新規なビスフェノー
ル誘導体を求めて鋭意研究を重ねた結果、フェノール性
水酸基を本発明に係る特定の基で保護したビスフェノー
ル誘導体が上記目的を達成し得るものであることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0011】一般式〔1〕に於いて、R1で示される炭
素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基が挙
げられ、直鎖状、分枝状、環状の何れにてもよく、R3
及びR4で示される炭素数1〜5のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミ
ル基が挙げられ、直鎖状、分枝状の何れにてもよい。
【0012】また、一般式〔1〕に於けるXは上記一般
式〔2〕で示される基又は−SO2−を表すが、一般式
〔2〕に於いて、R5及びR6で示される炭素数1〜10
のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、ペプチル基、オ
クチル基、ノニル基、デシル基が挙げられ、直鎖状、分
枝状、環状の何れにてもよい。
【0013】上記一般式〔1〕で示される化合物の具体
例としては、例えば2,2-ビス〔4-(1-メトキシエトキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(1-エトキシエ
トキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(1-イソプ
ロポキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-
(1-シクロヘキシルオキシエトキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2-ビス〔4-(1-エトキシプロポキシ)フェニル〕
プロパン、2,2-ビス{4-〔2-(2-メトキシ)プロポキ
シ〕フェニル}プロパン、2,2-ビス〔2-(2-エトキシ)
プロポキシフェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(1-エト
キシエトキシ)−3-(1,1-ジメチルエチル)フェニル〕
プロパン、2,2-ビス〔4-(1-エトキシエトキシ)−3,5-
ジ(1,1-ジメチルエチル)フェニル〕プロパン、2,2-ビ
ス〔4-(1-エトキシエトキシカルボニルメトキシ)−3,
5-ジ(1,1-ジメチルエチル)フェニル〕プロパン、2,2-
ビス〔4-(1-メトキシエトキシカルボニルメトキシ)フ
ェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(1-エトキシエトキシ
カルボニルメトキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス
{4-〔2-(1-メトキシエトキシカルボニル)−2-プロポ
キシ〕フェニル}プロパン、2,2-ビス{4-〔2-(1-エト
キシエトキシカルボニル)−2-プロポキシ〕フェニル}
プロパン、2,2-ビス〔4-(1-メトキシエトキシ)−2-メ
チルフェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(1-エトキシエ
トキシ)−2-メチルフェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-
(1-エトキシエトキシカルボニルメトキシ)−2-メチル
フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(1-エトキシエトキ
シカルボニルメトキシ)−3-メチルフェニル〕プロパ
ン、2,2-ビス〔4-(1-エトキシエトキシカルボニルメト
キシ)−3-メチルフェニル〕プロパン、ビス〔4-(1-メ
トキシエトキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4-(1-エト
キシエトキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4-(1-メトキ
シプロポキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4-(1-エトキ
シプロポキシ)フェニル〕メタン、4,4'−ビス(1-メト
キシエトキシ)ジフェニルスルホン、4,4'−ビス(1-エ
トキシエトキシ)ジフェニルスルホン、4,4'−ビス(1-
メトキシエトキシカルボニルメトキシ)ジフェニルスル
ホン、4,4'−ビス(1-エトキシエトキシカルボニルメト
キシ)ジフェニルスルホン、2,2-ビス〔4-(1-メトキシ
エトキシ)フェニル〕ブタン、2,2-ビス〔4-(1-エトキ
シエトキシ)フェニル〕ブタン、2,2-ビス〔4-(1-シク
ロヘキシルオキシエトキシ)フェニル〕ブタン、2,2-ビ
ス〔4-(1-エトキシプロポキシ)フェニル〕ブタン、2,
2-ビス{4-〔2-(2-メトキシ)プロポキシ〕フェニル}
ブタン、2,2-ビス〔4-(1-エトキシエトキシ)−3-(1,
1-ジメチルエチル)フェニル〕ブタン、4,4-ビス〔4-
(1-メトキシエトキシ)フェニル〕−2,6-ジメチルヘプ
タン、4,4-ビス〔4-(1-エトキシエトキシ)フェニル〕
−2,6-ジメチルヘプタン、4,4-ビス〔4-(1-エトキシエ
トキシカルボニルメトキシ)フェニル〕−2,6-ジメチル
ヘプタン、4,4-ビス〔4-(1-メトキシエトキシカルボニ
ルメトキシ)フェニル〕−2,6-ジメチルヘプタン、1,1-
ビス〔4-(1-メトキシエトキシ)フェニル〕−1-シクロ
ヘキシルエタン、1,1-ビス〔4-(1-エトキシエトキシ)
フェニル〕−1-シクロヘキシルエタン、1,1-ビス〔4-
(1-メトキシエトキシ)フェニル〕シクロヘキサン、1,
1-ビス〔4-(1-エトキシエトキシ)フェニル〕シクロヘ
キサン、1,1-ビス〔4-(1-メトキシエトキシカルボニル
メトキシ)フェニル〕シクロヘキサン、1,1-ビス〔4-
(1-エトキシエトキシカルボニルメトキシ)フェニル〕
シクロヘキサン、1,1-ビス{4-〔2-(1-エトキシエトキ
シカルボニル)プロポキシ〕フェニル}シクロヘキサン
等が挙げられるがこれ等に限定されるものではない。
【0014】一般式〔1〕で示されるビスフェノール誘
導体は、例えば下記の如き方法により容易に合成し得
る。即ち、一般式〔1〕に於いてYが単結合の化合物
は、例えば、一般式〔3〕
【0015】
【化5】
【0016】(式中、R3、R4及びXは前記と同じ。)
で示されるビスフェノール化合物1モルと、下記一般式
〔4〕
【0017】
【化6】
【0018】(式中、R1及びR2は前記と同じ。)で示
されるエテニル化合物1〜10モルとを触媒量の硫酸、p-
トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸・ピリジニ
ウム、硫酸・ピリジニウム、無水硫酸・ピリジニウム等
の存在下、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチ
ルエーテル、塩化メチレン、酢酸エチル、アセトン、ベ
ンゼン、トルエン等の溶剤中、−10〜50℃で1〜20時間
撹拌反応させた後、反応液を常法に従って、後処理すれ
ば目的とするビスフェノール誘導体が容易に得られる。
【0019】また、一般式〔1〕に於て、Yが−C(C
3)2COO−又は−CH2COO−である化合物は、例
えば、先ず、上記一般式〔3〕で示されるビスフェノー
ル化合物1モルと、下記一般式〔5〕
【0020】
【化7】
【0021】(R7は水素原子又はメチル基を表し、Z
は塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、R1、R2
は前記と同じ。)で示されるモノハロカルボン酸 tertー
ブチル1〜10モルとを炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウ
ム、ナトリウムメトキシド等の塩基の存在下、塩化メチ
レン、エチルエーテル、アセトン、トルエン、酢酸エチ
ル等の溶剤中、10〜100℃で0.5〜20時間撹拌反応させた
後、反応液を常法に従って後処理して下記一般式〔6〕
【0022】
【化8】
【0023】(式中、R3、R4、R7及びXは前記と同
じ。)で示されるビスフェノールのエステル誘導体を
得、更にこれを触媒量の硫酸、p-トルエンスルホン酸、
塩酸等の酸類の存在下、塩化メチレン、アセトン、1,4-
ジオキサン、エチルエーテル、ベンゼン、トルエン等の
溶剤中、0〜120℃で1〜20時間撹拌反応させ、反応液
を常法に従って後処理して下記一般式〔7〕
【0024】
【化9】
【0025】(式中、R3、R4、R7及びXは前記と同
じ。)で示されるビスフェノールのカルボン酸誘導体を
得る。次いでこの一般式〔7〕で示されるビスフェノー
ルのカルボン酸誘導体1モルと、一般式〔4〕で示され
るエテニル化合物1〜10モルとを触媒量の硫酸、p-トル
エンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸・ピリジニウ
ム、硫酸・ピリジニウム、無水硫酸・ピリジニウム等の
存在下、塩化メチレン、1,4-ジオキサン、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン、ベン
ゼン、アセトン等の溶剤中、−10〜50℃で1〜20時間撹
拌反応させた後、反応液を常法に従って後処理すれば目
的とするビスフェノール誘導体が容易に得られる。
【0026】上記一般式〔3〕で示されるビスフェノー
ル化合物は市販品があるものはそれをそのまま用いれば
良いし、また、市販品がないものについては下記の方法
に準じて適宜合成し、使用すれば良い。
【0027】即ち、一般式〔3〕に於て、Xが一般式
〔2〕で示される基である化合物の場合には、例えば、
下記一般式〔8〕
【0028】
【化10】
【0029】(式中、R3及びR4は前記と同じ。)で示
されるフェノール化合物1モルと下記一般式
〔9〕
【0030】
【化11】
【0031】(式中、R5'及びR6'は夫々独立して水素
原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のア
ルキル基を表し(但し、R5'とR6'が共に水素原子であ
る場合を除く。)、又、R5'とR6'とが互いに結合して
メチレン鎖を形成していても良い。)で示されるカルボ
ニル化合物0.5〜5モルとを塩化水素又は臭化水素を飽
和した、例えば塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルエーテル等の溶剤中又
は無溶剤下(但し、この場合には原料のフェノール化合
物とケトン化合物の混合液に塩化水素又は臭化水素を飽
和させる。)、0〜50℃で1〜100時間反応させ、反応
液を常法に従って後処理すれば目的とするビスフェノー
ル化合物が容易に得られる。
【0032】尚、一般式〔2〕に於て、R5、R6が共に
水素原子である化合物の場合には、上記一般式〔8〕で
示されるフェノール化合物と過剰のホルムアルデヒド又
はパラホルムアルデヒドとを例えば、n-ヘキサン等の炭
化水素溶媒中、BaO、CaO等の存在下、20〜150℃で1〜3
0時間加熱縮合反応させた後、反応液を後処理すること
により容易に得られるので、そのようにして得られたも
のを用いれば良い。
【0033】また、一般式〔3〕に於て、Xが−SO2
−である化合物の場合には、例えば、一般式〔8〕で示
されるフェノール化合物と過剰の硫酸又は塩化スルフリ
ルとをハロゲン化炭化水素等の溶媒中又は無溶媒下、0
〜100℃で1〜20時間縮合反応させた後、反応液を常法
に従って後処理することにより容易に得られる。
【0034】上記一般式〔5〕で示されるモノハロカル
ボン酸 tertーブチルも市販品があるものはそれをそのま
ま用いれば良いが、市販品がないものは、例えば、一般
式〔10〕
【0035】
【化12】
【0036】(式中、R7及びZは前記と同じ。)で示
されるモノハロカルボン酸とtertーブタノールとをエス
テル化反応の常法に従って、反応させ、後処理すること
により容易に得られるのでそのようにして得られたもの
を用いることで足りる。
【0037】
【作用】本発明のビスフェノール誘導体は、酸の作用に
より極めて容易に保護基を脱離してフェノール又はカル
ボン酸を生成する特徴を有しているので、例えば、3成
分系化学増幅型ポジレジスト材料の溶解阻害剤として有
効に利用出来る。アルカリ可溶性樹脂、溶解阻害剤及び
酸発生剤(露光により酸を発生する感光性化合物)とか
ら成る3成分系レジスト材料の場合、例えばポリビニル
フェノールやノボラック樹脂の様なアルカリ可溶性樹脂
は、本発明のビスフェノール誘導体を溶解阻害剤として
混合する事によりアルカリ現像液への溶出が抑制され
る。この3成分系レジスト材料から形成されるレジスト
膜を露光すると酸発生剤から生成した酸の作用により、
下記式1又は式2に従ってフェノール又はカルボン酸が
生成する。
【0038】
【式1】
【0039】
【式2】
【0040】溶解阻害剤として使用した本発明に係る化
合物がアルカリ可溶性化合物に変換したので露光部位は
アルカリ現像液に溶出する。他方、未露光部は上記式1
又は式2の反応は起こらないのでアルカリ現像液に溶解
しない。その結果、露光部位と未露光部位ではアルカリ
現像液に対する溶解速度差が生じ、ポジ型のパターンが
形成される。しかも本発明に係る化合物を用いたレジス
ト剤は、酸の作用で脱離する保護基が他の類似した保護
基に比して酸雰囲気下、極めて瞬時に、且つ完全に脱離
出来る為、より高解像性能であり、露光から加熱迄の放
置でもパターン寸法は変動しない長所を引き出してい
る。
【0041】以下に実施例、参考例及び比較例を挙げて
本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれ等によ
り何等制約を受けるものではない。
【0042】
【実施例】 実施例1. 2,2-ビス〔4-(1-エトキシエトキシ)フェ
ニル〕プロパンの合成 2,2-ジ(4-ヒドロキシフェニル)プロパン32.0g(0.14
モル)及びエチルビニルエーテル80.8g(1.12モル)を
1,4-ジオキサン130mlに溶解し、p-トルエンスルホン酸
ピリジニウム2.8gを添加後、20〜25℃で6時間撹拌反
応させた。反応後、エチルエーチル 300ml及び水100ml
を注入し、室温で30分撹拌、静置した。有機層を分取
し、3回水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶剤留
去して残渣の2,2-ビス〔4-(1-エトキシエトキシ)フェ
ニル〕プロパン50.8gを微黄色油状物として得た。
【0043】1HNMR δppm(CDCl3) :1.18〜1.24(6H,t,
CH3 CH2 ×2),1.47〜1.49(6H,d,CH3 CH×2),1.63(6H,s,
CH3 ×2),3.51〜3.83(4H,m, CH3 CH2 ×2),5.31〜5.37
(2H,m,-CH-×2),6.87〜7.14(8H,m,芳香環). IR(Neat) νcm-1:1610,1580.
【0044】実施例2. 2,2-ビス〔4-(1-エトキシエ
トキシカルボニルメトキシ)フェニル〕プロパンの合成 (1)2,2-ジ(4-ヒドロキシフェニル)プロパン22.8g
(0.1 モル)、クロル酢酸 tert-ブチル37.7g(0.25モ
ル)、炭酸カリウム 415g及びヨウ化ナトリウム9.0g
をアセトン 300mlに懸濁させ、8時間撹拌還流反応させ
た。冷却後、析出物を濾別し、濾液を濃縮し、残渣54g
をカラム分離[充填剤:ワコーゲル C-200(和光純薬工
業(株)商品名;溶離液:n-ヘキサン/酢酸エチル=10/
1]して2,2-ビス〔4-(tert−ブトキシカルボニルメト
キシ)フェニル〕プロパン19.5gを微黄色油状物として
得た。
【0045】(2)上記(1)で得た2,2-ビス〔4-(tret−
ブトキシカルボニルメトキシ)フェニル〕プロパン17.3
g(37.8ミリモル)を塩化メチレン210ml及び1,4-ジオ
キサン70mlに溶解し、p-トルエンスルホン酸1.6gを添
加後、8時間撹拌還流反応させた。冷却後、反応液を水
300mlで2回洗浄し、濃縮して残渣の2,2-ビス(4-カル
ボキシメトキシフェニル)プロパン12.0gを微黄色油状
物として得た。
【0046】(3)上記(2)で得た2,2-ビス(4-カルボキ
シメトキシフェニル)プロパン10.3g(30ミリモル)及
びエチルビニルエーテル3.9g(53ミリモル)をトルエ
ン10mlに溶解し、室温で5時間撹拌反応させた後、室温
で一夜放置した。反応液に酢酸エチル40mlを注入した
後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30mlで2回洗浄し、
濃縮して得た粗油状物10.6gをカラム分離[充填剤:ワ
コーゲル C-200(和光純薬工業(株)商品名;溶離液:n-
ヘキサン/酢酸エチル=20/1→15/1→10/1]して2,2-ビ
ス〔4-(1-エトキシエトキシカルボニルメトキシ)フェ
ニル〕プロパン6.2gを微黄色油状物として得た。
【0047】1HNMR δppm(CDCl3):1.12〜1.21(6H,t,
CH3 CH2 ×2),1.42〜1.44(6H,d, CH3 CH×2),1.62(6H,s,
CH3 ×2),3.47〜3.72(4H,m, CH3 CH2 ×2),4.61(4H,s,
CH2 CO-×2),6.01〜6.07(2H,m,-CH-×2),6.77〜7.15(8
H,m,芳香環). IR(Neat) νcm-1:1760(COO),1610,1590.
【0048】実施例3 4,4'-ビス(1ーエトキシエトキ
シ)ジフェニルスルホンの合成 4,4'ージヒドロキシジフェニルスルホン10.1g(0.04モ
ル)及びエチルビニルエーテル8.65g(0.12モル)を1,
4-ジオキサン70mlに溶解し、Pートルエンスルホン酸ピリ
ジニウム0.3gを添加後、20〜25℃で16時間攪拌反応さ
せた。反応後、反応液を実施例1と同様に処理し、4,4'
ービス(1ーエトキシエトキシ)ジフェニルスルホン12.6
gを微黄色油状物として得た。
【0049】1HNMR δppm(CDCl3):1.31〜1.36(6H,t,
CH3 CH2 ×2),1.67(6H,d,J=3Hz CH3 CH×2),3.64〜3.70
(2H,m, CH2 CH3 ),3.85〜3.91(2H,m, CH3 CH2 ),5.61〜
5.63(2H, m,CH3 CH ×2),7.22(4H, d,J=5Hz,(芳香環 3-
H,5-H)×2),8.00(4H, d,J=5Hz,(芳香環 2-H,6-H)×
2). IR(Neat) νcm-1:1593,1319,1153.
【0050】参考例1.下記の組成から成るレジスト組
成物を調製し、後述する如くしてパターン形成を行っ
た。 ポリビニルフェノール 6.0g 2,2-ビス〔4-(1-エトキシエトキシ)フェニル〕プロパン (実施例1の化合物) 1.5g 2-(4-トルエンスルホニル)−2-シクロヘキシルカルボニルプロパン 0.38g (酸発生剤) プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 22.5g
【0051】半導体基板等上に上記レジスト組成物を回
転塗布し、90℃、90秒間ホットプレートでソフトベーク
後、1.0μmの膜厚のレジスト材料膜を得た。次いでK
rFエキシマレーザステッパー(NA 0.50)を用いてK
rFエキシマレーザ光(248.4nm)をマスクを介して選
択的に露光(露光量は24mJ/cm2)した。そして100℃、
90秒間ホットプレートでベーク後、アルカリ現像液(2.
38%テトラメチルアンモニウムハイドロキシド水溶液)
で60秒間現像することにより、レジスト膜の露光部のみ
を溶解除去し、ポジ型パターンを得た。得られたポジ型
パターンは0.22μmライン アンド スペースの解像性能
を有しており、図1で示された様に良好なパターン形状
であった。又、露光から8時間後にベークした場合でも
0.22μmのライン アンド スペースの解像性能を有して
おり、パターン形状も問題なかった。
【0052】参考例2.下記の組成から成るレジスト組
成物を調製し、参考例1と同様にしてパターン形成を行
った。 ポリビニルフェノール 6.0g 2,2-ビス〔4-(1-エトキシエトキシカルボニルメトキシ) フェニル〕プロパン(実施例2の化合物) 1.2g 2-(4-トルエンスルホニル)−2-シクロヘキシルカルボニルプロパン 0.36g 乳酸エチル 22.5g
【0053】得られたポジ型パターンは0.20μmライン
アンド スペースの解像性能を有しており、パターン形
状は参考例1と同様に良好であった。又、このときの露
光量は32mJ/cm2であった。又、露光から8時間後にベ
ークした場合でも0.20μmのライン アンド スペースを
解像した。
【0054】参考例3.下記の組成から成るレジスト組
成物を調製し、参考例1と同様にしてパターン形成を行
った。 ポリビニルフェノール 6.0g 4,4'-ビス(1-エトキシエトキシ)ジフェニルスルホン (実施例3の化合物) 1.2g 2-(4-トルエンスルホニル)−2-シクロヘキシルカルボニルプロパン 0.36g プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 22.5g
【0055】得られたポジ型パターンは0.22μmライン
アンド スペースの解像性能を有しており、パターン形
状は参考例1と同様に良好であった。又、このときの露
光量は29mJ/cm2であった。又、露光から8時間後にベ
ークした場合でも0.22μmのライン アンド スペースを
解像した。
【0056】比較例1 下記の組成から成るレジスト組成物を調製し、参考例1
と同様にしてパターン形成を行った。 ポリビニルフェノール 6.0g 2,2-ビス(4-tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)プロパン 1.5g 2-(4-トルエンスルホニル)−2-シクロヘキシルカルボニルプロパン 0.36g プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 22.5g
【0057】得られたポジ型パターンは0.30μmライン
アンド スペースの解像性能であった。又、露光から1
時間後にベークした場合では図2に示した様にパターン
形状は表層が解像されず極めて不良であった。
【0058】比較例2 下記の組成から成るレジスト組成物を調製し、参考例1
と同様にしてパターン形成を行った。 ポリビニルフェノール 6.0g 2,2-ビス(テトラヒドロピラニルオキシフェニル)プロパン 1.5g 2-(4-トルエンスルホニル)−2-シクロヘキシルカルボニルプロパン 0.36g プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 22.5g
【0059】得られたポジ型パターンは0.30μmライン
アンド スペースの解像性能であった。又、露光から1
時間後にベークした場合では比較例1と同様にパターン
形状は表層が解像されず極めて不良であった。
【0060】
【発明の効果】以上述べたことから明らかな如く、本発
明のビスフェノール誘導体は酸の作用で容易に保護基を
脱離してフェノール化合物又はカルボン酸化合物に変化
する。半導体分野、特に微細加工が要求される半導体素
子製造のリソグラフィーでは、この性質を利用して化学
増幅型3成分系レジスト材料の溶解阻害剤として使用す
る事により高解像性能が達成できる。従って本発明に係
る化合物は、超微細パターンの形成を必要とする半導体
素子の製造に大きな価値を有するものである。又、本発
明に係る化合物は上記の性質を利用して液晶中間体、医
薬品、農薬の合成中間体としても有用である。
【0061】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は参考例1に示された、本発明に係る化合
物を使用したレジスト組成物を用いて得られた0.22μm
ライン アンド スペースポジ型パターンである。
【図2】図2は比較例に示された、本発明に類似した化
合物を使用したレジスト組成物を用いて露光後1時間し
てベークした場合の解像不良パターンである。
【0062】
【符号の説明】
1・・・・・半導体基板、2・・・・・レジストパターン。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 5/06 319

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔1〕 【化1】 [式中、R1は炭素数1〜6の直鎖状、分枝状又は環状
    のアルキル基を表し、R2は水素原子又はメチル基を表
    わし、R3及びR4は夫々独立して水素原子又は炭素数1
    〜5の直鎖状又は分枝状のアルキル基を表し、Xは下記
    一般式〔2〕 【化2】 (但し、R5及びR6は夫々独立して水素原子又は炭素数
    1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基を表
    し、又、R5とR6とが互いに結合してメチレン鎖を形成
    していても良い。)で示される基又は−SO2−を表
    し、Yは単結合、−C(CH3)2COO−又は−CH2
    OO−を表す。]で示されるビスフェノール誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式〔1〕で示される化合物のXが一
    般式〔2〕で示される基である請求項1に記載のビスフ
    ェノール誘導体。
  3. 【請求項3】 一般式〔1〕で示される化合物のXが−
    SO2−である請求項1に記載のビスフェノール誘導
    体。 【0001】
JP5273009A 1993-10-05 1993-10-05 新規なビスフェノール誘導体 Granted JPH07101892A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1375463A4 (en) * 2001-03-29 2009-09-02 Osaka Gas Co Ltd OPTICALLY ACTIVE COMPOUND AND PHOTOSENSITIVE RESIN COMPOSITION

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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