JP2827940B2 - 新規スルホニウム塩及びその製造方法 - Google Patents

新規スルホニウム塩及びその製造方法

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JP2827940B2 JP6329913A JP32991394A JP2827940B2 JP 2827940 B2 JP2827940 B2 JP 2827940B2 JP 6329913 A JP6329913 A JP 6329913A JP 32991394 A JP32991394 A JP 32991394A JP 2827940 B2 JP2827940 B2 JP 2827940B2
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sulfonium
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洋一 大澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微細加工技術に適した
化学増幅ポジ型レジスト材料の成分として好適な新規ス
ルホニウム塩及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】LSI
の高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化
が求められているなか、現在汎用技術として用いられて
いる光露光では、光源の波長に由来する本質的な解像度
の限界に近づきつつある。g線(436nm)もしくは
i線(365nm)を光源とする光露光では、おおよそ
0.5μmのパターンルールが限界とされており、これ
を用いて製作したLSIの集積度は、16MビットDR
AM相当までとなる。しかし、LSIの試作は既にこの
段階にまできており、更なる微細化技術の開発が急務と
なっている。
【0003】このような背景により、次世代の微細加工
技術として遠紫外線リソグラフィーが有望視されてい
る。遠紫外線リソグラフィーは0.3〜0.4μmの加
工も可能であり、光吸収の低いレジスト材料を用いた場
合、基板に対して垂直に近い側壁を有したパターン形状
が可能となる。近年、遠紫外線の光源として高輝度なK
rFエキシマレーザーを利用する技術が注目されてお
り、これが量産技術として用いられるためには、光吸収
が低く、高感度なレジスト材料が要望されている。
【0004】このような点から近年開発された酸を触媒
とした化学増幅型レジスト材料(特公平2−27660
号、特開昭63−27829号公報等)は、感度、解像
度、ドライエッチング耐性が高く、優れた特徴を有した
遠紫外線リソグラフィーに特に有望なレジスト材料であ
る。
【0005】この場合、化学増幅ポジ型レジスト材料に
おいては、用いる酸発生剤が化学増幅型レジスト材料と
しての機能に特に大きな影響を及ぼすことが知られてい
るが、このような酸発生剤の代表的なものとしては、下
記に示すオニウム塩が挙げられる。
【0006】
【化4】
【0007】上記オニウム塩は、化合物自体が油溶性の
化合物であるので、レジスト成分として配合したとき
に、レジスト材料のアルカリ水溶液に対する溶解度を低
下させると共に、現像時の膜減りを抑える効果を有す
る。
【0008】しかしながら、ポジ型レジスト材料の場
合、露光部においては、酸発生剤が高エネルギー線を吸
収することにより生成する分解生成物もやはり油溶性で
あることから、露光部のアルカリ水溶液に対する溶解速
度を低下させ、露光部と未露光部のアルカリ溶解速度の
比(溶解コントラストという)を大きくすることができ
ず、このため上記オニウム塩を用いた化学増幅型レジス
トは、アルカリ現像に際して、解像性の低い、即ち露光
部の抜け性が悪いため、パターン形状が矩形にならず、
台形状の順テーパーとなる欠点があった。
【0009】この問題を解決するため、酸不安定基であ
るtert−ブトキシカルボニル基をp−ヒドロキシフ
ェニルスルホニウム塩に導入し、高エネルギー線照射に
より分解し生成する酸の作用でアルカリ溶解性を持つフ
ェノール誘導体を生成させ、溶解コントラストを大きく
することが行われている(特開昭64−26550号、
同64−35433号、特開平2−12153号公
報)。
【0010】しかしながら、このようなフェノール誘導
体を生じるスルホニウム塩を用いても高解像度化が満足
されていない。
【0011】また、従来の化学増幅ポジ型レジスト材料
は、遠紫外線、電子線、X線リソグラフィーを行った
際、露光からPEB(Post Exposure B
ake)までの放置時間が長くなると、パターン形成し
た際にラインパターンがT−トップ形状になる、即ちパ
ターン上部が太くなるという問題〔PED(PostE
xposure Deley)と呼ぶ〕があり、これは
レジスト表面の溶解性が低下するためと考えられ、実用
に供する場合の大きな欠点となっている。このため、リ
ソグラフィー工程での寸法制御を難しくし、ドライエッ
チングを用いた基板加工に際しても寸法制御性を損ねる
問題がある〔参考:W.Hinsberg,et a
l.,J.Photopolym.Sci.Techn
ol.,6(4),535−546(1993).,
T.Kumada,et al.,J.Photopo
lym.Sci.Technol.,6(4),571
−574(1993).〕。この問題を解決し、満足で
きる化学増幅ポジ型レジスト材料は未だない。
【0012】化学増幅ポジ型レジスト材料において、P
EDの問題の原因は、空気中の塩基性化合物が大きく関
与していると考えられている。露光により発生したレジ
スト表面の酸は空気中の塩基性化合物と反応、失活し、
PEBまでの放置時間が長くなればそれだけ失活する酸
の量が増加するため、酸不安定基の分解が起こり難くな
る。そのため表面に難溶化層が形成され、パターンがT
−トップ形状となるのである。
【0013】しかしながら、塩基性化合物を添加するこ
とにより、空気中の塩基性化合物の影響を抑えることが
できるため、PEDにも効果があることが知られている
が(特開平5−232706号、特開平5−24968
3号公報)、ここで用いられる塩基性化合物は、揮発に
よりレジスト膜中に取り込まれなかったり、レジスト各
成分との相溶性が悪くレジスト膜中での分散が不均一で
あるために効果の再現性に問題があり、しかも解像性を
落としてしまうことがわかった。
【0014】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
微細加工技術に適した高解像性を有する化学増幅ポジ型
レジスト材料の成分として好適な新規スルホニウム塩及
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため種々検討を行った結果、例えば特願
平5−242101号又は同6−82359号記載の下
記一般式(2)で示されるp−tert−ブトキシフェ
ニルスルホニウム塩をスルホン酸(3)を用いて脱保護
し、p−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩(4)を
得、引き続いてα−ハロゲン化酢酸tert−ブチル
(5)を塩基性条件下、反応させることにより、下記一
般式(1)で示される酸不安定基としてtert−ブト
キシカルボニルメトキシ基を一個以上持つ新規なスルホ
ニウム塩を得ると共に、これらスルホニウム塩(1)が
微細加工技術に適した高解像性を有する化学増幅ポジ型
レジスト材料の成分として好適で、特に遠紫外線リソグ
ラフィーにおいて大いに威力を発揮し得ることを見い出
した。
【0016】
【化5】 (式中、R1は水素原子、アルキル基又はアルコキシ基
を示し、Xは塩素原子又は臭素原子、Yはトリフルオロ
メタンスルホネート又はp−トルエンスルホネートを示
す。nは0〜2の整数、mは1〜3の整数で、n+m=
3である。)
【0017】本発明の上記一般式(1)で示されるスル
ホニウム塩は、レジスト材料の成分として使用されて、
その酸不安定基の効果により、大きな溶解コントラスト
を有し、微細加工技術に適した高解像度を有する化学増
幅ポジ型レジスト材料を提供することができる。
【0018】即ち、本発明のスルホニウム塩は、化合物
自体のアルカリ溶解性は低いものの、高エネルギー線照
射による分解によって生成する酸及びPEB(Post
Exposure Bake)の作用で、効率よくt
ert−ブチルエステルが分解し、フェノール誘導体よ
りも更にアルカリ溶解性の高いカルボン酸誘導体が生成
するために、より大きな溶解コントラストを得ることが
できる。従って、本発明の新規なスルホニウム塩は、化
学増幅ポジ型レジスト材料の酸発生剤として優れた性能
を発揮することができ、高解像度、広範囲の焦点深度を
有するレジスト像を得ることができる。
【0019】従って、本発明は上記式(1)のスルホニ
ウム塩及び式(2)のp−tert−ブトキシフェニル
スルホニウム塩を式(3)のスルホン酸で脱保護して式
(4)のp−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩を得た
後、これに式(5)のα−ハロゲン化酢酸tert−ブ
チルを反応させることを特徴とする式(1)のスルホニ
ウム塩の製造方法を提供する。
【0020】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の新規なスルホニウム塩は下記一般式(1)
で示されるスルホニウム塩である。
【0021】
【化6】
【0022】ここで、上記式(1)中のnは0〜2の整
数、mは1〜3の整数であり、n+m=3となる数の組
み合わせとなる。R1は水素原子、アルキル基又はアル
コキシ基である。アルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シ
クロヘキシル基等の炭素数1〜8のものが好適であり、
中でもメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert
−ブチル基がより好ましく用いられる。アルコキシ基と
しては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソ
プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、
tert−ブトキシ基、ヘキシロキシ基、シクロヘキシ
ロキシ基等の炭素数1〜8のものが好適であり、中でも
メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert
−ブトキシ基がより好ましく用いられる。
【0023】また、Yはトリフルオロメタンスルホネー
ト又はp−トルエンスルホネートを示し、本発明の新規
なスルホニウム塩は具体的に下記式(1a)又は(1
b)で示される。
【0024】
【化7】 (式中、R1,n,mは上記と同様の意味を示す。)
【0025】この場合、特に式(1b)のスルホニウム
塩をレジスト材料の成分として用いることにより、その
p−トルエンスルホン酸アニオンの効果、即ちレジスト
表面での空気中の塩基性化合物による酸の失活の影響を
非常に小さいものとすることができるため、表面難溶層
の形成を抑えることができ、PED安定性が良好で、T
−トップ形状の原因である表面難溶層の問題、即ちPE
Dの問題を解決することができ、良好な感度が得られる
ものである。
【0026】上記式(1a)のスルホニウム塩を具体的
に例示すると、トリフルオロメタンスルホン酸トリス
(p−tert−ブトキシカルボニルメトキシフェニ
ル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス
(p−tert−ブトキシカルボニルメトキシフェニ
ル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホ
ン酸ビス(p−tert−ブトキシカルボニルメトキシ
フェニル)(p−メチルフェニル)スルホニウム、トリ
フルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキ
シカルボニルメトキシフェニル)(m−メチルフェニ
ル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス
(p−tert−ブトキシカルボニルメトキシフェニ
ル)(o−メチルフェニル)スルホニウム、トリフルオ
ロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシカル
ボニルメトキシフェニル)(p−メトキシフェニル)ス
ルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−
tert−ブトキシカルボニルメトキシフェニル)(m
−メトキシフェニル)スルホニウム、トリフルオロメタ
ンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシカルボニル
メトキシフェニル)(o−メトキシフェニル)スルホニ
ウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−
ブトキシカルボニルメトキシフェニル)ジフェニルスル
ホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−ter
t−ブトキシカルボニルメトキシフェニル)ビス(p−
メチルフェニル)スルホニウム、トリフルオロメタンス
ルホン酸(p−tert−ブトキシカルボニルメトキシ
フェニル)ビス(m−メチルフェニル)スルホニウム、
トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキ
シカルボニルメトキシフェニル)ビス(o−メチルフェ
ニル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸
(p−tert−ブトキシカルボニルメトキシフェニ
ル)ビス(p−メトキシフェニル)スルホニウム、トリ
フルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシカ
ルボニルメトキシフェニル)ビス(m−メトキシフェニ
ル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p
−tert−ブトキシカルボニルメトキシフェニル)ビ
ス(o−メトキシフェニル)スルホニウムなどが挙げら
れる。
【0027】上記式(1b)のスルホニウム塩を具体的
に例示すると、p−トルエンスルホン酸トリス(p−t
ert−ブトキシカルボニルメトキシフェニル)スルホ
ニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−
ブトキシカルボニルメトキシフェニル)フェニルスルホ
ニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−
ブトキシカルボニルメトキシフェニル)(p−メチルフ
ェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス
(p−tert−ブトキシカルボニルメトキシフェニ
ル)(m−メチルフェニル)スルホニウム、p−トルエ
ンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシカルボニル
メトキシフェニル)(o−メチルフェニル)スルホニウ
ム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブト
キシカルボニルメトキシフェニル)(p−メトキシフェ
ニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p
−tert−ブトキシカルボニルメトキシフェニル)
(m−メトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエン
スルホン酸ビス(p−tert−ブトキシカルボニルメ
トキシフェニル)(o−メトキシフェニル)スルホニウ
ム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシ
カルボニルメトキシフェニル)ジフェニルスルホニウ
ム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシ
カルボニルメトキシフェニル)ビス(p−メチルフェニ
ル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−te
rt−ブトキシカルボニルメトキシフェニル)ビス(m
−メチルフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホ
ン酸(p−tert−ブトキシカルボニルメトキシフェ
ニル)ビス(o−メチルフェニル)スルホニウム、p−
トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシカルボニ
ルメトキシフェニル)ビス(p−メトキシフェニル)ス
ルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−
ブトキシカルボニルメトキシフェニル)ビス(m−メト
キシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸
(p−tert−ブトキシカルボニルメトキシフェニ
ル)ビス(o−メトキシフェニル)スルホニウムなどが
挙げられる。
【0028】本発明の式(1)のスルホニウム塩は、以
下のような経路(A)により合成できる。即ち、下記式
(2)で示されるp−tert−ブトキシフェニルスル
ホニウム塩を出発物質とし、用いたスルホニウム塩のカ
ウンターアニオンに対応するスルホン酸(3)を用いて
脱保護を行い、p−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩
(4)を得、引き続いてα−ハロゲン化酢酸tert−
ブチル(5)を塩基性条件下、反応させることにより、
tert−ブチルカルボニルメトキシ基を一個以上持つ
スルホニウム塩(1)を合成することができる。
【0029】
【化8】 (式中、R1は水素原子、アルキル基又はアルコキシ基
を示し、Xは塩素原子又は臭素原子、Yはトリフルオロ
メタンスルホネート又はp−トルエンスルホネートを示
す。nは0〜2の整数、mは1〜3の整数で、n+m=
3である。)
【0030】この場合、上記p−tert−ブトキシフ
ェニルスルホニウム塩(2)の脱保護を行う際には、メ
タノール、エタノール等の有機溶媒中で行うことが望ま
しく、用いるスルホニウム塩のカウンターアニオンに対
応するスルホン酸(3)をスルホニウム塩に対して0.
1〜0.5モルの割合として加え、還流下(60〜70
℃)2〜6時間反応を行うことが望ましい。反応終了後
は溶媒層を濃縮後、ジエチルエーテルにて残渣を洗浄
し、p−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩(4)を得
ることができる。このスルホニウム塩については粗生成
物のままで次の反応を行うことができる。
【0031】次に、この粗生成物のp−ヒドロキシフェ
ニルスルホニウム塩(4)に、t−ブトキシカルボニル
メトキシ基を導入する際には、アセトン、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒
中で反応を行うことが望ましい。p−ヒドロキシフェニ
ルスルホニウム塩(4)のヒドロキシ基一個に対して炭
酸カリウム等の塩基を1〜2モルの割合、クロロ又はブ
ロモ酢酸t−ブチル(5)を1〜2モルの割合で加え、
温度条件は60〜90℃で6〜8時間とすることが望ま
しい。反応終了後は溶媒層を水洗、濃縮した後、再結晶
又はカラム分取を行うことで、t−ブトキシカルボニル
メトキシ基を持つ目的化合物のスルホニウム塩(1)を
得ることができる。
【0032】なお、トリス(ヒドロキシフェニル)スル
ホニウム塩は、塩化アルミニウム存在下、フェノールと
塩化チオニルの反応により得ることができ〔S.Oae
and C.Zalut,J.Am.Chem.So
c.,82.5359.(1960).〕、ヒドロキシ
基を一つ持つスルホニウム塩はジフェニルスルホキシド
とフェノールの酸による縮合で得ることができる〔S.
R.Akhtar,J.V.Crivello and
J.L.Lee.,J.Org.Chem.,55.
4222.(1990).〕。
【0033】しかしながら、フェノールの活性部位はパ
ラ位だけでなくオルト位にもあるため、用いる試薬や触
媒によりオルト置換体が生成する可能性があり〔C.
Y.Meyers and G.Picciola,T
etrahedron Lett.,971.(196
2).〕、定量的にp−ヒドロキシ体を得るのは困難で
ある。
【0034】これに対し、上記反応経路Aによれば、グ
リニヤ試薬によってp−tert−ブトキシフェニルス
ルホニウム塩を得るため、フェノールの場合のようなオ
ルト置換体の生成なしに、p−ヒドロキシ体のみを定量
的に得ることができる。
【0035】本発明の上記一般式(1)で示されるスル
ホニウム塩は、二成分系(アルカリ可溶性樹脂/酸発生
剤)もしくは三成分系(アルカリ可溶性樹脂/酸発生剤
/溶解阻止剤)の化学増幅ポジ型レジスト材料の酸発生
剤として用いることができる。好ましくは三成分系の化
学増幅ポジ型レジスト材料の酸発生剤として用いること
が好適である。このレジスト材料は、(A)有機溶剤を
150〜700部(重量部、以下同じ)、好ましくは2
50〜500部、(B)アルカリ可溶性樹脂を70〜9
0部、好ましくは75〜85部、(C)三成分系化学増
幅ポジ型レジスト材料においては、酸不安定基を有する
溶解阻止剤を5〜40部、好ましくは10〜25部、
(D)上記一般式(1)で示されるスルホニウム塩を1
〜15部、好ましくは2〜8部含むことが望ましく、更
に必要により(E)他の酸発生剤を0.5〜15部、好
ましくは2〜8部混合したものが好適である。
【0036】ここで、(A)成分の有機溶剤としては、
シクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトンなど
のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3
−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノー
ル、1−エトキシ−2−プロパノールなどのアルコール
類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジ
エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル
類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、メチ
ル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキ
シプロピオネートなどのエステル類が挙げられるが、単
独もしくは2種以上であってもよい。このとき、レジス
ト成分の酸発生剤の溶解性が最も優れている1−エトキ
シ−2−プロパノールが好ましく使用される。
【0037】(B)成分のアルカリ可溶性樹脂として
は、ポリヒドロキシスチレンもしくはその誘導体が挙げ
られる。ポリヒドロキシスチレン誘導体としては、ポリ
ヒドロキシスチレンの水酸基の水素原子を部分的に酸に
不安定な基で置換したものや、ヒドロキシスチレンの共
重合体が挙げられる。前者の場合、酸に不安定な置換基
としては、tert−ブチル基、tert−ブトキシカ
ルボニル基、テトラヒドロピラニル基、メトキシメチル
基、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシ
リル基などが挙げられ、tert−ブチル基、tert
−ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基が好
ましく用いられる。後者の場合、ヒドロキシスチレンの
共重合体としては、ヒドロキシスチレンとスチレンの共
重合体、ヒドロキシスチレンとアクリル酸tert−ブ
チルとの共重合体、ヒドロキシスチレンとメタクリル酸
tert−ブチルとの共重合体、ヒドロキシスチレンと
無水マレイン酸との共重合体、ヒドロキシスチレンとマ
レイン酸ジ−tert−ブチルとの共重合体などが挙げ
られる。また、このポリヒドロキシスチレンもしくはそ
の誘導体の重量平均分子量は5,000〜100,00
0とすることが好ましい。
【0038】(C)成分の溶解阻止剤としては、分子内
に一つ以上酸によって分解する基を持つものであって、
低分子量の化合物やポリマーの何れであってもよい。低
分子量の化合物の例としては、ビスフェノールA誘導
体、炭酸エステル誘導体が挙げられるが、特にビスフェ
ノールAの水酸基をtert−ブトキシ基やブトキシカ
ルボニルオキシ基で置換した化合物が好ましい。ポリマ
ーの溶解阻止剤の例としては、p−ブトキシスチレンと
tert−ブチルアクリレートのコポリマーやp−ブト
キシスチレンと無水マレイン酸のコポリマーなどが挙げ
られる。この場合、重量平均分子量は5,000〜1
0,000が好ましい。
【0039】(E)成分の酸発生剤としては、オニウム
塩、オキシムスルホン酸誘導体、2,6−ジニトロベン
ジルスルホン酸誘導体、ジアゾナフトキノンスルホン酸
エステル誘導体、2,4−ビストリクロロメチル−6−
アリール−1,3,5−トリアジン誘導体、α,α’−
ビスアリールスルホニルジアゾメタン誘導体などを挙げ
ることができる。
【0040】好ましくは、酸発生剤として下記一般式で
示されるオニウム塩を使用する。 (R 2nMY (式中、R 2は同種又は異種の非置換又は置換芳香族基
を示し、Mはスルホニウム又はヨードニウムを示し、Y
はp−トルエンスルホネート又はトリフルオロメタンス
ルホネートを示す。nは2又は3を示す。)
【0041】ここで、上記芳香族基としてはフェニル
基、上記式(1)で説明した如きアルキル基やアルコキ
シ基で置換されたフェニル基を例示することができる。
【0042】具体的にはオニウム塩として下記のヨード
ニウム塩やスルホニウム塩を挙げることができる。
【0043】
【化9】
【0044】更に、上記レジスト材料には、PED安定
性のため窒素含有化合物、塗布性を向上させるために界
面活性剤、基板よりの乱反射を少なくするための吸光性
材料などの添加剤を添加することもできる。
【0045】例えば、窒素含有化合物としては、沸点1
50℃以上のアミン化合物もしくはアミド化合物が挙げ
られる。具体的には、アニリン、N−メチルアニリン、
N,N−ジメチルアニリン、o−トルイジン、m−トル
イジン、p−トルイジン、2,4−ルチジン、キノリ
ン、イソキノリン、ホルムアミド、N−メチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、
N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、イミダゾ
ール、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、o
−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安
息香酸、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニ
レンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、2−キノ
リンカルボン酸、2−アミノ−4−ニトロフェノール、
2−(p−クロロフェニル)−4,6−トリクロロメチ
ル−s−トリアジンなどのトリアジン化合物が挙げられ
る。これらの中では、特にピロリドン、N−メチルピロ
リドン、o−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、p
−アミノ安息香酸、1,2−フェニレンジアミン、1,
3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン
が好ましく用いられる。
【0046】また、界面活性剤としては、パーフルオロ
アルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アル
キルエステル、パーフルオロアルキルアミンオキサイ
ド、パーフルオロアルキルEO付加物等が挙げられる。
【0047】更に、吸光性材料としては、ジアリールス
ルホキシド、ジアリールスルホン、9,10−ジメチル
アントラセン、9−フルオレノン等が挙げられる。
【0048】上記レジスト材料の使用方法、光使用方法
などは公知のリソグラフィー技術を採用して行うことが
できるが、特に上記レジスト材料は254〜193nm
の遠紫外光及び電子線による微細パターニングに最適で
ある。
【0049】
【発明の効果】本発明の新規スルホニウム塩は、酸発生
剤であるスルホニウム塩に少なくとも一つ以上の酸不安
定基であるtert−ブトキシカルボニルメトキシ基を
導入したことにより、露光部と未露光部の溶解コントラ
ストを大きくすることができるため、微細加工技術に適
した高解像性を有する化学増幅ポジ型レジスト材料の成
分として有効であり、本発明の一般式(1)で示される
スルホニウム塩を含有するレジスト材料は、ポジ型レジ
スト材料として遠紫外線、電子線、X線等の高エネルギ
ー線、特にKrFエキシマレーザーに対して高い感度を
有し、アルカリ水溶液で現像することによりパターン形
成でき、感度、解像度、プラズマエッチング耐性に優
れ、しかもレジストパターンの耐熱性にも優れている。
【0050】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に限定されるものではな
い。
【0051】[実施例1]トリフルオロメタンスルホン酸(p−ヒドロキシフェニ
ル)ジフェニルスルホニウムの合成 トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキ
シフェニル)ジフェニルスルホニウム48.4g(0.
1mol)、トリフルオロメタンスルホン酸1.5g
(0.01mol)をメタノール500gに溶解させ、
還流下(60〜70℃)で6時間反応させた。
【0052】反応終了後、反応液を減圧留去して油状物
を得た。この油状物をジエチルエーテル100gを用い
て二回洗浄した。これ以上の精製はせず油状物のまま次
の反応を行った。粗収量は40g(粗収率93%)であ
った。トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキ
シカルボニルメトキシフェニル)ジフェニルスルホニウ
ムの合成 上記油状物40g、無水炭酸カリウム20.7g(0.
15mol)、クロロ酢酸t−ブチル18.1g(0.
12mol)をアセトン400gに溶解させ(無水炭酸
カリウムは懸濁)、還流下(60℃)で3時間反応させ
た。
【0053】反応終了後、生じた無機塩を濾過し、得ら
れた有機層を減圧留去して油状物を得た。この油状物を
カラムクロマトグラフィーにかけて、収量46.1g
(収率85%(二段階))、純度99%のトリフルオロ
メタンスルホン酸(p−tert−ブトキシカルボニル
メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムを単離し
た。
【0054】得られたトリフルオロメタンスルホン酸
(p−tert−ブトキシカルボニルメトキシフェニ
ル)ジフェニルスルホニウムの核磁気共鳴スペクトル
(NMR)、赤外スペクトル(IR)、及び元素分析の
結果を下記に示す。
【0055】
【化10】 (a) 1.46 一重項 9H (b) 4.61 一重項 2H (c) 7.14〜7.18 二重項 2H (d)〜(g) 7.65〜7.74 多重項 12H IR:(cm-1) 3093,3066,2981,2935,2881,
1745,1589,1497,1477,1446,
1417,1396,1371,1319,1265,
1224,1155,1070,1068,1066,
1030,997,943,836,752,684,
638 元素分析値:(%)C2525623 理論値 C:55.3 H:4.6 実測値 C:55.2 H:4.7
【0056】[実施例2]トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−ヒドロキシフ
ェニル)フェニルスルホニウムの合成 トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブ
トキシフェニル)フェニルスルホニウム55.7g
(0.1mol)、トリフルオロメタンスルホン酸1.
5g(0.01mol)をメタノール500gに溶解さ
せ、還流下(60〜70℃)で7時間反応させた。
【0057】反応終了後、反応液を減圧留去して油状物
を得た。この油状物をジエチルエーテル100gを用い
て二回洗浄した。これ以上の精製はせず油状物のまま次
の反応を行った。粗収量は42g(粗収率94%)であ
った。トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブ
トキシカルボニルメトキシフェニル)フェニルスルホニ
ウムの合成 上記油状物42g、無水炭酸カリウム41.5g(0.
30mol)、クロロ酢酸t−ブチル36.2g(0.
24mol)をジメチルスルホキシド300gに溶解さ
せ(無水炭酸カリウムは懸濁)、80℃で2時間反応さ
せた。
【0058】反応終了後、反応液に水300g、クロロ
ホルム300gを加え、分液した。有機層を水300g
を用いて二回洗浄後、溶媒を減圧留去して油状物を得
た。この油状物をカラムクロマトグラフィーにかけて、
収量55.1g(収率82%(二段階))、純度99%
のトリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−
ブトキシカルボニルメトキシフェニル)フェニルスルホ
ニウムを単離した。
【0059】得られたトリフルオロメタンスルホン酸ビ
ス(p−tert−ブトキシカルボニルメトキシフェニ
ル)フェニルスルホニウムの核磁気共鳴スペクトル(N
MR)、赤外スペクトル(IR)、及び元素分析の結果
を下記に示す。
【0060】
【化11】 (a) 1.45 一重項 18H (b) 4.60 一重項 4H (c) 7.13〜7.17 二重項 4H (d)〜(g) 7.64〜7.74 多重項 9H IR:(cm-1) 3093,3066,2982,2935,2881,
1745,1589,1497,1477,1446,
1418,1396,1372,1319,1265,
1225,1155,1070,1068,1065,
1030,997,942,836,752,684,
638 元素分析値:(%)C3135923 理論値 C:55.4 H:5.2 実測値 C:55.1 H:5.3
【0061】[実施例3]トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−ヒドロキシフ
ェニル)(p−メチルフェニル)スルホニウムの合成 トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブ
トキシフェニル)(p−メチルフェニル)スルホニウム
28.5g(0.05mol)、トリフルオロメタンス
ルホン酸1.5g(0.01mol)をメタノール40
0gに溶解させ、還流下(60〜70℃)で6.5時間
反応させた。
【0062】反応終了後、反応液を減圧留去して油状物
を得た。この油状物をジエチルエーテル200gを用い
て二回洗浄した。これ以上の精製はせず油状物のまま次
の反応を行った。粗収量は22g(粗収率96%)であ
った。トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブ
トキシカルボニルメトキシフェニル)(p−メチルフェ
ニル)スルホニウムの合成 上記油状物22g、無水炭酸カリウム20.7g(0.
15mol)、クロロ酢酸t−ブチル22.6g(0.
15mol)をN,N−ジメチルホルムアミド150g
に溶解させ(無水炭酸カリウムは懸濁)、80℃で3時
間反応させた。
【0063】反応終了後、反応液に水200g、クロロ
ホルム200gを加え、分液した。有機層を水150g
を用いて三回洗浄後、溶媒を減圧留去して油状物を得
た。この油状物をカラムクロマトグラフィーにかけて、
収量29.0g(収率84%(二段階))、純度98%
のトリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−
ブトキシカルボニルメトキシフェニル)(p−メチルフ
ェニル)スルホニウムを単離した。
【0064】得られたトリフルオロメタンスルホン酸ビ
ス(p−tert−ブトキシカルボニルメトキシフェニ
ル)(p−メチルフェニル)スルホニウムの核磁気共鳴
スペクトル(NMR)、赤外スペクトル(IR)、及び
元素分析の結果を下記に示す。
【0065】
【化12】 (a) 1.41 一重項 18H (b) 4.60 一重項 4H (c) 7.13〜7.17 二重項 4H (d)〜(f) 7.64〜7.74 多重項 8H (g) 2.43 一重項 3H IR:(cm-1) 3093,3066,2981,2935,2881,
1746,1589,1497,1477,1446,
1417,1394,1371,1319,1265,
1224,1157,1071,1068,1066,
1032,997,945,836,752,685,
638 元素分析値:(%)C3237923 理論値 C:56.0 H:5.4 実測値 C:55.6 H:5.3
【0066】[実施例4]トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−ヒドロキシ
フェニル)スルホニウムの合成 トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−
ブトキシフェニル)スルホニウム100g(0.16m
ol)、トリフルオロメタンスルホン酸2.4g(0.
016mol)をエタノール320gに溶解させ、還流
下(70〜80℃)で7時間反応させた。
【0067】反応終了後、反応液を減圧留去して油状物
を得た。この油状物をジエチルエーテル150gを用い
て二回洗浄した。これ以上の精製はせず油状物のまま次
の反応を行った。粗収量は68g(粗収率92%)であ
った。トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−
ブトキシカルボニルメトキシフェニル)スルホニウムの
合成 上記油状物68g、無水炭酸カリウム110.8g
(0.80mol)、クロロ酢酸t−ブチル120.5
g(0.80mol)をN,N−ジメチルホルムアミド
320gに溶解させ(無水炭酸カリウムは懸濁)、80
℃で2時間反応させた。
【0068】反応終了後、反応液に水300g、クロロ
ホルム300gを加え、分液した。有機層を水300g
を用いて二回洗浄後、溶媒を減圧留去して油状物を得
た。この油状物をカラムクロマトグラフィーにかけて、
収量108.0g(収率84%(二段階))、純度98
%のトリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−ter
t−ブトキシカルボニルメトキシフェニル)スルホニウ
ムを単離した。
【0069】得られたトリフルオロメタンスルホン酸ト
リス(p−tert−ブトキシカルボニルメトキシフェ
ニル)スルホニウムの核磁気共鳴スペクトル(NM
R)、赤外スペクトル(IR)、及び元素分析の結果を
下記に示す。
【0070】
【化13】 (a) 1.45 一重項 27H (b) 4.56 一重項 6H (c) 7.10〜7.13 二重項 6H (d) 7.57〜7.60 二重項 6H IR:(cm-1) 3097,2981,2937,1747,1589,
1494,1446,1417,1371,1317,
1263,1226,1157,1076,1031,
944,833,752,638 元素分析値:(%)C37451223 理論値 C:55.4 H:5.7 実測値 C:55.2 H:5.6
【0071】[実施例5]p−トルエンスルホン酸ビス(p−ヒドロキシフェニ
ル)フェニルスルホニウムの合成 p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシ
フェニル)フェニルスルホニウム5.8g(0.01m
ol)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.95g
(0.005mol)をメタノール35gに溶解させ、
60℃で5時間反応させた。
【0072】反応終了後、反応液を減圧留去して油状物
を得た。この油状物をジエチルエーテル200gを用い
て二回洗浄した。これ以上の精製はせず油状物のまま次
の反応を行った。粗収量は4.7g(粗収率100%)
であった。p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシ
カルボニルメトキシフェニル)フェニルスルホニウムの
合成 上記油状物4.7g、無水炭酸カリウム4.1g(0.
03mol)、クロロ酢酸t−ブチル3.6g(0.0
24mol)をジメチルスルホキシド50gに溶解させ
(無水炭酸カリウムは懸濁)、80℃で2時間反応させ
た。
【0073】反応終了後、反応液に水100g、クロロ
ホルム100gを加え、分液した。有機層を水100g
を用いて二回洗浄後、溶媒を減圧留去して油状物を得
た。この油状物をカラムクロマトグラフィーにかけて、
収量5.6g(収率80%(二段階))、純度97%の
p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシ
カルボニルメトキシフェニル)フェニルスルホニウムを
単離した。
【0074】得られたp−トルエンスルホン酸ビス(p
−tert−ブトキシカルボニルメトキシフェニル)フ
ェニルスルホニウムの核磁気共鳴スペクトル(NM
R)、赤外スペクトル(IR)、及び元素分析の結果を
下記に示す。
【0075】
【化14】 (a) 1.43 一重項 18H (b) 4.56 一重項 4H (c) 2.26 一重項 3H (d) 7.11〜7.14 二重項 4H (e)〜(h) 7.52〜7.70 多重項 9H (i) 7.75〜7.78 二重項 2H (j) 6.99〜7.02 二重項 2H IR:(cm-1) 3059,2979,2933,1746,1583,
1489,1446,1394,1308,1266,
1204,1202,1159,1119,1076,
1027,1033,1012,928,895,84
3,816元素分析値:(%)C374292 理論値 C:64.0 H:6.1 実測値 C:63.8 H:6.0
【0076】[実施例6]p−トルエンスルホン酸トリス(p−ヒドロキシフェニ
ル)スルホニウムの合成 p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキ
シフェニル)スルホニウム6.5g(0.01mo
l)、p−トルエンスルホン酸1水和物0.95g
(0.005mol)をメタノール40gに溶解させ、
60℃で7時間反応させた。
【0077】反応終了後、反応液を減圧留去して油状物
を得た。この油状物をジエチルエーテル200gを用い
て二回洗浄した。これ以上の精製はせず油状物のまま次
の反応を行った。粗収量は4.7g(粗収率97%)で
あった。p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキ
シカルボニルメトキシフェニル)スルホニウムの合成 上記油状物4.7g、無水炭酸カリウム6.9g(0.
05mol)、クロロ酢酸t−ブチル7.5g(0.0
5mol)をジメチルスルホキシド60gに溶解させ
(無水炭酸カリウムは懸濁)、80℃で3時間反応させ
た。
【0078】反応終了後、反応液に水100g、クロロ
ホルム100gを加え、分液した。有機層を水100g
を用いて二回洗浄後、溶媒を減圧留去して油状物を得
た。この油状物をカラムクロマトグラフィーにかけて、
収量7.0g(収率85%(二段階))、純度97%の
p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキ
シカルボニルメトキシフェニル)スルホニウムを単離し
た。
【0079】得られたp−トルエンスルホン酸トリス
(p−tert−ブトキシカルボニルメトキシフェニ
ル)スルホニウムの核磁気共鳴スペクトル(NMR)、
赤外スペクトル(IR)、及び元素分析の結果を下記に
示す。
【0080】
【化15】 (a) 1.41 一重項 27H (b) 4.56 一重項 6H (c) 7.11〜7.14 二重項 6H (d) 7.64〜7.67 二重項 6H (e) 2.27 一重項 3H (f) 7.03〜7.06 二重項 2H (g) 7.80〜7.83 二重項 2H IR:(cm-1) 3059,2979,2933,1747,1583,
1488,1447,1396,1308,1265,
1203,1201,1159,1120,1076,
1028,1034,1012,928,895,84
4,816 元素分析値:(%)C4352122 理論値 C:62.6 H:6.4 実測値 C:62.9 H:6.2
【0081】[参考例1]下記式(Polym.1)で
示される部分的に水酸基をt−ブトキシカルボニル基で
保護したポリヒドロキシスチレンと、下記式(Poly
m.2)で示される部分的に水酸基をt−ブチル基で保
護したポリヒドロキシスチレン、もしくは下記式(Po
lym.3)で示される部分的に水酸基をテトラヒドロ
ピラニル基で保護したポリヒドロキシスチレンと、下記
式(PAG.1)から(PAG.5)で示されるオニウ
ム塩から選ばれる酸発生剤と、下記式(DRI.1)で
示される2,2’−ビス(4−tert−ブトキシカル
ボニルオキシフェニル)プロパンの溶解阻止剤を1−エ
トキシ−2−プロパノールに溶解し、表1に示す組成で
レジスト液を調製した。
【0082】これらの各組成物を0.2μmのテフロン
製フィルターで濾過することによりレジスト液を調製し
た。これをシリコーンウェハー上へスピンコーティング
し、0.8μmに塗布した。次いで、このシリコーンウ
ェハーを100℃のホットプレートで120秒間ベーク
した。
【0083】そして、エキシマレーザーステッパー(ニ
コン社、NSR 2005EX NA=0.5)を用い
て露光し、90℃で60秒間ベークを施し、2.38%
のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で現
像を行うと、ポジ型のパターンを得ることができた。
【0084】得られたレジストパターンを次のように評
価した。まず、感度(Eth値)を求めた。次に、0.
35μmのラインアンドスペースのトップとボトムを
1:1で解像する露光量を最適露光量(感度:E op)
として、この露光量における分離しているラインアンド
スペースの最小線幅を評価レジストの解像度とした。ま
た、解像したレジストパターンの形状は、走査型電子顕
微鏡を用いて観察した。結果を表1に示す。
【0085】
【化16】
【0086】
【化17】
【0087】
【化18】
【0088】
【表1】
【0089】[参考例2]酸発生剤として下記式(PA
G.6〜8)或いは上記式(PAG.4,5)を用いる
以外は上記参考例1と同様にしてポジ型パターンを得た
後、得られたレジストパターンを次のように評価した。
【0090】まず、感度(Eth値)を求めた。次に、
0.35μmのラインアンドスペースのトップとボトム
を1:1で解像する露光量を最適露光量(感度:E
p)として、この露光量における分離しているラインア
ンドスペースの最小線幅を評価レジストの解像度とし
た。また、解像したレジストパターンの形状は、走査型
電子顕微鏡を用いて観察した。レジストのPED安定性
は、最適露光量で露光後、放置時間を変えてPEBを行
い、レジストパターン形状の変化が観測された時間、例
えばラインパターンがT−トップ形状となったり、解像
できなくなった時間で評価した。この時間が長い程PE
D安定性に富む。結果を表2に示す。
【0091】
【化19】
【0092】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 及川 勝之 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社 合成技術研究 所内 (72)発明者 石原 俊信 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社 合成技術研究 所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 381/12 G03F 7/004 G03F 7/039 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される新規スルホ
    ニウム塩。 【化1】 (式中、R1は水素原子、アルキル基又はアルコキシ基
    を示し、Yはトリフルオロメタンスルホネート又はp−
    トルエンスルホネートを示す。nは0〜2の整数、mは
    1〜3の整数で、n+m=3である。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(2) 【化2】 (式中、R1は水素原子、アルキル基又はアルコキシ基
    を示し、Yはトリフルオロメタンスルホネート又はp−
    トルエンスルホネートを示す。nは0〜2の整数、mは
    1〜3の整数で、n+m=3である。)で示されるp−
    tert−ブトキシフェニルスルホニウム塩を下記一般
    式(3) YH …(3) (式中、Yは上記と同様の意味を示す。)で示されるス
    ルホン酸で脱保護して、下記一般式(4) 【化3】 (式中、R1,Y,n,mは上記と同様の意味を示
    す。)で示されるp−ヒドロキシフェニルスルホニウム
    塩を得た後、これに下記一般式(5) XCH2CO2C(CH33 …(5) (式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示す。)で示され
    るα−ハロゲン化酢酸tert−ブチルを反応させるこ
    とを特徴とする請求項1記載のスルホニウム塩の製造方
    法。
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