JPH07101003A - 積層板 - Google Patents

積層板

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Publication number
JPH07101003A
JPH07101003A JP5244809A JP24480993A JPH07101003A JP H07101003 A JPH07101003 A JP H07101003A JP 5244809 A JP5244809 A JP 5244809A JP 24480993 A JP24480993 A JP 24480993A JP H07101003 A JPH07101003 A JP H07101003A
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JP
Japan
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layer
special
pressure
acrylic film
polycarbonate resin
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Withdrawn
Application number
JP5244809A
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English (en)
Inventor
Takeshi Yuki
剛 結城
Takashi Ajiro
敬 網代
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Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
Original Assignee
Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 看板用の面板、照明用反射板等に使用される
ポリカーボネート樹脂板を基板とした積層板について、
50〜80℃という比較的高い温度条件における粘着剤
層の接着界面の気泡の発生、およびこれに伴う化粧薄材
表面のフクレによる凹凸の発生を防止する。基板あるい
は化粧薄材が透明である場合にも化粧性が損なわれず、
かつ化粧薄材表面の化粧性あるいは反射特性を充分保持
する。各種用途に支障なく用いることができる汎用性の
一段と優れた積層板を提供する。 【構成】 積層板10は、ポリカーボネート樹脂基板1
の表面に、弾性を有するアクリル系樹脂層Aと、アルキ
ルメタクリレートを主成分とする高硬度樹脂層Bとを有
する特殊2層アクリル系フィルム2が接合され、その高
硬度樹脂層Bの表面に酸化処理による処理層3が設けら
れ、酸化処理層3の表面に感圧型粘着剤層4を介して化
粧薄材5が貼着されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば看板用の面
板、切文字、照明用反射板、熱線反射板、銘板、店装材
等に使用されるポリカーボネート樹脂板を基板とした積
層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の積層板としては、ポリカ
ーボネート樹脂基板の表面に、感圧型粘着剤層を介して
表面の化粧薄材を貼着したものが多く用いられている。
【0003】ここで、化粧薄材としては、用途に応じて
例えば金属蒸着フイルムや印刷フイルム、金属箔等の薄
材が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
積層板では、使用環境において比較的高い温度、例えば
50℃〜80℃の温度条件に曝されるような場合、ポリ
カーボネート樹脂基板と感圧型粘着剤層との間に気泡が
発生し、基板あるいは化粧薄材が透明である場合には気
泡が外部から見えて、化粧性が著しく損なわれたり、あ
るいはまた気泡のために化粧薄材にいわゆるフクレを生
じ、表面が凹凸状を呈してやはり化粧性あるいは反射特
性が損なわれたりするという問題があった。このような
気泡の発生のために積層板の用途範囲が制限されるう
え、その使用材質も制約を受け、汎用性の高い積層板の
提供が困難であるという問題があった。
【0005】そこで、本出願人は、このような問題を解
決するために、先に、ポリカーボネート樹脂基板自体の
表面に予め酸化処理を施し、その酸化処理層の表面に化
粧薄材を貼着した積層板を提案した(例えば実開平3-10
0429号公報参照)。この先提案の積層板によれば、高温
条件下に曝しても基板の粘着剤層との界面部分での気泡
の発生をある程度抑止することはできるが、まだ充分満
足な結果は得られないという問題があった。
【0006】この発明者らは、上記の点に鑑み鋭意研究
を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂基板の表面に、高
硬度樹脂層を有する特殊2層アクリル系フィルムを接合
し、その高硬度樹脂層表面に酸化処理による処理層を設
けたのち、酸化処理層の表面に感圧型粘着剤層を介して
化粧薄材を貼着するものとすれば、比較的高い温度条件
においても、感圧型粘着剤層の接着界面に、気泡がより
一層発生しにくいことを見いだし、この発明を完成する
に致った。
【0007】すなわち、この発明は、比較的高い温度条
件においても、感圧型粘着剤層の接着界面に気泡の発生
がなく、従って基板あるいは化粧薄材が透明である場合
にも化粧性が損なわれず、かつ化粧薄材表面にフクレに
よる凹凸を生じることなく化粧性あるいは反射特性を充
分高い状態に保持し得るうえに、比較的高い温度雰囲気
に曝されるような用途にも支障なく使用することができ
るとともに、その使用材質にも制約を受けることなく、
汎用性が一段と優れている積層板を提供することを目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、ポリカーボネート樹脂基板の表面
に、特殊2層アクリル系フィルムが接合され、この特殊
2層アクリル系フィルムは、弾性を有するアクリル系樹
脂層(A) の片面に、炭素数1〜4のアルキル基を有する
アルキルメタクリレートを主成分とするロックウェル硬
度がMスケールで90以上の樹脂層(B) が設けられたも
ので、かつ高硬度樹脂層(B) が外側となるようにポリカ
ーボネート樹脂基板に接合されており、この特殊2層ア
クリル系フィルムのアルキルメタクリレートを主成分と
する高硬度樹脂層(B) の表面に酸化処理による処理層が
設けられ、この酸化処理層の表面に感圧型粘着剤層を介
して化粧薄材が貼着されている、積層板を要旨としてい
る。
【0009】上記ポリカーボネート樹脂基板は、通常、
厚さ0.3〜5.0mm程度の透明または不透明板が使
用される。
【0010】このポリカーボネート樹脂基板の表面に接
合される特殊2層アクリル系フィルムは、弾性を有する
アクリル系樹脂層(A) の片面に炭素数1〜4のアルキル
基を有するアルキルメタクリレートを主成分とするロッ
クウェル硬度がMスケールで90以上の樹脂層(B) が設
けられたものである。
【0011】そして、この特殊2層アクリル系フィルム
は、高硬度樹脂層(B) が外側となるようにポリカーボネ
ート樹脂基板の表面に、熱融着により接合される。な
お、この特殊2層アクリル系フィルムは、例えば特開平
4-166334号公報に開示されていて、公知のものである。
【0012】ここで、特殊2層アクリル系フィルムの弾
性を有するアクリル系樹脂層(A) としては、炭素数1〜
8のアルキル基を有するアルキルアクリレート、例えば
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルア
クリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレー
ト等を主成分とする単独重合体、またはこれらアルキル
アクリレートあるいは炭素数1〜4のアルキル基を有す
るアルキルメタクリレート、例えばメチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、
ブチルメタクリレート等の少なくとも1種を優位成分と
し、これらと共重合可能な他の少なくとも1種のコモノ
マーを劣位成分とする共重合体またはこれら単独重合体
と共重合体との混合物があげられる。
【0013】また、上記高硬度樹脂層(B) としては、炭
素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレー
ト、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート等
を主成分とする単独重合体、またはこれらアルキルメタ
クリレートの少なくとも1種を優位成分とし、これらと
共重合可能な他の少なくとも1種のコモノマーを劣位成
分とする共重合体またはこれら単独重合体と共重合体と
の混合物があげられる。
【0014】ここで、特殊2層アクリル系フィルムの弾
性を有するアクリル系樹脂層(A) は、例えばロックウェ
ル硬度がMスケールで40程度と、比較的低い硬度を有
しかつ若干の弾性を有するものである。なお、この2層
アクリル系フィルムのアクリル系樹脂層(A) は、ポリカ
ーボネート樹脂基板の表面に熱融着により接合し得るも
のであれば、その硬度は制限されない。
【0015】これに対し、上記の炭素数1〜4のアルキ
ル基を有するアルキルメタクリレートを主成分とする樹
脂層(B) は、ロックウェル硬度がMスケールで90以上
を有するものである。なお、このような樹脂層(B) に
は、ロックウェル硬度がMスケールで90未満にならな
い限り、ゴム成分を添加することもできる。
【0016】ところで、上記特殊2層アクリル系フィル
ムの厚さは、20〜150μm、好ましくは30〜10
0μmである。
【0017】ここで、特殊2層アクリル系フィルムの厚
さが、20μm未満であれば、耐候性に問題があるの
で、好ましくない。また、特殊2層アクリル系フィルム
の厚さ150μmを越えると、ポリカーボネート樹脂と
の積層性が悪くなるので、好ましくない。
【0018】なお、特殊2層アクリル系フィルムは、通
常、弾性を有するアクリル系樹脂層(A) と高硬度樹脂層
(B) とを共押出法により接合して製造されたものを使用
するが、その他ラミネートやコーティング法により製造
されたものを使用しても良い。
【0019】そしてまた、上記特殊2層アクリル系フィ
ルムをポリカーボネート樹脂基板の表面に熱融着により
接合する温度は、例えば140〜160℃である。
【0020】ここで、熱融着温度が140℃未満であれ
ば、フィルムの密着性が悪く、熱融着を果たし得ないの
で、好ましくない。また熱融着温度が160℃を越える
と、温度が高すぎるため、例えば押出しラミネート法の
場合、ポリカーボネート樹脂基板側がポリシングロール
の表面に付着するなどにより、表面にしわや横すじマー
クが生じるなど、外観が著しく低下するので、好ましく
ない。
【0021】さらに、この特殊2層アクリル系フィルム
のアルキルメタクリレートを主成分とする高硬度樹脂層
(B) の表面に酸化処理による処理層が設けられ、つい
で、この酸化処理層の表面に感圧型粘着剤層を介して化
粧薄材が貼着されている。
【0022】ここで、上記高硬度樹脂層(B) 表面の酸化
処理層は、紫外線照射処理、プラズマ接触処理(コロナ
放電処理等)、火炎処理、薬品処理(重クロム酸系酸化
処理薬品等)等の酸化処理によって形成される。酸化処
理の代表的な例は、紫外線照射処理及びコロナ放電処理
である。
【0023】紫外線照射による酸化処理の場合、紫外線
照射処理は、主として184.9〜365nmの波長の紫
外線を放射するランプ等によって行なわれる。紫外線照
射処理条件については特に限定されるものではないが、
紫外線の波長が可視光に近づくにつれて熱が発生し、こ
の熱によって被加熱表面が変形することがあるので、紫
外線ランプの波長によって照射時間、照射距離等を適宜
調整することが必要である。
【0024】コロナ放電処理による酸化処理の場合、熱
の発生はあまりないが、放電出力が強すぎると処理層表
面にコロナによる焼損に起因した傷(ピンホール等)が
発生したりするので、放電出力、基板面と電極との距離
等を適宜調整することが必要である。
【0025】また、感圧型粘着剤層としては、アクリル
樹脂系、ゴム系の粘着剤を用いることができる。その主
剤としては、例えばポリ(メタ)アクリル酸エステル、
塩化ゴム、天然ゴム、合成ゴム、再生ゴム等があげられ
るが、屋外使用時における耐候性の点からアクリル樹脂
系粘着剤を使用するのが望ましい。
【0026】ここで、アクリル樹脂系粘着剤は、通常1
種または2種以上のモノマーを溶液中でラジカル重合し
て得られる。モノマー成分としては、(メタ)アクリル
酸の炭素数1〜8のアルキルまたはシクロアルキルエス
テル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまた
はヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートのような官
能基含有アクリル酸エステル、アクリル酸またはマレイ
ン酸のような不飽和カルボン酸、あるいは(メタ)アク
リルアミド、あるいはまたスチレンもしくは酢酸ビニル
のようなビニル単量体をあげることができる。
【0027】なお、このような感圧型粘着剤は、一般的
には予め化粧薄材の片面に塗着して使用される。そして
例えばアクリル樹脂系粘着剤の場合、その塗布量は、塗
布後の粘着剤層の厚さが、5〜500μm、好ましくは
10〜300μm、望ましくは20〜100μmとなる
ようにすれば良い。
【0028】化粧薄材としては、金属蒸着フイルム、印
刷フイルム、金属箔、着色合成樹脂フイルム等が用いら
れる。
【0029】
【作用】上記積層板によれば、ポリカーボネート樹脂基
板の表面に、特殊2層アクリル系フィルムが、そのアル
キルメタクリレートを主成分とするロックウェル硬度が
Mスケールで90以上の高硬度樹脂層(B) が外側となる
ように接合されており、高硬度樹脂層(B) の表面に酸化
処理による処理層が設けられて、酸化処理層の表面に感
圧型粘着剤層を介して化粧薄材が貼着されている。
【0030】この積層板によれば、比較的高い温度条件
においても、感圧型粘着剤層の接着界面に、気泡がより
一層発生しにくいものである。
【0031】従って上記積層板によれば、ポリカーボネ
ート樹脂基板あるいは化粧薄材が透明である場合にも化
粧性が損なわれず、かつ化粧薄材表面にフクレによる凹
凸を生じることなく、化粧性あるいは反射特性を充分高
い状態に保持することができる。
【0032】そのうえ、比較的高い温度雰囲気に曝され
るような用途にも支障なく使用することができるととも
に、その使用材質にも制約を受けることなく、汎用性が
一段と優れているものである。
【0033】
【実施例】つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて
説明する。
【0034】図面において、この発明による積層板(10)
は、透明なポリカーボネート樹脂基板(1) (商品名「ポ
リカエース」品番ECK100、筒中プラスチック工業
製)の片面に、特殊2層アクリル系フィルム(2) (商品
名「アクリプレン」品番MBS−006、三菱レイヨン
株式会社製)が積層されて、約150℃に加熱されるこ
とにより、熱融着されて接合されている。
【0035】ここで、実施例1の特殊2層アクリル系フ
ィルム(2) は、厚さ50μmを有している。このアクリ
ル系フィルム(2) は、厚さ40μmを有しかつロックウ
ェル硬度がMスケールで40のアクリル系樹脂層(A) の
片面に、アルキルメタクリレートを主成分としかつロッ
クウェル硬度がMスケールで90以上の厚さ10μmの
高硬度樹脂層(B) が設けられたもので、高硬度樹脂層
(B) が外側となるようにポリカーボネート樹脂基板(1)
に接合されている。
【0036】また、実施例2の特殊2層アクリル系フィ
ルム(2) は厚さ125μmを有し、これは厚さ110μ
mを有しかつロックウェル硬度がMスケールで40のア
クリル系樹脂層(A) の片面に、アルキルメタクリレート
を主成分としかつロックウェル硬度がMスケールで90
以上の厚さ15μmの高硬度樹脂層(B) が設けられたも
のである。
【0037】ついで、これら実施例1および2の特殊2
層アクリル系フィルム(2) のアルキルメタクリレートを
主成分とする高硬度樹脂層(B) の表面に、紫外線照射ラ
ンプ(ランプ型式UVL−7000L、ウシオ電機株式
会社製)を用いて、紫外線照射処理を施し、同面に酸化
処理層(3) を形成した。
【0038】なお、紫外線照射の条件は、照度180〜
200mw/cm2 、積算照射量1700〜1800J
/cm2 、電力120W/cm、および特殊2層アクリ
ル系フィルム(2) 面とランプとの間の距離180mmと
した。
【0039】こうして、酸化処理層(3) を形成した後、
この酸化処理層(3) の表面に、予め感圧型粘着剤(4) を
片面に塗着したブルー透明の化粧薄材(5) (商品名タフ
カル、品番521c、中川ケミカル株式会社製)を、酸
化処理層(3) 表面と感圧型粘着剤層(4) との間に空気が
入らないように貼り合わせた。
【0040】こうして作成した実施例1と2の積層板(1
0)を水分の蒸発のために7日間常温にて放置した。
【0041】これらの積層板(10)の性能を評価するため
に、各積層板(10)を、60℃および80℃の温度条件で
24時間加熱した後、肉眼で観察し、フクレの発生の結
果を表1に記載した。
【0042】なお、性能の評価は、フクレが発生したも
のを×、フクレの発生が認められなかったものを○、で
表示した。
【0043】なお、比較のために、上記と同じポリカー
ボネート樹脂基板の片面に、厚さ50μmの特殊2層ア
クリル系フィルム(2) を熱融着により接合するが、その
アルキルメタクリレートを主成分とする高硬度樹脂層
(B) の表面に、紫外線照射処理による酸化処理層を形成
することなく、感圧型粘着剤層を塗布し、さらにこの感
圧型粘着剤層を介して高硬度樹脂層(B) の表面に化粧薄
材を貼り合わせて、比較例の積層板を製作した。
【0044】また、参考例として、上記と同じポリカー
ボネート樹脂基板(1) の片面に、特殊2層アクリル系フ
ィルム(2) の代わりに、従来の耐候性を有する厚さ60
μmの1層構成アクリル系フィルム(商品名「アクリプ
レン」品番HBE−001、三菱レイヨン株式会社製)
を接合し、この従来の耐候性を有する1層構成アクリル
系フィルムの表面に、同様に紫外線照射処理による酸化
処理層を形成して、感圧型粘着剤層を塗布し、さらにこ
の感圧型粘着剤層を介して化粧薄材を貼り合わせて、参
考例の積層板を製作した。
【0045】そして、これら比較例参考例の積層板の性
能を評価するために、同様に各積層板を、60℃および
80℃の温度条件で24時間加熱した後、肉眼で観察
し、フクレの発生の結果を表1にあわせて記載した。
【0046】
【表1】 上記表1から明らかなように、この発明の実施例1と2
による積層板(10)によれば、ポリカーボネート樹脂基板
(1) に接合された特殊2層アクリル系フィルム(2) の高
硬度樹脂層(B) の表面に、紫外線照射処理による酸化処
理層(3) が設けられているから、60℃および80℃と
いう高い温度条件下においても、感圧型粘着剤層(4) の
接着界面に、気泡の発生が見られず、化粧薄材(5) 表面
にフクレによる凹凸を生じなかった。
【0047】従って実施例1と2による積層板(10)によ
れば、ポリカーボネート樹脂基板(1) および化粧薄材
(5) のいずれもが透明であるにもかかわらず、化粧性が
損なわれず、化粧性あるいは反射特性を充分高い状態に
保持することができた。
【0048】また、本発明品は、60℃および80℃と
いう高い温度雰囲気に曝されるような用途にも支障なく
使用することができ、かつ汎用性の優れたものであっ
た。
【0049】これに対し、比較例と参考例の積層板で
は、感圧型粘着剤層の接着界面に気泡の発生が見られ、
化粧薄材表面にフクレによる凹凸を生じた。ポリカーボ
ネート樹脂基板および化粧薄材は、いずれも透明である
ため、気泡が外部より見えて、化粧性が損なわれるとと
もに、化粧薄材のフクレにより、比較例と参考例の積層
板では化粧性および反射特性が著しく劣るものであっ
た。
【0050】
【発明の効果】この発明による積層板は、上述のよう
に、ポリカーボネート樹脂基板の表面に、特殊2層アク
リル系フィルムが接合され、この特殊2層アクリル系フ
ィルムは、弾性を有するアクリル系樹脂層(A) の片面
に、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタク
リレートを主成分とするロックウェル硬度がMスケール
で90以上の樹脂層(B) が設けられたもので、かつ高硬
度樹脂層(B) が外側となるようにポリカーボネート樹脂
基板に接合されており、この特殊2層アクリル系フィル
ムのアルキルメタクリレートを主成分とする高硬度樹脂
層(B) の表面に酸化処理による処理層が設けられ、この
酸化処理層の表面に感圧型粘着剤層を介して化粧薄材が
貼着されているもので、この発明の積層板によれば、例
えば50℃〜80℃というような比較的高い温度条件に
おいても、感圧型粘着剤層の接着界面に、気泡がより一
層発生しにくいものである。
【0051】従ってこの発明の積層板によれば、ポリカ
ーボネート樹脂基板あるいは化粧薄材が透明である場合
にも化粧性が損なわれず、かつ化粧薄材表面にフクレに
よる凹凸を生じることなく化粧性あるいは反射特性を充
分高い状態に保持することができる。
【0052】そのうえ、比較的高い温度雰囲気に曝され
るような用途にも支障なく使用することができるととも
に、その使用材質にも制約を受けることなく、汎用性が
一段と優れているという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明品の実施例を示す要部拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ポリカーボネート樹脂基板 2 特殊2層アクリル系フィルム A 弾性を有するアクリル系樹脂層 B アルキルメタクリレートを主成分とする高硬
度樹脂層 3 酸化処理層 4 感圧型粘着剤層 5 化粧薄材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば看板用の面
板、切文字、照明用反射板、熱線反射板、銘板、店装材
等に使用されるポリカーボネート樹脂板を基板とした積
層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の積層板としては、ポリカ
ーボネート樹脂基板の表面に、感圧型粘着剤層を介して
表面の化粧薄材を貼着したものが多く用いられている。
【0003】ここで、化粧薄材としては、用途に応じて
例えば金属蒸着フイルムや印刷フイルム、金属箔等の薄
材が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
積層板では、使用環境において比較的高い温度、例えば
50℃〜80℃の温度条件に曝されるような場合、ポリ
カーボネート樹脂基板と感圧型粘着剤層との間に気泡が
発生し、基板あるいは化粧薄材が透明である場合には気
泡が外部から見えて、化粧性が著しく損なわれたり、あ
るいはまた気泡のために化粧薄材にいわゆるフクレを生
じ、表面が凹凸状を呈してやはり化粧性あるいは反射特
性が損なわれたりするという問題があった。このような
気泡の発生のために積層板の用途範囲が制限されるう
え、その使用材質も制約を受け、汎用性の高い積層板の
提供が困難であるという問題があった。
【0005】そこで、本出願人は、このような問題を解
決するために、先に、ポリカーボネート樹脂基板自体の
表面に予め酸化処理を施し、その酸化処理層の表面に化
粧薄材を貼着した積層板を提案した(例えば実開平3-10
0429号公報参照)。この先提案の積層板によれば、高温
条件下に曝しても基板粘着剤層との界面部分での気泡
の発生をある程度抑止することはできるが、まだ充分満
足な結果は得られないという問題があった。
【0006】この発明者らは、上記の点に鑑み鋭意研究
を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂基板の表面に、高
硬度樹脂層を有する特殊2層アクリル系フィルムを接合
し、その高硬度樹脂層表面に酸化処理による処理層を設
けたのち、酸化処理層の表面に感圧型粘着剤層を介して
化粧薄材を貼着するものとすれば、比較的高い温度条件
においても、感圧型粘着剤層の接着界面に、気泡がより
一層発生しにくいことを見いだし、この発明を完成する
に致った。
【0007】すなわち、この発明は、比較的高い温度条
件においても、感圧型粘着剤層の接着界面に気泡の発生
がなく、従って基板あるいは化粧薄材が透明である場合
にも化粧性が損なわれず、かつ化粧薄材表面にフクレに
よる凹凸を生じることなく化粧性あるいは反射特性を充
分高い状態に保持し得るうえに、比較的高い温度雰囲気
に曝されるような用途にも支障なく使用することができ
るとともに、その使用材質にも制約を受けることなく、
汎用性が一段と優れている積層板を提供することを目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、ポリカーボネート樹脂基板の表面
に、特殊2層アクリル系フィルムが接合され、この特殊
2層アクリル系フィルムは、弾性を有するアクリル系樹
脂層(A) の片面に、炭素数1〜4のアルキル基を有する
アルキルメタクリレートを主成分とするロックウェル硬
度がMスケールで90以上の樹脂層(B) が設けられたも
ので、かつ高硬度樹脂層(B) が外側となるようにポリカ
ーボネート樹脂基板に接合されており、この特殊2層ア
クリル系フィルムのアルキルメタクリレートを主成分と
する高硬度樹脂層(B) の表面に酸化処理による処理層が
設けられ、この酸化処理層の表面に感圧型粘着剤層を介
して化粧薄材が貼着されている、積層板を要旨としてい
る。
【0009】上記ポリカーボネート樹脂基板は、通常、
厚さ0.3〜5.0mm程度の透明または不透明板が使
用される。
【0010】このポリカーボネート樹脂基板の表面に接
合される特殊2層アクリル系フィルムは、弾性を有する
アクリル系樹脂層(A) の片面に炭素数1〜4のアルキル
基を有するアルキルメタクリレートを主成分とするロッ
クウェル硬度がMスケールで90以上の樹脂層(B) が設
けられたものである。
【0011】そして、この特殊2層アクリル系フィルム
は、高硬度樹脂層(B) が外側となるようにポリカーボネ
ート樹脂基板の表面に、熱融着により接合される。な
お、この特殊2層アクリル系フィルムは、例えば特開平
4-166334号公報に開示されていて、公知のものである。
【0012】ここで、特殊2層アクリル系フィルムの弾
性を有するアクリル系樹脂層(A) としては、炭素数1〜
8のアルキル基を有するアルキルアクリレート、例えば
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルア
クリレート、ブチルアクリレート、オクチルアクリレー
ト等を主成分とする単独重合体、またはこれらアルキル
アクリレートあるいは炭素数1〜4のアルキル基を有す
るアルキルメタクリレート、例えばメチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、
ブチルメタクリレート等の少なくとも1種を優位成分と
し、これらと共重合可能な他の少なくとも1種のコモノ
マーを劣位成分とする共重合体またはこれら単独重合体
と共重合体との混合物があげられる。
【0013】また、上記高硬度樹脂層(B) としては、炭
素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレー
ト、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート等
を主成分とする単独重合体、またはこれらアルキルメタ
クリレートの少なくとも1種を優位成分とし、これらと
共重合可能な他の少なくとも1種のコモノマーを劣位成
分とする共重合体またはこれら単独重合体と共重合体と
の混合物があげられる。
【0014】ここで、特殊2層アクリル系フィルムの弾
性を有するアクリル系樹脂層(A) は、例えばロックウェ
ル硬度がMスケールで40程度と、比較的低い硬度を有
しかつ若干の弾性を有するものである。なお、この2層
アクリル系フィルムのアクリル系樹脂層(A) は、ポリカ
ーボネート樹脂基板の表面に熱融着により接合し得るも
のであれば、その硬度は制限されない。
【0015】これに対し、上記の炭素数1〜4のアルキ
ル基を有するアルキルメタクリレートを主成分とする樹
脂層(B) は、ロックウェル硬度がMスケールで90以上
を有するものである。なお、このような樹脂層(B) に
は、ロックウェル硬度がMスケールで90未満にならな
い限り、ゴム成分を添加することもできる。
【0016】ところで、上記特殊2層アクリル系フィル
ムの厚さは、20〜150μm、好ましくは30〜10
0μmである。
【0017】ここで、特殊2層アクリル系フィルムの厚
さが、20μm未満であれば、耐候性に問題があるの
で、好ましくない。また、特殊2層アクリル系フィルム
の厚さ150μmを越えると、ポリカーボネート樹脂
との積層性が悪くなるので、好ましくない。
【0018】なお、特殊2層アクリル系フィルムは、通
常、弾性を有するアクリル系樹脂層(A) と高硬度樹脂層
(B) とを共押出法により接合して製造されたものを使用
するが、その他ラミネートやコーティング法により製造
されたものを使用しても良い。
【0019】そしてまた、上記特殊2層アクリル系フィ
ルムをポリカーボネート樹脂基板の表面に熱融着により
接合する温度は、例えば140〜160℃である。
【0020】ここで、熱融着温度が140℃未満であれ
ば、フィルムの密着性が悪く、熱融着を果たし得ないの
で、好ましくない。また熱融着温度が160℃を越える
と、温度が高すぎるため、例えば押出しラミネート法の
場合、ポリカーボネート樹脂基板側がポリシングロール
の表面に付着するなどにより、表面にしわや横すじマー
クが生じるなど、外観が著しく低下するので、好ましく
ない。
【0021】さらに、この特殊2層アクリル系フィルム
のアルキルメタクリレートを主成分とする高硬度樹脂層
(B) の表面に酸化処理による処理層が設けられ、つい
で、この酸化処理層の表面に感圧型粘着剤層を介して化
粧薄材が貼着されている。
【0022】ここで、上記高硬度樹脂層(B) 表面の酸化
処理層は、紫外線照射処理、プラズマ接触処理(コロナ
放電処理等)、火炎処理、薬品処理(重クロム酸系酸化
処理薬品等)等の酸化処理によって形成される。酸化処
理の代表的な例は、紫外線照射処理及びコロナ放電処理
である。
【0023】紫外線照射による酸化処理の場合、紫外線
照射処理は、主として184.9〜365nmの波長の紫
外線を放射するランプ等によって行なわれる。紫外線照
射処理条件については特に限定されるものではないが、
紫外線の波長が可視光に近づくにつれて熱が発生し、
この熱によって被加熱表面が変形することがあるので、
紫外線ランプの波長によって照射時間、照射距離等を適
宜調整することが必要である。
【0024】コロナ放電処理による酸化処理の場合、熱
の発生はあまりないが、放電出力が強すぎると処理層表
面にコロナによる焼損に起因した傷(ピンホール等)が
発生したりするので、放電出力、基板面と電極との距離
等を適宜調整することが必要である。
【0025】また、感圧型粘着剤層としては、アクリル
樹脂系、ゴム系の粘着剤を用いることができる。その主
剤としては、例えばポリ(メタ)アクリル酸エステル、
塩化ゴム、天然ゴム、合成ゴム、再生ゴム等があげられ
るが、屋外使用時における耐候性の点からアクリル樹脂
系粘着剤を使用するのが望ましい。
【0026】ここで、アクリル樹脂系粘着剤は、通常1
種または2種以上のモノマーを溶液中でラジカル重合し
て得られる。モノマー成分としては、(メタ)アクリル
酸の炭素数1〜8のアルキルまたはシクロアルキルエス
テル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまた
はヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートのような官
能基含有アクリル酸エステル、アクリル酸またはマレイ
ン酸のような不飽和カルボン酸、あるいは(メタ)アク
リルアミド、あるいはまたスチレンもしくは酢酸ビニル
のようなビニル単量体をあげることができる。
【0027】なお、このような感圧型粘着剤は、一般的
には予め化粧薄材の片面に塗着して使用される。そして
例えばアクリル樹脂系粘着剤の場合、その塗布量は、塗
布後の粘着剤層の厚さが、5〜500μm、好ましくは
10〜300μm、望ましくは20〜100μmとなる
ようにすれば良い。
【0028】化粧薄材としては、金属蒸着フイルム、印
刷フイルム、金属箔、着色合成樹脂フイルム等が用いら
れる。
【0029】
【作用】上記積層板によれば、ポリカーボネート樹脂基
板の表面に、特殊2層アクリル系フィルムが、そのアル
キルメタクリレートを主成分とするロックウェル硬度が
Mスケールで90以上の高硬度樹脂層(B) が外側となる
ように接合されており、高硬度樹脂層(B) の表面に酸化
処理による処理層が設けられて、酸化処理層の表面に感
圧型粘着剤層を介して化粧薄材が貼着されている。
【0030】この積層板によれば、比較的高い温度条件
においても、感圧型粘着剤層の接着界面に、気泡がより
一層発生しにくいものである。
【0031】従って上記積層板によれば、ポリカーボネ
ート樹脂基板あるいは化粧薄材が透明である場合にも化
粧性が損なわれず、かつ化粧薄材表面にフクレによる凹
凸を生じることなく、化粧性あるいは反射特性を充分高
い状態に保持することができる。
【0032】そのうえ、比較的高い温度雰囲気に曝され
るような用途にも支障なく使用することができるととも
に、その使用材質にも制約を受けることなく、汎用性が
一段と優れているものである。
【0033】
【実施例】つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて
説明する。
【0034】図面において、この発明による積層板(10)
は、透明なポリカーボネート樹脂基板(1) (商品名「ポ
リカエース」品番ECK100、筒中プラスチック工業
製)の片面に、特殊2層アクリル系フィルム(2) (商品
名「アクリプレン」品番MBS−006、三菱レイヨン
株式会社製)が積層されて、約150℃に加熱されるこ
とにより、熱融着されて接合されている。
【0035】ここで、実施例1の特殊2層アクリル系フ
ィルム(2) は、厚さ50μmを有している。このアクリ
ル系フィルム(2) は、厚さ40μmを有しかつロックウ
ェル硬度がMスケールで40のアクリル系樹脂層(A) の
片面に、アルキルメタクリレートを主成分としかつロッ
クウェル硬度がMスケールで90以上の厚さ10μmの
高硬度樹脂層(B) が設けられたもので、高硬度樹脂層
(B) が外側となるようにポリカーボネート樹脂基板(1)
に接合されている。
【0036】また、実施例2の特殊2層アクリル系フィ
ルム(2) は厚さ125μmを有し、これは厚さ110μ
mを有しかつロックウェル硬度がMスケールで40のア
クリル系樹脂層(A) の片面に、アルキルメタクリレート
を主成分としかつロックウェル硬度がMスケールで90
以上の厚さ15μmの高硬度樹脂層(B) が設けられたも
のである。
【0037】ついで、これら実施例1および2の特殊2
層アクリル系フィルム(2) のアルキルメタクリレートを
主成分とする高硬度樹脂層(B) の表面に、紫外線照射ラ
ンプ(ランプ型式UVL−7000L、ウシオ電機株式
会社製)を用いて、紫外線照射処理を施し、同面に酸化
処理層(3) を形成した。
【0038】なお、紫外線照射の条件は、照度180〜
200mw/cm2 、積算照射量1700〜1800J
/cm2 、電力120W/cm、および特殊2層アクリ
ル系フィルム(2) 面とランプとの間の距離180mmと
した。
【0039】こうして、酸化処理層(3) を形成した後、
この酸化処理層(3) の表面に、予め感圧型粘着剤(4) を
片面に塗着したブルー透明の化粧薄材(5) (商品名タフ
カル、品番521c、中川ケミカル株式会社製)を、酸
化処理層(3) 表面と感圧型粘着剤層(4) との間に空気が
入らないように貼り合わせた。
【0040】こうして作成した実施例1と2の積層板(1
0)を水分の蒸発のために7日間常温にて放置した。
【0041】これらの積層板(10)の性能を評価するため
に、各積層板(10)を、60℃および80℃の温度条件で
24時間加熱した後、肉眼で観察し、フクレの発生の結
果を表1に記載した。
【0042】なお、性能の評価は、フクレが発生したも
のを×、フクレの発生が認められなかったものを○、で
表示した。
【0043】なお、比較のために、上記と同じポリカー
ボネート樹脂基板の片面に、厚さ50μmの特殊2層ア
クリル系フィルム(2) を熱融着により接合するが、その
アルキルメタクリレートを主成分とする高硬度樹脂層
(B) の表面に、紫外線照射処理による酸化処理層を形成
することなく、感圧型粘着剤層を塗布し、さらにこの感
圧型粘着剤層を介して高硬度樹脂層(B) の表面に化粧薄
材を貼り合わせて、比較例の積層板を製作した。
【0044】そして、これら比較例の積層板の性能を評
価するために、同様に各積層板を、60℃および80℃
の温度条件で24時間加熱した後、肉眼で観察し、フク
レの発生の結果を表1にあわせて記載した。
【0045】
【表1】 上記表1から明らかなように、この発明の実施例1と2
による積層板(10)によれば、ポリカーボネート樹脂基板
(1) に接合された特殊2層アクリル系フィルム(2) の高
硬度樹脂層(B) の表面に、紫外線照射処理による酸化処
理層(3) が設けられているから、60℃および80℃と
いう高い温度条件下においても、感圧型粘着剤層(4) の
接着界面に、気泡の発生が見られず、化粧薄材(5) 表面
にフクレによる凹凸を生じなかった。
【0046】従って実施例1と2による積層板(10)によ
れば、ポリカーボネート樹脂基板(1) および化粧薄材
(5) のいずれもが透明であるにもかかわらず、化粧性が
損なわれず、化粧性あるいは反射特性を充分高い状態に
保持することができた。
【0047】また、本発明品は、60℃および80℃と
いう高い温度雰囲気に曝されるような用途にも支障なく
使用することができ、かつ汎用性の優れたものであっ
た。
【0048】これに対し、比較例の積層板では、感圧型
粘着剤層の接着界面に気泡の発生が見られ、化粧薄材表
面にフクレによる凹凸を生じた。ポリカーボネート樹脂
基板および化粧薄材は、いずれも透明であるため、気泡
が外部より見えて、化粧性が損なわれるとともに、化粧
薄材のフクレにより、比較例の積層板では化粧性および
反射特性が著しく劣るものであった。
【0049】
【発明の効果】この発明による積層板は、上述のよう
に、ポリカーボネート樹脂基板の表面に、特殊2層アク
リル系フィルムが接合され、この特殊2層アクリル系フ
ィルムは、弾性を有するアクリル系樹脂層(A) の片面
に、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタク
リレートを主成分とするロックウェル硬度がMスケール
で90以上の樹脂層(B) が設けられたもので、かつ高硬
度樹脂層(B) が外側となるようにポリカーボネート樹脂
基板に接合されており、この特殊2層アクリル系フィル
ムのアルキルメタクリレートを主成分とする高硬度樹脂
層(B) の表面に酸化処理による処理層が設けられ、この
酸化処理層の表面に感圧型粘着剤層を介して化粧薄材が
貼着されているもので、この発明の積層板によれば、例
えば50℃〜80℃というような比較的高い温度条件に
おいても、感圧型粘着剤層の接着界面に、気泡がより一
層発生しにくいものである。
【0050】従ってこの発明の積層板によれば、ポリカ
ーボネート樹脂基板あるいは化粧薄材が透明である場合
にも化粧性が損なわれず、かつ化粧薄材表面にフクレに
よる凹凸を生じることなく化粧性あるいは反射特性を充
分高い状態に保持することができる。
【0051】そのうえ、比較的高い温度雰囲気に曝され
るような用途にも支障なく使用することができるととも
に、その使用材質にも制約を受けることなく、汎用性が
一段と優れているという効果を奏する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 31/30 7148−4F

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂基板(1) の表面
    に、特殊2層アクリル系フィルム(2) が接合され、この
    特殊2層アクリル系フィルム(2) は、弾性を有するアク
    リル系樹脂層(A) の片面に、炭素数1〜4のアルキル基
    を有するアルキルメタクリレートを主成分とするロック
    ウェル硬度がMスケールで90以上の樹脂層(B) が設け
    られたもので、かつ高硬度樹脂層(B) が外側となるよう
    にポリカーボネート樹脂基板(1) に接合されており、こ
    の特殊2層アクリル系フィルム(2) のアルキルメタクリ
    レートを主成分とする高硬度樹脂層(B) の表面に酸化処
    理による処理層(3) が設けられ、この酸化処理層(3) の
    表面に感圧型粘着剤層(4)を介して化粧薄材(5) が貼着
    されている、積層板。
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