JPH07100909A - 帯電防止成形品の製造方法 - Google Patents

帯電防止成形品の製造方法

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JPH07100909A
JPH07100909A JP25151593A JP25151593A JPH07100909A JP H07100909 A JPH07100909 A JP H07100909A JP 25151593 A JP25151593 A JP 25151593A JP 25151593 A JP25151593 A JP 25151593A JP H07100909 A JPH07100909 A JP H07100909A
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JP
Japan
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molding
molding die
conductive
molded product
resin material
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JP25151593A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Tadokoro
保博 田所
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 少ない工程で製造することができ、且つ成形
品の形状にも制約を受けない帯電防止成形品の製造方法
を提供する。 【構成】 成形型1の表面に導電性塗料を塗布する。次
いで該成形型に加熱した樹脂素材4を乗せ、圧空成形に
よって成形型1の形状を型取りする。そしてこの時同時
に樹脂素材の表面に導電性塗料層3を転写させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性を具備し、帯電防
止機能を備えた成形品の製造方法に関するものである。
そして本発明は、電子部品、各種弱電機器、家庭用電気
機器、オーディオ機器等の製造工場のように帯電、塵埃
を嫌う工場で使用される成形品であって、窓ガラス、ト
レイ、機器カバーのような大型の帯電防止成形品を製造
する方法として特に適するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、各種電子部品、機器などの需要が
増大しているが、これらは全て防塵性、制電制が要求さ
れ、これと相まってこれらの製品を製造する設備環境自
体も防塵性、制電性の要求が高まっている。従って、前
記設備環境を形成する各種の機器カバー、トレイ、窓ガ
ラスなどのような大型成形品についても防塵性、制電性
が必要である。そこでこれらの用途に使用される成形品
には、防塵性、制電性を付加するために導電性を備える
ことが要求される。
【0003】従来技術のこの種の成形品としては、実開
昭61−181721号公報に開示されたものが知られ
ている。これは透明な合成樹脂による成形品本体に、S
nO 2 等の導電性微粉末を含有する導電性塗膜層が設け
られ、さらにこの導電性塗膜層の上に合成樹脂の保護塗
膜層が設けられたものである。そして上記した成形品の
製造方法は、予め射出成形等の方法によってトレイ等の
形状を成形し、その後導電性微粉末を含有する塗料によ
ってトレイ等を塗装するものである。
【0004】また帯電防止成形品の他の製造方法として
は、真空成形を応用したものが知られている。この方法
は、表面あるいは内部に導電層を有する熱可塑性シート
を準備し、この熱可塑性シートを使用して所定の形状に
真空成形するものである。さらに上記した製造方法に類
似する方法として、特開平2−41226号公報に開示
されたものがある。特開平2−41226号公報に開示
された製造方法は、導電性繊維を熱可塑性シート内に埋
設し、この熱可塑性シートを使用して真空成形あるいは
圧空成形するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した従来技術
の帯電防止成形品の製造方法の内、塗装によって導電層
を形成する方法は、導電性能の優れた成形品を作ること
ができると言う点では申し分ない。しかしながら、塗装
によって導電層を形成する方法は、製造工程が多いため
に製造に手間がかかる欠点がある。即ち上記した製造方
法によると、先ず最初に射出成形等によって成形品を製
造しなければならない。そしてその成形品に塗装をする
ので、少なくとも成形工程と塗装工程の2工程が必要で
ある。さらに加えて上記した方法は、成形品の表面に塗
装を施すものであるから、塗装に先立って成形品の表面
を脱脂したり、目止めする等の前処理が必要となること
が多い。
【0006】一方真空成形等によって成形する方法は、
単一の工程で帯電防止成形品を製造することができる利
点があるものの、製造できる成形品の形状に大きな制約
がある。より具体的には、真空成形等による製造方法
は、深絞部を有する成形品の製造には適さない。即ち真
空成形等は、シートを成形型に密着させて所定の形状に
成形するものであるが、その際のシートの伸び量は、成
形品の部位によって異なる。従って、平坦部では成形材
料の肉厚や導電層の厚さは均一であるが、角部等の深絞
となる部分においては成形時に成形材料が大きく伸張さ
れ、肉厚が極端に薄くなる。そのため、角部等で導電層
や導電繊維が薄くなり、導電性が損なわれる欠点があっ
た。
【0007】本発明は上記の如き従来技術の問題点を解
決するもので、少ない工程で製造することができ、且つ
成形品の形状にも制約を受けない帯電防止成形品の製造
方法を提供することを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そして上記目的を達成す
るための本発明は、成形型表面に導電性塗料を塗布し、
次いで該成形型に加熱した樹脂素材を密着し、圧空成形
あるいは真空成形のいずれかによって成形型の形状を型
取りすると共に樹脂素材の表面に導電性塗料層を転写せ
しめ、冷却後に導電性塗料層が転写された成形品を成形
型から取り出すことを特徴とする帯電防止成形品の製造
方法である。尚、本発明において圧空成形とは、ブロー
成形を含む概念である。
【0009】
【作用】本発明の製造方法では、成形型の表面に導電性
塗料が塗布されるため、導電性塗料層が成形型の平坦
部、角部に均一に形成される。本発明では熱軟化した樹
脂素材を成形型に密着し圧空成形あるいは真空成形によ
って所定の形に成形するが、前記したように成形型には
導電性塗料層が形成されているので、圧空成形等に際し
て同時に導電性塗料層が成形品の表面に転写される。そ
して導電性塗料層が転写される際に導電性塗料層の伸張
現象はない。従って本発明の製造方法では、導電層が成
形品の平坦部、角部においても均一に存在する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
る。図1は、本発明の具体的実施例における帯電防止成
形品の製造方法の主要工程を示す成形型および樹脂素材
の断面図である。図1の実施例は、成形品の窪んだ側の
表面に導電性を付与する場合を示すものである。図1
(a)(c)において1は、本実施例で使用する成形型
である。本実施例で使用する成形型1は、通常の圧空成
形で使用するものと大差なく、表面形状が所定の成形品
の形状をしており、内部に冷却水が流れるパイプ2が埋
設されている。本実施例で使用する成形型1は、金属等
の塗料が浸透しない素材によって作られたものであるこ
とが望ましく、また塗料が剥離し易い様に表面が円滑で
あることが好ましい。
【0011】本実施例の帯電防止成形品の製造方法で
は、先ず最初に成形型1の表面に導電性塗料を均一に塗
布し、成形型1の表面に導電性塗料層3(以下塗料層
3)を形成する。ここで導電性塗料の例としては、PV
C樹脂やアセタール樹脂等を基材とし、導電性チタン酸
カリウムウィスカー等の導電性物質を分散させたものが
挙げられる。より具体的には、(表1)(表2)(表
3)に挙げる配合の塗料が使用可能である。
【表1】
【表2】
【表3】
【0012】また導電性塗料の塗膜の厚さは、塗料が乾
燥した状態で、1乃至5μm程度、より好ましくは3μ
m程度であることが望ましい。尚塗布の手段については
特にこだわるものではなく、刷毛塗り、スプレー、ある
いはローラによって行うことができる。
【0013】成形型1の表面に導電性塗料を塗布した後
そのまましばらく放置して、導電性塗料の塗料層3を幾
分乾燥させる。一方上記した工程と平行して、図1
(b)の如く、熱可塑性樹脂のシートからなる樹脂素材
4をヒータのような加熱装置5によって約200°C程
度に加熱し、軟化させる。尚樹脂素材4の具体的内容に
ついて付言すると、樹脂はアクリル変性高衝撃性塩化ビ
ニル樹脂を採用することが推奨される。またシートの厚
さは、成形品の用途によって多種のものがあるが、厚さ
約6mm程度のものが普通に利用される。さらにシートの
大きさは1.5m×1.2m程度のものが普通に使用さ
れ、時には2乃至3m四方程度のものが利用される場合
もある。
【0014】以上の工程によって軟化状態になった樹脂
素材4を導電性塗料層3の上から成形型1に被せる。そ
して図1(c)の如く成形型1の上から蓋状の圧空装置
6を被せ、圧空装置6の端部と成形型1の基台の間で樹
脂素材4の辺部を挟み、内部を密閉する。次に圧空装置
6の空気送入口7から圧空装置6と樹脂素材4の間に2
乃至5Kg/cm2程度の圧縮空気を吹き込み、樹脂素材4を
成形型の外形に型取る。即ち圧空成形によって樹脂素材
4が所定の形状に変形される。
【0015】この時本実施例の帯電防止成形品の製造方
法では、樹脂素材4が空気圧によって成形型の表面にあ
る導電性塗料の塗料層3に密着され強く押しつけられ
る。ここで樹脂素材4は熱軟化しており、他方の導電性
塗料の塗料層3も粘性を有するため、導電性塗料の塗料
層3は、成形型の表面を離れて樹脂素材4に転写され
る。
【0016】そして直ちに成形型1内に設けられたパイ
プ2に冷却水が流され、成形型1が冷却される。樹脂素
材4が冷却固化された後、空気送入を停止し、図1
(d)のように成形型1より成形品を取り出す。そして
これを室温で放置し、樹脂素材4の凹部の表面に転写さ
れた導電性塗料の塗料層3を乾燥させ、塗料層3を硬化
させる。その後所定のトリム作業を経て帯電防止機能を
有する成形品8が完成する。
【0017】このように本発明の成形方法は、圧空成形
と同時に導電性の塗料層3を樹脂素材4に転写する方法
であるため成形型1の屈曲した角部においても従来の如
き導電層の伸張現象はなく、成形品の表面全体に渡って
均一に導電層が付着しており、成形品全面に帯電防止機
能を有する製品が得られる。
【0018】以上は、成形品の窪んだ側の表面に帯電防
止機能を持たせる場合の実施例であるが、本発明は勿論
成形品の凸状をした側の表面に帯電防止機能を付与する
場合にも応用することができる。図2は、本発明の変形
実施例における帯電防止成形品の製造方法の主要工程を
示す成形型および樹脂素材の断面図であり、凸状をした
側の表面に帯電防止機能を付与する場合の工程を示すも
のである。
【0019】図2に示す製造方法は、成形型11の形状
が前記した成形型1とは逆に凹状になっているだけで、
他の成形方法は前記した場合と同じである。即ち、図2
(a)の如く導電性塗料を凹状成形型11の内表面に塗
布し、所定時間乾燥して導電性塗料の塗料層13を設け
る。そして、図2(b)のように加熱装置15で加熱軟
化させた成形材料14を、図2(c)のように凹状成形
型11の上に乗せ、次いで圧空装置16の空気送入口1
7より圧縮空気を吹き込み、圧空成形を行う。そしてパ
イプ12に冷却水を通して成形型11を冷却した後成形
品を離型する。離型した成形品を室温で乾燥することに
より、図2(d)に如き凹状の樹脂材料14の表面に導
電層が積層された帯電防止成形品18が得られる。
【0020】以上述べた図1,図2の実施例は、いずれ
も成形型の表面に均一に導電性塗料を塗布し、成形型に
付着した導電性塗料だけをもって、成形品に帯電防止機
能を持たせるものである。これに代わって、本発明の帯
電防止成形品の製造方法は、成形品に部分的に導電性を
持たせたい場合や、従来技術で説明した方法と併用して
実施し、従来技術の欠点を補完する手段として利用する
ことも可能である。次に本発明の帯電防止成形品の製造
方法を、部分的に導電性を補強する手段として利用する
場合の実施例について説明する。
【0021】図3は、本発明の変形実施例における帯電
防止成形品の製造方法の主要工程を示す成形型および樹
脂素材の断面図である。本実施例では、図1の実施例と
同一の成形型1を利用するので、成形型に関しては、図
1と同一の番号を付することによって詳細な説明を省略
する。本実施例の帯電防止成形品の製造方法では、成形
型1の角の部分、即ち成型時に深絞になる部位だけに導
電性塗料を塗布し、成形型1の角の部分だけに塗料層2
0を形成する。
【0022】この工程と平行して(b)のように樹脂素
材21を加熱装置5によって加熱する。ここで本実施例
で使用する樹脂素材21は、アクリル変性高衝撃性塩化
ビニル樹脂のシートに予め導電性塗料が塗布され、表面
に3μm程度の塗料層23が形成されたものである。以
下の工程は、前記した実施例と同様に樹脂素材21を成
形型1に被せ、さらに成形型1の上から圧空装置6を被
せ、内部を密閉して圧縮空気を吹き込み、樹脂素材21
を成形型の外形に型取る。
【0023】圧空成型の際には、樹脂素材21の一部、
より具体的には成形型1の角に当接する部分は過度に伸
張されて、当該部分の表面の塗料層23は薄くなる。し
かしながら本実施例の帯電防止成形品の製造方法では、
成形型1の角の部分に塗料層20が存在するので、塗料
層20は、樹脂素材21に転写される。従って成形品の
成型型1の角に相当する部分では、樹脂素材21表面の
塗料層23と成型型1の塗料層20が合体する。そして
樹脂素材21の当該部分の塗料層23は、塗料層20に
よって補強され、厚くなる。その結果、本実施例の帯電
防止成形品の製造方法では、深絞りの部分でも、充分な
導電層を有する成形品を得ることができる。
【0024】以上の実施例では、成形方法としていずれ
も圧空成形を利用したものを説明した。しかしながら本
発明の帯電防止成形品の製造方法は、圧空成形だけでな
く、真空成形によって形状を型取りすることも可能であ
る。真空成形を応用して形状を型取りする場合は、成形
型へ導電性塗料を塗布する際に、なるべく成形型の真空
吸入孔を塞がないように留意する必要がある。従って真
空成形を応用して形状を型取りする方策は、図3の実施
例のように、塗料層を部分的に形成する場合に特に適す
るものと言うことができる。
【0025】
【発明の効果】以上の如く、本発明は成形型の表面に導
電性塗料を塗布し、次いで該成形型に加熱した樹脂素材
を密着し、圧空成形あるいは真空成形によって成形型の
形状を型取りすると共に樹脂素材の表面に導電性塗料層
を転写するものである。従って本発明の帯電防止成形品
の製造方法は、形の成形と導電層の形成を同時に行うこ
とができる効果があり、この種の成形品の製造工程を簡
略化することができる効果がある。
【0026】加えて本発明の帯電防止成形品の製造方法
は、圧空成形等の際に成形型の表面の導電性塗料を樹脂
側に転写することによって成形品の表面に導電層を形成
するものであるため、従来の成形方法の如く角部におけ
る伸張現象がなく、当該部分の導電層の断列等が皆無に
なり、成形品の平坦部、角部全面に渡って均一な厚みの
導電層を形成することができる効果がある。即ち本発明
の帯電防止成形品の製造方法は、深絞りが可能であって
複雑な形状の成形品であっても帯電防止機能を阻害され
ることなく、成形品全面に渡って帯電防止機能を有する
成形品を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的実施例における帯電防止成形品
の製造方法の主要工程を示す成形型および樹脂素材の断
面図である。
【図2】本発明の変形実施例における帯電防止成形品の
製造方法の主要工程を示す成形型および樹脂素材の断面
図である。
【図3】本発明の変形実施例における帯電防止成形品の
製造方法の主要工程を示す成形型および樹脂素材の断面
図である。
【符号の説明】
1,11 成形型 3,13 23 塗料層 4,14 21 樹脂素材 6,16 圧空装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形型表面に導電性塗料を塗布し、次い
    で該成形型に加熱した樹脂素材を密着し、圧空成形ある
    いは真空成形のいずれかによって成形型の形状を型取り
    すると共に樹脂素材の表面に導電性塗料層を転写せし
    め、冷却後に導電性塗料層が転写された成形品を成形型
    から取り出すことを特徴とする帯電防止成形品の製造方
    法。
JP25151593A 1993-10-07 1993-10-07 帯電防止成形品の製造方法 Pending JPH07100909A (ja)

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