JPH07100654A - 鋼管切断装置とその切断方法 - Google Patents

鋼管切断装置とその切断方法

Info

Publication number
JPH07100654A
JPH07100654A JP21980093A JP21980093A JPH07100654A JP H07100654 A JPH07100654 A JP H07100654A JP 21980093 A JP21980093 A JP 21980093A JP 21980093 A JP21980093 A JP 21980093A JP H07100654 A JPH07100654 A JP H07100654A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel pipe
cut
plasma torch
air plasma
cutting device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21980093A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunioki Yamada
邦興 山田
Yoshitaka Nakagawa
良隆 中川
Yasuo Kidokoro
靖夫 城所
Mitsuo Saegusa
光夫 三枝
Yutaka Miyamoto
豊 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KANKI KK
M T R TOREIDO KK
Taisei Corp
Original Assignee
KANKI KK
M T R TOREIDO KK
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KANKI KK, M T R TOREIDO KK, Taisei Corp filed Critical KANKI KK
Priority to JP21980093A priority Critical patent/JPH07100654A/ja
Publication of JPH07100654A publication Critical patent/JPH07100654A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arc Welding In General (AREA)
  • Placing Or Removing Of Piles Or Sheet Piles, Or Accessories Thereof (AREA)
  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 河川、海上における橋梁やその他大型建築構
造物等の基礎工として用いた鋼管支持杭や鋼管土留杭、
鋼管井筒工法等に用いた鋼管矢板など、既設の大口径鋼
管を切断する装置と、その切断方法を提供することを目
的とする。 【構成】 切断すべき鋼管2内にロックされる固定フレ
ーム3と、この固定フレーム3に支持される旋回フレー
ム4と、旋回フレーム4に装備されるエアープラズマト
ーチ11とからなり、エアープラズマトーチ11は、そ
の先端部の鋼管内周壁面に対する対応間隔Lを常に一定
に保持するための保持機構を介して旋回フレーム4に装
備させた構成とし、エアープラズマトーチ11を鋼管内
で旋回させることによって、鋼管を内側から切断する切
断装置および切断方法としたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、河川、海上における
橋梁やその他大型建築構造物等の基礎工として用いた鋼
管支持杭や鋼管土留杭、さらには鋼管井筒工法等に用い
た鋼管矢板など、既設の大口径鋼管を切断する装置と、
その切断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、大型橋梁の基礎工事において、
締切り壁に用いた鋼管矢板等は、フーチングや橋脚の築
造が終わると、切断撤去しなければならない。また、土
木、建築等の大型建設工事において、鋼管土留杭や鋼管
矢板等を打設した場合、掘削作業等の都合から打ち込ん
だ鋼管を地中の所定位置で切断撤去する必要が生じる場
合がある。
【0003】このような場合、従来は、それが水中や海
中にある場合は、潜水夫によって酸水素切断法ないし酸
素アーク切断法によって切断するようにしていた。ま
た、地中にある場合は、外まわりの土を排除して切断し
ていた。したがって切断作業に非常な手間が掛かり、特
に水中や海中の場合は作業に危険性をともない、問題点
があった。そこで、最近では、ウォータージェットやデ
ィスクカッターによる切断装置が開発されている。
【0004】ところで、この開発されたウォータージェ
ットによる切断装置は、ジェット水流のもつ超高圧エネ
ルギーを利用するもので、具体的には、アブレイシブジ
ェットノズルを備えたもので、装置自体を切断すべき鋼
管の内部に挿入するとともに、切断位置に固定させ、ノ
ズルから超高圧のジェット水を投射させながら管内で旋
回させ、管の内側から、しかるべき切断作業を行うよう
に構成したものである。
【0005】また、ディスクカッターによる切断装置
は、特殊合金でできた円盤状のカッターを備えた切断装
置で、前記ウォータージェットによる切断の場合と同様
に、装置自体を切断すべき鋼管内に挿入セットし、カッ
ターを管の内周壁に押し付けて回転旋回し、鋼管の内側
からしかるべき切断を行うように構成したものである。
【0006】このように、ウォータージェットおよびデ
ィスクカッターによる切断装置は、切断すべき鋼管の内
側から切断するものであるため、従来のように潜水夫等
に依存する必要も無く、また切断作業に要する手間も著
しく軽減された。しかし、このウォータージェットによ
る場合でも、ディスクカッターによる場合でも鋼管が厚
肉のものは、切断に時間が掛かる難点があった。すなわ
ち切断能力に問題があった。また、双方とも動力源を含
め、付帯的な地上設備が大型で、現場への搬入や鋼管へ
の挿入セットが煩雑であるという欠点があった。例え
ば、ウォータージェットによる場合は、地上設備として
超高圧ポンプをはじめアブレイシブタンク等の過大な設
備が必要であった。
【0007】そこで、これらの難点や欠点を解消した切
断技術として、前記ウォータージェットやディスクカッ
ターに代わるプラズマを利用した切断技術が提案されて
いる。図6(A)および(B)は、プラズマによる切断
の原理を示すもので、ちなみに(A)は気中切断用のエ
アープラズマトーチで、(B)は水中切断用のエアープ
ラズマトーチを示すものである。公知のように、このプ
ラズマによるものは、高速の作動気体流の中で、アーク
放電を起こし、発生した高温のプラズマをトーチから噴
出させ、これを熱源として切断加工等を行うものであ
る。したがって、前記ウォータージェットやディスクカ
ッターに比較し、優れた切断能力を発揮することができ
るものである。特にトーチ電極と被切断材との間に電圧
を加え、ビーム状のアーク放電プラズマ、言葉を換えて
言えばプラズマアークを被切断材に移行させて切断を行
うものであるため、熱伝導量が大きく、その結果、厚肉
の鋼板等の切断加工に充分に対応できるものとして評価
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このプラ
ズマの特性を利用し、厚肉鋼管の切断が可能で、しかも
切断装置としての構成をコンパクトにし、現場への搬
入、搬出が容易な鋼管切断装置と、その切断方法を提供
することを目的として開発したものである。
【0009】特に開発に際して配慮した点は、効率的
に、しかも安定した切断作業ができるようにすることに
あった。具体的には、切断すべき鋼管矢板など、いわゆ
る打設済みの鋼管は、その多くが真円ではなく、変形さ
れているものが多い。そのため、エアープラズマトーチ
を切断すべき鋼管内に挿入し、そのエアープラズマトー
チの先端部を鋼管内周壁面に対応させ、プラズマアーク
を壁面に投射させながら旋回させた場合、その旋回が円
滑にできず、エアープラズマトーチの先端部の切断壁面
に対する対応間隔が不安定となる。つまり対応間隔が乱
れてしまう。
【0010】この点を、さらに前記図6を参考にして具
体的に説明すると、例えば図面に示す被切断材が波を打
ったように変形されていたとする。そこで、この板材面
にエアープラズマトーチを対応させ、そのエアープラズ
マトーチを移動させて切断作業を行うと、その被切断材
に対するエアープラズマトーチ先端部との対応間隔Lが
変動することになる。すなわち、その対応間隔Lが短く
なったり、長くなったり不安定となる。その結果、エア
ープラズマトーチから投射されるプラズマアークの被切
断材に対する投射が不安定となり、安定した、しかも効
率的な切断作業の維持に支障をもたらすことになる。ち
なみに、このことは前記ウォータージェットによる切断
の場合にも知見され、ジェットノズルの対応間隔の不安
定は、切断作業に支障をもたらす要因となることが指摘
されている。
【0011】そこで、この発明は、このような問題点、
すわなち被切断材である鋼管が偏心している場合でも効
率的で、安定した切断作業のできるプラズマ応用の切断
装置と、その切断方法を提供することを目的として開発
したものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、前記目的を達成
するため、この発明がとった手段は次のようなものであ
る。まず、全体としての鋼管切断装置は、切断すべき鋼
管の上端開口縁上に搭載設置できるように構成したヤグ
ラ状の架台と、この架台の上部下面に取り付け装備させ
る吊り込み機器、つまり次に説明する自動切断装置本体
を鋼管内へ昇降自在に吊下させるための吊り込み機器
と、プラズマおよび作動気体によるアーク放電プラズ
マ、つまりビーム状のプラズマアークを噴射するエアー
プラズマトーチを有する自動切断装置本体と、この自動
切断装置本体のエアープラズマトーチへプラズマ電流お
よび作動気体を送り込む電流・気体供給装置と、さらに
切断すべき鋼管が偏心している場合、エアープラズマト
ーチ先端部の鋼管内周壁面に対する対応間隔を常に一定
に保持したまま、円滑に旋回移動させる、すなわちエア
ープラズマトーチの鋼管内周壁面に対する対応間隔を一
定に保持させる機構とをもって構成したことを特徴とす
るものである。
【0013】さらに具体的に説明すると、まず前記ヤグ
ラ状の架台は、切断すべき鋼管の上端口縁上に着脱自在
に搭載設置できる構成とした。
【0014】次に、前記自動切断装置本体を鋼管内に昇
降自在に吊下させるための吊り込み機器は、電動式チェ
ンブロックを用いた。すなわち、この電動式チェンブロ
ックを前記ヤグラ状の架台における中心部に装備させ、
このチェンブロックのフックを介して自動切断装置本体
を切断すべき鋼管内に昇降自在に吊下させるように構成
した。そして、ヤグラ状の架台には、スケールを取り付
け、ケーブルの誘導管(ケーブルベア)の上下により容
易にエアープラズマトーチの位置、すなわち切断箇所の
位置が判る様にした。
【0015】エアープラズマトーチを装備する自動切断
装置本体は、固定フレームと、この固定フレームに旋回
自在に支持される旋回フレームと、この旋回フレームを
回転駆動する旋回駆動モータと、さらに固定フレームを
鋼管内の所定高さ位置に固定させるためのロック機構と
をもって次のように構成した。
【0016】まず、固定フレームは、円筒体に複数本の
アーム、具体的には3本のアームを水平方向、つまり放
射状に張り出した構成とした。旋回フレームは、後述す
るエアープラズマトーチを保持し、それを切断すべき鋼
管内で旋回移動させるためのものであるため、前記固定
フレームにおける円筒体に、ベアリングを介して保持し
た回転軸と、この回転軸の下端部に切断すべき鋼管の直
径方向と平行する水平アームを取り付けて構成した。
【0017】そして、前記旋回駆動モータを固定フレー
ム側に取り付けるとともに、この旋回駆動モータの出力
軸側と、前記旋回フレームにおける回転軸側との間にチ
ェンドライブ機構を設け、駆動モータを作動することに
より、前記回転軸を支軸として旋回フレームが鋼管内で
旋回駆動される構成とした。
【0018】次に、固定フレームを鋼管内に固定させる
ための手段、言葉を換えて言えば、エアープラズマトー
チを装備した自動切断装置本体を鋼管内の切断位置に固
定させるための手段、つまりロック機構は、前記固定フ
レームを構成する3本のアームにおける先端部に、それ
ぞれ偏心カムを取り付けるとともに、この偏心カムにエ
アシリンダを連結し、このエアシリンダを前記偏心カム
のアクチュエータとして作動させると、その偏心カムが
鋼管の内周壁面に圧接され、その結果、固定フレーム自
体が鋼管内に固定される構成とした。つまり、エアープ
ラズマトーチを装備した自動切断装置本体を鋼管内の切
断位置に固定させる構成とした。なお、自動切断装置本
体を鋼管内の切断位置に固定させるためには、前記ヤグ
ラ状の架台に取り付けたスケールを利用して、その位置
を計測し、位置決めして固定させることはもちろんであ
る。以上が自動切断装置本体の構成である。
【0019】ついで、前記自動切断装置本体に対しエア
ープラズマトーチを装備させる手段としては、そのトー
チ先端部が前記鋼管内周壁面に対向するようにして取り
付けた。具体的には前記自動切断装置本体を構成する旋
回フレームにおける水平アームの先端部寄りに、スライ
ド自在にホルダーを取り付け、このホルダーを介してエ
アープラズマトーチ先端部が、前記切断すべき鋼管の内
周壁面に対向するようにして装備させた。
【0020】さらにエアープラズマトーチの先端部を切
断すべき鋼管の内周壁面に対し、常に一定の間隔をもっ
て保持させる手段、すなわち、エアープラズマトーチの
対応間隔を一定に保持させる機構は、前記水平アームの
先端部寄りにホルダーをスライド自在に取り付け、この
ホルダーと、水平アームとの間に、エアシリンダを介設
し、ホルダーの先端部には、ガイドローラを取り付け、
エアシリンダを介してホルダーを鋼管内周面に圧接させ
る構成とした。そして、前記エアシリンダへの作動空気
の供給回路には圧力スイッチを設けるとともに、さら
に、この圧力スイッチにより切り換え制御される電磁弁
を同じく供給回路に設けた構成とした。
【0021】そして、前記エアシリンダに、常に一定の
作動空気圧を掛けておき、すなわち、前記圧力スイッチ
に設定した圧力をもって、エアシリンダを保持しておく
ことによりホルダーの先端部に取り付けたガイドローラ
が切断すべき鋼管の内周壁面に常に一定の圧力で圧接保
持されているようにした。つまり、ホルダーに支持させ
たエアープラズマトーチ先端部の鋼管内周壁面に対する
間隔が常に一定に保持されたまま、しかも旋回フレーム
を鋼管内で旋回させると、エアープラズマトーチは、そ
の旋回に追従して旋回移動できる構成とした。
【0022】逆に言えば、旋回フレームに追従させてエ
アープラズマトーチを旋回させて切断作業を行う場合、
切断すべき鋼管が偏心していると前記ガイドローラを介
してエアシリンダの負荷圧が作用する。つまり、切断す
べき鋼管が偏心していると、ガイドローラが押され、エ
アシリンダの負荷圧が増大する。すると前記圧力スイッ
チが作動し、この圧力スイッチの電気信号により前記作
動空気の供給回路に設けた電磁弁が作動してエアシリン
ダの作動空気を放出する。その結果、旋回フレームは円
滑に旋回される。すなわち鋼管が偏心していても、エア
ープラズマトーチは円滑に旋回されるように構成した。
なお、エアシリンダの作動空気圧が先に設定した圧力ま
で降下すると電磁弁は復帰して、エアシリンダの作動圧
は前記設定した圧力に保持される。
【0023】
【作用】この発明は、以上説明したように、従来のウォ
ータージェットやディスクカッターに代え、プラズマア
ークを利用して切断するようにしたので、厚肉の鋼管も
迅速に切断でき、殊にエアープラズマトーチの先端部
と、切断すべき鋼管内周壁面との間隔が、常に一定に保
持されたまま旋回移動できる構成としているため、前記
切断すべき鋼管が偏心しているような場合でも、安定し
たプラズマアークが鋼管内周壁面に投射される。その結
果、効率的で安定した切断作業を維持することが可能で
ある。
【0024】
【実施例】さらに、この発明による鋼管切断装置と、そ
の切断方法との構成・作用を図面に示す実施例に基づい
て具体的に説明する。図1は自動切断装置本体1を切断
すべき鋼管2の内部に吊下し、切断位置に固定させた状
態を示す縦断側面図である。また、図2は、図1のI−
I線横断平面図、図3は同じくII−II線横断平面図
である。まず、自動切断装置本体1は先に説明したよう
に固定フレーム3と、旋回フレーム4と、この旋回フレ
ーム4を固定フレーム3に対し旋回自在に保持して旋回
させる旋回駆動モータ5と、さらに固定フレーム3を切
断すべき鋼管2の内部に固定させるためのロック機構6
と、エアープラズマトーチ11との5つの主要部材をも
って構成されるものである。
【0025】まず、実施例において、前記固定フレーム
3は、図2で示すように軸心となる円筒体3aから放射
方向に3本の水平アーム3b,3b,3b,を張り出し
た構成とした。旋回フレームは、図1で示すように、前
記円筒体3aに、ベアリング7および7を介して回転軸
4aを保持させ、この回転軸4aの下端部に、図3で示
すように、切断すべき鋼管2の直径方向と平行する水平
アーム4bを取り付けて構成した。
【0026】ついで、旋回駆動モータ5は、図1および
図2で示すように固定フレーム3を形成する円筒体3a
から取り付けアーム3cを右側に張り出し、この取り付
けアーム3cの下面に取り付け保持させた。そして、こ
の駆動モータ5の出力軸5a側にスプロケットギヤ5b
を設けるとともに、前記旋回フレーム4における回転軸
4aの上端部側にも同じくスプロケットギヤ4cを設
け、双方のスプロケットギヤ5bおよび4c間にチェン
8を掛けわたして、いわゆるチェンドライブ機構からな
る旋回機構に構成した。すなわち駆動モータ5を作動す
ることにより、旋回フレーム4における水平アーム4b
が固定フレーム3の中心、つまり円筒体3aに支持した
回転軸4aを中心として旋回する構成とした。
【0027】次に固定フレーム3を切断すべき鋼管2内
部に固定させるための手段、すなわちロック機構6は、
図1で示すように、各水平アーム3aの下面に、エアシ
リンダ9を取り付けるとともに、先端部に、円弧状に形
成したカム板10を連結ピン10aを介して枢着し、こ
のカム板10の下部に、前記エアシリンダ9のロッドを
連結ピン9aを介して連結した構成とした。すなわちエ
アシリンダ9を作動させると、前記カム板10が作動
し、その結果、固定フレーム3が切断すべき鋼管2の内
周壁面に圧接されて固定される構成とした。
【0028】次に肝心のエアープラズマトーチ11は、
図1で示すように、前記自動切断装置本体1を構成する
旋回フレーム4における水平アーム4bの先端部、図示
で言えば左側の下面に装備させた。つまり前記旋回フレ
ーム4の旋回に追従して鋼管2内で旋回される構成とし
た。しかも、そのエアープラズマトーチ11の先端部
と、切断すべき鋼管2の内周壁面との対応間隔Lを常に
一定に保持させたまま鋼管2内で円滑に旋回させること
ができるようにするための手段、すなわち保持機構は、
図4で示すように構成した。
【0029】まず、前記水平アーム4bの左側下面に、
エアープラズマトーチ11を水平状態に保持するホルダ
ー12をスライド自在に取り付けた。そして、このホル
ダー12側にブラケット12aを設け、つまりホルダー
12と一体をなすようにブラケット12aを設けるとと
もに、水平アーム4b側にもブラケット4dを設けた。
そして、このブラケット12aと4dとの間にスプリン
グ13aを内蔵した単動形エアシリンダ13を介装し
た。すなわち、この単動形エアシリンダ13を介してホ
ルダー12を切断すべき鋼管2の内周壁面側へ押しつけ
ることができるように構成した。なお、ホルダー12の
先端部側には、図示のように切断すべき鋼管2の内周壁
面に圧接し転動するガイドローラ14を枢支させた。
【0030】ついで、前記単動形エアシリンダ13への
作動空気の供給回路に、圧力スイッチ15を設け、この
圧力スイッチ15により切換制御されるこ三方向電磁弁
16を設けた。そして通常は、前記単動形エアシリンダ
13に所定の作動空気圧をかけておくことにより、ホル
ダー12の先端部に取り付けたガイドローラ14を切断
すべき鋼管2の内周壁面に圧接保持させておくようにし
た。すなわち、この状態で、ホルダー12に支持させた
エアープラズマトーチ11の先端部と、切断すべき鋼管
2の内周壁面との間隔Lが、常に一定間隔をもって保持
され、そのままの状態で旋回移動される構成とした。
【0031】ちなみに実施例においては、切断すべき鋼
管2の内周壁面に対するガイドローラ14の圧接を2K
g/cm2 に設定し、つまりノーマルな状態においてエ
アシリンダ13が2Kg/cm2 の圧接力で保持されて
いるように設定した。そして作動空気の供給回路に設け
た圧力スイッチ15の作動圧力は3Kg/cm2 に設定
した。すなわち、切断すべき鋼管2が偏心しているた
め、ガイドローラ14を介してエアシリンダ13に対す
る負荷圧が変動し、3Kg/cm2 以上になると、圧力
スイッチ15が作動し、その作動信号によって電磁弁1
6が働き、エアシリンダ13のエアを放出するようにし
た。その結果としてガイドローラ14およびエアープラ
ズマトーチ11を一体的に装備したホルダー12がスラ
イドバックし、エアープラズマトーチ11は切断すべき
鋼管2が偏心していても、その対応間隔を常に一定に保
持したまま、旋回フレームの旋回移動に追従し、所定の
切断作業ができるように構成した。
【0032】図5は、以上説明した、エアープラズマト
ーチ11を装備させた自動切断装置本体1を切断すべき
鋼管2の内部に吊下し、所定位置で、その鋼管2を切断
する場合の装置縦断面図である。先に説明したように、
全体は自動切断装置本体1と、これを鋼管内に昇降自在
に吊下させ架台17と、吊り込み機器18と、エアープ
ラズマトーチ11へ作動流体とブラズマ電流を供給する
電流・気体供給装置20とをもって図示のように構成し
た。
【0033】まず、架台17は、3本の支柱部材17a
をヤグラ状に組み、各支柱部材17aの下端部を、切断
すべき鋼管2の上端口縁2aに係合させて、搭載設置で
きる構成とした。吊り込み機器18は、電動式チェンブ
ロックを用いた。もちろん手動式のウインチでもよい。
これを図示のように、前記ヤグラ状の架台17の上部下
面に吊下装備させた。そして、この吊り込み機器18に
自動切断装置本体1を懸架させ、作業者の手許操作によ
り昇降操作するように構成し、かつ自動切断装置本体1
を鋼管2の所定切断位置に固定させるための計測手段と
して、先に説明したスケール21を前記ヤグラ状の架台
17に取り付けた。
【0034】ついで自動切断装置本体1におけるエアー
プラズマトーチ11,その他固定フレーム3を介して自
動切断装置本体1を鋼管2内に固定させるロック機構
(図1参照)におけるエアシリンダ9、さらにはエアー
プラズマトーチ11の対応間隔を一定に保持させるため
の保持機構を構成するエアシリンダ13(図1参照)等
への作動空気や作動電流を供給するケーブル類を接続し
た。ちなみに19は、これらケーブル類の誘導管であ
り、20は先に説明したようにエアープラズマトーチ1
1へプラズマ電流と作動流体とを供給する電流・気体供
給装置である。
【0035】実施例においては、以上説明したように構
成したので、具体的に鋼管を切断する場合は、まず架台
17に装備した吊り込み機器18をもって、自動切断装
置本体1を鋼管2内の切断位置に吊下させる。すなわ
ち、架台17側に設けたスケール21を読み切断位置に
吊下させる。そしてロック機構を作動して固定フレーム
3を鋼管2に固定させ、自動切断装置本体1を鋼管2内
の切断位置に固定セットする。なお、自動切断装置本体
1を管内の所定切断位置に吊下させ固定させるための位
置計測手段として、実施例では架台17側にスケール2
1を設け、これを利用して位置計測を行うようにした
が、あらかじめ自動切断装置本体1に位置センサーを装
備させておき、この位置センサーを利用して所定の切断
位置に固定させるようにしてもよい。
【0036】自動切断装置本体1の鋼管内での固定が終
了すると、エアープラズマトーチ11の先端部の鋼管2
内周壁面に対する対応間隔を一定に保持させるためのエ
アシリンダ13に作動空気を送り込み、実施例では2K
g/cm2 の圧力で、そのエアープラズマトーチ11を
保持させ、しかるのち、作動空気及びプラズマ電流をエ
アープラズマトーチ11へ供給するとともに、旋回フレ
ーム4を旋回させ、しかるべき切断作業を行う。なお、
旋回フレーム4の旋回は360°させればよい。つま
り、エアープラズマトーチ11を360°旋回させれば
よい。
【0037】
【発明の効果】この発明による鋼管の切断装置および切
断方法は、以上説明したように構成したので、従来のウ
ォータージェットやディスクカッターによる切断装置、
方法等に比較し、次のような効果が発揮される。 (1)装置として構成が比較的単純で、軽量であるた
め、切断すべき鋼管への挿入固定が容易である。つま
り、切断作業に取り掛かるまでの手数が簡単容易で、従
来のウォータージェットやディスクカッターによる切断
装置に比較し、きわめてコンパクトである。その結果、
現場への搬入、搬出が容易である。 (2)エアープラズマトーチは、旋回フレームに組み込
んだホルダーに取り付け、しかもホルダーは、ガイドロ
ーラを介して常に一定の圧力で、かつ一定の間隔を保持
させて鋼管内周壁面に対応して旋回させる構成としてあ
るため、切断作業時における旋回が円滑である。殊に、
エアープラズマトーチの鋼管内周壁面に対する対応間隔
が、一定に保持されて旋回移動する構成となっているた
め、切断すべき鋼管が偏心している場合でも効率的で安
定した切断作業が維持される。 (3)プラズマアークによる切断であるため、従来のウ
ォータージェットやディスクカッターによる切断に比較
し、きわめて切断能力が高く、そのため肉厚鋼管の効率
的な切断ができる。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鋼管切断装置の縦断正面図であ
る。
【図2】図1のI−I線横断平面図である。
【図3】図1のII−II線横断平面図である。
【図4】エアープラズマトーチ先端部の鋼管内周壁面に
対する対応間隔を一定に保持する保持機構の構成を示す
機構図である。
【図5】本発明の鋼管切断装置を被切断鋼管内にセット
した状態を示す縦断側面図である。
【図6】プラズマアークによる切断原理を示す説明図
で、(A)は気中切断用のエアープラズマトーチ、
(B)は水中切断用のエアープラズマトーチの構成を示
すものである。
【符号の説明】
1……自動切断装置本体 2……鋼管(被切断材) 3……固定フレーム 3a……円筒体 3b……水平アーム(3本) 3c……旋回駆動モータ取り付けアーム 4……旋回フレーム 4a……回転軸 4b……水平アーム 4c……スプロケットギヤ 4d……ブラケット 5……旋回駆動モータ 5a……出力軸 5b……スプロケットギヤ 6……ロック機構 7……ベアリング 8……チェン 9……エアシリンダ 10……カム板 11……エアープラズマトーチ 12……ホルダー 12a…ブラケット 13……エアシリンダ(スプリング付単動形) 14……ガイドローラ 15……圧力スイッチ(設定圧3Kg/cm2) 16……電磁弁(3方向口) 17……架台(ヤグラ) 18……吊り込み機器(電動式ウインチ) 19……ケーブルの誘導管 20……電流・気体供給装置(プラズマ) 21……スケール(目盛バー)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // E04G 23/08 Z 8809−2E (72)発明者 中川 良隆 東京都新宿区西新宿1丁目25番1号 大 成 建 設 株 式 会 社 内 (72)発明者 城所 靖夫 東京都新宿区西新宿1丁目25番1号 大 成 建 設 株 式 会 社 内 (72)発明者 三枝 光夫 兵庫県神戸市長田区長尾町2−4−28 (72)発明者 宮本 豊 兵庫県三木市平田304

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切断すべき鋼管の上端開口縁上に搭載設
    置する架台と、この架台の上部下面に装備する吊り込み
    機器と、この吊り込み機器により、切断すべき鋼管内に
    昇降自在に吊下される自動切断装置本体と、プラズマ電
    流および作動流体の供給装置とからなる鋼管切断装置で
    あって、 前記自動切断装置本体は、鋼管内にロックされる固定フ
    レームと、この固定フレームに支持される旋回フレーム
    と、旋回フレームに装備されるエアープラズマトーチと
    からなり、エアープラズマトーチには、その先端部の鋼
    管内周壁面に対する対応間隔を常に一定に保持するため
    の保持機構を介して旋回フレームに装備させたことを特
    徴とする鋼管切断装置。
  2. 【請求項2】 切断すべき鋼管内に、エアープラズマト
    ーチを有する自動切断装置本体に吊下させるとともに、
    この自動切断装置本体を鋼管内の切断位置に固定し、エ
    アープラズマトーチの先端部を切断すべき鋼管内周壁面
    に対応させてプラズマアークを投射させながら旋回する
    ことによって、鋼管を内側から切断する切断方法におい
    て、 前記エアープラズマトーチにおける先端部の鋼管内周壁
    面に対する対応間隔を常に一定間隔に保持させて旋回さ
    せ、鋼管を切断することを特徴とする鋼管の切断方法。
JP21980093A 1993-09-03 1993-09-03 鋼管切断装置とその切断方法 Pending JPH07100654A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21980093A JPH07100654A (ja) 1993-09-03 1993-09-03 鋼管切断装置とその切断方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21980093A JPH07100654A (ja) 1993-09-03 1993-09-03 鋼管切断装置とその切断方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07100654A true JPH07100654A (ja) 1995-04-18

Family

ID=16741238

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21980093A Pending JPH07100654A (ja) 1993-09-03 1993-09-03 鋼管切断装置とその切断方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07100654A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100357897B1 (ko) * 2000-04-26 2002-10-25 주식회사삼안건설기술공사 로봇을 이용한 강관파일 절단장치
JP2013087515A (ja) * 2011-10-19 2013-05-13 Tokyo Metro Co Ltd 土留用残置杭の上部撤去工法
CN106041250A (zh) * 2016-08-09 2016-10-26 孟祥生 内切式管道切割机
CN110863491A (zh) * 2019-11-05 2020-03-06 哈尔滨工程大学 一种用于海底废弃桩管泥下吹坑及切割装置和方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100357897B1 (ko) * 2000-04-26 2002-10-25 주식회사삼안건설기술공사 로봇을 이용한 강관파일 절단장치
JP2013087515A (ja) * 2011-10-19 2013-05-13 Tokyo Metro Co Ltd 土留用残置杭の上部撤去工法
CN106041250A (zh) * 2016-08-09 2016-10-26 孟祥生 内切式管道切割机
CN110863491A (zh) * 2019-11-05 2020-03-06 哈尔滨工程大学 一种用于海底废弃桩管泥下吹坑及切割装置和方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07100654A (ja) 鋼管切断装置とその切断方法
JP4522390B2 (ja) 鋼管杭切断装置
CN115453076A (zh) 一种具有水体多层水质监测的装置
KR20020071237A (ko) 단관플랜지 용접용 틸팅 터닝롤러
US5974924A (en) Cutting appliance for large cylindraceous objects
JP2004347349A (ja) 水中解体装置
JPH0330649B2 (ja)
JPH09111764A (ja) 海洋作業船用の杭打ち用特殊キャッチフォ−ク
CN112197098A (zh) 一种市政下水管道修复设备及其修复方法及其制备方法
JPH10176478A (ja) 立坑刃口掘削機
JP2773968B2 (ja) 管切断装置
KR102671356B1 (ko) 워터젯 절단장치
CN213422310U (zh) 一种水利工程用智能检测水位装置
JPH08158365A (ja) 水中杭の杭打装置
CN220296959U (zh) 一种管道对接机构
CN220953809U (zh) 一种市政公用工程下水道疏通设备
Brandon et al. Abrasive water-jet and diamond wire-cutting technologies used in the removal of marine structures
CN220080870U (zh) 一种快拆式临边防护栏
JP2004155090A (ja) ウオ−ルセグメントカッタ−リグ
JPH03154707A (ja) 管切断装置
CN214143705U (zh) 一种割桩机
JP2852910B2 (ja) 穿孔装置
JPH02132225A (ja) 鋼管の切断方法およびその装置
JPS6029586B2 (ja) 火「えん」ジェットバ−ナによる複合鋼管杭の水中切断装置
JP3001807U (ja) 穿孔装置