JPH07100613B2 - アルミナジルコニア系微粉末の製法 - Google Patents

アルミナジルコニア系微粉末の製法

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JPH07100613B2
JPH07100613B2 JP19806486A JP19806486A JPH07100613B2 JP H07100613 B2 JPH07100613 B2 JP H07100613B2 JP 19806486 A JP19806486 A JP 19806486A JP 19806486 A JP19806486 A JP 19806486A JP H07100613 B2 JPH07100613 B2 JP H07100613B2
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雅昭 渡辺
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は構造用セラミツクス材料の原料として用いられ
るアルミナジルコニア系微粉末の製法に関する。ジルコ
ニア粒子を分散させてなる高強度かつ高靱性のセラミツ
クスは分散強化セラミツクスと称される。この原料粉末
としてジルコニアの微粒子を均一に分散させた反応性の
高いアルミナジルコニア系微粉末が望まれている。
<従来技術と問題点> アルミナジルコニア系微粉末の製法にはアルミナ(Al2O
3)粉末とジルコニア(ZrO2)粉末もしくはZrO2にCa、M
g及びYなどの3価以上の原子価を有する金属元素(安
定化剤という)の少なくとも1種を含有する粉末をボー
ルミル等の一般の混合方法により混合する方法が一般的
である(文献例:N.Claussen:Journal of The American
Ceramic Society,第59巻、49〜51頁、1976年)。
しかしながら、この方法ではジルコニア粉末をアルミナ
中に均一に分散することが困難であり、機械的特性の優
れたアルミナジルコニア系セラミツクス焼結体が得にく
い欠点があつた。
また、アルミニウムの塩とジルコニウムの塩とを含む酸
性水溶液あるいはさらにこれに安定化剤の塩を添加した
酸性水溶液とアンモニア、水酸化ナトリウムなどのアル
カリあるいは炭酸アンモニウム、シユウ酸塩などの塩と
を反応させて沈殿を形成させる方法すなわち共沈法が知
られている(なお、文献は見当らない)。この方法によ
れば溶液状態から沈殿を生成させるためにジルコニアが
かなり均一に分散させることができる。しかしながら、
この方法においては生成したジルコニウムの沈殿粒子
(たとえば水酸化ジルコニウム沈殿粒子)同志が凝集粒
子を形成しやすく微細なジルコニア粒子を分散したアル
ミナジルコニア系微粉末が得られにくい欠点があつた。
本発明は粒子の均一性に優れ、かつ、分散性のよいアル
ミナジルコニア系微粉末の製造方法を提供することを目
的とする。
<問題点を解決するための手段> 本発明者らは先に、水酸化ジルコニウムはアルカリ中で
過酸化水素と錯体を形成して溶解し、このアルカリ水溶
液を加熱処理すると、配位子の過酸化水素を徐々に分解
−脱離し、分散性のよいZrO2超微粒子が生成するとの知
見を得て出願したが(特願昭60−111179号及び特願昭60
−267277号)、本発明者らはこの方法をアルミナジルコ
ニア系微粉末の製造法に応用することを考え、種々研究
を重ねた結果、アルミニウムは両性金属であり、アルカ
リ中でイオンとなり溶解することを見出し、この発明を
完成するに至つた。
すなわち、本発明はジルコニウム塩及びアルミニウム塩
の混合水溶液をアルカリ性にして、過酸化水素を加える
ことにより、ジルコニウムイオンの過酸化水素錯体とア
ルミニウムイオンとの混合液とし、つぎに、前記混合液
を温度80〜200℃で加熱したのち、水溶液のpHを4〜10
の範囲とすることによつて沈殿を生成させ、該沈殿を分
離することを特徴とするアルミナジルコニア系微粉末の
製法である。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明においてジルコニウム塩及びアルミニウム塩の塩
とは塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩などである。これ
らの金属成分濃度は特別な制限はないが、実用上0.1〜
1.0モル/程度が適切である。
アルカリ剤としては、ジルコニウムイオンの過酸化水素
錯体が溶解し始める水素イオン濃度pH12以上を容易に達
成できるもので、しかも、加熱処理を施すに際し揮発性
でないものが望ましい。通常は水酸化ナトリウムまたは
水酸化カリウムが適している。なお、この場合におい
て、アルカリ濃度を高めてたとえばpH≧13.5にすると、
ジルコニウムイオンの過酸化水素錯体の分解、脱離速度
が著しく遅くなるので分散性にすぐれた微粉末を製造す
ることができる。しかも、溶質によるモル沸点上昇効果
も大きくとれるので、次の処理である過酸化水素錯体の
熱処理温度を高くすることができ、分散性をさらに向上
させることができる。従つて、本発明においては、アル
カリ濃度を高めることは好ましいことである。
過酸化水素としては、濃度が約30%の過酸化水素水を用
いるのが望ましく、その添加量は、水溶性ジルコニウム
イオンの過酸化水素錯体を形成するために溶液中のジル
コニウム量の当モル以上とするのがよい。アルカリ剤と
過酸化水素の添加順序は分割添加などどのような方法で
あつてもよい。反応温度は、通常、常温で行われる。
以上のようにして得られたジルコニウムの過酸化水素錯
体とアルミニウムイオンを含む溶液を加熱処理し、つい
で酸の添加あるいはイオン交換樹脂処理によりpHを4〜
10として沈殿生成を行なう。酸は、塩酸、硝酸、炭酸、
硫酸、シユウ酸などでよい。加熱処理温度としては、80
〜200℃、好ましくは90〜140℃である。80℃未満では、
粉末の析出に長大な時間を要し経済的にも実際的でな
く、一方、200℃をこえると反応時間は短縮されるが、
生成する粉末が粗大で粒度が不均一となるので好ましく
ない。
上記反応中は、反応の均一性を高め、得られる粉末の均
一化を図るために充分な撹拌を行なうことが望ましい。
得られた沈殿は濾過、遠心分離法などにより分離し、充
分に洗浄後、乾燥することによつてアルミナジルコニア
系微粉末が得られる。
洗浄は沈澱物中Cl-や▲NO- 3▼などの不純物を除去する
ため充分に行なうことが望ましく、また不純物除去後、
エタノールやアセトンなどで洗浄することによつて沈澱
粒子同志の凝集を防ぐことも有効である。
乾燥は通常の加熱乾燥、真空乾燥の他、噴霧乾燥方法、
振動流動乾燥法、ドラムドライヤー乾燥法、フイルムエ
バポレーター乾燥法などの方法がある。
粉末同志の凝集を防ぐことは微粉末を得る際に重要であ
るので乾燥後にボールミル、振動ボールミル、ジエツト
ミルなどによる解砕を行なうことは有効である。
このようにして得られるアルミナジルコニア系微粉末の
粒子特性をとくに高めるために、上記乾燥後の粉末また
は解砕後の粉末を仮焼し、仮焼後の解砕を行なうことが
好ましい。
仮焼温度は450℃より低い温度のとき沈澱物中の水分な
どの除去が不充分であり、1200℃より高い場合には粉末
同志の焼結などによる凝集が起こり反応性が低下する難
点があり、またエネルギー的にも高温での仮焼は実際的
でない。
従つて仮焼温度は450〜1200℃が好ましく600〜1000℃が
とくに好ましい。
なお、前記微粉末中に安定化剤すなわち、マグネシウ
ム、カルシウムまたは3価以上の原子価を有する金属元
素を配合させると、微粉末の特性がより一層改善され、
分散強化特性が向上する。ここで、3価以上の原子価を
有する金属元素とは、イツトリウム、セリウム、イツテ
ルビウム、スカンジウムなどである。
配合方法は前記安定化剤を塩酸塩、硝酸塩、アルコキシ
ドなどの水溶性化合物として、ジルコニウム塩およびア
ルミニウム塩の溶解時に同時に溶解させる方法が最も好
ましい。
これらの成分の添加量は、ジルコニウム金属成分に対し
て20モル%以下が好ましい。とくに、マグネシウムとカ
ルシウムについては3〜15モル%、イツトリウムなどは
2〜15モル%が好ましい。
<実施例> 以下、実施例、比較例をあげてさらに説明する。
実施例1 塩化アルミニウム(AlCl3・6H2O)39.5gとオキシ塩化ジ
ルコニウム(ZrOCl2・8H2O)5.8gとを純水200mlに溶解
し、これに濃度0.5モル/の水酸化ナトリウム水溶液
を加え、撹拌しながら濃度31重量%の過酸化水素水50ml
を加えた。ついで、濃度8モル/の水酸化ナトリウム
水溶液120mlを加えて撹拌したところ溶液は淡黄色にな
つた。これを還流下、温度95℃で3時間加熱し、さら
に、濃度5モル/の塩酸を加えてpHを7としたのち得
られた沈殿を充分に水洗ろ過したのち110℃の温度で3
時間乾燥後、800℃で1時間仮焼した。
得られた粉末を走査型電子顕微鏡(組成分析装置付、以
下、SEMと略す)で観察したところ、その粉末は粒径0.2
8〜0.32μm(平均0.3μm)で粒径がそろつていた。ま
た、前記粉末の組成分析結果から、この粉末中には径0.
05〜0.1μm(平均0.08μm)のZrO2粒子が含まれたも
のがあり、顕微鏡の視野全体としてはZrO2は均一に分散
していた。
比較例1 過酸化水素水を添加しなかつた外は実施例1と同様にし
て粉末を得た。得られた粉末を実施例1と同様にSEMで
観察したところ、粉末の径が1〜6μm(平均2.8μ
m)のAl2O3の凝集粒子と、径が2〜5μm(平均3.4μ
m)のZrO2の凝集粒子が混在しており、顕微鏡の視野内
のZrO2粒子の分布は不均一であつた。
実施例2 塩化アルミニウム(AlCl3・6H2O)39.5g、オキシ塩化ジ
ルコニウム(ZrOCl2・8H2O)5.8gおよび塩化イツトリウ
ム(YCl3・6H2O)0.45gを用いて以下実施例1と同じ操
作で粉末を得た。得られた粉末は粒径0.27〜0.33μm
(平均0.3μm)であり、この粉末中には粒径0.05〜0.1
μm(平均0.08μm)のZrO2粒子が含まれたものがあ
り、実施例1と同様に微粉末で分散性、均一性に優れた
ものであつた。
実施例3 塩化アルミニウム(AlCl3・6H2O)39.5g、オキシ塩化ジ
ルコニウム(ZrOCl2・8H2O)5.8gおよび塩化マグネシウ
ム(MgCl2・6H2O)0.35gを用いて以下実施例1と同じ操
作で微粉末を得た得られた粉末は粒径0.28〜0.33μm
(平均0.31μm)であり、この粉末中には粒径0.05〜0.
1μm(平均0.08μm)のZrO2粒子が含まれたものがあ
り、実施例1と同様に微粉末で分散性、均一性に優れた
ものであつた。
実施例4 塩化アルミニウム(AlCl3・6H2O)39.5g、オキシ塩化ジ
ルコニウム(ZrOCl2・8H2O)5.8gおよび炭酸カルシウム
0.15gを用いて以下実施例1と同じ操作で微粉末を得
た。得られた粉末は粒径0.29〜0.34μm(平均0.32μ
m)であり、この粉末中には粒径0.05〜0.1μm(平均
0.08μm)のZrO2粒子が含まれたものがあり、実施例1
と同様に微粉末で分散性、均一性に優れたものであつ
た。
<発明の効果> (1) 本発明によれば、ジルコニウム塩及びアルミニ
ウム塩の混合水溶液をアルカリ性にして、過酸化水素を
加えることにより、ジルコニウムイオンの過酸化水素錯
体とアルミニウムイオンとの混合液とし、つぎに、加熱
処理をし、ついでアルミニウムイオンをアルカリ性側か
ら沈殿させることにより、均一性及び分散性に優れたア
ルミナジルコニア系微粉末が得られる。
(2) 本発明の製法は、極めて単純な単位操作から構
成され、同一容器内ですべての操作を行なえばよく、大
量の処理が可能であるため工業的大量生産が容易であ
り、その経済的価値は著しく高い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジルコニウム塩及びアルミニウム塩の混合
    水溶液をアルカリ性にして、過酸化水素を加えることに
    より、ジルコニウムイオンの過酸化水素錯体とアルミニ
    ウムイオンとの混合液とし、つぎに、前記混合液を温度
    80〜200℃で加熱したのち、水溶液のpHを4〜10の範囲
    とすることによつて沈殿を生成させ、該沈殿を分離する
    ことを特徴とするアルミナジルコニア系微粉末の製法。
JP19806486A 1986-08-26 1986-08-26 アルミナジルコニア系微粉末の製法 Expired - Lifetime JPH07100613B2 (ja)

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