JPH07100210A - 内挿型血管補修材 - Google Patents

内挿型血管補修材

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JPH07100210A
JPH07100210A JP25182193A JP25182193A JPH07100210A JP H07100210 A JPH07100210 A JP H07100210A JP 25182193 A JP25182193 A JP 25182193A JP 25182193 A JP25182193 A JP 25182193A JP H07100210 A JPH07100210 A JP H07100210A
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JP
Japan
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blood vessel
repair material
elastic metal
sheet
blood
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JP25182193A
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English (en)
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Yuzo Ezaki
祐造 江嵜
Makoto Takahashi
誠 高橋
Yoshihito Takano
良仁 高野
Takeo Katakura
健男 片倉
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】合成高分子材料からなるシート状部材に血管内
で実質的にリング状である弾性金属を設け、当該リング
状である弾性金属がリング状及び血管の径方向に拡張す
る血管補修材。 【効果】弾性金属によるリング状の径方向への拡張応力
により、血管の径サイズに関係なく固定でき、血流量の
大きな大動脈においても位置のずれが起きない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血管の損傷部分(特に動
脈瘤)の修復を、患者への負担を軽減可能にした処置で
済む血管内留置血管補修材に関する。
【0002】
【従来の技術】今迄、動脈瘤の処置にあたっては、開
胸、あるいは開腹後に人工血管移殖を行うといった、患
者へ大きな負担のかかる手術が行われている。特に大動
脈瘤の場合、心疾患を併発した患者が多く、優先される
心臓処置後の血管修復手術を避けたがる患者も多い。さ
らには、手術時の血栓、破片(Debris)等の飛散により、
脳障害等の術後後遺症の現われる症例も認められる。一
方、近年高分子チュ−ブ(カテ−テル)を用いた診断、
治療の進歩が著しく、硬化性閉塞をおこした冠動脈内腔
を広げるPTCA等の治療がおこなわれている。更に、
この技術を応用した血管内ステント等、血管治療用具の
留置技術、狭窄部位の拡張技術が進んでいる。
【0003】このうち、血管内腔面より人工補綴物(Pro
sthesis)を用いて補修する管腔内補綴(Intraluminal pr
osthesis)の考え方は、1969年のチャールス・ドッター
(Charles Dotter)の論文に認められる(ドッター(Dotte
r) CT:トランスルミナリィプレイスド コイルスプリ
ング エンドアーテリアル チューブ グラフト(Translum
inally placed coilspring endarterial tube graft);
ロングターム パテンシー イン キャニン ポプリタール
アーテリィ.インベスト ラジオル(Long-termpatency i
n canine popliteal artery. Invest Radiol) 4:327-3
32,1969)。しかし、この時代における技術的な限界か
ら、具体的な進展は認められなかった。以後、閉塞性の
病変部の拡張を目的とした研究が続けられたが、1980年
代の初期に、チューリッヒ(Zurich)において、マース(M
aass)らは自己拡張性のスプリングコイルを用いて実験
を開始し、種々の結果を報告している(マースら(Maass
D.et al.):トランスルミナル インプランテーション
オブ バスキュラー ”ダブル ヘリックス”スパイラル
プロスシシィス(Transluminal implantation of vascu
lar "double helix" spiral prosthesis);テクニカル
アンド バイオロジカル コンシダレーション(Technical
and biological consideration.) ESAO Proc9:252-256
1982、マースら(Maass D.et al.):トランスルミナル
インプランテーション オブ セルフアジャスティング
エックスパンダブル プロスシシィス(Transluminal imp
lantation of self-adjusting expandable prosthesi
s);プリンシプル テクニクス アンド リザルツ(Princip
le, techniques, and results.) PrgArtif Org 979-987
1983、マースら(Maass D. et al.):ラジオロジカル フ
ォローアップ オブ トランスルミナリィ インサーティ
ド バスキュラー プロスシシィス(Radiological follow
-up of trans-luminally inserted vascular prosthesi
s);アン エックスペリメンタル スタディイ ユージング
エックスパンディング スパイラル ラジオロジィ(An e
xperimental study using expanding spirals.Radiolog
y) 152:659-663 1984)。
【0004】以後、特に血管の内腔拡張を目的としたス
テント(stent)として、多くの試みが成されているが、
現在は、形状記憶合金、バルーンによる拡張、自己拡張
性コイルスプリングの3つが中心に検討されている。こ
れらのステント(stent)と人工血管を組み合わせたイン
トラルミナル グラフト”Intra-luminal Graft”は、動
脈瘤処置への適用が検討されている(「橋本、他:『経
皮的血管内人工血管留置の基礎検討』日本 医放会誌
第52巻 1992」、「吉田、他 :『挿入型人工血管を用
いた経カテ−テル的胸部大動脈部置換法の実験的検討』
人工臓器 20巻2号 1991」、特許公報 U
SP5,078,726 号)。
【0005】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、人工血管(tu
be graft) とステントとの組み合わせでは、 ・編目のル−ズな knitted(編み物)等の透水性の大き
な人工血管では、十分な閉鎖ができず、動脈瘤破裂後の
緊急処置等にたいしては適当ではない。 ・目の詰まった woven(織り物)、あるいは、フィルム
では、生地の伸展性が不十分で、血管内壁への密着が足
りず、やはり血液リ−クが生じる、あるいは位置のずれ
が生じるといった問題を持っている。
【0006】動脈瘤の好発部位である、胸部・腹部の大
動脈においては、大きな血液流量により動脈壁に過剰な
剪断力が加わり、このため留置部位からの『ずれ』が生
じ易い。さらに、動脈硬化の進展した血管においては、
その血管内壁の凹凸が著しい。一方、従来の人工血管を
このような病態血管の内部に留置することを想定する
と、径の設定をどのようにするか、難しい。例えば、市
販されている人工血管のサイズは、このような大動脈に
おいては25mm以上のサイズになると思われるが、通
常、サイズは2mm刻みである。また、硬化が進展し、血
管に弾性を付与しているエラスチンの分解が進んでお
り、血管の本来持つ物性が低下しており、時によって
は、拡張のおそれもある。前述のような部位に使用され
る留置グラフトの具備すべき特性としては、
【0007】1.多量出血によるハイリスク患者への救
急的な処置を前提とした場合、エントリー(entry)部分
を確実にふさぎ、かつ、出血を制御出来ること。 2.患者自身に過剰な負担のかからない、経皮的な処置
を可能とするため、末梢血管より挿管可能なカテ−テル
チュ−ブ内に収納可能であること。 3.留置後、血液の剪断力による『ずれ』が生じること
なく、それによる再出血、末梢動脈の閉塞といった副作
用が生じないこと。 4.確実にエントリー(entry)上流部に装着可能である
こと。 等の機能が要求される。
【0008】これを具体化する方法として、人工血管と
ステントの組み合わせ、ステントにポリウレタン等の高
分子フィルムを貼る等が検討されている。しかしなが
ら、人工血管(tube graft) とステントとの組み合わせ
では、前述のような問題を有している。通常、胸部大動
脈等の大血管の手術にあたっては、体外循環療法との併
用のため、血液の抗凝固処置がとられ、一方では、術中
術後の出血を避けるため、透水性の低いロウ ポロシテ
ィ ウーバン(low porosity woven)が使用される。これ
は、出血対策とはなりうるが、血管サイズにフィットし
にくいという問題点を有している。すなわち人工血管と
ステントとの組み合わせで予測される、患者血管内径に
適したアジャスタブル(adjustable)な寸法対応性を持
ち、かつ留置後血流の大きな大動脈においても留置位置
のずれない構造、機能を付与した血管内留置血管補修材
が必要とされている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
により達成される。 (1) 血管内に挿入し血管の損傷部位で血管の径方向
に拡張して血管内壁と密着して損傷部位を補修する補修
材であって、当該補修材は合成高分子材料からなるシー
ト状部材と血管内で実質的にリング状を形成する弾性金
属からなり、当該弾性金属がリング状及び血管の径方向
に拡張することを特徴とする内挿型血管補修材。 (2) 前記リング状を形成する弾性金属が、板材もし
くは線材、あるいはその両方からなる上記(1)の内挿
型血管補修材。
【0010】本発明の血管補修材は、合成高分子材料か
らなるシート状部材に弾性金属を、当該シート部材をま
るめた際にリング状になるように付与させ、まるめるこ
とにより成形されたものからなる。本発明において合成
高分子材料からなるシート状部材としては、生体適合性
に優れているものであれば特に限定しないが、例えばポ
リノルボルネン、スチレン−ブタジエン共重合体等の形
状記憶樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル、ポリオレフ
ィン、ポリアミド、アクリルなどの使用が可能である。
【0011】フッ素系樹脂としては、例えばポリテトラ
フルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロアルコキシ基共重合体、テトラフルオロエチ
レン−オレフィン共重合体などの組成を有するものがあ
る。また、ポリエステル系樹脂としては、例えばポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリ(1、4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト)、あるいはエチレンテレフタレート単位を含有する
各種の共重合体ポリエステル等の組成を有するものがあ
る。なお、共重合体ポリエステルとしては、究めて多数
の組成のものが知られておりそのいずれのものも使用可
能であるが、代表的な例を挙げると、例えばポリエチレ
ンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレンテレ
フタレート/5−スルホン酸ナトリウム−イソフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート/p-オキシベンゾエー
ト、メトキシポリエチレングリコール変性ポリエチレン
テレフタレート、などの組成を有するものがある。ポリ
アミドとしては、ナイロン、ポリウレタン等が利用でき
る。また、これら樹脂を複合化して使用することもでき
る。
【0012】本発明における血管補修材の高分子材料に
よるシート状部材には、血管腔との摩擦抵抗を高めるた
め、血管腔接面(外面)に微細な突起物(エンボス加
工)を設けても良い。また本発明にける高分子材料のシ
ート状部材は抗血栓性処理されていても良い。抗血栓性
処理としては、抗血栓性材料のコーティングまたは固定
が考えられ、抗血栓性材料としては、公知のもの、例え
ばポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合
体、HEMA−ST−HEMAのブロックコポリマー、
血栓溶解物質(ウロキナーゼやストレプトキナーゼ等)
血栓形成抑制物質(ヘパリン等の多糖類やプロスタグラ
ンジン、抗トロンビン剤等)が好適である。抗血栓性処
理としては、上記のような物質を塗布すること、またイ
オン結合や共有結合させる方法、材料中に混合する方法
等が好適である。特に結合させることが好ましい。
【0013】また、本発明における血管補修材の合成高
分子材料のシート状部材2は細胞親和性を考慮し、多孔
化されていても良い。本発明の血管補修材の、まるめる
前の大きさは、適用される血管長、血管径によって決定
され、特に限定されるものではない。一例を示すとヒト
下行大動脈に適用される場合、血管径を考慮し、幅は8
cmから15cm、長さは2〜20cmが適当である。また、
厚みは20〜500μm、好ましくは20〜50μmであ
る。当該血管補修材は適用される血管の内径より小さく
まるめられ用いられる。
【0014】本発明において、合成高分子材料シート状
部材に付与される弾性金属は、ステンレスあるいはニッ
ケル−チタン合金等よりなり、シート状部材に当該シー
ト状部材をまるめた際に実質的にリング状になるよう
に、並行、斜め、あるいはその両方の組み合わせにより
形成される。当該弾性金属は、板材もしくは線材が用い
られ、板材の厚みは10〜500μm、幅は血管補修材
の長さにもよるが、1mm程度から装置の長さ分まで可能
である。線材では50〜1000μmの線径が好適であ
る。また、弾性金属の数は限定されるものではない。本
発明において、弾性金属のシート状部材への付与方法は
限定されるものではなく、例えば熱融着、接着剤による
接着等が挙げられる。接着剤としては、シアノアクリレ
ート系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤等
が挙げられる。また、接着性のポリマー樹脂のシリコ
ン、ポリオレフィン系樹脂などの接着法も挙げられる。
【0015】本発明の血管補修材の使用方法について説
明する。本発明の血管補修材は主にシースとプッシング
カテーテルを用いて血管内の患部に挿入する。具体的に
は、シート状部材に弾性部材を付与させ、当該弾性部材
がリング状になるように円筒状にまるめて血管補修材を
作製し、当該血管補修材をシースの先端内腔部に挿入す
る。当該シースを血管内に挿入し患部のやや末梢付近に
位置させ、プッシングカテーテルにより当該血管補修材
を患部に押し出す。押し出された血管補修材は、リング
状にまるめられた弾性金属の弾性力によりリング状及び
血管の径方向に拡張し患部に密着される。
【0016】
【実施例】以下、実施例を示し本発明をさらに詳細に説
明する。本発明の血管補修材を図面を参照しながら詳細
に説明する。図1は、本発明の血管補修材の実施の一例
の外観図である。本実施例の血管補修材1は、合成高分
子材料によりシート状部材2に、血管内では実質的にリ
ング状である弾性金属3が付与されてなり、当該弾性金
属3がリング状になるようにまるめられ、また径方向に
拡張するものである。合成高分子材料からなるシート状
部材2は、生体内で安定な材料であれば特に限定される
ものではなく、例えばポリノルボルネン、スチレン−ブ
タジエン共重合体等の形状記憶樹脂、フッ素系樹脂、ポ
リエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、アクリルな
どの使用が可能である。
【0017】フッ素系樹脂としては、例えばポリテトラ
フルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パ
−フルオロアルコキシ基共重合体、テトラフルオロエチ
レン−オレフィン共重合体などの組成を有するものがあ
る。また、ポリエステル系樹脂としては、例えばポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリ(1、4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト)、あるいはエチレンテレフタレート単位を含有する
各種の共重合体ポリエステル等の組成を有するものがあ
る。なお、共重合体ポリエステルとしては、究めて多数
の組成のものが知られておりそのいずれのものも使用可
能であるが、代表的な例を挙げると、例えばポリエチレ
ンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレンテレ
フタレート/5−スルホン酸ナトリウム−イソフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート/p-オキシベンゾエー
ト、メトキシポリエチレングリコール変性ポリエチレン
テレフタレート、などの組成を有するものがある。ポリ
アミドとしては、ナイロン、ポリウレタン等が利用でき
る。また、これら樹脂を複合化して使用することもでき
る。
【0018】血管補修材1の高分子材料によるシート状
部材2には、血管腔との摩擦抵抗を高めるため、血管腔
接面(外面)に微細な突起物(エンボス加工)を設けて
も良い。
【0019】また高分子材料のシート状部材2は抗血栓
性処理されていても良い。抗血栓性処理としては、抗血
栓性材料のコーティングまたは固定が考えられ、抗血栓
性材料としては、公知のもの、例えばポリ(2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート)、ポリヒドロキシエチルア
クリレート、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルビ
ニルエーテル無水マレイン酸共重合体、HEMA−ST
−HEMAのブロックコポリマー、血栓溶解物質(ウロ
キナーゼやストレプトキナーゼ等)血栓形成抑制物質
(ヘパリン等の多糖類やプロスタグランジン、抗トロン
ビン剤等)が好適である。抗血栓性処理としては、上記
のような物質を塗布すること、またイオン結合や共有結
合させる方法、材料中に混合する方法等が好適である。
特に結合させることが好ましい。
【0020】また、合成高分子材料のシート状部材2は
細胞親和性を考慮し、多孔化されていても良い。
【0021】血管補修材1の大きさは、適用される血管
長、血管径によって決定され、特に限定されるものでは
ない。円筒状にまるめる前の大きさの一例を示すと、ヒ
ト下行大動脈に適用される場合、血管径を考慮し、幅は
8cmから15cm、長さは2〜20cmが適当である。ま
た、厚みは20〜500μm、好ましくは20〜50μm
である。
【0022】合成高分子材料のシート部材2に付与され
る弾性金属3はステンレスあるいはニッケル−チタン合
金等よりなり、合成高分子材料のシート状部材2の表面
に4本が並行して設けられる。当該弾性金属3は、板材
もしくは線材が用いられ、板材の厚みは10〜500μ
m、幅は血管補修材の長さにもよるが、1mm程度から装
置の長さ分まで可能である。線材では50〜1000μ
mの線径が好適である。
【0023】上記シート状部材2と弾性金属3を、アル
ファシアノアクリレート系接着剤(アロンアルファ(登
録商標),東亜合成化学社製)により接着して血管補修
材1を作製した。作製された血管修復材1は、図4に示
すように円筒状に弾性金属3がリング状になるようにま
るめられ血管内に挿入される。血管内に挿入された血管
補修材1は、弾性金属の応力によりリング状及び血管の
径方向に拡張し、血管内で血管壁に密着される。
【0024】次ぎに本発明による血管補修材の別の実施
形状を説明する。図2は、本発明の血管補修材の実施形
状の他の一例を示す外観図である。血管修復材21は、
合成高分子材料よりなるシート状部材22に弾性金属2
3,24を並行及びジグザグ状に付与したものである。
弾性金属23は線材を、弾性金属24は板材を用いた
り、あるいはその逆も可能である。このように弾性金属
の付与形状は、本発明の血管補修材を実質的に筒状にま
るまた時、筒状の半径方向に拡張するように付与されて
いれば、いかなる形状であっても良い。
【0025】図3は、本発明の血管補修材の実施形状の
他の一例を示す外観図である。本実施例における血管補
修材31の高分子材料のシート状部材32は上述した高
分子材料をメッシュ、もしくは繊維形態による編織物、
または合成樹脂製のメッシュからなり、シート状部材3
2上にはキャスト法、ディップ法等の方法で上述した合
成高分子材料34が血液漏出防止のため、コーティング
されていても良い。このときメッシュあるいは編織物の
透水率は血液漏出を最小限に抑えるよう10〜500cc
/min/ cm2 が望ましい。これに弾性金属33を付与した
ものである。
【0026】本発明の血管補修材は、図4に示すように
弾性金属がリング状になるように筒状にまるめられ血管
内に挿入される。血管内に挿入された血管補修材は、弾
性金属の応力により筒状(リング状)及び血管の径方向
に拡張し血管壁に密着される。
【0027】次ぎに、本発明の血管補修材の使用方法の
一例を図5を用いて説明する。まず、幅4cm、長さ3cm
のナイロン製メッシュ(ポアサイズ50μm)に、血液
漏出を防止するためのにフッ素系エラストマー(セフラ
ルソフト溶液G880Y,セントラル硝子(株))をキャ
スティング法によりコートした。次に超弾性合金の板材
(厚さ100μm、幅1mm、長さ4cm)を当該ナイロン
メッシュに5mm間隔で5本、接着剤(アロンアルファ
(登録商標),東亜合成化学社製)にて図1のようにメッ
シュに平行に接着し、本発明の血管補修材4を作製し
た。
【0028】雑種成犬(体重22kg)の下行大動脈に実
験的大動脈解離を作製した。すなわち、左側開胸下、下
行大動脈を露出し外膜および一部中膜を切開し、内膜−
中膜間で血管を半円周状に解離させ、これを末梢側に向
かいマイクロスパーテルで解離を作製した。血管切開部
より10cm末梢でリエントリーを、ゾンデにて内膜を穿
刺することにより作製し、次に大動脈切開部で5mmパン
チを用いてエントリーを作製した。この後、剥離した中
膜−外膜を縫合し実験的大動脈解離とした。
【0029】エントリー部は造影により体表面にマーキ
ングし、本発明の血管補修材4を円筒上に丸めて12Fr
のカテーテルシース5を透視下で経大腿動脈的に真腔エ
ントリー部6に挿入した。カテーテルシース内にプッシ
ンングカテーテル(図示しない)を挿入し、プッシング
カテーテルを動かさずにシースを抜きながら血管補修材
4を大動脈内に脱出させた。血管補修材4は超弾性金属
の弾性応力によって筒状及び血管の径方向に拡張し、大
動脈内膜に密着し、血管補修材4を挿入した後に行った
血管造影ではエントリー部6は完全に閉鎖されていた。
また、留置術施行後8週間後でも血流による位置ずれは
見られなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明の血管補修材は、患者の血管内径
に適した寸法対応性を持ち、かつ径サイズが固定された
ものではないので大動脈の伸縮に対しての追従性を有
し、弾性金属によるリング状及び血管の径方向への拡張
応力を有しているために留置後、血流量の大きな大動脈
においても位置のずれを生ぜず、血管内留置血管補修材
として優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血管補修材の実施形態の一例の外観図
である。
【図2】本発明の血管補修材の他の実施実施形態の外観
図である。
【図3】本発明の血管補修材の他の実施実施形態の外観
図である。
【図4】本発明の図1に示す血管補修材を筒状にまるめ
た外観図である。
【図5】本発明の血管補修材の使用例を示す外観図であ
る。 符号の説明 1,4,21,31・・・血管補修材、2,22,32
・・・シート状部材、3,23,24,33・・・弾性
金属、34・・・合成高分子材料、5・・・シース、6
・・・解離性大動脈瘤エントリー部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片倉 健男 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血管内に挿入し血管の損傷部位で血管の
    径方向に拡張して血管内壁と密着して損傷部位を補修す
    る補修材であって、当該補修材は合成高分子材料からな
    るシート状部材と血管内で実質的にリング状を形成する
    弾性金属からなり、当該弾性金属が血管の径方向に拡張
    することを特徴とする内挿型血管補修材。
JP25182193A 1993-10-07 1993-10-07 内挿型血管補修材 Pending JPH07100210A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6245100B1 (en) 2000-02-01 2001-06-12 Cordis Corporation Method for making a self-expanding stent-graft
US6296661B1 (en) 2000-02-01 2001-10-02 Luis A. Davila Self-expanding stent-graft
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