JPH07100156A - 内挿型血管補修材 - Google Patents

内挿型血管補修材

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JPH07100156A
JPH07100156A JP5251820A JP25182093A JPH07100156A JP H07100156 A JPH07100156 A JP H07100156A JP 5251820 A JP5251820 A JP 5251820A JP 25182093 A JP25182093 A JP 25182093A JP H07100156 A JPH07100156 A JP H07100156A
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blood vessel
yarn
cloth
shape memory
blood
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JP5251820A
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English (en)
Inventor
Makoto Takahashi
誠 高橋
Yuzo Ezaki
祐造 江嵜
Yoshihito Takano
良仁 高野
Takeo Katakura
健男 片倉
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】生体安定性に優れた高分子材料からなる縦糸
と、形状記憶樹脂、形状記憶合金、超弾性金属のうちの
少なくとも1つの線材からなる横糸により交織された布
片より構成され、血管内で前記横糸が実質的にリング状
になるように筒状にまるめられ、リング状の半径方向に
拡張する内挿型血管補修材。 【効果】形状記憶樹脂、形状記憶合金、超弾性金属によ
るリング状半径方向への拡張応力により、血管サイズに
関係なく固定でき、血流量の大きな大動脈においても位
置のずれが起きない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血管の損傷部分(特に動
脈瘤)の修復を、患者への負担を軽減可能にした処置で
済む血管内留置血管補修材に関する。
【0002】
【従来の技術】今迄、動脈瘤の処置にあたっては、開
胸、あるいは開腹後に人工血管移殖を行うといった、患
者へ大きな負担のかかる手術が行われている。特に大動
脈瘤の場合、心疾患を併発した患者が多く、優先される
心臓処置後の血管修復手術を避けたがる患者も多い。さ
らには、手術時の血栓、破片(Debris)等の飛散により、
脳障害等の術後後遺症の現われる症例も認められる。一
方、近年高分子チュ−ブ(カテ−テル)を用いた診断、
治療の進歩が著しく、硬化性閉塞をおこした冠動脈内腔
を広げるPTCA等の治療がおこなわれている。更に、
この技術を応用した血管内ステント等、血管治療用具の
留置技術、狭窄部位の拡張技術が進んでいる。
【0003】このうち、血管内腔面より人工補綴物(Pro
sthesis)を用いて補修する管腔内補綴(Intraluminal pr
osthesis)の考え方は、1969年のチャールス・ドッター
(Charles Dotter)の論文に認められる(ドッター(Dotte
r) CT:トランスルミナリィプレイスド コイルスプリ
ング エンドアーテリアル チューブ グラフト(Translum
inally placed coilspring endarterial tube graft);
ロングターム パテンシー イン キャニン ポプリタール
アーテリィ.インベスト ラジオル(Long-termpatency i
n canine popliteal artery. Invest Radiol) 4:327-3
32,1969)。しかし、この時代における技術的な限界か
ら、具体的な進展は認められなかった。以後、閉塞性の
病変部の拡張を目的とした研究が続けられたが、1980年
代の初期に、チューリッヒ(Zurich)において、マース(M
aass)らは自己拡張性のスプリングコイルを用いて実験
を開始し、種々の結果を報告している(マースら(Maass
D.et al.):トランスルミナル インプランテーション
オブ バスキュラー ”ダブル ヘリックス”スパイラル
プロスシシィス(Transluminal implantation of vascu
lar "double helix" spiral prosthesis);テクニカル
アンド バイオロジカル コンシダレーション(Technical
and biological consideration.) ESAO Proc9:252-256
1982、マースら(Maass D.et al.):トランスルミナル
インプランテーション オブ セルフアジャスティング
エックスパンダブル プロスシシィス(Transluminal imp
lantation of self-adjusting expandable prosthesi
s);プリンシプル テクニクス アンド リザルツ(Princip
le, techniques, and results.) PrgArtif Org 979-987
1983、マースら(Maass D. et al.):ラジオロジカル フ
ォローアップ オブ トランスルミナリィ インサーティ
ド バスキュラー プロスシシィス(Radiological follow
-up of trans-luminally inserted vascular prosthesi
s);アン エックスペリメンタル スタディ ユージング
エックスパンディング スパイラル ラジオロジィ(An ex
perimental study using expanding spirals.Radiolog
y) 152:659-663 1984)。
【0004】以後、特に血管の内腔拡張を目的としたス
テント(stent)として、多くの試みが成されているが、
現在は、形状記憶合金、バルーンによる拡張、自己拡張
性コイルスプリングの3つが中心に検討されている。こ
れらのステント(stent)と人工血管を組み合わせたイン
トラルミナル グラフト”Intra-luminal Graft”は、動
脈瘤処置への適用が検討されている(「橋本、他:『経
皮的血管内人工血管留置の基礎検討』日本 医放会誌
第52巻 1992」、「吉田、他 :『挿入型人工血管を用
いた経カテ−テル的胸部大動脈部置換法の実験的検討』
人工臓器 20巻2号 1991」、特許公報 U
SP5,078,726 号)。
【0005】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、人工血管(tu
be graft) とステントとの組み合わせでは、 ・編目のル−ズな knitted(編み物)等の透水性の大き
な人工血管では、十分な閉鎖ができず、動脈瘤破裂後の
緊急処置等にたいしては適当ではない。 ・目の詰まった woven(織り物)、あるいは、フィルム
では、生地の伸展性が不十分で、血管内壁への密着が足
りず、やはり血液リ−クが生じる、あるいは位置のずれ
が生じるといった問題を持っている。
【0006】動脈瘤の好発部位である、胸部・腹部の大
動脈においては、大きな血液流量により動脈壁に過剰な
剪断力が加わり、このため留置部位からの『ずれ』が生
じ易い。さらに、動脈硬化の進展した血管においては、
その血管内壁の凹凸が著しい。一方、従来の人工血管を
このような病態血管の内部に留置することを想定する
と、径の設定をどのようにするか、難しい。例えば、市
販されている人工血管のサイズは、このような大動脈に
おいては25mm以上のサイズになると思われるが、通
常、サイズは2mm刻みである。また、硬化が進展し、血
管に弾性を付与しているエラスチンの分解が進んでお
り、血管の本来持つ物性が低下しており、時によって
は、拡張のおそれもある。このような部位に使用される
留置グラフトの具備すべき特性としては、
【0007】1.多量出血によるハイリスク患者への救
急的な処置を前提とした場合、エントリー(entry)部分
を確実にふさぎ、かつ、出血を制御出来ること。 2.患者自身に過剰な負担のかからない、経皮的な処置
を可能とするため、末梢血管より挿管可能なカテ−テル
チュ−ブ内に収納可能であること。 3.留置後、血液の剪断力による『ずれ』が生じること
なく、それによる再出血、末梢動脈の閉塞といった副作
用が生じないこと。 4.確実にエントリー(entry)上流部に装着可能である
こと。 等の機能が要求される。
【0008】これを具体化する方法として、人工血管と
ステントの組み合わせ、ステントにポリウレタン等の高
分子フィルムを貼る等が検討されている。しかしなが
ら、人工血管(tube graft) とステントとの組み合わせ
では、上述したような問題を有している。
【0009】通常、胸部大動脈等の大血管の手術にあた
っては、体外循環療法との併用のため、血液の抗凝固処
置がとられ、一方では、術中術後の出血を避けるため、
透水性の低いロウ ポロシティ ウーバン(low porosity
woven)が使用される。このような出血対策とはなりうる
が、血管サイズにフィットしにくいという問題点を有し
ている。
【0010】すなわち人工血管とステントとの組み合わ
せで予測される、患者血管内径に適したアジャスタブル
(adjustable)な寸法対応性を持ち、かつ留置後血流の大
きな大動脈においても留置位置のずれない構造、機能を
付与した血管内留置血管補修材が必要とされている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明によって解決される。 (1) 血管内に挿入し血管の損傷部位で血管の径方向
に拡張して血管内壁と密着して損傷部位を補修する補修
材であって、生体安定性に優れた高分子材料からなる第
一の糸と、形状記憶樹脂、形状記憶合金、超弾性金属の
うちの少なくとも1つの線材からなる第二の糸により交
織された布片より構成されることを特徴とする内挿型血
管補修材。
【0012】(2) 血管内に挿入し血管の損傷部位で
血管の径方向に拡張して血管内壁と密着して損傷部位を
補修する補修材であって、生体安定性に優れた高分子材
料からなる第一の糸を縦糸とし、形状記憶樹脂、形状記
憶合金、超弾性金属のうちの少なくとも1つの線材から
なる第二の糸を横糸として交織された布片より構成さ
れ、血管内で前記横糸が実質的にリング状になるように
筒状にまるめられ、リング状及び血管の径方向に拡張す
ることを特徴とする内挿型血管補修材。
【0013】(3) 交織された布片の表面に血液の漏
出を制御するため合成高分子材料による目づめが施され
ていることを特徴とする上記(2)及び(3)記載の内
挿型血管補修材。
【0014】本発明において高分子材料とは、生体内で
安定な材料であれば特に限定されるものではなく、例え
ば、フッ素系樹脂、ポリエステル、ポリオレフィン、ポ
リアミド、アクリルなどの使用が可能である。フッ素系
樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン、テ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合
体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシ
基共重合体、テトラフルオロエチレン−オレフィン共重
合体などの組成を有するものがある。また、ポリエステ
ル系樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1、4−シク
ロヘキサンジメチレンテレフタレート)、あるいはエチ
レンテレフタレート単位を含有する各種の共重合体ポリ
エステル等の組成を有するものがある。
【0015】共重合体ポリエステルとしては、究めて多
数の組成のものが知られておりそのいずれのものも使用
可能であるが、代表的な例を挙げると、例えばポリエチ
レンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレンテ
レフタレート/5−スルホン酸ナトリウム−イソフタレ
ート、ポリエチレンテレフタレート/p-オキシベンゾエ
ート、メトキシポリエチレングリコール変性ポリエチレ
ンテレフタレート、などの組成を有するものがある。ポ
リアミドとしては、ナイロン、ポリウレタン等が利用で
きる。また、これら樹脂を複合化して使用することもで
きる。
【0016】本発明のおいて形状記憶合金としては、生
体への障害性がないことが望ましく、通常使用されるニ
ッケル−チタン合金等の金属材料が適切であるが、さら
に障害性を低下させるため、種々のポリマーで被覆した
材料でも良い。また、形状記憶樹脂としては、ポリノル
ボルネン、スチレン−ブタジエン共重合体等が適切であ
る。また超弾性金属としてはステンレス、ニッケル−チ
タン超弾性合金等が適切である。
【0017】本発明の血管補修材は、上記の高分子材料
を第一の糸とし、また、上記形状記憶樹脂、形状記憶合
金、超弾性金属のうちの少なくとも1つの線材からなる
糸を第二の糸として、交織することにより得られる布片
からなる。本発明の血管補修材は得られた布片を血管内
で前記第二の糸が実質的にリング状になるように筒状に
まるめられたものからなり、血管内でリング状及び血管
の径方向に拡張することにより血管壁に密着される。本
発明において第一の糸及び第二の糸の太さは、特に限定
しないが1〜500μが良く、特に10〜200μの範
囲が好ましい。また本発明の血管補修材は、交織布の表
面に血液の漏出を制御するため合成高分子材料による目
づめを施しても良い。その際の合成高分子材料は、前記
第一の糸に例示したものでよい。
【0018】本発明の血管補修材の表面は抗血栓性処理
されていても良い。抗血栓性処理としては、抗血栓性材
料のコーティングまたは固定が考えられ、抗血栓性材料
としては、公知のもの、例えばポリ(2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート)、ポリヒドロキシエチルアクリレ
ート、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルビニルエ
ーテル無水マレイン酸共重合体、HEMA−ST−HE
MAのブロックコポリマー、血栓溶解物質(ウロキナー
ゼやストレプトキナーゼ等)血栓形成抑制物質(ヘパリ
ン等の多糖類やプロスタグランジン、抗トロンビン剤
等)が好適である。抗血栓性処理としては、上記のよう
な物質を塗布すること、またイオン結合や共有結合させ
る方法、材料中に混合する方法等が好適である。特に結
合させることが好ましい。
【0019】本発明の血管補修材の、大きさは、適用さ
れる血管長、血管径によって決定され、特に限定される
ものではない。一例を示すとヒト下行大動脈に適用され
る場合、血管径を考慮し、幅は8cmから15cm、長さは
2〜20cmが適当である。また、厚みは20〜500μ
m、好ましくは20〜100μmである。
【0020】次に、本発明の血管補修材の使用方法につ
いて説明する。本発明の血管補修材は主にシースとプッ
シングカテーテルを用いて血管内の患部に挿入する。具
体的には、本発明の血管補修材を、第二の糸がリング状
になるように円筒状にまるめてシースの先端内腔部に挿
入する。当該シースを血管内に挿入し患部のやや末梢付
近に位置させ、プッシングカテーテルにより当該血管補
修材を患部に押し出す。押し出された血管補修材は、リ
ング状にまるめられた第二の糸の形状復元力または弾性
力によりリング状及び血管の径方向に拡張し患部に密着
される。以下、実施例を示し本発明をさらに詳細に説明
する。
【0021】
【実施例】本発明の血管補修材を図面を参照しながらさ
らに詳細に説明する。図1は、本発明の血管補修材の実
施の一例の一部分の表面拡大図である。本発明の血管補
修材1は、生体内で安定な高分子材料で作製された糸を
第一の糸2とし、この糸と、さらに形状記憶樹脂、形状
記憶合金、超弾性金属の線材の少なくとも1つよりなる
第二の糸3により交織された布片により構成され、血管
内では実質的に第二の糸3をリング状とする筒状を呈
し、第二の糸3の応力により当該リング状の径方向に拡
張する。また、交織布の表面に血液の漏出を制御するた
め合成高分子材料による目づめが施されている。
【0022】具体的には、生体内で安定な高分子材料に
よる第一の糸2と、形状記憶樹脂、形状記憶合金、超弾
性金属の線材のうちの少なくとも1つによる第二の糸2
の交織布に、合成高分子材料による目づめ材4が付与さ
れたものである。目づめの方法は高分子材料溶液へのデ
ィッピング、もしくはキャスティング等が用いられる。
使用される合成高分子材料による第一の糸および目づめ
に用いられる合成高分子材料は、生体内で安定な材料で
あれば特に限定されるものではなく、例えば、フッ素系
樹脂、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ア
クリルなどの使用が可能である。
【0023】フッ素系樹脂としては、例えばポリテトラ
フルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロアルコキシ基共重合体、テトラフルオロエチ
レン−オレフィン共重合体などの組成を有するものがあ
る。また、ポリエステル系樹脂としては、例えばポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリ(1、4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト)、あるいはエチレンテレフタレート単位を含有する
各種の共重合体ポリエステル等の組成を有するものがあ
る。なお、共重合体ポリエステルとしては、究めて多数
の組成のものが知られておりそのいずれのものも使用可
能であるが、代表的な例を挙げると、例えばポリエチレ
ンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレンテレ
フタレート/5−スルホン酸ナトリウム−イソフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート/p-オキシベンゾエー
ト、メトキシポリエチレングリコール変性ポリエチレン
テレフタレート、などの組成を有するものがある。
【0024】ポリアミドとしては、ナイロン、ポリウレ
タン等が利用できる。また、これら樹脂を複合化して使
用することもできる。これら高分子材料と併用される形
状記憶合金としては、生体への障害性がないことが望ま
しく、通常使用されるニッケル−チタン合金等の金属材
料が適切であり、さらに障害性を低下させるため種々の
ポリマーで被覆しても良い。また、形状記憶樹脂として
は、ポリノルボルネン、スチレン−ブタジエン共重合体
等が適切である。また超弾性金属としてはステンレス、
ニッケル−チタン超弾性合金等が適切である。
【0025】また本発明にける血管補修材1の表面は抗
血栓性処理されていても良い。抗血栓性処理としては、
抗血栓性材料のコーティングまたは固定があり、抗血栓
性材料としては、公知のもの、例えばポリ(2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート)、ポリヒドロキシエチルア
クリレート、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルビ
ニルエーテル無水マレイン酸共重合体、HEMA−ST
−HEMAのブロックコポリマー、血栓溶解物質(ウロ
キナ−ゼやストレプトキナーゼ等)血栓形成抑制物質
(ヘパリン等の多糖類やプロスタグランジン、抗トロン
ビン剤等)が好適である。抗血栓性処理としては、上記
のような物質を塗布すること、またイオン結合や共有結
合させる方法、材料中に混合する方法等が好適である。
特に結合させることが好ましい。血管補修材1の、大き
さは、適用される血管長、血管径によって決定され、特
に限定されるものではない。一例を示すとヒト下行大動
脈に適用される場合、血管径を考慮し、幅は8cmから1
5cm、長さは2〜20cmが適当である。また、厚みは2
0〜500μm、好ましくは20〜100μmである。
【0026】次に、本発明の他の実施形態を説明する。
図2に本発明の血管補修材の、他の実施の一部分の表面
拡大図を示した。血管修復材21は高分子材料による第
一の糸22と、形状記憶樹脂、形状記憶合金、超弾性金
属の線材のうちの少なくとも1つからなる第二の糸2
3、および第一の糸に用いた高分子材料と同じかあるい
は異なる高分子材料による第二の糸24の交織布に、合
成高分子材料による目づめ材25が付与されたものであ
る。本実施例のように第二の糸として用いる形状記憶樹
脂、形状記憶合金、超弾性金属の線材は、第二の糸の一
部分に用いることも可能である。これら交織布の透水率
は血液漏出を防止するため10〜500cc/min/cm2が望
ましい。
【0027】本発明の血管補修材は、図3に示すよう
に、第二の糸がリング状になるように筒状にまるめられ
血管内に挿入される。血管内に挿入された本血管補修材
は、あらかじめシート形状あるいは挿入される血管径よ
りも大きな筒形状に形状記憶された形状記憶樹脂、形状
記憶合金による形状復元力、および/または超弾性金属
による弾性応力により筒状の径方向に拡張し血管壁に密
着される。次ぎに、図4を用いて、本発明の血管補修材
の犬を使用し、使用方法の一例を説明する。本発明の血
管補修材5は解離性大動脈瘤、特にスタンダード(Stanf
ord) B型解離の治療に対して有用である。
【0028】まず、内径100μmのニッケル−チタン
超弾性合金線材を第二の糸(横糸)として、15μmの
ポリエステルモノフィラメントを第一の糸(縦糸)とし
て用い、両糸の交織により幅4cm、長さ3cmの本発明の
血管補修材を作製した。これに血液の漏出を防止するた
めにフッ素系エラストマー(セフランソフト溶液G88
0Y,セントラル硝子(株))をディッピングによりコ
ートし、血管補修材5とした。
【0029】雑種成犬(体重22kg)の下行大動脈に実
験的大動脈解離を作製した。すなわち、左側開胸下、下
行大動脈を露出し外膜および一部中膜を切開し、内膜−
中膜間で血管を半円周状に解離させ、これを末梢側に向
かいマイクロスパーテルで解離を作製した。血管切開部
より10cm末梢でリエントリーを、ゾンデにて内膜を穿
刺することにより作製し、次に大動脈切開部で5mmパン
チを用いてエントリーを作製した。この後、剥離した中
膜−外膜を縫合し実験的大動脈解離とした。エントリー
部は造影により体表面にマーキングし、本発明の血管補
修材5を円筒上に丸めて12Frのカテーテルシース6を
透視下で経大腿動脈的に真腔エントリー部7に挿入し
た。カテーテルシース内にプッシンングカテーテル(図
示しない)を挿入し、プッシングカテーテルを動かさず
にシースを抜きながら血管補修材5を大動脈内に脱出さ
せた。血管補修材5は超弾性金属の弾性応力によって筒
状及び血管の径方向に拡張し、大動脈内膜に密着し、血
管補修材5を挿入した後に行った血管造影ではエントリ
ー部7は完全に閉鎖されていた。また、留置術施行後8
週間後でも血流による位置ずれは見られなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明の血管補修材は、患者の血管径に
適した寸法対応性を持ち、かつ径サイズが固定されたも
のではないので大動脈の伸縮に対しての追従性を有し、
形状記憶樹脂、形状記憶合金、超弾性金属によるリング
状の径方向への拡張応力を有しているために留置後、血
流量の大きな大動脈においても位置のずれを生ぜず、血
管内留置血管補修材として優れた効果を有する。さらに
シート形状を有しているためにテーパーのかかった血管
にも全長にわたり優れた密着性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血管補修材の一例の一部分の表面拡大
図である。
【図2】本発明の血管補修材の他の一例の一部分の表面
拡大図である。
【図3】本発明の図1に示す血管補修材を筒状にまるめ
た外観図である。
【図4】本発明の血管補修材の使用例を示す外観図であ
る。 1,5,21・・・血管補修材、2,22・・・第一の
糸、3,23,24・・・第二の糸、4,25・・・目
づめ材、6・・・シース、7・・・解離性大動脈瘤エン
トリー部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片倉 健男 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血管内に挿入し血管の損傷部位で血管の
    径方向に拡張して血管内壁と密着して損傷部位を補修す
    る補修材であって、生体安定性に優れた高分子材料から
    なる第一の糸と、形状記憶樹脂、形状記憶合金、超弾性
    金属のうちの少なくとも1つの線材からなる第二の糸に
    より交織された布片より構成されることを特徴とする内
    挿型血管補修材。
JP5251820A 1993-10-07 1993-10-07 内挿型血管補修材 Pending JPH07100156A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11285537A (ja) * 1998-02-25 1999-10-19 Cordis Corp ワイヤ補強管プロテ―ゼ
JP2007521110A (ja) * 2003-11-19 2007-08-02 サインコア,リミテッド・ライアビリティ・カンパニー 高度に変換可能な管腔内人工器官および製造方法
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