JPH07100095B2

JPH07100095B2 - ドラム式洗濯機

Info

Publication number: JPH07100095B2
Application number: JP62197414A
Authority: JP
Inventors: 政次久木野; 義雄吉田; 正史長田; 浩良瀧川
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 1987-08-07
Filing date: 1987-08-07
Publication date: 1995-11-01
Anticipated expiration: 2010-11-01
Also published as: JPS6440092A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明はドラム式洗濯機、特に脱水時の振動を低減する
バランサを備えた回転ドラムの構造に関する。

［従来の技術］ドラム式洗濯機は、水平に軸支されたドラム内に洗濯物
を収容するため、洗濯物が重力の影響で片寄りやすく、
これがドラムを高速回転する脱水時の過大な振動の原因
となる。

このアンバランスによる振動を低減するため、従来、特
開昭54−26071号公報記載の技術が周知であり、このド
ラム式全自動洗濯機によれば、第６図及び第７図のよう
に、ドラム（１）と一体となって回転する環状の空間を
備えた中空環状体（２）に、複数個のボール（３）と前
記空間の内容積より少ない容積の流体（４）とが封入さ
れて自動バランサが構成されている。そして、脱水時に
は、封入された液体（４）の外側はドラム（１）の回転
中心Ｃを中心とするバランサケースの外周で拘束され、
流体（４）は振り回り中心Ｏに対して同心円状に分布
し、振り回り振幅OC方向に偏ることになる。このため、
洗濯物によるアンバランス量（５）の遠心力の方向と、
振り回り振幅OC方向との位相差が180度近くになりアン
バランスが低減される。また、前記流体（４）に封入さ
れたボール（３）による効果が加わり、アンバランス低
減効果が大きくなるとともに、流体（４）によりボール
の衝突による騒音も緩和される効果を有している。

しかし、前述した従来技術によっては、洗濯後の濯ぎ工
程から脱水工程に移行する際の低速回転時において、重
力の影響で洗濯物及びバランサが一部に片寄りやすくバ
ランサ作用が不安定となる問題があった。

発明の目的この発明は係る問題点を解決するためになされたもの
で、回転ドラムに設けられたバランス重りと洗濯物との
アンバランスが完全にとれた状態を検出して高速脱水に
移行し得るドラム式洗濯機の提供を目的とする。

［問題点を解決するための手段］前記目的を達成するために、本発明は水平な回転軸を持
ち洗濯から脱水を含む洗濯工程に兼用されるドラムを有
するドラム式洗濯機において、前記ドラムの周壁に設け
られたバランス重りと、該バランス重りの回転位置を検
出する検出センサとを備え、脱水への移行前に前記バラ
ンス重りと洗濯物とが対向位置にきたことを検出して高
速脱水を行うようにしたことを特徴とする。

［作用］本発明は上記構成としたことにより、ドラムの内周壁ま
たは外周壁にバランス重りを設け、このバランス重りと
洗濯物とがドラムの回転軸に対し対向する位置に来たと
きに、これを検出センサにより検出し、この時点におい
てドラムの回転アンバランスが是正されたものと判断す
ることとしている。そして、このときから高速脱水に移
行するようにし、これによってドラムの高速脱水時の振
動や騒音を低減することができる。

［実施例］以下、図面に基づき本発明の好適な実施例を説明する。

第１図には脱水開始前のドラム停止状態が示されてお
り、第２図には本発明に係るドラム式洗濯機の全体構成
が示めされている。第２図において、ドラム式洗濯機本
体（６）の外槽（７）内には水平に配置された軸支部
（８）を介してドラム（１）が回転自在に設けられ、軸
（９）にはプーリ（10）を介してモータ（11）の回転が
伝達されるようになっている。前記ドラム（１）は洗濯
から脱水を含む洗濯工程に兼用され、このドラム（１）
の周壁には脱水時に水を外槽（７）側に排出する孔（1
2）が多数設けられている。また、ドラム（１）の内周
壁には回転軸線方向に長い二等辺三角柱（高さ60mm程
度）からなるバッフル板（13）が複数個設けられてい
て、洗濯物は扉（15）からドラム（１）内に出し入れさ
れる。そして、前記バッフル板（13）はドラム（１）が
低速回転する洗濯時及び濯ぎ時に、洗濯物（14）を持ち
上げ落下させて洗浄及び濯ぎ作用を与える。

ここで本発明の特徴的なことは、ドラムの周壁に設けら
れたバランス重りと該バランス重りの回転位置を検出す
る位置検出センサ（16）とを備え、脱水への移行前に前
記バランス重りと洗濯物とが対向位置にきたことを検出
して高速脱水を行うようにしたことである。

本実施例において、第１図に示されるように、３個のバ
ッフル板（13−１）〜（13−３）の中の１個、例えば
（13−１）がバランサ重りとしての役目をなし、このバ
ッフル板（13−１）には内部に食塩水が注入されてい
て、他の２個のバッフル板よりも1Kgほど重くなってい
る。この不釣合量としての1Kgは、洗濯物（14）の重量
を考慮したときに経験的にドラム（１）の残留アンバラ
ンス量をできるだけ小さくできる値として設定されるも
のである。また、前記位置検出センサ（16）は、第２図
及び第３図に示されるように、外槽（２）のプーリ側外
側面の最高位置に固定配置された光電変換器が用いられ
ており、ドラム（５）と同期回転するドラムプーリ（1
0）の回転位置を検出することによって、前記食塩水の
注入されたバッフル板（13−１）が検出可能になる。

すなわち、本実施例では、前記特定のバッフル板（13−
１）と対向し、かつ位置センサ（16）と対向するドラム
プーリ（10）の内側端面には、光反射板（16−１）が設
けられており、位置検出センサ（16）は光反射板（12−
１）が最高位置、即ち前記特定バッフル板（13−１）が
最高位置に達した時点を検出する。

第４図には本実施例における制御ブロック図が示されて
いる。マイクロコンピュータ（17）はCPU（18），クロ
ック制御回路（19），メモリ（20）及びタイマ（21）の
他、入力制御インターフェース回路（22），出力制御イ
ンターフェース回路（23）を含み、入力制御インターフ
ェース回路（22）には電源スイッチ（24），蓋スイッチ
（25）、回転位置検出センサ（16）等からの信号が取り
込まれ、また、CPU（18）からの指令は出力制御インタ
ーフェース回路（23）を介して低速モータスイッチ（2
3）、高速モータスイッチ（27）、排水弁スイッチ（2
8）等がオンオフ制御される。

次に、第５図の制御フローチャートに基づき本実施例の
動作を説明する。まず蓋スイッチ（25）により蓋の解放
が検出されて洗濯物（14）がドラム（１）から出し入れ
され、ステップ100で洗濯機の電源スイッチがオン状態
とされる。ステップ110でモータがオンとなり低速回転
にて洗濯が開始される。このステップではタイマによる
予め定められた設定時間だけモータがオン状態とされ、
この洗濯終了後排水弁が開かれてステップ120の濯ぎ工
程に入る。この濯ぎ工程において一定時間洗濯物の濯ぎ
が行われると、ステップ130に移行し、ここで洗濯物の
ほぐし工程に移行する。この工程では、モータの低速回
転による濯ぎ工程時にからまった洗濯物同志のほぐし動
作が行われる。ステップ140では、バランス重り（13−
１）がドラムの真上の位置にきたか否かが検出され、
「No」のときステップ130に戻り、「Yes」のときステッ
プ150にてモータが高速にてオン作動され、脱水工程に
移行する。

前記において、バランス重り（13−１）が最高位置にあ
るか否かを検出するのは、低速回転時には洗濯物は重力
によって最下点位置と認められ、このためバランス重り
（13−１）が最高点位置にきたときはドラムは回転軸に
対してバランスするため、この時点を捕らえて低速のほ
ぐし回転（50〜60rpm）から高速の脱水回転（400〜1000
rpm）に移行しようとするものである。

なお、前記において位置検出センサ（16）は光電変換器
の他に磁気電気変換器などでもよく、この場合はドラム
プーリ（10）の内側端面の特定のバッフル板（13−１）
に対向する位置に永久磁石が固定されることになる。ま
た、バランス重り（13−１）は、本実施例においてはバ
ッフル板と兼用する場合について説明したが、これに限
らずバッフル板とは別個に設けてもよく、またドラム外
周に設けてもよい。

以上のように、本発明の実施例によれば、バランス重り
を用いることによって容易にドラムの回転バランスをと
ることができ、従ってドラム回転による振動や騒音を効
果的に低減することができる。また、ドラムの回転バラ
ンスをとってから高速回転に移行することとしているの
で、それだけ余分な動力を不要としモータを小型化して
洗濯機全体のコンパクト化図れるという利点を有する。

［発明の効果］この発明は以上説明したとおり、バランス重りと検出セ
ンサとを備え、脱水移行前に前記バランス重りと洗濯物
とが対向位置にきたことを検出して高速脱水を行うよう
にしたことにより、容易にドラムの回転バランスをとり
振動や騒音を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るドラム式洗濯機の脱水開始前のド
ラム停止状態を示す図、第２図はドラム式洗濯機の全体
構成を示す図、第３図は回転位置検出センサの配置位置
を示す図、第４図は本実施例における制御ブロック図、
第５図は制御フローチャートを示す図、第６図は従来の
ドラム式洗濯機の全体構成を示す図、第７図はドラムが
回転したときの状態を示した図である。図において、（１）はドラム、（６）は洗濯機本体、
（７）は外槽、（８）は軸支部、（10）はドラムプー
リ、（13）はバッフル板、（14）は洗濯物、（16）は検
出センサ、（16−１）は光反射板、（17）はマイクロコ
ンピュータである。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水平な回転軸をもち洗濯から脱水を含む洗
濯工程に兼用されるドラムを有するドラム式洗濯機にお
いて、前記ドラムの周壁に設けられたバランス重りと、
該バランス重りの回転位置を検出する検出センサとを備
え、脱水への移行前に前記バランス重りと洗濯物とが対
向位置に来たことを検出して高速脱水を行うようにした
ことを特徴とするドラム式洗濯機。