JPH0699747B2 - 冷間鍛造性にすぐれる肌焼鋼の製造方法 - Google Patents

冷間鍛造性にすぐれる肌焼鋼の製造方法

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JPH0699747B2
JPH0699747B2 JP1047333A JP4733389A JPH0699747B2 JP H0699747 B2 JPH0699747 B2 JP H0699747B2 JP 1047333 A JP1047333 A JP 1047333A JP 4733389 A JP4733389 A JP 4733389A JP H0699747 B2 JPH0699747 B2 JP H0699747B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、冷間鍛造性、特に、外周部に突起を有する部
品の冷間鍛造に好適な肌焼鋼の製造方法に関する。
従来の技術 例えば、自動車や機械等における動力伝達部品には、そ
の用途特性上、必要とされる機械的性質を得るために、
肌焼鋼が広く用いられており、肌焼鋼は、比較的、C量
が少なく、従つて、本来、すぐれた冷間鍛造性を有して
いる。
しかし、例えば、動力伝達部品にみられるように、かか
る部品は、その円柱体の外周面から半径方向に伸びる複
数の突起を有することが多く、かかる部品は、通常、丸
棒を切断した円柱状素材に軸方向に負荷を加えて成形さ
れるが、据込みと軸方向に対して直角方向への前方押出
し加工の組合わせ加工のため、この場合に、円柱状部と
外周部の突起部との界面に大きい引張応力が付与される
こととなつて、その界面に割れが発生することが多い。
かかる問題を解決すべく、従来、例えば、鍛造前に球状
化焼鈍処理を施したり、或いは上記界面のR部を大きく
するような対策が講じられている。しかし、近年、エネ
ルギー費用の節減や、工程簡略化による製造費用節減の
要求が厳しく、上記したような球状化焼鈍処理の省略
や、歩留り向上の要請の高まりを背景とした切削代の低
減が強く要望されている。
発明が解決しようとする課題 本発明者らは、上記した問題を解決するために鋭意研究
した結果、鋼における合金元素量を所定の範囲とし、こ
の低合金鋼を熱間圧延するに際して、所定の結晶粒度と
なるように調整し、更に、所定の引抜き加工を施すこと
によつて、球状化焼鈍処理を省略しても、例えば、前述
したような突起を有する部品の冷間鍛造による製造に際
して、割れを発生することがないことを見出して、本発
明に至つたものである。
従つて、本発明は、冷間鍛造前の熱処理を省略して、圧
延ままで冷間鍛造することができる冷間鍛造性にすぐれ
る肌焼鋼の製造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明による冷間鍛造性にすぐれる肌焼鋼の製造方法
は、重量%で (a)C 0.1〜0.3%、 Si 0.5%以下、及び Mn 0.3〜1.2%を含有し、更に、 (b)Cr 0.5〜1.5及び Mo 0.05〜0.4% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有
し、且つ、 (c)O 15ppm以下、 S 0.01%以下、 残部鉄及び不可避的不純物よりなる鋼を熱間圧延するに
際して、得られる熱間圧延材の組織をフエライト粒度番
号にて8以上の微細粒とし、更に、減面率5〜20%の範
囲で引抜き加工を施すことを特徴とする。
先ず、本発明において用いる鋼における化学成分を限定
した理由について説明する。
本発明の方法は、浸炭又は浸炭窒化後に焼入れ及び低温
焼戻しを行なつて用いる肌焼鋼の製造にかかるものであ
るので、浸炭や浸炭窒化されない心部の焼入れ歪や残留
応力を小さくするために、Cの添加量は0.3%以下とす
る。しかし、C量が0.1%よりも少ないときは、焼入れ
性が不足し、心部強度を確保することができないので、
少なくとも0.1%の添加は必要である。
Siは、脱酸剤として添加されるが、余りに多いときは、
鋼中にシリケート系の非金属介在物の量が増し、冷間鍛
造性を損なうので、上限を0.5%とする。
Mnは、脱酸脱硫剤としてと共に、焼入れ性を確保するた
めに必要な元素である。かかる効果を達成するために
は、0.3%以上の添加を必要とするが、しかし、1.2%を
越えて過多に添加するときは、鋼自体の靱延性が劣化
し、また、偏析が著しくなつて、冷間鍛造性を劣化させ
る。
Crは、焼入れ性、浸炭性及び強度を付与する元素として
有用であつて、かかる観点から0.5%以上を添加するこ
とが必要である。しかし、1.5%を越えて過多に添加す
るときは、浸炭焼入れの加熱時にその炭化物が未溶解の
ままで残存し、機械的性質を損なう。
Moも、焼入れ性、浸炭性、強度及び靱延性を付与する元
素として有用であつて、かかる観点から0.05%以上を添
加することが必要である。しかし、過多に添加するとき
は、熱間圧延後の鋼材自体の靱性を劣化させ、冷間鍛造
性を損なうのみならず、Moは高価な元素でもあるのて、
これらを考慮して、添加量は0.4%を上限とする。
Oは、シリケート系又はアルミナ系の酸化物系介在物を
生成させる元素であつて、本発明においては、かかる酸
化物系介在物に起因する割れを防止するために、O量を
15ppm以下に抑えることが必要である。
Sは、偏析しやすい元素であつて、MnS系の介在物を低
減させ、冷間鍛造性を向上させるために、本発明におい
ては、S量は、0.01%以下とする。
本発明は、上記したような化学成分を有する鋼を常法に
て熱間圧延し、フエライト粒度番号で8以上の微細粒と
し、更に、かかる熱間圧延材を減面率5〜20%の範囲で
引抜き加工を施して、冷間鍛造性にすぐれる肌焼鋼を得
るものである。
熱間圧延後の組織がフエライト粒度番号にて8よりも粗
いときは、冷間鍛造性が劣化し、冷間鍛造において割れ
が発生しやすいのみならず、素材強度が高くなりすぎ
て、工具寿命の低下をも招くこととなる。
また、引抜き加工において、減面率が5%よりも少ない
ときは、引抜き加工による疵深さの軽減効果がなく、他
方、減面率が20%を越えるときは、加工硬化によつて、
素材強度が高くなり、逆に靱延性が劣化し、冷間鍛造性
を阻害する。
発明の効果 以上のように、本発明の方法によれば、鋼における合金
元素量を所定の範囲とし、この低合金鋼を熱間圧延する
に際して、所定の結晶粒度となるように調整し、更に、
所定の引抜き加工を施すことによつて、球状化焼鈍し処
理を省略しても、冷間鍛造に際して、割れを発生するこ
とがなく、かくして、圧延ままで冷間鍛造することがで
きる冷間鍛造性にすぐれる肌焼鋼を得ることができる。
実施例 以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に具体的に説明
する。
実施例1 第1表に示す化学成分組成を有する供試鋼を種々の条件
にて熱間圧延して、第1表に示すフエライト結晶粒度番
号を有する圧延材を得た。次いで、これら圧延材を第1
表に示すように種々の減面率にて引抜き加工した。尚、
上記熱間圧延に際しては、引抜き加工後の径が34mm(一
定)となるように、上記加熱圧延において、予め圧延材
径を調整した。
これら引抜き材から径34mm、高さ51mmの円柱状試験片を
採取し、その両端面を拘束した状態で冷間据込み試験を
行なつて、割れが発生しない圧下率(以下、割れ発生限
界圧下率という。)を求めた。結果を第1表に示す。
また、上記引抜き材から所定の円柱状試験片を採取し、
その外周面から突起を有する部品(円柱外周面と突起部
とのRは1.5mm)を冷間鍛造し、そのときの割れ発生率
を求めた。結果を第1表に示す。
比較鋼4〜6及び8は、熱間圧延材を球状化焼鈍処理
し、引抜き加工して得られた従来の方法により肌焼鋼を
示し、本発明鋼とほぼ同等の冷間鍛造性を有することを
示すものである。
比較鋼1〜3、7、9及び10は、S量若しくはO量、又
はこれらの両方が本発明にて規定する範囲を越えてお
り、本発明にて規定する製造条件によつても、割れ発生
限界圧下率が低く、突起部品の冷間鍛造に際して、割れ
発生率が高い。
比較鋼11〜13は、化学成分は、本発明で規定する範囲に
あるが、圧延材のフエライト結晶粒度番号が8よりも小
さい粗粒鋼であつて、引抜き 加工減面率の如何にかかわらずに、冷間鍛造性に劣るこ
とが示される。比較鋼16は、引抜き減面率が過大である
ために、冷間鍛造性が改善されていない。また、比較鋼
26は、圧延材を引抜き加工しない場合を示し、同様に、
冷間鍛造性が改善されていない。
これに対して、本発明の方法によつて得られる肌焼鋼
は、いずれも、球状焼鈍し処理を施した従来鋼とほぼ同
等のすぐれた冷間鍛造性を示すことが明らかである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1) 重量%で (a)C 0.1〜0.3%、 Si 0.5%以下、及び Mn 0.3〜1.2%を含有し、更に、 (b)Cr 0.5〜1.5%及び Mo 0.05〜0.4% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有
    し、且つ、 (c)O 15ppm以下、 S 0.01%以下、 残部鉄及び不可避的不純物よりなる鋼を熱間圧延するに
    際して、得られる熱間圧延材の組織をフエライト粒度番
    号にて8以上の微細粒とし、更に、減面率5〜20%の範
    囲で引抜き加工を施すことを特徴とする冷間鍛造性にす
    ぐれる肌焼鋼の製造方法。
JP1047333A 1989-02-27 1989-02-27 冷間鍛造性にすぐれる肌焼鋼の製造方法 Expired - Fee Related JPH0699747B2 (ja)

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