JPH0699562B2 - ポリカルボゲルマン類、その製造方法及びそれを用いた材料 - Google Patents

ポリカルボゲルマン類、その製造方法及びそれを用いた材料

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JPH0699562B2
JPH0699562B2 JP3062564A JP6256491A JPH0699562B2 JP H0699562 B2 JPH0699562 B2 JP H0699562B2 JP 3062564 A JP3062564 A JP 3062564A JP 6256491 A JP6256491 A JP 6256491A JP H0699562 B2 JPH0699562 B2 JP H0699562B2
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祐子 内丸
輝幸 林
浩 山下
正人 田中
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工業技術院長
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主鎖にジゲルマニレン
部と2価の不飽和有機基が交互に並んだポリカルボゲル
マン類、その製造方法、およびこのポリカルボゲルマン
類からなる導電性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ケイ素含有ポリマーが導電性を有
していることが見いだされ、このような化合物を導電性
材料として用いる試みが行われている。しかし同族のゲ
ルマニウムを含むポリマーは、ケイ素含有ポリマーに比
べてほとんど知られておらず、主鎖にジゲルマニレン部
と2価の不飽和有機基が交互に並んだポリカルボゲルマ
ン類は知られていない。また、ゲルマニウム含有ポリマ
ーを導電性材料として用いる試みとしては、主鎖にメチ
ルフェニルシリレン部とメチルフェニルゲルミレン部を
有するランダム共重合体が、AsFをドーピングする
ことにより10−6S/cmの電導度を示すことが知ら
れているのみである(特開昭61−87729)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規な化合
物である、主鎖にジゲルマニレン部と2価の不飽和有機
基が交互に並んだ導電性ポリカルボゲルマン類を提供す
ること、およびその製造方法を提供することをその目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ビス(ハロゲルマ
ン)類を、希釈剤を用いアルカリ金属によって重縮合さ
せることにより、温和な条件下に、主鎖にジゲルマニレ
ン部と2価の不飽和有機基が交互に並んだポリカルボゲ
ルマン類が得られることを見いだし、また、このポリカ
ルボゲルマン類が、導電性を有することを見いだした。
本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものであ
る。
【0005】すなわち本発明によれば、一般式(I) −[−GeR−R−GeR−]− (但し式中、R、R、RおよびRはアルキル
基、アリール基またはアラルキル基を示し、互いに同一
であっても、相異なっていてもよく、Rは2価のアル
ケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基または芳香
族複素環基を示し、nは3以上の整数を示す)で表わさ
れるポリカルボゲルマン類が提供される。
【0006】前記一般式(I)において、R、R
およびRはアルキル基、アリール基またはアラル
キル基を表し、互いに同一であっても、相異なっていて
もよい。アルキル基は、通常、炭素数1〜10である。
このようなアルキル基としては例えば、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル
基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキ
シル基等が挙げられる。アリール基としては例えば、フ
ェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げ
られる。また、アラルキル基は、少なくとも一つの芳香
族環を置換基として有する脂肪族炭化水素からなる一価
の基であり、通常、炭素数7〜15である。このような
アラルキル基としては例えば、ベンジル基、フェネチル
基等が挙げられる。また、上記のアルキル基、アリール
基、アラルキル基の炭素原子上に、アルコキシ基、アリ
ーロキシ基等の不活性置換基を含むことができる。この
ようなアルコキシ基としては例えば、メトキシ基、エト
キシ基等が挙げられ、アリーロキシ基としては例えば、
フェノキシ基等が挙げられる。
【0007】前記一般式(I)中のRとしては (A)2価のアルケニレン基、アルキニレン基 (B)2価のアリーレン基 (C)2価の芳香族複素環基 等が挙げられる。(A)としては例えば −HC=CH−、−CH=CH−CH=CH−、 −C≡C−、 −C≡C−C≡C−、
【0008】
【化1】
【0009】等が挙げられ、(B)としては例えば
【0010】
【化2】
【0011】等が挙げられ、(C)としては例えば
【0012】
【化3】
【0013】等が挙げられる。
【0014】また、上記の2価のアルケニレン基、アル
キニレン基、アリーレン基または芳香族複素環基の炭素
原子上に、アルコキシ基、アリーロキシ基等の不活性置
換基を含むことができる。このようなアルコキシ基とし
ては例えば、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、ア
リーロキシ基としては例えば、フェノキシ基等が挙げら
れる。
【0015】前記一般式(I)において、nは、3以
上、好ましくは10以上の整数である
【0016】本発明により提供されるポリカルボゲルマ
ン類はいずれも文献未載の新規化合物であり、これを例
示すると、ポリ(テトラメチルジゲルマニレン−エテニ
レン)、ポリ(1,2−ジメチル−1,2−ジエチルジ
ゲルマニレン−エテニレン)、ポリ(1,2−ジメチル
−1,2−ジフェニルジゲルマニレン−エテニレン)、
ポリ(テトラ(メトキシメチル)ジゲルマニレン−エテ
ニレン)、ポリ(テトラ(フェノキシメチル)ジゲルマ
ニレン−エテニレン)、ポリ(テトラフェニルジゲルマ
ニレン−1−メチルエテニレン)、ポリ(1,2−ジメ
チル−1,2−ジブチルジゲルマニレン−1−フェニル
エテニレン)、ポリ(1,2−ジメチル−1,2−ジベ
ンジルジゲルマニレン−1−エトキシエテニレン)、ポ
リ(テトラメチルジゲルマニレン−1−フェノキシエテ
ニレン)、ポリ((1,2−ジメチル−1,2−ジフェ
ニルジゲルマニレン)−1,3−ブタジエニレン)、ポ
リ(1,2−ジメチル−1,2−ジナフチルジゲルマニ
レン−エチニレン)、ポリ((1,2−ジメチル−1,
2−ジフェニルジゲルマニレン)−1,3−ブタジイニ
レン)、ポリ((テトラメチルジゲルマニレン)−1−
シクロヘキセン−1,2−イレン)、ポリ(テトラメチ
ルジゲルマニレン−o−フェニレン)、ポリ(テトラメ
チルジゲルマニレン−m−フェニレン)、ポリ((1,
2−ジメチル−1,2−ジフェニルジゲルマニレン)−
p−フェニレン)、ポリ(1,2−ジメチル−1,2−
ジエチルジゲルマニレン−p−フェニレン)、ポリ(テ
トラメチルジゲルマニレン−2,5−チエニレン)、ポ
リ(テトラメチルジゲルマニレン−3,4−チエニレ
ン)、ポリ(テトラメチルジゲルマニレン−2,5−フ
リレン)、ポリ(テトラメチルジゲルマニレン−3,4
−フリレン)、ポリ(テトラメチルジゲルマニレン−
2,5−ピリジレン)、ポリ(テトラメチルジゲルマニ
レン−1,4−ナフチレン)、ポリ(テトラメチルジゲ
ルマニレン−1,5−ナフチレン)、ポリ(テトラメチ
ルジゲルマニレン−2,6−ナフチレン)、ポリ(テト
ラメチルジゲルマニレン−2,7−ナフチレン)、ポリ
(テトラメチルジゲルマニレン−1,4−アンスリレ
ン)等が挙げられる。
【0017】次に、本発明のポリカルボゲルマン類の製
造方法について説明する。 (a)一般式(II) X−GeR−R−GeR−X (但し式中、XおよびXは塩素、臭素またはヨウ素
原子を示し、互いに同一であっても、相異なっていても
よく、R、R、RおよびRはアルキル基、アリ
ール基またはアラルキル基を表し、互いに同一であって
も、相異なっていてもよく、Rは2価のアルケニレン
基、アルキニレン基または芳香族複素環基を示す)で表
わされるビス(ハロゲルマン)類を、 (b)希釈剤を用い、アルカリ金属によって重縮合させ
ることにより、 (c)一般式(I) −[−GeR−R−GeR−]− (但し式中、R、R、RおよびRはアルキル
基、アリール基またはアラルキル基を示し、互いに同一
であっても、相異なっていてもよく、Rは2価のアル
ケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基または芳香
族複素環基を示し、nは3以上の整数を示す)で表わさ
れるポリカルボゲルマン類を製造することができる。
【0018】前記一般式(II)中、X及びXは塩
素、臭素またはヨウ素原子を表し、互いに同一であって
も、相異なっていてもよいが、好ましくは塩素または臭
素である。
【0019】さらに具体的に本発明で用いるビス(ハロ
ゲルマン)類を例示すると、1,2−ビス(クロロジメ
チルゲルミル)エチレン、1,2−ビス(クロロメチル
エチルゲルミル)エチレン、1,2−ビス(クロロメチ
ルフェニルゲルミル)エチレン、1,2−ビス(クロロ
ビス(メトキシメチル)ゲルミル)エチレン、1,2−
ビス(クロロビス(フェノキシメチル)ゲルミル)エチ
レン、1,2−ビス(クロロジフェニルゲルミル)プロ
ペン、1,2−ビス(クロロメチルブチルゲルミル)−
1−フェニルエチレン、1,2−ビス(クロロメチルベ
ンジルゲルミル)−1−エトキシエチレン、1,2−ビ
ス(クロロジメチルゲルミル)−1−フェノキシエチレ
ン、1,4−ビス(クロロメチルフェニルゲルミル)−
1,3−ブタジエン、1,2−ビス(クロロメチルナフ
チルゲルミル)アセチレン、1,4−ビス(ヨードメチ
ルフェニルゲルミル)−1,3−ジアセチレン、1,2
−ビス(クロロジメチルゲルミル)シクロヘキセン、
1,2−ビス(クロロジメチルゲルミル)ベンゼン、
1,3−ビス(クロロジメチルゲルミル)ベンゼン、
1,4−ビス(ブロモメチルフェニルゲルミル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(クロロメチルフェニルゲルミル)ベ
ンゼン、1−(クロロメチルフェニルゲルミル)−4−
(ブロモメチルフェニルゲルミル)ベンゼン、1,4−
ビス(クロロメチルエチルゲルミル)ベンゼン、2,5
−ビス(クロロジメチルゲルミル)チオフェン、2,5
−ビス(ブロモジメチルゲルミル)チオフェン、2−
(クロロジメチルゲルミル)−5−(ブロモジメチルゲ
ルミル)チオフェン、3,4−ビス(クロロジメチルゲ
ルミル)チオフェン、2,5−ビス(クロロジメチルゲ
ルミル)フラン、3,4−ビス(クロロジメチルゲルミ
ル)フラン、2,5−ビス(クロロジメチルゲルミル)
ピリジン、1,4−ビス(クロロジメチルゲルミル)ナ
フタレン、1,5−ビス(クロロジメチルゲルミル)ナ
フタレン、2,6−ビス(ブロモジメチルゲルミル)ナ
フタレン、2,7−ビス(ブロモジメチルゲルミル)ナ
フタレン、1,4−ビス(クロロジメチルゲルミル)ア
ントラセン等が挙げられる。
【0020】本発明で用いるアルカリ金属としては、リ
チウム、ナトリウム、カリウム等を挙げることができ、
これらは単独でもまたは合金としても用いることができ
る。その形態は分散状または液状のものが望ましいが、
反応条件により、塊りのままでも用いうる。
【0021】アルカリ金属とビス(ハロゲルマン)類の
モル比は、2:1で十分であるが10:1〜2:1の範
囲で、任意に選ぶことができる。
【0022】本発明で用いる希釈剤としては、ビス(ハ
ロゲルマン)類およびアルカリ金属と反応しない限り、
任意のものを用いることができる。これらを例示すれば
芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水素系、エーテル系等の
溶媒が挙げられる。特に、ヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン等が好ましく用いられ
る。これらの溶媒は単独で、または2種以上の混合物と
して用いられる。
【0023】本発明の反応温度に制限はなく室温〜25
0℃までの任意の温度で行なうことができる。塊状のア
ルカリ金属を用い、室温に近い温度で反応を行なう場合
には、超音波照射等により、反応を促進することができ
る。原料物質の構造にもよるが、一般的に好ましい温度
領域は20〜150℃である。
【0024】本発明の反応は通常、不活性雰囲気下にお
こなわれる。不活性雰囲気を例示すれば、窒素、アルゴ
ン等が挙げられる。
【0025】反応混合物からの目的のポリマーの分離
は、過剰のアルカリ金属をろ過またはアルコール等と処
理した後、溶媒による抽出及び再沈で、容易に行なうこ
とができる。
【0026】本発明の製造方法により得られるポリカル
ボゲルマン類は通常、電導度が10−8S/cm以下で
ある。しかしこのポリカルボゲルマン類にドーピングを
行うことにより、電導度は10〜10−7S/cmの
範囲にすることができる。従ってこのポリカルボゲルマ
ン類は導電性材料として用いることができる。
【0027】このドーピングの際にドーパントととして
は、従来から知られているもの等、種々のものを用いる
ことができる。例えば、I、SbF、AsF、S
、FeCl等が挙げられる。これらのドーパント
は単独で、または2種以上組み合わせて用いることがで
きる。
【0028】本発明法により得られるポリカルボゲルマ
ン類にドーピングを行う方法は特に限定されるものでは
ない。例えば、本発明法により得られるポリカルボゲル
マン類からなる薄膜を形成した後、これをドーパントの
蒸気にさらす方法およびドーパントの液体に浸す方法
や、予めポリカルボゲルマン類とドーパントを含む溶液
を用いてドーピングされた薄膜を形成する方法、または
ポリカルボゲルマン類とドーパントの混合物を用いてド
ーピングされたペレットを形成する方法等、種々の方法
を用いることができる。
【0029】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、もとより本発明は、これら実施例に限定されるも
のではない。
【0030】実施例1 窒素で置換した20mlシュレンク型フラスコ内で、室
温にて50wt%ナトリウムディスパージョン(固形パ
ラフィン)0.30g(6.47mmol)のトルエン
(1ml)スラリーに、トランス−1,2−ビス(クロ
ロジメチルゲルミル)エチレン3.03mmolのトル
エン溶液(1.2ml)を滴下した。水を満たした超音
波洗浄器(シャープ社製model UT−52、出力
50w)に反応器を浸し、暗室内で30分間、超音波照
射を行なったところ、黒紫色のスラリーとなった。反応
終了時の水温は50℃であった。反応液にイソプロピル
アルコール25mlを攪拌しながら少しずつ加え、過剰
のナトリウムを反応させた後、ろ過した。ろ別された固
体にトルエン30mlを加え、この溶液を水15mlず
つで3回洗浄した。トルエン層を濃縮し、これを再びト
ルエン5ml(60℃)に溶解しイソプロピルアルコー
ル15mlで再沈すると、ポリ(テトラメチルジゲルマ
ニレン−(E)−エテニレン)が無色粉末として0.2
12g(収率30%)得られた。
【0031】本化合物は文献に未収載の新規化合物であ
り、その物性値、スペクトルデータは以下の通りであっ
た。 H−NMR(C)δ 7.02(S,2H),
0.52(s,12H)ppm;13C−NMR(C
)δ 148.3,−3.5ppm。 IR(KBrディスク)1225、1152、990、
822、780、620、590、554cm−1。 UV(テトラヒドロフラン) 260nm(ε420
0)。 融点(空気中)87−89℃。 分子量(GPC、ポリスチレン基準) Mw 3280
0。 元素分析 実測値C31.15;H5.86% (C
14Geとしての計算値C31.15;H6.
10%。
【0032】実施例2 実施例1で得られたポリ(テトラメチルジゲルマニレン
−(E)−エテニレン)を1.1%ベンゼン溶液とし、
スピンコート法にてガラス基板上に薄膜(膜厚40n
m)を作成した。3mmx10mmの長方形の部分以外
を除去した後、金ペーストによって銅線端子を接着し、
二端子法で薄膜の電導度を測定したところ3.4x10
−7S/cm以下であった。この薄膜を減圧下(0.5
mmHg)で五フッ化アンチモンの蒸気に30分間さら
してドーピングを行なったところ、電導度は4x10
−4S/cmであった。
【0033】実施例3 実施例2の薄膜を常圧密封系で五フッ化アンチモンの代
わりに ヨウ素の蒸気にさらしてドーピングを行なった
ところ、電導度は1.3x10−4S/cmであった。
【0034】実施例4 窒素で置換した20mlシュレンク型フラスコ内で、1
20℃にて50wt%ナトリウムディスパージョン(固
形パラフィン)0.129g(2.80mmol)のト
ルエン(2ml)スラリーに、2,5−ビス(クロロジ
メチルゲルミル)チオフェンおよび2−(クロロジメチ
ルゲルミル)−5−(ブロモジメチルゲルミル)チオフ
ェンおよび2,5−ビス(ブロモジメチルゲルミル)チ
オフェンの混合物(モル比56:41:2)0.368
gのトルエン溶液(4ml)を滴下した。この混合物を
さらに100℃で6時間および120℃で4時間加熱撹
拌した。反応液をろ過し、ろ液をイソプロピルアルコー
ルで再沈して得られたポリマー、及びろ別された固体を
イソプロピルアルコールで処理した後トルエン洗浄して
得たポリマーを合わせ、水1mlずつで3回洗浄した。
これを室温でテトラヒドロフラン3mlに溶解しメタノ
ール15mlで再沈した。得られた沈殿を再び室温でト
ルエン2mlに溶解しヘキサン10mlで再沈するとポ
リ(テトラメチルジゲルマニレン−2,5−チエニレ
ン)が無色粉末として0.0275g(収率11%)得
られた。
【0035】本化合物は文献に未収載の新規化合物であ
り、その物性値、スペクトルデータは以下の通りであっ
た。 H−NMR(THF−d)δ 7.20(s,2
H),0.58(s,12H)ppm。 IR(KBrディスク)2375、2345、150
0、1415、1280、1245、1210、99
0、960、840、800、750、610、58
5、510cm−1。 UV(テトラヒドロフラン) 256nm(ε1910
0)。 軟化点(空気中)203〜206℃。 分子量(GPC、ポリスチレン基準) Mw 2500
0。 元素分析 実測値C32.74;H4.72% (C
14GeS)としての計算値C33.43;H
4.91%。
【0036】実施例5 実施例4で得られたポリ(テトラメチルジゲルマニレン
−2,5−チエニレン)を1%トルエン溶液とし、スピ
ンコート法にてガラス基板上に薄膜(膜厚38nm)を
作成した。3.5mmx20mmの長方形の部分以外を
除去した後、金ペーストによって銅線端子を接着し、二
端子法で薄膜の電導度を測定したところ1.8x10
−7S/cm以下であった。この薄膜を減圧下で五フッ
化アンチモンの蒸気に100分間さらしてドーピングを
行なったところ、電導度は3x10−4S/cmであっ
【0037】実施例6 実施例5の薄膜を常圧密封系で五フッ化アンチモンの代
わりに、ヨウ素の蒸気に11分間さらしてドーピングを
行なったところ、電導度は5.3x10−6S/cmで
あった。
【0038】実施例7 p−フェニレンビス(臭化マグネシウム)12.7mm
olとジクロロメチルフェニルゲルマン20.2mmo
l(4.78g)をTHFとベンゼンの混合溶媒(1:
1)40ml中で、60℃で16時間加熱撹拌した。反
応液を60℃でろ過し、ろ液を濃縮した後、濃縮物をヘ
キサンで抽出した。ヘキサン抽出液を減圧蒸留すること
により、淡黄色油状物2.09gを得た(34%)。こ
の油状物はp−ビス(クロロメチルフェニルゲルミル)
ベンゼン及びp−ビス(ブロモメチルフェニルゲルミ
ル)ベンゼンの混合物であった。この混合物1.10g
を、水素化アルミニウムリチウム0.22gとエーテル
10ml中で2時間還流下で加熱することによりp−ビ
ス(メチルフェニルゲルミル)ベンゼン0.43gを得
た(130℃/0.1Torr、55%)。この化合物
0.40gを四塩化炭素5ml中で還流下で加熱するこ
とにより、p−ビス(クロロメチルフェニルゲルミル)
ベンゼン0.40gを得た(89%)。p−ビス(クロ
ロメチルフェニルゲルミル)ベンゼン0.37gのトル
エン(2ml)溶液を、40%ナトリウムディスパージ
ョン(軽油)0.10gとトルエン1mlを還流下で加
熱している中に添加し、さらに2時間還流下で加熱後、
イソプロピルアルコール50mlで過剰ナトリウムを分
解した。紫色固体をろ取し、トルエン50mlに溶解、
ろ過後有機層を水洗し、濃縮した。トルエン(1ml)
とイソプロピルアルコール(10ml)の混合溶媒で再
沈し、ポリ(1,2−ジメチル−1,2−ジフェニルジ
ゲルマニレン−p−フェニレン)を淡黄色粉末として2
9mg(10%)得た。
【0039】本化合物は文献未収載の新規化合物で、そ
の物性値およびスペクトルデータは以下のとおりであっ
た。 融点117−119℃。 H−NMR(CDCl )δ7.27(br、14
H)、0.73(br、6H)ppm。 IR(KBr)1424、1081、454(Ge−P
h)cm −1 UV(THF)λ max 244nm(ε21500)。 元素分析測定値C、59.10;H、5.01% (C
20 20 Ge としての計算値C、59.23;
H、4.97%。
【0040】実施例8 実施例7で得られたポリ(1,2−ジメチル−1,2−
ジフェニルジゲルマニレン−p−フェニレン)を1%ト
ルエン溶液とし、スピンコート法にてガラス基板上に薄
膜(膜厚110nm)を作成した。40mmx210m
mの長方形の部分以外を除去した後、金ペーストによっ
て銅線端子を接着し、二端子法で薄膜の電導度を測定し
たところ1.8x10 −7 S/cm以下であった。この
薄膜を減圧下で五フッ化アンチモンの蒸気に60分間さ
らしてドーピングを行なったところ、電導度は4x10
−4 S/cmであった。
【0041】実施例9 実施例8の薄膜を常圧密封系で五フッ化アンチモンの代
わりに、ヨウ素の蒸気に5時間さらしてドーピングを行
なったところ、電導度は6.5x10 −5 S/cmであ
った。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
により提供される、主鎖にジゲルマニレン部と2価の不
飽和有機基が交互に並んだポリカルボゲルマン類は導電
性を有し、導電性材料として好適であり、本発明の産業
的意義は多大である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) −[−GeR12 −R3 −GeR45 −]n − (但し式中、R1 、R2 、R4 およびR5 はアルキル
    基、アリール基またはアラルキル基を示し、互いに同一
    であっても、相異なっていてもよく、R3 は2価のアル
    ケニレン基、アルキニレン基、アリ−レン基または芳香
    族複素環基を示し、nは3以上の整数を示す。)で表わ
    されることを特徴とするポリカルボゲルマン類。
  2. 【請求項2】 一般式(II) X1 −GeR12 −R3 −GeR45 −X2 (但し式中、X1 およびX2 は塩素、臭素またはヨウ素
    原子を示し、互いに同一であっても、相異なっていても
    よく、R1 、R2 、R4 およびR5 はアルキル基、アリ
    ール基またはアラルキル基を示し、互いに同一であって
    も、相異なっていてもよく、R3 は2価のアルケニレン
    基、アルキニレン基、アリーレン基、または芳香族複素
    環基を示す。)で表わされるビス(ハロゲルマン)類
    を、希釈剤を用い、アルカリ金属によって重縮合させる
    ことを特徴とする、請求項1の一般式(I) −[−GeR12 −R3 −GeR45 −]n − (但し式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびnは
    前記と同じ意味をもつ。)で表わされるポリカルボゲル
    マン類の製造方法。
  3. 【請求項3】 主鎖が請求項1の一般式(I) −[−GeR12 −R3 −GeR45 −]n − (但し式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびnは
    前記と同じ意味をもつ。)で表わされるポリカルボゲル
    マン類からなることを特徴とする導電性材料。
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