JPH0699407A - 改質木材の製法 - Google Patents

改質木材の製法

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JPH0699407A
JPH0699407A JP27809392A JP27809392A JPH0699407A JP H0699407 A JPH0699407 A JP H0699407A JP 27809392 A JP27809392 A JP 27809392A JP 27809392 A JP27809392 A JP 27809392A JP H0699407 A JPH0699407 A JP H0699407A
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wood
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impregnating
solution
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JP27809392A
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Masayuki Yume
眞行 湯目
Noriyuki Sato
敬之 佐藤
Hideaki Takahashi
秀明 高橋
Kiyoshi Sato
清 佐藤
Kinji Tamagawa
欣治 玉川
Shiyouzou Hirage
正三 平毛
Hiroaki Usui
宏明 碓氷
Satoru Konishi
悟 小西
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KYOGYO KUMIAI SENDAI FANICHIA
KYOGYO KUMIAI SENDAI FUANICHIA
Panasonic Electric Works Co Ltd
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KYOGYO KUMIAI SENDAI FANICHIA
KYOGYO KUMIAI SENDAI FUANICHIA
Matsushita Electric Works Ltd
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    • B27WORKING OR PRESERVING WOOD OR SIMILAR MATERIAL; NAILING OR STAPLING MACHINES IN GENERAL
    • B27KPROCESSES, APPARATUS OR SELECTION OF SUBSTANCES FOR IMPREGNATING, STAINING, DYEING, BLEACHING OF WOOD OR SIMILAR MATERIALS, OR TREATING OF WOOD OR SIMILAR MATERIALS WITH PERMEANT LIQUIDS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CHEMICAL OR PHYSICAL TREATMENT OF CORK, CANE, REED, STRAW OR SIMILAR MATERIALS
    • B27K3/00Impregnating wood, e.g. impregnation pretreatment, for example puncturing; Wood impregnation aids not directly involved in the impregnation process
    • B27K3/02Processes; Apparatus
    • B27K3/08Impregnating by pressure, e.g. vacuum impregnation
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、厚板材の内部まで不溶性無機化合
物を生成させ改質することにより建材等として用いるの
に適した難燃性、寸法安定性、防腐・防虫性、力学的強
度等を有する改質木材の製法を提供するにある。 【構成】 含浸剤として、反応して不溶性無機化合物を
生成するカチオン含有溶液をおよびアニオン含有溶液を
用意し、木材の幹軸方向に対して横断するように切断し
た一方の木口面から吸引し、木口面の細胞腔およびそれ
と連通する細胞腔内を負圧にするとともに、対応する他
方の木口面の細胞腔およびその連通する細胞腔内に含浸
剤である一方の含有溶液を加圧注入するようにして木材
組織の内部まで両含浸剤を含浸させ、カチオン含有溶液
とアニオン含有溶液とを木材中で反応させ不溶性無機化
合物を生成させるようにした改質木材の製法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建材等として用いるの
に適した難燃性、寸法安定性、防腐・防虫性、力学的強
度等を有する改質木材の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】木材の改質法として、含浸剤を含浸させ
る方法、木材等を化学修飾する方法、熱処理する方法等
により難然性、寸法安定性、防腐・防虫性、力学的強度
等を付与する方法が開発されている。ところが、上記の
性能を総合的に付与するには至っていない。発明者ら
は、この問題点を解決する方法をすでに見いだしてい
る。それは水に不溶な無機化合物を木材中に生成させる
ことにより、難然性、寸法安定性、防腐・防虫性および
力学的強度等を向上させる方法である(特開昭60−8
9423)。
【0003】一般に、木材に難然性を付与するための改
質方法は、以下のような難然化のメカニズムに基づいて
大別される。 a)無機物による被覆 b)炭化促進 c)発炎燃焼における連鎖反応の阻害 d)不燃性ガスの発生 e)分解・結晶水放出による吸熱 f)発泡層による断熱 ここで、木材に不溶性無機化合物を含ませるという改質
方法は、前記a)のほか、無機物の種類によっては、
b)ないしd)等による効果も併せて期待できる有効な
方法である。
【0004】ついで、この不溶性無機化合物を含む木材
の防腐・防虫効果について、説明する。菌類が木材を腐
敗させる際は、まず、菌糸が木材内腔中に侵入していく
のであるが、この木材内腔中に異物が存在すると菌糸の
侵入が防げられ、結果的に腐敗されにくくなる。この木
材内腔中の異物は、特に防腐効果がある薬剤(防腐剤)
等である必要はなく、菌類の養分になるものでなけれ
ば、何であってもよい。防虫についても防腐と同様であ
る。ただし、異物は薬剤効果のあるものであればそれに
こしたことはなく、例えば、虫に対して消化性の悪いも
の、消化しないもの、あるいは、忌避作用のあるものが
好ましい。したがって、不溶性無機化合物を木材内腔中
に含ませれば、木材の防腐・防虫に効果的なのである。
【0005】さらに、木材の寸法安定性および力学的強
度についてみれば、たとえば、木材を水で膨潤させてお
き、その状態で木材細胞壁中に何らかの物質を固定でき
れば、バルク効果により上記両特性が向上する。すなわ
ち、木材細胞壁内が充填剤によって占められていれば、
木材自体の膨潤あるいは収縮が起こりにくくなり、同時
に各種力学的強度も向上するのである。ここで、固定物
質としては、水に溶けにくい無機物も使いうるため、不
溶性無機化合物を木材細胞壁中に固定すればこうした効
果が得られる。しかも、この不溶性無機化合物は、いっ
たん木材組織内に定着させられれば、それ以降木材から
溶け出す虞れは少ないため、それらの効果が薄れるとい
った心配も少ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に各種の含浸剤を
木材等に含浸する方法としては拡散浸透法、煮沸処理
法、減加圧処理法が挙げられるが、木材の厚みが厚くな
るにつれて、木材内部まで含浸させるには長時間の処理
を要するし、これらの方法により改質処理を実施しよう
としても、生成物は木材料の表層部へ集中して生成し木
材内部まで処理を行うことは困難であった。不溶性無機
化合物を含浸・定着させるようにする改質方法において
も、同様の技術的課題があった。そのため、木材の改質
は、木材の表層部だけとなって、切削等により生成した
無機物が削られると容易に性能が低下するという問題点
があった。そこで近年考えられたのが、木材等の木口含
浸法とその装置である(特開平3−184801)。こ
の方法、装置によれば、1つの含浸剤を木材等の太さに
かかわらず、対象材料の芯までむらなく含浸させること
を可能としている。本発明は、この方法を用いて、木材
内部まで含浸剤を含浸させ不溶性無機化合物を生成させ
ることにより、木材の欠点である燃える、腐る、狂うと
いう欠点を木材内部まで改善した厚板材を製造する方法
を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決し、目
的を達成するための具体的手段を以下に示す。特許を受
けようとする第1発明は、含浸剤として、反応して不溶
性無機化合物を生成するカチオン含有溶液をおよびアニ
オン含有溶液を用意し、含浸剤圧入部と含浸剤吸引部か
らなる含浸装置を用意し、前記含浸装置の含浸剤圧入部
を木材の幹軸方向に対して横断するように切断した一方
の木口面に固定し、他方の横断するよう切断した木口面
に含浸剤吸引部を前記含浸剤圧入部と相対応するように
固定する。そして前記含浸剤吸引部を作動させて、対応
した木口面の細胞腔およびそれと連通する細胞腔内を負
圧にするとともに、前記含浸剤圧入部を作動して、対応
する木口面の細胞腔およびその連通する細胞腔内に含浸
剤である一方の含有溶液を加圧注入するようにする。そ
の際、必要に応じて、木口面に対する前記含浸剤吸引部
による吸引と、相対応する前記含浸剤圧入部による加圧
注入とを繰り返し、これによって含浸剤を当該木材の対
応する細胞腔およびそれに連通する細胞腔に沿って含浸
させた後、含浸剤である他方の含有溶液を同様に木口か
らの吸引・加圧注入法によって含浸させ、これによって
カチオン含有溶液とアニオン含有溶液とを木材中で反応
させ不溶性無機化合物を生成させるようにしたことを特
徴とする改質木材の製法である。
【0008】特許を受けようとする第2発明は、反応し
て不溶性無機化合物を生成するカチオン含有溶液および
アニオン含有溶液からなる含浸剤の含浸に先だって水を
木材に含浸させるか、または充分に水を含有する生材を
使用することを特徴とする第1発明の改質木材の製法で
ある。
【0009】特許を受けようとする第3発明は、一方の
含有溶液含浸剤を含浸させた後、相対応する木口面の他
方より他方の含有溶液含浸剤を含浸させるようにするこ
とを特徴とする第1発明の改質木材の製法である。
【0010】特許を受けようとする第4発明は、反応し
て不溶性無機化合物を生成するカチオン含有溶液とアニ
オン含有溶液とからなる含浸剤の含浸において、カチオ
ン含有溶液含浸剤をアニオン含有溶液含浸剤に先だって
含浸させることを特徴とする第1発明の改質木材の製法
である。
【0011】特許を受けようとする第5発明は、含浸剤
を構成する含有溶液が、反応して不溶性無機化合物を生
じさせるカチオン種として、Ba、Ca、Mg、Al、
Si、Mn、Znに示される群のうち少なくとも1種を
含有し、アニオン種として、CO3 、PO4 、SO4
BO3 、OH、F、Clに示される群のうち少なくとも
1種を含有する溶液であることを特徴とする第1発明の
改質木材の製法である。
【0012】尚、これらの方法によれば、含浸剤を木材
等の太さにかかわらず、対象材料の芯までむらなく含浸
させることが可能となるので、本発明では、この方法を
用いて、木材の内部に不溶性無機化合物を生成させる新
たな木材の改質法を具現化するものである。また、この
ような不溶性無機化合物を生成させる木材の改質方法に
おいては、反応する異種の含浸溶液を両方含浸させる必
要があるが、先に含浸させた含浸溶液が、その後に含浸
させる含浸溶液により流れ出てしまったり、また木口の
含浸剤入口で反応して詰まってしまい、木材内部まで処
理できないという問題点があるが、本発明はその点を解
決したものである。
【0013】この発明に用いられる改質のための原料木
材としては特に限定はされず、原木丸太、製材品、集成
材等が例示できる。それらの樹種についても何等限定さ
れるものではない。
【0014】木材中に生成させて木材組織内に分散・定
着させる不溶性無機化合物としては、特に限定はされな
いが、例えば硼酸塩、燐酸塩、炭酸塩、硫酸塩珪酸塩、
硝酸塩、フッ化物、臭化物、水酸化物等があげられ、2
種以上の無機物が木材中に共存されるようであってもよ
い。
【0015】また、1種の不溶性無機化合物中に、下記
に述べるカチオン部分を構成するもの、および/また
は、アニオン部分を構成するものが、それぞれ2種以上
含まれるようであってよい。前記のような無機化合物
(塩)のカチオン部分を構成する元素としては、Na、
K等のアルカリ金属、Mg、Ca、Sr、Ba等のアル
カリ土類金属、Zn、Alを用いることが好ましい。し
かし、カチオン種としてはこれらに限定されることはな
く、例えば、Mn、Ni、Cd等の遷移元素やSi、P
b等の炭素族元素等を使用してもよい。
【0016】アニオン含有溶液を構成する種としては、
BO3 、PO4 、CO3 、SO4 およびOHアニオンを
使用することが好ましい。しかし、これらに限定される
ことなく、例えば、F、Cl、Br、O、NO3 、Si
3 アニオン等も使用できる。このようなカチオンとア
ニオンは、各々単独で、あるいは複数種を併せて用いる
ことが可能であり、それらを含んだ水溶性の薬剤を各々
水に溶解させて、前記カチオン含有溶液を調整する。
【0017】なお上記ハロゲンおよびOHアニオン等
は、単独で使用される他、カチオン含有溶液および/ま
たはそのアニオンを含んだアニオン含有溶液にともに含
まれるようにして、木材中にアパタイト等を生じさせる
ように調整されてもよい。
【0018】水に溶解し、上記カチオンを生じさせる薬
剤としてはMgC12 、MgBr2、MgSO4 、Mg
(NO32 、AlCl3 、AlBr2 、Al2 (SO
43 、Al(NO33 、CaCl2 、CaBr2
Ca(NO32 、ZnCl2 、BaCl2 、BaBr
2 、Ba(NO32 、Ba(OH)2 、アクリル酸B
a、アクリル酸Ca等がその一例として挙げられるが、
これらに限定されることはない。水に溶解し上記アニオ
ンを生じさせる薬剤として、H3 BO3 、Na24
7 、NaBO3 、(NH42 O・5B23 、H3
4 、(NH42 HP04 、Na2 HPO4 、K2
PO4 、Na2 CO3 、(NH42 CO3 、H2 SO
4 、Na2 SO4 、(NH42 SO4 等が例示できる
が、同様にこれらに限定されることはない。
【0019】以上のようにして調整される含有溶液を、
含浸剤圧入部と含浸剤吸引部からなる含浸装置を用意
し、前記含浸装置の含浸剤圧入部を木材の幹軸方向に対
して横断するように切断した一方の木口面に固定し、他
方の横断するよう切断した木口面に含浸剤吸引部を前記
含浸剤圧入部と相対応するように固定し、前記含浸剤吸
引部を作動させて、対応した木口面の細胞腔およびそれ
と連通する細胞腔内を負圧にするとともに、前記含浸剤
圧入部を作動して、対応する木口面の細胞腔およびその
連通する細胞腔内に含浸剤を構成する一方の含有溶液を
加圧注入するようにし、必要に応じて、木口面に対する
前記含浸剤吸引部による吸引と、相対応する前記含浸剤
圧入部による加圧注入とを繰り返し、これによって当該
含有溶液を当該木材の対応する細胞腔およびそれに連通
する細胞腔に沿って含浸させた後、含浸剤を構成する他
方の含有溶液を同様にして含浸させることにより木材中
で反応させ不溶性化合物を生成させるようにすることが
本発明の特徴である。
【0020】このようにすることで、厚板材の内部にま
で薬剤が含浸し不溶性化合物が定着する。処理に先立
ち、木材中のピットの閉塞を防止し、含浸剤を含浸・拡
散を効果的に行うために原料木材に予め水を十分含ませ
ておくことが好ましい。また生材を使用することは、よ
り好ましい。含ませる水分量としては、少なくとも繊維
飽和点以上の含水率に調整することが好ましい。水を含
ませる方法としては、浸漬処理、減圧加圧、蒸煮等があ
げられ特に限定はないが、少なくとも前記含水率に木材
内部が達していることが好ましい。
【0021】さらに、含水処理を本発明の改質処理と同
様の方法ですることは、木材内部まで含水可能であるた
めに好ましい。次に反応させるカチオン、アニオンを含
む溶液を各々原料木材の同じ木口面より含浸しても、各
々別々の木口面より含浸してもよく、またカチオン、ア
ニオン含有溶液の含浸させる順番、回数等は特に限定さ
れないが、不溶性化合物を均一、多量に生成させるため
には、第2液は第1液と反対の木口面より含浸する、ま
たカチオン含有溶液をアニオン含有溶液に先だって含浸
するようにすることが好ましい。
【0022】これらのことは、以下の理由による。第1
液を含浸すると、木材の含浸方向に含浸剤の分布ができ
る。(入口:大 出口:小)ここで、第2液を第1液と
同じ木口面より含浸すると、生成する不溶性無機化合物
の分布は前記分布と同様になる。また多量に不溶性無機
化合物を生成させる場合は、入口部で生成する不溶性無
機化合物により第2液が含浸しにくくなる。また、第2
液の含浸時には、木材中に含浸している第1液が出口よ
り流出する。この際、木材のカチオンを吸着する性質を
利用すると、含浸させた第1液を流出させることなく、
第2液とを効果的に反応させ得る。
【0023】このように、本発明は、木口面に露呈する
細胞腔およびこれに連通する組織を利用し、カチオン含
有溶液、アニオン含有溶液を含浸、反応させるようにす
るため厚板材の内部まで改質処理を実施することが可能
となった。
【0024】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づき詳細に
説明する。
【0025】実施例1 本実施例で使用した装置の構成を図1に示す。杉材(縦
120×横120×680mm)を装置に取り付け、ま
ず水を含浸させ、その後、含浸剤である第1の含有溶液
BaCl2 の25wt%溶液を含浸させ、つぎに含浸剤
である第2の含有溶液(NH42 HPO4 の40wt
%溶液を含浸後これを反応させた。そして得られた無機
処理木材の無機物の含浸率と含浸状態を表1に示す。ま
た、本実施例、比較例の材形状、実施例1と比較例の無
機物生成状況を示すために材の形状の図およびX線透視
写真の複写図を図2,図3に示す。尚添付した参考写真
1,2,3は図2に示したX線透視写真12,13,1
4である。
【0026】実施例2 実施例1と同様に、杉材(縦120×横120×680
mm)を装置に取り付け、まず水を含浸させた。その
後、含浸剤である第1の含有溶液BaCl2 の20wt
%を含浸させ、つぎに含浸剤である第2の含有溶液(N
42 HPO4の13wt%含浸後これを反応させ
た。得られた無機処理木材の無機物の含浸率と含浸状態
を表1に示す。
【0027】実施例3 ラジアータパイン(縦120×横120×680mm)
を装置に取り付け、まず水を含浸させた後、含浸剤であ
る第1の含有溶液BaCl2 の20wt%を含浸させ、
つぎに含浸剤である第2の含有溶液(NH42 HPO
4 の13wt%を含浸・反応させた。得られた無機処理
木材の無機物の含浸率と、含浸状態を表1に示す。
【0028】比較例1 桧材(縦150×横30×15mm)を装置に取り付
け、まず水を含浸させた後、第1溶液BaCl2 の2モ
ル/水1〓を80℃に温めた溶液に24時間浸漬し、そ
の後第2溶液(NH42 HPO4 の8モル/水1〓を
80℃に温めた溶液に24時間浸漬することにより、当
該溶液を木材組織内に含浸させ、反応させて、改質木材
を得た。得られた無機処理木材の無機物の含浸率と、含
浸状態を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】上記実施例の結果、本発明の実施例は長さ
方向に中心部まで一様に含浸し、不溶性無機化合物が木
材組織内の芯部まで一様に生成している。これに対し、
比較例は含浸や不溶性無機化合物の生成が木口面より3
mmに集中して生成しているだけである。このように本
発明は、従来困難とされていた厚板材の内部まで不溶性
無機化合物を生成させることが可能となった。
【0031】
【発明の効果】本発明では、反応して不溶性化合物を生
成するカチオンとアニオンを含有する含浸剤の含有溶液
を木材の組織構造を利用して、木口面より吸引・圧入と
いう強制的手段によって木材の幹の長手方向の深部まで
一様に含浸させて反応させ、前記不溶性無機化合物を生
成・定着させる改質木材の製法である。
【0032】このように本発明は、含浸剤を構成するカ
チオン含有溶液とアニオン含有溶液とを木材の中心部ま
でいかに効率よく含浸するかを工夫してあるので、従来
困難と思われていた厚板材の内部まで不溶性無機化合物
を生成させ改質することが可能となったので、建材等と
して用いるのに適した難燃性、寸法安定性、防腐・防虫
性、力学的強度等を総合的に有する改質木材を具現化で
きることとなった。このような建材は、従来は合板等の
積層材を使用するしかなかったが、本発明により厚板、
角材等の利用が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するのに使用する含浸装置の構成
を示す説明図である。
【図2】本実施例の材形状と実施例1の無機物生成状況
を示すために材の形状の図およびX線透視写真の複写図
である。
【図3】比較例の材形状と比較例の無機物生成状況を示
すために材の形状の図およびX線透視写真の複写図であ
る。
【参考写真1】図2に示したX線透視写真12である。
【参考写真2】図2に示したX線透視写真13である。
【参考写真3】図2に示したX線透視写真14である。
【主な符合の説明】
1 含浸剤圧入部 2 含浸剤吸引部 3 木材固定具 4 含浸容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 敬之 宮城県仙台市青葉区本町2丁目7番3号 協業組合仙台ファニチャ内 (72)発明者 高橋 秀明 宮城県仙台市太白区金剛沢1丁目30−11 (72)発明者 佐藤 清 宮城県仙台市太白区緑ケ丘1丁目28番4号 (72)発明者 玉川 欣治 宮城県多賀城市丸山1丁目16番14−11号 (72)発明者 平毛 正三 大阪府門真市大字門真1048 松下電工株式 会社内 (72)発明者 碓氷 宏明 大阪府門真市大字門真1048 松下電工株式 会社内 (72)発明者 小西 悟 大阪府門真市大字門真1048 松下電工株式 会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含浸剤として、反応して不溶性無機化合
    物を生成するカチオン含有溶液をおよびアニオン含有溶
    液を用意し、含浸剤圧入部と含浸剤吸引部からなる含浸
    装置を用意し、前記含浸装置の含浸剤圧入部を木材の幹
    軸方向に対して横断するように切断した一方の木口面に
    固定し、他方の横断するよう切断した木口面に含浸剤吸
    引部を前記含浸剤圧入部と相対応するように固定し、前
    記含浸剤吸引部を作動させて、対応した木口面の細胞腔
    およびそれと連通する細胞腔内を負圧にするとともに、
    前記含浸剤圧入部を作動して、対応する木口面の細胞腔
    およびその連通する細胞腔内に含浸剤である一方の含有
    溶液を加圧注入するようにし、必要に応じて、木口面に
    対する前記含浸剤吸引部による吸引と、相対応する前記
    含浸剤圧入部による加圧注入とを繰り返し、これによっ
    て含浸剤を当該木材の対応する細胞腔およびそれに連通
    する細胞腔に沿って含浸させた後、含浸剤である他方の
    含有溶液を同様に木口からの吸引・加圧注入法によって
    含浸させ、これによってカチオン含有溶液とアニオン含
    有溶液とを木材中で反応させ不溶性無機化合物を生成さ
    せるようにしたことを特徴とする改質木材の製法。
  2. 【請求項2】 反応して不溶性無機化合物を生成するカ
    チオン含有溶液およびアニオン含有溶液からなる含浸剤
    の含浸に先だって水を木材に含浸させるか、または充分
    に水を含有する生材を使用することを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の改質木材の製法。
  3. 【請求項3】 一方の含有溶液含浸剤を含浸させた後、
    相対応する木口面の他方より他方の含有溶液含浸剤を含
    浸させるようにすることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の改質木材の製法。
  4. 【請求項4】 反応して不溶性無機化合物を生成するカ
    チオン含有溶液とアニオン含有溶液とからなる含浸剤の
    含浸において、カチオン含有溶液含浸剤をアニオン含有
    溶液含浸剤に先だって含浸させることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の改質木材の製法。
  5. 【請求項5】 含浸剤を構成する含有溶液が、反応して
    不溶性無機化合物を生じさせるカチオン種として、B
    a、Ca、Mg、Al、Si、Mn、Znに示される群
    のうち少なくとも1種を含有し、アニオン種として、C
    3 、PO4 、SO4 、BO3 、OH、F、Clに示さ
    れる群のうち少なくとも1種を含有する溶液であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の改質木材の製
    法。
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