JPH0482709A - 改質木材の製法 - Google Patents

改質木材の製法

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JPH0482709A
JPH0482709A JP20073890A JP20073890A JPH0482709A JP H0482709 A JPH0482709 A JP H0482709A JP 20073890 A JP20073890 A JP 20073890A JP 20073890 A JP20073890 A JP 20073890A JP H0482709 A JPH0482709 A JP H0482709A
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JP
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wood
insoluble
raw material
inorganic substance
water
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JP20073890A
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English (en)
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Satoru Konishi
悟 小西
Hiroaki Usui
宏明 碓氷
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、住宅設備、建築材料等として用いられる改
質木材の製法に関する。
〔従来の技術〕
木材の改質方法として、不溶性不燃性無機物を木材中に
含ませることにより、難燃性(防火性)、寸法安定性、
防腐・防虫性、力学的強度1表面硬度等を付与する方法
が研究開発されている。
一般に、木材に難燃性を付与するための改質方法は、以
下のような難燃化のメカニズムに基づいて大別されてい
る。
(a)  無機物による被覆 (′b)炭化促進 (C)  発炎燃焼における連鎖反応の阻害(dl  
不燃性ガスの発生 (e)  分解・結晶水放出による吸熱(f)  発泡
層比よる断熱 ここで、木材中に不溶性不燃性無機物を含ませるという
改質方法は、以下に説明するように、上記(a)以外に
も、無機物の種類によっては、(b2、(c)、(d)
等による効果も併せて期待できる優れた方法である。し
かも、不溶性不燃性無機物は、−旦、木材組織内に定着
させられれば、木材から溶は出す恐れが少ないので、前
記効果が薄れるといった心配も少ない。
上記(alから(dlまでの難燃化のメカニズムについ
て、次に詳しく説明する。
(alの無機物による被覆は、たとえ可燃性の材料であ
っても、それを不燃性の無機物と適当な配合比で複合す
ることにより難燃化しうるということである。たとえば
、従来知られている木片セメント板は、可燃性木材を不
燃性のセメントと約3対1ないし1対1の重量配合比で
混合し、板状に成形したものであって、JTSで準不燃
材料として認められている。
(blの炭化促進は、次のようなメカニズムである。木
材は、加熱されると熱分解して可燃性ガスを発生し、こ
れが発炎燃焼するわけであるが、この時、リン酸あるい
はホウ酸が存在すると、木材の熱分解、すなわち炭化が
促進され、速やかに炭化層が形成される。この炭化層が
断熱層として作用し、難燃効果が生じる。したがって、
不溶性不燃性無機物がリン酸成分あるいはホウ酸成分を
含む場合は、難燃効果が一層高いものとなる。
(C)の発炎燃焼における連鎖反応の阻害とは、ハロゲ
ンにより寄与されるものであり、炎中でのラジカル的な
酸化反応において、ハロゲンが連鎖移動剤として作用す
る結果、酸化反応が阻害されて難燃効果が生じるという
メカニズムである。したがって、不溶性不燃性無機物が
ハロゲンを含んでおれば、このメカニズムによる難燃効
果も得られる。
(dlの不燃性ガスの発生は、次のようなメカニズムで
ある。すなわち、炭酸塩、アンモニウム塩等の化合物が
、熱分解により炭酸ガス、亜硫酸ガス、ハロゲン化水素
などの不燃性ガスを発生し、これらのガスが可燃性ガス
を希釈することにより燃焼を妨げるというメカニズムで
ある。したがって、不溶性不燃性無機物が炭酸塩等の不
燃性ガスを発生しうるものを含んでいれば、このメカニ
ズムによる難燃効果も併せて得られる。
次に、木材の防腐・防虫化について説明する。
菌類が木材を腐敗させる際、まず、菌糸が木材内腔中へ
侵入することが不可欠である。しかし、木材内腔中に異
物が存在すると菌糸が侵入できないため、木材は、結果
的に腐敗しにく(なる。木材内腔中の異物は、防腐効果
のある薬剤(防腐剤)である必要は特になく、菌類の養
分になるものでなければ、何であっても良い。防虫につ
いても防腐と同じである。したがって、不溶性不燃性無
機物を木材内腔中に含ませれば、木材の防腐・防虫性を
向上させうる。ただし、前記異物は、薬剤効果があるも
のであればそれにこしたことはなく、たとえば、虫に対
して消化性の悪いもの、消化しないもの、あるいは、忌
避作用のあるものが好ましい。
さらに、木材の寸法安定化および力学的強化について説
明する。木材を水で膨潤させておいて木材細胞壁中に何
らかの物質を固定できれば、バルク効果により、寸法安
定化効果および力学的強化効果が得られる。すなわち、
木材細胞壁内が充填材によって占められておれば、木材
自体の膨張あるいは収縮が起こりにくくなり、同時に、
各種力学的強度も向上するのである。ここで、固定物質
としては、水に熔けにくい無機物も使いうる。したがっ
て、不溶性不燃性無機物を木材細胞壁中に固定すれば、
寸法安定性および力学的強度を向上させうる。
最後に、木材の硬度(表面硬度)向上について説明すれ
ば、一般に、木材の硬度を上げるためには、木材内部の
導管等の空隙や木材の細胞壁に無機物等の硬い物質を詰
め込んでやればよいため、木材内に不溶性不燃性無機物
を定着させることにより、木材細胞の補強ならびに硬度
の上昇という効果が得られる。この場合に、木材の表層
部分に集中的に無機物を生成させれば、より効果的であ
る。
以上のように、不溶性不燃性無機物を含ませるという方
法は、難燃化をはじめとする木材の改質において非常に
有効であるが、従来、下記のような問題を有していた。
一般に、不溶性不燃性無機物は、そのまま水などの溶媒
に加えても熔解せず、不溶性不燃性無機物の分散液を形
成するだけであり、この分散液からなる処理液中に木材
を浸漬して処理液を木材中に浸透させようとしても、浸
透していくのは、はとんど水等の溶媒のみとなってしま
う。これは、次のような理由による。すなわち、木材中
に浸透する際に処理液が通過する経路のうち、最も狭い
部分はピ・7トメンプランであるが、ここにおける空隙
径が約0. I nであるのに対し、分散した不溶性不
燃性無機物の粒子は、普通、0.1 nよりもかなり大
きいからである。
そこで、この問題を解決できる方法が開発された。すな
わち、混合することにより互いに反応して不溶性不燃性
無機物を生しさせるカチオンおよびアニオンを別々に含
ませた2種の水溶液(以下、順に「カチオン含有処理液
」、「アニオン含有処理液」と称する)を、水溶性無機
物を水に溶解させることにより調製し、雨水溶液を順に
原料木材中に含浸させて、木材中で上記両イオンを反応
させることにより、不溶性不燃性無機物を生成させると
いう改質木材の製法である(特開昭61246003号
公報等参照)。
この方法によれば、不溶性不燃性無機物を、固体粒子と
して浸透させるのでなく、イオンの形で水などの媒体中
に溶存させた状態で浸透させるので、含浸が容易であり
、極めて多量の不溶性不燃性無機物を効率良く木材中に
含ませることができる。そのため、防腐・防虫性や寸法
安定性等に極めて優れた改質木材を得ることができる。
この改質方法においては、具体的には、カチオン含有処
理液およびアニオン含有処理液は、所定のカチオンを含
む水溶性無機物および所定のアニオンを含む水溶性無機
物を別々に水に溶解させることにより得られ、より具体
的には、通常、単独の水溶性無機物を含む処理液の組み
合わせ(単独溶液系の掛は合わせ)が用いられている。
たとえば、Ca C11を含むカチオン含有処理液とに
2CO,を含むアニオン含有処理液とを木材に含浸させ
たり、AlC1,を含むカチオン含有処理液と(NH4
)、HPO4を含むアニオン含有処理液とを木材に含浸
させたりして、木材中に不溶性不燃性無機物を生成させ
るようにしている。
このような木材の改質方法では、互いに反応し7て不溶
性不燃性無機物を生成するカチオンとアニオンをそれぞ
れ別々に含む複数の処理液を別々に原料木材に含浸させ
るようにしているのであるが、最近になって、前記カチ
オンとアニオンを共存させた1種類の処理液を原料木材
に含浸させた後に前記カチオンとアニオンとを反応させ
て、木材内に前記不溶性不燃性無機物を生成・定着させ
ることによって、同様の作用効果が得られる方法が特許
出願されている(特願平2−139372号参照)。こ
の方法では、所定のpH値範囲内では互いに反応して不
溶性不燃性無機物を生成するカチオンとアニオンを上記
pH値範囲を外れたpH条件下で含有する処理液を、改
質しようとする原料木材に含浸させた後、前記原料木材
内に含浸された前記処理液のp)Iを前記pH値範囲内
の値に変化させることによって、前記原料木材組織内に
前記不溶性不燃性無機物を生成・定着させるようにして
おり、この方法は、極めて便利な方法である。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、前記従来の改質木材の製法では、難燃性、防
腐・防虫性等については優れた改質木材を得ることがで
きるが、木材の寸法安定性に関しては、場合によっては
、その改善率が低く、充分な性能が得られないという問
題があった。
このような事情に鑑み、この発明は、従来法により得ら
れた改質木材に比べて、寸法安定性がより向上した改質
木材を効率良く得ることができる方法を提供することを
課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
前記課題を解決するため、この発明にかかる改質木材の
製法は、所定のpH値範囲内では互いに反応して不溶性
不燃性無機物を生成するカチオンとアニオンを上記pH
値範囲を外れたpH条件下で含有する処理液(以下、こ
れを「イオン含有処理液」と称する。)を、改質しよう
とする原料木材に含浸させた後、前記原料木材内に含浸
された前記処理液のpHを前記ptt値範囲内の値に変
化させることによって、前記原料木材組織内に前記不溶
性不燃性無機物を生成・定着させるようにする改質木材
の製法であって、不溶性硬化樹脂を生成させる成分を含
む水溶液(以下、これを「樹脂水溶液」と称する。)も
前記原料木材に含浸させて、前記原料木材組織内に前記
不溶性不燃性無機物とともに前記不溶性硬化樹脂も生成
・定着させるようにすることを特徴とするものである。
この発明に用いられる改質のための原料木材としては、
特に限定はされず、原木丸太、製材品、スライス単板、
合板等が例示される。それらの樹種等についても何ら限
定されることはない。
この発明において、木材中に生成させて木材組織内に分
散・定着させる不溶性不燃性無機物(不溶性生成物)と
しては、特に限定はされないが、たとえば、ホウ酸塩、
リン酸塩、リン酸水素塩、炭酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩
、ケイ酸塩、硝酸塩、水酸塩(水酸化物−)、アルミン
酸塩等の各種塩が挙げられる。これらの塩のうち、たと
えば炭酸塩について具体例を挙げると、BaCO5、C
aCot 、FeCow 、MgCot 、Mn、CO
3、N1COt 、ZnCOx等である。これらは、2
種以上が木材中に共存するようであってもよい。
木材内の不溶性不燃性無機物は、木材セルロースと反応
した形で定着していてもよい。
なお、原料木材に含浸させるイオン含有処理液中に含ま
れるイオンとして、後述のカチオンおよび/またはアニ
オン部分が2種以上含まれていてもよい。
前記不溶性不燃性無機物のカチオン部分を構成するもの
としては、特に限定されないが、たとえば、Na、にな
どのアルカリ金属、Ca、Ba。
Mg、Srなどのアルカリ土類金属、Mn、NiCd等
の遷移元素、Si、Pb等の炭素族元素、Zn、/11
!などが挙げられる。これらのうちでも、周期表のII
a族、nb族およびIIb族の元素のカチオンが好まし
い。
前記不溶性不燃性無機物のアニオン部分を構成するもの
としては、特に限定されないが、たとえば、B、O,、
Bos 、PO,、Co、 、So。
、Not 、AlOx 、5ift 、5if4、C1
、Br、F、IおよびOH等が挙げられる。これらのう
ちでも、BO,、PO,、Co、 、So4、NO□、
A10* 、5ins 、SiO4およびOHアニオン
が好ましい。また、前記アニオンのうちでB2O,、B
O,およびpo4は前記(b)のメカニズムによる効果
、COsは前記(d+のメカニズムによる効果、C1、
F % B rなどのハロゲンは、前記(C)および(
d)のメカニズムによる効果が、それぞれ、期待できる
もちろん、前記カチオンとアニオンとの組み合わせに関
しては、両者が同一の処理液中に存在しても、同処理液
のpH値を所定の範囲内に設定することによって、不溶
性不燃性無機物が生成せずに均一な水溶液(イオン含有
処理液)が形成され、しかも、イオン含有処理液を原料
木材に含浸後は、木材内の処理液のpH値を適当に変化
させることによって、木材組織内で不溶性不燃性無機物
が生成されやすいような組み合わせが適宜選択される水
に熔けて前記所望のカチオンを生じさせる無機物〔以下
、これを「水溶性無機物(I)」と称する。〕としては
、たとえば、M g Cl z 、M gBrx 、M
gSO4・Hz O,Mg (Noり16HX O,C
a(1!t 、CaBrg 、Ca  (N。
s)z 、BaCj!t  ・2Hi O,BaBr*
 、Ba(NO=)z 、AI CI!−、AI B 
rt 、A42t(SOi)s 、AN (NOs)s
  −9H! 01ZnCj!t等が挙げられるが、こ
れらに限定されない。
水に溶けて前記所望のアニオンを生じさせる無機物〔以
下、これを「水溶性無機物(■)」と称する。〕として
は、たとえば、NaOH,NagCO3、(NH4)2
 cos 、Hz SO4、NagSO4、(NH4)
−SO4、H−PO4、Na。
HPO4、(NH4)、HPO,、H,BO,、Na 
B O= 、NH4B O−、HNO* 、KNO−な
どが挙げられるが、やはり、これらに限定されない。
以上の水溶性無機物(I)および(I[)は、各々が単
独で用いられるほか、互いに反応せずに均一な水溶液を
形成できる範囲内で、1処理液中に各々を複数種併用す
るようにしてもよい。
イオン含有処理液の調製法としては、特に限定されない
が、たとえば、下記■、■の方法等が挙げられる。
■ 水溶性無機物(1)と、水溶性無機物(■)とを水
に加えた後、必要に応じて、酸または塩基を加えて、処
理液のpH値を、不溶性不燃性無機物が生成しないよう
な範囲内に設定する方法。この方法の場合、前記水溶性
無機物(1)と水溶性無機物(II)との組み合わせに
ついては、両方とも塩であってもよいし、一方が酸また
は塩基で他方が塩であってもよいし、一方が酸で他方が
塩基であってもよい。一方が酸で他方が塩基である場合
は、酸または塩基のうちいずれか一方を他方に対して過
剰に加えることによって、不溶性不燃性無機物が生成し
ないような均一な溶液を形成させるようにしてもよい。
■ 前記不溶性不燃性無機物を水に加えた後、酸または
塩基を加えて、処理液のpH値を、同不溶性不燃性無機
物が熔解して、均一な水溶液を形成するような範囲内に
設定する方法。
前記イオン含有処理液を調製する際に設定される処理液
のpH値範囲については、同処理液に含まれるカチオン
およびアニオンの種類に応じて適宜定まる。
前記イオン含有処理液の濃度についても、特に限定され
ず、必要とする含浸量に応じて適宜選択すればよい。
一方、前記イオン含有処理液とともに、原料木材に含浸
する樹脂水溶液としては、水に溶解して容易に木材組織
内に含浸され、含浸後に加熱等の処理を行うことにより
木材中で重合・硬化して、水に不溶の樹脂を生成するよ
うな成分を含むものであれば、特に限定されないが、た
とえば、アミノトリアジン類とグアニジン類のうちの少
なくとも1種、アクリルアミド類のうちの少なくとも1
種、ホルマリン(ホルムアルデヒド)および酸の混合水
溶液等が好ましい。このような混合水溶液に含まれる成
分の具体例としては、特に限定されず、アミノトリアジ
ン類については、メラミン、アムメリン、グアノメラミ
ン、メラム等が、グアニジン類については、ジシアンジ
アミド、グアニール尿素、グアニジン等が、アクリルア
ミド類については、アクリルアミド、メタクリルアミド
等が、酸については、リン酸等がそれぞれ好ましい。こ
れらの成分を重合・硬化させて得られるメラミン樹脂等
の難燃効果を持つN基含有樹脂を木材中に生成・定着さ
せると、得られる改質木材の寸法安定性が向上するのは
もちろんのこと、改質木材の難燃性向上にもつながるか
らである。また、前記酸として、リン酸やホウ酸を用い
ると、やはり改質木材の難燃性が向上するからである。
以上のイオン含有処理液と樹脂水溶液による原料木材の
含浸処理は、特に限定されるわけではないが、たとえば
、以下のようにして行われる。
まず、イオン含有処理液と樹脂水溶液のうちのいずれか
一方の含浸液(第1液)に原料木材を常圧下で浸漬する
などして、原料木材中に第1液を含浸させる。この第1
液の含浸後、同様にして、原料木材中に他方の含浸液(
第2液)を含浸させる。
上記のごとくして、イオン含有処理液と樹脂水溶液の2
液が含浸された後、さらに必要に応じては、第3液、第
4液、第5液・・・等を用意して繰り返し含浸させ、生
成物層の緻密化を図るようにしてもよい。このとき用い
られるイオン含有処理液および樹脂水溶液は、それぞれ
、同一種のものであっても、異種のものであっても構わ
ないし、その濃度等も特に限定はされない。各液の含浸
処理方法、含浸処理時間等も、特に限定されることはな
く、常圧下で浸漬含浸させたり、減圧下または加圧下で
含浸させたり、塗布にょる含浸を行ったりすることもで
きる。
なお、第1液の含浸処理に先立ち、原料木材に飽水処理
を施して、木材を充分に飽水された状態にしておくこと
が推奨される。これにより、木材中の水を媒体として第
1液中の溶質が速く拡散していくようになり、処理時間
を短縮することができるためである。飽水処理方法は、
特に限定されないが、水中貯木、スチーミング、減圧下
含浸、加圧下含浸なとで行う。なお、第1液を減圧下含
浸させる場合には、この飽水処理を行う必要は必ずしも
ない。
上述のように、イオン含有処理液と樹脂水溶液を別個に
含浸させる場合、両液の含浸順序については、特に限定
されない。また、両液の含浸時期についても、特に限定
されないが、最初にイオン含有処理液を含浸させる場合
は、同液を原料木材に含浸後、木材を酸またはアルカリ
処理し、木材内OpH値を変化させて、木材内に不溶性
不燃性無機物を生成・定着させた後に、樹脂水溶液を含
浸させるようにすることが好ましい。この場合、樹脂水
溶液を含浸させることによって、木材内のpH値を、不
溶性不燃性無機物が生成するような所定の範囲内に変化
させるようにしてもよい。また、最初に樹脂水溶液を含
浸させる場合は、同液を含浸後、木材を加熱するなどし
て、木材内に不溶性硬化樹脂を生成・定着させた後に、
イオン含有処理液を含浸させるようにすることが好まし
い。このように、最初に木材内に含浸させた含浸液中の
水溶性成分を、次の含浸液を含浸させる前または含浸さ
せると同時に水に不溶性にしておくと、前記法の含浸液
を含浸させる際に、木材の改質に必要な成分が木材外へ
溶出することを抑えられるからである。
イオン含有処理液と樹脂水溶液は、前述したように、別
個に含浸させてもよいが、これに限定されず、含浸効率
を良くする等の目的で、両液の混合溶液を含浸させるよ
うにしてもよい。このような混合溶液を調製する方法と
しては、たとえば、イオン含有処理液と樹脂水溶液を別
個に調製した後、両液を混合する方法、両液を構成する
全溶質を同一の水に加え溶解する方法、等が挙げられる
が、特に限定はされない。もちろん、このような混合溶
液のP)l値については、不溶性不燃性無機物が析出せ
ずに、均一な溶液を形成するような範囲内に設定してお
く必要がある。
前記のようにしてイオン含有処理液が含浸された原料木
材内に不溶性不燃性無機物を生成・定着させるために設
定される木材内の含浸液のpH値範囲については、前記
不溶性不燃性無機物のi類に応じて適宜定まる。木材内
の処理液OpH値を、不溶性不燃性無機物が生成・定着
するような所定の範囲内に設定する方法については、特
に限定されず、たとえば、前記イオン含有処理液の含浸
終了後、木材に酸またはアルカリ処理液を含浸させる方
法、あるいは、木材を酸またはアルカリ雰囲気中に放置
する方法、等が挙げられる。また、前述したように、樹
脂水溶液を含浸させることによって、木材内のpH値を
前記範囲内に設定するようにしてもよい。
なお、必要に応じては、養生を行って不溶性不燃性無機
物の生成反応を促進させるようにしてもよい。
一方、前記のようにして原料木材内に含浸された樹脂水
溶液の成分を重合・硬化させる方法としては、たとえば
、加熱、γ線放射等が挙げられるが、特に限定されない
。この重合・硬化処理は、木材に熱等を加えて木材を乾
燥させながら行うようにしてもよいし、乾燥処理とは別
々に行うようにしてもよい。加熱により重合・硬化させ
る際の温度は、70〜120℃程度が望ましく、硬化時
間は、2時間以上が望ましいが、これに限定されない。
重合・硬化を効率良く行うためには、特に限定されるわ
けではないが、樹脂水溶液に開始剤、触媒、硬化剤等の
添加剤をあらかじめ添加しておくことが好ましい。この
ような添加剤としては、たとえば、前記アクリルアミド
類のビニル基を重合させる場合は、過硫酸カリウム、過
酸化水素水などの過酸化物等が好ましく、メラミン樹脂
等のメチロール基を縮合させる場合には、塩化アンモニ
ウム、パラトルエンスルホン酸などの酸触媒等が好まし
いが、これらに限定されるものではない。
以上の処理により木材内に不溶性不燃性無機物と不溶性
硬化樹脂を生成・定着させた後、木材表面の水洗等を必
要に応じて行い、乾燥させることにより所望の改質木材
が得られる。
〔作   用〕
木材内に不溶性不燃性無機物を定着させるとともに、不
溶性硬化樹脂も定着させるようにすると、不溶性不燃性
無機物のみを定着させた場合に比べて、寸法安定性がよ
り向上する。
〔実 施 例〕
以下に、この発明の具体的な実施例および比較例を示す
が、この発明は下記実施例に限定されない。
一実施例1− 原料木材としてアガチス材の311m厚ロータロー単板
を用い、これを飽水状態にした後、この単板を、リン酸
:水酸化バリウム:メラミン:水−3:l:2:l  
(モル比)の割合で混合して調製した常温の水溶液(p
H2〜3)に0.5時間常圧浸漬した。その後、単板内
にアンモニア水を添加し、単板内のp)1を6〜8に変
化させた後、110〜130℃で熱風乾燥して、改質木
材を得た。
一実施例2− 原料木材としてアガチス材の3鶴厚ロータリー単板を用
い、これを飽水状態にした後、この単板に、リン酸:水
酸化バリウム:メチロールメラミン:アクリルアミド:
水=3:1:1:1:1 (モル比)の割合で混合して
調製した常温の水溶液(pH2〜3)を0.5時間減圧
含浸(50torr)させた。その後、単板をアンモニ
ア雰囲気中に放置し、単板内のpHを6〜8に変化させ
、養生を行った後、110〜130℃で熱風乾燥して、
改質木材を得た。
実施例3− 原料木材としてアガチス材の3鶴厚ロータリー単板を用
い、これを飽水状態にした後、この単板に、リン酸:炭
酸カルシウム:メラミン:水−4:I:2:1  (モ
ル比)の割合で混合して調製した常温の水溶液(pH2
〜3)を0.5時間減圧含浸(50torr)させた。
その後、単板内にアンモニア水を添加し、単板内のpH
を6〜8に変化させた後、110〜130℃で熱風乾燥
して、改質木材を得た。
一実施例4 原料木材としてアガチス材の3mmコロ−タリー単板用
い、これを飽水状態にした後、この単板に、塩酸ニリン
酸バリウム:メチロールメラミン:水=3:1:2:1
  (モル比)の割合で混合して調製した常温の水溶液
(pH2〜3)を0.5時間減圧含浸(50torr)
させた。その後、単板をアンモニア雰囲気中に放置し、
単板内のpHを6〜8に変化させ、養生を行った後、1
10〜130’Cで熱風乾燥して、改質木材を得た。
一実施例5 原料木材としてアガチス材の3鶴厚ロータリー単板を用
い、これを飽水状態にした後、この単板に、リン酸ニリ
ン酸バリウム二メチロールメラミン:アクリルアミド:
水=4:1:2:2:1  (モル比)の割合で混合し
て調製した常温の水溶液(、pH2〜3 )を0.5時
間減圧含浸(50torr)させた。その後、単板をア
ンモニア雰囲気中に放置し、単板内のpHを6〜8に変
化させ、養生を行った後、110〜130℃で熱風乾燥
して、改質木材を得た。
一比較例1− 原料木材としてアガチス材の3mmmm−タリー単板を
用い、これを飽水状態にした後、この単板を、リン酸水
素二アンモニウム水溶液と塩化バリウム水溶液(いずれ
も濃度2mol/水11、温度60℃)に順次24時間
ずつ常圧浸漬した。その後、110〜130℃で熱風乾
燥して、改質木材を得た。
−比較例2− 原料木材としてアガチス材の3鶴厚ロータリー単板を用
い、これを飽水状態にした。この単板に、リン酸水素二
アンモニウム水溶液(濃度2 mol/水1N、常温)
を0.5時間減圧含浸(50torr)させた後、塩化
バリウム水溶液(濃度2mol/水11、温度60℃)
を24時間減圧含浸(50torr)させた。その後、
110〜130℃で熱風乾燥して、改質木材を得た。
実施例1〜5および比較例1〜2で得られた改質木材に
ついて、含浸率、寸法安定性および難燃性を調べた。
含浸率(%)は、下記式(11に従って求めた。
含浸率= ((W−W、)/W、 ) X 100  
 ・・・(1)(式(1)中、W、は未処理木材の乾燥
重量を、Wは処理木材の乾燥重量をそれぞれ表す。)寸
法安定性は、下記式(2) %式%(2) (式(2)中、D、は未処理木材の収縮率を、Dは処理
木材の収縮率をそれぞれ表す。) で表される抗収縮能ASE (%)を求め、その値が7
0%以上のものを◎で、30%以上70%未満のものを
○で、30%未満のものを×で評価した。
難燃性は、JIS  A1321に基づく表面加熱試験
を行い、難燃2級に相当するものを◎で、難燃3級に相
当するものを△で、難燃2級と難燃3級の中間に相当す
るものを○で、難燃3級より劣るものを×で評価した。
以上の結果を第1表に示した。
第1表にみるように、実施例にかかる改質木材は、比較
例にかかる改質木材に比べて、寸法安定性が向上してい
ることがわかる。難燃性については、いずれの改質木材
も難燃2級と難燃3級の中間に相当し、級数の上では同
等であったが、実施例にかかる改質木材の方が比較例よ
りも優れていた。
〔発明の効果〕
この発明にかかる改質木材の製法によれば、防腐・防虫
性、難燃性等に優れ、しかも、寸法安定性にも高度に優
れた改質木材を効率良く得ることができる。得られた改
質木材は、無機物および樹脂が木材内部に含浸・定着さ
れているため、木質感が損なわれておらず、上記性能に
加えて外観的にも優れた木材となっている。前記改質木
材は、また、有効成分である前記無機物および樹脂が不
溶性であるため、水や湿気により同無機物および樹脂が
木材外にしみ出す恐れがないため、耐水性および耐湿性
にも優れた木材となっている。
代理人 弁理士  松 本 武 彦

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 所定のpH値範囲内では互いに反応して不溶性不燃
    性無機物を生成するカチオンとアニオンを上記pH値範
    囲を外れたpH条件下で含有する処理液を、改質しよう
    とする原料木材に含浸させた後、前記原料木材内に含浸
    された前記処理液のpHを前記pH値範囲内の値に変化
    させることによって、前記原料木材組織内に前記不溶性
    不燃性無機物を生成・定着させるようにする改質木材の
    製法であって、不溶性硬化樹脂を生成させる成分を含む
    水溶液も前記原料木材に含浸させて、前記原料木材組織
    内に前記不溶性不燃性無機物とともに前記不溶性硬化樹
    脂も生成・定着させるようにすることを特徴とする改質
    木材の製法。 2 カチオンが、周期表のIIa族、IIb族およびIIIb
    族の元素からなる群の中から選ばれた少なくとも1種の
    元素のカチオンであり、アニオンが、BO_2、PO_
    4、CO_2、SO_4、OH、AlO_2、NO_2
    、SiO_2およびSiO_4アニオンからなる群の中
    から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の改質
    木材の製法。 3 不溶性硬化樹脂を生成させる成分を含む水溶液が、
    アミノトリアジン類とグアニジン類のうちの少なくとも
    1種、アクリルアミド類のうちの少なくとも1種、ホル
    マリンおよび酸を含むものである請求項1または2記載
    の改質木材の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012121274A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Hiroshima Prefecture 木質材料の難燃化処理方法及び木質防火材

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