JPH0698672B2 - 熱可塑性樹脂シートの製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂シートの製造方法

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JPH0698672B2
JPH0698672B2 JP13112489A JP13112489A JPH0698672B2 JP H0698672 B2 JPH0698672 B2 JP H0698672B2 JP 13112489 A JP13112489 A JP 13112489A JP 13112489 A JP13112489 A JP 13112489A JP H0698672 B2 JPH0698672 B2 JP H0698672B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、熱可塑性樹脂シート、特にポリアミド系樹
脂シートやエチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物(以
下、EVOHと略す)系樹脂シートのような、溶融状態にお
ける電気抵抗が小さい樹脂よりなるシート、の製造方法
に関する。より詳細には、本発明は、押出機のダイから
シート状に押出された熱可塑性樹脂を静電ピニング法に
よって冷却ローラーの表面に密着急冷させて、表面外観
が平滑美麗な樹脂シートを製造する方法に関する。
〔従来の技術〕
熱可塑性樹脂シートを製造する方法として、ダイから溶
融押出された溶融樹脂シートを静電ピニング法によって
冷却ローラー面に密着急冷させて樹脂シートを製造する
方法がある(例えば、特公昭37-6142号公報)。
ポリアミド系樹脂やEVOH系樹脂は、溶融状態での体積比
抵抗が104〜105Ωcmのオーダーであり、例えばポリエチ
レンテレフタレート、ポリプロピレンなどのそれと比べ
て非常に小さく、比較的電気を通し易い。その為に、溶
融状態の樹脂シートに静電荷を付与しても、冷却ローラ
ーへの電荷漏洩が多く、シートの単位面積当りの帯電量
は小さくなり、強い静電気的引力を得ることが出来ない
ことから、製膜速度を高めることができなかった。
本発明者らの実験によれば、一般的な静電ピニング法、
例えば、前述の特公昭37-6142号公報に記載の方法で、
ナイロン−6シートの製膜を行っても、厚み等が均一で
平滑美麗なシートが得られる製膜速度は25m/分程度が限
度であり、それを超す速度では、ピニングバブルといわ
れる密着不良現象を生じて、完全に密着急冷された均質
なシートを得ることができなかった。この様な25m/分程
度の速度でのシート製造は、コスト高となって、工業的
に許容されるものではない。
このような問題に対処するための方策として、種々の提
案がなされている。例えば、金属製冷却ローラーの表面
に電気絶縁性被膜を設けて、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂シートから冷却ロー
ラーへの電荷漏洩を少なくして密着力を増す方法(例え
ば特公昭48-14784、特公昭48-29311、特開昭61-95925号
公報)や、ストリーマコロナ状態のコロナ放電を行いつ
つ高電流をシートに付与し、帯電量を増すことによりシ
ートの密着力を増す方法(特公昭59-23270号公報)など
が提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来のストリーマコロナ状態のコロナ放
電を行う方法(特公昭59-23270号公報)ではストリーマ
コロナ状態のコロナ放電を発生させるために、高電流を
必要とするので、感電の危険があり、作業の安全性に大
きな問題がある。さらに、この場合には針状電極を用い
るので、電極の構造上、溶融したシートから発生するモ
ノマー、オリゴマーなどの昇華物が電極に付着堆積し易
く、安定したコロナ放電を維持するには頻繁な電極の掃
除または新しい電極との交換が必要なために長期間に亘
って連続的に製造を行うことができず、また付着堆積し
た昇華物による電極の針先端の汚染の結果、コロナの発
生が不均一になってシートに密着不良部分が生じたり、
堆積した昇華物がシート上に落下して成形シートを汚す
という問題がある。この問題を回避するには、頻繁に電
極を掃除しなくてはならない為に生産性が劣ると共に、
更には針状電極が長時間の使用により針先が微妙に消耗
して、シート幅方向に一列として用いる多数の針の高さ
が僅かながらも不揃いとなって、シート幅方向に均一な
コロナ発生ができなくなり、密着不良発生の原因となる
など電極の精度管理が非常に難しいという問題もある。
他方、従来の冷却ローラーの表面に電気絶縁性被膜を設
ける方法(特公昭61-95925号公報など)は、体積抵抗の
小さいシートの静電ピニングにおいて電荷の漏洩を少な
くするという意味では合理的である。しかしながら、上
記の提案を実施しても表面外観の平滑美麗なシートが必
ずしも得られず、また製膜速度も必ずしも改善されず、
依然として次のような種々の問題点があることがわかっ
た。
第一の問題は、前期提案の電気絶縁性被膜を有する冷却
ローラーを用いる静電ピニング法で熱可塑性樹脂シート
を製造すると、得られるシート全面に無数の直径0.1〜
0.2mm程度の微小円形状泡による外観不良がしばしば発
生し、このようなシートは一見するとあたかも「擦りガ
ラス」の様にヘイジーに見えるということである。
この外観不良は、冷却ローラーとそれに密着するシート
との界面に無数の空気泡が取り込まれ、シートの密着力
により押し潰されて出来たものと推察される。金属製の
鏡面メッキの冷却ローラーでは、例え密着不良となって
も、この様にシート全面にわたって無数の微小円形状泡
による外観不良が発生することはないことから、この外
観不良は冷却ローラーの表面に設けた電気絶縁性被膜に
起因するものと考えられる。
第二の問題は、電気絶縁性被覆材の種類によっては、或
いはまた同じ材質のものを被覆してもその電気絶縁性や
表面粗さの度合い次第では、密着性に差が生じて、甚だ
しい場合には、製膜速度の向上が全く望めない場合もあ
るといううことである。
第三の問題は、電気絶縁性被膜を持つ冷却ローラーを用
いて製膜すると、冷却したシートをローラーから引剥す
際に、剥離帯電現象を起し、その際の冷却ローラー面に
生じた電荷のために密着不良やスパークを生じ、効率よ
く安定した製膜ができないということである。
この第三の問題を、添付図面を用いて更に詳述すれば、
第8図に示す様に冷却された熱可塑性樹脂シートが冷却
ローラーから引剥されるときに、剥離帯電現象が起る。
シートが、ポリアミド系シートの場合、ポリアミド系樹
脂シートとセラミックス被膜との帯電列の差により、通
常、ポリアミド系樹脂シートはプラス(+)に、セラミ
ックス被膜はマイナス(−)に帯電する。このとき、帯
電電位は、ポリアミド系シートで+20KV以上、セラミッ
クス被膜で−2KV以上に達することもある。シートがEVO
H系樹脂シートである場合にも、同じような現象が起
る。従って、冷却されたシートが剥離されて裸出したロ
ーラー表面にはマイナス(−)の電荷が帯電し、他方、
ダイから押出された溶融樹脂シート面に電極によりマイ
ナス(−)の電荷が付与されるので、マイナス(−)同
士が反発して密着不良を起す。さらに、溶融樹脂シート
面のマイナス(−)の電荷と裸出したローラー表面のマ
イナス(−)の電荷とが加算されて、電極と冷却ローラ
ーの金属製基体ローラーとの間の電位が高まって、スパ
ークを生じ易くなる。この反発およびスパークを回避す
るために溶融樹脂シート面をプラス(+)に帯電させる
こともできるが、この場合には電極全幅に沿って均一な
コロナを発生させることが難しく、局部的にストリーマ
ー状コロナを発生し、部分的に異常に大きな電流が流
れ、これまた密着不良を来たすので、好ましい方法では
ない。
従って、第8図に示す特開昭61-95925号公報による方法
では、剥離帯電を起さないか、或いは起してもローラー
表面に載っている電荷が極く僅かかの条件が整ったとき
のみ、良好に製膜することができるにすぎない。
上述の方法に対して、特公昭48-29311号公報には、冷却
シートが剥離されて裸出した冷却ローラー面に、溶融シ
ート面とは逆の電荷を第2の電極から付与する第9図に
示す方法が記載されている。
しかしながら、第9図に示す方法では、製膜速度が高ま
るにつれて、冷却ローラー表面の除電あるいは逆帯電が
不均一となって、溶融状シートの冷却ローラーへの密着
位置が微妙に変動して、ローラーに向って見ると密着線
の所々が歪み、密着線の直線性が損なわれ、その結果、
シートに厚み斑を生じたり、冷却ローラー幅方向に何箇
所かの密着不良箇所を生じ、シートには流れ方向に線状
の密着不良により、縦筋が生じ易いという問題があっ
た。この問題を解決するために、冷却ローラー表面の除
電あるいは逆帯電を強力にするために冷却ローラーへの
印加電圧を高めると、スパークを起し易くなり、特にセ
ラミックスの場合にはスパークによりセラミックス被膜
に穴が開き、穴の補修が困難なことから、被覆を更新し
なければならず、結局製膜速度を高め得ないという問題
がある。
この発明は上述の背景に基づきなされたものであり、そ
の目的は、電荷漏洩の防止に対して合理的な手段である
電気絶縁性被覆が形成された冷却ローラーを用いて、表
面外観が平滑美麗な熱可塑性樹脂シートを速い製膜速度
で製造することができる方法を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上述の課題を解決すべく種々の試験研究
を行った結果、冷却ローラー表面への電荷の付与を複数
の電極から行い、かつ冷却ローラー表面の電気絶縁性被
膜が特定の電気的物理的条件を具備すれば、この目的達
成に有効であるとの知見を得、更に好ましい態様におい
ては、溶融樹脂シート面および冷却ローラー表面への電
荷付与を特定の条件の下で実施すれば、より良好な結果
が得られることが判明し、この発明を完成するに至っ
た。
すなわち、本発明の熱可塑性樹脂シートの製造方法は、
溶融した熱可塑性樹脂を成形ダイからシート状に押出す
と共に、この押出された樹脂シート面に第1電極から静
電荷を付与し、次いで、帯電した樹脂シートを、電気的
に接地された基体ローラー表面に電気絶縁性被膜を有し
てなる冷却ローラーの電気絶縁性被膜上に密着させて冷
却し、冷却されたシートを冷却ローラー表面から剥離さ
せ、シートが剥離されて裸出した冷却ローラー表面に、
第2電極から第1電極とは逆極性の静電荷を付与するこ
とを含むシートの製造方法であって、 (イ)前記第2電極として、冷却されたシートが冷却ロ
ーラーから剥離されるシート剥離位置と、冷却されるべ
きシートが冷却ローラーに密着するシート密着開始位置
との間に、冷却ローラーの回転方向の流れに沿って、そ
れぞれ間隔をおいて複数設けられたものを用い、そのう
ち上流側の電極によって、冷却ローラー裸出表面の剥離
帯電電荷を実質的に除去し、下流側の電極によって冷却
されるべきシートとは逆極性に冷却ローラー裸出表面を
帯電させ、 (ロ)前記電気絶縁性被膜として107Ω以上の体積抵抗
および表面抵抗を有し、かつ、中心線平均粗さ(Ra)で
0.3μm以下の表面粗さを示すものを用いる、ことを特
徴とするものである。
この発明の具体的な好ましい態様において、上記シート
剥離位置の側を上流側とし、上記シート密着開始位置の
側を下流側として、複数設けられた第2電極のうち、最
も下流側の電極による静電荷の付与は、前記シート密着
開始位置到達よりも0.3秒以上前に行い、これより上流
側の電極による静電荷の付与は、互いに隣り合う下流側
の電極による静電荷の付与よりも0.2秒以上前に行うの
が好ましく、また、該第2電極のうち、上流側の電極に
よって、冷却ローラー裸出表面の剥離帯電電荷を除去
し、下流側の電極によって、冷却されるべきシートとは
逆極性に冷却ローラー裸出表面を帯電させるように、順
次に電荷を付与するのが好ましい。
更に、この発明の具体的な好ましい態様において、第1
電極から溶融した熱可塑性樹脂シート面への電荷付与量
を、シート幅1m当り電流として1〜5mAとすることがで
き、第2電極の全数から冷却ローラー裸出表面への電荷
付与量を、シート幅1m換算電流として0.6〜4mAとするこ
とができる。
以下、この発明をより詳細に説明する。
この発明の熱可塑性樹脂シートの製造方法は、次の工程
を含む。
(イ)溶融した熱可塑性樹脂をシート状に押出す工程 (ロ)その熱可塑性樹脂シート面に第1電極から静電荷
を付与する工程 (ハ)帯電した上記樹脂シートを、冷却ローラーの電気
絶縁性被膜の表面上に密着させて冷却する工程 (ニ)冷却した樹脂シートを冷却ローラー表面から剥離
する工程 (ホ)シートが剥離されて裸出した冷却ローラー表面
に、第2電極から第1電極からの静電荷とは逆極性の静
電荷を付与する工程。
この発明の(イ)工程において、溶融した熱可塑性樹脂
をシート状に押出す工程パラメーターは、用いる熱可塑
性樹脂の種類やシートの用途に応じて適宜選択すること
ができる。
この発明において用いられ得る熱可塑性樹脂は、特に限
定されるものではなく、一般的にシート原料として用い
られるものを使用できる。しかしながら、この発明に係
るシートの製造方法は、ポリアミド系樹脂シートやEVOH
系樹脂シートのような溶融状態における電気抵抗が小さ
い樹脂よりなるシートの製造において最もその効果を発
揮する。
ここでポリアミド系樹脂シートとは、例えば、ナイロン
6、ナイロン6−6、ナイロン4−6などの脂肪族ポリ
アミド、シクロヘキサン環などを有する脂環族ポリアミ
ド、脂肪族ジアミンとテレフタル酸および/またはイソ
フタル酸とよりなるナイロン塩、あるいはキシリレンジ
アミンと脂肪族ジカルボン酸とよりなるナイロン塩を重
縮合させて得られるポリアミド、ホモポリアミド用のモ
ノマーとナイロン塩とを組合わせ重合させて得られるコ
ポリアミド、もしくは、これらポリアミド同士の混合
物、さらにはこれらのポリアミドとこれとブレンド可能
な熱可塑性樹脂との混合物などのポリアミド系樹脂より
なるシートを意味する。
上記ポリアミドにブレンド可能な熱可塑性樹脂の例とし
ては、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびその鹸化
物、アイオノマー樹脂、エチレンとアクリル酸、メタク
リル酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル等との
共重合体、無水マレイン酸やアクリル酸等の不飽和カル
ボン酸、およびその誘導体でグラフト化されたポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
等の変性ポリオレフィン類等をあげることができる。
EVOH系樹脂シートとは、例えば、エチレン残基含有率20
〜50モル%、ケン化度95モル%以上のEVOH、またはこれ
と他のブレンド可能な重合体との混合物などのEVOH系樹
脂よりなるシートを意味する。
上記EVOHは、エチレン−酢酸ビニル二元共重合体に限ら
れず、エチレン、酢酸ビニルと共重合し得るモノマー成
分を共重合させた三元以上の共重合体のケン化物であっ
てもよい。共重合し得るモノマー成分としては、プロピ
レン、イソブチレンなどオレフィン、クロトン酸、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸などの不飽和酸およ
びこれらのエステルなどが挙げられる。更に、EVOHとブ
レンド可能な重合体としては、前記のエチレン酢酸ビニ
ル系の三元以上の共重合体ケン化物、アイオノマー、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、ナイロン6で代表される
ポリアミド類などがある。
また、上記のポリアミド系樹脂シートやEVOH系樹脂シー
トには、ポリアミド系樹脂やEVOH系樹脂のみからなるシ
ートのみならず、冷却ローラーの表面と密着させる側
に、上記ポリアミド系樹脂やEVOH系樹脂よりなる層を持
つ共押出多層物なども包含するものである。
前述した熱可塑性樹脂には、滑剤、無機微粒子、帯電防
止剤、顔料などを添加することができる。
この発明の(ロ)工程において、熱可塑性樹脂シート面
に、電圧を印加した第1電極から静電荷が付与される。
この発明で用いられる第1電極には、ワイヤ状電極、針
状電極、ナイフエッジ状電極、鋸刃状電極、テープ状電
極など種々の形状のものがある。電極が溶融状シートか
らモノマーやオリゴマーなどの昇華物で汚染され易いの
で、巻取可能なワイヤ状電極やテープ状電極などが好ま
しい。ワイヤ状電極を用いるときは、0.08φ〜1.5φ程
度のワイヤ径のものが好ましい。
なお、この発明で用いられる電極では、シート部分に対
応する部分以外を、スパーク防止用のテフロンチューブ
などでマスキングしてもよい。
この電極の材質としては、任意のものがあり、例えば、
鉄、ニッケル、コバルトなどを主成分とする非晶質金
属、タングステン、ステンレス、鉄、アルミニウム、ニ
ッケル、銅、銅合金などの金属がある。
第1電極からの溶融熱可塑性樹脂シート面への電荷付与
量は、シート幅1m当り電流として1〜5mAとすることが
好ましい。これは、1mA未満では、密着不良となり、た
とえ密着しても冷却ローラーの密着開始位置が変動し易
くて、シートの厚み斑の原因となり易いからであり、ま
た、5mAを超すとスパークを起し易くなって好ましくな
いからである。この様に、電流設定に際しては、製膜速
度およびシート厚さを考慮して、1〜5mAの範囲で適宜
設定し、ポリアミド系シートやEVOH系シートの場合、製
膜速度が大きくなる程、またシートの厚さが厚くなる
程、上記電流値の範囲内で高い設定値とすることが望ま
しい。
第1電極の位置は、溶融状態のシートが冷却ローラーに
密着するシート密着開始位置からややダイ寄りであっ
て、シート表面との間隙は、5〜25mm程度にするのが適
当である。また、前記電流値にするためには、電極の位
置にもよるが、5〜15KV程度の電極電位とするのが良
い。
工程(ハ)において、帯電樹脂シートを、基体が電気的
に接地された冷却ローラーの電気絶縁性被膜表面上に密
着させて冷却する。
この発明において用いられる冷却ローラーは、そのロー
ラー基体の表面に下記条件を満たす電気絶縁性被膜が形
成されている。すなわち、この被膜は、107Ω以上の体
積抵抗および表面抵抗を有し、かつ、中心線平均粗さ
(Ra)で0.3μm以下の表面粗さを示す電気絶縁性のも
のである。
表面に電気絶縁性被膜を有する冷却ローラーは、例え
ば、セラミックスをガス式溶射法、プラズマ溶射法、爆
発溶射法などの方法(溶射ハンドブック、日本溶射協会
編集、1987年、新技術開発センター発行)によって、金
属製基体ローラー表面に被覆したものである。
この発明で用いることができる電気絶縁性セラミックス
としては、例えば、Al2O3、Cr2O3、ZrO2などの酸化物セ
ラミックスが好ましいが、この発明で特定する条件を満
足する限り特に限定されない。電気絶縁性被膜の膜厚は
出来るだけ均一であることが好ましく、不均一であると
電気抵抗も不均一となり、静電ピニング時にシートの幅
変動を引起こしたり、シートの厚み変動を引起こしたり
し易い。このために、基体ローラーの真円度、円筒度な
どの寸法精度を極力高めると共に、溶射後の研削、研磨
においては、基体ローラーの芯に極力合せて基体ローラ
ー表面の真円度、円筒度などの寸法精度を出す様にロー
ラー加工に配慮する必要がある。
また、被膜の厚みについては、セラミックスの電気抵抗
および熱伝導率を考慮し、目的に応じて設計を行うこと
ができ、通常、50〜250μmの被膜厚みで十分である。
なお、この発明ではこの値に特に限定されるものではな
い。
この発明において用いられる冷却ローラーの表面には、
中心線平均粗さ(Ra)で0.3μm以下の表面粗さを持つ
電気絶縁性被膜が形成されていることが必要である。
これは、0.3μmを越える表面粗さでは、シートに無数
の微小円形状泡ができる外観不良が発生し、商品価値の
ある平滑美麗なシートが得られないからである。従っ
て、電気絶縁性被膜を形成する際には、中心線平均粗さ
(Ra)を0.3μm以下とするために、溶射に用いる原料
(粉末、棒)、溶射条件に留意し、溶射膜の気孔率を極
力小さくすると共に、ローラー表面を仕上る際の研削や
研磨条件にも十分に留意することが好ましい。
この明細書において、中心線平均粗さ(Ra)とは、JIS
B0651の規格に記載される触針式表面粗さ測定器(例え
ば、小坂研究所製、SE-4AZ)の検出部を冷却ローラー上
部に載せ、触針先端半径5μm、送り速度0.1mm/sec、
カットオフ値0.8mmの条件にて触針を冷却ローラーの軸
方向に移動させて測定した値であって、JIS B0651に準
拠する表面粗さを示すものである。
この発明において用いられる冷却体の表面には、体積抵
抗および表面抵抗がいずれも、107Ω以上である電気絶
縁性被膜が形成されていることが必要である。
すなわち、シートに付与された電荷が、電気絶縁性被膜
の厚み方向および表面に沿って漏洩するので、冷却体の
体積抵抗および表面抵抗が、前記の値を満足していなけ
ればならない。この範囲から外れると、電荷が漏洩し密
着力が低下する結果、高速製膜ができなくなる。
従って、電気絶縁性被膜を形成する際に、この電気抵抗
についても、溶射するセラミックスの種類や純度、膜
厚、溶射膜の気孔率、封孔処理材などが大きく影響され
るので、所望の電気抵抗を得る為には、溶射材料の選
択、溶射条件、ローラーの加工精度に十分留意する必要
がある。特に、セラミックスの溶射の場合、溶射材料、
溶射条件を同じにしても、全く同じ組成の溶射膜が得ら
れるとは限らず、むしろ微妙に異なる場合が多いので、
厳密な管理をすることが望ましい。
この明細書において、冷却ローラー表面の電気絶縁性被
膜の体積抵抗および表面抵抗は、「電気工学ハンドブッ
ク」P236〜328(電気学会編、昭和53年4月10日発行、
電気学会発行)に記載された測定方法に準拠して測定さ
れた値である。
この測定法を添付図面を用いて説明する。
第5図は、抵抗測定に用いた電極の平面図である。この
発明において用いられた測定用電極は、25mmφの主電極
と、外径65mmφ、内径55mmφのガード電極と、これらを
仕切る絶縁体とからなり、電極材料は水銀、絶縁材は発
砲ポリエチレン製の円形枠である。この電極を両面粘着
テープでローラー表面に接着固定して用いた。第6図
は、体積抵抗を測定するために、冷却ローラー上に第5
図に示す測定用電極を設置し、それに接続した電気回路
を示した断面図である。
第7図は、表面抵抗を測定するために、冷却ローラー上
に第5図に示す測定用電極を設置し、それに接続した電
気回路を示した断面図である。なお、二点鎖線で囲った
箇所は超絶縁抵抗計を示し、この発明では、(株)アド
バンテスト製の超絶縁抵抗計(TR8601)が使用された。
この明細書における冷却ローラーの電気絶縁性被膜の体
積抵抗および表面抵抗の値は、冷却ローラーの円周方向
に4点、軸方向に3点の合計12点を測定し、平均したも
のである。
この発明の製造方法における工程(ニ)では、冷却され
た樹脂シートを冷却ローラー表面から剥離する(この剥
離された樹脂シートは、そのまま製品としてもよいが、
延伸処理、熱固定処理などに供する場合が多い)。
さらに、この発明の製造方法における工程(ホ)では、
樹脂シートが剥離されて裸出した冷却ローラー表面に、
第2電極から前記工程(ロ)の第1電極からの静電荷と
は逆極性の静電荷を付与する。
上記第2電極は、冷却されたシートが冷却ローラーから
剥離されるシート剥離位置と、冷却されるべきシートが
冷却ローラーに密着するシート密着開始位置との間に、
冷却ローラーの回転方向の流れに沿い、それぞれ間隔を
おいて複数設けられたものを用いることが必要である。
これら複数の第2電極のうち、最も下流側の電極による
静電荷の付与は、前記シート密着開始位置到達よりも0.
3秒以上前に行い、これより上流側の電極による静電荷
の付与は、互いに隣り合う下流側の電極による静電荷の
付与よりも0.2秒以上前に行うのがよい。
これは、只1本だけの第2電極を用いたり、複数のそれ
ぞれの第2電極からの静電荷の付与が上記それぞれの基
準によるタイミングをはずれたりすると、冷却されるべ
きシートと冷却ローラーとの密着線が歪み、得られるシ
ートの厚み斑を生じたり、シートの流れ方向に線状の厚
み不均一(縦筋)を生じ易いからである。
これら第2電極を構成する複数の電極を設ける位置は、
上記それぞれの基準による静電荷付与のタイミングを勘
案して決定すべき外、特に限定されないが、作業性、電
極の汚染、成形ダイや剥離ローラーなどへの放電なども
考慮しておくことも重要である。
第2電極から裸出冷却体表面への電荷付与量は、第2電
極の全数の総計で、シート幅1m換算電流として0.6〜4mA
であることが望ましい。これは、0.6mA未満では、密着
不良となり、たとえ密着しても冷却ローラーの密着開始
位置が変動し易くて、シートの厚み斑の原因となり易い
からであり、また4mAを超すと電極とローラー間でスパ
ークを起し易くなって好ましくないからである。
第2電極を構成する複数の電極のうち、冷却したシート
が剥離した箇所(上流)側の電極を、剥離帯電電荷の除
電用とし、溶融シートが接触する位置(下流)側の電極
を、第1電極の静電荷と逆の極性の静電荷をローラーの
裸出表面に帯電させるものとすることができる。
第2電極と冷却ローラーとの間隙は、5〜25mmが適当で
あり、また電極電位は、電極の位置にもよるが、5〜12
KV程度とするのがよい。
この発明の製造方法を、添付図面を用いて説明する。
この発明の製造方法に用いることができる装置の一態様
例を、第1図に示す側面概略図を用いて説明する。
この例の装置では、溶融した熱可塑性樹脂をシート状に
押出すTダイ1と、Tダイ1下方に設けられた冷却ロー
ラー2と、Tダイ1と冷却ローラー2との間に設けられ
た第1電極3と、熱可塑性樹脂シート10が流れる冷却ロ
ーラー下流側に設けられた引剥がし用ローラーと、引剥
がし用ローラー側であって冷却ローラー2の表面上方に
設けられた剥離帯電電荷の除電用電極4と、溶融シート
が密着する位置側であって、冷却ローラー2の表面上方
に設けられた逆帯電用電極5と、第1電極用直流高圧電
源6と、第2電極用直流高圧電源7と、これらの素子を
接続する配線からなる。冷却ローラー2では、基体ロー
ラー8表面に電気絶縁性被膜9が形成されている。
この装置では、Tダイ1から熱可塑性樹脂シート10が押
出され、シートの横断方向に第1電極3を渡されてお
り、この電極3によりマイナス(−)に熱可塑性樹脂シ
ート10が帯電され、このシート10は、密着急冷されて、
引剥がし用ローラー11により冷却ローラー2面から剥離
される。
引剥がし用ローラー側冷却ローラー2面上方に設けられ
た剥離帯電電荷の除電用電極4では、剥離帯電された冷
却ローラー2面に、剥離帯電電荷と逆の極性の電荷が付
与され、また、溶融シートが接触する位置側の冷却ロー
ラー2面上方に設けられた逆帯電用電極5では、第1電
極と逆極性の電荷が付与される。
この発明は、第1図に示す上記の例に限定されず、種々
の変形が可能である。例えば、第2図、第3図、第4図
に示すように、第2電極を構成する電極を3本にして、
また、除電用電極4と逆帯電用電極5および5′とに各
々の第2電極用直流高圧電源7および7′を並列に接続
して、第2電極を構成する各電極に各々の電圧を印加
し、また電流を流すこともできる。
〔作用〕
この発明の製造方法において、冷却ローラー表面に形成
されている電気絶縁性被膜が大きな電気抵抗を有してい
るので、溶融状態で体積比抵抗が低い熱可塑性樹脂で
も、そのシートに付与された静電荷の冷却ローラーへの
電荷漏洩が抑えられる。さらに電気絶縁性被覆表面の表
面粗さが、極めて小さい特定範囲内にあるので、得られ
る樹脂シートには、微小円形状泡による外観不良が発生
せず、延伸加工性の極めて優れたシートを得ることがで
きる。
また、この発明の好ましい態様における第2電極を構成
する複数の電極により、剥離帯電電荷を除電し、かつ第
1電極の静電荷と逆極性の静電荷を冷却ローラー表面に
付与するので、冷却ローラーと熱可塑性樹脂シートとの
間の、静電引力による密着力が強められる。さらに、こ
れら第2電極を構成する複数の電極による電荷付与のタ
イミングを特定範囲とすることによって、冷却ローラー
面における電荷分布が面全体に均されて均一となり、シ
ート密着開始位置における密着線の直線性が良好に維持
される。
〔実施例〕
以下にこの発明を実施例および比較例に具体的に説明す
るが、この発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。
実施例1−1〜1−3および比較例1−1〜1−2 ナイロン6ペレット(三菱化成工業(株)製、ノバミッ
ト1020CA)を、90mmφ押出機でシリンダー温度260℃の
条件にて溶融混練し、Tダイよりシート状に押し出し、
第1図に示す静電ピニング装置により、周速度40m/分の
外径800φの30℃に保たれた冷却ローラーを用いて、幅
約400mm、厚さ約140μmのシートを製造した。
ここで、用いられた冷却ローラー表面には、下記第1表
に示される材質、特性を有する電気絶縁性被膜が設けら
れていた。
この例で用いた第1電極は、0.08mmφのタングステン線
であり、シートと第1電極との間隙は約15mmであった。
また、2本の第2電極は、0.1mmφのタングステン線で
あり、これら2本の第2電極間の距離は約250mmであ
り、冷却ローラーと第2電極との間隙はいずれも約10mm
であった。また、印加電圧や電流などは第1表に示す通
りである。
これらの製造条件で、シートを製造した。得られたシー
トの表面状態や密着状態の結果を、第1表に示す。
実施例1−4〜1−6および比較例1−3〜1−5 第1表に示す条件で、実施例1−1と同様にしてシート
を製造した。
その結果を第1表に示す。
実施例1−7 ナイロン6ペレット(前記と同じ)およびエチレン酢酸
ビニル共重合体ケン化物(日本合成化学工業(株)製、
ソアノールET)をそれぞれ65mmφ押出機2台と65mmφ押
出機1台にてそれぞれ240℃で溶融混練し、マルチマニ
ホールド型のTダイよりナイロン6/エチレン酢酸ビニル
共重合体ケン化物/ナイロン6=50μm/50μm/50μmの
積層シートを共押出したこと以外、実施例1−1と同様
にしてシートを製造した。
第1表に、結果を示す。
実施例1−8〜1−9 実施例1−1に記載の例において、第1図に示す静電ピ
ニング装置に代えて第2図に示す静電ピニング装置を用
いたこと以外、同例におけると同様にして、第1表に示
す条件でシートを製造した。
その結果を第1表に示す。
実施例1−10〜1−11 第1表に示す条件で、実施例1−1と同様にしてシート
を製造した。
その結果を第1表に示す。
実施例2−1〜2−3および比較例2−1〜2−2 EVOHペレット(日本合成化学工業(株)製、ソアノール
ET)を90mmφ押出機でシリンダー温度230℃の条件にて
溶融混練し、Tダイよりシート状に押し出し、第1図に
示す静電ピニング装置によって、周速度40m/分の外径80
0φの30℃に保たれた冷却ローラーに密着させ急冷し、
幅約400mm、厚さ約140μmのシートを製造した。
ここで、用いられた冷却ローラー表面には、下記第2表
に示される材質、特性を有する電気絶縁性被膜が設けら
れていた。
この例で用いた第1電極は、0.08mmφのタングステン線
であり、シートと第1電極との距離は約15mmであった。
また、2本の第2電極は、0.1mmφのタングステン線で
あり、これらの第2電極の距離は約250mmであり、冷却
ローラーと第2電極との間隙はいずれも約10mmであっ
た。また、印加電圧や電流などは第2表に示す通りであ
る。
これらの製造条件で、シートを製造した。得られたシー
トの表面状態や密着状態の結果を、第2表に示す。
実施例2−4〜2−6および比較例2−3〜2−5 第2表に示す条件で、実施例2−1と同様にしてシート
を製造した。
その結果を第2表に示す。
実施例2−7 EVOHペレット(前記と同じ)80重量%およびナイロン6
ペレット(三菱化成工業(株)製、ノバミットEN120)2
0重量%をブレンドし、240℃で溶融混練したこと以外、
実施例2−1と同様にしてシートを製造した。
その結果を第2表に示す。
実施例2−8 ナイロン6ペレット(前記と同じ)およびEVOH(日本合
成化学工業(株)製、ソアノールET)をそれぞれ65mmφ
押出機2台にてそれぞれ230℃で溶融混練し、マルチマ
ニホールド型のTダイよりEVOH/ナイロン6=50μm/100
μmの積層シートを共押出し、EVOH側を冷却ローラー側
にしたこと以外、実施例2−1と同様にしてシートを製
造した。
第2表に、結果を示す。
実施例2−9〜2−10 実施例2−1に記載の例において、第1図に示す静電ピ
ニング装置に代えて第2図に示す静電ピニング装置を用
いたこと以外、同例におけると同様にして、第2表に示
す条件でシートを製造した。
その結果を第2表に示す。
実施例2−11〜2−12 第2表に示す条件で、実施例2−1と同様にしてシート
を製造した。
その結果を第2表に示す。
なお、第1表および第2表において、「厚み変動」と
は、400mm幅のシートの両縁部(ビード部)25mmづつを
除いた幅(350mm)につて、製膜中30分毎に10回サンプ
リングし、ベンチシクネスゲージにて、幅方向に30mm間
隔で厚みを測定し、得られた値の最大厚みと最少厚みと
の差を指す。
「厚み変動」の詳細は、2軸延伸用の未延伸原反シート
では、±2%以下、好ましくは±1.5%以下の厚み精度
でないと2軸延伸後にフィルム厚み精度が良好な製品が
得られない。従って、140μmのシートの場合、5.6μm
以下、更に好ましくは4.2μm以下の変動である。
また、「シート表面粗さ」とは、JIS B0651に準拠して
測定した中心線平均粗さ(Ra)の10点平均値を意味し、
この値は、0.15μm、好ましくは0.1μm以下が実用的
範囲である。
〔発明の効果〕
本発明は、次のような特別に顕著な効果を奏し、その産
業上の利用価値は極めて大きい。
(1)本発明に係る製造方法によると、シート剥離位置
とシート密着開始位置との間にそれぞれ間隔をおいて設
けられた第2電極を構成する複数の電極の作用により、
均質で外観の優れたシートを、高速で、しかも安定して
製造することができる。
(2)本発明に係る製造方法によると、用いる冷却ロー
ラーの電気絶縁性被膜表面が平滑でその表面粗さが特定
の範囲内であるので、得られるシートには微小円形泡状
の外観不良が発生せず、延伸加工性の極めて優れたシー
トを得ることができる。
(3)本発明に係る製造方法の好ましい態様によると、
第2電極を構成する複数の電極により、剥離帯電電荷を
実質的に除電し、かつ第1電極の静電荷と逆極性の静電
荷を冷却ローラー表面に付与するので、冷却ローラーと
熱可塑性樹脂シートとの間の、静電引力による密着力が
強められる。
(4)本発明に係る製造方法の好ましい態様によると、
第2電極を構成する複数の電極による電荷付与のタイミ
ングを特定範囲としているので、冷却ローラー面におけ
る電荷分布が面全体に均されて均一となり、シート密着
開始位置における密着線の直線性が良好に維持される。
その結果、厚み斑の小さいシートを得ることができる。
(5)本発明に係る製造方法においては、第2電極を構
成する複数の電極を用いるので、第2電極からの総電荷
付与量を分割して1本当りの印加電流を小さくすること
ができ、第2電極と冷却ローラー間のスパークの危険を
大幅に低減し、かつ電極汚染を少なくして密着不良箇所
の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明による製造方法に用いることができ
る静電ピニング装置の側面概略図、第2図〜第4図はこ
の発明による製造方法に用いることができる静電ピニン
グ装置の変形例を示す側面概略図、第5図は、電気抵抗
を測定する電極の平面図、第6図および第7図は電気抵
抗を測定する装置、第8図および第9図は従来例の静電
ピニング装置の側面概略図である。 1……Tダイ、2……冷却ローラー、3……第1電極、
4……剥離帯電除電用電極(第2電極)、5,5′……逆
帯電用電極(第2電極)、6……直流高圧電源、7,7′
……直流高圧電源、8……基体ローラー、9……電気絶
縁性被膜、10……シート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮下 和久 茨城県牛久市東猯穴町1000番地 三菱モン サント化成株式会社筑波工場内 (72)発明者 山岸 直道 茨城県牛久市東猯穴町1000番地 三菱モン サント化成株式会社筑波工場内 (56)参考文献 特開 昭61−95925(JP,A) 特公 昭48−29311(JP,B1) 特公 昭48−14785(JP,B1)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融した熱可塑性樹脂を成形ダイからシー
    ト状に押出すと共に、この押出された樹脂シート面に第
    1電極から静電荷を付与し、次いで、帯電した樹脂シー
    トを、電気的に接地された基体ローラー表面に電気絶縁
    性被膜を有してなる冷却ローラーの電気絶縁性被膜上に
    密着させて冷却し、冷却されたシートを冷却ローラー表
    面から剥離させ、シートが剥離されて裸出した冷却ロー
    ラー表面に、第2電極から第1電極とは逆極性の静電荷
    を付与することを含むシートの製造方法であって、 (イ)前記第2電極として、冷却されたシートが冷却ロ
    ーラーから剥離されるシート剥離位置と、冷却されるべ
    きシートが冷却ローラーに密着するシート密着開始位置
    との間に、冷却ローラーの回転方向の流れに沿って、そ
    れぞれ間隔をおいて複数設けられたものを用い、そのう
    ち上流側の電極によって、冷却ローラー裸出表面の剥離
    帯電電荷を実質的に除去し、下流側の電極によって冷却
    されるべきシートとは逆極性に冷却ローラー裸出表面を
    帯電させ、 (ロ)前記電気絶縁性被膜として107Ω以上の体積抵抗
    および表面抵抗を有し、かつ、中心線平均粗さ(Ra)で
    0.3μm以下の表面粗さを示すものを用いる、ことを特
    徴とする熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  2. 【請求項2】前記第2電極を構成する複数の電極のう
    ち、最も下流側の電極による静電荷の付与は、前記シー
    ト密着開始位置到達よりも0.3秒以上前に行い、これよ
    り上流側の電極による静電荷の付与は、互いに隣り合う
    下流側の電極による静電荷の付与よりも0.2秒以上前に
    行う、請求項1記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  3. 【請求項3】第1電極からシート面への電荷付与量が、
    シート幅1m当り電流として1〜5mAであり、第2電極の
    全数から冷却ローラー裸出表面への電荷付与量が、シー
    ト幅1m換算電流として0.6〜4mAである、請求項1〜2の
    いずれか1項に記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
  4. 【請求項4】熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂であ
    る、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂
    シートの製造方法。
  5. 【請求項5】熱可塑性樹脂が、エチレン酢酸ビニル共重
    合体ケン化物系樹脂である、請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の熱可塑性樹脂シートの製造方法。
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