JPH069860B2 - ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリエステルフィルムの製造方法

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JPH069860B2
JPH069860B2 JP1058243A JP5824389A JPH069860B2 JP H069860 B2 JPH069860 B2 JP H069860B2 JP 1058243 A JP1058243 A JP 1058243A JP 5824389 A JP5824389 A JP 5824389A JP H069860 B2 JPH069860 B2 JP H069860B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリエステルフィルムの製造方法に関するもの
である。
[従来の技術] ポリエステルシートに水などの液膜を介在させた冷却体
表面上でキャストする方法は、BP1140175、特
公昭58−35133号公報などで知られている。ま
た、ポリエステルの長手方向の延伸を、2段階以上の多
段階で高倍率延伸することは、特公昭52−10909
号公報、特公昭52−33666号公報なで公知であ
る。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記それぞれの製造方法では次のような欠点を
有している。
(1)長手方向の延伸倍率を高くとるために、延伸温度を
高くし、多段階に分けて延伸される(高温高倍率延
伸)。このために、得られたフィルムの厚みむらが大き
くなり、さらに表面が荒れたり、表面が摩耗しやすくな
ったりする。
(2)高温高倍率で延伸するため、延伸ロールが汚れやす
く、得られたフィルムの表面欠点を誘発しやすくなり、
ロールの清浄や交換などで生産性を阻害する。
(3)液膜を介在させると、冷却体表面上で溶融シートが
すべりやすい。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記欠点を改善した高倍率延伸方法を提供す
ることを目的としている。すなわち、溶融ポリエステル
シートを、水の液膜を有した冷却体表面上で密着冷却固
化させたのちに、長手方向に多段階で総合延伸倍率4.
5倍以上を100℃以下の温度で延伸することを特徴と
するポリエステルフィルムの製造方法に関するものであ
る。
本発明のポリエステルとは、グライコールとジカルボン
酸の縮重合によって得られる主鎖にエステル結合を有す
るポリマーの総称であり、代表的なグライコールとして
は、エチレングルコール、ブタンジオール、ヘキシレン
グルコール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチ
ルグルコール、などで、代表的なジカルボン酸として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸、ジフエニルジカルボン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、トデカン
ジカルボン酸、ダイマー酸、エイコ酸などである。代表
的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポチブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレー
ト、などであり、特に本発明の場合、ポリエチレンテレ
フタレートが好ましい。
もちろん、上記ポリマーに公知の添加剤、例えば安定
剤、粘度調整剤、酸化防止剤、充填剤、滑り剤、帯電防
止剤、ブロッキング防止剤、離型剤などを含有させても
よい。
冷却体表面上に液膜を介在させる方法としては、湿気を
含んだ空気を、その露点以下に保たれた冷却体表面に吹
きつけて結露させる方法(結露法)や、しみ出しローラ
あるいは転写ローラーで塗布する方法、静電荷を帯びた
水蒸気を噴霧する方法などがあるが、水の液膜の平均膜
厚さdが3μm以下と薄い方が優れている本発明の場合
には、結露法が好ましい。この水の液の平均膜厚さd
は、赤外線吸収法より水の重量から換算して求める。測
定は、直接冷却体表面上にある液膜の厚さを求める。ま
た必要なら、溶融シート上から冷却体表面上に向かって
溶融シートと冷却体表面間に介在する液膜の厚さも測定
することができる。なお、液膜という表現をとっている
が、必ずしも液体が均一な連続膜になっている必要はな
く、結露法で得られるような不連続の液滴の集合であっ
てもよい。
また、溶融シートと冷却体表面との接する位置に形成さ
れるメニスカスの高さhは、上記水の液膜の平均膜厚さ
dよりも大きいことが好ましい。このメニスカスの高さ
hは、種々の要因で変わり、ポリマーの表面張力、溶融
シート表面粗さ、冷却体表面の粗さや表面張力、静電印
加法などの他の密着手段による補助密着力、吐出する口
金から冷却体表面までの距離、溶融シートのドラムへの
密着する角度、冷却体表面にある液滴の存在密度と液滴
の大きさなどに依存する。すなわち、これらのバラメー
ターを適宜組み合わせることによりメニスカスの高さh
を変えることができる。メニスカスの高さは、溶融体と
冷却体表面との接点近傍に出来る液の表面張力に起因す
る三日月形の冷却体表面から垂直方向の高さをいう。h
の測定には精度がいるために、ファイバースコープなど
で写真に撮ったのちに解析して求めるのがよい。hの値
としては1〜20μm、dの値として3μm以下0.1
μm以上であり、しかもh>d、好ましくはh>2dを
満足するようなときに安定したキャストシートが得られ
るので好ましい。
なお、静電荷を印加させながらキャストする方法とし
て、特公昭37−6142などで公知の方法を併用する
ことができる。
長手方向に高倍率に延伸する方法として特公昭52−3
3666号公報などで公知のように、100℃を超える
温度で延伸する工程と、低温で延伸する工程とからなる
多段階延伸方式が知られている。このように多段階で延
伸することにより長手方向の延伸倍率は特公昭38−2
3489号公報などで知られているような2.5〜3.
5倍の約2倍の5〜9倍程度に高くとれるため、200
m/分以上の高速度製膜が可能になる。確かに多段階延
伸法はコストダウンプロセスには好ましい方法である
が、得られたフィルムは厚みむらが大きくフィルム表面
が荒れたり、さらには耐摩耗性の弱いフィルム表面とな
ったりして品質上の問題があるのみならず、延伸ロール
が短時間に汚れやすいために、フィルム表面欠点となる
などの問題点を有していた。すなわち、長手方向の総合
延伸倍率を100℃を超える温度で4.5倍以上と高く
すると、品質上、生産上の問題が生じてくるという致命
的な欠点を有していた。
ところが、このような総合延伸倍率4.5倍以上延伸す
るキヤストシートを、100℃以下の温度という特定の
条件で製膜したものにすれば、上記のような欠点が発生
しないことを見い出し本発明に到ったものである。すな
わち、キャストシートとしては、水の液膜を有した冷却
体表面上で密着冷却固化させたポリエステルシートを用
いれば上記欠点は解消できる。このとき、キャスト時に
静電荷を印加させながら冷却固化させれば、さらにその
効果は大きくなる。
長手方向の延伸方法としては、降伏点以下で多段階に延
伸したのち、ほぼ通常の延伸を行なう方法や、高温低延
伸速度で約2倍延伸後、ほぼ通常の延伸を2.5〜3.
5倍延伸し、トータル4.5〜7倍に延伸する方法など
があるが、いずれも通常の長手方向の延伸温度に比べて
100℃以下の高温で延伸する必要がある。延伸倍率と
して4.5倍以上、好ましくは5倍〜9倍の延伸倍率の
ものに本発明の効果は顕著である。延伸速度は高温延伸
するときには、出来る限りゆっくりした速度、たとえば
10000%/分以下で行なうのが好ましいが、これに
限定されるものではない。
かくして得られた長手方向延伸フィルムを、必要に応じ
て巾方向に延伸したり、熱処理をしてもよいことは明ら
かである。特に本発明の場合、二軸延伸することにより
その効果は顕著になるのである。
[測定法] 本発明で使用した語句の測定法を述べる。
(1)厚むら 所定の方向にフィルムサンプルを長手方向には10m
長、幅方向には最大長のサンプリングし、それを歪ゲー
ジで連続的に厚みを測定し、最大厚さと最小厚さとの厚
み差Δdを平均厚みdで割った値を百分率で示したも
の。
(2)表面粗さR JIS−B0601−1976に従いカットオフ0.25mmで測定し
た最大粗さRである。
(3)外部ヘイズ JIS−K6714に従い測定したトータルヘイズから、テトラ
リン液中にて測定した内部ヘイズを引いた値を外部ヘイ
ズとする。
[発明の効果] 高温高倍率延伸するのに、特定のキャスト法を用いたシ
ートを使うことにより、次のような効果が生じる。
(1)長手方向の延伸倍率が4.5倍以上と高いにもかか
わらず厚みむらの小さい、表面の平滑なフィルムが得ら
れる。
(2)得られたフィルムは、耐摩耗性にすぐれており、さ
らに長手方向の強度も高く、磁気テープ用ベースフィル
ムに好適な特性を有したフィルムとなる。
(3)オリゴマーや添加物がフィルム表面にブリードしに
くい安定したフィルムになり、電気絶縁用フィルムなど
の用途にすぐれたフィルムになる。
(4)コンデンサー用フィルムとして電気絶縁特性のすぐ
れたフィルムが得られる。
(5)印刷性、金属蒸着性などの易接着性にすぐれたフィ
ルムが得られる。
(6)延伸ロールが汚れにくく、ロールの洗浄や交換の少
ない延伸プロセスであり、生産性にすぐれたプロセスで
ある。
(7)通常キャストフィルムより低温延伸で同一配向を得
ることができ、破れの少ない安定した延伸が可能にな
る。
[実施例] 次に本発明の効果をより理解しやすくするために実施例
で説明する。
実施例1 ポリエチレンテレフタレート(o−クロロフェノール中
での極限粘度[η]0.65、添加剤として平均粒径3
00mμのTiOを0.1重量%添加)を用い、常法
により/80℃で真空乾燥後、押出機に供給し、285
℃で溶融させたのち、ギヤーポンプで定量に計量し、T
ダイ口金から一定厚さの溶融シートを吐出させた。該シ
ートの全巾にわたって静電荷を印加させながら50m/
分で鏡面ドラム(表面粗さR0.1μm)上に密着冷
却固化させた。このとき鏡面ドラム上には、80℃の飽
和水蒸気を含んだエアーを、25℃に保たれたドラムに
吹き付け、平均水膜厚さdが1μmになる様に均一に水
の液滴が付着させてある。また、静電荷を帯びた溶融シ
ートと冷却ドラムとの間に出来る水のメニスカス高さh
を2.5μmに保った。
かくして得られたキャストフィルムを、100℃に加熱
されたロール上で長手方向に1.8倍延伸後、90℃に
加熱されたロール上で3.6倍延伸し長手方向にトータ
ル6.5倍延伸した。つづいて、95℃に加熱されたテ
ンター内で巾方向に4倍延伸し、210℃で7秒間、巾
方向に5%のリラツクスをしながら熱処理をして厚さ1
2μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
長手方向延伸温度は比較的低温で高倍率延伸が可能であ
り、また町時間延伸してもロール上に付着物などの汚れ
はなく、安定した延伸が可能であった。かくして得られ
たフィルムの特性を表1に示す。
上記特性を有するフィルムを磁気テープ用のベースフィ
ルムに使ったとき、走行性、すべり性にすぐれており、
しかも耐摩耗性にすぐれた磁気テープが得られる。
比較例1 実施例1で用いた水膜を介在させたキャスト法を、水膜
を介在させない通常の静電印加キャスト法に変えて、他
は、実施例1と全く同一にして二軸延伸熱処理した。
その結果、長手方向の延伸時に強く配向するためか、巾
方向の延伸でフィルム破れが多発して、安定な延伸がで
きなかったが、二軸延伸フィルムの品質を測定した結果
を表2に示した。
このようにキャスト方法を特定しないと安定した延伸が
できないのみならず、優れた品質のフィルムが得られな
い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融ポリエステルシートを、水の液膜を有
    した冷却体表面上で密着冷却固化させたのちに、長手方
    向に多段階で総合延伸倍率4.5倍以上を100℃以下
    の温度で延伸することを特徴とするポリエステルフィル
    ムの製造方法。
  2. 【請求項2】静電荷を印加させながら冷却体表面上に密
    着冷却固化させることを特徴とする請求項(1)に記載の
    ポリエステルフィルムの製造方法。
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US07/455,399 US5076976A (en) 1988-06-23 1989-06-23 Process for producing polyester film
EP89907298A EP0466921B2 (en) 1988-06-23 1989-06-23 Process for producing polyester film
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