JP3035044B2 - ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents
ポリエステルフィルムの製造方法Info
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Description
の縦延伸方法に関し、さらに詳しくは、表面に傷、ム
ラ、凹凸等のないポリエステルフィルムを製造する方法
に関するものである。
伸ロールは不可欠であるが、最近では延伸工程が高温・
高速化していくため、粘着防止能、滑り防止能および耐
久性等に優れた延伸ロールが要求されている。すなわち
一般に高温で延伸を行なう場合は、ロールとフィルムの
間に粘着が起こり易いため、ロールを粗面にすることが
好ましい。しかしロール面を粗くしすぎると、ロール上
をフィルムが滑ってしまい、フィルムに傷を発生させる
ことになる。
目的を達成するためにはセラミックス製の延伸ロールが
有用であると考えられており、該延伸ロールの中心線平
均粗さ(以下Raと略す)、最大高さ(Rmax と略す)
等の表面形状について種々の検討が行なわれている。例
えば、特開昭62−116127号公報には、Rmax が 1.0μm
以上6μm以下であり、凹部が10個/mm以上でかつ断
面曲線の中心線より 1.5μm以上の高い突起がないよう
に表面仕上げされたロールを用いる方法が、また特開平
2-102023号公報には、Raが 0.5〜1.5 μm、Rmax が
10.0μm以下、0.5μm以上の凹部の数が12〜22個/m
mのセラミックスロールを延伸ロールとして用いる方法
等が開示されている。
すれば粘着防止に効果があることを示しているが、凹部
のロール表面に占める面積比に規定がなく、この面積比
が多すぎる場合、スジ状傷の発生という問題が起こる。
またロール凸部の高さだけを規定しても、凸部に起因す
る凹状欠点は防止できない。一方後者の方法は、Raの
規定はあるものの凹部のロール表面に占める面積比に規
定がなく、フィルムがロール凹部へ入り込むことによっ
て凸状欠点が発生してしまう。また、ロール凸部の規定
がなされていないので凹状欠点の防止策が充分でない。
を解決し、表面にスジ状傷、粘着ムラ、凹凸等のないポ
リエステルフィルムを製造するための方法を提供するこ
とを目的とする。
満足する円周方向断面曲線を有するセラミックスロール
により、ポリエステルフィルムを縦方向に延伸するとこ
ろに要旨を有する。 (1) Rmax≧4μm (2) tp(0.1) ≧10% (3) 75%≦tp(1.2) ≦95% (4) PD≧15個/mm ただし、Rmax:表面粗さの最大高さ(μm)。 tp(0.1) :断面曲線の平均粗さ線に平行でかつ最頂部
を通る直線から0.1μm下部にある直線(以下カウント
レベル 0.1μmと言う)を引いたと仮定した時に切り取
られる断面曲線の凸部底辺の長さの総和と測定長との比
率(%)で、以下カウントレベル 0.1μmにおける相対
負荷長さという。 tp(1.2) :カウントレベル 1.2μmにおける相対負荷
長さ(%)。 PD:カウントレベル 1.2μmより深い凹部の1mm当た
りの数。
〜 2.0μmが好ましい。Raが低過ぎるとフィルムとロ
ールが粘着し易くなり、大き過ぎるとロール上をフィル
ムが滑ってしまい擦り傷を発生させるために好ましくな
い。セラミックスロールの断面曲線のRmax は4μm以
上が好ましい。より好ましくは6μm以上である。Rma
x が4μmより低いと、ロールがフィルムと粘着しやす
くなると共に、ロールにモノマー等が付着して汚れるた
めロールの耐久性が悪化してしまう。
ールは、tp(0.1) およびtp(1.2) が限定されること
が必要である。ここでtpは以下のように決定される。
断面曲線の平均粗さ線に平行でかつ最頂部を通る線を引
き、この線に対する距離をカウントレベルとする。そし
てあるカウントレベルの直線で断面曲線を切断した際に
切り取られた凸部分底辺の長さの総和と測定長との比率
を百分率で表したものを、そのカウントレベルにおける
相対負荷長さ(tp)とする。本発明では切断レベルを
0.1μmおよび 1.2μmに設定し、そのときのtpを、
各々tp(0.1) 、tp(1.2) と表した。
ましくは15%以上である。tp(0.1) が10%より小さい
とロール凸部の転写のためにフィルム上に凹型欠点が発
生するという問題が起こる。また、tp(1.2) は75%以
上、95%以下がよい。75%より低いとロール上でフィル
ムが滑るため擦り傷が発生してしまう。95%を超えると
フィルムとロールが粘着しやすくなると共に、ロールに
モノマー等が付着して汚れるため、ロールの耐久性が悪
化してしまう。より好ましくは80%≦tp(1.2) ≦92%
である。
であり、カウントレベル= 1.2μmの場合、断面曲線が
このカウントレベルより下になる(深い)部分をピット
とし、カウントレベルと断面曲線が交差する点2つ毎に
ピット1つとして数え、1mm当りのピット数をピット
密度とし、PDと表した。本発明ではPDは15個/mm
以上が好ましい。15個/mmより少ない場合は、フィル
ムとロールが粘着し易くなると共に、ロール凹部の径が
大きいものが存在するため凹部にフィルムが入り込んで
フィルム表面に凸型欠点を発生させることがある。より
好ましくはPD≧18個/mmである。
ールは、セラミックスを金属ロール表面に爆発溶射、プ
ラズマ溶射等の方法で被覆したものである。セラミック
ス原料としては、アルミナ、ジルコニア、チタニア等が
使用できる。セラミックス層の厚みは、通常0.01〜 3m
mであり、好ましくは0.05〜 0.5mmである。0.01mm
より小さいと被覆斑等の影響でフィルムとロールの粘着
の発生を防止できない。 3mmを超えるとロールの熱伝
導度が悪化するので均一な加熱ができず好ましくない。
クスロールの製造方法については特に規定しないが、例
えば凹凸のない金属ロール表面にセラミックスを被覆し
た後、スパッタリング等の方法でセラミックス粒子を除
去し凹部を形成させ、さらに凸部を適宜除去したり研磨
することによって製造することができる。
エステルであり、一軸あるいは二軸延伸フィルムを形成
し得るものであればどのようなものでもよく、ジカルボ
ン酸成分、モノカルボン酸成分、ヒドロキシカルボン酸
成分等については特に限定されるべき理由はなく、代表
的なものを例示しておくと、例えばポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナ
フタレート等が挙げられる。またこれらの混合物あるい
は共重合ポリエステルでも構わない。
て、表面粗さのRaが 0.005〜0.03μm、Rmax が0.03
〜 0.4μmのポリエステルフィルムを製造することがで
きる。この表面粗さを得るために、上記のポリエステル
に、必要に応じて無機、有機粒子を添加することもでき
る。また、公知の添加剤、例えば安定剤、粘度調節剤、
酸化防止剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤等を添加
してもよい。
は、上記ポリエステルの未延伸あるいは少なくとも一軸
に延伸されたフィルムである。延伸時のフィルムの加熱
方法は特に限定されず、公知の方法はすべて採用でき
る。特に好ましいのはロール加熱であるが、粘着が生じ
ない範囲であれば赤外線ヒーター加熱等の外部加熱を併
用してもよい。なお、セラミックスロールの温度範囲
は、スジ状傷発生防止と粘着防止の点から70〜 150℃程
度が好ましい。
明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実
施例に制限されるものではない。まず表面特性の測定並
びに評価方法を説明する。 (1) 中心線平均粗さ(Ra)および(Rmax ):JIS B0
601 による。 (2) tp(0.1) およびtp(1.2) :株式会社ミツトヨ製
表面粗さ計(サーフテスト201)を用いて測定長
(L)8mmで断面曲線を測定する(図1参照)。まず
断面曲線1の平均粗さ線2に平行でかつ最頂部を通る直
線3を引き、この線からの距離をカウントレベルとす
る。そしてあるカウントレベルの直線4で断面曲線を切
断した際に切り取られた凸部分底辺の線分An の長さの
総和と測定長Lとの比率を百分率で表したものを、その
カウントレベルにおける相対負荷長さ(tp)とする。
本発明においては切断レベルを0.1 μmおよび1.2 μm
に設定し、そのときのtpを各々tp(0.1),tp(1.2)
と表した。 (3) PD:1.2 μmの所にカウントレベルを設け、断面
曲線がこのカウントレベルより下になる(深い)部分を
ピット5とし、カウントレベルと断面曲線が交差する点
2つ毎にピット1つとして数え、1mm当りのピット数
をピット密度とし、PDと表した。
ペレット(極限粘度0.62)を充分に真空乾燥した後押出
機に供給し、 285℃で溶融してTダイからシート状に押
し出し、直流の電圧を印加した電極を用いて冷却ロール
上に静電気的に密着させ、冷却固化させて厚さ 200μm
の無配向シートを得た。このシートを図2に示す縦延伸
装置に導き、延伸用ロールを97℃に加熱して、縦方向に
4.0倍延伸した。続いてこのシートをテンター内に送り
込み 120℃で横方向に 4.0倍延伸し、さらに220℃で5
秒間熱処理を行なってポリエステルフィルムを製膜し
た。得られたフィルムの表面状態を表1に示した。延伸
用ロールとしては、酸化アルミニウム98%以上、酸化ク
ロム1%以上の組成を持つセラミックスを被覆させたも
の[被覆の厚さ;0.3mm 、Ra=0.8 μm、Rmax =8.
6 μm、tp(0.1) =23%、tp(1.2)=88%、PD=2
1個/mm]を使用した。得られたフィルムの表面状態
を表1に示した。
を表1に示したように変化させ7種のフィルムを製膜
し、表面状態を評価して表1に併記した。 〈評価項目〉 (1) スジ状傷 ロール上でフィルムが滑ると、線状の傷がフィルムのセ
ラミックス面に発生する。これをスジ状傷と表現する。
評価は目視により行なう。○:無し、×:有り (2) 粘着ムラ ロールとフィルムの粘着によって剥離性が悪化したとき
に発生する横向きの縞状ムラのことを言う。評価は目視
により行なう。○:無し、×:有り (3) 凹および凸状欠点 ロール表面凸部がフィルム表面へ転写されることにより
発生する窪みを凹状欠点とし、ロール表面の凹部にフィ
ルムが入り込むことにより発生する欠点を凸状欠点とす
る。この欠点部分を、日本光学工業株式会社製顕微鏡
(OPTIPHOTO)および同社製カメラ(FX−3
5)を用いて撮影した微分干渉写真上で、目視によりマ
ーキングし、その面積比率を日本光学工業株式会社製全
自動画面解析システム(LUZEX 2D)で求めた。
性を持つセラミックスロールで延伸した実施例1,2,
3のポリエステルフィルムは、スジ状傷、粘着ムラがな
く、欠点もほとんど認められなかった。これに対し、比
較例1では延伸ロールのtp(1.2) が小さすぎるために
スジ状傷が発生しており、比較例2ではtp(1.2) が大
きすぎるために、また比較例3ではRmax が小さすぎる
ためにそれぞれ粘着ムラが発生している。さらに比較例
4ではtp(0.1) が小さすぎるために凹状欠点が、比較
例5ではPDが小さすぎるために凸状欠点が多く発生し
ていることがわかる。
を縦延伸する際に、表面の粗さとピット密度を規定した
セラミックスロールを用いることにより、フィルムのロ
ール表面上での滑りおよびフィルムとロールとの粘着、
さらにはロール凸部あるいは凹部へのフィルムの入り込
みを防止することができ、スジ状傷や粘着ムラ並びに凹
凸状の欠点のないポリエステルフィルムを得ることがで
きる。
面を表面粗さ計で測定したときに得られる断面曲線の一
例を示す。
を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記の条件を満足する円周方向断面曲線
を有するセラミックスロールにより、ポリエステルフィ
ルムを縦方向に延伸することを特徴とするポリエステル
フィルムの製造方法。 (1) Rmax≧4μm (2) tp(0.1) ≧10% (3) 75%≦tp(1.2) ≦95% (4) PD≧15個/mm ただし、Rmax:表面粗さの最大高さ(μm)。 tp(0.1) :断面曲線の平均粗さ線に平行でかつ最頂部
を通る直線から0.1μm下部にある直線(以下カウント
レベル 0.1μmと言う)を引いたと仮定した時に切り取
られる断面曲線の凸部底辺の長さの総和と測定長との比
率(%)で、以下カウントレベル 0.1μmにおける相対
負荷長さという。 tp(1.2) :カウントレベル 1.2μmにおける相対負荷
長さ(%)。 PD:カウントレベル 1.2μmより深い凹部の1mm当た
りの数。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34216191A JP3035044B2 (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | ポリエステルフィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34216191A JP3035044B2 (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | ポリエステルフィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05147102A JPH05147102A (ja) | 1993-06-15 |
JP3035044B2 true JP3035044B2 (ja) | 2000-04-17 |
Family
ID=18351595
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP34216191A Expired - Fee Related JP3035044B2 (ja) | 1991-11-29 | 1991-11-29 | ポリエステルフィルムの製造方法 |
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JP (1) | JP3035044B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP4655381B2 (ja) * | 2001-02-22 | 2011-03-23 | 東レ株式会社 | ポリエステルフィルムの製造方法 |
-
1991
- 1991-11-29 JP JP34216191A patent/JP3035044B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH05147102A (ja) | 1993-06-15 |
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