JPH069811B2 - 耐酸ヒューム管の製造方法 - Google Patents

耐酸ヒューム管の製造方法

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JPH069811B2
JPH069811B2 JP62241700A JP24170087A JPH069811B2 JP H069811 B2 JPH069811 B2 JP H069811B2 JP 62241700 A JP62241700 A JP 62241700A JP 24170087 A JP24170087 A JP 24170087A JP H069811 B2 JPH069811 B2 JP H069811B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、遠心力鉄筋コンクリート管(以下ヒューム
管と称す)の内周面に中間層を形成し、これを硬化した
後更にその内面に樹脂による耐酸層を形成してなる耐酸
ヒューム管の製造方法に関する。
[従来の技術] 酸に対して極めて弱いヒューム管の性質を改善するため
に、従来はエポキシ樹脂,アクリル樹脂,又はポリウレ
タン樹脂等を管の硬化後のコンクリート内面に直接塗布
するか、又は遠心ライニングにより耐酸層を形成して、
耐酸ヒューム管を製造していた。
[発明が解決しようとする問題点] ヒューム管は遠心成形のとき、第2図に示すようにコン
クリートは比重の大なるコンクリート層1が外周に、比
重の小なる夾雑物がレイタンス層4として管内面に浮き
出て、蒸気養生後にも薄い層状で内周全面を被覆してい
るが、このレイタンス層4はコンクリートの未硬化のと
きにも、又硬化後にもこれを完全に除去することは大変
むづかしい。
その上このレイタンス層4は極めて脆弱であるのでこれ
を完全に除去しないで、その上に樹脂を塗布して耐酸樹
脂層3を設けても、塗布直後はよいが、時間の経過につ
れて、樹脂のわずかな収縮によってもレイタンス層がこ
われ、樹脂が部分的に剥離し始める。剥離部分は強度的
にも不安定となり亀裂等の欠陥が生じ易くなり、この部
分から次第に酸性の水や気体が滲透して、コンクリート
層1の部分を浸蝕するので管の耐酸性は急激に低下す
る。しかしこのレイタンス層4の除去は大変困難なの
で、やむを得ずそのままレイタンス層4の上に塗布や遠
心ライニング加工により耐酸樹脂層を形成するか、又は
研磨機等でレイタンス層全面を研削する等その除去に多
大の労力を掛けているのが現状である。
更に別の方法として、このように遠心成形されるヒュー
ム管の内面に発生する脆弱なレイタンス層4の性質改善
のために、回転する型枠に投入するコンクリートに予め
合成樹脂の水性エマルジョンを配合混練する方法が実施
されることがある。コンクリートの成形方法で流し込み
工法や振動打ち工法の場合等では、合成樹脂の水性エマ
ルジョン配合による一般的な効果は曲げや引張り強さ,
接着強さ等の増加の他に乾燥収縮の減少や耐薬品性の付
与などが得られる。しかし、遠心成形の場合には通常30
G以上もの大きな遠心力が相当の時間コンクリートに作
用するため、配合水の大部分は管の内面に絞り出され、
内面の仕上げ作業で管外に排出される。この時同時に配
合水と共に混練された合成樹脂の水性エマルジョンも排
出され、レイタンス層の性質改善に効果的に働くのに必
要な樹脂の管内周面での残存量が極めて少なくなり、大
半は無駄に排出されることが数度の実験結果として得ら
れたのである。
即ち樹脂の残存量は投入コンクリートへの配合量の多少
ではなく、コンクリートを締め固めるための遠心力の大
きさや時間等に、即ち管内周面に搾り出された排出水の
量に大きく左右されるものと考えられる。
[問題点を解決するための手段] 本発明はかかる見地から管内周面での樹脂の残存量の減
少を防ぎ、少量の樹脂でレイタンス層の性質改善の効果
を最大限に発揮し、結果として良好な耐酸ヒューム管を
得んがためになされたものである。
そこで第1図に示す如く、まず回転機上で回転する中空
型枠にコンクリートを投入し、常法により遠心力を利用
してコンクリート層1を形成する。通常型枠の回転は、
コンクリートの締め固めのために高速回転において約30
〜35G程度の遠心力が生ずるように回転し、内部の余剰
水を排出する。同時に管内周面を仕上げ棒等で平滑に仕
上げる。次に回転を低速に落とし、その内面にセメント
とカチオン性アルカリ硬化型アクリエマルジョンとを混
練した混合モルタルを投入して、管内周面に樹脂を含む
中間層2を形成する。ここでカチオン性アルカリ硬化型
アクリエマルジョンとしてカネボウNSC(株)のヨド
ゾールAF-941(特開昭61-158851号)又はベルタイト
FAH等の商品がある。これらのエマルジョンは従来の
カチオン性ポリマーとして電気的な吸着のみによる接着
でなく、更にポリマー粒子表面のアクリル硬化反応基が
セメントのアルカリによりポリマー粒子間で化学的橋架
反応をおこして強靱な硬化体を作るのである。ここで中
間層2を形成する混合モルタルの配合の例として、管内
周面1平方米当たりヨドゾールAF-941を100〜150Gr、
セメント量はその3倍とし、添加水の量は混合モルタル
の堅さが耳たぶ程度となるようにするのが適当である。
勿論混合モルタルの量は管内周面に薄く均一に展伸すれ
ばよく、作業の熟練の度合により加減すればよい。混合
モルタルには更に細粒の硅砂を加えることもある。混合
モルタルにより中間層2を形成するときは、先のコンク
リート層1の場合と同様に高速回転で成形するが、この
ときの回転時間は、内周面に樹脂エマルジョンが湧出し
てきて白色に変化し始めれば回転を低速に落としハケ仕
上げ等によって仕上げればよい。通常この高速回転の時
間は20〜30Gで約1〜2分でよい。このアルカリ硬化型
アクリエマルジョンを使用するときの中間層2の硬化時
の強さはセメントのアルカリによって得られるので、大
きな遠心力や長時間の締め固めの必要はなく、短時間の
回転でよいので、それだけ遠心による樹脂成分の流出が
少なくて残存量が多くなり、内周面に発生するレイタン
ス層の性質改善に効果的に働き、新しい中間層2が形成
されるのである。
中間層2の成形が完了したら回転を止め、蒸気養生によ
りコンクリート及び中間層2を硬化する。次に硬化した
ヒューム管を再び回転機上で回転させながら、更に中間
層2の内面に耐酸性を有する硬化性樹脂、又はこれに硅
砂等の骨材や硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の粉末を
加えた樹脂モルタルを投入し、遠心ライニングにより耐
酸樹脂層3を形成し、常温又は加熱により該耐酸樹脂層
3を硬化する。耐酸性を有する硬化性樹脂としては、エ
ポキシ樹脂,アクリル樹脂,ポリエステル樹脂,ポリウ
レタン樹脂等が用いられる。この時、ライニング作業に
先立って中間層の内面に研磨その他の工程を加える必要
はなく、直接ライニング作業を行うことができる。ただ
硬化性樹脂の粘度が高く管内面の中間層2との間に気泡
等が残る恐れがある場合や、中間層2の形成から日時の
け経過した管等はそれぞれの樹脂用のプライマーを予め
内面に塗布することもある。
エポキシ樹脂等はその硬化を早くするために、ヒューム
管が蒸気養生により加温された状態の間にライニングす
るか、又は管の温度が常温にまで低下した場合には、ゼ
ットバーナー等で加温すればよい。
以上の如き工程によって、耐酸樹脂層3を硬化すれば本
発明の所要の耐酸ヒューム管が得られるのである。
[実施例] JIA A 5303に規定されるB形1種250mmのヒューム管
の型枠を回転機上で回転させながら、型枠内に通常のコ
ンクリートを投入し、遠心力を利用して締め固め、脱水
仕上げの後、引き続いて内周面にセメント360Grとカチ
オン性アルカリ硬化型アクリルエマルジョンとしてヨド
ゾールAF-941を少量の水を混練した混合モルタルを投
入して均一に展伸した後、25Gで約1分間回転して内面
に白色液が湧出し始めたとき、低速回転に落とし、ハケ
仕上げを行って中間層を形成した。適宜の前置き時間の
後、蒸気養生を行い、翌日これをジョットバーナーで約
50゜Cに加温し、中間層に何らの加工もせず再びこれを回
転機上で回転させながら、その内面に硬化剤を含むエポ
キシ樹脂100重量に対して6号硅砂50重量,炭酸カルシ
ウム50重量からなる樹脂モルタルを投入し、遠心ライニ
ングにより厚さ約1,2mmの耐酸層を形成した。数分後
耐酸層の硬化を待って回転を停止する。その後4週間の
野外における自然養生の後、本耐酸ヒューム管の適宜の
箇所から3個の接着力試験用の試片を採取した。採取し
た試片が建研式の引張試験器によりコンクリート層,中
間層,耐酸層との間の接着力のテストを行い、その結果
から平方センチ当たりの接着強さを求めた。表のAはこ
のときの値を示す。
表のBの値は、Aとの比較のために250mmのヒューム管
の管厚全部をAの場合と同一のコンクリートを投入し
て、中間層が無く発生したレイタンス層の有る従来のヒ
ューム管を成形し、Aと同一条件で耐酸層を形成し、更
に同じ養生を施して接着力試験を行ったもので、そのと
きの接着強さを示す値である。
またAの値との差異を見るために、250mmのヒューム管
の本体となるコンクリート中に、予めヨドゾールAF-9
41を混入したもので遠心成形を行った場合の接着強さを
求めたものが表のCの値である。このときのコンクリー
トの配合は基本的にはAの配合と同じである、即ち単位
セメント量はAの場合と同様480Kg/m3で、これに対して
重量比でヨドゾールAF-941を1量に水3量を加えたも
のを水とし、Aの配合と同じく水比46%のコンクリート
とした。このコンクリートを回転する型枠に投入して、
更に35Gの回転で約12分脱水し締め固めて成形した。以
後はAにおけると同様の養生を行い、同一の条件で引張
試験を行ったときの値である。
その結果、上記実施例のAの値で示したようにコンクリ
ート本体との接着力は39.0Kg/Cm2に達し、中間層の無い
通常のヒューム管の如き場合におけるBの値15.3Kg/Cm2
の2倍以上であった。これはカチオン性アルカリ硬化型
アクリルエマルジョンの働きによって本体コンクリート
と中間層が強く結合すると共に、樹脂分が存在する中間
層とエポキシ樹脂の耐酸層とも良好な接着状態となって
いることを示すものと考えられる。これは引張試験の破
壊の状態から、即ちAの場合にはコンクリート部分が深
く抉られた状態で破壊しており、Bの場合はコンクリー
ト部分は全く破壊せず白灰色のレイタンス層でエポキシ
樹脂の層が剥離した。
また参考のために行ったコンクリートにアクリルエマル
ジョンを混合したものについては、接着力Cの値として
23.8Kg/Cm2を得た。このときもBの場合と同様にコンク
リート層の破壊は殆ど無く、破壊の程度も浅いものであ
り、大部分は耐酸層の裏面で剥離していた。これをAと
比較すると接着力はかなり低下しているが、Bの場合よ
りはよい。これはコンクリートに配合した樹脂が、遠心
締め固めの際に多量の余剰水と共に排出され、残存する
量が減少してレイタンス層の性質改善の効果が少なくな
るからではないかと推定される。
本発明により製造した耐酸ヒューム管の耐酸層の耐薬品
性については、使用する樹脂の種類によって多少の差異
はあるが、既に多くの文献によって明らかにされている
ので本文では省略する。しかし、通常のコンクリートの
場合のそれに比較して遥かに耐酸性能が優れていること
は言うまでもない。
[発明の効果] 以上説明してきたように本発明による耐酸ヒューム管
は、遠心成形の際に管の内周面に発生する脆弱なレイタ
ンス層を、セメントとカチオン性アルカリ硬化型アクリ
ルエマルジョンとの混合物よりなる中間層を設けてその
性質を改善し、該中間層を介して管本体コンクリートと
耐酸層を強固に接着せしめることが可能となり、それに
よってヒューム管に安定した耐酸性能を付与することが
できるという効果を生ずる。
更に各種樹脂により形成される耐酸層の内面は極めて平
滑であるので、管内の水利特性も向上し流水量の増加も
得られるという効果を生ずる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の耐酸ヒューム管の正面断面図、第2図
は従来の耐酸ヒューム管の正面断面図を示す。 (1)……コンクリート層 (2)……中間層 (3)……耐酸樹脂層 (4)……レイタンス層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転機上で回転する中空型枠に、常法によ
    りコンクリートを投入、遠心力を利用して成形締め固
    め、続いてその内面にセメントとカチオン性アルカリ硬
    化型アクリルエマルジョンとを混練した混合モルタルを
    投入、管内周面に樹脂を含む中間層を形成し、次いで適
    宜の養生により前記コンクリート並びに中間層を硬化し
    た後、再び之を回転機上で回転させながら、更に中間層
    の内面に、耐酸性を有する硬化性樹脂、又は之に硅砂等
    の骨材や硫酸バリウム等の粉末を加えた樹脂モルタルを
    投入、耐酸層を形成し、常温又は加熱により、該耐酸層
    を硬化してなる耐酸ヒューム管の製造方法。
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