JPH069788A - ポリエチレン組成物の製造法 - Google Patents

ポリエチレン組成物の製造法

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JPH069788A
JPH069788A JP16799492A JP16799492A JPH069788A JP H069788 A JPH069788 A JP H069788A JP 16799492 A JP16799492 A JP 16799492A JP 16799492 A JP16799492 A JP 16799492A JP H069788 A JPH069788 A JP H069788A
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JP
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polyethylene
mol
molecular weight
density
extruder
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JP16799492A
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English (en)
Inventor
Kazunori Yano
一憲 矢野
Tomofumi Shibazaki
智文 柴崎
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インフレーション成形の高速度成形の安定性
に優れ、得られるフィルムにゲルの発生の無い、ポリエ
チレン組成物の製造法の提供。 【構成】 チーグラー触媒を用いる2段重合により得ら
れた特定の高分子量ポリエチレンと特定の低分子量ポリ
エチレンからなる、平均粒径の比較的大きなポリエチレ
ンを、ラジカル発生剤とともに押出機にて特定の条件下
に混練して、ポリエチレン組成物を製造する。 【効果】 上記目的が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエチレン組成物の
製造法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、
チーグラー触媒を用いる2段重合により得られた特定の
高分子量のポリエチレンと特定の低分子量のポリエチレ
ンとからなる、平均粒径が300〜1000μmと大き
いポリエチレンを、ラジカル発生剤とともに押出機にて
混練して、インフレーション成形用として用いた場合
に、高速度成形が安定して行え、かつゲルの無い、ポリ
エチレン組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インフレーション成形法によるポリエチ
レンフィルムの製造は、近年成形機の改良、作業の効率
化等により、成形速度が高速化する傾向にある。この高
速成形においては、押出された溶融体が固化する過程で
不安定となり、安定なインフレーションフィルムが得ら
れず、その結果、均一なフィルムが得られない。この主
原因は、ポリエチレンの溶融張力(MT)不足である。
このMTが大きい程、押出された溶融体が固化する過程
での、不安定な挙動は発生しにくいが、逆に大き過ぎて
も安定なインフレーションフィルムが得られない。従っ
て、高速度でも安定なインフレーション成形性を有する
ポリエチレンを得る為には、溶融張力を適正に保つこと
が必要となる。
【0003】インフレーションフィルム成形を目的とし
たポリエチレンは、溶融張力を適正に保つ為に、高分子
量ポリエチレンを一定量含有させ、その高分子量ポリエ
チレンによる溶融粘度の上昇による成形の困難さの増大
を防ぐ為に、低分子量ポリエチレンを所定量含有させ、
広い分子量分布をもたせたポリエチレン組成物とするの
が、一般的手法として知られている。ところが、従来チ
ーグラー触媒を用いる2段以上のスラリー重合により、
高分子量ポリエチレンと低分子量ポリエチレンを含み、
分子量分布が広くかつ平均粒子径50〜200μmと微
細なポリエチレンでは、インフレーション成形で問題無
かったものが、スラリー重合の後処理段階で有利であ
る、及び気相重合では通常の大きさである平均粒径30
0〜1000μmのポリエチレンでは、インフレーショ
ン成形フィルムにゲル等が発生し、不均一外観の問題を
生ずることが判明した。
【0004】一方、高分子量ポリエチレンと低分子量ポ
リエチレンを含むポリエチレンに、微量のラジカル発生
剤を添加し混練することで高速度成形の安定性の改良も
種々提案されている(例えば、特開昭57−3883
7、同58−29841、同59−68350、同59
−81137、同59−89341各号公報等)。しか
しながら、これらの方法は、平均粒径が50〜200μ
mの微細なポリエチレンには有効であるが、平均粒径が
300〜1000μmのポリエチレンでは、ゲルが発生
し易く、外観不良のインフレーションフィルムとなる。
【0005】発明の概要
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術は、チ
ーグラー触媒を用いて2段重合して得られた高分子量ポ
リエチレンと低分子量ポリエチレンからなるポリエチレ
ンに、ラジカル発生剤を添加し押出機で混練しても、イ
ンフレーション成形の高速度成形の安定性が悪く、得ら
れたフィルムにゲルが発生する問題があるのでその改良
が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決すべく検討を行った結果なされたものである。即
ち、本発明によるポリエチレン組成物の製造法は、チー
グラー触媒を用いる2段重合により得られた高分子量の
ポリエチレン(A)と低分子量のポリエチレン(B)か
らなる平均粒径が300〜1000μmのポリエチレン
を、ラジカル発生剤とともに押出機にて混練して、メル
トインデックス0.02〜0.1g/10分、分子量分
布指数(Q値)10〜20、密度0.910〜0.97
0g/cm3 のポリエチレン組成物を製造する方法にお
いて、該ポリエチレン(A)/該ポリエチレン(B)の
混合割合が重量比で70/30〜40/60、該ポリエ
チレン(A)は、重量平均分子量(Mw)が10万〜1
00万、Q値が2〜10、かつ密度が0.900〜0.
940g/cm3 、該ポリエチレン(B)はMwが0.
2万〜10万、Q値が3〜8、かつ密度が0.930〜
0.980g/cm3 であり、ラジカル発生剤は、予め
ポリエチレンに溶融混練した10〜300倍濃度のマス
ターバッチとして、該ポリエチレン(A)と該ポリエチ
レン(B)からなるポリエチレンに対して最終濃度5〜
100ppmとなる様に添加され、混練温度160〜2
90℃で、ラジカル発生剤の半減期の3〜30倍の滞留
時間、押出機で混練すること、を特徴とするものであ
る。
【0007】発明の具体的説明 本発明に用いられるチーグラー触媒は、チタン含有化合
物もしくは好ましくはマグネシウム含有化合物にチタン
含有化合物を担持した遷移金属成分と有機アルミニウム
化合物とを組合せた、公知の触媒である。具体的には、
好ましい固体触媒成分としてMg、Ti及びハロゲンを
含む固体で、例えば、(1)MgCl2 をチタンテトラ
アルコキシドと接触させることを特徴として形成される
MgCl2 −Ti含有担体を、Ti、Si、Al等のハ
ライドと接触させて形成される固体成分(特開昭54−
45696、同54−120288、同55−2143
5、同55−40745、同58−5309、同58−
5310、同59−12903、同59−68312、
同59−80406、同61−23603、同61−2
85204、同59−149905、同61−1976
07、同61−204202各号公報等)。(2)ハロ
ゲン化チタン、ハロゲン化マグネシウム及びエーテル又
はエステル又はアルコールからなる複合体固体成分、又
はそれを多孔質無機担体に担持した固体成分(特開昭5
1−120992、同54−142192、同54−1
48093、同55−120608各号公報等)。
【0008】有機アルミニウム化合物としては、トリア
ルキルアルミニウムが好ましく使用でき、具体的には、
Al(CH3 3 、Al(C2 5 3 、Al(i−C
4 9 3 等が例示できる。又ハロゲン化有機アルミニ
ウム、具体的には(CH3 2 AlCl、(C2 5
2 AlCl、(C2 5 3/2 AlCl3/2 、C2 5
AlCl2 を上記のトリアルキルアルミニウムと混合使
用することもできる。本発明の方法に用いられる2段重
合は、特に制限がなく、スラリー重合、気相重合、バル
ク重合など公知のものが用いられるが、得られた高分子
量のポリエチレン(A)と低分子量おポリエチレン
(B)からなるポリエチレンの平均粒子が300〜10
00μmとなる公知の重合法及び重合条件である。中で
も気相重合が好ましい。
【0009】本発明の方法に用いられるポリエチレン
は、高分子量のポリエチレン(A)と低分子量のポリエ
チレン(B)とからなり、ポリエチレン(A)/ポリエ
チレン(B)の混合割合は重量比で70/30〜40/
60、好ましくは65/35〜45/55である。ポリ
エチレン(A)の割合が上記より大きいと加工流動性が
劣り、逆にこの割合が上記より小さいとフィルムの強度
が低下し好ましくない。ポリエチレン(A)は、重量平
均分子量(Mw)が10万〜100万、好ましくは15
万〜80万であり、ポリエチレン(B)は、Mwが0.
2万〜10万、好ましくは0.5万〜8万である。ポリ
エチレン(A)のMwが100万を越え、又はポリエチ
レン(B)のMwが10万を越えると、得られるポリエ
チレン組成物の粘度が高くなり過ぎ、加工流動性が劣る
ので好ましくない。一方、ポリエチレン(A)のMw又
はポリエチレン(B)のMwが、上記範囲の下限よりそ
れぞれ小さいと、得られるフィルムの強度が低下し問題
となる。
【0010】ポリエチレン(A)の分子量分布指数(Q
値=Mw/Mn、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーで測定して、それぞれ得られた重量平均分子量(M
w)を数平均分子量(Mn)で除した(値)は、2〜1
0であり、ポリエチレン(B)のQ値は3〜8である。
ポリエチレン(A)及び(B)のQ値が上記範囲よりそ
れぞれ小さいと、インフレーション成形に適さないもの
となる。ポリエチレン(A)の密度は、0.900〜
0.940g/cm3 、好ましくは0.910〜0.9
40g/cm3 、ポリエチレン(B)の密度は、0.9
30〜0.980g/cm3 、好ましくは0.940〜
0.980g/cm3 である。各重合の工程で上記分子
量、Q値及び密度の範囲に調節する為に、各重合工程で
共重合モノマーとして、プロピレン、ブテン、ヘキセ
ン、オクテン、デセン、4−メチルペンテン−1,3−
メチルブテン−1などのα−オレフィン、水素などの分
子量調節剤、等を、公知の手法で使用することができ
る。
【0011】本発明においては、チーグラー触媒を用い
る2段重合により得られた高分子量のポリエチレン
(A)と低分子量(B)からなる平均粒径が300〜1
000μmのポリエチレンを、ラジカル発生剤と共に押
出機にて混練するものである。本発明に用いるラジカル
発生剤は、半減期1分となる分解温度が140〜240
℃のものが好ましく、具体的には、1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘ
キサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタ
ン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)バレレート、ジ−イソプロピルベンゼン−ハイドロ
パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−
ブチル−クミル−パーオキサイド、ジ−クミル−パーオ
キサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m
−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジ−メチル−2,
5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3、t−ブチルーパーオキシアセテート、t−ブチル
パーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエイト、
t−ブチル−パーオキシラウレイト、t−ブチルパーオ
キシベンゾエイト、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタ
レイト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパ
ーオキシ)ヘキサン、t−ブチル−パーオキシマレイン
酸、t−ブチル−パーオキシイソプロピルカルボネイ
ト、等が例示でき、これらの中でもジ−t−ブチルパー
オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、が好まし
い。前記ラジカル発生剤はポリエチレンに対し5〜10
0ppm、好ましくは8〜50ppmの量を添加する必
要がある。添加量が5ppm未満ではインフレーション
成形性の改良効果が現われず、100ppmを超えると
溶融粘度が上昇し成形加工が困難になり、またゲルが発
生して改良効果がなくなる。
【0012】ラジカル発生剤のポリエチレンに対する添
加は、予じめポリエチレンにラジカル発生剤を溶融混練
した10〜300倍濃度のマスターバッチを、ポリエチ
レン(A)とポリエチレン(B)からなるポリエチレン
に対して、最終ラジカル発生剤濃度が上記濃度範囲とな
る様に添加して混練する。上記のマスターバッチによる
ラジカル発生剤の添加方法以外及びラジカル発生剤の濃
度範囲外では、ラジカル発生剤の分散が不均一となり、
インフレーションフィルムゲル(フィッシュアイ)が発
生し好ましくない。本発明の方法において、ラジカル発
生剤を含むマスターバッチを、ポリエチレン(A)とポ
リエチレン(B)からなるポリエチレンに溶融混練する
ために用いられる押出機としては、単軸押出機、2軸押
出機などがあるが、2軸押出機が好ましい。例えば、神
戸製鋼所製のKCM、LCM、NCMなど、日本製鋼所
製のCMP、TEXなど、東芝機械製のTEMなど、が
ある。これらの中でも2軸押出機とギヤポンプを組合せ
たものが好ましい。
【0013】溶融混練の温度は、160〜290℃、好
ましくは160〜280℃、更に好ましくは170〜2
60℃である。押出機のシリンダーにノズルを設置し、
溶融しているポリエチレンの温度を直接測定することが
好ましい。混練温度が上記温度範囲より低いと、均一混
練が困難となり、逆に高いとインフレーションフィルム
の機械的物性の低下が起こるなどし、好ましくない。本
発明の方法においては、押出機内での樹脂の滞留時間を
一定範囲内とすることが重要である。この滞留時間は、
混練温度における添加ラジカル発生剤の半減期の3〜3
0倍、好ましくは3.5倍〜25倍である。押出機の運
転状態において、滞留時間の測定は種々の方法で行える
が、例えば、着色材料を用い、材料の投入と押出機出口
における着色の応答より求めることができる。そしてこ
の滞留時間は、押出機内の可塑化されるまでの固体輸送
部と、押出機先端の溶融樹脂滞留部における、実質的に
ポリエチレンの混練されない部分での滞留時間を除いた
実質の滞留時間であり、最短の滞留時間を言う。
【0014】一般に添加したラジカル剤の分解には、本
発明で用いる滞留時間の表示で、その混練温度における
ラジカル発生剤の半減期の2倍の滞留時間で充分であ
る。しかし、本発明において押出機内のポリエチレンの
滞留時間が3倍未満では、インフレーションフィルムに
ゲルが発生し好ましくない。逆に滞留時間が長過ぎる
と、インフレーションフィルムの機械的物性が低下する
ので好ましくない。本発明の方法により得られるポリエ
チレン組成物は、メルトインデックス0.02〜0.1
g/10分、好ましくは0.03〜0.09g/10分
である。メルトインデックスが上記範囲より小さいと加
工流動性が不足となり、逆に大き過ぎるとインフレーシ
ョンフィルムの強度が不足する。Q値は10〜20、好
ましくは12〜18である。Q値が大き過ぎるとインフ
レーションフィルムの強度が低下し、逆に小さ過ぎると
加工流動性が不足する。又、密度は0.91〜0.97
g/cm3 、好ましくは0.92〜0.96g/cm3
である。
【0015】
【実施例】
実施例1〜2、比較例1〜4 以下の実施例において行った評価方法は、次の通りであ
った。 (1)メルトインデックス ASTM D−1238準拠(190℃、荷重2.16
kg) (2)分子量分布指数(Q値)、重量平均分子量(M
w)及び数平均分子量(Mn) ゲルパーミエーションクロマトグラフィー (3)平均粒径 ASTM標準ふるいを用い、重量積算分布による50重
量%相当粒径 (4)密度 ASTM D−1505準拠 (5)ゲル 厚さ30μmに成形されたフィルム中の直径0.2mm
以上のゲル個数 (6)安定成形量 インフレーションフィルム成形時、押出された溶融管状
体が安定して固化し、インフレーションフィルムが安定
して成形可能な時間当りの最大成形量
【0016】<固体触媒成分の合成>充分に窒素置換し
た500ccのフラスコに脱水、脱酸素したn−ヘプタ
ン200ccを入れ、次に、MgCl2 19g(0.2
モル)、Ti(O−nC4 9 4 136cc(0.4
モル)を入れ、95℃で1時間反応させた。その後、4
0℃に降温し、メチルヒドロポリシロキサン30ccを
入れ、3時間反応させた後、n−ヘプタンで十分に洗浄
した。得られた固体のTi含量は14.7W%であっ
た。次にこの固体にSiCl4 5.2cc入れ、25℃
で1時間反応させ、更にこれにTiCl4 19ccを入
れ、50℃で2時間反応させた後、n−ヘプタンで十分
に洗浄した。得られた固体のTi含量は11.5W%で
あった。 <固体触媒成分の予備重合>温度制御装置と撹拌機を備
えた1.5リットルオートクレーブに、n−ヘプタン8
00ccを入れ、40℃で、2,3gのジエチルアルミ
ニウムクロリド、2.3gのトリエチルアルミニウム、
15gの上記で得た固体触媒成分を入れ、水素65容量
%、全圧1.5kg/cm2 で消費されるエチレンを供
給して全圧を維持して重合を行い、エチレンを53g吸
収させて、収率4.5の予備重合固体触媒成分を合成し
た。重合終了後、得られた予備重合固体触媒成分を2リ
ットルフラスコに移し、n−ヘプタンで充分に洗浄して
予備重合固体触媒成分を得た。
【0017】<2段重合によるポリエチレンの製造>撹
拌機を有する内容積100リットルの反応器を用い、表
1に示す重合条件で2段重合を行った。その結果、表1
に示す高分子量のポリエチレンと低分子量のポリエチレ
ンからなるポリエチレン−1(平均粒径480μm)及
びポリエチレン−2(平均粒径410μm)を得た。
【0018】
【表1】
【0019】<マスターバッチの製造>マスターバッチ
用ポリエチレンとして三菱油化(株)製ポリエチレン
「ユカロンJY10」(メルトインデックス20g/1
0分、密度0.940g/cm3、エチレン・プロピレ
ンランダム共重合体)を、ラジカル発生剤として2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
シン−3を用い、表2に示すマスターバッチ中のラジカ
ル発生剤濃度となる様に、それぞれラジカル発生剤をマ
スターバッチ用ポリエチレンに含浸させた後、窒素雰囲
気下、バンバリーミキサーにて150℃、3分間混練
し、混練物をシート成形した後ペレット化して各濃度の
マスターバッチを製造した。
【0020】<ポリエチレン組成物の製造>上記でそれ
ぞれ得たポリエチレン−1、ポリエチレン−2及びマス
ターバッチを用い、安定剤としてn−オクタデシル−β
−(4′−ヒドロキシ−ジ−t−ブチルフェニル)プロ
ピオネート及びステアリン酸のカルシウム塩をそれぞれ
0.08重量部添加し、表2に示す配合条件で、それぞ
れフィード量9kg/時間で、窒素雰囲気下、210℃
に設定された2軸混練押出機(直径32mm、シリンダ
ー長さ820mm、同方向に180rpmで回転する混
練部の長さ192mm、樹脂滞留部容積約160cm3
のスクリューが設置されている)を、表2に示す条件で
運転しポリエチレン組成物のペレットを製造した。該押
出機の混練部入口の樹脂温度は155℃、混練部出口の
樹脂温度265℃で平均樹脂温度は210℃であり、滞
留時間は60秒であった(実施例1〜2、比較例1〜
2)。
【0021】次に、スクリューを混練部の長さ96m
m、樹脂滞留部容積80cm3 のスクリューに変更した
以外は、上記と同様に運転しポリエチレン組成物のペレ
ットを製造した。このときの押出機の混練部入口の樹脂
温度155℃、混練部出口の樹脂温度255℃で平均樹
脂温度205℃であり、滞留時間は38秒であった(比
較例3)。次に、実施例1〜2、比較例1〜2の押出機
の運転において、フィード量を9kg/時間から3.5
kg/時間に変更した以外は、実施例1〜2、比較例1
〜2と同様にポリエチレン組成物のペレットを製造し
た。このときの押出機の混練部入口の樹脂温度は155
℃、混練部出口の樹脂温度は295℃で平均樹脂温度は
225℃であり、滞留時間は148秒であった(比較例
4)。
【0022】<ポリエチレン組成物のフィルム成形>上
記でそれぞれ得たポリエチレン組成物のペレット(実施
例1〜2、比較例1〜4)を用い、40mmφ空冷イン
フレーションフィルム成形機を用い、成形温度200
℃、ブロー比5、フィルム厚み30μmで、それぞれフ
ィルム成形を行った。結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】チーグラー触媒を用いて2段重合して得
られた高分子量ポリエチレンと低分子量ポリエチレンか
らなるポリエチレンに、ラジカル発生剤を添加し、特定
の混練条件下に押出機で混練して得られたポリエチレン
組成物は、インフレーション成形の高速度成形の安定性
に優れ、得られたフィルムにゲルの発生の無いものとな
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チーグラー触媒を用いる2段重合により
    得られた高分子量のポリエチレン(A)と低分子量のポ
    リエチレン(B)からなる平均粒径が300〜1000
    μmのポリエチレンを、ラジカル発生剤とともに押出機
    にて混練して、メルトインデックス0.02〜0.1g
    /10分、分子量分布指数(Q値)10〜20、密度
    0.910〜0.970g/cm3 のポリエチレン組成
    物を製造する方法において、該ポリエチレン(A)/該
    ポリエチレン(B)の混合割合が重量比で70/30〜
    40/60、該ポリエチレン(A)は、重量平均分子量
    (Mw)が10万〜100万、Q値が2〜10、かつ密
    度が0.900〜0.940g/cm3 、該ポリエチレ
    ン(B)はMwが0.2万〜10万、Q値が3〜8、か
    つ密度が0.930〜0.980g/cm3 であり、ラ
    ジカル発生剤は、予めポリエチレンに溶融混練した10
    〜300倍濃度のマスターバッチとして、該ポリエチレ
    ン(A)と該ポリエチレン(B)からなるポリエチレン
    に対して最終濃度5〜100ppmとなる様に添加さ
    れ、混練温度160〜290℃で、ラジカル発生剤の半
    減期の3〜30倍の滞留時間、押出機で混練することを
    特徴とする、ポリエチレン組成物の製造法。
JP16799492A 1992-06-25 1992-06-25 ポリエチレン組成物の製造法 Pending JPH069788A (ja)

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JP16799492A Pending JPH069788A (ja) 1992-06-25 1992-06-25 ポリエチレン組成物の製造法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002514671A (ja) * 1998-05-12 2002-05-21 デーエルベー、アクチエンゲゼルシャフト 低放出性床被覆材
JP2014520916A (ja) * 2011-07-07 2014-08-25 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー エチレン系ポリマー組成物
JP2016531957A (ja) * 2013-09-30 2016-10-13 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー ポリエチレン樹脂の溶融強度を増大させるプロセス、マスターバッチ組成物、及びポリマー組成物

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