JPH069744U - 金 型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金型としての強度を損なうことなくキャビ
ティ表面全体をほぼ均等に且つ適性に冷却することが出
来ると共に、金型の温度制御を容易に行なうことが出来
る金型の提供。 【構成】 金型１の少なくともキャビティ２表面近く
の部分域３を多孔質材で構成し、また前記多孔質部分域
３に、型外へ抜ける給水路４と排水路５とを配設した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ダイカスト鋳造や射出成形などに用いられる金型に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術及びその問題点】

ダイカスト鋳造や射出成形などに用いられる金型では、鋳造乃至成形時におけ る金型の過熱を防止するために、金型の冷却が必要となる。 そこで従来では、金型の型背面側からキャビティ表面近傍に向けて複数の冷却 穴を形成せしめ、冷却穴内に冷却水を循環させることによって金型の冷却を行な っていた。 しかし乍ら、キャビティの熱ボリュームが大きい金型では、冷却穴が配設され ている近傍は良いが冷却（奪熱）が不足しがちとなり、その結果、部分的凝固の 遅れに伴うヒケが生じたり、部分的に過熱して焼付きが発生し易くなる不具合が あった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はこの様な従来の不具合に鑑みてなされたものであり、金型としての強 度を損なうことなくキャビティ表面全体をほぼ均等に且つ適性に冷却することが 出来ると共に、金型の温度制御を容易に行なうことが出来る金型を提供せんとす るものである。

【０００４】

【課題を達成するための手段】

斯る目的を達成する本考案の金型は、金型の少なくともキャビティ表面近くの 部分域を多孔質材で構成し、また前記多孔質部分域に、型外へ抜ける給水路と排 水路とを配設したことを特徴としたものである。

【０００５】

【実施例】 以下、本考案実施の一例を図面に基づいて説明する。 金型１は、じか彫りタイプの金型でも、或いは入れ子型1aを主型1bに嵌め込ん で構成する嵌込みタイプの金型でも良い。 そして、金型１の少なくともキャビティ２表面近くの部分域３を多孔質材で構 成し、その多孔質部分域３に、型外へ抜ける給水路４と排水路５とを配設する。

【０００６】 多孔質部分域３は、少なくともキャビティ２表面近くに形成して、キャビティ ２側をキャビティ２の形状に沿った形状に形成するが、金型１を構成する入れ子 型1a全体を多孔質部分域としても良い。 即ち、多孔質部分域３は、ステンレスの焼結材や金型母材と同質の金属材或い はセラミックスなどの材料で形成した適宜粒径の粒子材3aを用いて、多数の粒子 材3aをバインダーで連結せしめてキャビティ２部分を含めた金型形状に形成する か、或いは多数の粒子材3aをキャビティ２近くの金型１内部に形成せしめた多孔 質材充填部内に直接充填せしめて構成するなどして金型１内部の一部分或いは全 体に構成するものである。

【０００７】 図示した実施例のものは、入れ子型1aのキャビティ２側を適宜の深さに抉り、 その多孔質充填部６内にバインダーで固めた多数の粒子材3aを充填せしめて多孔 質部分域３を形成すると共に、その多孔質部分域３のキャビティ側をキャビティ ２の形状に沿った形状に形成し、且つその表面に適宜の厚さの表層７を形成せし めたものである。尚、上記表層７は、例えばクロム等のメッキ加工等によって形 成するものである。

【０００８】 給水路４と排水路５は、金型１の背面側から多孔質部分域３内にパイプ4a，5a を夫々挿入せしめて形成配設する。この時、給水路４を形成するパイプ4aの先端 部分4a’を多孔質部分域３内に突出させると共に、排水路５を形成するパイプ5a の先端5a’を多孔質部分域３の底面３’と面一状に位置させる。給水路４と排水 路５をこのように形成することにより、給水路４から多孔質部分域３内に供給さ れた冷却水が多孔質部分域３全体に速やかに行きわたりやすくなり、熱交換され た冷却水が多孔質部分域３の底面３’から排水路５を通って金型１の外へ排出さ れやすくなる。

【０００９】 又、多孔質部分域３の底面３’には、排水路５の入口へ向かう排水溝８を必要 に応じて設ける。そうすれば、熱交換された冷却水を排水路５から金型１の外へ 速やかに排出させることが出来るので、多孔質部分域３内に冷却水がいつまでも 停滞するのを防ぐことが出来るようになる。

【００１０】 而して、給水路４から多孔質部分域３内に冷却水が供給されると、冷却水は多 孔質部分域３全域に速やかに行きわたり、キャビティ２との熱交換を行ないなが らキャビティ２表面全体を均等に冷却し、熱交換された冷却水は排水路５から金 型１の外へ排出される。

【００１１】

【考案の効果】

本考案の金型は斯様に構成したので、給水路から多孔質部分域内に供給された 冷却水が多孔質部分域全体に速やかに行きわたり、キャビティ表面全域でもって 同時速やかに熱交換が行なわれ、従って、キャビティ表面全体を均等に且つ適性 に冷却することが出来ると共に、金型の温度制御を容易に行なうことが出来る。 その結果、部分的凝固の遅れに伴うヒケが生じたり部分的に過熱して焼付きが発 生する等の惧れがなくなり、生産性良く製品を鋳造乃至成形することが出来る。

【００１２】 しかも、少なくともキャビティ表面に形成された多孔質部分域は実質的に多孔 質材で保持されているので、従来の金型とほぼ同様の耐圧，耐熱強度を備えたも のとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案金型の実施の一例を示す縦断正面
図。

【符号の説明】

１…金型 ２…キャビティ ３…多孔質部分域 ４…給水路 ５…排水路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ２９Ｃ 45/73 7639−4Ｆ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金型の少なくともキャビティ表面近くの
   部分域を多孔質材で構成してなることを特徴とする金
   型。
2. 【請求項２】 前記多孔質部分域に、型外へ抜ける給水
   路と排水路とを配設したことを特徴とする請求項１記載
   の金型。