JPH069715A - 重合開始剤 - Google Patents

重合開始剤

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JPH069715A
JPH069715A JP18731092A JP18731092A JPH069715A JP H069715 A JPH069715 A JP H069715A JP 18731092 A JP18731092 A JP 18731092A JP 18731092 A JP18731092 A JP 18731092A JP H069715 A JPH069715 A JP H069715A
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polymer
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polymerization
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weight
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JP18731092A
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Shuji Suyama
修治 須山
Tomoyuki Nakamura
知之 中村
Mieko Takei
美枝子 武井
Hiroyuki Nagai
浩幸 長井
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Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子量ポリマーを得るのに適し、又高強度
で、且つ可撓性、流動性に優れたポリマーの製造に対し
て有用な重合開始剤。 【構成】 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な構造をもつラジカ
ル重合開始剤に関するものである。更に詳しくは、高分
子量ポリマーを得るのに適し、また高強度で、且つ可撓
性、流動性に優れたポリマーの製造に対して有用な重合
開始剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高分子材料の利用分野が多様化す
るのに伴い、種々の物性をもつポリマーが要求されてき
ている。従来から、ラジカル重合において特殊な開始剤
を用いることによって改質されたポリマーが得られるこ
とが知られている。そのような開始剤として、例えば、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン
(特開昭54−107994号公報)、トリス(t−ブ
チルパーオキシ)トリアジン(特開昭58−83008
号公報)及び過トリメリット酸トリ−t−ブチルエステ
ル(特開昭61−231005公報)などの多官能重合
開始剤やポリ過酸化フタロイル(「工業化学雑誌」第6
9巻、718頁、(1966))などのポリメリック重
合開始剤が知られている。更に、特開平3−17446
0号公報では、特定構造を有する低温分解型ジアシル系
有機過酸化物を用いた樹脂の改質が知られている。
【0003】具体的に述べると、例えば1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなどの開始剤
を用いれば、耐熱性や耐衝撃性が改良されたポリマーが
得られることが知られており、またトリス(t−ブチル
パーオキシ)トリアジン及び過トリメリット酸トリ−t
−ブチルエステルなどの開始剤を用いれば、その骨格が
星状となり高強度で且つ流動性が良好なポリマーが得ら
れることが知られている。更にポリ過酸化フタロイルな
どのポリメリック開始剤により、新たな物性をもつブロ
ックポリマーの製造が試みられている。また、前記、特
定構造を有する低温分解型ジアシル系有機過酸化物によ
り脆性破壊挙動及び繰り返し衝撃強度が改良されたポリ
マーが得られることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近、
ポリマーの用途が益々多様化し、各用途で成形体に対す
る要求性能が高度化しており、従来法による方法では充
分には要求に応じることはできなくなった。例えば、ポ
リマーの機械的強度を高めるための方法として、上述し
たように特殊な開始剤を用いてポリマーを高分子量化す
る方法が知られているが、この場合一般的に得られるポ
リマーの成形性が低下する。即ち機械的強度が高く、し
かも成形性に優れたポリマーは単に高分子量化するのみ
では得られない。更に、特開平3−174460号公報
による方法においても、高度化した市場要求に対して、
その効果は十分満足できるものとは言えなかった。従っ
て成形性に優れ、しかも従来品以上の機械的強度及び加
工性をもつポリマーが望まれており、そのような改質さ
れたポリマーの製造が可能な重合開始剤が望まれてい
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
について鋭意検討した結果、高分子量ポリマーを効率よ
く製造でき、また高強度でありながら可撓性、流動性の
優れたポリマーの製造において、非常に有用である新規
な重合開始剤を見出し、本発明を完成するに至った。即
ち、本発明は一般式
【化1】で示される繰り返し単位を有し、その繰り返し
単位の数が1〜30である重合開始剤に関するものであ
る。
【0006】本発明の重合開始剤は、特定の構造式で示
される分子量が約300〜12000である分子鎖両末
端に水酸基を有する脂肪族飽和炭化水素鎖と、分子内に
アゾ基を含有する二塩基性酸がエステル結合により交互
に結合した構造からなる。
【0007】本発明の重合開始剤は、分子鎖両末端に水
酸基を有する液状ポリブタジエンの水素化物と、分子内
にアゾ基を有する二塩基性酸塩化物とを、第三級アミン
またはアルカリ性化合物の存在において、アゾ基の分解
温度より低い温度にて脱塩化水素反応を行い、エステル
結合させることにより得られる。
【0008】本発明の重合開始剤を得るために用いられ
る分子鎖両末端に水酸基を有する液状ポリブタジエンの
水素化物は、一般式
【化2】 で示され、過酸化水素を開始剤としてブタジエンを重合
して得られる分子鎖両末端に水酸基を有する液状ポリブ
タジエンに、水素添加することによって得ることができ
る。その際、得られる液状ポリブタジエンは、ブタジエ
ンが1,2位で付加重合したものと1,4位で付加重合
したものの混合物として得られるが、それら1,2位付
加物と1,4位付加物の組成比は付与したい物性にあわ
せて適宜選ばれる。即ち、一般式(化2)において、l
及びmは何れか一方が少なくとも1であればよく、lと
mの比は制約されない。また、分子鎖両末端に水酸基を
有する液状ポリブタジエンの水素化物の分子量として
は、平均分子量が300〜12000、そして特に平均
分子量が500〜9000であることが好ましい。即
ち、一般式(化2)において、l+mが6〜220の整
数、好ましくは9〜160の整数である。分子量が30
0より低いと、この水素化物より得られる本発明の重合
開始剤により重合して、得られるポリマーに十分な物性
を付与することができない。また分子量が12000よ
り高いと本発明の重合開始剤の合成が困難となり、結果
として収率が低くなるので好ましくない。
【0009】本発明の重合開始剤を得るために用いる分
子内にアゾ基を有する二塩基性酸塩化物としては、一般
【化3】 で示され、具体的には2,2´−アゾビス(2−シアノ
プロピオン酸)または4,4´−アゾビス(4−シアノ
ペンタン酸)などの塩化物が挙げられる。これらの塩化
物は、当該のアゾ基含有二塩基性酸をPCl3 、POC
3 、SOCl3などの塩素化剤を用いて塩素化するこ
とによって得られる。
【0010】本発明の重合開始剤を合成するのに有用な
第三級アミンとしては、例えばピリジン、トリエチルア
ミン、トリブチルアミン等であり、アルカリ性化合物と
しては無機塩基、例えばNaOH、KOH、LiOH、
Na2 CO3 等である。更に溶媒としては、ハロゲン化
炭化水素(例えばクロロホルム、四塩化炭素)、芳香族
炭化水素(例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼ
ン)または脂肪族炭化水素(例えばヘキサン、オクタ
ン、石油エーテル、ミネラルスピリット)を用いて合成
することができ、また合成後希釈して用いることもでき
る。なお、反応温度は用いるアゾ基が分解する温度以下
であり、通常−10℃〜40℃程度である。
【0011】本発明の重合開始剤において、(化1)で
示される繰り返し単位の数(以下、平均縮合度とする)
は1〜30であり、好ましくは2〜20である。平均縮
合度が30より高いと重合開始剤の合成が困難となり、
結果として収率が低くなるので好ましくない。
【0012】本発明の重合開始剤は、赤外吸収スペクト
ル及び各磁気共鳴スペクトルによってその構造が確認さ
れる。
【0013】本発明の重合開始剤は、ビニルモノマーの
ラジカル重合開始剤として有用である。本発明の化合物
を用いてラジカル重合できるビニルモノマーとしては、
例えばエチレン、プロピレン、スチレン、α−メチルス
チレン及びクロルスチレン等のオレフィン類、ブタジエ
ン、イソプレン及びクロロプレン等のジオレフィン類、
酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル等のビニルエステル
類、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル等の不飽
和ニトリル類、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの
エステル類及びアミド類、塩化ビニル、臭化ビニル、フ
ッ化ビニル、塩化ビニリデン及びフッ化ビニリデン等の
ハロゲン化ビニル化合物及びハロゲン化ビニリデン化合
物、四フッ化エチレン等のパーハロオレフィン類、メチ
ルビニルエーテル及びブチルビニルエーテル等のビニル
エーテル類、及びこれらの混合物、例えばスチレン−メ
タクリル酸メチル、α−メチルスチレン−アクリロニト
リル及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン等が
挙げられる。
【0014】本発明の化合物を開始剤として用いる重合
方法は、通常の塊状重合、懸濁重合、溶液重合でなんら
問題ない。
【0015】本発明の重合開始剤の添加量は、所望の重
合速度及び得られるポリマーの物性などに応じて適宜決
めることができるが、通常、ビニルモノマーの仕込量1
重量部に対して純品換算で0.00001〜100重量
部であり、好ましくは0.0001〜10重量部であ
る。
【0016】本発明の重合開始剤を用いる場合の重合温
度としては、20℃から160℃であり、好ましくは4
0℃〜140℃の範囲である。重合温度が20℃より低
いと重合速度が遅くなり経済的に不利である。また重合
温度が160℃より高いと、開始剤の寿命が短くなり、
高重合転化率に到達させることが困難となるので好まし
くない。
【0017】本発明の重合開始剤は、単独でまたは他の
重合開始剤と組み合わせて用いることができる。組み合
わせて用いる他の重合開始剤は、重合温度等に応じて従
来の重合開始剤、即ち、他のアゾ化合物及び有機過酸化
物などの中から適宜選択できる。また、その使用量など
については所望の重合速度及び得られるポリマーの物性
などに応じて適宜決めることができる。
【0018】
【発明の効果】本発明の化合物は新規なものであり、メ
タクリル酸エステルやスチレンをはじめとする各種ビニ
ル単量体の重合開始剤として有用であり、本発明の化合
物を有効成分とする重合開始剤を用いてビニル単量体を
重合することにより、効率よく高分子量のポリマーが得
られる。更にポリマー中に特定の構造式で示される長鎖
脂肪族飽和炭化水素骨格を導入させることができること
により、高強度でありながら可撓性及び流動性などが改
良されたポリマーを得ることが可能である。また、得ら
れたポリマーは不飽和ポリエステル硬化時の低収縮剤及
びポリマーアロイ用相溶化剤などとして用いることが可
能である。
【0019】
【実施例】以下、本発明を参考例及び実施例により具体
的に説明する。 (参考例) (本発明の重合開始剤の合成) 参考例 1 攪拌装置、温度計を備えた1リットルの4つ口フラスコ
の中に4,4´−アゾビス(4−シアノペンタン酸)の
塩素化物24.8g(0.075モル)とクロロホルム
250gを仕込み、攪拌下、分子鎖両末端に水酸基を有
する液状ポリブタジエンの水素化物(水酸基価 51.
0mgKOH/g、水酸基価から求めた平均分子量 2
200)141.4g(0.064モル)とクロロホル
ム250gの混合液を添加した。液温を20℃に保ちな
がらピリジン12.6g(0.16モル)を滴下し、滴
下終了後室温で5時間反応させた。反応終了後、反応液
を5%塩酸350mlで2回洗浄して過剰のピリジンを
除去し、中性になるまで水洗した。無水硫酸ナトリウ
ム、無水硫酸マグネシウムで脱水し、吸引濾過後減圧濃
縮した。151.4gの薄灰色粘稠液体が得られた。こ
の物質の同定は、IR及び 1H−NMRスペクトルで行
った。IRスペクトルにおいて1741cm-1にエステ
ル化合物のカルボニル吸収が確認された。更に 1H−N
MRスペクトルにおいて液状ポリブタジエンの水素化物
に帰属されるメチレン基及びメチル基のプロトンのピー
クがδ=1.24とδ=0.84にそれぞれ確認され
た。GPCによるこの化合物の平均分子量は約1500
0であった。計算の結果、この化合物は平均縮合度が約
6であることがわかった。
【0020】参考例 2 参考例1において、4,4´−アゾビス(4−シアノペ
ンタン酸)の塩素化物の添加量を22.8g(0.06
9モル)にかえた以外は参考例1に従って、本発明の重
合開始剤の合成を行った。その結果、128.1gの薄
灰色粘稠液体が得られた。この物質のIRスペクトルに
おいてエステル化合物のカルボニル吸収が確認され、更
1H−NMRスペクトルにおいて液状ポリブタジエン
の水素化物に帰属されるメチレン基及びメチル基のプロ
トンのピークが確認された。GPCによって求めたこの
化合物の平均分子量は約31000であった。計算の結
果、この化合物は平均縮合度が約12であることがわか
った。
【0021】参考例 3 参考例1において、分子鎖両末端に水酸基を有する液状
ポリブタジエンの水素化物として平均分子量660(水
酸基価 169.6mgKOH/g)のもの46.2g
(0.070モル)を用いた以外は参考例1に従って、
本発明の重合開始剤の合成を行った。その結果、61.
9gの薄灰色粘稠液体が得られた。この物資のIRスペ
クトルにおいてエステル化合物のカルボニル吸収が確認
され、更に 1H−NMRスペクトルにおいて液状ポリブ
タジエンの水素化物に帰属されるメチレン基及びメチル
基のプロトンのピークが確認された。GPCによるこの
化合物の平均分子量は訳14000であった。計算の結
果、この化合物は平均縮合度が約15であることがわか
った。
【0022】参考例 4 参考例1において、分子鎖両末端に水酸基を有する液状
ポリブタジエンの水素化物として平均分子量8800
(水酸基値 12.7mgKOH/g)のもの528.
0g(0.060モル)を用いた以外は参考例1に従っ
て、本発明の重合開始剤の合成を行った。その結果、4
49.8gの薄灰色粘稠液体が得られた。この物質のI
Rスペクトルにおいてエステル化合物のカルボニル吸収
が確認され、更に 1H−NMRスペクトルにおいて液状
ポリブタジエンの水素化物に帰属されるメチレン基及び
メチル基のプロトンのピークが確認された。GPCによ
るこの化合物の平均分子量は約37000であった。又
計算の結果、この化合物は平均縮合度が約4であること
がわかった。
【0023】(メタクリル酸メチルの重合) 実施例 1 メタクリル酸メチル50重量部及びベンゼン50重量部
に対し参考例1で合成した本発明の重合開始剤を1.2
8重量部(0.00052モル)添加した試料溶液10
mlを内容量20mlのガラスアンプルに添加しアンプ
ルを真空脱気したした後、溶融して封管した。アンプル
を80℃の恒温油槽中に入れ、10時間重合を行った。
その後、反応物を取り出しガスクロマトグラフィーを用
い内部標準法により未反応の単量体を定量して重合転化
率を算出した。その結果、重合転化率は79%であっ
た。更に反応物にベンゼンを加え希釈した後、再沈殿溶
剤をメタノールとして再沈殿法によりポリマーの精製を
2回行った。得られたポリマーの分子量をGPCにより
求めた結果、重量平均分子量は38.7万であった。1
H−NMRによりポリマーの構造を確認した。その結
果、参考例1で合成した重合開始剤中の炭化水素骨格に
含まれるメチレン基及びメチル基の存在が確認され、明
らかに長鎖脂肪族飽和炭化水素骨格がポリメタクリル酸
メチルに導入できていることが確認された。 1H−NM
Rスペクトルの解析から、計算によって求められた長鎖
炭化水素骨格の導入率は1.1重量%であった。
【0024】比較例 1 実施例1において重合開始剤として本発明の重合開始剤
にかえて、4,4´−アゾビス(4−シアノペンタン
酸)0.15重量部(0.00052モル)を用い、更
に参考例1で用いた分子鎖両末端に水酸基を有する液状
ポリブタジエンの水素化物の1.13重量部を加え、実
施例1に準じてメタクリル酸メチルの溶液重合を行い、
得られたポリマーを実施例1に準じて精製を行った。こ
の場合の重合転化率は77%であった。又、ポリマーの
重量平均分子量は30.5万であった。 1H−NMRに
よりポリマーの構造を確認した結果、ポリマー中には液
状ポリブタジエンの水素化物に起因する炭化水素骨格は
確認されなかった。
【0025】実施例 2 実施例1において、参考例1で合成した本発明の重合開
始剤を12.8重量部(0.052モル)を用い、重合
時間を5時間として以外は、実施例1に準じてメタクリ
ル酸メチルの溶液重合を行い、得られたポリマーを実施
例1に準じて精製を行った。この場合の重合転化率は9
7%であった。又、得られたポリマーの分子量をGPC
により求めた結果、重量平均分子量は10.3万であっ
た。-1H−NMRによりポリマーの構造を確認した。そ
の結果、参考例1で合成した重合開始剤中の炭化水素骨
格に含まれるメチレン基及びメチル基の存在が確認さ
れ、明らかに長鎖脂肪族飽和炭化水素骨格がポリメタク
リル酸メチルに導入できていることが確認された。 1
−NMRスペクトルの解析から、計算によって求められ
た長鎖炭化水素骨格の導入率は12.1重量%であっ
た。更に、以下に示す試験を行い、重合体の物性を調べ
た。 (重合体による被膜の製造)前記の重合体をトルエンに
溶解し、その重合体溶液を幅50mm、長さ150m
m、厚さ0.3mmのボンデライト板(テストパネル社
製)に塗布、風乾し、乾燥機にてトルエンを除去し試験
板を得た。 (塗膜の性質測定)前記試験板について折り曲げ試験を
行った。折り曲げ試験は、試験板の両端を両手に持って
折り曲げた時の、ボンデライト板と塗膜層との剥れ具合
を観察することによって行った。その結果、塗膜上に剥
離、クラック及び濁りは生じなかった。
【0026】比較例 2 実施例1において重合開始剤として本発明の重合開始剤
にかえて、4,4´−アゾビス(4−シアノペンタン
酸)1.2重量部(0.0042モル)を用いて実施例
1に準じてメタクリル酸メチルの溶液重合を行い、重量
平均分子量がスチレン換算で10.3万であるポリマー
を得た。この時の重合転化率は92%であった。実施例
1に従い、重合体を塗布した試験板を作成し、折り曲げ
試験を行った。その結果、塗膜上にクラックの発生を確
認した。
【0027】(スチレンの重合) 実施例 3 スチレン100重量部に対し参考例1で合成した重合開
始剤を4.4重量部(0.0018モル)添加した試料
溶液10mlを内容量20mlのガラスアンプルに添加
し、アンプルを真空脱気した後溶融して封管した。アン
プルを80℃の恒温油槽中に入れ、6時間重合を行っ
た。その後、反応物を取り出しガスクロマトグラフィー
を用い内部標準法により未反応の単量体を定量して重合
転化率を算出した。その結果転化率は49%であった。
更に反応物にベンゼンを加え希釈した後、再沈殿溶剤を
メタノールとして再沈殿法によりポリマーの精製を2回
行った。得られたポリマーの分子量をGPCにより求め
た結果、ポリマーの重量平均分子量は35.4万であっ
た。 1H−NMRによりポリマーの構造を確認した。そ
の結果、参考例1で合成した重合開始剤中の炭化水素骨
格に含まれるメチル基の存在が確認され、明らかに長鎖
炭化水素骨格がポリスチレンに導入できていることが確
認された。 1H−NMRスペクトルの解析から、計算に
よって求められた長鎖炭化水素骨格の導入率は3.3重
量%であった。
【0028】比較例 3 実施例3において重合開始剤として本発明の重合開始剤
にかえて、4,4´−アゾビス(4−シアノペンタン
酸)0.50重量部(0.0018モル)を用い、更に
参考例1で用いた分子鎖両末端に水酸基を有する液状ポ
リブタジエンの水素化物の3.9重量部を加え、実施例
3に準じてスチレンの塊状重合を行い、得られたポリマ
ーを実施例3に準じて精製を行った。この場合の重合転
化率は51%、ポリマーの重量平均分子量が18.9万
であった。 1H−NMRによりポリマーの構造を確認し
た結果、ポリマー中には液状ポリブタジエンの水素化物
に起因する炭化水素骨格は確認されなかった。
【0029】実施例 4 スチレン2000重量部に対し参考例1で合成した重合
開始剤を152重量部(0.028モル)添加した溶液
を、内容量3000mlの4つ口フラスコに入れ、窒素
雰囲気下、80℃、10時間でスチレンの塊状重合を行
った。その後、更に反応物にベンゼンを加え希釈した
後、再沈殿溶剤をメタノールとして再沈殿法によりポリ
マーの精製を2回行った。得られたポリマーの分子量を
GPCにより求めた結果、ポリマーの重量平均分子量は
32.6万であった。 1H−NMRによりポリマーの構
造を確認した。その結果、参考例1で合成した重合開始
剤中の炭化水素骨格に含まれるメチル基の存在が確認さ
れ、明らかに長鎖炭化水素骨格がポリスチレンに導入で
きていることが確認された。 1H−NMRスペクトルの
解析から、計算によって求められた導入率は4.1%で
あった。更に、以下に示す試験を行い重合体の物性を調
べた。 (機械物性測定)得られたポリマーをコールドプレスに
より圧縮した後、射出成形機により幅12.62mm、
厚さ3.08mmの試験片を作成し、以下に示す機械物
性の測定を行った。結果を表2に示す。 (引張り試験)試験温度23℃において、JIS K−
7113に準ずる。引張り速さ5mm/min、チャッ
ク間距離115mm。 (曲げ試験)試験温度23℃において、JIS K−7
203に準ずる。曲げ速さ1.5mm/min、支点間
距離50mm。 (メルトフローレート)JIS K−7210に準ず
る。試験温度200℃、荷重5kgf。
【0030】比較例 4 実施例4において重合開始剤として本発明の重合開始剤
にかえて、4,4´−アゾビス(4−シアノペンタン
酸)を用いて、実施例4に準じてスチレンの溶液重合を
行い、重量平均分子量が32.6万であるポリマーを得
た。実施例4と同様にして試験片を作成し、物性の評価
を行った。結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】以上のように、本発明の重合開始剤は、同
モル添加量で用いた場合、他の開始剤に比べ高分子量ポ
リマーが得られる。又、表1に示されるように同分子量
のポリマーと比べた場合に機械物性が向上したポリマ
ー、即ち、引張り及び曲げなどに対して高強度でありな
がら、伸びやたわみで示される可撓製に優れ、同時に流
動性が良好なポリマーを得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 で示される繰返し単位を有し、その繰返し単位の数が1
    〜30である重合開始剤。
JP18731092A 1992-06-23 1992-06-23 重合開始剤 Pending JPH069715A (ja)

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JP (1) JPH069715A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5865056A (en) * 1997-04-24 1999-02-02 Toyokoki Co., Ltd. Bending method and apparatus for effecting corrective displacement of a workpiece
JP2007326892A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Daito Kasei Kogyo Kk ラジカル重合開始剤固定化粉体、高分子量化合物固定化粉体並びにそれを用いる塗料、インキ、化粧料および充填剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5865056A (en) * 1997-04-24 1999-02-02 Toyokoki Co., Ltd. Bending method and apparatus for effecting corrective displacement of a workpiece
JP2007326892A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Daito Kasei Kogyo Kk ラジカル重合開始剤固定化粉体、高分子量化合物固定化粉体並びにそれを用いる塗料、インキ、化粧料および充填剤

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