JPH0696740B2 - 極低炭素鋼の溶製方法 - Google Patents

極低炭素鋼の溶製方法

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JPH0696740B2 JP1330619A JP33061989A JPH0696740B2 JP H0696740 B2 JPH0696740 B2 JP H0696740B2 JP 1330619 A JP1330619 A JP 1330619A JP 33061989 A JP33061989 A JP 33061989A JP H0696740 B2 JPH0696740 B2 JP H0696740B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、溶鋼に含有される炭素を、極微量まで、例え
ば0.0015wt%以下まで除去し、極低炭素鋼を溶製するた
めの効率的かつ経済的な方法に関するものである。
(従来の技術) 自動車用薄鋼板、飲料缶用薄鋼板等として使用される合
板の場合には、鋼に含まれる炭素は加工性向上、時効防
止のために極微量であることが必要である。
一般に、製鉄業においては、溶鋼の脱炭処理を、例えば
第三版鉄鋼便覧II製銑・製鋼671〜685頁に示されている
ような各種の減圧脱炭設備を用いて実施している。これ
らの場合には、溶鋼中に含有される炭素〔C〕は、溶鋼
中に含有させた酸素〔O〕、あるいは鉄鉱石FexOy、酸
素ガスO2等の酸化源を用いて、それぞれ以下の反応によ
って除去される。
〔C〕+〔O〕=CO(gas) (1) y〔C〕+FexOy=yCO(gas)+xFe (2) 〔C〕+1/2O2(gas)=CO(gas) (3) しかし、溶鋼中の炭素の濃度が0.015wt%以下になると
脱炭速度が低下し始め、さらに、炭素濃度が0.0050wt%
以下になると、脱炭速度が非常に小さくなり、極低炭素
鋼を溶製するためには脱炭処理時間を延長しなければな
らない。この場合には、溶鋼の温度低下が大きく、次工
程において溶鋼を加熱するか、脱炭処理前の溶鋼の温度
を高くすることが必要であり、非経済的である。しか
も、脱炭処理前の溶鋼の温度を高くするためには、転炉
あるいは電気炉での出鋼温度を高くしなければならず、
転炉あるいは電気炉の耐火物が溶損され、耐火物原単位
が大きくなるとともに、脱炭処理に用いられる反応容器
の耐火物原単位も大きくなり、非効率的であるととも
に、非経済的である。
本発明者らはすでに上記課題を解決するための方策とし
て粒状の石灰石あるいはドロマイトを単独でまたは混合
して溶鋼に供給して溶鋼の脱炭を促進する方法を開示し
た(特願昭1−9087号)。以下、石灰石あるいはドロマ
イトとその混合物を炭酸化合物と記す。
(発明が解決しようとする課題) 溶鋼に炭酸化合物を添加したときの〔C〕濃度の変化を
詳細に検討した結果、溶鋼に炭酸化合物を添加する際、
溶鋼中の〔Al〕、〔Ti〕等の脱酸元素の濃度が高い場合
には、炭酸化合物が分解して生成したCO2ガスが脱酸元
素によって還元され、添加した炭酸化合物が分解して発
生したCO2ガスの利用効果が悪化するばかりでなく、溶
鋼中の〔C〕濃度が増加することが判明した。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するため、本発明の要旨とするところは
下記のとおりである。
(1)減圧下で溶鋼の脱炭処理を実施するにあたり、脱
炭すべき溶鋼の炭素濃度が0.015wt%以下の領域におい
て、溶鋼に酸化源を添加して、溶鋼中のアルミニウム
〔Al〕、チタン〔Ti〕、シリコン〔Si〕、マンガン〔M
n〕、クロム〔Cr〕、バナジウム〔V〕およびニオブ〔N
b〕の濃度をそれぞれ 〔Al〕+〔Ti〕≦0.02wt% 〔Si〕≦0.05wt% 〔Mn〕≦2.5wt% 〔Cr〕≦0.05wt% 〔V〕≦0.05wt% 〔Nb〕≦0.05wt% に調整した後に、石灰石あるいはドロマイトを単独また
は混合して前記溶鋼に供給しつつ、溶鋼の脱炭処理を行
うことを特徴とする極低炭素鋼の溶製方法。
(2)減圧下で溶鋼の脱炭処理を実施するにあたり、脱
炭すべき溶鋼の炭素濃度が0.015wt%以下の領域におい
て、溶鋼に酸化源を添加して、溶鋼中のアルミニウム
〔Al〕、チタン〔Ti〕、シリコン〔Si〕、マンガン〔M
n〕、クロム〔Cr〕、バナジウム〔V〕およびニオブ〔N
b〕の濃度をそれぞれ 〔Al〕+〔Ti〕≦0.02wt% 〔Si〕≦0.05wt% 〔Mn〕≦2.5wt% 〔Cr〕≦0.05wt% 〔V〕≦0.05wt% 〔Nb〕≦0.05wt% に調整した後に、石灰石あるいはドロマイトを単独また
は混合して前記溶鋼に供給しつつ、溶鋼の脱炭処理を行
い、さらに該溶鋼の炭素濃度が0.0050wt%以下の領域に
おいて、溶鋼の酸素濃度〔wt%O〕を溶鋼に含まれる硫
黄濃度〔wt%S〕に応じて下記の関係式(4)で制限さ
れる範囲に調整した後、石灰石あるいはドロマイトを単
独または混合して前記溶鋼に供給しつつ、溶鋼の脱炭処
理を行うことを特徴とする極低炭素鋼の溶製方法。
{(1+72〔wt%S〕)/180}(1−0.25)≦〔wt%
O〕≦{(1+72〔wt%S〕)/180}(1+0.25)
(4) 以下、炭酸化合物として石灰石CaCO3を例にとり本発明
について作用とともに詳細に述べる。
溶鋼に石灰石を添加すると(5)式の反応によりCO2
スが生成する。
CaCO3=CO2(gas)+CaO (5) このCO2ガスにより下記(6)式に示す反応で〔C〕
と反応して脱炭を促進させ、COあるいはCO2ガスと溶
鋼との接触界面積(気・液界面積)を増大させ、下記
(7)式で示される気・液界面での脱炭反応を促進させ
ることができる。
CO2(gas)+〔C〕=2CO(gas) (6) 〔C〕surface+〔O〕surface=CO(gas) (7) 〔C〕surface;気体と接触している溶鋼表面の〔C〕 〔O〕surface;気体と接触している溶鋼表面の〔O〕 しかし、溶鋼中の脱酸元素〔M〕(M;Al,Ti,Si,Mn,Cr,
V,Nb)の濃度が高い場合には、CO2ガスは例えば、溶鋼
中の脱酸元素〔M〕によって(8)式に示す反応により
還元される。
CO2(gas)+(2x/y)〔M〕=〔C〕+(2/y)MxO
y (8) したがって、石灰石から発生したCO2ガスが還元され、C
O2ガス量が少なくなるため、上記,のCO2ガスによ
る脱炭反応促進効果を確保するためには石灰石の添加量
を増加しなければならない。さらに、CO2ガスの還元に
より生じた炭素が溶鋼中に溶解し〔C〕濃度が増加す
る。
そこで、減圧下で溶鋼の脱炭処理を実施するにあたり、
脱炭すべき溶鋼の〔C〕濃度が0.015wt%以下の領域に
おいて、石灰石を溶鋼に添加する際の〔Al〕濃度、〔T
i〕濃度、〔Si〕濃度、〔Mn〕濃度、〔Cr〕濃度、
〔V〕濃度および〔Nb〕濃度の範囲について検討した。
以下、これら脱酸元素の濃度を限定する理由について述
べる。
(a)〔Al〕濃度と〔Ti〕濃度を限定する理由 〔Al〕と〔Ti〕については濃度限定の考え方が同じなの
で〔Al〕を例にとり説明する。
〔Al〕によりCO2ガスが還元され、〔C〕がピックアッ
プする反応は(9)式で示される。
CO2(gas)+(4/3)〔Al〕=〔C〕+(2/3)Al2O
3 (9) (9)式の反応により、0.001wt%の〔Al〕が減少した
ときの〔C〕濃度のピックアップは化学量論的には0.00
03wt%である。しかし、〔Al〕が酸化されてなくなるま
での間にもCO2ガスが発生し、脱炭反応が促進されるの
で、〔C〕のピックアップ量は、〔Al〕濃度の減少より
化学量論的に計算される量より小さく、0.00025wt%と
なる。
第1図に、石灰石添加時の〔C〕濃度の経時変化におよ
ぼす脱炭処理前の〔Al〕濃度の影響を示す。脱炭処理前
〔Al〕濃度が0.02wt%のとき石灰石添加により〔C〕濃
度が約0.006wt%増加することになるが、前述のCO2気泡
による脱炭促進効果により〔C〕濃度の増加量は約0.00
50wt%となる。〔Al〕が酸化され尽くすと脱炭速度は、
石灰石無添加の場合の脱炭速度より大きいので20分処理
後の〔C〕濃度は、石灰石無添加の場合より小さくな
る。
〔Ti〕についても化学量論的には0.001wt%の〔Ti〕と
反応して生成する〔C〕は0.0003wt%であるが、CO2
泡発生による脱炭反応促進効果により〔C〕ピックアッ
プ量は0.00025wt%となる。すなわち、CO2の還元による
〔C〕濃度増加におよぼす〔Al〕濃度と〔Ti〕濃度の影
響は同等である。したがって、〔Al〕と〔Ti〕の濃度の
範囲をつぎのようにする。
〔Al〕+〔Ti〕≦0.02wt% (b)〔Si〕,〔Mn〕,〔Cr〕,〔V〕および〔Nb〕,
〔Si〕,〔Mn〕,〔Cr〕,〔V〕および〔Nb〕によるCO
2の還元反応はそれぞれ(10)〜(14)式で表される。
CO2(gas)+〔Si〕=〔C〕+SiO2 (10) CO2(gas)+2〔Mn〕=〔C〕+2MnO (11) CO2(gas)+(4/3)〔Cr〕=〔C〕+(2/3)Cr2O3(1
2) CO2(gas)+(4/3)〔V〕=〔C〕+(2/3)V2O3 (1
3) CO2(gas)+2〔Nb〕=〔C〕+2NbO (14) これらの反応が起こり得る〔Si〕濃度、〔Mn〕濃度、
〔Cr〕濃度、〔V〕濃度および〔Nb〕濃度の上限を求め
るため、これらの元素の濃度を変化させた溶鋼に炭酸化
合物を添加したときの〔C〕ピックアップの有無を調査
した。その結果を第1表にまとめて示す。
第1表より、石灰石添加時の〔Si〕濃度、〔Mn〕濃度、
〔Cr〕濃度、〔V〕濃度および〔Nb〕濃度がそれぞれ0.
05wt%、2.5wt%、0.05wt%、0.05wt%および0.05wt%
以下のとき〔C〕ピックアップは生じていない。したが
って、石灰石添加時の〔Si〕濃度、〔Mn〕濃度、〔Cr〕
濃度、〔V〕濃度および〔Nb〕濃度の範囲をつぎのよう
にする。
〔Si〕≦0.05wt% 〔Mn〕≦2.5wt% 〔Cr〕≦0.05wt% 〔V〕≦0.05wt% 〔Nb〕≦0.05wt% 本発明の方法において石灰石を添加する際の〔Al〕濃
度、〔Ti〕濃度、〔Si〕濃度、〔Mn〕濃度、〔Cr〕濃
度、〔V〕濃度および〔Nb〕濃度を調整するための酸化
源としては、酸化鉄、鉄鉱石あるいは酸素ガスを用いる
とよい。これらを単独に添加してもよく混合して添加し
てもよく、その効果は同等である。
本発明において、溶鋼への酸化源の供給方法は、鉄鉱石
あるいは酸化鉄を上吹きランスを用いて搬送ガスととも
に溶鋼表面上部から吹き付ける方法、浸漬ランスを用い
て搬送ガスとともに溶鋼内部に浸漬したランスから吹き
込む方法、あるいはフィーダーを用いて溶鋼上に落下さ
せて添加する方法のいずれでもよい。
酸化源としての酸化ガスを用いる場合には、上吹きラン
スを用いて溶鋼表面上部から吹き付ける方法、浸漬ラン
スを用いて溶鋼内部に浸漬したランスから吹き込む方法
のいずれの方法で供給してもよい。
溶鋼内に生成させるCOガスあるいはCO2ガスの発生核を
分散させるため、並びに気・液界面積増加効果を大きく
するため、用いる炭酸化合物の粒径は極めて重要であ
る。すなわち、炭酸化合物の粒径が大きすぎる場合に
は、1個の粒子から発生するCO2ガス量が大きくなり、
溶鋼に添加する炭酸化合物の単位重量あたりの気・液界
面積増加効果は小さくなるため脱炭速度増加効果も小さ
くなり非経済的である。したがって、用いる炭酸化合物
の粒径の上限は20mmが望ましい。一方、炭酸化合物の粒
径が小さすぎると、吹抜けあるいは飛散して溶鋼と反応
する効率が低下し、脱炭速度増加効果も低下する。した
がって、炭酸化合物の粒径の下限は0.1mmが望ましい。
本発明における炭酸化合物の溶鋼への供給方法は、上吹
きランスを用いて搬送ガスとともに炭酸化合物を溶鋼表
面上部から溶鋼に吹き付ける方法、浸漬ランスを用いて
搬送ガスとともに炭酸化合物を溶鋼内部に浸漬したラン
スから吹き込む方法、あるいはフィーダーを用いて炭酸
化合物を溶鋼上に落下させて添加する方法のいずれでも
よく、溶鋼の炭酸速度には差がなくて良好である。
本発明において、炭酸化合物を用いて溶鋼を脱炭するに
あたり、脱炭すべき溶鋼の炭素濃度がさらに低下して0.
005wt%以下の領域となった場合には、〔O〕濃度を該
溶鋼に含有される〔S〕濃度に応じて前述の(4)式で
示される範囲に保持することにより脱炭速度が向上す
る。
脱炭すべき溶鋼の〔O〕濃度が低すぎる場合には、酸化
鉄粉、鉄鉱石粉等を溶鋼に添加あるいは吹き付け、また
はインジェクションするのも有効である。この場合、炭
酸化合物と混合して実施してもよい。一方、酸素濃度が
高すぎる場合には、脱酸剤、例えば、アルミニウム等を
炭酸化合物とは別に添加するとよい。
さらに、本発明を実施するにあたり、溶鋼表面に不活性
ガスを吹き付けると、溶鋼表面近傍のCOガスの移動速度
を大きくすることができ、脱炭速度が増加する。
本発明の方法は、現在の真空精錬設備、例えば、DH,RH,
VOD,VAD等の設備で脱炭する場合にも適用できる。
以上、炭酸化合物として石灰石を例にとり説明したが、
石灰石の代わりにドロマイトあるいは石灰石とドロマイ
トとの混合物を用いても同様である。
(実施例) 以下、本発明について実施例に基づいて説明する。
実施例1 低周波真空誘導溶解炉を用い、真空度0.5〜2mmHgの条件
下で、本発明並びに比較例を実施した。
まず温度1600℃、脱炭処理前の〔C〕,〔Al〕,〔T
i〕,〔Si〕,〔Mn〕,〔Cr〕,〔V〕および〔Nb〕の
各濃度がそれぞれ0.015wt%、0.02wt%、0.01wt%、0.0
5wt%、2.5wt%、0.05wt%、0.05wt%、および0.05wt%
の重量100kgの溶鋼に、酸素を吹き付けて成分調整し
た。その結果、それぞれの成分濃度は、0.015wt%、0.0
05wt%、0.005wt%、0.05wt%、2.5wt%、0.05wt%、0.
05wt%、および0.05wt%となった。次に、上吹きランス
を用い、アルゴンガスを搬送ガスとして、粒径範囲0.3
〜1.5mmの石灰石を溶鋼表面に吹き付けて20分の脱炭処
理を行なった。このときの〔C〕濃度の経時変化を第2
図に示す。
一方、比較例とし、同じく温度が1600℃、脱炭処理前の
〔C〕,〔Al〕,〔Ti〕,〔Si〕,〔Mn〕,〔Cr〕,
〔V〕および〔Nb〕の各濃度がそれぞれ0.015wt%、0.0
2wt%、0.01wt%、0.05wt%、2.5wt%、0.05wt%、0.05
wt%、および0.05wt%の重量100kgの溶鋼を、吹酸によ
る成分調整せずに、上吹きランスを用い、アルゴンガス
を搬送ガスとして、粒径範囲0.3〜1.5mmの石灰石を溶鋼
表面に吹き付けて同じく20分の脱炭処理を行なった。こ
のときの〔C〕濃度の経時変化も第2図に示す。
以上の結果により、比較例では、20分の脱炭処理後も
〔C〕濃度は0.0030wt%であるのに対して、本発明の場
合は、同じく脱炭処理時間で〔C〕濃度を0.0015wt%以
下にまで低減でき、極低炭素鋼の溶製を容易にしてい
る。
石灰石の代わりに、ドロマイト、または石灰石とドロマ
イトとの混合物(混合重量比=1)を添加しても同様の
効果が得られた。
以上の結果をまとめて第2表に記す。
実施例2 実施例1と同様に、低周波真空誘導溶解炉を用い、真空
度0.5〜2mmHgの条件下で、本発明並びに比較例を実施し
た。
温度が1600℃で、脱炭処理前の〔C〕,〔Al〕,〔T
i〕,〔Si〕,〔Mn〕,〔Cr〕,〔V〕および〔Nb〕の
各濃度がそれぞれ0.015wt%、0.001wt%、0.001wt%、
0.06wt%、2.6wt%、0.06wt%、0.06wt%、および0.06w
t%の重量100kgの溶鋼に対し、第1段階として次のよう
な処理を行なった。
まず酸素を吹き付けて成分調整した。その結果、それぞ
れの成分濃度は、0.015wt%、0.001wt%、0.001wt%、
0.05wt%、2.5wt%、0.05wt%、0.05wt%、および0.05w
t%となった、次に、上吹きランスを用い、アルゴンガ
スを搬送ガスとして、粒径範囲が0.3〜1.5mmの石灰石を
溶鋼表面に吹き付けて12分の脱炭処理を行なった。
ここで、溶鋼中の〔O〕、および〔S〕の各濃度を測定
したところ、それぞれ0.020wt%、および0.015wt%であ
った。そこで、アルミニウムを添加して脱酸した。その
結果、溶鋼中の〔O〕、および〔S〕の各濃度がそれぞ
れ0.015wt%、および0.015wt%となり、他の成分の濃度
はアルミニウム添加前後で変化していないことを確認し
た。この状態で前記(4)式は満足される。
これによって第2段階実施の条件が整ったので、再度、
上吹きランスを用い、アルゴンガスを搬送ガスとして、
粒径範囲が0.3〜1.5mmの石灰石を溶鋼表面に吹き付け
た。この脱炭処理を8分実施した。
以上の本実施例2における〔C〕濃度の経時変化も第2
図に示す。これより、前記実施例1の場合よりもさらに
脱炭処理時間で、実施例1と同等の脱炭効果を得ること
ができた。
石灰石の代わりに、ドロマイト、または石灰石とドロマ
イトとの混合物(混合重量比=1)を添加しても同様の
効果が得られた。
以上の結果をまとめて第2表に記す。
(発明の効果) 本発明の方法により、全く問題なしに、溶鋼の〔C〕濃
度が0.0015wt%以下の極低炭素濃度まで脱炭することが
でき、極低炭素鋼の製造が容易になった。
【図面の簡単な説明】 第1図は、石灰石添加時の〔C〕濃度の経時変化におよ
ぼす脱炭処理前の〔Al〕濃度の影響を説明する図、第2
図は実施例における石灰石添加時の〔C〕濃度の経時変
化を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】減圧下で溶鋼の脱炭処理を実施するにあた
    り、脱炭すべき溶鋼の炭素濃度が0.015wt%以下の領域
    において、溶鋼に酸化源を添加して、溶鋼中のアルミニ
    ウム〔Al〕、チタン〔Ti〕、シリコン〔Si〕、マンガン
    〔Mn〕、クロム〔Cr〕、バナジウム〔V〕およびニオブ
    〔Nb〕の濃度をそれぞれ 〔Al〕+〔Ti〕≦0.02wt% 〔Si〕≦0.05wt% 〔Mn〕≦2.5wt% 〔Cr〕≦0.05wt% 〔V〕≦0.05wt% 〔Nb〕≦0.05wt% に調整した後に、石灰石あるいはドロマイトを単独また
    は混合して前記溶鋼に供給しつつ、溶鋼の脱炭処理を行
    うことを特徴とする極低炭素鋼の溶製方法。
  2. 【請求項2】減圧下で溶鋼の脱炭処理を実施するにあた
    り、脱炭すべき溶鋼の炭素濃度が0.015wt%以下の領域
    において、溶鋼に酸化源を添加して、溶鋼中のアルミニ
    ウム〔Al〕、チタン〔Ti〕、シリコン〔Si〕、マンガン
    〔Mn〕、クロム〔Cr〕、バナジウム〔V〕およびニオブ
    〔Nb〕の濃度をそれぞれ 〔Al〕+〔Ti〕≦0.02wt% 〔Si〕≦0.05wt% 〔Mn〕≦2.5wt% 〔Cr〕≦0.05wt% 〔V〕≦0.05wt% 〔Nb〕≦0.05wt% に調整した後に、石灰石あるいはドロマイトを単独また
    は混合して前記溶鋼に供給しつつ、溶鋼の脱炭処理を行
    い、さらに該溶鋼の炭素濃度が0.0050wt%以下の領域に
    おいて、溶鋼の酸素濃度〔wt%O〕を溶鋼に含まれる硫
    黄濃度〔wt%S〕に応じて下記の関係式で制限される範
    囲に調整した後、石灰石あるいはドロマイトを単独また
    は混合して前記溶鋼に供給しつつ、溶鋼の脱炭処理を行
    うことを特徴とする極低炭素鋼の溶製方法。 {(1+72〔wt%S〕)/180}(1−0.25)≦〔wt%
    O〕≦{(1+72〔wt%S〕)/180}(1+0.25)
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