JPH0696140B2 - 塗膜面の補修方法 - Google Patents

塗膜面の補修方法

Info

Publication number
JPH0696140B2
JPH0696140B2 JP63144494A JP14449488A JPH0696140B2 JP H0696140 B2 JPH0696140 B2 JP H0696140B2 JP 63144494 A JP63144494 A JP 63144494A JP 14449488 A JP14449488 A JP 14449488A JP H0696140 B2 JPH0696140 B2 JP H0696140B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
coating film
laser
paint
repair
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63144494A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01315375A (ja
Inventor
豊一 清水
▲あつ▼久 藤沢
増男 尾嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP63144494A priority Critical patent/JPH0696140B2/ja
Priority to GB8822842A priority patent/GB2210291B/en
Priority to CA000578886A priority patent/CA1312506C/en
Priority to US07/250,643 priority patent/US4960611A/en
Priority to DE3833225A priority patent/DE3833225A1/de
Priority to KR1019880012877A priority patent/KR930002047B1/ko
Publication of JPH01315375A publication Critical patent/JPH01315375A/ja
Publication of JPH0696140B2 publication Critical patent/JPH0696140B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、粉塵,油滴等の付着に起因する微小欠陥部を
補修するための塗膜面の補修方法に関する。
従来の技術及びその問題点 例えば、自動車の車体塗装工程においては、組立てられ
た車体は、脱脂,除錆等の塗装前処理の後、プライマ電
着及び焼付け,中塗り及び焼付け,研摩,上塗り及び焼
付け等の工程へ順次移行され、その後の外観検査におい
て問題がなければ次の総組立てラインへ送られる。従
来、塗膜欠陥を有し検査に不合格となった車体は、別途
設けられた補修処理ラインへ送られ、塗膜の補修処理
後、再び外観検査工程へ送られる。前記塗膜欠陥のほと
んどは、浮遊シリコン油滴等の付着により塗料が弾かれ
てできた凹部、及び粉塵が塗膜中に包含されれてできた
凸部である。
凸状欠陥の場合の補修処理方法の例を第13図に示す。
第13図(a)は、車体の鋼板(52)上に電着プライマ層
(53),中塗り層(54)及び上塗り層(55)が塗装焼付
けされ、上塗り層(55)に粉塵(56)が包含されて直径
Xの範囲で外方へ突出した塗膜欠陥部(57)が生じた状
態を拡大して示す。従来の補修方法においては、まず、
塗膜欠陥部(57)を、第13図(b)に示すように、グラ
インダ(58),紙やすり等を用いて研削除去し、粉塵
(56)を完全に取り除く。塗膜欠陥部がシリコン油等の
付着による凹部であるときは、該シリコン油等の付着物
を完全に取り除く。つぎに、スプレーガン(59)を用い
て塗料研削部(60)に補修用塗料(61)を吹付け塗布し
(第13図(c)参照)、乾燥又は熱源(62)を用いて焼
付けを行い(第13図(d)参照)、回転式バフ(63)等
を使用して補修用塗料(61)を磨き(第13図(e)参
照)、第13図(f)に示すように平滑に仕上げる。
上記従来補修方法は、つぎの問題点を有している。
(I)微小な塗膜欠陥部に比べ極めて大きいディスクを
備えるグラインダ、又は大きな面積を有する紙やすり等
を用いて塗膜欠陥部を研削除去するため、研削部は広範
囲に及び、又場合によりプライマ層や鋼板にまで達する
結果、その上に形成された補修部の塗膜性能が低下す
る。
(II)スプレーガンを用いた補修用塗料の吹付け塗布
は、前記研削部より広範な面に施されるため、多量の補
修用塗料を要し、また乾燥焼付けに用いる熱源を広い範
囲に配設しなければならないので多量のエネルギを消費
する。
(III)上記のような広範囲の研削,塗装,乾燥,研磨
等を要するため、作業時間が例えば全体で30分以上かか
り、従って補修ラインを別途に設けなければならず、作
業及び設備の双方がコスト高となる。
(IV)補修用塗料塗布面積が大きいため、均質な補修塗
装のための熟練者を要する。
これらの問題は、自動車の車体塗装のみならず、広く一
般の塗装にも生ずることである。
本発明の目的は、上記問題点を解決し、手間及び時間を
要することなく簡便に塗膜欠陥部の補修をすることがで
き、しかも補修部の塗膜性能の低下をほとんど生じない
塗膜面の補修方法を提供することにある。
問題点を解決するための手段 本発明の上記目的は、上塗り層、中塗り層及びプライマ
層を含む塗膜面の補修を行なうに際し、位置合わせ用可
視レーザ及び加工用レーザの出射機能を有するレーザ加
工機を用い、、粉塵,油滴等の付着に起因する微小塗膜
欠陥部に対し、位置合わせ用可視レーザにより前記レー
ザ加工機の位置決めを行い、該欠陥部に略対応する光束
断面の加工用レーザを前記レーザ加工機により該欠陥部
に照射し、該塗膜欠陥部の粉塵,油滴及び塗膜部を昇華
せしめて塗膜面に、上塗り層から中塗り層までの間で、
適宜の深さの微小凹所を形成し、該微小凹所に補修用塗
料を充填し硬化させることを特徴とする塗膜面の補修方
法に係る。
上記充填補修用塗料の硬化は、加熱気体による加熱や赤
外線,遠赤外線,電子線などの照射により行なうことが
できる。また、前記充填補修用塗料を常温で乾燥、又は
架橋反応等の反応により硬化させてもよく、紫外線硬化
型の補修用塗料を使用し、紫外線照射に基づき該塗料を
硬化させてもよい。塗膜面の基材が導電性を有する物質
であれば、前記補修用塗料の充填部及び該充填部周辺に
相当する前記基材の部位を電磁誘導により誘導加熱し、
これにより充填補修用塗料を硬化させてもよい。
前記塗膜面に微小凹所を形成するためのレーザ照射は、
不活性ガス雰囲気下において行うことができる。
本発明方法で用いる補修用塗料は、固形若しくは半固
形、或いは液状の塗料である。
該固形塗料(以下、半固形塗料を含むものとする)は、
常温において流動せず、出力調整下のレーザ又は電子線
の照射に基づき溶融流動するものであるのが好ましい。
固形塗料は、基体樹脂を主成分とし、必要に応じて硬化
剤,硬化触媒,顔料(着色顔料,メタリック顔料,染料
及び体質顔料から選ばれた1種以上のもの)等を配合し
たものであり、水,有機溶剤,可塑剤等の液状物を殆ん
ど又は全く含んでおらず、公知の方法で成型加工するこ
とができる。
前記基体樹脂としては、例えばアルキド樹脂,ポリエス
テル樹脂,エポキシ樹脂,アクリル樹脂,ウレタン樹
脂,フッ素樹脂,ビニル樹脂等を採用することができ
る。また、前記硬化剤としては、例えばメラミン樹脂
(エーテル化物を含む),ポリイソシアネート化合物
(ブロック化物を含む),ポリアミド樹脂,重合性不飽
和モノマー,カルボキシ基含有化合物等を、基体樹脂中
の架橋反応性官能基の種類に基づき、適宜採用できる。
表面が粘着性を有する固形塗料、又は半固形塗料である
場合、該塗料を塗膜形成能のない基材シート、例えばポ
リエチレンシートに貼着しておけば、取り扱いに便利で
ある。
一方、上記液状塗料は、上記基体樹脂を主成分とし、必
要に応じて上述の如き硬化剤,硬化触媒,顔料等を配合
し、水及び/又は有機溶剤中に溶解若しくは分散してな
る常温流動性を有するものである。
これら固形又は液状の塗料は、常温放置,加熱(例えば
温風加熱,赤外線又は遠赤外線照射,電磁誘導による誘
導加熱等),活性エネルギ(例えば電子線,紫外線等)
照射に基づき(i)溶剤等の揮発成分の蒸発,(ii)酸
化重合,(iii)重合,縮合,付加反応等による架橋反
応,(iv)溶融,(v)融合反応(分散媒が揮発し、こ
のため基体樹脂粒子が接近,凝着して連続皮膜を形成す
る)等の現象を生ぜしめ、これにより、硬化した塗膜を
形成する。
実 施 例 以下に、本発明の実施例を、添付図面を参照しつつ説明
する。
第1図は、自動車の車体の塗膜中に粉塵が包含されてで
きた塗膜欠陥部を、本発明方法により補修より工程の例
を段階的に示す。第1図(a)は、第13図(a)に示し
たと同様に、車体の鋼板(1)上の電着プライマ層
(2),中塗り層(3)及び上塗り層(4)からなる塗
膜の上塗り層(4)に、粉塵(5)が包含されて凸状の
微小塗膜欠陥部(6)が生じた状態を拡大して示す。該
塗膜欠陥部(6)の補修方法は、まず、欠陥部(6)に
略対応する光束断面のレーザ(7)を、該欠陥部(6)
に垂直に照射し、粉塵(5)を含む欠陥部(6)を昇華
せしめ、該欠陥部(6)を除去して微小凹所(8)を塗
膜面に形成する。レーザ(7)を放射するためのレーザ
加工機の1例を第2図に示す。
レーザ加工機(41)は、He−Neレーザ等の位置合わせ用
可視レーザ及び炭酸ガスレーザ,YAGレーザ等の加工用レ
ーザ(7)を発振するレーザ発振器(42)と、電源(4
3)に接続されてレーザ(7)の出力及び発振時間を制
御する制御部(44)と、該制御部(44)を操作するため
の操作部(45)とを備えている。このように構成された
レーザ加工機(41)を、まず可視レーザで塗膜欠陥部
(6)に対応し得るように位置決めし、つぎに加工用レ
ーザを出力調整下に照射する。これにより、補修を要す
る塗膜欠陥部(6)を必要な深さ、例えば上塗り層
(4)深さ,中塗り層(3)までの深さ、又は上塗り層
(4)が着色塗膜と該着色塗膜上の透明性塗膜とで形成
されている場合の透明性塗膜深さまで昇華除去せしめる
ことができ、上述の微小凹所(8)を形成することがで
きる。
該微小凹所(8)を形成するにあたり、第3図に示すレ
ーザ発振器(42′)を用いることもできる。該レーザ発
振器(42′)は、上述のレーザ発振器(42)と同様に、
可視レーザ(7′)を発振する可視レーザ発振器(46)
と、加工用レーザ(7)を発振する加工用レーザ発振器
(47)と、筒状の放出部(51)を有し両発振器(46),
(47)を収容するハウジング(50)とを備えている。発
振器(46)から発せられた位置合わせ用の可視レーザ
(7′)は、プリズム(48)によりその照射角度に対し
直角方向へ反射され、更にジンクセレンコーティングミ
ラー(49)により反射されて筒状放出部(51)を通過
し、位置合わせを要する部位に照射される。加工用レー
ザ(7)は、ジンクセレンコーティングミラー(49)を
透過し、可視レーザ(7′)と同じ経路で筒状放出部
(51)を通過して上記部位に照射される。このレーザ発
振器(42′)は、そのハウジング(50)内に、窒素ガス
等の不活性ガス(N)が送り込まれるようになってい
る。該ハウジング(50)内に充満した不活性ガス(N)
は、筒状放出部(51)を通って上記位置合わせを要する
部位、即ち上述の塗膜欠陥部(6)とその周辺部とに吹
き付けられ、該欠陥部(6)及びその周辺を不活性ガス
(N)雰囲気下におく。これにより、加工用レーザ
(7)の熱によって発生する塗膜欠陥部(6)周辺塗膜
面の変色(樹脂の炭化等の変質による)が抑制される。
また、不活性ガス(N)は、ハウジング(50)内で循環
し、可視レーザ及び加工用レーザの発振器(46),(4
7)を冷却しつつ吐出される。このため、該両発振器(4
6),(47)の使用時間にかかわりなく、両発振器(4
6),(47)からは安定した出力のレーザ(7),
(7′)を得ることができるという利点もある。
上述の如き方法で形成した微小凹所(8)内に、補修用
塗料を充填する。第1図に示す例では、該補修用塗料と
して、シート(9)の片面に付着された粘着性を有する
固形塗料(10)を使用する。まず、シート(9)を塗膜
面に形成された凹所(8)に当てがい、該凹所(8)を
覆うように塗料(10)を前記塗膜面に付着せしめる(第
1図(c)参照)。その後、既に行われた位置決め、或
いは別途行われる可視レーザ照射による位置決めに基づ
き、凹所(8)に略対応する領域にレーザ加工機(41)
を用いて出力調整下の加工用レーザ(11)を照射し、塗
料(10)を溶融させて凹所(8)内に流入充填する(第
1図(d)参照)。シート(9)に付着する塗料(10)
の厚さは、凹所(8)内に十分に充填される厚さを有す
るように適宜決められる。シート(9)の材質は、ポリ
エチレン樹脂等とすることができ、塗膜面に塗料(10)
を付着した後、該シート(9)を取り除いて加工用レー
ザ(11)を照射し凹所(8)内に流入充填してもよい。
また、補修用塗料(10)の凹所(8)内への流入充填に
際し、上述の不活性ガス吐出レーザ発振器(42′)を用
い、不活性ガス雰囲気下において上記充填を行ってもよ
い。
本実施例においては、上記塗料充填部(12)に熱風(1
4)を供給し、該熱風(14)と充填部塗料(10)との接
触により該塗料(10)を加熱し硬化させる(第1図
(e)参照)。
上記熱風(14)を供給するにあたり、第4図に示す熱風
供給装置(61)を用いることができる。該熱風供給装置
(61)は、両端に開口を有し一端側開口部が先細にされ
た筒状対(62)内に、電源(63)に接続されたコイル状
電気ヒータ(64)と、該電気ヒータ(64)に向けて空気
を送る送風機(65)とが配置され、電気ヒータ(64)に
より加熱された空気を筒状体(62)の小径開口(66)か
ら吐出するものである。このように構成された熱風供給
装置(61)を用いることにより、熱風(14)を塗料充填
部(12)に集中的に供給することができ、充填塗料(1
0)を迅速に硬化させることができる。
第5図に示す熱風供給装置(71)は、両端に開口を有す
る小径の筒状体(72)と、該筒状体(72)内に配置され
た電気ヒータ(73)とを備え、筒状体(72)の一端開口
から供給される不活性ガス等の気体を加熱し、他端開口
から該加熱気体を吐出するものである。この熱風供給装
置(71)も、上記熱風供給装置(61)と同様の効果を得
ることができ、不活性ガスを使用した場合には、塗膜の
変色(樹脂の炭化等の変質による)を防止することもで
きる。
なお、充填部塗料(10)を硬化させるにあたり、上記熱
風(14)を塗料充填部(12)に供給するのに換えて、該
充填部(12)に赤外線又は遠赤外線を照射し硬化させる
ことができ、電子線を照射し硬化させることもできる。
赤外線又は遠赤外線(以下、「赤外線」と記す)を照射
する場合、第6図に示すように、例えば赤外線照射ラン
プ(82)と、該ランプ(82)から照射される赤外線を一
定方向へ反射する半球面形状反射板(83)とを備える赤
外線照射装置(81)を使用することができる。電子線を
照射する場合には、第7図に示すように、電子線加速器
(92)と、該加速器(92)に高電圧を供給する高電圧発
生器(93)と、該高電圧発生(93)を制御するための制
御部(94)とを備える電子線照射装置(91)を採用でき
る。
また、充填部塗料(10)を常温で乾燥又は架橋反応等の
反応に基づき硬化させてもよく、或いは塗料充填部(1
2)及び該充填部(12)周辺に相当する車体鋼板(1)
の部位を、電磁誘導により誘導加熱し、これにより充填
部塗料(10)を硬化させてもよい。誘導加熱装置として
は、第8図に示すように、塗膜面に門型に載置され誘導
コイル(102)に巻回されたコ字形状コア(103)と、電
源(104)に接続され誘導コイル(102)に電流を送る制
御部(105)とを備え、鋼板(1)に渦電流を発生さ
せ、該渦電流によるジュール熱によって該鋼板(1)を
加熱する誘導加熱装置(101)を採用できる。この誘導
加熱装置(101)には、鋼板(1)の温度を検知し、こ
の検知信号を制御部(105)へ送る温度センサ(図示せ
ず)が備えられていてもよい。これにより、鋼板(1)
の加熱温度が略一定に保持され得る。
更に、紫外線硬化型の補修用塗料を用いた場合には、例
えば第9図に示す紫外線照射装置(111)を使用した紫
外線照射により迅速に該補修用塗料を硬化させることが
できる。紫外線照射装置(111)は、紫外線発生装置(1
12)に接続された小径の光ファイバ(113)を備え、前
記補修用塗料に集中して紫外線照射を行い得るものであ
る。前記紫外線硬化型の補修用塗料としては、紫外線を
透過させ得る透明性塗料を特に有利に採用できる。
充填部塗料硬化後、塗料充填部(12)を砥石,回転式小
型バフ(13)等を用いて平滑化し、仕上げる。
このように、塗膜欠陥部の補修は、レーザを用いて必要
最小限の欠陥部を昇華除去し、該欠陥部除去後の凹所内
に必要なだけの補修用塗料を充填し、該充填部塗料だけ
を硬化させるので、補修用塗料及びエネルギの消費量が
少なくて済み、また作業に手間及び時間を要せず、塗装
熟練者をも要しない。本発明方法による補修作業時間を
従来方法による補修作業時間と対比させて第1表に示
す。
第1表に示したように、本発明方法による補修作業の所
要時間は、従来方法による補修作業の所要時間に比べ約
1/11〜1/28と短く、これにより本ライン内での塗膜欠陥
部の補修が可能となり、別途補修ラインをなくすること
もできる。
なお、上記実施例で、粉塵が塗膜中に包含されてできた
塗膜欠陥部の補修方法に関し詳述したが、浮遊シリコン
油滴等の付着により塗料が弾かれてできた凹状塗膜欠陥
部の補修も同様の方法で行われる。この場合、加工用レ
ーザは、油滴が昇華除去される出力で照射される。
第10図は、上記実施例における補修用塗料として、粉体
塗料又は熱溶融性塗料等を加圧成形したペレット状のも
のを用いた場合の非粘着性固形補修用塗料充填工程を示
す。第10図(I)に示すように、塗膜面上には、ペレッ
ト状の補修用塗料(16)が、微小凹所(8)を覆うよう
に載置される。つぎに、凹所(8)に略対応する領域に
加工用レーザ(17)を照射し、ペレット状塗料(16)を
溶融させて凹所(8)内に該塗料(18)を流入充填する
(第10図(II)参照)。ペレット状塗料(16)の厚さ
は、上記粘着性固形塗料(10)と同様に、凹所(8)の
大きさ及び深さに応じて適宜決められる。
第11図は、補修用塗料として上述の液状塗料を用いた場
合を示し、微小凹所(8)内に補修用液状塗料(21)を
滴下して充填する。該液状塗料(21)を用いた場合に
は、塗料を溶融させて凹所(8)内に充填する作業を要
せず、塗膜欠陥部(6)の補修をより簡便なものとする
ことができる。
第12図は、補修用塗料として液状着色塗料(32)及び紫
外線硬化型無色透明性塗料(33)を用いた本発明方法の
1実施例における補修用塗料充填工程及び該塗料を硬化
させる工程を示す。ここで、第12図は、上述の上塗り層
(4)が着色塗膜(41)及び該着色塗膜(41)上の透明
性塗膜(42)からなり、該上塗り層(4)に粉塵が包含
され、微小塗膜欠陥部となった場合の本発明方法を示
し、レーザ照射に基づく塗膜面への凹所(8′)の形成
及びその後の工程を示したものである。先ず、第12図
(I)に示すように、着色塗膜(41)と同色の上記液状
着色塗料(32)を微小凹所(8′)内に滴下して該着色
塗膜(41)の厚みと同じ厚みになるように該凹所
(8′)の底部に溜め、上述と同様の方法、即ち熱風の
供給,赤外線又は電子線照射,常温硬化,誘導加熱のい
ずれかの方法で着色塗料(32′)を硬化させる。本実施
例においては、熱風(14)の供給により、該着色塗料
(32′)を硬化させている(第12図(II)参照)。つぎ
に、第12図(III)に示すように、紫外線硬化型の無色
透明性塗料(33)を硬化した着色塗料(32′)上に滴下
して微小凹所(8′)内に充填し、そののち、凹所内無
色透明性塗料(33′)に紫外線(34)を照射してこれを
硬化させる(第12図(IV)参照)。紫外線照射は、例え
ば第9図に示した紫外線照射装置(111)を用いること
により、塗料(33′)に集中して行い得る。硬化した透
明性塗料(33′)の表面は、上記実施例と同様に、研磨
することにより平滑に仕上げられる。
本実施例においては、硬化させるべき着色塗料を透明性
塗料の分だけ減少させることができ、更に着色塗料とし
てメタリック塗料を用い、その上に無色透明性塗料がコ
ーティングされたメタリック塗装等の補修に特に有利に
採用できる。また、紫外線硬化型塗料を用いることによ
り、塗膜面補修を迅速に行い得る。なお、上記紫外線硬
化型の無色透明性塗料に替えて、常温乾燥型塗料やその
他の硬化手段に基づき硬化する塗料等の無色透明性塗料
を用いることもできる。
第12図に示した実施例においては、着色塗料(32)を硬
化させてのち、透明性塗料(33)を充填し紫外線照射に
より硬化させていたが、着色塗料を凹所(8′)内に入
れてのち硬化させないで透明性塗料を充填し、上述と同
様の方法、即ち熱風の供給,赤外線又は電子線照射,常
温硬化,誘導加熱のいずれかの方法で、或いはこれらい
ずれかの方法を併用して前記両塗料を硬化させてもよ
い。更に、上記着色塗料及び/又は透明性塗料は、上述
の如き液状のものに限られず、固形塗料であってもよ
い。この場合、微小凹所内への塗料充填は、上述の出力
調整下のレーザ照射又は電子線照射に基づき行われ得
る。
なお、本発明方法は、上述の自動車の車体塗装のみなら
ず、広く一般の塗装にも採用され得る。
発明の効果 以上から明らかなように、本発明方法によれば、以下に
述べる効果を得ることができる。即ち、微小塗膜欠陥部
に対し、該欠陥部に略対応する光束断面のレーザを照射
し、該欠陥部を昇華せしめるので、極めて短時間に、し
かも極めて狭い範囲で欠陥部を除去することができる。
前記加工用レーザの照射にあたっては、位置合わせ用可
視レーザ及び加工用レーザの出射機能を有するレーザ加
工機を用い、先ず、位置合わせ用可視レーザにより塗膜
欠陥部に対するレーザ加工機の位置決めを行い、該位置
決めをされたレーザ加工機から加工用レーザを照射する
ので、塗膜欠陥部に対し極めて高い精度の照射を容易且
つ迅速に行うことができる。また、これにより、塗膜欠
陥部に略対応する必要最小限の光束断面の加工用レーザ
の使用が可能となる。その結果、加工用レーザによる欠
陥部除去後の微小凹所内に充填される補修用用途は、必
要最小限の使用量でよく、よって該塗料を効果させるた
めのエネルギ消費量も少なくて済む。しかも、狭い範囲
の補修で済むため、塗膜全体の性能をほとんど低下させ
ることなく、また仕上げも簡便であり補修塗装のための
熟練者を特に要しない。上記レーザ照射を不活性ガス雰
囲気下において行えば、塗膜面の変色を防止することが
できる。また、補修用塗料として低温硬化型から高温硬
化型に至る広い範囲の種々の塗料を用いることができ
る。更に、上記の如く補修時間が極めて短くなる結果、
本ライン内での補修実施により別個の補修ラインを省略
することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の1実施例にかかる補修工程を塗膜
欠陥部を有する塗膜を用いて段階的に示す説明図、第2
図は本発明方法に用いるレーザ加工機の1例を示す概略
図、第3図はレーザ発振器の1例を示す縦断正面図、第
4図は熱風供給装置の1例を概略的に示す縦断正面図、
第5図は熱風供給装置の他の例を概略的に示す縦断正面
図、第6図は赤外線照射装置の1例を概略的に示す縦断
正面図、第7図は電子線照射装置の1例を概略的に示す
正面図、第8図は誘導加熱装置の1例を概略的に示す正
面図、第9図は紫外線照射装置の1例を概略的に示す正
面図、第10図は他の補修用塗料を用いた補修工程を前記
塗膜を用いて段階的に示す説明図、第11図は更に他の補
修用塗料を用いた補修工程を前記塗膜を用いて示す説明
図、第12図は2種の補修用液状塗料を用いた補修工程を
段階的に示す説明図、第13図は従来の塗膜面補修方法に
かかる補修工程を前記塗膜を用いて段階的に示す説明図
である。 (1)……車体の鋼板 (5)……粉塵 (6)……塗膜欠陥部 (7),(11),(17)……レーザ (8)……微小凹所 (9)……シート (10)……粘着性樹脂塗料 (12)……塗料充填部 (14)……熱風 (16)……ペレット状粉体塗料 (21)……液状樹脂塗料 (32)……液状着色塗料 (33)……紫外線硬化型無色透明性塗料 (34)……紫外線 (N)……不活性ガス
フロントページの続き (72)発明者 尾嶋 増男 兵庫県尼崎市神崎町33番1号 関西ペイン ト株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−186970(JP,A) 特開 昭62−244586(JP,A) 特開 昭60−159198(JP,A) 特公 昭60−55233(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上塗り層、中塗り層及びプライマ層を含む
    塗膜面の補修を行なうに際し、位置合わせ用可視レーザ
    及び加工用レーザの出射機能を有するレーザ加工機を用
    い、、粉塵,油滴等の付着に起因する微小塗膜欠陥部に
    対し、位置合わせ用可視レーザにより前記レーザ加工機
    の位置決めを行い、該欠陥部に略対応する光束断面の加
    工用レーザを前記レーザ加工機により該欠陥部に照射
    し、該塗膜欠陥部の粉塵,油滴及び塗膜部を昇華せしめ
    て塗膜面に、上塗り層から中塗り層までの間で、適宜の
    深さの微小凹所を形成し、該微小凹所に補修用塗料を充
    填し硬化させることを特徴とする塗膜面の補修方法。
  2. 【請求項2】前記補修用塗料として固形または半固形の
    塗料を用い、該塗料を塗膜面に当てがって前記微小凹所
    を覆うように前記塗膜面に置き、前記凹所に対応する領
    域にレーザ又は電子線を照射して前記塗料を溶融させ前
    記凹所内に充填することを特徴とする請求項1記載の塗
    膜面の補修方法。
  3. 【請求項3】前記補修用塗料として液状塗料を用い、該
    液状塗料を前記微小凹所内に滴下し充填することを特徴
    とする請求項1記載の塗膜面の補修方法。
JP63144494A 1987-09-30 1988-06-10 塗膜面の補修方法 Expired - Fee Related JPH0696140B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63144494A JPH0696140B2 (ja) 1988-06-10 1988-06-10 塗膜面の補修方法
GB8822842A GB2210291B (en) 1987-09-30 1988-09-29 Method of remedying coating
CA000578886A CA1312506C (en) 1987-09-30 1988-09-29 Method of remedying coating
US07/250,643 US4960611A (en) 1987-09-30 1988-09-29 Method of remedying coating
DE3833225A DE3833225A1 (de) 1987-09-30 1988-09-30 Verfahren zum ausbessern von lackierten flaechen
KR1019880012877A KR930002047B1 (ko) 1987-09-30 1988-09-30 도막면(塗膜面)의 보수방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63144494A JPH0696140B2 (ja) 1988-06-10 1988-06-10 塗膜面の補修方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01315375A JPH01315375A (ja) 1989-12-20
JPH0696140B2 true JPH0696140B2 (ja) 1994-11-30

Family

ID=15363650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63144494A Expired - Fee Related JPH0696140B2 (ja) 1987-09-30 1988-06-10 塗膜面の補修方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0696140B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1167138A4 (en) * 2000-02-04 2005-02-09 Uegaki Tateo REPAIR APPARATUS FOR VEHICLES
JP5228549B2 (ja) * 2008-03-14 2013-07-03 日産自動車株式会社 塗装補修方法
JP2015058396A (ja) * 2013-09-19 2015-03-30 日本電信電話株式会社 塗装方法および加熱装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6055233A (ja) * 1983-09-05 1985-03-30 Tokyo Electric Co Ltd レシ−トプリンタ付電子料金秤
JPS60159198A (ja) * 1984-01-30 1985-08-20 Kanebo Ltd 金属製品の加飾方法
JPS62186970A (ja) * 1986-02-13 1987-08-15 Nissan Motor Co Ltd 塗膜補修方法
JPS62244586A (ja) * 1986-04-18 1987-10-24 Nec Corp 光フアイバの被覆除去方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01315375A (ja) 1989-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4960611A (en) Method of remedying coating
US5919853A (en) Method and compositions for laser imprinting and articles imprinted using such methods and composition
US4844947A (en) Technique for the application and cure of photosensitive paints
KR100685477B1 (ko) 분말 코팅 방법
US5824373A (en) Radiation curing of powder coatings on wood
KR100249596B1 (ko) 페인트층의작은결함수선방법
EP0853504B1 (en) Apparatus for powder coating
JP2006021522A (ja) Lat画像化フィルムのオンディマンド製造
JPH0775757A (ja) 加工物の粉体コーティング方法
US6736898B2 (en) Method and means of producing cured coating films
EP0996549B1 (en) Method and compositions for laser imprinting, and articles imprinted using such methods and compositions
JPH0696140B2 (ja) 塗膜面の補修方法
JPH01315374A (ja) 塗膜面の補修方法
US20100183820A1 (en) Methods for curing uv-curable coatings
MXPA04005568A (es) Proceso para reparar superficies de substrato recubiertas.
JPH0545312B2 (ja)
US6583384B2 (en) UV curable overlays for laser shock processing
JPH0299171A (ja) 塗膜面の補修塗装方法
JP2003501260A (ja) パウダーコーティングで焼き付けエナメル中の欠陥を再仕上げする方法
US20050095353A1 (en) Method of curing powder coatings
KR930002047B1 (ko) 도막면(塗膜面)의 보수방법
AU633053B2 (en) Device and method for fixing end rings in a rotary screen printing stencil
JP2003190873A (ja) ゴムローラーの塗工方法及び塗工装置
JPH10109064A (ja) 補修塗装方法
JPH06296926A (ja) 多孔質基材粉体塗料塗装体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees