JPH06958B2 - ステンレスの電解発色法 - Google Patents
ステンレスの電解発色法Info
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- JPH06958B2 JPH06958B2 JP3110188A JP3110188A JPH06958B2 JP H06958 B2 JPH06958 B2 JP H06958B2 JP 3110188 A JP3110188 A JP 3110188A JP 3110188 A JP3110188 A JP 3110188A JP H06958 B2 JPH06958 B2 JP H06958B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明はステンレスの電解発色法に関する。
(従来技術) 従来、ステンレスに発色を行う方法としては、クロム酸
と硫酸とを含む水溶液中にステンレスを浸漬してその表
面に多孔質の酸化皮膜を形成することによって発色した
後、発色のため用いられた硫酸の濃度に比べて低濃度の
硫酸クロム酸とを含む水溶液に別途に準備し、その水溶
液中でステンレスに陰極電解処理を行うことによって、
その表面の酸化皮膜を硬化する方法がある。
と硫酸とを含む水溶液中にステンレスを浸漬してその表
面に多孔質の酸化皮膜を形成することによって発色した
後、発色のため用いられた硫酸の濃度に比べて低濃度の
硫酸クロム酸とを含む水溶液に別途に準備し、その水溶
液中でステンレスに陰極電解処理を行うことによって、
その表面の酸化皮膜を硬化する方法がある。
また、別の方法としては、クロム酸と硫酸とを含む水溶
液中にステンレスを浸漬し、そのステンレスに陰極電解
処理を行うことによってその表面を発色する方法、ある
いは、その水溶液と同じ水溶液中において、ステンレス
に陽極電解処理と陰極電解処理とを交互に繰り返して行
うことによって酸化皮膜による発色と同時に酸化皮膜を
硬化する方法がある。
液中にステンレスを浸漬し、そのステンレスに陰極電解
処理を行うことによってその表面を発色する方法、ある
いは、その水溶液と同じ水溶液中において、ステンレス
に陽極電解処理と陰極電解処理とを交互に繰り返して行
うことによって酸化皮膜による発色と同時に酸化皮膜を
硬化する方法がある。
さらに、特開昭62−608918号公報には、ステン
レス鋼材の着色方法が開示されている。この公報に開示
されている第1の着色方法は、ステンレス鋼材を過マン
ガン酸塩とアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水
酸化物の混合水溶液中で40〜90℃の温度範囲で陽極
電解と陰極電解を交互に繰り返す交番電流電解を行う、
ステンレス鋼材の着色方法であり、第2の着色方法は、
ステンレス鋼材を過マンガン酸塩、アルカリ金属あるい
はアルカリ土類金属の水酸化物および二酸化マンガンの
混合水溶液中で、40〜90℃の温度範囲内で陽極電解
と陰極電解を交互に繰り返す交番電流電解を行う、ステ
ンレス鋼材の着色方法である。
レス鋼材の着色方法が開示されている。この公報に開示
されている第1の着色方法は、ステンレス鋼材を過マン
ガン酸塩とアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水
酸化物の混合水溶液中で40〜90℃の温度範囲で陽極
電解と陰極電解を交互に繰り返す交番電流電解を行う、
ステンレス鋼材の着色方法であり、第2の着色方法は、
ステンレス鋼材を過マンガン酸塩、アルカリ金属あるい
はアルカリ土類金属の水酸化物および二酸化マンガンの
混合水溶液中で、40〜90℃の温度範囲内で陽極電解
と陰極電解を交互に繰り返す交番電流電解を行う、ステ
ンレス鋼材の着色方法である。
また、特開昭62−196396号公報には、クロム化
合物、マンガン化合物、バナジウム化合物およびセレン
化合物よりなる群より選択された少なくとも1種を主剤
として含有しかつ硫酸を含有する常温の水溶液中で、脱
脂処理が行われたクロム合金に陽極電解処理、または、
陽極電解処理および陰極電解処理を交互に繰り返して行
う処理(交番電解処理)を行って、クロム合金の表面
に、酸化皮膜を形成して着色処理を行う、クロム合金の
表面処理法が開示されている。
合物、マンガン化合物、バナジウム化合物およびセレン
化合物よりなる群より選択された少なくとも1種を主剤
として含有しかつ硫酸を含有する常温の水溶液中で、脱
脂処理が行われたクロム合金に陽極電解処理、または、
陽極電解処理および陰極電解処理を交互に繰り返して行
う処理(交番電解処理)を行って、クロム合金の表面
に、酸化皮膜を形成して着色処理を行う、クロム合金の
表面処理法が開示されている。
さらに、特公昭45−15128号公報には、陽極電解
酸化による含クロム高合金鋼の表面着色法が開示されて
いる。この着色法は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カ
リウムを10〜90重量%含む水溶液を基本組成とする
電解液中において、電解電流密度0.01〜0.3am
p/dm2および電解時間1〜60分の条件下でクロムを
少なくとも12%含有する高合金鋼の表面を電解酸化す
る、陽極電解酸化による含クロム高合金鋼の表面着色法
である。
酸化による含クロム高合金鋼の表面着色法が開示されて
いる。この着色法は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カ
リウムを10〜90重量%含む水溶液を基本組成とする
電解液中において、電解電流密度0.01〜0.3am
p/dm2および電解時間1〜60分の条件下でクロムを
少なくとも12%含有する高合金鋼の表面を電解酸化す
る、陽極電解酸化による含クロム高合金鋼の表面着色法
である。
(発明が解決しようとする問題点) 水溶液中にクロム酸を含む従来の方法は、すでに工業生
産化されそれによって品質的にも優れたものが市場に供
給されているが、いずれの方法も6価のクロムを含む有
害な水溶液を用いるので、公害処理に要する設備費や処
理費が高価になる。そして、それが発色製品の原価に折
り込まれるため、必ずしも経済的に安価な製品が供給さ
れているとは言えない。
産化されそれによって品質的にも優れたものが市場に供
給されているが、いずれの方法も6価のクロムを含む有
害な水溶液を用いるので、公害処理に要する設備費や処
理費が高価になる。そして、それが発色製品の原価に折
り込まれるため、必ずしも経済的に安価な製品が供給さ
れているとは言えない。
しかも、それらの従来の方法では、非常に腐食性の強い
薬品を用いるため、生産設備の損耗程度が大きく、その
点からみても不利な作業を強いられている。
薬品を用いるため、生産設備の損耗程度が大きく、その
点からみても不利な作業を強いられている。
また、特開昭62−60891号公報に開示されている
ステンレス鋼材の着色方法においても、着色のために水
溶液中に過マンガン酸塩が必要とされ、非常に腐食性の
強い薬品を用いるため、生産設備の損耗程度が大きく、
不利な作業が強いられる。
ステンレス鋼材の着色方法においても、着色のために水
溶液中に過マンガン酸塩が必要とされ、非常に腐食性の
強い薬品を用いるため、生産設備の損耗程度が大きく、
不利な作業が強いられる。
さらに、特開昭62−196396号公報に開示されて
いるクロム合金の表面処理方法においても、着色のため
水溶液中に、クロム化合物、マンガン化合物、バナジウ
ム化合物またはセレン化合物と硫酸が必要とされ、非常
に腐食性の強い薬品を用いるいため、生産設備の損耗程
度が大きく、不利な作業が強いられる。
いるクロム合金の表面処理方法においても、着色のため
水溶液中に、クロム化合物、マンガン化合物、バナジウ
ム化合物またはセレン化合物と硫酸が必要とされ、非常
に腐食性の強い薬品を用いるいため、生産設備の損耗程
度が大きく、不利な作業が強いられる。
また、特公昭45−15128号公報に開示されている
着色法では、含クロム高合金鋼中のクロムや鉄がアルカ
リ性の電解液中で酸化皮膜として形成される一方、クロ
ムや鉄の一部がその電解液中に溶出する。これらの溶出
した金属は、含クロム高合金鋼の表面に近づくにつれて
高濃度となり、その付近では、電解液そのものより電気
的な抵抗が非常に大きくなる。それにともなって、含ク
ロム高合金鋼の表面の付近において、その電気的な抵抗
に比例したジュール熱が発生する。そして、そのジュー
ル熱によって電解液の温度が部分的に上昇し、その結
果、着色のための酸化皮膜の形成のされ方にむらが生
じ、酸化皮膜の色品質がよくない場合がある。
着色法では、含クロム高合金鋼中のクロムや鉄がアルカ
リ性の電解液中で酸化皮膜として形成される一方、クロ
ムや鉄の一部がその電解液中に溶出する。これらの溶出
した金属は、含クロム高合金鋼の表面に近づくにつれて
高濃度となり、その付近では、電解液そのものより電気
的な抵抗が非常に大きくなる。それにともなって、含ク
ロム高合金鋼の表面の付近において、その電気的な抵抗
に比例したジュール熱が発生する。そして、そのジュー
ル熱によって電解液の温度が部分的に上昇し、その結
果、着色のための酸化皮膜の形成のされ方にむらが生
じ、酸化皮膜の色品質がよくない場合がある。
また、それらの着色方法および着色法では、それぞれ、
水溶液の温度を、40℃〜60℃および60℃〜沸騰温
度と、常温に比べて比較的高い温度に設定しなければな
らない。
水溶液の温度を、40℃〜60℃および60℃〜沸騰温
度と、常温に比べて比較的高い温度に設定しなければな
らない。
それゆえに、この発明の主たる目的は、害の少ない水溶
液を用いて常温でステンレスの表面を色品質よく発色す
ることができる、ステンレスの電解発色法を提供するこ
とである。
液を用いて常温でステンレスの表面を色品質よく発色す
ることができる、ステンレスの電解発色法を提供するこ
とである。
(問題点を解決するための手段) この発明は、ステンレスの表面に酸化皮膜を形成するこ
とによって発色を行うステンレスの電解発色法であっ
て、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくと
も一方を含む常温の水溶液を準備する工程と、水溶液で
前記ステンレスに陽極電解処理および陰極電解処理を交
互に繰り返して行う工程とを含む、ステンレスの電解発
色法である。
とによって発色を行うステンレスの電解発色法であっ
て、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくと
も一方を含む常温の水溶液を準備する工程と、水溶液で
前記ステンレスに陽極電解処理および陰極電解処理を交
互に繰り返して行う工程とを含む、ステンレスの電解発
色法である。
(作用) 水酸化ナトリウムおよび水酸化ナトリウムの少なくとも
一方を含む常温の水溶液中で、ステンレスに陽極電解処
理および陰極電解処理を交互に繰り返して行うことによ
って、ステンレスの表面に酸化皮膜が形成され、それに
よって、ステンレスの表面が発色される。
一方を含む常温の水溶液中で、ステンレスに陽極電解処
理および陰極電解処理を交互に繰り返して行うことによ
って、ステンレスの表面に酸化皮膜が形成され、それに
よって、ステンレスの表面が発色される。
なお、発色のための酸化皮膜を形成するためには、水溶
液中でステンレスに陽極電解処理だけを連続的に行えば
よいが、その場合、特公昭45−15128号公報に開
示されている着色法と同様に、ステンレス中のクロムや
鉄の一部が水溶液中に溶出する。これらの溶出した金属
は、ステンレスの表面に近づくにつれて高濃度となり、
その付近では、水溶液そのものより電気的な抵抗が非常
に大きくなる。それにともなって、ステンレスの表面の
付近において、その電気的な抵抗に比例したジュール熱
が発生する。そして、そのジュール熱によって水溶液の
温度が部分的に上昇し、その結果、酸化皮膜の形成のさ
れ方にむらが生じるおそれがある。それに対して、この
発明のように陽極電解処理と陰極電解処理とを交互に繰
り返して行えば、溶出した金属が陰極電解処理中に酸化
皮膜としてステンレスの表面に析出され、水溶液中の電
気的な抵抗が大きくならず、そのようなジュール熱によ
る温度上昇が抑制され、常温でステンレスの表面を発色
することができる。しかも、この陰極電解処理を行うこ
とによって、ステンレスの表面に対する洗浄効果も生じ
るので、陽極電解処理中に、より純粋な酸化皮膜を形成
することができ、酸化皮膜の色品質が向上される。
液中でステンレスに陽極電解処理だけを連続的に行えば
よいが、その場合、特公昭45−15128号公報に開
示されている着色法と同様に、ステンレス中のクロムや
鉄の一部が水溶液中に溶出する。これらの溶出した金属
は、ステンレスの表面に近づくにつれて高濃度となり、
その付近では、水溶液そのものより電気的な抵抗が非常
に大きくなる。それにともなって、ステンレスの表面の
付近において、その電気的な抵抗に比例したジュール熱
が発生する。そして、そのジュール熱によって水溶液の
温度が部分的に上昇し、その結果、酸化皮膜の形成のさ
れ方にむらが生じるおそれがある。それに対して、この
発明のように陽極電解処理と陰極電解処理とを交互に繰
り返して行えば、溶出した金属が陰極電解処理中に酸化
皮膜としてステンレスの表面に析出され、水溶液中の電
気的な抵抗が大きくならず、そのようなジュール熱によ
る温度上昇が抑制され、常温でステンレスの表面を発色
することができる。しかも、この陰極電解処理を行うこ
とによって、ステンレスの表面に対する洗浄効果も生じ
るので、陽極電解処理中に、より純粋な酸化皮膜を形成
することができ、酸化皮膜の色品質が向上される。
(発明の効果) この発明によれば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリ
ウムの少なくとも一方を含む常温の水溶液を用いてステ
ンレスを発色することができる。たとえば、水酸化ナト
リウムを1mol/含む20℃の水溶液中でステンレス
に1A/dm2の電流密度で陽極電解処理および陰極電解
処理を10秒間ずつ交互に繰り返して行うと、5分経過
後にゴールドに、8分経過後にレッドに、11分経過後
に薄いブルーに、15分経過後にゴールドがかったグリ
ーンに、ステンレスが発色する。
ウムの少なくとも一方を含む常温の水溶液を用いてステ
ンレスを発色することができる。たとえば、水酸化ナト
リウムを1mol/含む20℃の水溶液中でステンレス
に1A/dm2の電流密度で陽極電解処理および陰極電解
処理を10秒間ずつ交互に繰り返して行うと、5分経過
後にゴールドに、8分経過後にレッドに、11分経過後
に薄いブルーに、15分経過後にゴールドがかったグリ
ーンに、ステンレスが発色する。
しかも、この発明における水溶液は、従来法におけるク
ロム酸と硫酸との混合溶液のような有毒性はなく、しか
も、腐食性もほとんどない。そのため、生産に伴う設備
費は廉価ですみ、日常必要とする処理費も低く抑えるこ
とができる。したがって、取り扱い上の簡便さに加え、
極めて経済的に有利なステンレスの電解発色法が得られ
る。
ロム酸と硫酸との混合溶液のような有毒性はなく、しか
も、腐食性もほとんどない。そのため、生産に伴う設備
費は廉価ですみ、日常必要とする処理費も低く抑えるこ
とができる。したがって、取り扱い上の簡便さに加え、
極めて経済的に有利なステンレスの電解発色法が得られ
る。
しかも、この発明によれば、陰極電解処理中にステンレ
スの表面に対する洗浄効果を生じるため、陽極電解処理
中に、より純粋な酸化皮膜を形成することができ、酸化
皮膜の色品質がよくなる。
スの表面に対する洗浄効果を生じるため、陽極電解処理
中に、より純粋な酸化皮膜を形成することができ、酸化
皮膜の色品質がよくなる。
さらに、この発明によれば、常温でステンレスの表面を
発色することができる。
発色することができる。
すなわち、この発明によれば、害の少ない水溶液を用い
て常温でステンレスの表面に色品質よく発色することが
できる。
て常温でステンレスの表面に色品質よく発色することが
できる。
なお、この発明における水溶液はアルカリ性であるた
め、発色に先だってステンレスは脱脂作用が施されるの
で、特別な脱脂浴や脱脂処理が不要となる。
め、発色に先だってステンレスは脱脂作用が施されるの
で、特別な脱脂浴や脱脂処理が不要となる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点
は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から
一層明らかとなろう。
は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から
一層明らかとなろう。
(実施例) 第1A図および第1B図はこの発明を実施するための電
解装置の一例を示し、第1A図はその全体の図解図であ
り、第1B図は浴およびその周辺部分を示す図解図であ
る。
解装置の一例を示し、第1A図はその全体の図解図であ
り、第1B図は浴およびその周辺部分を示す図解図であ
る。
この電解装置10は、定電流電源12を含む。この定電
流電源12は、その入力端にたとえば交流100ないし
200Vの電源を接続することによって、その出力端か
ら任意の定電流が出力される。なお、この定電流電源1
2では、たとえば0〜10.0Aの任意の電流値の直流
定電流を出力することができ、たとえば電流通過面積が
1dm2の導体に、たとえば0〜10.0A/dm2の電流
密度の電流を流すことができる。
流電源12は、その入力端にたとえば交流100ないし
200Vの電源を接続することによって、その出力端か
ら任意の定電流が出力される。なお、この定電流電源1
2では、たとえば0〜10.0Aの任意の電流値の直流
定電流を出力することができ、たとえば電流通過面積が
1dm2の導体に、たとえば0〜10.0A/dm2の電流
密度の電流を流すことができる。
定電流電源12の出力端は、極性転換スイッチ14の入
力端に接続される。この極性転換スイッチ14は、その
入力端に入力された電流を、任意な時間経過とともにそ
の極性を切り換えて、その出力端から出力するためのも
のである。
力端に接続される。この極性転換スイッチ14は、その
入力端に入力された電流を、任意な時間経過とともにそ
の極性を切り換えて、その出力端から出力するためのも
のである。
したがって、この極性転換スイッチ14の入力端に入力
された定電流は、その出力端から、任意な時間経過にと
もなって極性が切り換えられる電流として出力される。
された定電流は、その出力端から、任意な時間経過にと
もなって極性が切り換えられる電流として出力される。
極性転換スイッチ14の一方の出力端は、直列接続され
たたとえばデジタル表示やアナグロ表示の電流計16お
よび銅製の接続具18aを介して、ステンレス板20に
接続される。このステンレス板20としては、たとえば
SUS304ステンレス、SUS430ステンレスなど
のステンレスが用いられる。
たたとえばデジタル表示やアナグロ表示の電流計16お
よび銅製の接続具18aを介して、ステンレス板20に
接続される。このステンレス板20としては、たとえば
SUS304ステンレス、SUS430ステンレスなど
のステンレスが用いられる。
一方、極性転換スイッチ14の他方と出力端は、銅製の
接続具18bを介して、ステンレス板20の対極として
の対極板22に接続される。この対極板22は、この実
施例では鉛で形成されているが、白金、チタン、ニオ
ブ、カーボンおよびステンレスなどの他の導電性金属で
形成されてもよい。
接続具18bを介して、ステンレス板20の対極として
の対極板22に接続される。この対極板22は、この実
施例では鉛で形成されているが、白金、チタン、ニオ
ブ、カーボンおよびステンレスなどの他の導電性金属で
形成されてもよい。
これらのステンレス板20および対極板22は、浴24
内の水溶液26中で、所定間隔を隔てて対向するように
配置される。
内の水溶液26中で、所定間隔を隔てて対向するように
配置される。
浴24内に溜められた水溶液26は、電解質として水酸
化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一方を
含む。
化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一方を
含む。
なお、この発明における水溶液26としては、水酸化ナ
トリウムおよび水酸化カリウムの濃度が0.1〜2.0
mol/の範囲にあることが好ましい。
トリウムおよび水酸化カリウムの濃度が0.1〜2.0
mol/の範囲にあることが好ましい。
すなわち、水溶液26中の水酸化ナトリウムおよび水酸
化カリウムの濃度を0.1mol/未満の濃度にする
と、電解の効果が乏しく発色のための酸化皮膜を形成し
難くなるのであまり好ましくない。逆に、水酸化ナトリ
ウムおよび水酸化カリウムを2.0mol/を超える濃
度にすると、電流の流れにむらが生じやすく色むらの原
因になるのであまり好ましくない。
化カリウムの濃度を0.1mol/未満の濃度にする
と、電解の効果が乏しく発色のための酸化皮膜を形成し
難くなるのであまり好ましくない。逆に、水酸化ナトリ
ウムおよび水酸化カリウムを2.0mol/を超える濃
度にすると、電流の流れにむらが生じやすく色むらの原
因になるのであまり好ましくない。
また、この水溶液26の温度は常温であることが好まし
い。すなわち、たとえば特別に加熱した温度の高い水溶
液を用いれば、電解のための電流の分布が不均一になり
やすく色むらが生じやすくなるからである。
い。すなわち、たとえば特別に加熱した温度の高い水溶
液を用いれば、電解のための電流の分布が不均一になり
やすく色むらが生じやすくなるからである。
そして、この発明では、上述した水溶液26中で、ステ
ンレスに、陽極電解処理および陰極電解処理を交互に繰
り返して行うことによって、ステンレスの表面を酸化皮
膜が形成され、この酸化皮膜によってステンレスの表面
が発色される。この場合、電解処理のための電流密度
は、好ましくは、0.1〜5A/dm2の範囲で選ばれ
る。すなわち、その電流密度を0.1A/dm2未満の値
にすると、電解の効果が乏しくなり発色のための酸化皮
膜を形成し難くなるからである。逆に、その電流密度を
5A/dm2を超える値にすると、電流の流れにむらが生
じやすく色むらの原因になりやすいからである。
ンレスに、陽極電解処理および陰極電解処理を交互に繰
り返して行うことによって、ステンレスの表面を酸化皮
膜が形成され、この酸化皮膜によってステンレスの表面
が発色される。この場合、電解処理のための電流密度
は、好ましくは、0.1〜5A/dm2の範囲で選ばれ
る。すなわち、その電流密度を0.1A/dm2未満の値
にすると、電解の効果が乏しくなり発色のための酸化皮
膜を形成し難くなるからである。逆に、その電流密度を
5A/dm2を超える値にすると、電流の流れにむらが生
じやすく色むらの原因になりやすいからである。
実験例1 まず、水酸化ナトリウムを0.05,0.5,1.0,
1.5,2.0,2.5mol/含む水溶液をそれぞれ
準備した。
1.5,2.0,2.5mol/含む水溶液をそれぞれ
準備した。
そして、これらの水溶液中で、厚さ0.8mm,縦100
0mm,横1000mmのヘヤーライン仕上げされたSUS
304ステンレス鋼板に、別表1に示すそれぞれの条件
で陽極電解処理と陰極電解処理とを10秒間ずつ交互に
繰り返して行って、ステンレス鋼板の表面に酸化皮膜を
形成した。この場合、別表1に示す電流密度は陽極電解
処理および陰極電解処理における電流密度であり、浴温
は水溶液の浴温であり、電解時間は陽極電解処理および
陰極電解処理のすべての時間である。
0mm,横1000mmのヘヤーライン仕上げされたSUS
304ステンレス鋼板に、別表1に示すそれぞれの条件
で陽極電解処理と陰極電解処理とを10秒間ずつ交互に
繰り返して行って、ステンレス鋼板の表面に酸化皮膜を
形成した。この場合、別表1に示す電流密度は陽極電解
処理および陰極電解処理における電流密度であり、浴温
は水溶液の浴温であり、電解時間は陽極電解処理および
陰極電解処理のすべての時間である。
そして、各ステンレス鋼板の表面に形成された酸化皮膜
の色を調べた。その結果も別表1に合わせて示した。
の色を調べた。その結果も別表1に合わせて示した。
この実験結果により、水酸化ナトリウムを含む水溶液中
でステンレスに陽極電解処理および陰極電解処理を交互
に繰り返して行えば、ステンレスの表面を発色すること
がわかる。
でステンレスに陽極電解処理および陰極電解処理を交互
に繰り返して行えば、ステンレスの表面を発色すること
がわかる。
実験例2 この実験例では、まず、水酸化カリウムを0.5,1.
0,1.5,2.0mol/含む水溶液をそれぞれ準備
した。
0,1.5,2.0mol/含む水溶液をそれぞれ準備
した。
そして、これらの水溶液中で、実験例1と同様なステン
レス鋼板に、別表2に示すそれぞれの条件で陽極電解処
理および陰極電解処理を5秒間ずつ交互に繰り返して行
って、ステンレス鋼板の表面に酸化皮膜を形成した。
レス鋼板に、別表2に示すそれぞれの条件で陽極電解処
理および陰極電解処理を5秒間ずつ交互に繰り返して行
って、ステンレス鋼板の表面に酸化皮膜を形成した。
そして、各ステンレス鋼板の表面に形成された酸化皮膜
の色を調べて、その結果を別表2に示した。
の色を調べて、その結果を別表2に示した。
この実験結果より、水酸化ナトリウムを含む水溶液中で
ステンレスに陽極電解処理および陰極電解処理を交互に
繰り返して行っても、ステンレスの表面が発色すること
がわかる。
ステンレスに陽極電解処理および陰極電解処理を交互に
繰り返して行っても、ステンレスの表面が発色すること
がわかる。
上述の各実施例1および2では、第1A図および第1B
図に示す電解装置を用いて実験を行った。
図に示す電解装置を用いて実験を行った。
なお、上述の実験例1および2では、水酸化ナトリウム
および水酸化カリウムの一方を含む水溶液が用いられて
いるが、この発明では、水溶液として水酸化ナトリウム
および水酸化カリウムを含む水溶液が用いられてもよ
い。
および水酸化カリウムの一方を含む水溶液が用いられて
いるが、この発明では、水溶液として水酸化ナトリウム
および水酸化カリウムを含む水溶液が用いられてもよ
い。
第1A図および第1B図はこの発明を実施するための電
解装置の一例を示し、第1A図はその全体の図解図であ
り、第1B図は浴およびその周辺部分を示す図解図であ
る。 図において、10は電解装置、12は定電流電源、14
は極性転換スイッチ、16は電流計、18aおよび18
bは接続具、20はステンレス板、22は対極板、24
は浴、26は水溶液を示す。
解装置の一例を示し、第1A図はその全体の図解図であ
り、第1B図は浴およびその周辺部分を示す図解図であ
る。 図において、10は電解装置、12は定電流電源、14
は極性転換スイッチ、16は電流計、18aおよび18
bは接続具、20はステンレス板、22は対極板、24
は浴、26は水溶液を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 善一 大阪府八尾市南太子堂1丁目1の42 近畿 薬品工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−60891(JP,A) 特公 昭45−15128(JP,B1)
Claims (4)
- 【請求項1】ステンレスの表面に酸化皮膜を形成するこ
とによって発色を行うステンレスの電解発色法であっ
て、 水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一
方を含む常温の水溶液を準備する工程、および 前記水溶液中で前記ステンレスに陽極電解処理および陰
極電解処理を交互に繰り返して行う工程を含む、ステン
レスの電解発色法。 - 【請求項2】前記水溶液中の前記水酸化ナトリウムおよ
び水酸化カリウムの濃度を0.1〜2.0mol/とし
た、特許請求の範囲第1項記載のステンレスの電解発色
法。 - 【請求項3】前記水溶液の温度を20℃にした、特許請
求の範囲第1項または第2項記載のステンレスの電解発
色法。 - 【請求項4】前記陽極電解処理および前記陰極電解処理
における電流密度を0.1〜5A/dm2にした、特許請
求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載のステン
レスの電解発色法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3110188A JPH06958B2 (ja) | 1988-02-12 | 1988-02-12 | ステンレスの電解発色法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3110188A JPH06958B2 (ja) | 1988-02-12 | 1988-02-12 | ステンレスの電解発色法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01205095A JPH01205095A (ja) | 1989-08-17 |
JPH06958B2 true JPH06958B2 (ja) | 1994-01-05 |
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ID=12322010
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JP3110188A Expired - Fee Related JPH06958B2 (ja) | 1988-02-12 | 1988-02-12 | ステンレスの電解発色法 |
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JP (1) | JPH06958B2 (ja) |
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CN116695131B (zh) * | 2023-08-03 | 2023-10-27 | 苏闽(张家港)新型金属材料科技有限公司 | 深加工合金线的生产方法、合金线材、碱洗装置及方法 |
-
1988
- 1988-02-12 JP JP3110188A patent/JPH06958B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH01205095A (ja) | 1989-08-17 |
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