JPH0668153B2 - クロム合金の表面処理法 - Google Patents

クロム合金の表面処理法

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JPH0668153B2
JPH0668153B2 JP62143771A JP14377187A JPH0668153B2 JP H0668153 B2 JPH0668153 B2 JP H0668153B2 JP 62143771 A JP62143771 A JP 62143771A JP 14377187 A JP14377187 A JP 14377187A JP H0668153 B2 JPH0668153 B2 JP H0668153B2
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
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    • C23C22/06Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
    • C23F17/00Multi-step processes for surface treatment of metallic material involving at least one process provided for in class C23 and at least one process covered by subclass C21D or C22F or class C25
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D9/00Electrolytic coating other than with metals
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、クロム合金の表面処理法に関し、特に、た
とえばステンレスのような鉄,コバルトおよびニッケル
の1種またはそれ以上の主要金属を有するクロム合金の
表面に着色を行うために、酸化皮膜を形成し、さらに、
この酸化皮膜を硬化させるクロム合金の表面処理法に関
するものである。
(従来技術) 従来、たとえばステンレスなどのクロム合金に着色を行
う方法としては、クロム酸と硫酸とを含む水溶液を用い
て、クロム合金の表面に多孔質の酸化皮膜を形成するこ
とによって着色を行う方法がある(第1の方法)。
また、このような多孔質の酸化皮膜を硬化する方法とし
て、たとえば、特公昭53−31817号公報および特
公昭56−24040号公報に開示されているように、
着色のために用いられた硫酸の濃度に比べて低濃度の硫
酸とクロム酸とを含む水溶液を別途準備し、その水溶液
中で予め多孔質の酸化皮膜が形成されたクロム合金の表
面に陰極電解処理を行うことによって、その多孔質の酸
化皮膜を硬化する方法がある(第2の方法)。
さらに、従来のクロム合金の電解着色法が、たとえば、
特公昭52−32621号公報に開示されているが、こ
の方法は、クロム酸と硫酸とを含む水溶液中にクロム合
金としてのステンレスを浸漬し、そのステンレスに陽極
電解処理を行うことによって、ステンレスの表面に多孔
質の酸化皮膜を形成することによって、その表面を着色
する方法である(第3の方法)。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、前記第1の方法においては、形成される
酸化皮膜が多孔質のため、酸化皮膜の耐摩耗性が悪い。
そのために、第2の酸化皮膜を硬化する方法が創出され
たが、この第2の方法においては、クロム合金の表面に
多孔質の酸化皮膜を形成するための水溶液とは別に、そ
の酸化皮膜を硬化するための水溶液という少なくとも2
種類の水溶液を必要とする。そのために、水溶液を貯溜
するための浴が2つ以上必要となり、製造装置の複雑化
を招来し、また、各浴間においてクロム合金を移動させ
る作業が大変煩雑となる。その上に、この第2の方法で
は、酸化皮膜の色調の調整が十分ではなく、さらに、着
色後行われる硬膜処理によっても若干の色調の変化があ
るために、色調合わせが不安定になる欠点を有する。
また、第3の方法では、陽極電解処理の処理時間が経過
するに従って、その処理によって形成される酸化皮膜の
色調が急激に変化し、そのために、色調の調整が困難と
なり、色調合わせが不安定となる。しかも、この第3の
方法においては、陽極電解処理によって形成される酸化
皮膜の耐摩耗性が十分ではなく、その強度が弱い。
それゆえに、この発明の主たる目的は、クロム合金の表
面に形成される色調を均一かつ再現性よく調整でき、硬
膜処理効果が大きく酸化皮膜の強度を向上させることが
でき、酸化皮膜を形成する工程と陰極電解処理をする工
程とを同一の水溶液中で行うことを可能とし、製造装置
の簡略化や作業性の煩雑さを除去できる、クロム合金の
表面処理法を提供することである。
(問題点を解決するための手段) この発明は、クロム合金の表面に着色を行うために酸化
皮膜を形成し、さらに酸化皮膜を硬化するクロム合金の
表面処理法であって、クロム酸50〜500g/およ
び硫酸300〜1,000g/を含む水溶液中におい
て、クロム合金を浸漬し、その表面に酸化皮膜を形成す
る工程と、水溶液中において、酸化皮膜を形成する工程
と交互に繰り返して行われる陰極電解処理をする工程と
を含む、クロム合金の表面処理法である。
(作用) 交互に繰り返し行われる、クロム合金の表面に酸化皮膜
を形成する工程と陰極電解処理をする工程とによって、
クロム合金の表面に小刻みな色調の変化が与えられ、前
記両工程の繰り返しの都度それまでに形成された酸化皮
膜が安定強化され硬膜化される。
(発明の効果) この発明によれば、クロム合金の表面に酸化皮膜を形成
する工程と陰極電解処理をする工程とを交互に繰り返し
行うことによって、クロム合金の表面に形成される色調
を均一かつ再現性よく調整できる。また、硬膜処理効果
も大きく、両工程の繰り返しの都度それまでに形成した
酸化皮膜が安定強化されて、酸化皮膜の強度を格段に向
上させることができる。
しかも、クロム合金の表面に酸化皮膜を形成する工程と
陰極電解処理をする工程とに必要な水溶液は、同一の水
溶液を用いることができるので、一連の処理を同一の水
溶液中で行うことが可能となる。そのために、多孔質の
酸化皮膜を形成するための水溶液と酸化皮膜を硬化する
ための水溶液との2種の浴を用意する必要性がなくな
り、製造時において1浴で両工程を行うことができるの
で、製造工程の簡略化を図り、各浴間におけるクロム合
金の移動といった作業上の煩雑さを免れしめることがで
きる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点
は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から
一層明らかとなろう。
(実施例) 第1A図および第1B図は、この発明を実施するための
装置の一例を示し、第1A図はその全体の図解図であ
り、第1B図は浴およびその周辺部分を示す図解図であ
る。
第2A図は、この発明の一実施例である、陰極電解処理
のために入力される定電流の電流値が0.1A/dm2
で60秒間のうち10秒間まで陰極電解処理をする操作
を繰り返す場合の時間−電流値の関係を示すグラフであ
る。
この装置10は、定電流電源12を含む。この定電流電
源12は、その入力端にたとえば交流100ないし20
0Vの電源を接続することによって、その出力端から任
意の定電流が出力される。なお、この定電流電源12で
は、たとえば0〜20.0Aの任意の電流値の直流定電
流を出力することができ、たとえば電流通過面積が1d
2の導体に、たとえば0〜20.0A/dm2の電流密
度の電流を流すことができる。
そして、定電流電源12より、第2A図に示すように、
断続的に陰極電解処理をするための電流を出力すること
ができる。
定電流電源12の一方の出力端は、たとえばディジタル
表示やアナログ表示の電流計14および銅製の接続具1
6を介して、被着色板20に接続される。この被着色板
20としては、たとえばSUS304ステンレスなどの
クロム合金が用いられる。
なお、この被着色板20は、着色処理の前処理として、
たとえば脱脂処理、水洗処理および中和処理などの処理
が行われていることが好ましい。この脱脂処理として
は、クロム合金としてのステンレス板などの被着色板2
0を、たとえばオルソケイ酸ソーダ系のたとえば70℃
の溶液に浸漬することによって行われる。また、水洗処
理としては、被着色板20を、たとえば水浴中で超音波
洗浄することによって行われる。さらに、中和処理とし
ては、被着色板20を、たとえば20%HNO3溶液に
30〜60秒間浸漬することによって行われる。
一方、定電流電源12の他方の出力端は、銅製の接続具
18を介して、被着色板20の対極としての対極板22
に接続される。この対極板22は、この実施例では鉛で
形成されているが、白金,チタン,ニオブ,カーボンお
よびステンレスなどの他の導電性金属で形成されてもよ
い。
これらの被着色板20および対極板22は、浴24内の
水溶液26中で、所定間隔を隔てて対向するように配置
される。
すなわち、この実施例では、浴24は、その内面が鉛割
りされて、その内容量がたとえば250の容量で形成
されていて、その浴24の中にたとえば200の水溶
液26が溜められている。
そして、被着色板20および対極板22が、銅製の接続
具16および18で吊るされて、水溶液26中におい
て、たとえば12dm2の面積で対向するように、水溶
液26中に浸漬されているのである。
なお、被着色板20および対極板22は、それぞれの上
部が水溶液26に漬からないように、接続具16および
18によって吊るされているのである。なお、接続具1
6および18を、チタンやステンレスなどのように水溶
液26で腐食されにくい金属材料で形成すれば、接続具
16および18を水溶液26中に漬けてもよい。
また、浴24内に溜められた水溶液26は、主剤とし
て、たとえば250g/のクロム酸、および電解質と
してたとえば490g/の硫酸を含む。
なお、この発明における水溶液26の好ましい例として
は、クロム酸を50〜500g/および硫酸を300
〜1,000g/含むものが挙げられる。
すなわち、水溶液に含有させるクロム酸は、それを50
g/未満にすると、酸化皮膜を形成する工程およびそ
の酸化皮膜を硬化する工程に時間がかかり過ぎて実用に
供し得なく、それを500g/を超える値にすると、
クロム酸が溶解しにくく経済的に不利益があって、この
発明における水溶液26に含有されるクロム酸は、上述
の範囲で含有させることが好ましいとした。
さらに、水溶液に含有させる硫酸は、それを300g/
未満にすると、電解処理の反応が遅過ぎて実用に供し
得なく、それを1,000g/を超える値にすると、
被着色板の表面を溶解してしまい被着色板の表面に著し
く多孔質の酸化皮膜を形成しその酸化皮膜を硬化するこ
とができ得なくなるので、この発明における水溶液26
に含有される硫酸は、上述の範囲で含有させることが好
ましいとした。
なお、この水溶液26は、その温度が、常温(20℃)
より低ければ、電解処理に時間がかかりすぎて実用に供
することができず、100℃より高ければ、浴の腐食な
どによる老化が起こるため、20〜100℃の範囲にす
るのが好ましい。
さらに、好ましくは、水溶液の温度が60〜90℃の範
囲にあることである。
そして、この発明では、上述の範囲でクロム酸および硫
酸を含む水溶液26中で、たとえばステンレスなどのク
ロム合金(被着色板20)に着色を行うために、酸化皮
膜を形成する工程を行い、さらに、この同質の水溶液中
で陰極電解処理をする工程を前記酸化皮膜を形成する工
程と交互に繰り返すことによって、着色および酸化皮膜
を硬化させるのである。
次に、この装置10によって、被着色板20の表面に酸
化皮膜を形成する工程と陰極電解処理をする工程とを交
互に繰り返す操作について、詳しく説明する。
まず、第1A図および第1B図に示すように、装置10
に被着色板20および対極板22などを接続し、さらに
浴24内の水溶液26中に被着色板20および対極板2
2などを接続し、さらに浴24内の水溶液26中に被着
色板20および対極板22を対向するように浸漬する。
そして、たとえば1分間のうち酸化皮膜を形成する浸漬
工程を50秒間行い、さらに、たとえば0.6Aの定電
流を定電流電源12の出力端から出力して、1つの浴2
4内の水溶液26中の被着色板20に陰極電解処理する
工程を10秒間行う。そして、この酸化皮膜を形成する
工程と陰極電解処理をする工程とを交互に繰り返し、合
計22分間行う。その処理によって、被着色板20にゴ
ールド色の着色を行った。
この陰極電解処理をする際に、被着色板20に流れる電
流の電流密度は、定電流電源12から出力される電流値
が0.6Aであり、被着色板20と対極板22とが水溶
液26中で12dm2の面積で対向されているので、
0.05A/dm2とされる。
この陰極電解処理中は、被着色板20が対極板22に対
して負の電位とされるので、繰り返し封孔処理が行われ
ることになり、被着色板20の表面が着色されるととも
に酸化皮膜が硬化される。なお、この発明の被着色板2
0に流す電流は、その電流密度が0.01〜20.0A
/dm2の範囲にあることが好ましい。
この陰極電解処理を行うための電流は、従来法として前
記した着色後連続的に陰極電解処理を行う場合に比較し
て、低電流密度で済ますことが可能となる。
しかし、0.01A/dm2未満では封孔効果が少な
く、酸化皮膜を硬化する効果が乏しい。また、電流密度
を高くすることは一向支障をきたすことにならないが、
20.0A/dm2を超えると、封孔効果が大きくなり
すぎ、酸化皮膜による着色の色調を損なうおそれがあ
る。
このように、この発明では、1種類の水溶液中でクロム
合金の表面に酸化皮膜を形成し、さらにその酸化皮膜を
硬化することができる。そのため、この発明では1つの
浴でクロム合金の表面に酸化皮膜を形成し、さらにこの
酸化皮膜を硬化することができる。
なお、前記実施例においては、酸化皮膜を形成する浸漬
処理時間および陰極電解処理をする処理時間は、各々の
処理工程において同じ時間間隔で交互に繰り返したが、
たとえば第2B図に示すように、定電流の電流値を0.
3A/dm2とし、酸化皮膜を形成する浸漬処理時間を
300〜60秒間の間で変化させるというように、酸化
皮膜を形成する浸漬処理時間を各工程においてその時間
間隔を変化させながら、浸漬処理による酸化皮膜を形成
する工程と陰極電解処理をする工程とを交互に両工程を
繰り返す方法も、この発明には含まれる。浸漬処理時間
を変化させる方法としては、例えば、300秒、240
秒、180秒、150秒、120秒、90秒、60秒と
いったように漸減させたり、逆に漸増させるばあいが含
まれる。
また、第2C図に示すように、陰極電解処理の電流値を
0.05〜2.0A/dm2の間で変化させ、しかも、
酸化皮膜を形成する浸漬処理時間を270〜5秒間の間
で変化させるというように、時間間隔を各々の処理工程
において変化させるとともに、陰極電解処理における電
流密度も、各々の工程において変化させる処理法も、こ
の発明に含まれる。電流値を変化させる方法としては、
例えば、0.05A/dm2、0.1A/dm2、0.3
A/dm2,0.6/dm2・・・2.0A/dm2とい
ったように漸増させたり、逆に漸減させる方法が含まれ
る。また、浸漬処理時間を変化させる方法としては、例
えば、270秒、240秒、180秒・・・5秒といっ
たように漸減させたり、漸増させるばあいが含まれる。
その他、電流値のみを変化させる方法も選択し得る。
実験例1 まず、クロム酸250g/および硫酸490g/を
含む水溶液26を調製した。さらに、浴として、5の
ビーカ30を準備して、そのビーカ30に水溶液26を
注ぎ込んだ。
また、被着色板として、縦150mm,横140mm,厚さ
1.5mmのSUS304ステンレス鏡面板32を準備し
た。さらに、縦150mm、横140mmの鉛製の対極板3
4を準備した。
そして、第3図に示すように、水溶液26が注ぎ込まれ
たビーカ30内で、ステンレス板32から10cm隔てて
対向するように対極板34を配置させた。
そして、水溶液26中でステンレス板32の表面に着色
を行うために、酸化皮膜を形成する浸漬処理工程と、陰
極電解処理をする工程と交互に繰り返した。
この場合、表に示すように、サンプル1〜15、21、
24および25となる各ステンレス板32については、
水溶液26中で最初から酸化皮膜形成と陰極電解処理と
を交互に繰り返して行った。
そして、サンプル1〜15、24および25については
水溶液26の温度は70℃に保持し、サンプル21につ
いては85℃に保持した。
こうして得たサンプル1〜15、21、24および25
について、それぞれ色調の観察を行うとともに、それら
の表面を消しゴムで100回擦って、それらの耐摩耗性
を調べる試験を行った。
なお、表中にはこの試験の結果として、100回擦って
色調がほとんど変化しなかったものについては耐摩耗性
がよいものとして「○」、100回擦って色調が若干変
化したものについては耐摩耗性がやや悪いものとして
「△」、100回擦って色調がはなはだしく変化したも
のについては耐摩耗性が悪いものとして「×」として示
した。この表に示した結果、サンプル1および2につい
ては、その酸化皮膜の耐摩耗性が劣るのでこの発明の範
囲外とした。
また、サンプル24および25については、酸化皮膜の
色調に難点があるために、この発明の範囲外とした。
また、この発明の範囲内の方法によって得られたサンプ
ル3〜15および21については、その酸化皮膜の耐摩
耗性がよく、色調の均一性も優れていることがわかっ
た。また、これらのサンプル3〜15および21につい
ては、1種類の水溶液中で酸化皮膜を形成し、さらにそ
の酸化皮膜を硬化することができたことがわかる。その
ため、この発明では、1つの浴を用いて、クロム合金の
表面に酸化皮膜を形成し、この酸化皮膜を硬化すること
ができることがわかる。
実験例2 前記した実験例1と同一の水溶液26およびステンレス
鏡面板32および対極板34を準備した。そして、第3
図に示すように、ステンレス板32と対極板34を配置
させた。
そして、水溶液26中でステンレス板32の表面に着色
を行うために、酸化皮膜を形成する浸漬工程と、陰極電
解処理をする工程とを、特に酸化皮膜を形成するための
浸漬処理時間を変化させながら陰極電解処理をする工程
とを交互に繰り返し行なった。
そして、サンプル16、17および20については、水
溶液の温度を70℃に保持して行った。またサンプル2
3については、水溶液の温度を85℃に保持して行っ
た。
こうして得たサンプル16、17、20および23につ
いて、それぞれ色調の観察を行うとともに、それらの表
面を消しゴムで100回擦って、それらの耐摩耗性を調
べる試験を行った。前記実験例1と同様に観察し、その
試験結果を表中に示した。
そして、この発明の範囲内の方法によって得られたサン
プル16、17、20および23については、その酸化
皮膜の耐摩耗性がよく、色調の均一性も優れていること
がわかった。また、これらのサンプル16、17、20
および23については、1種類の水溶液中で酸化皮膜を
形成し、さらにその酸化皮膜を硬化することができたこ
とがわかる。そのため、この発明では、1つの浴を用い
て、クロム合金の表面に酸化皮膜を形成し、この酸化皮
膜を硬化することができることがわかる。
実験例3 前記した実験例1と同一の水溶液26およびステンレス
鏡面板32および対極板34を準備した。そして、第3
図に示すように、ステンレス板32と対極板34を配置
させた。
そして、水溶液26中でステンレス板32の表面に着色
を行うために、酸化皮膜形成のための浸漬処理時間およ
び陰極電解処理のための電流密度のいずれをも変化させ
ながら、酸化皮膜形成のための処理工程と陰極電解処理
の工程とを交互に繰り返して行った。
なお、水溶液の温度は、70℃に保持して各処理工程を
行った。
こうして得たサンプル18および19について、それぞ
れ色調の観察を行うとともに、それらの表面を消しゴム
で100回擦って、それらの耐摩耗性を調べる試験を行
った。前記実験例1と同様に観察し、その試験結果を表
中に示した。
そして、この発明の範囲内の方法によって得られたサン
プル18および19については、その酸化皮膜の耐摩耗
性がよく、色調の均一性も優れていることがわかった。
また、これらのサンプル18および19については、1
種類の水溶液中で酸化皮膜を形成し、さらにその酸化皮
膜を硬化することができたことがわかる。そのため、こ
の発明では、1つの浴を用いて、クロム合金の表面に酸
化皮膜を形成し、この酸化皮膜を硬化することができる
ことがわかる。
実験例4 前記した実験例1と同一の水溶液26およびステンレス
鏡面板32および対極板34を準備した。そして、第3
図に示すように、ステンレス板32と対極板34を配置
させた。
そして、水溶液26中でステンレス板32の表面に着色
を行うために、サンプル22は、陰極電解処理の電流密
度を変化させながら、酸化皮膜形成のための浸漬処理工
程と陰極電解処理の工程とを交互に繰り返した。
なお、サンプル22は、水溶液の温度を85℃に保持し
て各表面処理工程を行った。
こうして得たサンプル22について、それぞれ色調の観
察を行うとともに、それらの表面を消しゴムで100回
擦って、それらの耐摩耗性を調べる試験を行った。前記
実験例1と同様に観察し、その試験結果を表中に示し
た。
なお、陰極電解処理工程は、たとえばトランジスタを含
む整流装置によって整流した直流電流で電解処理を行
い、その持続時間が、たとえば1msecであり、その
セパレーションがたとえば3msecである、すなわち
デュティ比が1:3であるパルス波で電解処理を行って
もよい。また、たとえば60サイクルの3相交流を、た
とえばサイリスタを含む整流装置によって整流した脈流
で、電解処理を行ってもよい。
また前記したパルス波の他に、その持続時間が0.1m
sec〜100msecで、そのセパレーションが10
0msecより短い時間であるパルス波を用いても、そ
の電流密度の平均値が前記した値と同じであれば、同じ
色調が得られる。
また、上述の各実施例ないし各実験例では、板状のクロ
ム合金に処理を行ったが、この発明は、たとえば線状、
環状およびコイル状などのどのような形状のクロム合金
にも適用されることはいうまでもない。
特に長尺状のたとえばコイルなどの場合には、ライン中
において、酸化皮膜を形成する浸漬処理工程と交互に行
われる陰極電解処理工程の各々の電流密度を、各電流密
度に設定された整流器をライン上に準備し、所定の電流
密度で陰極電解処理をするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
第1A図および第1B図は、この発明を実施するための
装置の一例を示し、第1A図はその全体の図解図であ
り、第1B図は浴およびその周辺部分を示す図解図であ
る。 第2A図は、酸化皮膜形成処理工程と、陰極電解処理工
程とを交互に繰り返した場合の時間−電流値の関係の一
例を示すグラフである。 第2B図は、定電流の電流値を一定として、酸化皮膜形
成時間を変化させた場合の時間−電流値の関係を示すグ
ラフである。 第2C図は、陰極電解処理の電流値を変化させ、しかも
酸化皮膜形成時間を変化させた場合の時間−電流値の関
係を示すグラフである。 第3図は、実験例において、ステンレス板と対極板との
位置関係を示す図解図である。 図において、10は装置、12は定電流電源、14は電
流計、16および18は接続具、20はステンレス板、
22は対極板、24は浴、26は水溶液を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロム合金の表面に着色を行うために酸化
    皮膜を形成し、さらに前記酸化皮膜を硬化するクロム合
    金の表面処理法であって、 クロム酸50〜500g/および硫酸300〜1,0
    00g/を含む水溶液中において、 前記クロム合金を浸漬し、その表面に酸化皮膜を形成す
    る工程と、 前記水溶液中において、前記酸化皮膜を形成する工程と
    交互に繰り返して行われる陰極電解処理をする工程とを
    含む、クロム合金の表面処理法。
  2. 【請求項2】前記陰極電解処理をする工程は、前記水溶
    液中において、陰極電解処理をするにあたり、電流密度
    を0.01〜20.0A/dm2で陰極電解処理をする
    ことを含む、特許請求の範囲第1項記載のクロム合金の
    表面処理法。
  3. 【請求項3】陰極電解処理をする工程と交互に繰り返し
    て行われる酸化皮膜を形成する時間間隔は、酸化皮膜を
    形成する工程において各々変化させる、特許請求の範囲
    第1項または第2項記載のクロム合金の表面処理法。
  4. 【請求項4】酸化皮膜を形成する工程と交互に繰り返し
    て行う陰極電解処理をする工程における電流密度は、各
    工程において各々変化させる、特許請求の範囲第1項ま
    たは第2項記載のクロム合金の表面処理法。
  5. 【請求項5】酸化皮膜を形成する工程と交互に繰り返し
    て行われる陰極電解処理をする工程における各々の時間
    間隔および電流密度が、各工程において各々いずれも変
    化させる、特許請求の範囲第1項または第2項記載のク
    ロム合金の表面処理法。
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