JPH06952B2 - 硬質カ−ボン膜 - Google Patents
硬質カ−ボン膜Info
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- JPH06952B2 JPH06952B2 JP61079875A JP7987586A JPH06952B2 JP H06952 B2 JPH06952 B2 JP H06952B2 JP 61079875 A JP61079875 A JP 61079875A JP 7987586 A JP7987586 A JP 7987586A JP H06952 B2 JPH06952 B2 JP H06952B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は絶縁材料である硬質カーボン膜に関する。
[従来の技術] 最近、イオンビーム蒸着、イオンビームスパッター、CV
D、プラズマCVDなどの方法により、ダイヤモンド、ダイ
ヤモンド状炭素、i-カーボンなどからなる高硬度のカー
ボン膜が合成され、硬質絶縁材料として注目を浴びてい
る。
D、プラズマCVDなどの方法により、ダイヤモンド、ダイ
ヤモンド状炭素、i-カーボンなどからなる高硬度のカー
ボン膜が合成され、硬質絶縁材料として注目を浴びてい
る。
なおダイヤモンド状炭素とはダイヤモンドとアモルファ
スカーボン、ダイヤモンドとグラファイトあるいはダイ
ヤモンドとグラファイトとアモルファスカーボンとが混
合している膜のことである。
スカーボン、ダイヤモンドとグラファイトあるいはダイ
ヤモンドとグラファイトとアモルファスカーボンとが混
合している膜のことである。
プラズマCVD法などにより高硬度のカーボン膜を作製す
るばあい、炭化水素の化合物とH2またはAr、Heなどの不
活性ガスとの混合ガスのプラズマ分解などにより、高硬
度のカーボン膜を基板上に堆積させている。
るばあい、炭化水素の化合物とH2またはAr、Heなどの不
活性ガスとの混合ガスのプラズマ分解などにより、高硬
度のカーボン膜を基板上に堆積させている。
[発明が解決しようとする問題点] このようにして製造される高硬度のカーボン膜は、内部
応力が大きく、基板に対する選択性がある。たとえば結
晶シリコン、ダイヤモンド、タングステン、モリブデ
ン、CuWなどからなる基板に対する付着性はよいが、汎
用性のあるSUS、Al、Al合金、Cu、Cu合金、Ni、Zn、Zn合金
製の基板に対しては内部応力が大きく、付着力が小さ
く、剥離が起こったりして寿命が短くなるなどの問題が
ある。つまり一般的な傾向として、熱膨張率の大きなA
l、Cu、Cu合金、SUS製の基板などのばあいには、剥離し
やすく、ダイヤモンドなどと熱膨張係数の近い結晶シリ
コン、タングステン、モリブデン、CuWなどのばあいに
は剥離しにしくいという傾向がある。
応力が大きく、基板に対する選択性がある。たとえば結
晶シリコン、ダイヤモンド、タングステン、モリブデ
ン、CuWなどからなる基板に対する付着性はよいが、汎
用性のあるSUS、Al、Al合金、Cu、Cu合金、Ni、Zn、Zn合金
製の基板に対しては内部応力が大きく、付着力が小さ
く、剥離が起こったりして寿命が短くなるなどの問題が
ある。つまり一般的な傾向として、熱膨張率の大きなA
l、Cu、Cu合金、SUS製の基板などのばあいには、剥離し
やすく、ダイヤモンドなどと熱膨張係数の近い結晶シリ
コン、タングステン、モリブデン、CuWなどのばあいに
は剥離しにしくいという傾向がある。
本発明は、この剥離の問題を解決し、付着力を大きく
し、内部応力を減少させること、さらに硬質カーボン膜
の堆積速度を増加させることを目的としてなされたもの
である。
し、内部応力を減少させること、さらに硬質カーボン膜
の堆積速度を増加させることを目的としてなされたもの
である。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、シリコン以外のIVA族元素(以下、単に「IV
A族元素」とも記載する)を0.01〜20atm%含み、表面
ビッカース硬度が500〜10000で、膜厚が10Å〜100μm
で金属基板上に堆積せしめられた硬質カーボン膜に関す
る。
A族元素」とも記載する)を0.01〜20atm%含み、表面
ビッカース硬度が500〜10000で、膜厚が10Å〜100μm
で金属基板上に堆積せしめられた硬質カーボン膜に関す
る。
[実施例] 本発明の硬質カーボン膜は、プラズマまたはイオンを用
いた製膜方法により形成される。
いた製膜方法により形成される。
前記プラズマまたはイオンを用いた製膜方法としては、
たとえばイオンビーム蒸着法、イオンビームスパッター
法、スパッターCVD法、プラズマCVD法などの方法があげ
られるが、これらの方法に限定されるものではない。こ
れらの方法の中では大面積化が容易である、装置が単純
であるなどの点からプラズマCVD法が好ましく、とくに
炭素を含む化合物のガス中にIVA族元素を含む化合物の
ガスを混入させ、DCプラズマCVD法、RFプラズマCVD法、
RFおよびDC両者混合のプラズマCVD法または基盤上に電
界と直交する磁界をもったDC、RF両者混合のプラズマCVD
法によって硬質カーボン膜を形成するのが好ましい。
たとえばイオンビーム蒸着法、イオンビームスパッター
法、スパッターCVD法、プラズマCVD法などの方法があげ
られるが、これらの方法に限定されるものではない。こ
れらの方法の中では大面積化が容易である、装置が単純
であるなどの点からプラズマCVD法が好ましく、とくに
炭素を含む化合物のガス中にIVA族元素を含む化合物の
ガスを混入させ、DCプラズマCVD法、RFプラズマCVD法、
RFおよびDC両者混合のプラズマCVD法または基盤上に電
界と直交する磁界をもったDC、RF両者混合のプラズマCVD
法によって硬質カーボン膜を形成するのが好ましい。
これらの方法は単独で用いてもよく、併用してもよい。
本発明においては、前記硬質カーボン膜は金属基板上に
堆積せしめられている。
堆積せしめられている。
前記金属基板としては、たとえばSUS、Cu、CuとAl、Z
n、Cd、Ge、Ti、Ag、Siなどの金属との合金、Al、AlとM
n、Mg、Mg-Si、Si、Cu-Mgなどの金属や合金との合金、N
i、Zn、ZnとPb、Fe、Cd、Sn、Alなどの金属との合金、
W、Mo、WCなどから製造された基板が好ましい例として
あげられるが、これらのうちでは汎用性のあるSUS、C
u、Cu合金、Al、Al合金、Ni、Zn、Zn合金製の基板が安価で
ある、入手しやすい、加工しやすい、大面積のものが作
製でき、かつ作製しやすいなどの点からより好ましい。
n、Cd、Ge、Ti、Ag、Siなどの金属との合金、Al、AlとM
n、Mg、Mg-Si、Si、Cu-Mgなどの金属や合金との合金、N
i、Zn、ZnとPb、Fe、Cd、Sn、Alなどの金属との合金、
W、Mo、WCなどから製造された基板が好ましい例として
あげられるが、これらのうちでは汎用性のあるSUS、C
u、Cu合金、Al、Al合金、Ni、Zn、Zn合金製の基板が安価で
ある、入手しやすい、加工しやすい、大面積のものが作
製でき、かつ作製しやすいなどの点からより好ましい。
本発明の硬質カーボン膜中にはIVA族元素が含有されて
いる。
いる。
前記IVA族元素としては、シリコン以外のゲルマニウ
ム、スズなどがあげられ、これらは膜中に2種以上含有
されていてもよい。これらはいずれも膜の内部応力を緩
和し、金属に対する付着性をよくするなどの働きをす
る。
ム、スズなどがあげられ、これらは膜中に2種以上含有
されていてもよい。これらはいずれも膜の内部応力を緩
和し、金属に対する付着性をよくするなどの働きをす
る。
本発明の硬質カーボン膜にはIVA族元素が0.01〜20atm
%、好ましくは0.01〜15atm%、さらに好ましくは0.01
〜10atm%、ことに好ましくは0.1〜5atm%、とくに好
ましくは1〜3atm%含有される。
%、好ましくは0.01〜15atm%、さらに好ましくは0.01
〜10atm%、ことに好ましくは0.1〜5atm%、とくに好
ましくは1〜3atm%含有される。
IVA族元素が1種膜中に存在するばあい、ゲルマニウム
では0.01〜15atm%、スズでは0.01〜10atm%、2種以上
存在するばあい、それぞれの元素含量は最大量以下でそ
の合計量が20atm%以下である。
では0.01〜15atm%、スズでは0.01〜10atm%、2種以上
存在するばあい、それぞれの元素含量は最大量以下でそ
の合計量が20atm%以下である。
IVA族元素含有量が0.01atm%未満になると従来の高硬度
のカーボン膜と差がなくなり、従来のカーボン膜を金属
基板上に形成したばあいに生ずる問題と同様の問題が生
ずる。一方、IVA族元素含有量が20atm%をこえると、付
着力が減少したり、絶縁性が低下したり、硬度が減少し
たり、内部応力が増加したりして好ましくない。
のカーボン膜と差がなくなり、従来のカーボン膜を金属
基板上に形成したばあいに生ずる問題と同様の問題が生
ずる。一方、IVA族元素含有量が20atm%をこえると、付
着力が減少したり、絶縁性が低下したり、硬度が減少し
たり、内部応力が増加したりして好ましくない。
好ましい膜中のIVA族元素原子量は基板の種類、基板の
表面状態、IVA族元素の種類などによって異なる。
表面状態、IVA族元素の種類などによって異なる。
本発明の硬質カーボン膜の厚さとしてはプラズマまたは
イオンを用いた製膜方法により製造するため、10Å〜10
0μm、さらには20Å〜30μm程度の厚さが実施可能な範
囲と考えられる。
イオンを用いた製膜方法により製造するため、10Å〜10
0μm、さらには20Å〜30μm程度の厚さが実施可能な範
囲と考えられる。
本発明の硬質カーボン膜の前記IVA族元素以外の成分と
しては、従来の高硬度のカーボン膜を形成する成分であ
る炭素、水素、膜表面にある酸素などがあげられ、それ
ぞれの硬質カーボン膜中に占める割合としては、水素は
好ましくは0〜5atm%、酸素は好ましくは0〜0.1atm
%程度である。
しては、従来の高硬度のカーボン膜を形成する成分であ
る炭素、水素、膜表面にある酸素などがあげられ、それ
ぞれの硬質カーボン膜中に占める割合としては、水素は
好ましくは0〜5atm%、酸素は好ましくは0〜0.1atm
%程度である。
一般に炭素源および水素源として用いられる炭化水素を
用いずに、CF4、CF2H2、CF3Hなどの含フッ素系の炭化水
素を用いたばあいには、膜中に水素と同時にフッ素も存
在する膜がえられる。また、CCl4、CCl2H2などの含塩素
系の炭化水素を用いたばあいには、塩素、水素の両方が
存在する膜となる。膜の硬度という点からすると、塩素
を含む膜は硬度が小さく、水素のみあるいは水素とフッ
素とを含む膜がよい。膜中のフッ素の量が原子の数で水
素の量の5倍以上になると膜の剥離の問題が生じる傾向
にある。
用いずに、CF4、CF2H2、CF3Hなどの含フッ素系の炭化水
素を用いたばあいには、膜中に水素と同時にフッ素も存
在する膜がえられる。また、CCl4、CCl2H2などの含塩素
系の炭化水素を用いたばあいには、塩素、水素の両方が
存在する膜となる。膜の硬度という点からすると、塩素
を含む膜は硬度が小さく、水素のみあるいは水素とフッ
素とを含む膜がよい。膜中のフッ素の量が原子の数で水
素の量の5倍以上になると膜の剥離の問題が生じる傾向
にある。
本発明の硬質カーボン膜は、通常ダイヤモンドまたはダ
イヤモンド状炭素から形成されており、表面ビッカース
硬度が500〜10000程度、好ましくは1000〜10000、さら
に好ましくは2500〜10000、絶縁性が102〜1016Ωcm、好
ましくは108〜1016Ωcm、金属基板への付着力が5〜200
kg/cm2、好ましくは20〜200kg/cm2で、電子回路用絶縁
基板、耐摩耗性表面コーティングなどの用途に好適に使
用されうる。
イヤモンド状炭素から形成されており、表面ビッカース
硬度が500〜10000程度、好ましくは1000〜10000、さら
に好ましくは2500〜10000、絶縁性が102〜1016Ωcm、好
ましくは108〜1016Ωcm、金属基板への付着力が5〜200
kg/cm2、好ましくは20〜200kg/cm2で、電子回路用絶縁
基板、耐摩耗性表面コーティングなどの用途に好適に使
用されうる。
また本発明の硬質カーボン膜をSUSのごとき金属基板上
に10〜5000Å、好ましくは20〜2000Åの厚さで形成し、
さらにその上にIVA族元素を実質的に含まないカーボン
膜を形成して中間層として用いてもよい。このばあいに
は付着力の大きい中間層の働きで、金属基板および実質
的にIVA族元素を含まないカーボン膜を付着性よく形成
できるという効果がえられる。
に10〜5000Å、好ましくは20〜2000Åの厚さで形成し、
さらにその上にIVA族元素を実質的に含まないカーボン
膜を形成して中間層として用いてもよい。このばあいに
は付着力の大きい中間層の働きで、金属基板および実質
的にIVA族元素を含まないカーボン膜を付着性よく形成
できるという効果がえられる。
本発明の硬質カーボン膜のシリコン含量は膜全体に均一
である必要はなく、勾配をもっていてもよく、パターン
状であってもよく、膜全体として所定の含量になってい
ればよい。
である必要はなく、勾配をもっていてもよく、パターン
状であってもよく、膜全体として所定の含量になってい
ればよい。
つぎに本発明の硬質カーボン膜の製法を具体的に説明す
る。
る。
本発明の硬質カーボン膜は、通常、従来の高硬度のカー
ボン膜を形成させる際に使用するメタン、エタン、エチ
レン、四フッ化炭素、アセチレンまたはベンゼンなどの
炭素を含む化合物の1種または2種以上のガスと、H2ま
たはAr、Heなどの不活性ガスとからなる混合ガスに、さ
らにSiH4、Si2H6、SiF4、SiCl4、SiH2F2またはSiH3Fなど
のシリコンを含む化合物、GeH4、Ge2H6、GeF4、GeCl4、
GeH2F2またはGeH3Fなどのゲルマニウムを含む化合物、
SnH4、SnF2H2、SnF3H、SnCl4、SnF2H2などのスズを含む
化合物のガス1種以上を微量添加して反応させて形成せ
しめられる。もちろん、従来の高硬度のカーボン膜を作
製するのに使用するガス組成になるように炭素を含む化
合物のガスや不活性ガスなどを用いなくてもよいことは
当然のことである。
ボン膜を形成させる際に使用するメタン、エタン、エチ
レン、四フッ化炭素、アセチレンまたはベンゼンなどの
炭素を含む化合物の1種または2種以上のガスと、H2ま
たはAr、Heなどの不活性ガスとからなる混合ガスに、さ
らにSiH4、Si2H6、SiF4、SiCl4、SiH2F2またはSiH3Fなど
のシリコンを含む化合物、GeH4、Ge2H6、GeF4、GeCl4、
GeH2F2またはGeH3Fなどのゲルマニウムを含む化合物、
SnH4、SnF2H2、SnF3H、SnCl4、SnF2H2などのスズを含む
化合物のガス1種以上を微量添加して反応させて形成せ
しめられる。もちろん、従来の高硬度のカーボン膜を作
製するのに使用するガス組成になるように炭素を含む化
合物のガスや不活性ガスなどを用いなくてもよいことは
当然のことである。
炭素を含む化合物のガスに対するIVA族元素を含む化合
物のガスの添加割合にはとくに限定はなく、形成される
硬質カーボン膜が所定の組成になるかぎり、どのような
割合で使用してもよい。しかし、所定の組成にするため
には、炭素を含む化合物のガスに対するIVA族元素を含
む化合物のガスの添加割合は容量で通常0.001〜10%程
度、好ましくは0.01〜1%程度である。
物のガスの添加割合にはとくに限定はなく、形成される
硬質カーボン膜が所定の組成になるかぎり、どのような
割合で使用してもよい。しかし、所定の組成にするため
には、炭素を含む化合物のガスに対するIVA族元素を含
む化合物のガスの添加割合は容量で通常0.001〜10%程
度、好ましくは0.01〜1%程度である。
たとえば炭素を含む化合物のガス中にIVA族元素を含む
化合物のガスを前記のような割合で混入させ、DCプラズ
マCVD法、RFプラズマCVD法、RFおよびDC両者混合のプラ
ズマCVD法または基板状に電界と直交する磁界をもったD
C、RF両者混合のプラズマCVD法などのプラズマCVD法に
よって本発明の硬質カーボン膜が形成されるばあいに
は、IVA族元素の含量が所定の範囲に入り、付着力も良
好で内部応力の小さい高硬度の膜が形成される。また膜
中のIVA族元素の含有量はESCAにて容易に求められる。
化合物のガスを前記のような割合で混入させ、DCプラズ
マCVD法、RFプラズマCVD法、RFおよびDC両者混合のプラ
ズマCVD法または基板状に電界と直交する磁界をもったD
C、RF両者混合のプラズマCVD法などのプラズマCVD法に
よって本発明の硬質カーボン膜が形成されるばあいに
は、IVA族元素の含量が所定の範囲に入り、付着力も良
好で内部応力の小さい高硬度の膜が形成される。また膜
中のIVA族元素の含有量はESCAにて容易に求められる。
製膜を通常のプラズマCVD法で行なってもよいが、基板
をカソードに設置し、基板にさらに−300V〜−1KVの電
圧を印加した前記ガスのDCプラズマCVD法により行なう
と、通常のRFプラズマCVD法でえられる膜よりも硬度も
電気抵抗率も大きくなり好ましい。
をカソードに設置し、基板にさらに−300V〜−1KVの電
圧を印加した前記ガスのDCプラズマCVD法により行なう
と、通常のRFプラズマCVD法でえられる膜よりも硬度も
電気抵抗率も大きくなり好ましい。
このように微量〜少量のIVA族元素の存在により付着性
がよく、膜の剥離が生じなくなる詳細なメカニズムは解
明されていないが、IVA族元素が何らかの形で、たとえ
ば炭素にはSP3、SP2、SP混成という各種の混成形体があ
るが、ゲルマニウム、スズ、さらには本発明の範囲外で
あるシリコンSP3混成が支配的で、ゲルマニウム、ス
ズ、さらにはシリコンも膜成長段階でSP3結合を保有
し、核成長に寄与するというような形で膜の内部応力を
小さくしたり基板との密着性、つまり付着力の向上につ
ながったりすると考えられる。
がよく、膜の剥離が生じなくなる詳細なメカニズムは解
明されていないが、IVA族元素が何らかの形で、たとえ
ば炭素にはSP3、SP2、SP混成という各種の混成形体があ
るが、ゲルマニウム、スズ、さらには本発明の範囲外で
あるシリコンSP3混成が支配的で、ゲルマニウム、ス
ズ、さらにはシリコンも膜成長段階でSP3結合を保有
し、核成長に寄与するというような形で膜の内部応力を
小さくしたり基板との密着性、つまり付着力の向上につ
ながったりすると考えられる。
本発明の硬質カーボン膜の製膜条件としては、たとえば
CH4 1〜50SCCM、GeH4 0.01〜1SCCM、H2 10〜500SCC
M、反応圧力0.1〜10Torr、基板温度 室温〜500℃、印加
電圧−300V〜−2KV、電流 0.14〜6mA/cm2のDCプラズマC
VD法のごとき条件が例示されうる。
CH4 1〜50SCCM、GeH4 0.01〜1SCCM、H2 10〜500SCC
M、反応圧力0.1〜10Torr、基板温度 室温〜500℃、印加
電圧−300V〜−2KV、電流 0.14〜6mA/cm2のDCプラズマC
VD法のごとき条件が例示されうる。
さらに上記DCプラズマにRFを14〜200mW/cm2程度加える
ことにより、絶縁性のものが付着したばあいでも放電が
維持され、安定し、堆積速度も増加し、作製される膜の
硬度も第2図に示すように増加する。
ことにより、絶縁性のものが付着したばあいでも放電が
維持され、安定し、堆積速度も増加し、作製される膜の
硬度も第2図に示すように増加する。
なお第2図は、CH4 40SCCM、H2 100SCCMおよびGeH4では
なくてSiH4を0.1SCCM流し、SUS(ステンレス)基板をカ
ソードにセットし、該基板上に反応圧力1Torr、基板温
度350℃で、第2図に示す範囲の印加電圧をかけて放電
を起こして基板上に膜を堆積させる際に、100mW/cm2のRF
を加えたばあいと加えないばあいとで堆積する膜のビッ
カース硬度が異なるとともに、印加電圧によっても硬度
が異なることを示すグラフであるが、SiH4のかわりにGe
H4を用いたばあいにも第2図とほぼ同様のグラフがえら
れる。
なくてSiH4を0.1SCCM流し、SUS(ステンレス)基板をカ
ソードにセットし、該基板上に反応圧力1Torr、基板温
度350℃で、第2図に示す範囲の印加電圧をかけて放電
を起こして基板上に膜を堆積させる際に、100mW/cm2のRF
を加えたばあいと加えないばあいとで堆積する膜のビッ
カース硬度が異なるとともに、印加電圧によっても硬度
が異なることを示すグラフであるが、SiH4のかわりにGe
H4を用いたばあいにも第2図とほぼ同様のグラフがえら
れる。
さらに第3図はRFを加えたばあいと加えないばあいとで
堆積する膜の付着力が異なるとともに、印加電圧によっ
ても膜の付着力が異なることを示すグラフである。
堆積する膜の付着力が異なるとともに、印加電圧によっ
ても膜の付着力が異なることを示すグラフである。
また第4図、第5図および第6図は後記参考例7に示し
た条件にてSUS基板を用いて作製した膜のビッカース硬
度と膜中のシリコン含量との関係、付着力と膜中のシリ
コン含量との関係および内部応力と膜中のシリコン含量
との関係を示すグラフである。これらのグラフからシリ
コンを膜中に導入することで、内部応力は減少し、ビッ
カース硬度および付着力は増大することがわかる。しか
し、シリコン含量が多くなりすぎると効果が少なくなっ
てくる。
た条件にてSUS基板を用いて作製した膜のビッカース硬
度と膜中のシリコン含量との関係、付着力と膜中のシリ
コン含量との関係および内部応力と膜中のシリコン含量
との関係を示すグラフである。これらのグラフからシリ
コンを膜中に導入することで、内部応力は減少し、ビッ
カース硬度および付着力は増大することがわかる。しか
し、シリコン含量が多くなりすぎると効果が少なくなっ
てくる。
シリコンのかわりにゲルマニウム、スズを用いたときも
ゲルマニウム、スズの含量は異なるが、シリコンのばあ
いと同様の結果を与える。
ゲルマニウム、スズの含量は異なるが、シリコンのばあ
いと同様の結果を与える。
膜の硬度という点からすると、同じDCの印加電圧ではメ
タンなどの反応ガスをH2にて低濃度に希釈したほうが大
きくなる。このばあい、メタンなどの炭化水素ガスを10
容量%以下に水素で希釈すると、IVA族元素を含む化合
物、たとえばGeH4やSnH4、さらには本発明の範囲外では
あるがSiH4を入れないと膜成長はほとんど観察されない
が、微量のGeH4やSnH4、さらにはSiH4(メタンに対して
500ppm程度)を混入させたプラズマCVD法では膜成長が
観察される。また作製した膜も非常に高硬度の膜とな
る。
タンなどの反応ガスをH2にて低濃度に希釈したほうが大
きくなる。このばあい、メタンなどの炭化水素ガスを10
容量%以下に水素で希釈すると、IVA族元素を含む化合
物、たとえばGeH4やSnH4、さらには本発明の範囲外では
あるがSiH4を入れないと膜成長はほとんど観察されない
が、微量のGeH4やSnH4、さらにはSiH4(メタンに対して
500ppm程度)を混入させたプラズマCVD法では膜成長が
観察される。また作製した膜も非常に高硬度の膜とな
る。
前記説明においては前記プラズマCVD法で本発明の硬質
カーボン膜を製膜するばあいについてのべたが、別のプ
ラズマまたはイオンを利用した製膜方法によつてえても
よい。
カーボン膜を製膜するばあいについてのべたが、別のプ
ラズマまたはイオンを利用した製膜方法によつてえても
よい。
たとえばグラファイトをターゲットとして微量のIVA族
元子を含むガスとアルゴンガスとの混合ガスからなるプ
ラズマから作製する反応性スパッター法あるいは反応性
イオンビームスパッター法、イオンビーム蒸着法によっ
てえてもよい。
元子を含むガスとアルゴンガスとの混合ガスからなるプ
ラズマから作製する反応性スパッター法あるいは反応性
イオンビームスパッター法、イオンビーム蒸着法によっ
てえてもよい。
つぎに本発明の硬質カーボン膜を実施例にもとづき説明
する。
する。
参考例1および比較参考例1 第1図に示すようなプラズマCVD装置にSUS製の金属基板
(1)をセットし、反応圧力1TorrでCH4 40SCCM、H2 200S
CCM、SiH4 0.2SCCM流し、基板(1)に−500Vの高電圧を印
加して放電を起こし、さらにRFを100mW/cm2印加して、
基板温度350℃で基板上に膜を10000Åの厚さになるよう
に堆積させた。なお第1図中の(2)は電極、(3)はDC電
源、(4)はRFチョークコイルである。
(1)をセットし、反応圧力1TorrでCH4 40SCCM、H2 200S
CCM、SiH4 0.2SCCM流し、基板(1)に−500Vの高電圧を印
加して放電を起こし、さらにRFを100mW/cm2印加して、
基板温度350℃で基板上に膜を10000Åの厚さになるよう
に堆積させた。なお第1図中の(2)は電極、(3)はDC電
源、(4)はRFチョークコイルである。
堆積した膜はビッカース硬度6000、付着力50kg/cm2程度
で、ESCAによる測定によると膜中には2atm%のシリコ
ンが含まれていた。また電気抵抗率は1012Ωcm以上で摩
擦係数は0.2と小さく、1カ月間の放置、室温から300℃
までのサーマルサイクル100回によっても剥離しなかっ
た。
で、ESCAによる測定によると膜中には2atm%のシリコ
ンが含まれていた。また電気抵抗率は1012Ωcm以上で摩
擦係数は0.2と小さく、1カ月間の放置、室温から300℃
までのサーマルサイクル100回によっても剥離しなかっ
た。
一方、上記ガスからシランガスを除いて放電を起こして
堆積させた膜は、取出し直後あるいは1〜3日間の放置
により剥離が生じた。
堆積させた膜は、取出し直後あるいは1〜3日間の放置
により剥離が生じた。
参考例2および比較参考例2 参考例1で用いたのと同様の第1図に示すような装置を
用いて硬質カーボン膜を作製した。基板としてAl合金で
あるAl-Si製の基板を用い、SUS製の基板のばあいと同様
に基板をセットした。反応室圧力1Torr、基板温度350
℃、CH4 40SCCM、H2 100SCCM、SiH4 0.1SCCM流し、基板
(1)に-200V〜-1kVの負の電圧を印加して放電を起こして
膜を堆積させた。さらにRFパワーを100mW/cm2印加した
ばあいについても膜を堆積させた。
用いて硬質カーボン膜を作製した。基板としてAl合金で
あるAl-Si製の基板を用い、SUS製の基板のばあいと同様
に基板をセットした。反応室圧力1Torr、基板温度350
℃、CH4 40SCCM、H2 100SCCM、SiH4 0.1SCCM流し、基板
(1)に-200V〜-1kVの負の電圧を印加して放電を起こして
膜を堆積させた。さらにRFパワーを100mW/cm2印加した
ばあいについても膜を堆積させた。
作製した膜の表面ビッカース硬度と印加電圧との関係お
よびRFパワーをさらに印加したばあいの表面ビッカース
硬度との関係を第2図に示した。図に示したように約-8
00Vまでは印加電圧とともに表面硬度が増加し、約-800V
をこえると飽和する傾向にあった。膜中のシリコン量は
ESCAで調べると、印加電圧の大きさにかかわらず約2at
m%であった。また膜の付着強度は、第3図のような結
果になった。
よびRFパワーをさらに印加したばあいの表面ビッカース
硬度との関係を第2図に示した。図に示したように約-8
00Vまでは印加電圧とともに表面硬度が増加し、約-800V
をこえると飽和する傾向にあった。膜中のシリコン量は
ESCAで調べると、印加電圧の大きさにかかわらず約2at
m%であった。また膜の付着強度は、第3図のような結
果になった。
一方、シランを用いないばあいには、実施例1と同様に
して膜を堆積させて取出すと、直後あるいは1〜7日間
の放置により剥離が生じた。
して膜を堆積させて取出すと、直後あるいは1〜7日間
の放置により剥離が生じた。
参考例3 基板としてSUS製の基板を用い、第1図に示すのと同様
の装置で基板表面に電界と直交する磁界をかけうる装置
を用いて硬質カーボン膜を作製した。磁界の強さを200
ガウスにし、CH4 40SCCM、H2 200SCCM、SiH4 0.2SCCM、
基板温度350℃、DC電圧-250V、RFパワー100mW/cm2を印
加して、反応圧力1Torrで膜を作製した。膜の堆積速度
は10Å/secであった。作製した膜の厚さは10000Åであ
った。この装置を用いると、電界と直交する磁界の存在
により、低印加電圧で高密度のプラズマを形成すること
ができた。
の装置で基板表面に電界と直交する磁界をかけうる装置
を用いて硬質カーボン膜を作製した。磁界の強さを200
ガウスにし、CH4 40SCCM、H2 200SCCM、SiH4 0.2SCCM、
基板温度350℃、DC電圧-250V、RFパワー100mW/cm2を印
加して、反応圧力1Torrで膜を作製した。膜の堆積速度
は10Å/secであった。作製した膜の厚さは10000Åであ
った。この装置を用いると、電界と直交する磁界の存在
により、低印加電圧で高密度のプラズマを形成すること
ができた。
作製した膜中には2atm%のシリコンが含まれており、膜
の表面ビッカース硬度は7000、付着力は90kg/cm2、電気
抵抗率は1014Ωcm、摩擦係数は0.20、-60℃から300℃の
1000回のサーマルサイクルによっても剥離は見られなか
った。
の表面ビッカース硬度は7000、付着力は90kg/cm2、電気
抵抗率は1014Ωcm、摩擦係数は0.20、-60℃から300℃の
1000回のサーマルサイクルによっても剥離は見られなか
った。
実施例1および比較例1 第1図に示すようなプラズマCVD装置にSUS製の金属基板
(1)をセットし、反応圧力1TorrでCH4 40SCCM、H2 200S
CCM、GeH4 0.2SCCM流し、基板(1)に−500Vの高電圧を印
加して放電を起こし、さらにRF 100mW/cm2を印加して、
基板温度350℃で基板上に膜を3μmの厚さになるように
堆積させた。堆積速度は2Å/secであった。
(1)をセットし、反応圧力1TorrでCH4 40SCCM、H2 200S
CCM、GeH4 0.2SCCM流し、基板(1)に−500Vの高電圧を印
加して放電を起こし、さらにRF 100mW/cm2を印加して、
基板温度350℃で基板上に膜を3μmの厚さになるように
堆積させた。堆積速度は2Å/secであった。
堆積した膜はビッカース硬度6000、付着力50kg/cm2程度
で、膜中に1.5atm%のゲルマニウムを含んでいた。また
電気抵抗率は1012Ωcm以上で摩擦係数は0.2と小さく、
1カ月間の放置、−55℃×30分間、+200℃×30分間を
1サイクルとして1000サイクルの熱サイクル試験によっ
ても膜の剥離はなかった。
で、膜中に1.5atm%のゲルマニウムを含んでいた。また
電気抵抗率は1012Ωcm以上で摩擦係数は0.2と小さく、
1カ月間の放置、−55℃×30分間、+200℃×30分間を
1サイクルとして1000サイクルの熱サイクル試験によっ
ても膜の剥離はなかった。
一方、上記ガスからGeH4を除いて放電を起こして堆積さ
せた膜は、取出し直後あるいは1〜3日間の放置により
剥離が生じた。
せた膜は、取出し直後あるいは1〜3日間の放置により
剥離が生じた。
実施例5および比較例2 第1図に示すのと同様の装置で基板上で電界と直交する
磁界の存在するようにした装置を用いて膜を作製した。
磁界の存在するようにした装置を用いて膜を作製した。
反応室圧力が 1TorrになるようにCH4を10SCCM、H4を20
0SCCM、GeH4を0.05SCCM流し、基板に−400Vの電圧を印
加し、RFパワー100mW/cm2、磁場強度 400ガウス、基板
温度 300℃にてSUS製基板上に膜を2μmの厚さになる
ように堆積させた。堆積速度は3Å/secであった。
0SCCM、GeH4を0.05SCCM流し、基板に−400Vの電圧を印
加し、RFパワー100mW/cm2、磁場強度 400ガウス、基板
温度 300℃にてSUS製基板上に膜を2μmの厚さになる
ように堆積させた。堆積速度は3Å/secであった。
堆積した膜のビッカース硬度は8000で天然ダイヤモンド
とほぼ同等の値であり、付着力は40kg/cm2で膜中に2at
m%のゲルマニウムを含んでいた。電気抵抗率は1012Ωc
m以上で、摩擦係数は0.2と小さく、1カ月間の放置、実
施例1と同様の熱サイクル1000回でも剥離しなかった。
とほぼ同等の値であり、付着力は40kg/cm2で膜中に2at
m%のゲルマニウムを含んでいた。電気抵抗率は1012Ωc
m以上で、摩擦係数は0.2と小さく、1カ月間の放置、実
施例1と同様の熱サイクル1000回でも剥離しなかった。
上記ガスからGeH4を除いて放電を起こしたばあい、基板
に膜付着は認められなかった。このことからゲルマニウ
ムが核成長に重要な役割を演じていることが推察され
る。
に膜付着は認められなかった。このことからゲルマニウ
ムが核成長に重要な役割を演じていることが推察され
る。
実施例3 基板としてSUS製の基板を用い、第1図に示すのと同様
の装置で基板表面に電界と直交する磁界をかけうる装置
を用いて、硬質カーボン膜を作製した。
の装置で基板表面に電界と直交する磁界をかけうる装置
を用いて、硬質カーボン膜を作製した。
CH4を20SCCM、H2を200SCCM、SnH4を0.1SCCM流し、基板
温度350℃、磁場強度200ガウス、DC電圧 -280V、RFパワ
ー 50mW/cm2、反応圧力1Torrなる条件で膜を堆積させ
た。膜の堆積速度は7Å/secであった。
温度350℃、磁場強度200ガウス、DC電圧 -280V、RFパワ
ー 50mW/cm2、反応圧力1Torrなる条件で膜を堆積させ
た。膜の堆積速度は7Å/secであった。
えられた膜中のスズ含量は2atm%、膜の表面ビッカー
ス硬度は6000、付着力は80kg/cm2、電気抵抗率は1013Ω
cm>、実施例1と同様のサーマルサイルク(1000回)で
剥離を生じなかった。
ス硬度は6000、付着力は80kg/cm2、電気抵抗率は1013Ω
cm>、実施例1と同様のサーマルサイルク(1000回)で
剥離を生じなかった。
参考例4 基板としてSUS製の基板を用い、第1図に示す装置と同
様の装置を用いて硬質カーボン膜を作製した。
様の装置を用いて硬質カーボン膜を作製した。
反応圧力 1Torr、基板温度 350℃、RFパワー 100mW/cm
2、DC電圧 −500Vなる条件で、CH4を40SCCM、H2を200SC
CM、SiH4を第1表に示す量流し、1μmの厚さの膜を堆
積させた。
2、DC電圧 −500Vなる条件で、CH4を40SCCM、H2を200SC
CM、SiH4を第1表に示す量流し、1μmの厚さの膜を堆
積させた。
作製した膜中のシリコン含量は第1表のとおりであっ
た。
た。
えられた膜について膜中のシリコン含量とビッカース硬
度、付着力、内部応力のそれぞれとの関係を測定した結
果をそれぞれ第4図〜第6図に示す。
度、付着力、内部応力のそれぞれとの関係を測定した結
果をそれぞれ第4図〜第6図に示す。
なおシリコンを含まない膜も上記と同様にして作製した
が、SUS基板上から膜が剥離し、評価不可能であった。
が、SUS基板上から膜が剥離し、評価不可能であった。
[発明の効果] 本発明の硬質カーボン膜は内部応力が小さく、剥離しに
くく、硬質で電気絶縁性および金属基板への付着性が良
好である。それゆえ、汎用性のあるSUS製などの基板上
に形成されたばあいには、電子回路用絶縁基板、耐摩耗
性コーティングなどに好適に使用されうる。
くく、硬質で電気絶縁性および金属基板への付着性が良
好である。それゆえ、汎用性のあるSUS製などの基板上
に形成されたばあいには、電子回路用絶縁基板、耐摩耗
性コーティングなどに好適に使用されうる。
第1図は本発明の硬質カーボン膜を製膜する際に用いる
プラズマCVD装置の一例に関する説明図、第2図は本発
明の硬質カーボン膜を製膜する際にRF電力を加えたばあ
いと加えないばあいとで堆積する膜のビッカース硬度が
異なるとともに印加電圧によっても異なることを示すグ
ラフ、第3図は本発明の硬質カーボン膜を製膜する際に
RF電力を加えたばあいと加えないばあいとで堆積する膜
の付着力が異なるとともに印加電圧によっても異なるこ
とを示すグラフ、第4図〜第6図は参考例4でえられた
膜に関する膜中のシリコン含量とビッカース硬度、付着
力、内部応力のそれぞれとの関係を示すグラフである。 (図面の主要符号) (1):金属基板
プラズマCVD装置の一例に関する説明図、第2図は本発
明の硬質カーボン膜を製膜する際にRF電力を加えたばあ
いと加えないばあいとで堆積する膜のビッカース硬度が
異なるとともに印加電圧によっても異なることを示すグ
ラフ、第3図は本発明の硬質カーボン膜を製膜する際に
RF電力を加えたばあいと加えないばあいとで堆積する膜
の付着力が異なるとともに印加電圧によっても異なるこ
とを示すグラフ、第4図〜第6図は参考例4でえられた
膜に関する膜中のシリコン含量とビッカース硬度、付着
力、内部応力のそれぞれとの関係を示すグラフである。 (図面の主要符号) (1):金属基板
Claims (6)
- 【請求項1】シリコン以外のIVA族元素を0.01〜20atm
%含み、表面ビッカース硬度が500〜10000で、膜厚が10
Å〜100μmで金属基板上に堆積せしめられた硬質カー
ボン膜。 - 【請求項2】シリコン以外のIVA族元素がゲルマニウム
およびスズよりなる群から選ばれた少なくとも1種であ
る特許請求の範囲第1項記載の硬質カーボン膜。 - 【請求項3】金属基盤がSUS、Cu、Cu合金、A
l、Al合金、Ni、ZnまたはZn合金製の基板であ
る特許請求の範囲第1項記載の硬質カーボン膜。 - 【請求項4】硬質カーボン膜が表面ビッカース硬度1000
〜10000である特許請求の範囲第1項記載の硬質カーボ
ン膜。 - 【請求項5】硬質カーボン膜が10〜5000Åの厚さで、さ
らにその上にIVA族元素を実質的に含まないカーボン膜
が形成される膜である特許請求の範囲第1項、第2項、
第3項または第4項記載の硬質カーボン膜。 - 【請求項6】硬質カーボン膜がダイヤモンドまたはダイ
ヤモンド状炭素からなる特許請求の範囲第1項記載の硬
質カーボン膜。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
EP94112466A EP0635871A2 (en) | 1985-11-06 | 1986-11-04 | High heat conductive insulated substrate and method of manufacturing the same |
EP19860115233 EP0221531A3 (en) | 1985-11-06 | 1986-11-04 | High heat conductive insulated substrate and method of manufacturing the same |
US06/927,211 US4783368A (en) | 1985-11-06 | 1986-11-05 | High heat conductive insulated substrate and method of manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8313785 | 1985-04-18 | ||
JP60-209621 | 1985-09-20 | ||
JP60-83137 | 1985-09-20 | ||
JP20962085 | 1985-09-20 | ||
JP60-209620 | 1985-09-20 | ||
JP20962185 | 1985-09-20 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62157602A JPS62157602A (ja) | 1987-07-13 |
JPH06952B2 true JPH06952B2 (ja) | 1994-01-05 |
Family
ID=27304138
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61079875A Expired - Lifetime JPH06952B2 (ja) | 1985-04-18 | 1986-04-07 | 硬質カ−ボン膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06952B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2819431B2 (ja) * | 1990-09-25 | 1998-10-30 | 新日本製鐵株式会社 | 硬質炭素膜の被覆方法 |
KR0134942B1 (ko) * | 1993-06-11 | 1998-06-15 | 이다가끼 유끼오 | 비정질 경질 탄소막 및 그 제조 방법 |
DE19929184A1 (de) * | 1998-06-26 | 1999-12-30 | Mclaughlin James A | Vorrichtung und Verfahren für das Aufbringen von diamantartigem Kohlenstoff (DLC) oder anderen im Vakuum abscheidbaren Materialien auf ein Substrat |
DE10130308B4 (de) * | 2001-06-22 | 2005-05-12 | Thyssenkrupp Electrical Steel Ebg Gmbh | Kornorientiertes Elektroblech mit einer elektrisch isolierenden Beschichtung |
US7537835B2 (en) | 2001-09-27 | 2009-05-26 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | High friction sliding member |
JPWO2004053984A1 (ja) * | 2002-12-09 | 2006-04-13 | 株式会社豊田中央研究所 | 半導体素子放熱部材およびそれを用いた半導体装置ならびにその製造方法 |
JP2006161075A (ja) * | 2004-12-03 | 2006-06-22 | Shinko Seiki Co Ltd | 硬質炭素膜およびその形成方法 |
JP5339584B2 (ja) * | 2008-09-01 | 2013-11-13 | 広島県 | 電子透過膜及びその製造方法 |
US9695503B2 (en) * | 2014-08-22 | 2017-07-04 | Applied Materials, Inc. | High power impulse magnetron sputtering process to achieve a high density high SP3 containing layer |
BE1026449B1 (fr) * | 2018-07-05 | 2020-02-03 | Diarotech | Procédé et dispositif de synthèse de diamant par CVD |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61163273A (ja) * | 1985-01-14 | 1986-07-23 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 被覆硬質部材 |
-
1986
- 1986-04-07 JP JP61079875A patent/JPH06952B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62157602A (ja) | 1987-07-13 |
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