JPH069500A - テトラリン化合物、液晶材料、液晶組成物および液晶素子 - Google Patents

テトラリン化合物、液晶材料、液晶組成物および液晶素子

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JPH069500A
JPH069500A JP5087300A JP8730093A JPH069500A JP H069500 A JPH069500 A JP H069500A JP 5087300 A JP5087300 A JP 5087300A JP 8730093 A JP8730093 A JP 8730093A JP H069500 A JPH069500 A JP H069500A
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Japan
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liquid crystal
group
compound
coo
formula
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JP5087300A
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English (en)
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Junichi Kawabata
端 潤 一 川
Hideo Yamaoka
岡 英 雄 山
Yuuichirou Tatsuki
木 悠一郎 達
Shinichi Nishiyama
山 伸 一 西
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は次式で表されるテトラリン化合物を提
供する。 R−X−A1−Y1−A2−(Y2−A3n−Z−R* ここでRはアルキル基であり、Xは-O-CO-、-O-または
単結合であり、nは0または1であり、A1、A2および
3は少なくとも1個がテトラヒドロナフタレン基であ
る2価の芳香族基であり、Y1およびY2は、-COO-、-O-
CO-、-CH2CH2-、-CH2O-または-OCH2-であり、Zは-O-、
-O-CO-または単結合であり、R*は光学活性基である。
また、本発明は、上記テトラリン化合物からなる液晶材
料、この化合物を含有する液晶塑性物および液晶素子を
も提供する。 【効果】本発明のテトラリン化合物は、チルト角が大き
く優れた液晶性能を有するので液晶材料として好適であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、新規なテトラリン化合
物、この化合物からなる液晶材料、このテトラリン化合
物を含有する液晶組成物およびこの液晶材料を用いた液
晶素子に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】現在、広汎に使用されている液晶
化合物を用いた表示デバイスは、通常はTN(ツイスト
ネマチック)モードによって駆動されている。
【0003】しかしながら、この方式を採用した場合、
表示されている画像を変えるためには、素子中における
液晶化合物の分子の位置を変える必要があるために、駆
動時間が長くなり、液晶化合物の分子位置を変えるため
に必要とする電圧、すなわち消費電力も大きくなるとい
う問題点がある。
【0004】強誘電性液晶化合物を用いたスイッチング
素子は、TNモードあるいはSTNモードを利用したス
イッチング素子とは異なり、液晶化合物の分子の配向方
向を変えるだけでスイッチング素子として機能させるこ
とができるため、スイッチング時間が非常に短縮され
る。さらに、強誘電性液晶化合物のもつ自発分極(P
s)と電界強度(E)とにより与えられるPs×Eの値
が液晶化合物の分子の配向方向を変えるための実効エネ
ルギー強度であるので、消費電力も非常に少なくなる。
そして、このような強誘電性液晶化合物は、印加電界の
方向によって二つの安定状態、すなわち双安定性を持つ
ので、スイッチングのしきい値特性も非常に良好であ
り、動画用の表示デバイス等として用いるのに特に適し
ている。
【0005】
【従来技術における問題点】このような強誘電性液晶化
合物を光スイッチング素子等に使用する場合、強誘電性
液晶化合物には、例えば動作温度範囲が常温付近あるい
はそれ以下にあること、動作温度幅が広いこと、スイッ
チング速度が大きい(速い)ことおよびスイッチングし
きい値電圧が適正な範囲内にあること等多くの特性が要
求される。殊にこれらのうちでも、動作温度範囲は強誘
電性液晶化合物を実用化する際に特に重要な特性であ
る。
【0006】しかしながら、これまで知られている強誘
電性液晶化合物においては、例えば、R.B.Meyer,et.a
l.,の論文[ジャーナル・デ・フイジーク(J.de Phy
s.)36巻L-69頁、1975年]、田口雅明、原田隆正の論文
[第11回液晶討論会予稿集168頁、1985年]に記載され
ているように、一般に動作温度が狭く、また動作温度範
囲が広い強誘電性液晶化合物であっても動作温度範囲が
室温を含まない高温度域である等、強誘電性液晶化合物
として実用上満足できるものは得られていない。
【0007】
【発明の目的】本発明は、新規なテトラリン化合物、こ
の化合物からなる液晶材料、この化合物を含有する液晶
組成物および液晶素子を提供することを目的としてい
る。さらに詳しくは、本発明は、作動温度が広く、スイ
ッチング速度が大きく、消費電力が極めて少なく、しか
も安定したコントラストが得られる液晶素子を形成する
ことができる新規なテトラリン化合物およびこの用途を
提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明のテトラリン化合物は、次式
[I]で表すことができる。 R−X−A1−Y1−A2−(Y2−A3n−Z−R* ・・・[I] 上記式[I]において、Rは炭素数3〜20のアルキル
基であり、Xは、-O-CO-、-O-または単結合であり、n
は、0または1であって、n=0のとき、A1およびA2
の内のいずれか1の基は、
【0009】
【化17】
【0010】であり、かつA1およびA2のうちの残余の
基は、
【0011】
【化18】
【0012】よりなる群から選ばれる基であり、n=1
のとき、A1、A2およびA3のうちのいずれか1の基
は、
【0013】
【化19】
【0014】のいずれかの基であり、かつA1、A2およ
びA3のうちの残余の基は共に
【0015】
【化20】
【0016】であり、Y1およびY2は、それぞれ独立
に、-COO-、-O-CO-、-CH2CH2-、-CH2O-および-OCH2-よ
りなる群から選ばれる基であり、Zは、-O-、-O-CO-ま
たは単結合であり、R*は、-C*H(CF3)-C6H13、-C*H(C
H3)-C6H13、-C*H(CH3)-C5H11、-C*H(C2H5)-C 5H11、-C*H
(C2H5)-C6H13、-CH2-C*H(CH3)-C2H5、-(CH2)3-C*H(CH3)
-C2H5および-C*H(CF3)-CH2-COO-C2H5よりなる群から選
ばれる基である。
【0017】また、本発明の液晶材料は、上記式[I]
で表されるテトラリン化合物からなることを特徴として
いる。さらに、本発明の液晶組成物は、上記式[I]で
表されるテトラリン化合物と他の液晶化合物とを含有す
ることを特徴としている。
【0018】またさらに、本発明の液晶素子は、互いに
対抗する二枚の基板と該基板によって構成される間隙と
からなるセル、および該セルの間隙に充填された液晶物
質より構成される液晶素子であって、該液晶物質が上記
式[I]で表されるテトラリン化合物を含有することを
特徴としている。
【0019】本発明により新規なテトラリン化合物が提
供される。このテトラリン化合物は液晶材料としての有
用性が高い。従って、この化合物を含有する液晶組成物
およびこのテトラリン化合物からなる液晶材料が二枚の
基板の間に充填された液晶素子は優れた液晶特性を有し
ている。
【0020】このような本発明のテトラリン化合物を液
晶材料として用いることにより、動作温度範囲が広く、
スイッチング速度が大きく、消費電力がきわめて少な
く、しかも安定したコントラストが得られる等の優れた
特性を有する各種デバイスを得ることができる。
【0021】
【発明の具体的説明】次に本発明について具体的に説明
する。まず、本発明のテトラリン化合物および液晶材料
について説明する。
【0022】本発明のテトラリン化合物は、次式[I]
で表すことができる。 R−X−A1−Y1−A2−(Y2−A3n−Z−R* …[I] ただし、上記式[I]において、Rは、炭素数3〜20
のアルキル基である。
【0023】ここでアルキル基は、直鎖状、分枝状およ
び脂環状のいずれの形態であってもよいが、Rが直鎖状
のアルキル基であるテトラリン化合物の分子は、分子が
まっ直ぐに伸びた剛直構造をとるため、優れた液晶性を
示す。このような直鎖状のアルキル基の具体的な例とし
ては、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシ
ル基、ヘキサデシル基およびオクタデシル基を挙げるこ
とができる。
【0024】また、上記式[I]において Xは、-O-CO
-若しくは-O-のいずれかの基、または、単結合である。
これらの内、本発明のテトラリン化合物を液晶材料とし
て使用する場合には、液晶の特性を考慮すると、Xは-O
-あるいは単結合であることが好ましい。
【0025】上記式[I]において、nは0または1で
ある。従って、n=0のときには上記式中のY2および
3は存在しない。そして、上記式[I]中に存在するA
1、A2およびA3の内の少なくとも1の基は、次式で表
される基(テトラヒドロナフチル基)である。
【0026】
【化21】
【0027】すなわち、nが0の場合にはA1およびA2
の内の少なくともいずれか一方が上記式で表される基で
あることが必要である。またnが1の場合にはA1、A2
およびA3のいずれか1の基が上記式で表される基であ
る。
【0028】特に本発明のテトラリン化合物を液晶化合
物として使用する場合には、このテトラヒドロナフチル
基は、1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチル基または5,
6,7,8-テトラヒドロ-2,6-ナフチル基である。このよう
なテトラヒドロナフチル基を有するテトラリン化合物
は、分子全体が直線状になるため、特に液晶材料として
優れた特性を示す。
【0029】A1、A2およびA3が上記の基である場合
における式[I]で表されるテトラリン化合物の構造の
例を以下に示す。
【0030】
【化22】
【0031】上記構造の例において(1)および(2)
で示される群の構造は式[I]においてnが0の場合の
構造の例であり、(3)で示される群の構造は式[I]
においてnが1の場合の構造の例である。
【0032】n=0のときに、上述のようにA1および
2のうちのいずれか一方は、次式で表される基であ
る。
【0033】
【化23】
【0034】さらに、A1、A2の内、残存している基
は、以下に示す基である。
【0035】
【化24】
【0036】さらに上記式[I]において、Y1およびY
2は、それぞれ独立に、-COO-、-O-CO-、-CH2CH2-、-CH2
O-および-OCH2-よりなる群から選ばれる基である。これ
らの内、本発明のテトラリン化合物を液晶材料として使
用する場合、Y1およびY2は、それぞれ独立に、-COO
-、-O-CO-または単結合のいずれかであることが好まし
い。特に分子の直線性を考慮すると、Y1およびY2
内、少なくともいずれか一方が、好ましくは両者が、-O
-CO-あるいは-COO-であることが好ましい。
【0037】また、上記式[I]において、Zは、-O-ま
たは-O-CO-のいずれかの基、または、単結合である。特
に、Zが-O-または-O-CO-のいずれかの基である化合物
は、例えばこのZが-COO-である化合物と比べて、チル
ト角が大幅に改善される。
【0038】例えば下式で表される化合物中のZのみを
-O-、-O-CO-、-COO-に変えた化合物についてチルト角を
測定すると下記表のようになる。
【0039】
【化25】
【0040】
【表1】
【0041】上記表から明かなように、Zを、-O-、-O-
CO-または-COO-に変えることによって、このテトラリン
化合物のチルト角が著しく変化する。そして、このZ部
分が本発明で規定する基または単結合である化合物はチ
ルト角が大きく、この中でもZが-O-であるテトラリン
化合物は、チルト角が非常に大きくなる。このようにチ
ルト角が大きい化合物を液晶材料として用いることによ
り、優れた特性を有する光スイッチング素子を得ること
ができる。従って、本発明のテトラリン化合物を液晶材
料として使用する場合には、このZが-O-であることが
特に好ましい。
【0042】また、式[I]において、R*は、-C*H(C
F3)-C6H13、-C*H(CH3)-C6H13、-C*H(CH3)-C5H11、-C*H
(C2H5)-C5H11、-C*H(C2H5)-C6H13、-CH2-C*H(CH3)-C
2H5、-(CH2)3-C*H(CH3)-C2H5および-C*H(CF 3)-CH2-COO-
C2H5よりなる群から選ばれる基であることが好ましい。
すなわち、このR*は、不整炭素を少なくとも1個有す
る光学活性基である。なお、この光学活性基を構成する
炭素原子に結合している炭素原子は、上記のようにフッ
素原子のようなハロゲン原子を有していてもよい。
【0043】これらの基のうち、本発明のテトラリン化
合物を液晶材料として使用する場合にその特性を考慮す
ると、以下に示すいずれかの基が好ましい。 -C*H(CF3)-C6H13 -C*H(CH3)-C6H13
【0044】従って、上記式[I]で表されるテトラリ
ン化合物としては、具体的には次表1−1〜表1−4お
よび表2−1〜表2−6に記載した化合物を挙げること
ができる。
【0045】すなわち、式[I]で表される化合物の
内、n=1である次式[I-A]で表される化合物の具体
的な例としては次表1−1〜表1−8に示す化合物を挙
げることができる。
【0046】 R−X−A1−Y1−A2−Y2−A3−Z−R* ・・・[I-A]
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】また、上記式[I]で表される化合物の
内、n=0である次式[I-B]で表される化合物の具体
的な例としては次表2−1〜表2−6に示す化合物を挙
げることができる。
【0052】 R−X−A1−Y1−A2−Z−R* ・・・[I-B]
【0053】
【表6】
【0054】
【表7】
【0055】
【表8】
【0056】
【表9】
【0057】
【表10】
【0058】
【表11】
【0059】上記のようなテトラリン化合物は、公知の
合成技術を組み合わせて製造することができる。例え
ば、上記のテトラリン化合物は、以下に示す合成経路に
従って合成することができる。
【0060】
【化26】
【0061】すなわち、例えば、6-アルコキシナフタレ
ン-2-カルボン酸と1,2-ジエトキシエタンとの混合物を
金属ナトリウムの存在下にイソアミルアルコールを滴下
しながら還流することにより、1,2,3,4-テトラヒドロ-6
-アルコキシナフタレン-2-カルボン酸を得る。
【0062】こうして得られた1,2,3,4-テトラヒドロ-6
-アルコキシナフタレン-2-カルボン酸を、酢酸および臭
化水素酸と反応させることにより、1,2,3,4-テトラヒド
ロ-6-ヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸を得る。
【0063】上記のようにして得られた1,2,3,4-テトラ
ヒドロ-6-ヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸と臭化ベ
ンジルとを水酸化カリウムの存在下に反応させることに
より1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ベンジルオキシナフタレ
ン-2-カルボン酸を得る。
【0064】次いで、4-N,N-ジメチルアミノピリジンお
よび溶剤として塩化メチレンを用い、N,N'-ジシクロヘ
キシルカルボジイミド溶液を滴下しながら、別途常法に
より合成したハイドロキノンモノアルキルエーテルと、
上記工程で得られた1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ベンジル
オキシナフタレン-2-カルボン酸を反応させることによ
り1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ベンジルオキシナフタレン-
2-カルボン酸-4'-アルコキシフェニルエステルを得る。
【0065】得られた1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ベンジ
ルオキシナフタレン-2-カルボン酸-4'-アルコキシフェ
ニルエステルを、テトラヒドロフラン等の溶媒に投入
し、パラジウム/炭素等の還元触媒の存在下に水素ガス
を用いて還元することにより、1,2,3,4-テトラヒドロ-6
-ヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸-4'-アルコキシフ
ェニルエステルを得る。
【0066】次いで、4-N,N-ジメチルアミノピリジンお
よび溶剤として塩化メチレンを用い、N,N'-ジシクロヘ
キシルカルボジイミド溶液を滴下しながら、不整炭素を
含む4-アルコキシ安息香酸と、上記工程で得られた1,2,
3,4-テトラヒドロ-6-ヒドロキシナフタレン-2-カルボン
酸-4'-アルコキシフェニルエステルを反応させることに
より本発明のテトラリン化合物を得ることができる。
【0067】なお、上記方法は、本発明のテトラリン化
合物の製造方法の一例であり、本発明のテトラリン化合
物は、この製造方法によって限定されるものではない。
本発明のテトラリン化合物の内、次式で表される6-[4'
-(R-2"-オクチルオキシ)ベンゾイルオキシ]-1,2,3,4-
テトラヒドロナフタレン-2-カルボン酸-4"'-デシルオキ
シフェニルエステル[例示化合物(4)]の1H−NM
Rのチャートを図1に示す。
【0068】なお、以下の式中「eq」はエカトリア
ル、[ax」はアキシャルの立体配座を示す。
【0069】
【化27】
【0070】なお、上記式中において1〜12の番号
は、水素原子を示し、この番号は図1におけるピークに
付した番号と対応している。また、本発明のテトラリン
化合物の内、次式で表される4-(6'-デシルオキシ-5',
6',7',8'-テトラヒドロ-2"-ナフトイルオキシ)安息香酸
-4"-(R-2"'-オクチルオキシ)フェニルエステル[例示化
合物(50)]の1H−NMRのチャートを図2に示
す。
【0071】
【化28】
【0072】なお、上記式中において1〜19の番号
は、水素原子を示し、この番号は図2におけるピークに
付した番号と対応している。また、本発明のテトラリン
化合物の内、次式で表される6-デシルオキシ-1,2,3,4-
テトラヒドロナフタレン-2-カルボン酸-4'-(R-2"-オク
チルオキシ)フェニルエステル[例示化合物(14
9)]の1H−NMRのチャートを図3に示す。
【0073】
【化29】
【0074】なお、上記式中において1〜14の番号
は、水素原子を示し、この番号は図2におけるピークに
付した番号と対応している。上記のようにして得られた
式[I]で表されるテトラリン化合物は、例えば液晶材
料として使用することができる。
【0075】特に光学活性を有するテトラリン化合物
は、強誘電性液晶化合物または反強誘電性液晶化合物と
して使用することができる。そして、このようなテトラ
リン化合物の内、次式[4]、[20]、[50]およ
び[149]で表される化合物が特に優れた液晶特性を
示す。
【0076】
【化30】
【0077】このように液晶化合物として特に優れてい
る、式[4]、[50]および[149]でそれぞれ表
される化合物の相転移温度を表3に示す。なお、以下に
示す表3において、Cryは結晶相を、Sm CA *は反強誘
電相を、Sm C*は強誘電相を、Sm Aはスメクチック
A相を、Chはコレステリック相を、そして、Isoは等
方性液体を表す。
【0078】
【表12】
【0079】本発明の液晶化合物中には、表3に示した
ように、広い温度範囲で、スメクチック相を呈する化合
物が多い。従来、液晶化合物を単独で使用した場合に、
上記の化合物のように広い温度範囲でスメクチック相を
呈する液晶材料はほとんど知られていない。
【0080】そして、本発明の液晶材料は、スメクチッ
ク相を示す温度範囲が広いだけでなく、このような液晶
材料が充填されている液晶素子、例えば光スイッチング
素子は、高速応答性にも優れている。本発明の液晶材料
は単独で使用することもできるが、他の液晶材料と混合
して液晶組成物として使用することもできる。例えば、
本発明の液晶材料は、強誘電性液晶組成物あるいは反強
誘電性液晶組成物の主剤または他のスメクチック相を呈
する化合物を主剤とする液晶組成物の助剤として使用す
ることができる。すなわち、本発明のテトラリン化合物
の内、スメクチック相を呈する化合物は、液晶組成物の
主剤として、あるいは他の液晶材料を主剤とする液晶組
成物の助剤として使用することができ、またスメクチッ
ク相を示さない化合物は、他の液晶材料を主剤とする液
晶組成物の助剤として使用することができる。
【0081】本発明において式[I]で表される化合物
と共に使用することができる液晶化合物の例としては、
(+)-4'-(2"-メチルブチルオキシ)フェニル-6-オクチル
オキシナフタレン-2-カルボン酸エステル、4'-デシルオ
キシフェニル-6-((+)-2"-メチルブチルオキシ)ナフタ
レン-2-カルボン酸エステル、
【0082】
【化31】
【0083】のような液晶化合物の他、
【0084】
【化32】
【0085】あるいは
【0086】
【化33】
【0087】のような環状構造を有するとともに光学活
性を有する化合物を挙げることができる。さらに、
【0088】
【化34】
【0089】のようなシッフ塩基系液晶化合物、
【0090】
【化35】
【0091】のようなアゾキシ系液晶化合物、
【0092】
【化36】
【0093】のような安息香酸エステル系液晶化合物、
【0094】
【化37】
【0095】のようなシクロヘキシルカルボン酸エステ
ル系液晶化合物、
【0096】
【化38】
【0097】のようなビフェニル系液晶化合物、
【0098】
【化39】
【0099】のようなターフェノール系液晶化合物、
【0100】
【化40】
【0101】のようなシクロヘキシル系液晶化合物、お
よび
【0102】
【化41】
【0103】のようなピリミジン系液晶化合物を挙げる
ことができる。本発明の液晶組成物は上記式[I]で表
されるテトラリン化合物および上記例示した化合物をは
じめとする他の化合物を含有している。この液晶組成物
中における式[I]で表されるテトラリン化合物の配合
割合は、得られる液晶組成物の特性等を考慮して任意に
設定することができる。本発明の組成物は、この組成物
中における液晶材料の総量100重量部中に、上記式
[I]で表されるテトラリン化合物を合計で、通常は1
〜99重量部、好ましくは5〜75重量部の範囲内の量
で含有している。
【0104】この液晶組成物中には、上記液晶材料に加
えて、さらに、例えば電導性賦与剤および寿命向上剤
等、通常の液晶組成物に配合される添加剤が配合されて
いてもよい。
【0105】本発明で使用される液晶組成物は上記のよ
うなテトラリン化合物ならびに所望により他の液晶材料
および添加剤を混合することにより製造することができ
る。上述した液晶材料を含有する液晶組成物(液晶物
質)は、電圧を印加することにより、光スイッチング現
象を起こすので、この現象を利用して応答性の良い表示
装置を作成することができる。本発明において、このよ
うな現象を利用した素子あるいは素子の駆動方法に関し
ては、例えば特開昭56-107216号および同59-118744号公
報を参照することができる。
【0106】このような表示装置で使用される液晶物質
としては、スメクチックC相、スメクチックF相、スメ
クチックG相、スメクチックH相、スメクチックI相、
スメクチックJ相およびスメクチックK相のいずれかの
相を示す化合物を使用することができるが、スメクチッ
クC相以外では、このような液晶物質を用いた表示素子
の応答速度が一般に遅くなる(低くなる)ため、従来か
ら、実用上は、応答速度の高いスメクチックC相で駆動
させることが有効であるとされていた。
【0107】しかしながら、本発明者が特開昭64-3632
号公報および特開平2-918号公報で既に提案したような
スメクチックA相における表示装置の駆動方法を利用す
ることにより、本発明においてはスメクチックC相だけ
でなく、スメクチックA相で使用することもできる。す
なわち、この駆動方法を利用することにより、本発明の
液晶素子を広い範囲で駆動させることができるようにな
ると共に、電気光学応答性の高速化を図ることができ
る。
【0108】本発明の液晶素子は、液晶物質が充填され
たセルと偏光板とからなる。すなわち、本発明の液晶素
子は、例えば、図6に示すように、液晶物質を充填する
間隙14を形成するように配置された二枚の透明基板11a,
11bと、この二枚の透明基板11a,11bの液晶物質12に対面
する面に形成された透明電極15a,15bとからなるセル13
と、このセル13の間隙14に充填された液晶物質12および
このセル13の両外側に一枚ずつ配置された偏光板(図示
なし)から形成されている。
【0109】本発明において、透明基板としては、例え
ば、ガラスおよび透明高分子板等を用いることができ
る。なお、ガラス基板を用いる場合には、アルカリ成分
の溶出による液晶物質の劣化を防止するために、ガラス
基板表面に、例えば酸化珪素等を主成分とするアンダー
コート層(不要成分透過防止層)を設けることもでき
る。透明基板の厚さは、例えばガラス基板の場合には通
常は0.01〜1.0mmの範囲内にある。
【0110】また、本発明においては、透明基板とし
て、可撓性透明基板を用いることもできる。この場合、
透明基板の少なくとも一方の基板として可撓性透明基板
を用いることができ、さらに両者とも可撓性基板であっ
てもよい。このような可撓性透明基板としては、高分子
フィルム等を用いることができる。透明基板として可撓
性透明基板を使用する場合、可撓性透明基板の厚さt(m
m)、弾性率E(Kgf/m2)およびセルに形成されている間隙
の幅a(mm)が次式で示される関係を有していることが好
ましい。
【0111】
【数1】
【0112】このような透明基板の表面には透明電極が
設けられている。透明電極は、例えば酸化イリジウムあ
るいは酸化スズ等で透明基板表面をコーティングするこ
とにより形成される。透明電極は、公知の方法により形
成することができる。透明電極の厚さは通常は100〜
2000オングストロームの範囲内にある。
【0113】このような透明電極が設けられた透明基板
には、さらに透明電極上に配向層あるいは強誘電体層が
設けられていてもよい。配向層としては、例えば有機シ
ランカップリング剤あるいはカルボン酸多核錯体等を化
学吸着させることにより形成される有機薄膜および無機
薄膜を挙げることができる。有機薄膜の例としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリビニルアルコール(ポバール)およびポリイミ
ドのような高分子薄膜を挙げることができる。このよう
な有機薄膜は、塗布、接着、蒸着、あるいは、基板上で
の重合(例えばプラズマ重合)等の方法で形成すること
ができる。
【0114】また、無機薄膜の例としては、酸化珪素、
酸化ゲルマニウムおよびアルミナ等の酸化物薄膜、窒化
珪素のような窒化物薄膜並びに他の半導体薄膜を挙げる
ことができる。このような無機薄膜は、蒸着(例えば斜
方蒸着)およびスパッタリング等の方法で形成すること
ができる。
【0115】さらに、上記のような薄膜に配向性を賦与
する方法には、膜成形時に薄膜自体に異方性あるいは形
状特異性を賦与する方法、薄膜作成後に外部から配向性
を賦与する方法がある。具体的には、透明電極上にポリ
イミド樹脂等の高分子物質を塗布して薄膜を形成した
後、この薄膜を一定方向にラビングする方法、高分子フ
ィルムを延伸して配向性を賦与する方法、酸化物を斜方
蒸着する方法等を挙げることができる。
【0116】このような薄膜(例;配向層)は 後述のス
ペーサを兼ねるように形成されていてもよい。上記のよ
うな透明基板を、それぞれの透明電極が対面し、そして
この透明基板により液晶物質を充填する間隙が形成され
るように二枚配置する。上記のようにして形成される間
隙の幅は、通常は1〜10μm、好ましくは1〜5μm
である。このような間隙は、例えば、スペーサを挟持す
るように二枚の基板を配置することにより形成すること
ができる。このようなスペーサとしては、例えば、感光
性ポリイミド前駆体をパターニングして得られるポリイ
ミド系高分子物質等を用いることができる。スペーサを
用いることにより、このスペーサと液晶物質との界面効
果によってモノドメインが形成される。
【0117】また、図7(a)およびこのA−A断面図で
ある図(b)に示すように、例えば、配向膜として作用す
る同心円形状のスペーサ26を用いて配向膜とスペーサと
を一体化することもできる。図7(a)および(b)におい
て、透明基板は27で、透明電極は25で、液晶物質は23で
示されている。
【0118】また、図8(a)およびこのA−A断面図で
ある(b)に示すように、例えば、配向膜として作用する
クシ状のスペーサ36を用いて配向膜とスペーサとを一体
化することもできる。図8(a)および(b)において、透明
基板は37で、透明電極は35で、液晶物質は33で示されて
いる。
【0119】また、図9に示すように、上記のようなス
ペーサの他に、液晶物質43中にファイバー46を配合し
て、このファイバーにより、透明電極45が付設された透
明基板47が一定の間隙を形成するように保持することも
できる。
【0120】ここで使用されるファイバーは、平均直径
および平均長さが次式で表される関係を有していること
が好ましい。
【0121】
【数2】
【0122】ただし、上記式において、dはファイバー
の平均直径を表し、qはファイバーの平均長さを表す。
ここで使用されるファイバーとしては、種々のものを挙
げることができるが、特にアルカリガラスを紡糸するこ
とにより形成されるファイバーが好ましい。
【0123】さらに、上記ファイバーの代わりに、ある
いは上記ファイバーと共に粒状物を配合することもでき
る。このような粒状物としては、メラミン樹脂、尿素樹
脂あるいはベンゾグアナミン樹脂等からなる粒子径が1
〜10μmの粒状物を挙げることができる。
【0124】上記のようにして間隙を形成して配置され
た二枚の透明基板は、通常は周辺をシール材でシールす
ることにより貼り合わされる。シール材としては、エポ
キシ系樹脂およびシリコン系樹脂等を用いることができ
る。さらに、このエポキシ樹脂等がアクリル系材料ある
いはシリコン系ゴム等で変性されていてもよい。
【0125】上記のような構成を有する液晶セルの間隙
には、上述したような式[I]で表されるテトラリン化
合物を含む液晶物質が充填されている。液晶セルの間隙
に充填されたこのような液晶物質は、たとえばスペーサ
エッジを利用した温度勾配法あるいは配向膜を用いた表
面処理法等の一軸配向制御法方法を利用して配向させる
ことができる。また、本発明においては、例えば、液晶
物質を加熱しながら、直流バイアス電圧をかけて電界を
印加することにより、液晶物質の初期配向を行うことも
できる。
【0126】このようにして液晶物質が充填され、初期
配向された液晶セルは、二枚の偏光板の間に配置され
る。さらに図10に示すように、上記のようにして調製
された二枚の透明基板57、透明電極55および液晶物質53
からなるセル58を、この二枚の偏光板56の間に二個以上
配置することもできる。
【0127】本発明の液晶素子において、それぞれの偏
光板の偏光面のなす角度が70〜110度になるように
配置することができる。そして、この二枚の偏光板の偏
光方向が直交するように、すなわち上記角度が90度に
なるように偏光板を配置することが好ましい。
【0128】このような偏光板としては、例えばポリビ
ニルアルコール樹脂フィルム、ポリビニルブチラール樹
脂フィルム等の樹脂フィルムをヨウ素等の存在下で延伸
することによりフィルム中にヨウ素を吸収させて偏光性
を賦与した偏光フィルムを用いることができる。このよ
うな偏光フィルムは、他の樹脂等で表面を被覆して多層
構造にすることもできる。
【0129】本発明において、上記のような液晶セル
は、上記のように配置された偏光板の間に、素子を透過
する光量が最も少ない状態(すなわち、最暗状態)を形
成する液晶セル位置から、±10度の範囲内で回転させ
た角度(回転角度)に、好ましくは最暗状態になるよう
に二枚の偏光板の間に配置することができる。さらに、
上記のように配置された偏光板の間に、素子を透過する
光量が最も多い状態(すなわち、最明状態)を形成する
液晶セル位置から、±10度の範囲内で回転させた角度
(回転角度)に、好ましくは最明状態になるように二枚
の偏光板の間に配置することができる。
【0130】本発明の液晶素子は、図6に示すように、
上記のような液晶物質15をセル13の間隙14に充填して、
この液晶物質15を初期配向させることにより製造するこ
とができる。
【0131】液晶物質15は、通常、溶融状態になるまで
加熱され、この状態で内部が減圧にされているセルの間
隙14に充填(注入)される。このように液晶物質を充填
した後、セル13に設けられている液晶物質の注入口は密
封される。
【0132】次いで、このように注入口が密封されたセ
ル13をセル内に充填された液晶物質15が等方相を示す温
度以上の温度に加熱し、その後、この液晶物質15が液晶
を示す温度にまで冷却する。
【0133】そして、本発明においては、この冷却の際
の降温速度を2℃/分以下にすることが好ましい。特に
降温速度を0.1〜2.0℃/分の範囲内にすることが好
ましく、さらに0.1〜0.5℃/分の範囲内にすること
が特に好ましい。このような冷却速度でセル13を冷却す
ることにより、液晶物質15の初期配合状態が改善され、
配向欠陥の少ないモノドメインからなる液晶相を有する
液晶素子を容易に形成することができる。ここで初期配
向性とは、液晶素子に電圧の印加等を行って液晶物質の
配向ベクトルを変える前の液晶物質の配列状態をいう。
【0134】このようにして形成される本発明の液晶素
子は、従来の液晶素子と比較して、コントラスト等の特
性が著しく優れ、例えば表面安定化強誘電性液晶素子、
ヘリカル変調素子、過度散乱型素子、ゲストホスト型素
子、垂直配向液晶素子等として好適に使用することがで
きる。
【0135】例えば、本発明の液晶素子に、電界を印加
することによりこの液晶素子を駆動させる場合には、周
波数が通常は1Hz〜100KHz、好ましくは10H
z〜10KHz、電界が通常は0.01〜60Vp-p/μ
mt(厚さ1μm当たりの電圧)、好ましくは0.05〜3
0Vp-p/μmtに制御された電界をかけることにより駆
動させることができる。
【0136】そして、前記式[I]で表されるテトラリ
ン化合物を含有する光学活性を有する液晶物質を使用す
ることにより、本発明の液晶素子は、電界を印加して駆
動する際に印加する電界の波形(駆動波)の幅を変える
ことにより、この液晶素子を透過する光量が2種類のヒ
ステリシス曲線を描くようになる。このうち一方は、い
わゆる双安定型を利用する駆動方法であり、もう一方
は、いわゆる三安定型を利用する駆動方法である。
【0137】上記のような光学活性を有する液晶物質が
充填された液晶セルを、偏光面が直交するように配置さ
れた二枚の偏光板の間に、電界を印加しない状態で最暗
状態になるように配置した本発明の液晶素子に、例えば
周波数50Hz〜100KHz、好ましくは70Hz〜
10KHzの矩形波(あるいはパルス波)、三角波、正
弦波およびこれらを組み合わせた波形の内のいずれかの
波形の電界を印加することによりこの液晶素子を駆動さ
せることができる。例えば、矩形波(あるいはパルスま
たは両者の組み合わせ波)を印加する場合には、電界の
幅を10ミリ秒以下、好ましくは0.01〜10ミリ秒
の範囲内にすることにより、液晶素子の駆動速度を高く
することができ、この領域では本発明の液晶素子を双安
定型液晶素子として使用することができる。また、この
電界の幅を10ミリ秒より大きくすることにより、好ま
しくは33〜1000ミリ秒の範囲内にすることによ
り、それほど高速で駆動することが必要でない領域で、
本発明の液晶素子を三安定型液晶素子として使用するこ
とができる。ここで、電界の幅とは、例えば矩形波にお
いては、所定の電圧に維持される電界の長さ(すなわち
時間)を意味する。
【0138】本発明の液晶素子を用いて各種の液晶表示
装置および電気光学表示装置を製造することができる。
また、本発明の液晶素子の内、スメクチック相を呈する
液晶物質が充填された液晶素子は、熱書き込み型液晶表
示素子、レーザー書き込み型液晶表示素子等の記憶型液
晶表示装置のような液晶表示装置あるいは電気光学表示
装置を製造することができる。さらに、強誘電性を示す
テトラリン化合物を含有する液晶材料を用いることによ
り、上記のような用途の他、光シャッターあるいは液晶
プリンター等の光スイッチング素子、圧電素子および焦
電素子のような液晶表示装置あるいは電気光学表示装置
を製造することができる。
【0139】すなわち、本発明で使用される液晶物質
は、三安定または双安定性を示すため、双安定状態を達
成するように電界を反転することにより、本発明の液晶
素子に光スイッチング機能あるいは表示機能をもたせる
ことができる。
【0140】また、上記の液晶物質が双安定を示す場
合、この液晶物質は自発分極を有するから、本発明の液
晶素子は一度電圧を印加すると電界消去後もメモリー効
果を有する。そして、このメモリーを維持するために液
晶素子に電界を印加し続ける必要がなく、本発明の液晶
素子を用いた表示装置では消費電力の低減を図ることが
できる。また、三安定を示す場合もメモリー性を維持す
ることができる。しかもこの表示装置は、安定したコン
トラストを有しているので非常に鮮明である。
【0141】さらに、前記式[I]で表される液晶材料
を用いた本発明のスイッチング素子では、分子の配向方
向を変えるだけでスイッチング操作が可能になり、この
場合、電界強度の一次項がこのスイッチング素子の駆動
に作用するため、本発明のスイッチング素子では低電圧
駆動が可能になる。
【0142】そして、このスイッチング素子を用いるこ
とにより、数十μ秒以下の高速応答性を実現することが
できるので、素子の操作時間は大幅に短縮される。従っ
て、本発明の液晶素子を用いることにより走査線の多い
大画面のディスプレイ(液晶表示装置)を容易に製造す
ることができる。しかも、このディスプレイは、室温あ
るいはそれ以下の温度で駆動させることができるので、
駆動温度をコントロールするための補助手段を用いるこ
となくこのディスプレイを駆動させることができる。
【0143】さらに、本発明で使用される液晶物質は、
一般には双安定性を示さないとされているスメクチック
A相においても、電界が印加されると誘起的に分子が傾
くので、この性質を利用して光スイッチングを行うこと
できる。すなわち、従来強誘電性液晶化合物を用いる場
合には実用的な応答速度を達成できないため、通常は使
用されていなかったスメクチックA相においても、本発
明者が既に特開昭64-3632号公報および特開平2-918号で
提案した駆動法および装置を利用することにより、本発
明の液晶素子を用いた表示装置を駆動させることが可能
である。さらに、本発明で使用される液晶物質は、スメ
クチックC相よりもさらに高い秩序を有するスメクチッ
クF相等においても、二つ以上の安定状態を示すので、
これらの相における複数の安定状態を利用して上記と同
様にして光スイッチングを行うことができる。
【0144】本発明の液晶素子を用いた表示装置は、種
々の方法で駆動させることができるが、この駆動方法の
具体的な例としては以下に記載する方法を挙げることが
できる。
【0145】第1の方法は、本発明の液晶素子を二枚の
偏光板の間に介在させ、この液晶素子に外部電圧を印加
し、液晶物質の配向ベクトルを変えることにより、二枚
の偏光板と液晶物質の複屈折とを利用して表示を行う方
法である。
【0146】第2の方法は、二色性色素が配合された液
晶物質を用いて色素の二色性を利用する方法である。こ
の方法は液晶化合物の配向方向を変えることにより色素
による光の吸収波長を変えて表示を行う方法である。こ
の場合に使用される色素は、通常は二色性色素であり、
このような二色性色素の例としては、アゾ色素、ナフト
キノン色素、シアニン系色素およびアントラキノン系色
素等を挙げることができる。
【0147】本発明の液晶素子を用いて製造される表示
デバイスは、スタチィック駆動、単純マトリックス駆動
および複合マトリックス駆動等の電気アドレス表示方
式、光アドレス表示方式、熱アドレス表示方式並びに光
ビーム表示方式により駆動させることができる。
【0148】また、本発明の表示装置を電界駆動する際
には各絵素を駆動させるための素子として、非線形素子
あるいは能動素子を用いることができる。より具体的に
は、2端子素子の非線形素子としては、例えば図11
(a)に示すように一方の透明基板上にバリスタ、MIM
(Metal Insulator Metal)、ダイオード等を配置して、
これらの非線形性を利用した素子を挙げることができ
る。また、3端子素子の能動素子としては、例えば図1
1(b)に示すように、TFT(薄膜トランジスタ)、S
i-MOS(Si-metal oxide semi conductor field-eff
ect transistor)およびSOS(Sillicon on Sapphir
e)等が絵素に配置された素子を挙げることができる。
【0149】
【発明の効果】本発明により新規なテトラリン化合物が
提供される。この新規なテトラリン化合物は、光学的に
活性であり、しかもテトラヒドロナフタレン環とベンゼ
ン環とがエステル結合で結合されているため、さらにベ
ンゼン環が2個ある場合にはこれらのベンゼン環同士も
エステル結合等の結合で結合されているため、室温を含
む広範な温度範囲においてスメクチック相を示し、また
強誘電性液晶材料あるいは反強誘電性液晶材料として使
用することもできる。
【0150】このような本発明の液晶材料に、同種およ
び/または他種の液晶物質を配合することにより、本発
明の液晶材料の強誘電性あるいは反強誘電性を損なうこ
となく、液晶を使用できる温度範囲を広域化することが
できる。
【0151】従って、このような液晶材料を用いること
により、広い温度範囲において高速応答性を有する液晶
素子を得ることができる。さらに、このような素子を用
いた液晶ディスプレイでは、操作時間を大幅に短縮する
ことができる。このようなディスプレイでは、消費電力
の低減を図ることができると共に、高いコントラスト、
安定したコントラストが得られる。また、低電圧駆動も
可能である。
【0152】また、本発明のテトラリン化合物を反強誘
電性液晶化合物として使用する場合、メモリー性の実現
が容易になり、配向性を向上させる等の特性を付与する
ことができる。
【0153】このような本発明の液晶材料を用いること
により、動作温度範囲が広く、スイッチング速度が大き
く、消費電力がきわめて少なく、しかも安定したコント
ラストが得られる等の優れた特性を有する各種デバイス
を得ることができる。
【0154】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。なおR、Sは光
学活性体のR体、S体を表わす。
【0155】
【実施例1】6-[4'-(R-2"-オクチルオキシ)ベンゾイル
オキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-カルボン
酸-4"'-デシルオキシフェニルエステル[例示化合物
(4)]の合成。
【0156】
【化42】
【0157】第1段階 6-デシルオキシナフタレン-2-カルボン酸3.86g(1
1.8ミリモル)および1,2-ジエトキシエタン130mlの
混合物に、窒素雰囲気下、120℃で攪拌下に金属ナト
リウム3.0g(130ミリグラム原子)を加え、さらに還
流温度にまで加熱した。
【0158】この混合物にイソアミルアルコール10g
(114ミリモル)を1時間かけて滴下し、さらに11時
間還流下に反応させた。室温に冷却後、残存する金属ナ
トリウムをエタノールを加えてナトリウムアルコラート
に変えた後、反応混合物を20%塩酸を用いて、酸性に
した。
【0159】この反応混合物に水100mlを加えた後、
有機相を分離し、さらにこの有機相を水洗した。有機相
を減圧下に濃縮して固体4.25gを得た。この固体を
トルエンを用いた再結晶することにより、1,2,3,4-テト
ラヒドロ-6-デシルオキシナフタレン-2-カルボン酸、
2.95g(8.89ミリモル)を得た。
【0160】第2段階 第1段階の方法で得られた1,2,3,4-テトラヒドロ-6-デ
シルオキシナフタレン-2-カルボン酸16.6g(50ミリ
モル)、酢酸250mlおよび47%臭化水素酸86.5
g(0.5モル)を130℃で7時間加熱還流した。蒸留
水を添加後減圧下に濃縮することにより、1,2,3,4-テト
ラヒドロ-6-ヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸10.
60g(50ミリモル)を得た。
【0161】第3段階 第2段階で得られた1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ヒドロキ
シナフタレン-2-カルボン酸10.60g(50ミリモ
ル)、臭化ベンジル12.85g(75ミリモル)、85
%水酸化カリウム6.6g(100ミリモル)、ヨウ化ナト
リウム0.525g(3.5ミリモル)、エタノール20
0mlおよび蒸留水25mlの混合物を100℃で12時間
加熱還流した。さらに10%水酸化カリウム50mlを添
加し2時間加熱還流を続けた。室温まで放冷後冷水中に
加え、反応混合物を36%塩酸を用いて酸性にした。
【0162】析出物を濾過により分離し、これをトルエ
ンを用いて再結晶することにより1,2,3,4-テトラヒドロ
-6-ベンジルオキシナフタレン-2-カルボン酸13.08
g(46.4ミリモル)を得た。
【0163】第4段階 第3段階で得られた1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ベンジル
オキシナフタレン-2-カルボン酸0.40g(1.4ミリモ
ル)、別途常法により合成したハイドロキノンモノデシ
ルエーテル0.35g(1.4ミリモル)、4-N,N-ジメチル
アミノピリジン0.22g(0.16ミリモル)および塩化
メチレン20mlの混合物に、N,N'-ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド0.37g(1.8ミリモル)を含む塩化メチ
レン溶液3mlを室温で、攪拌下に1.5時間かけて滴下
した。
【0164】さらに室温下で3.5時間反応させた。反
応混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃縮物を
カラムクロマトグラフィーを用いて分離することによ
り、白色固体である1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ベンジル
オキシナフタレン-2-カルボン酸-4'-デシルオキシフェ
ニルエステル0.61g(1.19ミリモル)を得た。
【0165】第5段階 第4段階で得られた1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ベンジル
オキシナフタレン-2-カルボン酸-4'-デシルオキシフェ
ニルエステル0.61g(1.19ミリモル)、5%パラジ
ウム/炭素0.30gおよびテトラヒドロフラン10ml
の混合物中に室温、常圧攪拌下に水素ガスを16時間吹
きこんだ。
【0166】反応混合物を濾過助剤であるセライトを用
いて濾過し、さらに得られた濾液を濃縮し、白色固体で
ある1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ヒドロキシナフタレン-2-
カルボン酸-4'-デシルオキシフェニルエステル0.44
g(1.0ミリモル)を得た。
【0167】第6段階 第5段階で得られた1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ヒドロキ
シナフタレン-2-カルボン酸-4'-デシルオキシフェニル
エステル0.44g(1.0ミリモル)、4-(R-2'-オクチル
オキシ)安息香酸0.25g(1.0ミリモル)、4-N,N-ジ
メチルアミノピリジン0.02g(0.16ミリモル)およ
び塩化メチレン15mlの混合物に、N,N'-ジシクロヘキ
シルカルボジイミド0.25g(1.2ミリモル)を含む塩
化メチレン溶液3mlを室温で、攪拌下に1時間かけて滴
下した。
【0168】さらに室温下で3.5時間反応させた。反
応混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃縮物を
カラムクロマトグラフィーを用いて分離することによ
り、無色の半固体0.51gを得た。
【0169】この半固体のFD−マススペクトルの値は
M/e=656であった。図1にこの化合物の1H−N
MRスペクトルのチャートを示す。これらの分析の結果
より、この化合物は目的とする6-[4'-(R-2"-オクチル
オキシ)ベンゾイルオキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフ
タレン-2-カルボン酸-4"'-デシルオキシフェニルエステ
ル[例示化合物(4)]であると同定した。
【0170】この化合物のチルト角は45゜であった。
【0171】
【実施例2】4-(6'-デシルオキシ-5',6',7',8'-テトラ
ヒドロ-2"-ナフトイルオキシ)安息香酸-4"-(R-2"'-オク
チルオキシ)フェニルエステル[例示化合物(50)]
の合成。
【0172】
【化43】
【0173】第1段階 6-デシルオキシナフタレン-2-カルボン酸328mg(1.0
ミリモル)および5%パラジウム/炭素0.1gをテト
ラヒドロフラン10mlに混合し、水素雰囲気下、120
℃、25気圧で攪拌した。
【0174】反応系の温度および圧を常温常圧に戻した
後、反応混合物を濾過助剤であるセライトを用いて濾過
し、さらに得られた濾液を濃縮し、この固体をヘキサン
を用いて再結晶することにより、白色固体である5,6,7,
8-テトラヒドロ-6-デシルオキシナフタレン-2-カルボン
酸90mg(0.27ミリモル)を得た。
【0175】第2段階 第1段階の方法で得られた5,6,7,8-テトラヒドロ-6-デ
シルオキシナフタレン-2-カルボン酸16.6g(50ミリ
モル)、別途常法により合成した4-ヒドロキシ安息香酸
ベンジルエステル11.4g(50ミリモル)、4-N,N-ジ
メチルアミノピリジン0.61g(5.0ミリモル)および
塩化メチレン150mlの混合物に、N,N'-ジシクロヘキ
シルカルボジイミド11.39g(55ミリモル)を含む
塩化メチレン溶液50mlを室温で、攪拌下に2時間かけ
て滴下した。
【0176】さらに室温下で3時間反応させた。反応混
合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃縮物をカラ
ムクロマトグラフィーを用いて分離することにより、白
色固体である4-(5',6',7',8'-テトラヒドロ-6'-デシル
オキシ-2'-ナフトイルオキシ)安息香酸ベンジルエステ
ル21.95g(40.5ミリモル)を得た。
【0177】第3段階 第2段階で得られた4-(5',6',7',8'-テトラヒドロ-6'-
デシルオキシ-2'-ナフトイルオキシ)安息香酸ベンジル
エステル15.37g(28.4ミリモル)、5%パラジウ
ム/炭素1.54gおよびテトラヒドロフラン100ml
の混合物中に室温、常圧攪拌下に水素ガスを23時間吹
きこんだ。
【0178】反応混合物を濾過助剤であるセライトを用
いて濾過し、さらに得られた濾液を濃縮し、白色固体で
ある4-(5',6',7',8'-テトラヒドロ-6'-デシルオキシ-2'
-ナフトイルオキシ)安息香酸12.35g(27.3ミリモ
ル)を得た。
【0179】第4段階 第3段階で得られた4-(5',6',7',8'-テトラヒドロ-6'-
デシルオキシ-2'-ナフトイルオキシ)安息香酸0.54g
(1.0ミリモル)、ハイドロキノンモノ-R-2-オクチルオ
キシエーテル0.22g(1.0ミリモル)、4-N,N-ジメチ
ルアミノピリジン0.012g(0.1ミリモル)および塩
化メチレン10mlの混合物に、N,N'-ジシクロヘキシル
カルボジイミド0.25g(1.2ミリモル)を含む塩化メ
チレン溶液3mlを室温で、攪拌下に1.5時間かけて滴
下した。
【0180】さらに室温下で4時間反応させた。反応混
合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃縮物をカラ
ムクロマトグラフィーを用いて分離することにより、無
色の半固体0.62gを得た。
【0181】この半固体のFD−マススペクトルの値は
M/e=656であった。図2にこの化合物の1H−N
MRスペクトルのチャートを示す。これらの分析の結果
より、この化合物は目的とする4-(6'-デシルオキシ-5',
6',7',8'-テトラヒドロ-2"-ナフトイルオキシ)安息香酸
-4"-(R-2"'-オクチルオキシ)フェニルエステル[例示化
合物(50)]であると同定した。
【0182】
【実施例3】6-デシルオキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナ
フタレン-2-カルボン酸-4'-(R-2"-オクチルオキシ)フェ
ニルエステル[例示化合物(149)]の合成。
【0183】
【化44】
【0184】第1段階 実施例1の第3段階の方法と同様にして得られた1,2,3,
4-テトラヒドロ-6-ベンジルオキシナフタレン-2-カルボ
ン酸0.33g(1.0ミリモル)、ハイドロキノンモノ-R
-2-オクチルオキシエーテル0.22g(1.0ミリモ
ル)、4-N,N-ジメチルアミノピリジン0.02g(0.16
ミリモル)および塩化メチレン15mlの混合物に、N,N'
-ジシクロヘキシルカルボジイミド0.25g(1.2ミリ
モル)を含む塩化メチレン溶液3mlを室温で、攪拌下に
1.0時間かけて滴下した。
【0185】さらに室温下で5時間反応させた。反応混
合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃縮物をカラ
ムクロマトグラフィーを用いて分離することにより、無
色の半固体0.28gを得た。
【0186】この半固体のFD−マススペクトルの値は
M/e=536であった。図3にこの化合物の1H−N
MRスペクトルのチャートを示す。これらの分析の結果
より、この化合物は目的とする6-デシルオキシ-1,2,3,4
-テトラヒドロナフタレン-2-カルボン酸-4'-(R-2"-オク
チルオキシ)フェニルエステル[例示化合物(14
9)]であると同定した。
【0187】
【実施例4】液晶組成物および液晶素子の製造 実施例1で合成した化合物(例示化合物(4))と下記
に示す化合物[A]とを10:90の重量比で混合して
液晶組成物を製造した。
【0188】
【化45】
【0189】この液晶組成物について相転移温度を測定
し、その結果を表4に示す。なお、表4に例示化合物
(4)および化合物[A]の相転移温度を併せて記載す
る。
【0190】
【表13】
【0191】上記のようにして得られた組成物を図6に
示すセルに充填して液晶素子を製造した。この液晶素子
は以下のようにして製造したものである。
【0192】即ち、図6に示すように、ITO透明電極
基板(ITO:Indium Tin Oxide)の内面に配向制御方
向が略平行で、かつ同一方向となるように2枚のラビン
グしたポリイミド(日本合成ゴム(株)製、オプトマーAL
1251)からなる配向制御膜(厚さ:150オングストロ
ーム)が形成されているセルに上記の液晶組成物(例示
化合物(4)+化合物[A])を溶融し、セルの間隙を減圧
状態にして注入した。
【0193】このようにして液晶物質を充填したセルを
130℃まで加熱し、130℃で5分間維持した後、1
℃/分の速度で30℃まで冷却して液晶素子を製造し
た。得られた液晶素子のコントラストを測定したところ
54であった。
【0194】セル条件 (A)外形寸法;縦2.5cm×横
2.2cm×厚さ1.5mm (B)基板;厚さ0.7mm、基板材質;ガラス (C)基板間距離;2μm (D)側壁寸法;縦1.8mm×横0.1cm×厚さ2μm 液晶の評価の為に使用したセルは以下の方法で製造した
ものである。
【0195】予めITO透明電極が一方の面に配置され
たガラス基板のITO透明電極面にポリイミド(日本合
成ゴム(株)製、オプトマーAL1251)を4000rpmの速
度でスピンコートした。次いで、この基板を180℃で
1時間加熱してポリイミドを硬化させた。得られたポリ
イミド膜の厚さは300〜400オングストロームであ
った。こうして得られたポリイミド膜をナイロン布で一
方向に擦ることにより、このポリイミド膜に液晶配向性
を賦与した(配向制御膜の形成)。
【0196】別に、エポキシ系接着剤主剤(EHC(株)
製LCB-310B)と、硬化剤(EHC(株)製LCB-310B)と、
セルギャップを確保する為のビーズ(EHC(株)製GP-2
0)とを、130:30:3の重量比で混合して接着剤を
調製した。
【0197】この接着剤を上記配向制御膜が設けられた
一枚の基板上にシルクスクリーン印刷により塗布した。
こうして接着剤が塗布された基板に、配向制御膜が対面
するように他の基板を配置して下記の条件で加熱して接
着剤を硬化させて二枚の基板を貼り合わせた。
【0198】加熱条件:50℃(15分間)−60℃
(15分間)−70℃(15分間)−80℃(15分
間)−125℃(30分間)−70℃(60分間)。 上記のようにして製造したセルに液晶を充填し、偏光面
が直行するように配置された二枚の偏光板の間にこのセ
ルを挿入し、このセルを回転して明時および暗時の透過
光強度を測定した。本発明においてコントラストは、上
記のようにして測定した透過光強度から、I(明時)/
I(暗時)の比を算出して求めた。
【0199】
【比較例1】実施例4において、液晶組成物の代わり
に、例示化合物(4)を使用せずに化合物(A)を10
0%使用した以外は同様にして液晶素子を製造した。
【0200】この液晶素子のコントラストは16であっ
た。
【0201】
【比較例2】6-[4'-R-1"-メチルヘプチルオキシ)カルボ
ニルベンゾイルオキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレ
ン-2-カルボン酸-4"'-デシルオキシフェニルエステルの
合成。
【0202】
【化46】
【0203】第1段階 R-1-メチルヘプタノール0.28g(1.5ミリモル)
と、常法により合成したカルボキシ安息香酸ベンジルエ
ステル0.51g(2ミリモル)と、4-N,N-ジメチルア
ミノピリジン0.018g(0.15ミリモル)と、塩化
メチレン15mlとの混合物に、N,N-ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド0.372(1.8ミリモル)を含む塩化メ
チレン溶液7.5mlを室温で、攪拌下に2時間かけて滴
下した。
【0204】さらに、室温下で48時間反応させた。反
応混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。この濃縮
物をカラムクロマトグラフィを用いて分離することによ
り、4-ベンジルオキシカルボニル安息香酸R-1'-メチル
ヘプチルエステル0.66gを得た。
【0205】第2段階 第1段階で得られた4-ベンジルオキシカルボニル安息香
酸R-1'-メチルヘプチルエステル0.66g(1.5ミリ
モル)、5%パラジウム/炭素0.07gおよびテトラ
ヒドロフラン10mlの混合物中に常温、常圧、攪拌下に
水素ガスを16時間吹き込んだ。
【0206】反応混合物を濾過助剤であるセライトを用
いて濾過し、さらに得られた濾液を濃縮し、白色固体で
ある4-ヒドロキシカルボニル安息香酸R-1'-メチルヘプ
チルエステル0.49gを得た。
【0207】第3段階 実施例1の第3段階と同様にして得られた1,2,3,4-テト
ラヒドロ-6-ベンジルオキシナフタレン-2-カルボン酸
0.34g(1.2ミリモル)、常法により合成した4-デ
シルオキシフェノール0.30g(1.2ミリモル)、4-
N,N-ジメチルアミノピリジンおよび塩化メチレン12ml
の混合物に、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド0.
30g(1.5ミリモル)を含む塩化メチレン溶液6ml
を室温で、攪拌下に2時間かけて滴下した。
【0208】さらに室温下で48時間反応させた。反応
混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮した。濃縮物をカ
ラムクロマトグラフィを用いて分離することにより、1,
2,3,4-テトラヒドロ-6-ベンジルオキシナフタレン-2-カ
ルボン酸(4'-デシルオキシフェニル)エステル0.36g
を得た。
【0209】第4段階 第3段階で得られた1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ベンジル
オキシナフタレン-2-カルボン酸(4'-デシルオキシフェ
ニル)エステル0.36g(0.07ミリモル)、5%パ
ラジウム/炭素0.03gおよびテトラヒドロフラン1
0mlの混合物中に室温、常温攪拌下に水素ガスを16時
間吹き込んだ。
【0210】反応混合物を濾過助剤であるセライトを用
いて濾過し、さらに得られた濾液を濃縮し、白色固体で
ある1.2.3.4-テトラヒドロ-6-ヒドロキシナフタレン-2-
カルボン酸(4'-デシルオキシフェニル)エステル0.29
g(0.07ミリモル)を得た。
【0211】第5段階 第2段階で得られた4-ヒドロキシカルボニル安息香酸R-
1'-メチルヘプチルエステル0.13g(0.4ミリモ
ル)、第4段階で得られた1,2,3,4-テトラヒドロ-6-ヒ
ドロキシナフタレン-2-カルボン酸(4'-デシルオキシフ
ェニル)エステル0.17g(0.4ミリモル)、4-N,N-
ジメチルアミノピリジン0.005g(0.04ミリモ
ル)および塩化メチレン10mlの混合物に、N,N'-ジシ
クロヘキシルカルボジイミド0.103g(0.5ミリモ
ル)を含む塩化メチレン溶液5mlを室温で、攪拌下に2
時間かけて滴下した。
【0212】さらに48時間反応させた。反応物を濾過
し、得られた濾液を濃縮した。この濃縮物をカラムクロ
マトグラフィを用いて分離することにより、白色固体
0.05gを得た。
【0213】この白色固体のFD-マススペクトルの値
は、M/e=738であった。この化合物について1H-
NMRスペクトルを図4に示す。この図4にピークの帰
属は以下の通りである。
【0214】
【化47】
【0215】これらの分析の結果より、この化合物は目
的とする6-[4'-R-1"-メチルヘプチルオキシ)カルボニル
ベンゾイルオキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2
-カルボン酸-4"'-デシルオキシフェニルエステルである
と同定した。
【0216】この化合物はチルト角が0゜であり、Sm
A相のみが発現した。
【0217】
【実施例5】6-[4'-(S-2"-メチルオクタノイルオキシ)
ベンジルオキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-
カルボン酸-4"'-デシルオキシフェニルエステル[例示
化合物(20)]の合成。
【0218】
【化48】
【0219】第1段階 S-2-メチルオクタン酸0.47g(3ミリモル)、常法
により合成した4-ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル
0.69g(3ミリモル)と、4-N,N-ジメチルアミノピ
リジン0.037g(0.3ミリモル)と、塩化メチレン
30mlの混合物に、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド0.74g(3.6ミリモル)を含む塩化メチレン溶
液15mlを室温で、攪拌下に2時間かけて滴下した。さ
らに室温で48時間反応させた。
【0220】反応混合物を濾過し、得られた濾液を濃縮
した。濃縮物をカラムクロマトグラフィを用いて分離す
ることにより、4-(S-2'-メチルオクタノイルオキシ)安
息香酸ベンジルエステル1.01gを得た。
【0221】第2段階 第1段階で得られた4-(S-2'-メチルオクタノイルオキ
シ)安息香酸ベンジルエステル1.01g(2.74ミリ
モル)、5%パラジウム/炭素0.1gおよびテトラヒ
ドロフラン20mlの混合物中に室温、常圧攪拌下に水素
ガスを15時間吹き込んだ。
【0222】反応混合物を濾過助剤であるセライトを用
いて濾過し、さらに得られた濾液を濃縮して白色固体で
ある4-(S-2'-メチルオクタノイルオキシ)安息香酸0.7
3gを得た。
【0223】第3段階 第2段階で得られた4-(S-2'-メチルオクタノイルオキ
シ)安息香酸0.28g(1.0ミリモル)、塩化チオニ
ル0.13g(1.1ミリモル)、N,N,-ジメチルホルム
アミド0.2mlおよび塩化メチレン5mlの混合物を還流
条件下で2時間、加熱攪拌することにより、対応する酸
塩化物の黄色溶液(塩化メチレン溶液)を得た。
【0224】第4段階 比較例2の第4段階と同様にして得られた1,2,3,4-テト
ラヒドロ-6-ヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸(4'-デ
シルオキシフェニル)エステル0.424g(1.0ミリ
モル)、ピリジン0.40ml、4-N,N-ジメチルアミノピ
リジン0.012g(0.1ミリモル)および塩化メチレ
ン15mlの混合物に、第3段階で得られた酸塩化物の塩
化メチレン溶液を、全量、室温下に1時間かけて滴下し
た。
【0225】さらに室温下で24時間反応させた。反応
混合物を水中に投入後、エーテル抽出を行い、得られた
エーテル溶液を濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラ
フィを用いて分離することにより、白色固体0.455
gを得た。
【0226】この白色固体のFD-マススペクトルの値
はM/e=684であった。図5にこの化合物の1H-N
MRスペクトルのチャートを示す。
【0227】
【化49】
【0228】これらの分析結果より、この化合物は目的
とする6-[4'-(S-2"-メチルオクタノイルオキシ)ベンゾ
イルオキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-カル
ボン酸-4"'-デシルオキシフェニルエステル[例示化合
物(20)]であると同定した。 この化合物のチルト
角は45゜であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 6-[4'-(R-2"-オクチルオキシ)ベンゾイルオ
キシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-カルボン酸
-4"'-デシルオキシフェニルエステル[例示化合物
(4)]の1H-NMRスペクトルのチャートである。
【図2】 4-(6'-デシルオキシ-5',6',7',8'-テトラヒ
ドロ-2"-ナフトイルオキシ)安息香酸-4"-(R-2"'-オクチ
ルオキシ)フェニルエステル[例示化合物(50)]の1
H-NMRスペクトルのチャートである。
【図3】 6-デシルオキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフ
タレン-2-カルボン酸-4'-(R-2"-オクチルオキシ)フェニ
ルエステル[例示化合物(149)]の1H-NMRスペ
クトルのチャートである。
【図4】 6-[4'-R-1"-メチルヘプチルオキシ)カルボニ
ルベンゾイルオキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン
-2-カルボン酸-4"'-デシルオキシフェニルエステルの1
H-NMRのチャートである。
【図5】 6-[4'-(S-2"-メチルオクタノイルオキシ)ベ
ンゾイルオキシ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-
カルボン酸-4"'-デシルオキシフェニルエステル[例示
化合物(20)]の1H-NMRのチャートである。
【図6】 本発明の液晶素子の断面形状を模式的に示す
図である。
【図7】 同心円形状のスペーサーを有する液晶素子お
よびそのA−A断面図である。
【図8】 クシ型スペーサを有する液晶素子およびその
A−A断面図である。
【図9】 スペーサとしてファイバーを用いた本発明の
液晶素子の断面構造を示す図である。
【図10】 二枚の偏光板のセルを配置した本発明の液
晶素子の断面構造を示す図である。
【図11】 非線形素子および3端子素子の例を示す図
である。
【符号の説明】
11a,11b,27a,27b,37,47,57・・・透明基板 12,23,33,43,53・・・液晶物質 13,58・・・セル 14・・・間隙 15a,15b,25a,25b,35,45,55・・・透明電極 26・・・同心円形状のスペーサ 36・・・クシ型スペーサ 46・・・ファイバー 56・・・偏光板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/86 9279−4H 69/92 9279−4H 69/94 9279−4H C07D 239/26 8615−4C 239/34 8615−4C C09K 19/32 7457−4H 19/34 7457−4H (72)発明者 西 山 伸 一 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井石油化学工業株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式[I]で表わされるテトラリン化合
    物; R−X−A1−Y1−A2−(Y2−A3n−Z−R* ・・・[I] [上記式[I]において、 Rは炭素数3〜20のアルキル基であり、 Xは、-O-CO-、-O-または単結合であり、 nは、0または1であって、 n=0のとき、A1およびA2の内のいずれか1の基は、 【化1】 であり、かつA1およびA2のうちの残余の基は、 【化2】 よりなる群から選ばれる基であり、 n=1のとき、A1、A2およびA3のうちのいずれか1
    の基は、 【化3】 のいずれかの基であり、かつA1、A2およびA3のうち
    の残余の基は共に 【化4】 であり、 Y1およびY2は、それぞれ独立に、-COO-、-O-CO-、-CH
    2CH2-、-CH2O-および-OCH2-よりなる群から選ばれる基
    であり、 Zは、-O-、-O-CO-または単結合であり、 R*は、-C*H(CF3)-C6H13、-C*H(CH3)-C6H13、-C*H(CH3)
    -C5H11、-C*H(C2H5)-C 5H11、-C*H(C2H5)-C6H13、-CH2-C
    *H(CH3)-C2H5、-(CH2)3-C*H(CH3)-C2H5および-C*H(CF3)
    -CH2-COO-C2H5よりなる群から選ばれる基である]。
  2. 【請求項2】 上記式[I]において、Y1およびY
    2が、それぞれ独立に、-O-CO-または-COO-であることを
    特徴とする請求項第1項記載のテトラリン化合物。
  3. 【請求項3】 上記式[I]において、Zが-O-であるこ
    とを特徴とする請求項第1項記載のテトラリン化合物。
  4. 【請求項4】 次式[I]で表わされるテトラリン化合物
    からなる液晶材料; R−X−A1−Y1−A2−(Y2−A3n−Z−R* ・・・[I] [上記式[I]において、 Rは炭素数3〜20のアルキル基であり、 Xは、-O-CO-、-O-または単結合であり、 nは、0または1であって、 n=0のとき、A1およびA2の内のいずれか1の基は、 【化5】 であり、かつA1およびA2のうちの残余の基は、 【化6】 よりなる群から選ばれる基であり、 n=1のとき、A1、A2およびA3の少なくとも1の基
    は、 【化7】 のいずれかの基であり、かつA1、A2およびA3のうち
    の残余の基は共に 【化8】 であり Y1およびY2は、それぞれ独立に、-COO-、-O-CO-、-CH
    2CH2-、-CH2O-および-OCH2-よりなる群から選ばれる基
    であり、 Zは、-O-、-O-CO-または単結合であり、 R*は、-C*H(CF3)-C6H13、-C*H(CH3)-C6H13、-C*H(CH3)
    -C5H11、-C*H(C2H5)-C 5H11、-C*H(C2H5)-C6H13、-CH2-C
    *H(CH3)-C2H5、-(CH2)3-C*H(CH3)-C2H5および-C*H(CF3)
    -CH2-COO-C2H5よりなる群から選ばれる基である]。
  5. 【請求項5】 上記式[I]において、Y1およびY
    2が、それぞれ独立に、-O-CO-または-COO-であることを
    特徴とする請求項第4項記載の液晶材料。
  6. 【請求項6】 上記式[I]において、Zが-O-であるこ
    とを特徴とする請求項第4項記載の液晶材料。
  7. 【請求項7】 次式[I]で表わされるテトラリン化合
    物と他の液晶化合物とを含有する液晶組成物; R−X−A1−Y1−A2−(Y2−A3n−Z−R* ・・・[I] [上記式[I]において、 Rは炭素数3〜20のアルキル基であり、 Xは、-O-CO-、-O-または単結合であり、 nは、0または1であって、 n=0のとき、A1およびA2の内のいずれか1の基は、 【化9】 であり、かつA1およびA2のうちの残余の基は、 【化10】 よりなる群から選ばれる基であり、 n=1のとき、A1、A2およびA3の少なくとも1の基
    は、 【化11】 のいずれかの基であり、かつA1、A2およびA3のうち
    の残余の基は共に 【化12】 であり、 Y1およびY2は、それぞれ独立に、-COO-、-O-CO-、-CH
    2CH2-、-CH2O-および-OCH2-よりなる群から選ばれる基
    であり、 Zは、-O-、-O-CO-または単結合であり、 R*は、-C*H(CF3)-C6H13、-C*H(CH3)-C6H13、-C*H(CH3)
    -C5H11、-C*H(C2H5)-C 5H11、-C*H(C2H5)-C6H13、-CH2-C
    *H(CH3)-C2H5、-(CH2)3-C*H(CH3)-C2H5および-C*H(CF3)
    -CH2-COO-C2H5よりなる群から選ばれる基である]。
  8. 【請求項8】 上記式[I]において、Y1およびY
    2が、それぞれ独立に、-O-CO-または-COO-であることを
    特徴とする請求項第7項記載の液晶組成物。
  9. 【請求項9】 上記式[I]において、Zが-O-であるこ
    とを特徴とする請求項第7項記載の液晶組成物。
  10. 【請求項10】 互いに対抗する二枚の基板と該基板
    によって構成される間隙とからなるセル、および該セル
    の間隙に充填された液晶物質より構成される液晶素子で
    あって、該液晶物質が下記式[I]で表されるテトラリ
    ン化合物を含有することを特徴とする液晶素子; R−X−A1−Y1−A2−(Y2−A3n−Z−R* ・・・[I] [上記式[I]において、 Rは炭素数3〜20のアルキル基であり、 Xは、-O-CO-、-O-または単結合であり、 nは、0または1であって、 n=0のとき、A1およびA2の内のいずれか1の基は、 【化13】 であり、かつA1およびA2のうちの残余の基は、 【化14】 よりなる群から選ばれる基であり、 n=1のとき、A1、A2およびA3の少なくとも1の基
    は、 【化15】 のいずれかの基であり、かつA1、A2およびA3のうち
    の残余の基は共に 【化16】 であり、 Y1およびY2は、それぞれ独立に、-COO-、-O-CO-、-CH
    2CH2-、-CH2O-および-OCH2-よりなる群から選ばれる基
    であり、 Zは、-O-、-O-CO-または単結合であり、 R*は、-C*H(CF3)-C6H13、-C*H(CH3)-C6H13、-C*H(CH3)
    -C5H11、-C*H(C2H5)-C 5H11、-C*H(C2H5)-C6H13、-CH2-C
    *H(CH3)-C2H5、-(CH2)3-C*H(CH3)-C2H5および-C*H(CF3)
    -CH2-COO-C2H5よりなる群から選ばれる基である]。
  11. 【請求項11】 上記式[I]において、Y1およびY2
    が、それぞれ独立に、-O-CO-または-COO-であることを
    特徴とする請求項第10項記載の液晶素子。
  12. 【請求項12】 上記式[I]において、Zが-O-である
    ことを特徴とする請求項第10項記載の液晶素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1996030330A1 (fr) * 1995-03-27 1996-10-03 Mitsui Petrochemical Industries, Ltd. Compose polycyclique, matiere a cristaux liquides constitue de ce compose, ainsi que composition a cristaux liquides et dispositif a cristaux liquides contenant cette matiere

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WO1996030330A1 (fr) * 1995-03-27 1996-10-03 Mitsui Petrochemical Industries, Ltd. Compose polycyclique, matiere a cristaux liquides constitue de ce compose, ainsi que composition a cristaux liquides et dispositif a cristaux liquides contenant cette matiere

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