JPH069491B2 - 復元性の良い乾燥食品の製造方法 - Google Patents

復元性の良い乾燥食品の製造方法

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JPH069491B2
JPH069491B2 JP60122109A JP12210985A JPH069491B2 JP H069491 B2 JPH069491 B2 JP H069491B2 JP 60122109 A JP60122109 A JP 60122109A JP 12210985 A JP12210985 A JP 12210985A JP H069491 B2 JPH069491 B2 JP H069491B2
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  • Freezing, Cooling And Drying Of Foods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 近年、ライフスタイルの変化に伴い、食生活の簡便化が
求められるようになってきた。特に、水又は熱水を加え
るだけで乾燥前の状態に戻る乾燥食品の生産量は顕著を
伸びを示している。乾燥食品は簡便さだけでなく、保存
性が非常によいのが特徴であり、インスタント麺、イン
スタント野菜、乾燥野菜などがその例として挙げられ
る。本発明は、こうした極めて復元性の高い乾燥食品の
製造法に関する。
〔従来の技術及び問題点〕
従来、乾燥食品の製造方法としては、熱風乾燥や他の熱
媒体との接触による加熱乾燥法が良く知られている。し
かし、この方法は乾燥中に食品を変化させてしまうため
に、乾燥後の食品は水又は熱水(熱湯)を添加しても容
易に元の状態に戻らず、即ち復元性が悪く、復元時間も
長い。その為、復元時間を短くするために、食品を多孔
化する技術が開発されている。即ち、食品を高圧下で加
温後、急激に減圧化する方法で、エクストルーダー法、
パフィングマシン法などがそれにあたる。この方法では
復元時間は短縮化されるが、加熱工程が入るため、物性
が変化し、復元性が悪い。特に生野菜などには使用でき
ない。
近年、かかる欠点を改善するために、凍結乾燥法が実用
化され、復元時間が短く、復元性の良い乾燥食品が得ら
れるようになったが、高価な設備と運転費用がかかるた
め、コストが高くつく欠点がある。
一方、生体観察用などサンプルの作製などに通常よく使
われるアルコール脱水法をα化デンプン食品の乾燥法に
利用する発明(特開昭52−18840号公報)が提案
されているが、該発明方法を追試しても、高水分含量の
食品組織では、脱水中に組織が破壊され良好な多孔体が
得られず、満足すべき復元性は得られないのが現状であ
る。
本発明者らは、安価に製造でき、復元速度が速く、復元
性の優れた乾燥食品の製造法について鋭意研究を重ねた
結果、本発明を完成するに至った。
〔問題点を解決するための手段〕
即ち本発明は、水分含量の高い食品を急速凍結した後、
食品中の水の凝固点以下の温度でエタノール又はメタノ
ールを用いて食品中の水を脱水することを特徴とする復
元性の良い乾燥食品の製造方法に関するものである。
本発明の方法は、脱水中の組織へのダメージが極めて小
さいため、生物体の乾燥標本の作製にも応用できる。
本発明の対象となる「高水分含量の食品」とは、少なく
とも水分含量が60重量%以上の食品もしくは食品原料を
指す。例示すれば、生又は調理した野菜類、果実類、き
のこ類、豆類、いも類、魚貝類、蓄肉類などが挙げられ
る。
また、調理した麺類、穀類などのようなデンプンを主成
分とする食品や、α化したデンプン糊液もその対象とな
る。
次に、本発明の製造法について詳細に説明する。
本発明は高水分含量の食品を急速凍結する第1工程と、
凍結した食品の氷結晶が融解しない低温、即ち食品中の
水の凝固点以下の温度でエタノール又はメタノールを用
いて脱水する第2工程からなる。
まず、第1工程は、食品中の水分を急速凍結することに
より、できるだけ小さな氷結晶を生成せしめる工程であ
る。氷結晶が小さい程、氷結晶による組織破壊が少なく
なるためエタノール又はメタノールによる脱水後の復元
性が良好となる。本発明で用いる急速凍結の条件は、凍
結させる食品の厚さによって異なるが、室温(20〜30
℃)の食品が10分以内に完全凍結することが必要であ
る。厚さが2mm以内の植物の葉や膨潤したデンプン粒な
どは−10℃以下の低温下で上記条件を達成できるが、
5mm〜10mmの厚さのもの(例えば野菜、イモの角切りな
ど)では−30℃以下の低温が必要である。更に厚いもの
では−50℃以下の温度を必要とする。いずれにせよ、凍
結の対象となる食品を食感、外観に影響がない限り、薄
片化、細線化、粉体化しておくことが望ましい。また、
凍結温度は低温である程有効であるが、通常−30〜−10
0℃が望ましい。完全凍結に10分以上を要するような緩
慢凍結では氷結晶が粗大化し、復元性が低下する。凍結
方法には、(1)冷却した溶剤(アセトン、アルコールな
ど)に浸漬する方法、(2)液体窒素、液体空気などの極
低温液化ガスを噴霧するか、又は該液中に浸漬する方
法、(3)ブラインに浸漬する方法、(4)冷却金属板及び他
の媒体に接触させる方法、(5)冷却空気による方法など
があり、本発明ではこれら(1)〜(5)の凍結方法をすべて
使用することができるが、最も望ましいのは(1)の方法
である。(1)の方法の場合、溶剤としてエタノール又は
メタノールを用いれば、まず溶剤を凝固しない程度の温
度(−10℃乃至−80℃)に冷却し、これに食品を浸漬
し、急速完全凍結させた後、これをそのまま食品中の氷
結晶が融解しない温度(通常−5℃乃至−1℃)にして
アルコール脱水することができる。即ち(1)の方法は第
1工程と第2工程を連続して行える利点がある。
本発明の第2工程では脱水剤としてエタノール又はメタ
ノールが使用されるが、対象物が食品であるため、エタ
ノールの方が好ましい。第2工程では、食品中の水の凝
固点以下の温度に保ったエタノール又はメタノールを、
凍結した食品に過剰に加え、撹拌しながら該アルコール
により脱水する。この時の温度は通常−1℃以下である
が、糖類などを含む場合は凝固点降下をおこすため−5
℃以下が必要な場合がある。この操作により、食品中の
組織間に形成された微細な氷結晶を、組織を破壊せずに
アルコール(エタノール又はメタノール)中に溶解させ
ることができると同時に、該アルコールによる組織の固
定がおこり極めて復元性の良い多孔質の食品が形成され
る。緩慢凍結した場合は凍結中に氷結晶が成長し、組織
が破壊される。また、食品中の水が凍結していない状態
で該アルコールを用いて脱水すると、組織が凍結固定さ
れていないため脱水中に組織破壊が起こり、多孔質化が
困難になる。エタノール又はメタノールによる脱水は、
食品中の水分が10重量%以下になるまで行うことが好ま
しい。脱水中は撹拌したり、水分量が多い場合は該アル
コールを交換すると、脱水速度が大きくなり、効果的で
ある。
エタノール又はメタノールにより水分含量10重量%以下
まで脱水した後は、エタノール又はメタノールを濾過、
遠心分離、デカンテーションなどで除き、乾燥する。こ
の時は、加熱乾燥、真空乾燥、マイクロ波乾燥等、何れ
の乾燥方法を用いても食品組織は変化しない。
本発明による方法で乾燥した食品は、水又は熱水を加え
るだけで速く復元し、乾燥前の食品に極めて近い外観、
物性を示す。また、本発明方法は凍結乾燥機のような高
価な装置を必要としないため、安価に乾燥食品を製造す
ることができる。
また、デンプンやデンプンを主成分とする穀類を加熱
し、糊液状態にした後、本発明を用いて多孔質粉体を製
造することにより、吸水性、吸油性の著しく高い粉体を
得ることが可能である。
〔実施例〕
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に説明す
る。
実 施 例 1 炊飯器を用いて通常の方法で調理した米(水分65重量
%)100gを、−60℃の冷凍機中で7分間急速完全凍結
した後、これを−5℃に保った。一方、1kgのメタノー
ルを−5℃まで冷却し、上記100gの凍結調理米に加え
た。−5℃で2時間脱水後、脱水処理に用いたメタノー
ルを濾過した。このメタノールを用いて脱水した調理米
を乾燥機で105℃にて1時間乾燥して乾燥調理米を得
た。
比 較 例 1 実施例1と同一の操作で炊飯調理した米(水分65重量
%)100gを−60℃で急速凍結し、これを−5℃に保
ち、次に−5℃に保った該調理米をエタノール又はメタ
ノールを用いて脱水処理することなく、凍結乾燥して乾
燥調理米を得た。
比 較 例 2 実施例1と同一の操作で炊飯調理した米(水分65重量
%)100gを室温(約20℃)まで冷却し、これに1kgの
室温のメタノールを加えて2時間脱水した。メタノール
を濾過後、105℃で1時間乾燥し、乾燥調理米を得た。
実施例1及び比較例1〜2で得た乾燥調理米について、
官能テスト(復元性の評価試験)、表面観察、及び製造
コストの評価を行った。その結果は第1表に示した。
評 価 法 (i)官能テスト(復元性の評価試験) 乾燥調理米に熱水を加えた後、余分の熱水を捨て、4分
間蒸らした。これを専門パネラー5名を用い、乾燥前の
調理米と比較した。
評価は三段階評価とし、◎、△、×は ◎;調理米に近い △;調理米より劣る ×;芯が残り食用には不可 を意味する。
(ii)表面観察 走査電子顕微鏡を用いて表面観察を行った。
(iii)製造コスト 現時点における設備及び運転に要する費用についての概
要をコメントした。
実 施 例 2 水分92重量%のキャベツを2cm四方に切り、その50gを
ドライアイスを用いて−50℃にしたエタノール中に入れ
5分間急速完全凍結した。この時、キャベツ50gに対す
るエタノール使用量は200gであった。次に、急速凍結
したキャベツを−2℃で1時間脱水した後、エタノール
をデカントして除き、再度−2℃のエタノールを200g
加え、更に−2℃条件下で1時間脱水した。脱水キャベ
ツを取り出し、真空乾燥し、乾燥キャベツを得た。
比 較 例 3 水分92重量%のキャベツを2cm四方に切り、その50gを
ドライアイスを用いて−50℃にしたエタノールの中に入
れ急速凍結した。この時、キャベツ50gに対するエタノ
ール量は200gであった。次に、急速凍結したキャベツ
を、室温(20℃)で1時間放置した。更に室温のエタノ
ールを200g加え、室温で再度1時間放置した脱水し
た。次いで、これを室温下で真空乾燥し、乾燥キャベツ
を得た。
実施例2及び比較例3で得た乾燥キャベツについて、復
元性を調べた。即ち乾燥キャベツに水を加え30分後の状
態を生キャベツと比較した。評価は専門パネラー5名に
より行った。その結果は第2表に示した。
評価は三段階評価とし、◎、△、Xは ◎;生キャベツに近い外観、物性を有する △;生キャベツより外観、物性は劣る ×;殆ど復元しない を意味する。
5名のパネラーは全員、実施例3の試料は◎、比較例3
の試料は×と判定した。
〔発明の効果〕
実施例の結果から明らかなように、本発明の乾燥食品の
製造方法は、復元性の優れた乾燥食品、即ち熱水(熱
湯)又は水を適当量添加するだけで素早く容易に元の乾
燥前の状態(外観、風味共に元の状態)と同一乃至それ
に近い状態に復元可能な良好な乾燥食品を低コストで提
供することを可能にする。従って、本発明はインスタン
ト(即席)麺、即席野菜など、復元性を要する乾燥食品
の製造法として有利な方法である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高水分含量の食品を急速凍結した後、食品
    中の水の凝固点以下の温度でエタノール又はメタノール
    を用いて食品中の水を脱水することを特徴とする復元性
    の良い乾燥食品の製造方法。
JP60122109A 1985-06-05 1985-06-05 復元性の良い乾燥食品の製造方法 Expired - Lifetime JPH069491B2 (ja)

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WO2018051962A1 (ja) * 2016-09-16 2018-03-22 パナソニックIpマネジメント株式会社 食品の乾燥方法、および、この乾燥方法が実行される冷蔵庫並びに貯蔵庫
JPWO2020175102A1 (ja) * 2019-02-26 2021-12-23 パナソニックIpマネジメント株式会社 食品の乾燥方法、冷蔵庫、貯蔵庫、及び乾燥食品の製造方法

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