JPH0694615B2 - 織機の電動送り出し装置におけるたて糸張力制御方法 - Google Patents

織機の電動送り出し装置におけるたて糸張力制御方法

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JPH0694615B2
JPH0694615B2 JP59278801A JP27880184A JPH0694615B2 JP H0694615 B2 JPH0694615 B2 JP H0694615B2 JP 59278801 A JP59278801 A JP 59278801A JP 27880184 A JP27880184 A JP 27880184A JP H0694615 B2 JPH0694615 B2 JP H0694615B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、織機の電動送り出し装置におけるたて糸の張
力制御、特にテンションロールとたて糸張力検出器とか
らなる張力検出系の織機フレームに対する設定位置に応
じて張力補正を行うようにしたたて糸張力制御方法に関
する。
従来技術およびその問題点 一般に、織機の送り出し装置においては、製織が進むに
つれ、送り出しビームのたて糸の巻径が減少するため、
たて糸の形成角がそれに伴い変化する。そのとき、たて
糸張力が一定でも、モーメント変化により検出張力が変
化するため、ビーム巻径による張力補正が行われてい
る。
ところで、風合を重視する高付加価値織物の製織では、
開口方法、打込数等織物および機械的仕様によって、テ
ンションロールの位置を設定することが行われている。
このテンションロールの設定位置が変化すると、テンシ
ョンロールに対するたて糸の巻き掛け角度が増減するた
め、テンションロールの位置でのたて糸の合力の方向、
およびその大きさも変動することになる。このとき、テ
ンションロールを介したたて糸張力の張力検出器への荷
重は、テンションロールの位置、つまり張力の検出位置
によって、第6図(a)〜(d)のようにそれぞれ異な
った変化をする。ここで第6図は、テンションロールの
設定範囲を第5図のように想定し、基準位置からの高さ
H、および水平方向の距離Lとの関連で、巻径と荷重比
との関係を示している。グラフから明らかなように、例
えば、距離Lの寸法が大きいときと小さいときとでは、
その荷重比の傾きは反対になっている。ここで「荷重
比」とは、同一のたて糸張力としたときのロードセル検
出張力(F)/たて糸張力(T)の値をいう。
従来は、テンションロールの位置つまり張力の検出位置
を考慮せず、送り出しビームの巻径だけを制御情報とし
て、張力制御を行っている。このため、実際のたて糸張
力と検出張力から算出したたて糸張力との誤差が大き
く、したがってたて糸の張力制御も十分正確なものとい
えなかった。
発明の目的 ここに、本発明の目的は、織機の電動送り出し装置にお
いて、テンションロールと張力検出器とからなる張力検
出系の織機フレームに対する設定位置が変更されたとき
に、その設定位置に関する情報をも加味して、制御系の
張力補正を行うことである。
発明の構成 そこで、本発明のたて糸張力制御方法は、たて糸の張力
検出器により検出されたたて糸の張力を送り出しビーム
の巻径により補正して、経糸張力制御を行うようにした
織機の電動送り出し装置において、送り出しビームの巻
径補正に加えて、テンションロールと張力検出器とから
なる張力検出系の織機フレームに対する設定位置に関す
る情報をも入力とし、これにより張力補正を行うことに
よって、たて糸張力を正確に制御する構成としている。
実施例 以下、添付の図面を参照しながら本発明の実施例につい
て詳細に説明する。
まず、第1図は、本発明による経糸張力制御方法による
織機の電動送り出し装置1を示す。たて糸2は送り出し
ビーム3からテンションロール4を経て、織口5の位置
でよこ糸6と交錯し織布7となってロール8、巻取りロ
ール9、およびロール10を経て、巻取りビーム11に巻取
られていく。この間に、たて糸2は、ヘルド12により開
口運動を行う。
一方、送り出しモータ13は、可変速型DCモータでたて糸
2の張力変動に応じて、ギヤ14を介し、送り出しビーム
3をたて糸2の送り出し方向に強制的に駆動する。また
送り出しビーム3に付設された巻径検出器16は、送り出
しビーム3上で、たて糸2の巻径を検出し、これに比例
する巻径信号Vdを張力補正装置17に出力する。
そして、テンションロール4には、張力検出器18が設け
られている。この張力検出器18は、テンションロール4
の軸受荷重をロードセルなどで検出することにより、た
て糸張力Tを間接的に測定し、これを電気的な張力信号
Vtとして張力補正装置17に供給する。
さて、従来の制御方法では、既に記載したように、この
張力信号Vtを巻径検出器16からの巻径信号Vdにもとづい
て補正することにより、張力補正が行なわれている。こ
れに対して、本発明では、さらにテンションロール位置
入力器19から、テンションロール4と張力検出器18とか
らなる張力制御系の設定位置に関する情報が張力補正装
置17に入力される。
そこで、張力補正装置17は、設定されたテンションロー
ル4の位置および張力検出器18の位置を加味して、検出
後の張力信号Vtを補正し、この補正した張力値をD・A
変換器20を介し張力フィードバック信号Tfとして、加算
点21aから張力制御器22に送り込む。この張力制御器22
は、張力設定器15からの目標張力信号Viと張力フィード
バック信号Tfとを比較し、その差に応じて出力信号Voを
加算点21bから増幅器22aに印加する。ここで増幅器22a
は、入力された目標張力の出力信号Voに対応して送り出
しモータ13を駆動する。
なお、送り出しモータ13に付設されたタコジェネレータ
23は、送り出しモータ13の速度を検出し、フィードバッ
ク信号Tfとして、加算点21bに負帰還させている。
次に、第2図および第3図は、テンションロール4およ
び張力検出器18の支持装置24を示している。テンション
ロール4は、その軸4aの部分でテンションレバー25の孔
部分を貫通し、支持レバー26の孔部分にすきまを形成し
ながら臨んでいる。
このテンションレバー25は一端部でピン27により、支持
レバー26に対し揺動自在に支持され、かつ先端の押圧片
25aと、支持レバー26の受け板26aとの間で、張力検出器
18を挟み込んでいる。また、この支持レバー26は、支軸
28によりスライドメタル29に揺動可能な状態で支持さ
れ、かつ、それらの間の引きスプリング30によって、第
2図で反時計方向、つまり張力検出器18の荷重を減ずる
方向に付勢されている。
そして、上記スライドメタル29は、T字状のスライドベ
ース31に対して水平方向の長孔32に沿って、調整ボルト
33により位置調整自在に取付けられている。またこのス
ライドベース31は、垂直方向の長孔34により織機フレー
ム35に対して、位置調整可能な状態で取付けられる。
この結果、テンションロール4の取付け位置は、織機フ
レーム35に対して、第5図に示す範囲、つまり高さH=
0〜max、距離L=0〜max、の範囲で設定できることに
なる。この設定時に、張力検出器18は、テンションロー
ル4とともに、相対的に同じ位置関係を保ちながら、移
動することになる。
次に、第4図は、便宜上、テンションロール4の設定位
置を4つの区域〜に分割し、それぞれの区域〜
を、距離Lおよび高さHの組合わせで表している。ま
た、第6図(a)〜(d)のグラフは、区域〜のテ
ンションロール4の位置のそれぞれについて、送り出し
ビーム3の巻径の変化による張力検出器18にかかる荷重
比(F/T)の変化を曲線で示し、それらの近似を直線で
示す。
既に明らかなように、従来は、張力検出器18の検出荷重
Fのみにより、たて糸張力Tをビーム巻径Dの関数f
(D)を使って、テンションロール4の設定位置にかか
わらず、すべて共通の式T=f(D)・Fで補正してい
た。ここで、関数f(D)が1次式であるとすれば、f
(D)=a1・D+aoであり、式中のa1、a2は、区域〜
に共通な定数である。
これをテンションロール4の位置(距離L、高さH)を
加味した関数g(D、L、H)を使って式T=g(D、
L、H)Fで補正することを考え、g(D、L、H)を
3元1次式とすれば、第6図の直線となる。ただし関数
g(D、L、H)=b1・D+b2・L+b3・H+boであ
り、式中のb1、b2、b3、bo、は、区域〜ごとに設定
される定数である。
以上より明らかに、区域〜毎に理想的な制御を実現
するためには、距離L、高さHの情報を取り込んで補正
する必要がある。この距離L、高さHの指定は、あらか
じめ4つの区域〜について、数値C=b2・L+b3
H+boを計算し、それぞれの数値Cを記憶しておき、テ
ンションロール4の位置を変更した場合に、区域〜
のデータをテンションロール位置入力器19によりキーイ
ンして、式b1・D+Cでたて糸張力Tを検出するための
換算係数を求めていけばよい。
この他に、キーイン時に距離L、高さHの値をそのまま
入力して数値C=b2・L+b3・H+boを計算して数値C
を記憶しておき、製織が進んで巻径計算を行い、その都
度、式b1・D+Cにより、たて糸張力Tを検出するため
の換算係数を求めていく方法もある。また、この場合、
簡易的に係数b1、b2、b3、boは、区域〜に共通な値
としてもよい。
他の実施例 上記実施例は、テンションロール4の設定位置を一例と
して、4分割しているが、この分割数は、目標精度に応
じて、それ以上であってもよい。また、荷重比の近似
は、直線の他に、曲線例えば二次曲線によっても行え
る。したがって、張力補正装置17は、各種の関数発生器
あるいは係数設定器として構成することもできる。
発明の効果 以上のように、本発明では、開口方法、打込数等織物お
よび機械的仕様によって、織機フレームに対する張力検
出系の設定位置が変更されても、すなわち、テンション
ロールと張力検出器との設定位置が共にセットとして変
更されても、変更後の張力検出系の設定位置に関する情
報を張力補正装置に入力し、張力補正装置が、設定位置
に関する情報を加味して張力補正を行う構成としたの
で、送り出しビームの巻径に対する正確なたて糸張力の
値が計算でき、したがってたて糸張力の制御が一層正確
に行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示すブロック線図、第2図は
第1図のテンションロール支持装置の正面図、第3図は
第2図のIII−III線での断面図、第4図はテンションロ
ールの設定位置を4分割して示す説明図、第5図はテン
ションロールの設定位置の関数を示す説明図、第6図は
第4図に示す4通りのテンションロール位置に対する送
り出しビーム巻径とテンションロール荷重比との関係を
示すグラフである。 1……電動送り出し装置、2……たて糸、 3……送り出しビーム、4……テンションロール、 13……送り出しモータ、15……張力設定器、 16……巻径検出器、17……張力補正装置、 18……張力検出器、19……テンションロール位置入力
器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】送り出しビームを駆動する送り出しモータ
    と、 テンションロールとテンションロールを介してたて糸張
    力を検出して張力信号を出力する張力検出器とから構成
    される張力検出系と、 送り出しビームのたて糸の巻径を検出して巻径信号を出
    力する巻径検出器と、 張力信号を巻径信号により補正する張力補正装置と、 補正された張力信号と目標張力値との偏差が解消される
    方向に送り出しモータを駆動する張力制御器とを備えた
    織機の電動送り出し装置において、 織機フレームに対する上記張力検出系の設定位置を変更
    したときに、張力検出系の設定位置に関する情報を上記
    張力補正装置に入力し、張力補正装置が、上記巻径信号
    に加えて、張力検出系の設定位置に関する情報に基づい
    て上記張力信号を補正する ことを特徴とする織機の電動送り出し装置におけるたて
    糸張力制御方法。
JP59278801A 1984-12-29 1984-12-29 織機の電動送り出し装置におけるたて糸張力制御方法 Expired - Lifetime JPH0694615B2 (ja)

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JPS5943152A (ja) * 1982-09-04 1984-03-10 津田駒工業株式会社 織機の電動送り出し制御の検出位置補正装置
JPS5988489U (ja) * 1982-12-08 1984-06-15 津田駒工業株式会社 織機の張力検出装置
JPS6197449A (ja) * 1984-10-18 1986-05-15 三木プ−リ株式会社 織機の経糸送り出し制御装置

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