JP2942169B2 - 製織準備機の糸張力調節方法 - Google Patents

製織準備機の糸張力調節方法

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JP2942169B2 JP7132654A JP13265495A JP2942169B2 JP 2942169 B2 JP2942169 B2 JP 2942169B2 JP 7132654 A JP7132654 A JP 7132654A JP 13265495 A JP13265495 A JP 13265495A JP 2942169 B2 JP2942169 B2 JP 2942169B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糸張力検出器からの出
力をファジィ推論処理して、適正糸張力になるよう糸張
力調節器に出力して、製織準備機へ送られる糸の張力を
調節する糸張力調節方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製織準備機例えば整経機では、走行する
経糸の張力は、経糸の解舒力、経糸の走行速度及び経糸
の動摩擦係数によって変動し一定していない。経糸の解
舒力は、パーンの形状に大きく左右され、ボビンの回転
が一定速度であっても、ボビンに走行する経糸を整経機
が巻き上げているため、巻き量に比例して糸速度が上昇
して張力が増加する。更に経糸の太さや毛羽立ち性、糊
剤の付着状態等の表面状態の変化や、経糸を押し付けて
いる接触面の摩擦による経時変化も、動摩擦係数に影響
を与えて張力が不安定となる。糸の張力は、糸の種類に
もよるが、合成繊維では一般にデニール当たり0.3g
fが適正である。例えば70デニールの糸では21gf
の張力が適正であって、デニール当たり約0.1gfの
張力が増加すると、合成繊維織物にはたて筋と称する染
色むらが往々にして発生する。
【0003】商品名ポリエステル、ナイロン等の合成繊
維の構造は、結晶質部分と非晶質部分とからなってお
り、高湿高圧状態での分散染料による染色では、非晶質
部分への染料の浸透は容易であるが、結晶質部分への染
色は困難である。糸に大きな張力が加わると、合成繊維
の非晶質部分の分子配列が変わり、結晶が増加するので
染色性が悪くなる。その結果、張力が強く加わった糸
は、他の糸よりも薄く染色されることになる。織り上が
った生機の状態では判別できないが、染色工程では筋状
の染色むらが現出する。この染色むらは部分的なもので
はなく、織物1疋全体に現出するからその損害は少なく
ない。殊に近年の新合繊や新新合繊と称する絹の風合い
を持つ合成繊維は、張力を与えて結晶度を高めた高価な
繊維であるため、その織物にたて筋が発生したときの損
害は膨大なものとなる。なお、染色むらの原因となる糸
張力増加は整経機に限るものではなく、撚糸機において
も糊付機やワインダーにおいても発生し、経糸にも緯糸
にも染色むらが現出するから、これらのすべての工程に
おいて糸張力を適正にすることが必要である。
【0004】糸張力の増加による織物欠陥は上記のとお
りであるが、糸張力が小さ過ぎるときにも欠陥が出る。
即ち、糸張力が小さい糸は緩んだまま織られるので、た
て緩みと称する欠陥が発生し、白生地の状態では緩んだ
経糸の光沢が他の糸と異なって見えるからむらを生じ、
染色後では色合いが他の糸とは異なって見え、織物は不
良品となる。
【0005】そこで、この欠陥発生を防止するために、
走行中の糸張力の変動を検出し、その変動に対応した適
正な糸張力に調節することが行われている。糸の張力は
糸張力検出器を用いて、1本1本の糸についてその大き
さを測定するか、張力検出ローラを用いて全部の糸の平
均値を検出するか、又は糸束の両端部や中央部を代表す
る糸張力を検出し、糸張力が適正値になるように種々の
糸張力調節器を用いて調節しているが、糸張力の調節に
ついては、人手による重りの加除によって経糸への押圧
を加減して糸張力の調整をする方法が最も多く用いられ
ている。即ち、1本1本の糸について、手持ちの糸張力
検出器を用いて随時糸張力を測定し、適正糸張力値から
外れた糸については、セラミックス製の台上を走行して
いる糸に、孔明き円板状の重りの2〜3個を、人手で載
せたり外したりして調整するものである。
【0006】製織準備機に掛けられている糸の数は、撚
糸機では100〜200本、糊付機では50〜100
本、整経機では200〜1,000本に達し、この多数
の糸の張力を上述のように人手によって調節するのは容
易なことではない。そこで、検出と調整を容易にするた
めに、糸張力を検出する糸張力検出器や、糸張力を調節
する糸張力調節器として、種々のものが提案されてい
る。
【0007】糸張力調節器については、特開平4−11
039号公報に2種類が開示されている。一つはエア式
糸ブレーキであり、可動板と固定板との間に経糸が走行
しており、圧力制御電圧の入力によって空電変換器が作
動し、空気袋を膨張収縮させ、空気袋上方の可動板を上
下させることにより、経糸に圧力を与えて糸張力を調節
するものである。いま一つは電磁式糸ブレーキであり、
上記の空気袋の代わりに電磁石を使用していて、可動板
と固定板との間を走行する経糸に、圧力制御電圧の入力
によって作動する電磁石が可動板を上下させて、経糸に
摩擦抵抗を与えるものである。
【0008】また、特公昭63−11270号公報記載
の張力付与装置は、張力検出と調節を兼ね備えた装置で
ある。糸は主プーリに2回巻かれ、次に副プーリを介し
てコイルボビンに巻かれている。主プーリは磁性板と同
軸に軸支され、設定された磁石との距離に対応する抵抗
を受けながら回転している。糸の張力が設定値を超える
か又は低下すると、副プーリが回動し、磁石を磁性板か
ら離して主プーリの回転を軽くするか又は磁石を磁性板
に近づけて主プーリの回転を重くすることにより、糸の
張力を加減するものである。
【0009】また、特公平2−11503号公報記載の
糸張力調節装置も、糸の所要張力を目盛りと指針により
設定しておき、設定値からずれた場合自動的に張力を調
節するものである。糸は固定糸道の糸ガイドと、揺動可
能の糸道ガイドの糸ガイドとへジグザグ状に掛けられ、
糸張力が過大又は過小になると、コイルスプリングの付
勢力により糸道レバーを動かして、糸ガイドに掛けられ
た糸を引っ張ったり伸ばしたりすることにより、糸の張
力を設定値に保持しようとするものである。
【0010】糸の張力を検出し、その値が設定値よりず
れているかどうかを判断し、ずれている場合に糸張力調
節器を作動させて、糸張力を設定値内に戻す手段にも種
々の提案がある。特開平4−11039号公報記載の整
経機の糸張力制御方法は、各糸ごとに糸張力検出を行
い、糸張力情報により各糸ブレーキの制動力を加減調節
し、均一な設定値張力になるよう各糸ごとに張力制御す
るものであり、具体的な事項については明確な開示がな
されていないが、糸張力検出器からの電圧変化の情報
が、データアンプによって糸張力のデータ値化が行わ
れ、このデータ値は一旦糸張力メモリ部で各糸ごとに貯
められ、設定器の設定値データと実測データ値とは、時
分割によるデータ比較演算処理され、張力上昇指令又は
張力低下指令の制動力を決定し、各糸の圧力制御電圧を
糸張力調節器へ出力し、張力制御作動させるものであ
る。
【0011】種々の電気製品において、近年ファジィ推
論を応用して制御する手段が講じられているが、整経機
において経糸の張力を、しかも1本1本の経糸にファジ
ィ推論を応用して張力を制御する提案は見当たらない。
しかしながら、織機の経糸送り出し制御にファジィ推論
を利用する提案として、例えば特開平5−195369
号公報記載の技術がある。これはツインビーム織機によ
る広幅織物織機では、左右2本の経糸ビームの張力が異
なると、織布に斜行欠点が発生することを防止するため
に、送り出しモータの速度を制御しようとするものであ
る。左右端の経糸張力をセンサで検出し、張力演算手段
により各ビームの中点における張力を演算出力し、入力
変数生成手段によって入力係数と左右の経糸張力の変化
率を算出出力し、ファジィ制御手段は制御則を適用して
左右の速度補正量を算出出力し、この速度補正量によっ
てベース速度発生器から出力したベース速度を補正し、
更に増幅して左右の送り出しモータの速度を制御するも
のである。
【0012】また、特開平4−300347号公報記載
のものも、製織に際してファジィ推論を利用するもので
あるが、この場合は製織に際し、経糸張力によって直接
影響される経止り回数、緯止り回数及び織り密度のう
ち、少なくとも一つに基づいて補正制御量をファジィ推
論を適用して算出するものである。即ち、経止りカウン
タからの経止り回数、緯止りカウンタからの緯止り回数
及び織り密度検出手段からの織り密度の少なくとも一つ
から、ファジィ推論を適用して補正制御量を算出し、こ
れに張力設定器からの目標張力を加え合わせ、更にロー
ドセンサにより検出した経糸張力をフィードバックさ
せ、なお巻糸検出器からのビーム巻径、および送り出し
モータの回転数に基く補正値を加え合わせて増幅し、送
り出しモータの回転を制御するものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来、整経機において
最も多く行われている人手による張力の調節は、手持ち
の糸張力検出器によって、1本1本の経糸の張力を随時
検出し、その値に対応して走行経糸に載せてある重りを
加除するものであるが、重りの数は2〜3個に過ぎな
く、従って3段階程度の雑な調節であるうえ、人手によ
る非常に煩雑で手数のかかる作業である。
【0014】前記の種々の糸張力調節器は、比較的簡単
な構造のものにあっては、精度において劣り、張力変化
に十分対応できない。また糸張力検出と糸張力調節とを
同時に行う糸張力調節器の場合は、整経機の1本1本の
経糸張力調節には適しておらず、所要糸張力を指針で設
定しておく糸張力調節器の場合は、精度において劣る欠
点がある。
【0015】前記の糸張力調節方法又は装置のうち整経
機に用いるものは、糸張力情報と設定値とを時分割する
データ比較演算処理して、糸張力調節器を制御作動させ
るものであって、1本1本の糸を管理させるものである
が、ファジィ制御ではないため、制御速度がやや遅く制
御がしやすくない問題点がある。また、前記のファジィ
推論に基く糸張力制御装置は、整経機等の製織準備機に
は使用できないものである。
【0016】本発明は、糸張力値を適正な糸張力値に早
く確実に調節することができる糸張力調節方法と、制御
器からの信号を受けて精度よく糸の張力を調節できる安
価な糸張力調節器を用いる上記方法を提供することを課
題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】図4は請求項1の方法を
実施する装置のブロック図の一例を示したものである。
請求項1の発明は、糸張力検出器12から出力された各
糸2ごとの糸張力値のアナログ信号を、それぞれの増幅
器23により増幅し、次に入力側マルチプレクサー26
により時分割して切り替え、更にアナログデジタル変換
器27によりデジタル信号に変換して得たデジタル信号
の糸張力値を、一旦ファジィ推論モジュール28のメモ
リ部27に格納したうえで張力偏差変数生成部30へ出
力すると、実測糸張力値と電圧とが正比例するように矯
正される。一方張力設定器13としてのパーソナルコン
ピュータから出力されたデジタル信号の適正糸張力値が
予めメモリ部29に格納されており、この信号も張力偏
差変数生成部30へ入力されると、プログラムに従って
この2個の糸張力値の偏差を計算し、張力偏差変数を生
成する。
【0018】更に、張力偏差経時変化変数生成部34に
おいて、この張力偏差変数と一つ前の検出時における実
測糸張力値の張力偏差変数との偏差である経時変化量を
計算して、張力偏差経時変化変数を生成し、次のファジ
ィ推論部31ではこの2個の変数から制御則に基づいて
各糸2ごとにファジィ推論を実行して糸張力補正量、即
ち実測糸張力値を適正糸張力値に近づけるのに必要な張
力量を計算する。実測糸張力値が適正糸張力値のときは
電圧0V、糸張力値を増加させるときは正電圧、糸張力
値を減少させるときは負電圧となるように電圧が矯正さ
れる。糸張力補正量は、一旦メモリ部29に記憶された
後、順次デジタルアナログ変換器32によりデジタル信
号からアナログ信号に変換され、更に出力側マルチプレ
クサー33により時分割して各糸ごとの糸張力調節器1
4へ切り替えて出力し、適正糸張力値に等しい糸張力を
各糸2ごとに付与する。この方法の詳細については実施
例において説明する。
【0019】請求項2の方法で用いる糸張力調整器14
は、、図1に示すように、それ自体は回転しないねじ付
き固定軸8に、軸方向定位置で回転自在に軸支された磁
気を有する磁石プーリ10と、ねじ付き固定軸8の雄ね
じ部に螺合された磁気を有する磁石歯車9と、糸張力補
正指令信号に対応して回転し、減速歯車19を介して磁
石歯車9を駆動するモータ11とを備えた糸張力調節器
ある。糸張力補正指令を受けたモータ11は、これに
対応する回転量で磁石歯車9を回転させると、磁石歯車
9はねじ付き固定軸8に螺合しながら前進して磁石プー
リ10に接近し、または後退して離れ、あるいは停止す
る構成になっている。
【0020】図1に示す磁石プーリ10は、円板形磁石
20をプーリ本体21に嵌め込んだ構造のものである
が、図2(A)に示すようなプーリ本体21へ円板形磁
石20を固定したものであってもよく、同図(B)に示
すような磁石プーリ10全体が永久磁石23であって、
糸2に対する耐摩耗性を向上するために、耐摩耗性材料
よりなる耐摩耗性被覆層24を溝部分に設けたものであ
ってもよい。また、磁石歯車9についても、図1に示す
ものは、円板形磁石20を歯車本体22に固定したもの
であるが、図3(A)に示すような円板形磁石20を歯
車本体22に嵌め込んだものであってもよく、同図
(B)に示すような全体が永久磁石23で作られたもの
でもよい。モータ11は正電圧の糸張力補正指令を受け
ると正回転し、負電圧の糸張力補正指令を受けると逆回
転し、電圧が0Vの場合は停止しているものである。な
お、この糸張力調節器14は、特に請求項1記載の発明
の糸張力調整方法に使用するのに適しているが、糸張力
補正量に対応する電圧の入力に基づいて糸張力を調節す
る、他の調節方法や調節装置にも使用できる。
【0021】
【作用】この発明の糸張力調節方法は、ファジィ推論に
基づき、糸張力の調節を細かくしかも正確に行うもので
ある。糸張力検出器12の角度検出器1の軸の回転角度
は比較的小さいので、出力電圧差が小さいから、ファジ
ィ推論を行う前にまず必要電圧まで増幅し、例えばその
電圧を糸張力が0gfのとき−2.5V、最大糸張力の
とき2.5Vになるように増幅し、更にデジタル信号に
変換する必要があり、増幅器25とアナログデジタル変
換器27がその作用をする。
【0022】次に入力側マルチプレクサー26は、各糸
ごとに0.1秒ずつ時分割して切り替える作用をする。
実測糸張力デジタル値と、張力設定器から出力された適
正糸張力値とはメモリ部29が記憶しており、張力偏差
変数生成部30は、実測糸張力値と適正糸張力値との偏
差を計算して張力偏差変数を計算生成し、張力偏差経時
変化変数生成部34が、計算生成した張力偏差変数と一
つ前の検出時の糸張力値の張力偏差変数との差であると
ころの、張力偏差経時変化変数を計算生成する。ファジ
ィ推論部31はこれらの変数から制御則に基づいてファ
ジィ推論を実行して、適正糸張力値のとき電圧を0Vと
する張力補正量を算出する作用をする。この張力補正量
は、デジタルアナログ変換器32でアナログ信号に変換
され、更に出力側マルチプレクサー33により時分割し
て各糸2ごとに切り替えて、糸張力調節器14へ出力さ
れ、糸張力調節器14は糸張力補正量に対応して糸張力
を調節することになる。
【0023】請求項2の発明で用いる糸張力調節器14
は、ボビンから送られる糸2が磁石プーリ10を一周し
て巻かれながら、糸張力検出器12へと走行する。磁石
歯車9は、ねじ付き固定軸8上を螺進退して直線的に移
動することが可能であり、磁石プーリ10との距離の自
乗に反比例する両者の磁力によって、磁石プーリ10の
制動力が変化する。即ち両者の距離が近くなると、磁力
が強く働いて磁石プーリ10の回転が遅くなり、両者の
距離が遠くなると磁力が弱く働くから、磁石プーリ10
の回転が早くなる。モータ11へはファジィ推論による
糸張力補正量の指令が入力され、その入力電圧に基づく
正逆いずれかの回転量に対応して、磁石歯車がねじ付き
固定軸8上を前進、後退または停止して磁石プーリ10
の回転を制御する。
【0024】
【実施例】請求項2の発明の実施例を図1によって説明
する。ねじを切ったねじ付き固定軸8の先端にはねじが
なく、この部分に円板形磁石20を嵌め込んだ磁石プー
リ10を自由回転可能に軸支してある。磁石プーリ10
の円周面には糸2が一周して巻き付けられる溝35を設
けてある。ねじ付き固定軸8のねじ部分には、円板形磁
石20を固着した磁石歯車9を螺合してある。磁石歯車
9は、減速歯車19を介してモータ11によって駆動回
転され、ねじ付き固定軸8の軸方向に進退移動するよう
になっている。モータ11は糸張力調節信号の入力によ
り、この信号に対応する速度で正回転、又は逆回転ある
いは停止するようになっている。
【0025】請求項1の発明の実施例を図4のブロック
図によって説明する。この実施例において整経機の糸2
は800本であり、糸張力検出器12、増幅器25及び
糸張力調節器14はそれぞれ800個、入力側マルチプ
レクサー26、アナログデジタル変換器27、ファジィ
推論モジュール28、デジタルアナログ変換器32及び
出力側マルチプレクサー33はそれぞれ100個が使用
される。ここでは糸張力検出器12が8個よりなる一組
について説明する。
【0026】8個の糸張力検出器12が出力した8本の
各糸ごとの実測糸張力値のアナログ信号は、8個の増幅
器25によってそれぞれ必要電圧に増幅される。次にこ
のアナログ信号が1個の入力側マルチプレクサー26に
入力されて、0.1秒ごとに時分割して切り替えられ、
次のアナログデジタル変換器27によりデジタル信号に
変換される。この信号はファジィ推論モジュール28内
のメモリ部29に一旦記憶される。一方張力設定器13
であるパーソナルコンピュータから、使用される糸2に
最も適した糸張力値である適正糸張力値が、メモリ部2
9に予め記憶されており、それぞれの糸2の実測糸張力
値と、適正糸張力値との偏差を張力偏差変数生成部30
において計算し、張力偏差変数を生成する。なお、この
際実測糸張力値の変化に対応して電圧の変化が正比例す
るように、電圧が矯正される。
【0027】次に張力偏差経時変化変数生成部34にお
いて、この張力偏差変数と一つ前の時間での張力偏差変
数との差、即ち1単位時間の張力偏差変数の変化量を、
張力偏差の経時変化量として張力偏差経時変化変数を計
算生成する。次のファジィ推論部31では、張力偏差変
数と張力偏差経時変化変数とから、制御則に基づくファ
ジィ推論を行って糸張力補正量を算出する。この糸張力
補正量をデジタルアナログ変換器32によりアナログ信
号に変換し、更に出力側マルチプレクサー33により時
分割して切り替え、各糸2ごとの糸張力調節器14へ出
力して、適正糸張力値になるよう張力を調節する。
【0028】
【表1】
【0029】表1は、張力偏差変数と張力偏差経時変化
変数に基づくファジィ推論手段の制御則である。左列の
張力偏差変数と中央列の張力偏差経時変化変数とを、そ
れぞれ小さい(NB1、NB2)、少し小さい(NS
1、NS2)、普通(ZO1、ZO2)、少し大きい
(PS1、PS2)、大きい(PB1、PB2)という
5段階の各言語表現のメンバーシップ関数で組み合わ
せ、右列の糸張力補正量の糸張力を小さくする(NB
3)、少し小さくする(NS3)、普通にする(ZO
3)、少し大きくする(PS3)、大きくする(PB
3)という5段階の各言語表現のメンバーシップ関数に
対応させたものである。
【0030】この表によれば例えば1行目の張力偏差変
数が小さい(NB1)であって、張力偏差経時変化変数
も小さい(NB2)場合は、糸張力補正量は大きくする
(PB3)ことになり、12行目の張力偏差変数が普通
(ZO1)であって、張力偏差経時変化変数が少し小さ
い(NS2)であれば、糸張力補正量は少し大きくする
(PS3)になる。
【0031】図5は張力偏差変数と張力偏差経時変化変
数から合成メンバーシップ関数を求める線図であるが、
上段は張力偏差、中段は張力偏差の経時変化量、下段は
糸張力補正量のメンバーシップ関数を表している。上段
の横軸は実測糸張力値と適正糸張力値との偏差であっ
て、この実施例では適正糸張力値が20gfであるか
ら、中央を0gfとし左端を−20gf、右端を20g
fとして目盛りされ、中段の経時変化量は中央を0gf
とし左端を−20gf、右端を20gfとして目盛りさ
れている。また、下段の横軸の張力補正量は中央を0V
左端を−2.5V、右端を2.5Vとして目盛りを付け
てある。縦軸はいずれも帰属度であり0から1までの目
盛りである。
【0032】いま、適正糸張力値が20gf、実測糸張
力値が14gf、一つ前の時間の糸張力値が24.6g
fであった場合、張力偏差変数は適正糸張力値20gf
と実測糸張力値14gfとの差で−6gfである。そこ
で図5の上段横軸の−6gfの位置で垂直に線を上げる
と、NS1の斜線にはa点の帰属度0.5において、ま
たZO1の斜線にはb点の帰属度0.33において交差
する。次に一つ前の時間の糸張力値24.6gfの張力
偏差変数は4.6gfであるから、張力偏差の経時変化
量は、この二つの張力偏差−6gfと4.6gfとの偏
差−1.4gfである。そこで中段の横軸の−1.4g
fの位置で垂直に線を引くと、ZO2の斜線にはc点の
0.22において、またNS2の斜線にはd点の0.4
2において交差する。
【0033】即ち張力偏差の帰属度はNS1=0.5、
ZO1=0.33であり、経時変化量の帰属度はZO2
=0.22、NS2=0.42であるが、表2の制御則
によれば、張力偏差の帰属度と経時変化量の帰属度との
組み合わせは、a(NS1)とc(ZO2)、a(NS
1)とd(PS2)、b(ZO1)とc(ZO2)、b
(ZO1)とd(NS2)の4通りであり、それぞれの
組み合わせにおいて、数値を比較して小さい方の数値が
糸張力補正量の帰属度である。帰属度a(0.5)とc
(0.22)とを比較して小さい数値の、0.22の帰
属度でこのNS1に対応する下段のPS3の線図の頂部
を裁断除去した図形を作成する。帰属度a(0.5)
とd(0.42)とを比較した、小さい数値の0.42
の帰属度でPS3の線図を0.42の帰属度で頂部を裁
断除去した図形を作成する。次に帰属度b(0.3
3)とc(0.22)とを比較した、小さい数値の0.
22の帰属度でZO3の線図の頂部を裁断除去した図形
を作成する。更に帰属度b(0.33)とd(0.4
2)とを比較した、小さい数値の0.33の帰属度で下
段のPS3の線図の頂部を裁断除去した図形を作成
し、これらのの図形を合成し、その重心位置e
即ち面積2等分の位置から垂下した横軸上の位置0.9
Vが糸張力補正量であり、糸張力を適正糸張力値に調節
するのに必要な電圧である。このようにしてファジィ推
論部31は、プログラムに従って糸張力補正量を算出す
る。
【0034】張力補正量はメモリ部29に一旦格納さ
れ、順次デジタルアナログ変換器32へ出力されてアナ
ログ信号に変換され、次に出力側マルチプレクサー33
により0.1秒ごとに時分割されて切り替えられ、糸張
力調節器14へ出力される。このときの信号は、モータ
11の停止のときに電圧0V、モータ11の正回転のと
きに正電圧、逆回転のときに負電圧にしてある。信号が
入力された糸張力調節器14は糸2を適正糸張力値にな
るよう糸張力を調節する。
【0035】
【発明の効果】糸張力調節器は、1本1本の糸の張力調
整を精度良く行うことができる効果があり、しかも構造
が簡単であって故障がなく、安価である特徴もある。
【0036】糸張力調節方法は、糸張力値とその糸の適
正糸張力値との偏差とその偏差の経時変化量とに基づい
て、ファジィ推論により糸張力補正量を決定して、糸張
力調節器を作動させ糸張力を調節するので、高速で細か
く調節ができ、製織準備機の全部の糸の張力を常に糸張
力補正値に保つから、織物にたて筋やたて緩み、あるい
は染色むらを発生することが皆無となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】糸張力調節器の実施例を示す一部縦断側面図
【図2】糸張力調節器の磁石プーリの他の構造を示す一
部縦断側面図
【図3】糸張力調節器の磁石歯車の他の構造を示す一部
縦断側面図
【図4】張力偏差変数と張力偏差経時変化変数とを使用
する糸張力調節方法を説明するブロック図
【図5】張力偏差変数と張力偏差経時変化変数から合成
メンバーシップ関数を求める線図
【符号の説明】
8 ねじ付き固定軸 9 磁石歯車 10 磁石プーリ 12 糸張力検出器 13 張力設定器 14 糸張力調節器 19 減速歯車 20 円板形磁石 23 永久磁石 25 増幅器 26 入力側マルチプレクサー 27 アナログデジタル変換器 28 ファジィ推論モジュール 29 メモリ部 30 張力偏差変数生成部 31 ファジィ推論部 32 デジタルアナログ変換器 33 出力側マルチプレクサー 34 張力偏差経時変化変数生成部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−293471(JP,A) 特開 平4−11039(JP,A) 片岡善治「知能システム工学」初版、 海文堂出版(1993年2月10日)第89頁〜 第106頁 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65H 59/00 - 59/40 D03D 51/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各糸(2) ごとの糸張力検出器(12)から出
    力された糸張力値のアナログ信号を増幅し、次にこれを
    順次時分割し、次にデジタル信号に変換し、これにより
    得られた各糸(2) ごとの糸張力値と、張力設定器(13)か
    ら出力された適正糸張力値との張力偏差変数と、この張
    力偏差変数と一定時間前の張力偏差変数との変化量であ
    る経時変化張力変数とに基づいて、ファジィ推論を実行
    し、各糸(2) ごとの糸張力補正量を順次計算して得た信
    号をアナログ信号に変換し、次に順次時分割して各糸
    (2) ごとの糸張力調節器(14)に入力し、適正糸張力値に
    等しい糸張力を、各糸(2) ごとに付与することを特徴と
    する、ファジィ制御による製織準備機の糸張力調節方
    法。
  2. 【請求項2】 糸張力調節器(14)として、雄ねじ部を備
    えたねじ付き固定軸(8) と、ねじ付き固定軸(8) の軸方
    向定位置に自由回転可能に軸支され、周囲に糸が巻回さ
    れる周溝(35)を備えた磁石プーリ(10)と、ねじ付き固定
    軸(8) の雄ねじ部に螺合されて回転に伴って進退し、磁
    石プーリ(10)に磁力の影響による回転負荷を与える磁石
    歯車(9) と、糸張力制御信号の入力により回転量が調節
    されて磁石歯車(9) を駆動するモータ(11)とを備えてい
    糸張力調節器を用いることを特徴とする、請求項1記
    載の製織準備機の糸張力調節方法。
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