JP3202187B2 - 製織準備機の糸張力調節装置 - Google Patents

製織準備機の糸張力調節装置

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    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H2553/00Sensing or detecting means
    • B65H2553/20Sensing or detecting means using electric elements
    • B65H2553/22Magnetic detectors, e.g. Hall detectors

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、走行する糸の張
力を検出する糸張力検出器を含んで構成される製織準備
機の糸張力調節装置に関するもので、前記糸張力検出器
の検出信号に基づいてファジイ推論処理その他の演算処
理を行って出力値を求め、糸張力が適正値になるように
張力調節器を制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製織準備機例えば整経機では、走行する
経糸の張力は、経糸の解舒力、経糸の走行速度及び経糸
の動摩擦係数によって変動し、一定していない。経糸の
解舒力は、パーンの形状に大きく左右され、ボビンの回
転が一定速度であっても、ボビンに走行する経糸を整経
機が巻き上げているため、巻き量に比例して糸速度が上
昇して張力が増加する。更に経糸の太さや毛羽立ち性、
糊剤の付着状態等の表面状態の変化や、経糸を押し付け
ている接触面の摩擦による経時変化も、動摩擦係数に影
響を与えて張力が不安定となる。糸の張力は、糸の種類
にもよるが、合成繊維では一般にデニール当たり0.3
gfが適正である。例えば70デニールの糸では21g
fの張力が適正であって、デニール当たり約0.1gf
の張力が増加すると、合成繊維織物にはたて筋と称する
染色むらが往々にして発生する。
【0003】商品名ポリエステル、ナイロン等の合成繊
維の構造は、結晶質部分と非晶質部分とからなってお
り、高湿高圧状態での分散染料による染色では、非晶質
部分への染料の浸透は容易であるが、結晶質部分への染
色は困難である。糸に大きな張力が加わると、合成繊維
の非晶質部分の分子配列が変わり、結晶が増加するので
染色性が悪くなる。その結果、張力が強く加わった糸
は、他の糸よりも薄く染色されることになる。織り上が
った生機の状態では判別できないが、染色工程では筋状
の染色むらが現出する。この染色むらは部分的なもので
はなく、織物1疋全体に現出するからその損害は少なく
ない。殊に近年の新合繊や新新合繊と称する絹の風合い
を持つ合成繊維は、張力を与えて結晶度を高めた高価な
繊維であるため、その織物にたて筋が発生したときの損
害は膨大なものとなる。なお、染色むらの原因となる糸
張力増加は整経機に限るものではなく、撚糸機において
も糊付機やワインダーにおいても発生し、経糸にも緯糸
にも染色むらが現出するから、これらのすべての工程に
おいて糸張力を適正にすることが必要である。
【0004】糸張力の増加による織物欠陥は上記のとお
りであるが、糸張力が小さ過ぎるときにも欠陥が出る。
即ち、糸張力が小さい糸は緩んだまま織られるので、た
て緩みと称する欠陥が発生し、白生地の状態では緩んだ
経糸の光沢が他の糸と異なって見えるからむらを生じ、
染色後では色合いが他の糸とは異なって見え、織物は不
良品となる。
【0005】そこで、この欠陥発生を防止するために、
走行中の糸張力の変動を検出し、その変動に対応した適
正な糸張力に調節することが行われている。糸の張力は
糸張力検出器を用いて、1本1本の糸についてその大き
さを測定するか、張力検出ローラを用いて全部の糸の平
均値を検出するか、又は糸束の両端部や中央部を代表す
る糸張力を検出し、糸張力が適正値になるように種々の
糸張力調節器を用いて調節しているが、糸張力の調節に
ついては、人手による重りの加除によって経糸への押圧
を加減して糸張力の調節をする方法が最も多く用いられ
ている。即ち、1本1本の糸について、手持ち糸張力検
出器を用いて随時糸張力を測定し、適正糸張力値から外
れた糸については、セラミックス製の台上を走行してい
る糸に、孔明き円板状の重りの2〜3個を、人手で載せ
たり外したりして調節するものである。
【0006】製織準備機に掛けられている糸の数は、撚
糸機では100〜200本、糊付機では50〜100
本、整経機では200〜1,000本に達し、この多数
の糸の張力を上述のように人手によって調節するのは容
易なことではない。そこで、検出と調節を容易にするた
めに、糸張力を検出する糸張力検出器や、糸張力を調節
する糸張力調節器として、種々のものが提案されてい
る。
【0007】糸張力検出器については、例えば特開平4
−11039号公報に2種類が開示されている。その一
つは近接式糸張力検出器であり、本体上方に屈曲配置し
た張力感知杆が片持ち支持され、張力感知杆上の糸ガイ
ドを糸が加圧するように走行させ、糸張力による加圧力
が張力感知杆を押し下げる程度を、マグネットの変位と
して本体内の磁気センサが検出し、電圧の変化として捉
えるものである。また、磁気センサの代わりに歪みセン
サを用いたものが、歪みセンサ式糸張力検出器である。
【0008】また、実公昭63−26723号公報記載
の回転角度検出装置は、糸ではないがテープの張力を検
出する装置である。テープの張力の変動がテンションア
ームを揺動させることにより、テンションアームの軸を
回動させ、軸端のマグネットの磁界の回動変位を磁気抵
抗素子が感知して、張力を検出するものである。なお、
この公報には磁気抵抗素子を用いているが、前者とは構
成を異にした検出装置についても開示している。
【0009】上記の特開平4−11039号公報には糸
張力調節器についても2種類が開示されている。一つは
エア式糸ブレーキであり、他の一つは電磁式糸ブレーキ
である。後者は可動板と固定板との間を走行する経糸
に、圧力制御電圧の入力によって作動する電磁石が可動
板を上下させて、経糸に摩擦抵抗を与えるものである。
【0010】また、特開平8−301529号公報に
は、本願出願人が提唱した糸張力調節器が開示されてい
る。この糸張力調節器は経糸を巻回する周溝を設けた磁
石プーリを固定軸の軸方向定位置に自由回転可能に軸支
し、固定軸と同軸に設けた雄ねじに磁石歯車を螺合し、
糸張力制御信号によって正逆転するモータで磁石歯車を
回転させて、磁石プーリと磁石歯車とを接近または離隔
させるものであり、磁石歯車から磁石プーリに与えられ
る磁気制動力により、磁石プーリに巻回された糸の張力
を調節するというものである。
【0011】さらに米国特許3034744号公報に
は、電磁コイルの両側に刃を互いに組み合わせるように
して装着した2個のカップ状の刃付円板を逆極性に磁化
し、刃を組み合わせた部分に隣接して回転するリング状
の磁性体を内張りした自由回転プーリを設けた糸張力調
節器が開示されている。電磁コイルに与える電流値を制
御することにより、2個のカップ状刃付円板の磁力を制
御して、プーリに内張りされた磁性体に与えられる磁気
抵抗力を変化させることにより、プーリに巻回した糸の
張力を調節するというものである。
【0012】糸の張力を検出し、その値が設定値よりず
れているかどうかを判断し、ずれている場合に糸張力調
節器を作動させて、糸張力を設定値内に戻す手段にも種
々の提案がある。特開平4−11039号公報記載の整
経機の糸張力制御方法は、各糸ごとに糸張力検出を行
い、糸張力情報により各糸ブレーキの制動力を加減調節
し、均一な設定値張力になるよう各糸ごとに張力制御す
るものであり、具体的な事項については明確な開示がな
されていないが、糸張力検出器からの電圧変化の情報
が、データアンプによって糸張力のデータ値化が行わ
れ、このデータ値は一旦糸張力メモリ部で各糸ごとに貯
められ、設定器の設定値データと実測データ値とは、時
分割によるデータ比較演算処理され、張力上昇指令又は
張力低下指令の制動力を決定し、各糸の圧力制御電圧を
糸張力調節器へ出力し、張力制御作動させるものであ
る。
【0013】また前述した特開平8−301529号公
報には、ファジイ制御による糸張力調節方法が本願の出
願人により開示されている。この方法は製織準備機に採
用されるもので、糸ごとの糸張力検出器から出力された
糸張力値のアナログ信号を増幅し、次にこれを順次時分
割し、次にデジタル信号に変換し、これにより得られた
各糸ごとの糸張力値と張力設定器から出力された適正糸
張力値との張力偏差変数と、この張力偏差変数と一定時
間前の張力偏差変数との変化量である経時変化張力変数
とに基づいてファジイ推論を実行し、各糸ごとの糸張力
補正量を順次計算して得た信号をアナログ信号に変換
し、次に順次時分割して各糸ごとの糸張力調節器に出力
し、適正糸張力値に等しい糸張力を各糸ごとに付与する
というものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来、整経機において
最も多く行われている人手による糸張力の調節は、手持
ちの糸張力検出器によって、1本1本の経糸の張力を随
時検出し、その値に対応して走行経糸に載せてある重り
を加減するものであるが、重りの数は2〜3個に過ぎ
ず、従って三段階程度の雑な調節であるうえ、作業が非
常に煩雑で手数がかかり、糸張力の変動に速やかに対応
する応答性の良い調節を行うことは不可能である。
【0015】上記の問題は、前述した種々の糸張力検出
器と制御手段と糸張力調節器とを組み合わせて用いるこ
とにより、理論上は解決可能であるが、価格と設置スペ
ースの問題がある。整経機の場合は、経糸数が普通幅の
織物で1000本、広幅織物では3000〜6000本
にも及び、1本1本の経糸に取り付けるには、従来の糸
張力検出器では設備全体の価格があまりにも高くなると
いう欠点がある。また整経機等においては、多数の経糸
が近接して走行するので、糸張力検出器が大型である
と、すべての糸に糸張力検出器を取り付けることが設置
スペース上不可能になる。近接して走行する多数の糸の
各々に糸張力検出器を取り付けるためには、検出器の幅
が小さいことが特に要求される。
【0016】糸張力検出器で検出された信号に基づい
て、糸の張力が変化しないように調節するためには、応
答性の良い糸張力調節器が必要である。さらに小型で安
価であることが糸張力調節器にも要求される。また糸の
測長装置を別途設けることも多いが、糸張力検出器や糸
張力調節器で糸の張力の検出や調節と同時に、糸の測長
をも行うことができれば、測長装置を別途設ける必要が
ないから、装置コスト及び設置スペースの点で有利であ
る。
【0017】この発明は、糸張力を適正な張力に速やか
にかつ確実に調節することができ、さらに糸の測長機能
をも備えた製織準備機のための糸張力調節装置を提供す
ること、及びそのような糸張力調節装置のための小型で
安価な糸張力検出器を提供することを課題としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明の糸張力調節装
置のための好ましい構造の糸張力検出器は、糸の走行方
向と平行に自由回転可能に軸支された支点軸11と、支
点軸11に回転方向の付勢力を付与しているバネ13
と、支点軸11から軸直角方向に延びて先端部側面が前
記バネ13の付勢力により糸と接触するアーム12と、
支点軸11に固定された板状ないし短円筒状の永久磁石
14と、永久磁石14の面に対向して定位置に設置され
たホール素子15とを備えている。
【0019】この発明の製織準備機の糸張力調節装置
は、糸張力検出器16と、糸張力調節器37と、糸張力
検出器の検出信号を入力して糸張力調節器に制御信号を
出力する制御手段43とを備えており、上記糸張力調節
器37が、電磁コイル22と、円筒部に設けた刃25を
互いに組み合わせるようにして電磁コイル22の両側に
配置した刃付カップ状の磁極板23、24と、刃付カッ
プ状磁極板と同軸に自由回転可能に配置されて当該磁極
板の刃の組合せ部分に臨むリング状の磁性体部分を有す
る糸巻プーリ29とを備えている。
【0020】更にこの発明の製織準備機の糸張力調節装
置は、上記の構成に加えて、糸張力調節器37の糸巻プ
ーリ29に固定されたスリット板35を含む回転エンコ
ーダ36を備えていることを特徴とするものである。
【0021】
【作用】上記手段を備えた糸張力検出器は、上流側糸ガ
イド2及び下流側糸ガイド3を通って走行する糸4と平
行に支点軸11が配置され、アーム12の先端部は、バ
ネ13の付勢力により、糸ガイド2、3間に張られた状
態になっている糸4の側面に当接して、糸4をく字状に
屈曲させる。く字状に屈曲した糸4は、その張力の分力
がバネ13の付勢力と対抗してアーム12を静止させ
る。糸の張力が変動するとその分力とバネ13の付勢力
とのバランスが崩れ、アーム12は新たなバランス位置
へと移動し、この移動が支点軸11を回動させる。この
回動は永久磁石14を回動させ、ホール素子15と対向
する部分の磁力の変化がホール素子15の出力電圧を変
化させる。この電圧変化により糸張力の変動が電気的に
検出される。
【0022】上記の糸張力検出器は、支点軸11を走行
する糸と平行に配置しているため、装置を小型化するこ
とができ、特に糸幅方向の寸法を小さくできる。従って
製織準備機の互いに近接して走行する経糸の1本1本の
張力を検出するのに都合が良い。またアーム12の振れ
によりアームと糸との接触位置が変化するので、糸との
接触による摩耗が一箇所に集中せず、良好な耐久性を有
する。
【0023】糸を糸張力検出器に装着する作業は、ガイ
ドに糸を通した後、アーム12に糸を掛けるだけなので
簡単に行うことができる。糸が垂直方向に走行する部分
に糸張力検出器を設置した場合、支点軸11が垂直にな
り、重力のためにアーム12の位置により支持軸の回転
に必要な力が異なるといったことがなく、正確な張力の
測定が可能である。また、垂直に設置できない場合に
も、ベアリングの回転トルクが微小であることや、アー
ム12の質量が小さいこと等から正確な張力が検出でき
る。水平に設置するときは、アーム12が上方または下
方を向くように設置すれば、アーム12の自重による影
響を最小にできる。また、アーム12の材料や形状の選
定により、回転する時の慣性力を小さくすることがで
き、急激な張力変化でも測定可能である。
【0024】糸が切れた場合には、アーム12はバネの
付勢力で振り切れて支持軸の回転角が大きく変化する。
このことを利用して、糸張力検出器の支持軸11の回転
角度がある角度に達したら糸が切れたことを検知すると
いう、糸切れセンサとしての機能も備えている。
【0025】この発明の糸張力調節装置によれば、製織
準備機の多数の糸の張力を一定に維持できるとともに、
別途測長装置を設けることなく、各糸の測長を行うこと
ができ、全体としての装置のコスト及び設置スペースを
低減できる。更にこの発明の糸張力調節装置に含まれる
糸張力調節器37は、装置を小型かつ安価にできるとと
もに、応答性が高く、この発明の糸張力検出器と組み合
わせて糸張力調節装置を構成することにより、製織準備
機の多数の糸の1本1本の張力を高い精度で一定に維持
する装置を安価かつコンパクトに構成できる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1及び図2はこの発明の糸張力
調節装置で用いる糸張力検出器の一実施例を示したもの
である。図示の糸張力検出器は、コ字形のフレーム1を
備え、そのコ字の両端に糸ガイド2、3が設けられてお
り、糸4は糸ガイド2、3の間を直線的に走行してい
る。フレーム1には糸4と平行な2本のねじ軸5、6が
回転可能に装架されており、これらのねじ軸に両側を螺
合した状態でセンサケース7が保持されている。センサ
ケース7には、糸4と平行にセンサケースの外側に延び
る支点軸の基端がベアリング8、9で自由回転可能に支
持されている。支点軸11の先端には、その軸直角方向
に延びるアーム12が固着されている。支点軸11は、
一端をセンサケースに係止し他端をアーム12の根元に
係止した巻バネ13により、軸まわりに付勢され、アー
ム12の先端側面がこの付勢力により糸4の側面に接触
している。支点軸11のセンサケース7内に位置する基
端部分に、円板状の永久磁石14が固定されており、こ
の永久磁石の周面一箇所に対向してホール素子15がセ
ンサケース7に固定して設けられている。
【0027】永久磁石14は、図3に示すように、直径
方向に磁化された円盤状の磁石で、その周面の磁力は一
方の極から他方の極へとリニアに変化する。永久磁石1
4は支点軸11に軸心を固定されているので、支点軸1
1の回動によりホール素子15に対向している部分の磁
力が変化し、ホール素子15の出力電圧が変化するの
で、これを検出することにより支点軸11の回転角を検
出できる。
【0028】図4ないし図6はこの発明の糸張力調節装
置の糸張力調節器を示したものである。ベース21に電
磁コイル22が立設状態で固定されており、この電磁コ
イルの下端とベースとの間に下側の刃付カップ状磁極板
23が固定されている。また電磁コイル22の上端に
は、上側の刃付カップ状磁極板24が固定され、上下の
磁極板23、24の刃25相互は、電磁コイル22の外
周部分で組み合わされた状態となっている。電磁コイル
22のコアは中空で、内側にベアリング26、27が固
定されており、このベアリングで支持された軸28の上
端に、略ハット形の糸巻プーリ29が固定されている。
糸巻プーリ29の円筒部33の内径側には筒状の磁性体
34が嵌着されている。この筒状の磁性体34は組み合
わされた上下の磁極板の刃25の外側に僅かな遊隙をも
って位置する。糸巻プーリ29の端面には、回転エンコ
ーダのスリット板35が固定されており、このスリット
板のスリットをカウントする回転エンコーダ36が図示
しないブラケットでベース21に固定されている。
【0029】電磁コイル22に電流を印加すると、二つ
の磁極板がN極とS極とに磁化される。従ってこれらの
刃が組み合わされている部分には、円周方向にN極とS
極とが交互に配置されることとなり、この部分に臨んで
回転する糸巻プーリ29の磁性体34に磁気抵抗が作用
する。この磁気抵抗は磁極板の磁力すなわち電磁コイル
22の電流を制御することによって変化させることがで
きるから、それにより糸巻プーリ29に巻回されて走行
する糸の張力を調節することができる。
【0030】また、糸巻プーリ29の回転はこれと一体
の回転エンコーダ36により検出されるから、その回転
数をカウントすることにより、走行する糸の長さ及び速
度を測定することができる。
【0031】図7はこの発明の糸張力調節装置の実施例
を示したもので、糸の本数に応じて設けられた多数の糸
張力検出器16及び糸張力調節器37と、入力側及び出
力の時分割切換器41、42と、演算制御装置43とに
よって構成されている。糸張力検出器16のそれぞれは
図1及び図2に示した構造のものであり、糸張力調節器
37のそれぞれは、図4ないし図6に示した構造のもの
である。入力側の時分割切換器41は多数の糸張力検出
器の検出信号を一定時間間隔で切り換えて演算制御装置
43に入力させる。演算制御装置43は、入力した検出
値と予め設定された設定値とを比較して、その偏差に対
応する制御出力を出力側時分割切換器42に送出する。
入力側と出力側の時分割切換器41、42は同期して切
り換えられており、ある糸についての検出信号に基く制
御出力が当該糸に設けた糸張力調節器のドライバ44に
与えられる。ドライバ44は与えられた制御信号に対応
する値の電流を糸張力調節器の電磁コイルに印加する。
【0032】各糸張力調節器に設けられているエンコー
ダからの信号は、第3の時分割切換器45を経て演算制
御装置43に与えられている。演算制御装置43は、各
糸張力調節器のエンコーダから入力した信号に基づいて
各糸の走行速度及び供給長さを演算して記憶する。
【0033】演算制御装置43は通常はコンピュータで
構成され、特開平7−132654号に開示されたファ
ジイ推論による演算処理またはその他の公知の演算処理
により制御出力信号を生成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】糸張力検出器の実施例を示す斜視図
【図2】糸張力検出器のセンサケースを模式的に示す断
面図
【図3】永久磁石の形状と磁化形態を示す模式図
【図4】糸張力調節器の実施例を示す分解斜視図
【図5】糸張力調節器の実施例を模式的に示す断面図
【図6】糸張力調節器の実施例の使用状態を示す平面図
【図7】糸張力調節装置を示すブロック図
【符号の説明】
11 支点軸 12 アーム 13 巻バネ 14 永久磁石 15 ホール素子 16 糸張力検出器 22 電磁コイル 23 刃付カップ状磁極板 24 刃付カップ状磁極板 25 刃 29 糸巻プーリ 36 回転エンコーダ 37 糸張力調節器 43 演算制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−90732(JP,A) 米国特許3034744(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 59/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸張力検出器(16)と、糸張力調節器(37)
    と、糸張力検出器の検出信号を入力して糸張力調節器(3
    7)に制御信号を出力する制御手段(43)とを備え、糸張力
    調節器(37)は、電磁コイル(22)と、円筒部に設けた刃(2
    5)を互いに組み合わせるようにして電磁コイル(22)の両
    側に配置した刃付カップ状の磁極板(23,24) と、刃付カ
    ップ状磁極板と同軸に自由回転可能に配置されて当該磁
    極板の刃の組合せ部分に臨むリング状の磁性体部分を有
    する糸巻プーリ(29)と、この糸巻プーリ(29)に固定され
    たスリット板(35)を含む回転エンコーダ(36)とを備えて
    いることを特徴とする、製織準備機の糸張力調節装置。
  2. 【請求項2】 糸張力検出器(16)が、糸の走行方向と平
    行に自由回転可能に軸支された支点軸(11)と、支点軸(1
    1)に回転方向の付勢力を付与しているバネ(13)と、支点
    軸(11)から軸直角方向に延びて先端部側面が前記バネ(1
    3)の付勢力により糸と接触するアーム(12)と、直径方向
    に磁化され支点軸(11)に固定された円板状ないし短円筒
    状の永久磁石(14)と、永久磁石(14)の周面に対向して定
    位置に設置されたホール素子(15)とを備えている、請求
    項1記載の糸張力調節装置。
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