JPH0694553A - ブレーキの試験装置 - Google Patents

ブレーキの試験装置

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JPH0694553A
JPH0694553A JP4242844A JP24284492A JPH0694553A JP H0694553 A JPH0694553 A JP H0694553A JP 4242844 A JP4242844 A JP 4242844A JP 24284492 A JP24284492 A JP 24284492A JP H0694553 A JPH0694553 A JP H0694553A
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亮司 鎌田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 試験中供試ブレーキの挙動を観察でき、しか
も装置全体の加工組立を容易にし、廉価なブレーキの試
験装置を提供すること。 【構成】 フライホイール6の回転軸にトルクメータ2
4の回転軸37を連動せしめ、この回転軸37の自由端
部分に取り付けた供試ブレーキ11に加わる制動トルク
を検出可能に構成したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、供試ブレーキの制動
トルク等を測定するブレーキの試験装置に係り、特に供
試ブレーキをトルクメータの外側に取付けて試験を行え
るようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来のブレーキの試験装置には、図6乃
至図8に全体構成を示し、図9及び図10にそのトルク
メータ部分を示す如きものがある。試験装置の全体構成
は、床1の上にベース2を介して直流電動機3を設置す
る。また床1上に設けた共通ベース4の直流電動機側の
図に向かって左側に当たる基台4a上には、移動台5を
装着する。
【0003】移動台5上には、フライホイール6とスリ
ップリング7を設ける。フライホイール6とスリップリ
ング7は、直流電動機3の主軸と一連に接続する。
【0004】共通ベース4の図に向かって右側に当たる
基台4b上には、移動用電動機8付の移動台9を装着す
る。移動台9上にはトルクメータ10を設置する。
【0005】そして、トルクメータ10とスリップリン
グ7との間には供試ブレーキ11を取り付ける。これに
より直流電動機3の主軸とフライホイール6,スリップ
リング7,供試ブレーキ11,トルクメータ10までが
一連に接続されることになる。
【0006】供試ブレーキ11の横方向対応位置には、
ブレーキ冷却ファン12とブレーキ排気ファン13とを
配置して構成する。
【0007】前述の如く設置するトルクメータは、図9
及び図10に例示する如く構成する。トルクメータ10
は、そのトルクメータ軸14の前端近くと後端部分と
を、それぞれ軸受15で支受する。トルクメータ軸14
における2つの軸受15の間部位には、2つのトルクア
ーム16,17を左右に延出するよう固着する。各トル
クアーム16,17の先端部には、それぞれボルト18
を螺挿し、各ボルト18の先端がロードセル19を設け
た検出台20上に当接するように設定する。
【0008】トルクメータ軸14の前端部には、供試ブ
レーキ11の固定側(キャリパ)が取り付くアタッチメ
ント取付フランジ21を設ける。
【0009】上述のようなトルクメータ10を取り付け
た移動台9は、共通ベース4に設けた移動用電動機8を
用いて移動操作する。また、共通ベース4には送り螺子
棒22を回動自由に支受せしめ、送り螺子棒22の一端
部に電動機8の主軸を接続する。送り螺子棒22には2
つの移動子23を螺挿する。2つの移動子23はそれぞ
れ移動台9の下部所定箇所に取り付ける。
【0010】このように構成することにより、電動機8
で送り螺子棒22を回動する。そして移動子23を送り
螺子棒22の軸線方向に移動するのに伴って移動台9を
移動せしめるものである。
【0011】上述のように構成した従来のブレーキの試
験装置は、供試ブレーキ11の回転側の軸をフライホイ
ール6の軸に接続する。また、供試ブレーキ11の固定
側アタッチメントをトルクメータ10のアタッチメント
取付フランジ21に接続する。この接続作業は移動用電
動機8を駆動して移動台9を移動操作することにより行
う。
【0012】試験を行う場合には、車の走行エネルギー
をフライホイール6の回転エネルギーで模倣するため直
流電動機を駆動してフライホイール6を所定回転数に上
げる。そして供試ブレーキ11に制動動作させ、このと
き固定側に伝達されたトルクをトルクメータ10で測定
するものである。
【0013】またトルクメータ10はトルクメータ軸1
4に加わるブレーキトルクをトルクアーム16,17を
介してロードセル19に伝え、このロードセル19によ
ってトルクを測定するものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述のような従来のブ
レーキの試験装置は、供試ブレーキ11をフライホイー
ル6のスリップリング7とトルクメータ10の間といっ
た機器構成の内側に取り付けるものであるため、供試ブ
レーキ11の交換作業に手間がかかる。すなわち、トル
クメータ10を移動操作し、供試ブレーキ11の回転側
をスリップリング側の軸に接続し、さらに供試ブレーキ
11の固定側をアタッチメント取付フランジ21に接続
する作業に手間がかかる。しかも、これらの作業は冷却
ファン12と排気ファン13とが邪魔して作業性が悪い
という問題がある。
【0015】また、従来の試験装置では、フライホイー
ル側の回転軸の軸芯と、トルクメータの軸芯とが一致せ
ねばならない。このため、トルクメータ10の移動台9
も、この軸芯に沿って移動するものでなければならな
い。よって試験装置の加工,組立を高精度で行わねばな
らず、装置が高価になるという問題があった。
【0016】加えて従来の試験装置では、供試ブレーキ
の着脱作業スペースを確保せねばならないので、移動台
9とその移動機構が不可欠である。これとともに、フラ
イホイール6及びスリップリング7側と、トルクメータ
10側の装置は、芯狂いを防止するため、大形の共通ベ
ース4上に載せる構成をとらねばならない。このような
ことから試験装置全体が高価になるという問題があっ
た。
【0017】また、最近のブレーキの試験装置は、供試
ブレーキのトルクを測定するだけではなく、制動動作時
の供試ブレーキの挙動(温度分布,変形,鳴き音等)を
目視および測定できるようにすることが要請されてい
る。しかし、従来の試験装置では、供試ブレーキがフラ
イホイールとトルクメータとの間に取り付くものである
ため、試験中、供試ブレーキの挙動を観察するのが困難
であるという問題があった。
【0018】本発明は上述の点に鑑み、試験装置に供試
ブレーキを着脱する作業を容易かつ迅速に行えるように
し、さらに、試験中供試ブレーキの挙動を容易に観察可
能とし、試験装置における各部の軸芯合わせが簡単にな
る構成として、試験装置の加工組立を容易にし、移動台
とその移動機構、並びに大形の共通ベースを不要として
構造を簡素化し、廉価な試験装置を提供することを目的
とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のブレーキの試験
装置は、電動機によりフライホイールを回動して車の運
動エネルギーを模擬する運動エネルギーを発生するよう
にし、このフライホイールの回転運動を伝達する回転軸
上に供試ブレーキを取り付け、この供試ブレーキの制動
動作時に供試ブレーキに加わる制動トルクをトルクメー
タで測定するようにした試験装置において、上記フライ
ホイールの回転軸に接続したトルクメータの回転軸自由
端部に供試ブレーキを取り付けるよう構成したことを特
徴とする。
【0020】
【作用】上述のように構成することにより、供試ブレー
キの試験中試験装置の構成部材に邪魔されることなく供
試ブレーキの挙動を目視でき、供試ブレーキの試験中の
温度分布,変形,鳴き音を直接測定可能とする。さら
に、試験装置に供試ブレーキを着脱する作業をトルクメ
ータ等の周辺機器等に邪魔されることなく容易に実行で
きるようにするものである。
【0021】
【実施例】以下、本発明のブレーキの試験装置の一実施
例を図1ないし図5によって説明する。なお、この図1
ないし図5において、前述した図6ないし図10に示す
従来例に対応する部分には同一符号を付すこととし、そ
の詳細な説明を省略する。試験装置の全体を示す図1の
正面図、図2の平面図、及び図3の側面図で、1は床、
3は直流電動機、6はフライホイール、7はスリップリ
ング、11は供試ブレーキ、12はブレーキ冷却ファ
ン、24は揺動アーム式トルクメータ、25は防音スリ
ーブ、26は必要に応じて付ける防音カバー、27はT
溝定盤、28はブレーキ排気ファンのダクトである。
【0022】本例装置では、直流電動機3の主軸と、フ
ライホイール6の主軸との間をベルト巻掛け伝動機溝2
9で動力伝達させるように構成する。
【0023】また本例装置では、トルクメータ24の自
由端部分に供試ブレーキ11を取り付けるように構成
し、これらの部分が防音カバー26内に収容されるよう
に構成する。なお、トルクメータ24とフライホイール
6とを結ぶ回転軸が、防音カバー26の側壁を貫通する
部分に防音スリーブ25を配置する。
【0024】トルクメータ24部分は、図4の部分断面
正面図、及び図5の要部側面図に示すように構成する。
トルクメータ24は、固定基台30上に設置する。
【0025】このため固定基台30上には、2つの支持
台31,32を所定間隔を開けて立設する。2つの支持
台31,32の間には揺動フレーム33を装着する。す
なわち、筒状の揺動フレーム33の両端部をそれぞれ揺
動軸受34を介して、2つの支持台31,32で支受す
る。
【0026】揺動フレーム33の胴部には、その両側部
からそれぞれ横方向に突出する揺動アーム35を突設す
る。揺動アーム35の端部にはボルト36を螺挿し、こ
のボルト36を回して調整6,ボルト36の先端を検出
台20上に当接せしめる。検出台20は固定基台30上
に設置するものでロードセルを具備する。これにより揺
動フレーム33に加わった回動トルクは揺動アーム35
を介して検出台20に伝達される。すなわち、揺動フレ
ーム33は揺動アーム35を介して検出台20に支持さ
れた状態となる。
【0027】揺動フレーム33の中空内部には、回転軸
37を貫通させ、揺動フレーム33の両端内部にそれぞ
れ設置した回転軸受38で回動自由に支受する。
【0028】回転軸37の自由端部には、供試ブレーキ
11を取り付ける。すなわち、供試ブレーキ11のディ
スク39等の回転側部材を回転軸37の端部に取り付け
る。さらに、供試ブレーキ11の固定側部材のキャリパ
を、アタッチメント40を用いて揺動フレーム33に取
り付ける。
【0029】回転軸37の接続側端部には、ブレーキ温
度測定用のスリップリング7を設け、その先を防音スリ
ーブ25を通した軸部材と接続する。
【0030】トルクメータ24の供試ブレーキ11取付
位置に対応した近傍位置にブレーキ冷却ファン12のダ
クトとブレーキ排気ファンのダクト28とを配置する。
【0031】次に上述の如く構成した本例装置の使用法
及び作用を説明する。本例装置では、まず供試ブレーキ
11をトルクメータ24の自由端部に取り付ける。
【0032】次に、直流電動機3を駆動し、ベルト巻掛
け伝動機溝29を介してフライホイール6を回動し、車
の運動エネルギーを模擬するための運動エネルギーを蓄
積する。この状態ではトルクメータ24の回転軸37と
共に供試ブレーキ11のディスク39が空回りした状態
にある。
【0033】次に上述の状態から供試ブレーキ11を制
動動作させる。すると、制動に要した運動エネルギーは
揺動フレーム33から揺動アーム35を通じて検出台2
0に伝えられる。このときの制動力をロードセル19で
測定するものである。
【0034】また供試ブレーキ11をトルクメータ24
の自由端部に取り付けるものであるため、周囲に邪魔な
ものが無く、供試体ブレーキ11の挙動を目視できる。
さらに供試ブレーキ11の試験中の温度分布,変形,鳴
き音を直接測定できる。加えて、供試ブレーキ11の着
脱作業をするとき、従来の如く、トルクメータを移動さ
せなくても行えるものである。
【0035】なお、上述の実施例では、ディスクブレー
キを試験する場合について述べたがドラムブレーキも同
様に試験できる。
【0036】本発明は上述の実施例に限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内においてその
他種々の構成を取り得ることは勿論である。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように本発明のブレーキの
試験装置によれば、電動機によりフライホイールを回動
して車の運動エネルギーを模擬する運動エネルギーを発
生するようにし、このフライホイールの回転運動を伝達
する回転軸上に供試ブレーキを取り付け、この供試ブレ
ーキの制動動作時に供試ブレーキに加わる制動トルクを
トルクメータで測定するようにした試験装置において、
上記フライホイールの回転軸に接続したトルクメータの
回転軸自由端部に供試ブレーキを取り付けるよう構成し
たので、供試ブレーキの試験中試験装置の構成部材に邪
魔されることなく供試ブレーキの挙動を目視でき、供試
ブレーキの試験中の温度分布,変形,鳴き音を直接測定
可能とする効果がある。さらに、試験装置に供試ブレー
キを着脱する作業をするとき、従来のようにトルクメー
タを移動させなくても作業でき、しかも供試ブレーキの
軸線延長方向に作業を邪魔する機器がないので、作業を
迅速かつ容易に実行可能とするという効果がある。
【0038】また、従来の試験装置のようにフライホイ
ールと、トルクメータとの間に供試ブレーキを取り付け
るものではないので、これらの間の軸芯を合わせるため
試験装置の加工,組立を高精度で行うことや、トルクメ
ータを移動可能に構成する必要がないので、試験装置を
安価に製造できるようにするという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブレーキの試験装置を例示する全体正
面図。
【図2】上記実施例の全体平面図。
【図3】上記実施例の要部概略側面図。
【図4】上記実施例のトルクメータ部分を取り出して示
す拡大部分断面図。
【図5】上記実施例のトルクメータ部分の要部拡大側面
図。
【図6】従来のブレーキの試験装置を例示する全体正面
図。
【図7】上記従来例の全体平面図。
【図8】上記従来例の概略側面図。
【図9】上記従来例のトルクメータ部分を示す拡大部分
断面正面図。
【図10】上記従来例のトルクメータ部分を示す拡大部
分断面側面図。
【符号の説明】
1…床 3…直流電動機 6…フライホイール 11…供試ブレーキ 19…ロードセル 20…検出台 24…トルクメータ 30…固定基台 31…支持台 33…揺動フレーム 34…揺動軸受 35…揺動アーム 37…回転軸 38…回転軸受 39…ディスク 40…アタッチメント

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機によりフライホイールを回動して
    車の運動エネルギーを模擬する運動エネルギーを発生す
    るようにし、前記フライホイールの回動運動を伝達する
    回転軸上に供試ブレーキを取り付け、前記供試ブレーキ
    の制動動作時に前記供試ブレーキに加わる制動トルクを
    トルクメータで測定するようにしたブレーキの試験装置
    において、前記フライホイールの回転軸の接続した前記
    トルクメータの回転軸自由端部に前記供試ブレーキを取
    り付けるよう構成したことを特徴とするブレーキの試験
    装置。
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