JPH0726670Y2 - 直流電気動力計の零点調整装置 - Google Patents

直流電気動力計の零点調整装置

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JPH0726670Y2
JPH0726670Y2 JP1989061821U JP6182189U JPH0726670Y2 JP H0726670 Y2 JPH0726670 Y2 JP H0726670Y2 JP 1989061821 U JP1989061821 U JP 1989061821U JP 6182189 U JP6182189 U JP 6182189U JP H0726670 Y2 JPH0726670 Y2 JP H0726670Y2
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利光 高橋
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Description

【考案の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本考案は直流電気動力計の零点調整装置に関する。
B.考案の概要 本考案は直流電気動力計の零点調整を行うための零点調
整装置に係り、ブラシと回転子の整流子間の摩擦抵抗に
よる零点調整誤差を防止すべく、ブラシを整流子から離
反させた後、回転子駆動装置により回転子を正逆両回転
方向に回転させてトルク出力の平均値を求めるようにし
た。
C.従来の技術 動力試験装置には、一般に動力計が用いられている。第
4図には動力試験装置の一例としてエンジンダイナモメ
ータを示してあるが、図示例において動力計1はベッド
2上に浮揚軸受3に揺動子4が揺動自在に支持される一
方、揺動子4に回転子の軸(以下、回転軸)5が回動自
在に支持される構成を採っている。揺動子4の後端には
水平にトルクアーム6が取り付けられ、このトルクアー
ム6の先端とベッド2との間には荷重測定装置たるロー
ドセル7が介装されている。
回転軸5はカップリング8を介してトルクメータ9の軸
トルク検出シャフト(以下、エレメントシャフト)10の
一端に連結しており、更にエレメントシャフト10の他端
がエップリング11を介して被試験機たるエンジン12の出
力軸13に連結している。図中、14はエレメントシャフト
10のエンジン側端部を固定するトルクメータ軸固定手段
たるディスクブレーキである。
このエンジンダイナモメータでは、エンジン12を運転さ
せて動力計1により動力の計測を行うほか、トルクメー
タ9により加減速時などにおける過渡的な軸トルクを計
測するのである。
動力試験装置に用いられる動力計1としては直流電気動
力計(以下、DCダイナモメータ)の他、渦電流式動力計
や交流可変周波数形動力計が知られている。そして、現
在においては駆動運転が可能であり且つ制御性に優れた
DCダイナモメータが主流となっている。
第5図にはDCダイナモメータ1の半断面を示してある。
図中15は回転軸5に一体的に形成されたアーマチェアで
あり、ステータ16が内面に形成された揺動子4のフレー
ム17にベアリング18を介して回転自在に支持されてい
る。また、回転軸5には整流子19が形成されており、こ
の整流子19にブラシホルダ20に納められたブラシ21が押
圧されるようになっている。ブラシホルダ20は、第6図
に示すように、ブラシ21を保持するブラシ箱22やブラシ
21を整流子19に押し付けるブラシスプリング機構23など
から構成されており、フレーム17に絶縁スタッド24を介
して固定されている。
ところで、DCダイナモメータ1では動力を揺動子4の揺
動トルクにより検出するのであるが、試験の回数を重ね
て行くに従い種々の理由により計測誤差が生じる。その
ため、動力試験を正確に行うために動力計1の誤差チェ
ックすなわち検量を適宜行う必要がある。
第7図に斜視で示すように、従来、DCダイナモメータ1
の検量を行う際には、揺動子4の外周左右などに検量ア
ーム25,26を取り付け、その検量アーム25,26の端部に検
量錘を吊り下げる方法をとっていた。図示例では左側の
検量アーム25に検量錘27が吊り下げられ、揺動子4には
反時計回りの回転力が発生している。その結果、ロード
セル7には圧縮方向の模擬荷重Pが作用し、表示盤28の
表示部28aに測定値が表示される。この測定値と模擬荷
重Pに相当する回転トルクとが作用したときに表示部28
aに表示されるべき値(予め算出されている)とを比較
することにより検量が行われる。また、ロードセル7の
引張側の検量は右側の検量アーム26に検量錘27をつりさ
げ、揺動子4に時計回りの回転力を発生させて行う。
D.考案が解決しようとする課題 上述した従来のDCダイナモメータでは、検量を行う際に
以下の問題点があった。
DCダイナモメータ1、特に大容量のものには多数個のブ
ラシ21が用いられる。これらのブラシ21は前述したよう
にブラシホルダ20内のブラシスプリング機構23によって
整流子19に押し付けられており、ブラシ21と整流子19間
には運転中に大きな摩擦力が生じている。そのため、ブ
ラシ21はブラシ箱22内で整流子19すなわち回転軸5の回
転方向に押し付けられた状態となってしまう。そして、
検量時にブラシスプリング機構23を第6図に二点鎖線で
示すように外して付勢力を除いても、ブラシ21が整流子
19から完全には分離されず、多少の摩擦抵抗が残ってし
まうことが多かった。また、整流子19の上方に位置する
ブラシ21は、不勢力がない状態でもその重量のために整
流子21と接触するため、多少の引摺り抵抗を発生させて
しまった。
その結果、エンジン12を接続したまま検量を行う場合に
は、エンジン12内部のフリクションと上記引摺り抵抗に
よってロードセル7に不要な回転トルクが作用し、例え
ば検量アーム25,26に検量錘27を吊り下げないで行う零
点調整においてトルク出力値が零とならずランダムな値
を示すことがあった。
動力試験を高い精度で行うには、試験条件を変える毎に
検量、特に零点調整を行う必要がある。ところが、以上
述べたように従来のDCダイナモメータ1ではその度にエ
ンジン12などの被試験機を外さなければならず、非常に
作業性が悪かった。特に大型の被試験機による多種の動
力試験を引き続いて行いたい場合などには、被試験機の
脱着に要する人工と時間が許容できないほど大きなもの
となっていた。
本考案は上記状況に鑑みなされたもので、被試験機を接
続したままで容易且つ短時間で零点調整を行うことの出
来る零点調整装置を提供することを目的とする。
E.課題を解決するための手段 被試験機に連結されてこの被試験機の動力試験を行う直
流電気動力計の回転軸に連結され、この直流電気動力計
の零点調整のために前記回転軸を正逆両回転方向に駆動
する回転子駆動装置と、この回転子駆動装置と前記直流
電気動力計の回転軸との間に介設され、これらの回転子
駆動装置と回転軸とを前記直流電気動力計の零点調整時
に連結せしめるクラッチとを具えたことを特徴とする直
流電気動力計の零点調整装置を提案するものである。
F.作用 本考案に係る零点調整装置では、被試験機を停止させ、
ブラシスプリング機構とブラシとの係合を外した後、ク
ラッチにより回転子の軸と回転子駆動装置とを連結す
る。次に、回転子をまず正方向に所定の回転角度揺動さ
せた後、一旦停止させてロードセルのトルク出力値を読
み取る。続いて、回転子を今度は逆方向に同一回転角度
揺動させ、この場合も一旦停止させた後ロードセルのト
ルク出力値を読み取る。以上の作業を所定の回数繰り返
してトルク出力値の平均を求め、もってロードセルの零
点補正を行う。
G.実施例 本考案の一実施例を図面に基づき具体的に説明する。
尚、実施例の説明にあたっては前述した従来の例におけ
る部材ど同一の部材に同一の符号を付し、重複する説明
を省略する。
第1図には本考案に係る直流電気動力計の零点調整装置
の一実施例を示し、第2図には第1図中A矢視を示して
ある。また、第3図には第1図中B部拡大断面を示して
ある。
第1図において、DCダイナモメータ1の回転軸5の一端
(トルクメータ9が連結する側と反対側の端部)にはク
ラッチ29を介して回転子駆動装置30が連結している。ク
ラッチ29は第3図に示すように公知の電磁歯形クラッチ
であり、微小なギャップを有して対向した放射状の歯31
a,31bが電磁力により移動・嵌合することにより連結が
行われる。
一方、回転子駆動装置30は、電動モータ32とこの電動モ
ータ32の回転数を減速して出力する減速機33とから構成
されている。尚、実施例における減速機33は数10:1の減
速比を有する内接遊星歯車式のものである。そして、こ
れらクラッチ29と回転子駆動装置30は共に図示しない駆
動制御装置に接続しており、作業者の操作により個々
に、あるいはプログラムに従って自動的に、駆動制御さ
れる。
以下、本実施例の零点調整装置を用いて零点調整を行う
手順を述べる。
本実施例の動力試験装置では、エンジン12およびDCダイ
ナモメータ1の運転を停止した後、ブラシスプリング機
構23を外してブラシ21を整流子19に押し付ける不勢力を
除く。
次いでクラッチ29を駆動して回転子駆動装置30をDCダイ
ナモメータ1の回転軸5に連結し、回転子駆動装置1の
電動モータ32を駆動して、まず、回転軸5を所定角度
(本実施例では10°)反時計方向(以下、正回転方向)
に回転させる。そして、その位置で一端停止させたまま
ロードセル7のトルク出力値を読み取る。本来、この状
態ではトルク出力値が零となるはずであるが、実際には
エンジン12内部のフリクションやブラシ21と整流子19間
の若干の引摺抵抗があるため、圧縮方向の出力信号が検
出される。
次に、今度は回転子駆動装置3零により回転軸5を10°
時計方向(以下、逆回転方向)に回転させる。そして、
再び一端停止させてロードセル7のトルク出力値を読み
取る。この場合も上と同様の理由によりロードセル7か
らの出力信号が検出されるが、こちらは引張方向とな
る。以下、同様に回転軸5を正逆両回転方向に回転させ
ながら出力信号を各々検出し、これらの平均値を算出す
る。
次に、このようにして求められた平均値が零からずれて
いたら、その値をロードセル7のトルク出力値に加算あ
るいは減算する。すなわち、ロードセル7の出力信号を
正回転側あるいは逆回転側にシフトするのである。
このように、回転軸5は正逆両回転方向に揺動するた
め、ブラシ21と整流子19間の引摺抵抗やエンジン12のフ
リクションによるロードセル7のトルク出力値の誤差が
生じても、これらは相殺される。
以上で実施例の説明を終えるが、本考案はこの実施例に
限るものではなく、例えば回転子駆動装置として油圧
(空圧)シリンダなどを用いてもよいし、本考案をシャ
シダイナモメータやブレーキダイナモメータなど、エン
ジンダイナモメータ以外の動力試験機に適用してもよ
い。
H.考案の効果 本考案に係る直流電気動力計の零点補正装置によれば、
回転軸を正逆両回転方向に揺動させながら零点補正を行
うようにしたため、ブラシと整流子間の引摺抵抗や被試
験機のフリクションがロードセルのトルク出力値に影響
を及ぼさなくなった。その結果、正確な零点調整が容易
に行えるようになると共に、同一の被試験機に対し多種
の動力試験を連続して行うことが可能となり試験に要す
る人工や時間を大幅に削減されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る直流電気動力計の零点調整装置の
一実施例を示す正面図であり、第2図は第3図はそれぞ
れ、第1図中A矢視図と第1図中B部拡大断面図であ
る。また、第4図は従来の動力試験装置を示す正面図で
あり、第5図はDダイナモメータの半断面図である。そ
して、第6図はブラシホルダの拡大図であり、第7図は
検量方法を示す斜視図である。 図中、 1はDダイナモメータ、4は揺動子、5は回転軸(回転
子の軸)、7はロードセル、12はエンジン(被試験
機)、20はブラシホルダ、21はブラシ,29はクラッチ、3
0は回転子駆動装置、32は減速機、33は電動モータであ
る。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】被試験機に連結されてこの被試験機の動力
    試験を行う直流電気動力計の回転軸に連結され、この直
    流電気動力計の零点調整のために前記回転軸を正逆両回
    転方向に駆動する回転子駆動装置と、 この回転子駆動装置と前記直流電気動力計の回転軸との
    間に介設され、これらの回転子駆動装置と回転軸とを前
    記直流電気動力計の零点調整時に連結せしめるクラッチ
    とを具えたことを特徴とする直流電気動力計の零点調整
    装置。
JP1989061821U 1989-05-30 1989-05-30 直流電気動力計の零点調整装置 Expired - Lifetime JPH0726670Y2 (ja)

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JPH032230U JPH032230U (ja) 1991-01-10
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JP4653359B2 (ja) * 2001-08-28 2011-03-16 本田技研工業株式会社 車輪の横力測定方法
EP2397832A3 (en) * 2010-06-21 2016-12-21 Horiba, Ltd. Automatic torque calibration device

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5779728U (ja) * 1980-11-04 1982-05-17

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