JPH0694532B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH0694532B2
JPH0694532B2 JP16018086A JP16018086A JPH0694532B2 JP H0694532 B2 JPH0694532 B2 JP H0694532B2 JP 16018086 A JP16018086 A JP 16018086A JP 16018086 A JP16018086 A JP 16018086A JP H0694532 B2 JPH0694532 B2 JP H0694532B2
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ethylene
vinyl
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起一 米谷
啓夫 唐沢
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は成形品外観、耐熱性、耐衝撃性などの機械的性
質に優れると共に成形性、寸法精度および耐薬品性が良
好な樹脂組成物に関する。
<従来の技術> ポリブチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレ
ートに代表される芳香族ポリエステルは機械的性質、電
気的性質、耐溶剤性などが優れているため、自動車部
品、電気・電子部品およびその他の機械部品などの用途
に広く使用されている。しかしながら、芳香族ポリエス
テルは加重下の熱変形温度が低い、成形収縮率および線
膨脹率が大きいなどの問題があるため、高温下で加重が
加わる用途や寸法精度を要求される用途にはそのままで
は適用できない。このためガラス繊維などの強化剤を充
填する方法が提案されているが、成形品外観が劣る、あ
るいはソリを生じるなどの欠点を有しているため、自動
車外板材料など、外観や形状に対する要求が厳しい用途
には適用できないという問題があった。
一方、ポリフェニレンエーテルは耐熱性などの優れた樹
脂であるが、高い軟化点を有しているため溶融加工が困
難である、あるいは溶融加工中に分解してしまうなどの
欠点があった。このため通常スチレン系樹脂を配合して
使用されているが、この場合には耐熱性が低下すると共
に元来あまり良好ではないポリフェニレンエーテルの耐
溶剤性が一層低下してしまうという問題があった。
このため、さらにポリフェニレンエーテルに対してポリ
エステルを添加する方法(特開昭49−50050号公報)、
ポリブチレンテレフタレートに対して重合度10以上のポ
リフェニレンエーテルをブレンドする方法(特開昭49−
75662号公報)、ポリエチレンテレフタレートに対して
ポリフェニレンエーテルをブレンドする方法(特開昭59
−159847号公報)などが提案されている。
<発明が解決しようとする問題点> 確かに上記の方法によってポリフェニレンエーテルにつ
いては成形性が、芳香族ポリエステルについては加重下
での熱変形温度が改良されるものの、通常の重合度を有
するポリフェニレンエーテルと芳香族ポリエステルとを
ブレンドしたのみでは良分散せず、成形品外観および耐
衝撃性などの機械的性質の良好な樹脂は得られなかっ
た。
<問題点を解決するための手段> そこで本発明者らは上記の問題点を解決するため鋭意検
討した結果、特定の重合度を有するポリフェニレンエー
テルと特定のビニル系重合体を芳香族ポリエステルに共
重合せしめてなる共重合ポリエステルを特定割合で混合
せしめることにより、相溶性が良好で成形品外観、耐熱
性および機械的性質が優れ、さらには成形性、寸法精
度、耐薬品性が良好な樹脂組成物が得られることを見い
出し本発明に到達した。
すなわち本発明は (A)一般式 (ただし、式中R1〜R4は各々、水素、ハロゲン、炭化水
素基、置換炭化水素基、シアノ基、アルコキシ基、フェ
ノキシ基またはニトロ基である。)で表わされる繰り返
し単位を有する25℃のクロロホルム中で測定した極限粘
度が0.10〜0.80dl/gのポリフェニレンエーテル5〜95重
量%および (B)芳香族ポリエステルに対して芳香族ビニル化合
物、シアン化ビニル化合物およびα、β−不飽和酸エス
テル系単量体からなる群から選択される一種または二種
以上から誘導されるビニル系重合体を3〜60重量%共重
合せしめてなる25℃のオルトクロロフェノール中で測定
した還元粘度が0.8〜2.5dl/gである共重合ポリエステル
5〜95重量%からなる樹脂組成物を提供するものであ
る。
本発明において使用するポリフェニレンエーテル(A)
とは前記一般式(I)で表わされる繰り返し単位を有す
るものであり、25℃のクロロホルム中で測定した極限粘
度が0.10〜0.80dl/gの重合体である。
R1〜R4の具体例としては水素、塩素、臭素、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、アリル、ブチル、フェ
ニル、ベンジル、メチルベンジル、クロルメチル、シア
ノエチル、シアノ、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、
ニトロなどの基が挙げられる。
具体的な重合体の例としてはポリ−1,4−フェニレンエ
ーテル、ポリ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテ
ル、ポリ−2,6−ジエチル−1,4−フェニレンエーテル、
ポリ−2,6−ジプロピル−1,4−フェニレンエーテル、ポ
リ−2−メチル−6−アリル−1,4−フェニレンエーテ
ル、ポリ−2,6−ジメトキシ−1,4−フェニレンエーテ
ル、ポリ−2,6−ジクロルメチル−1,4−フェニレンエー
テル、ポリ−2,5−ジメチル−フェニレンエーテル、ポ
リ−2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンエーテ
ル、ポリ−2,6−ジブロムメチル−1,4−フェニレンエー
テル、ポリ−2,6−ジクロル−1,4−フェニレンエーテ
ル、ポリ−2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテ
ル、ポリ−2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン
エーテル、ポリ−2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンエ
ーテルおよびポリ−2,6−ジトリル−1,4−フェニレンエ
ーテルなどが挙げられ、中でもポリ−2,6−ジメチル−
1,4−フェニレンエーテルおよび2,3,6−トリメチル−1,
4−フェニレンエーテル単位を共重合したポリ−2,6−ジ
メチル−1,4−フェニレンエーテルが最も好ましい。
本発明において使用するポリフェニレンエーテルは25℃
のクロロホルム中で測定した極限粘度が好ましくは0.10
〜0.80dl/g、より好ましくは0.15〜0.80dl/g、最も好ま
しく0.20〜0.60dl/gの範囲にある必要がある。ポリフェ
ニレンエーテルの極限粘度が0.10dl/g未満の場合には樹
脂組成物の機械的性質が不良となり、一方0.80dl/gを越
えた場合には分散不良のためにやはり機械的性質が低下
し、本発明の目的を達成することができない。
本発明におけるポリフェニレンエーテルは種々の方法で
製造できるが、例えば一般式 で示されるフェノールをFe、Mn、Co、Cuなどの金属種を
含む触媒の存在下に、酸素を含むガスを導入することに
よって酸化し、重合する方法が挙げられる。
本発明で使用するポリフェニレンエーテルには他の重合
体が50重量%以下、好ましくは30重量%以下ブレンドお
よび/またはグラフトされていてもよい。このような重
合体としてはポリカーボネート、ポリスルホン、ポリア
ミド、ポリオレフィン、ビニル系重合体、ゴム質重合体
などであり、一種または二種以上併用してもよい。これ
らのうち特にビニル系重合体およびゴム質重合体が好ま
しい。
本発明において特に好ましくは使用できるビニル系重合
体としては芳香族ビニル系単量体、α、β−不飽和酸エ
ステル系単量体およびシアン化ビニル系単量体の少なく
とも一種を重合してなる重合体などが挙げられる。ビニ
ル系重合体の形成成分である芳香族ビニル系単量体とし
ては次の一般式(II)で示されるものなどが好ましく挙
げられる。
(ただし、式中のR5〜R7は各々水素原子、炭素数1〜10
の炭化水素基、ハロゲンから選択されるものであり、Ar
は炭素数6〜24の芳香族基、Xは水素原子、炭素数1〜
20の炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ハロゲ
ン、−CN、−NO2、−NH2、−SO2、M(Mはアルカリま
たはアルカリ土類金属)、nは1〜5の整数である。) 芳香族ビニル系単量体としてはスチレン系単量体が好ま
しく、具体的にはスチレン、α−メチルスチレン、β−
メチルスチレン、α、β−ジメチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレ
ン、2,5−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、
2,4,6−トリメチルスチレン、p−エチルスチレン、p
−イソプロピルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、
p−クロルスチレン、2,5−ジクロルスチレン、p−ブ
ロムメチルスチレン、p−フルオロスチレン、p−メト
キシスチレン、p−アセトキシスチレン、p−シアノス
チレンおよびp−ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム
などが挙げられるが、スチレンおよびα−メチルスチレ
ンが最も好ましく使用できる。
また、α、β−不飽和酸エステル系単量体としては次の
一般式(III)で示されるものなどが挙げられる。
(ただし、式中R8はエチレン系不飽和結合を1個有する
炭化水素基であり、R9は炭素数15までのアルキル基であ
る。) 上記一般式(III)においてR8はビニル、メタリル、2
−ブテニルが好ましく、R9はメチル、エチル、プロピ
ル、ブチルが好ましい。
α、β−不飽和酸エステル系単量体の具体例としてはア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸ブチルおよびエタクリル
酸メチルなどが挙げられるが、メタクリル酸メチルが最
も好ましく使用できる。
シアン化ビニル系単量体としては次の一般式(IV)で示
されるものが好ましく使用できる。
R8−CN …………(IV) (ただし、式中R8は(III)式の説明と同じである。) このシアン化ビニル系単量体としてはアクリロニトリル
およびメタクリロニトリルが好ましく使用できる。
上記ビニル系重合体はゴム質重合体を含有していてもよ
い。このようなゴムとはブタジエン、イソプレン、ピペ
リレン、クロロプレンなどの少なくとも一種からなるジ
エン系ゴム、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン
ブロック共重合体、エチレン/プロピレン/ジエン共重
合体、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、
エチレン/アクリル酸(またはその誘導体)共重合体、
エチレン/酢酸ビニル共重合体およびイソブチレン/イ
ソブレン共重合体などが挙げられる。また、これらのゴ
ム質重合体は単独でポリフェニレンエーテルにブレンド
することもできる。
ビニル系重合体の好ましい例としてはポリスチレン、ス
チレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/α−メ
チルスチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/
メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニト
リル/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリ
ロニトリル/アクリル酸メチル共重合体、ポリメタクリ
ル酸メチルなどおよびこれらにポリブタジエンをグラフ
トした共重合体などが挙げられる。
本発明で用いる共重合体ポリエステル(B)とは芳香族
ポリエステルに対して芳香族ビニル単量体、シアン化ビ
ニル単量体およびα、β−不飽和酸エステル系単量体か
らなる群から選択される一種または二種以上から誘導さ
れるビニル系重合体を3〜60重量%共重合せしめてなる
25℃のオルトクロロフェノール中で測定した還元粘度が
0.8〜2.5dl/gのポリエステルであり、芳香族ジカルボン
酸(あるいは、そのエステル形成性誘導体)とジオール
(あるいはそのエステル形成性誘導体)およびビニル系
重合体とを主成分とする縮合反応により得られる共重合
体である。通常、このような共重合体は、見かけ上芳香
族ポリエステルとビニル系重合体とのブロック共重合体
あるいははくし型グラフト共重合体となる。
ここでいう芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、
イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボ
キシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,
4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエー
テルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−
4,4′−ジカルボン酸あるいはそのエステル形成誘導体
などが挙げられる。
なお酸成分として40モル%以下であれば、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸などの脂
肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジ
カルボン酸およびそれらのエステル形成誘導体などの芳
香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸で置換してもよ
い。
またジオール成分としては炭素数2〜10の脂肪族ジオー
ルすなわちエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカ
メチレンジグリコール、シクロヘキサンジオールンな
ど、あるいは分子量400〜6,000の長鎖グリコール、すな
わち、ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどおよ
びそれらの混合物などが挙げられる。
共重合ポリエステルにおける芳香族ポリエステル部分の
好ましい具体例としてはポリエチレンテレフタレート、
ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシク
ロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン
−2,6−ナフタレートなどが挙げられるが、中でも適度
の機械的強度を有するポリブチレンテレフタレートおよ
びポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。
ビニル系重合体とは、芳香族ビニル単量体、シアン化ビ
ニル単量体およびα、β−不飽和酸エステル系単量体か
らなる群から選択される一種または二種以上から誘導さ
れるビニル系重合体において、末端基がカルボキシル
基、アルコール性水酸基またはそれらのエステル形成性
誘導体からなるものである。このような芳香族ビニル単
量体、シアン化ビニル単量体、α、β−不飽和酸エステ
ル系単量体、ビニル系重合体としては、ポリフェニレン
エーテル(A)の項に記載したものが使用できる。
好ましいビニル系重合体としてはポリスチレン、スチレ
ン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/α−メチル
スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/メタ
クリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル
/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニ
トリル/アクリル酸メチル共重合体、ポリメタクリル酸
メチル、ポリアクリル酸ブチル、ブタジエン/スチレン
ブロックコポリマー、スチレン/アクリル酸ブチル重合
体であり、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル
共重合体が特に好ましい。ビニル系重合体の分子量は50
0〜50,000が好ましく、1,0000〜20,000がより好まし
く、2,000〜10,000が特に好ましい。
本発明において、ビニル系重合体は通常、分子鎖末端に
エステル結合形成性の官能基を導入して用いられる。エ
ステル結合形成性のビニル系重合体の末端基としては、
2官能性のカルボキシル基またはアルコール性水酸基が
片方の末端にあるもの、あるいは1官能性のカルボキシ
ル基、アルコール性水酸基が両末端にあるものが挙げら
れ、2官能性のアルコール性水酸基が片方の末端にある
ものが特に好ましい。
ビニル系重合体の重合方法および末端基の導入方法は特
に限定されないが、α−チオグリセロール、メルカプト
コハク酸などの水酸基やカルボキシル基を有する連鎖移
動剤の存在下、ラジカル重合する方法、アニオンリビン
グ重合後、エピクロヒドリンで末端停止する方法などが
挙げられる。
ビニル系重合体の共重合量は、共重合ポリエステルに対
して3〜60重量%であり、5〜50重量%が好ましく、10
〜30重量%がより好ましい。ビニル系重合体の共重合量
が3重量%未満の場合、ポリフェニレンエーテルに対す
る分散性が不良となり、一方60重量%を越えた場合には
耐溶剤性が不良となるためいずれも好ましくない。
本発明における共重合ポリエステルの製造に際しては通
常公知のポリエステルの重合方法が適用できる。例えば
(i)芳香族ジカルボン酸またはそのジメチルエステ
ル、ジオール、エステル結合形成性のビニル系重合体お
よび必要に応じて他のモノマなどを、触媒の存在下でエ
ステル化またはエステル交換せしめた後、高真空下で重
縮合せしめる方法、(ii)芳香族ジカルボン酸またはそ
のジメチルエステルとジオールとをエステル化またはエ
ステル交換反応せしめることにより芳香族ジカルボン酸
のジオールエステルまたはその低重縮合物を生成せしめ
た後、エステル結合形成性のビニル系重合体を添加、高
真空下で共重合せしめる方法、(iii)エステル結合形
成性のビニル系重合体存在下、芳香族ポリエステルをジ
オールにより解重合せしめた後、高真空下で重縮合せし
める方法などが挙げられる。
本発明の共重合ポリエステル(B)は25℃のオルトクロ
ロフェノール中で測定した還元粘度が0.8〜2.5dl/g、好
ましくは1.0〜2.0dl/gの範囲にある必要がある。共重合
ポリエステルと還元粘度が0.8dl/g未満の場合、ポリフ
ェニレンエーテルと均一に混合しないため機械的性質が
低く、一方2.5dl/gを越えた場合には成形性が不良とな
りいずれも好ましくない。
本発明組成物におけるポリフェニレンエーテル(A)と
共重合ポリエステル(B)の混合割合(A)/(B)は
重量比で95/5〜5/95、好ましくは85/15〜15/85、より好
ましくは70/30〜30/70である。ポリフェニレンエーテル
の添加量が5重量%未満の場合、熱変形温度の低い樹脂
しか得られず、一方95重量%を越えた場合には耐溶剤性
および成形性が不良となりいずれも好ましくない。
本発明組成物に対し特定の衝撃改良剤をさらに含有せし
めた場合には、耐衝撃性および成形性が一層改良される
という特徴がある。このような衝撃改良剤は下記(i)
〜(iii)から選択される一種または二種以上である。
(i)α−オレフィンとエポキシ基含有不飽和単量体と
からなるエポキシ基含有共重合体 (ii)エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンからな
る未変性エチレン系共重合体に対し、0.01〜10重量%の
不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト反応させ
て得た変性エチレン系共重合体 (iii)共役ジエンの水添重合体または共役ジエンと芳
香族ビニル炭化水素の水添共重合体に対し0.01〜10重量
%の不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトして
得た変性オレフィン系重合体 上記(i)のエポキシ基含有共重合体はα−オレフィン
とエポキシ基含有不飽和単量体とを用いて高圧ラジカル
重合法、溶液重合法、乳化重合法などの公知の方法で製
造することができる。
α−オレフィンとしてはエチレン、プロピレン、ブテン
−1などであり、エチレンが好ましく使用できる。
また、エポキシ基含有飽和単量体としてはアリルグリシ
ジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテルな
どのグリシジルエーテル類および下記一般式のグリシジ
ルエステル類が挙げられる。
(式中、Rは水素原子、低級アルキル基あるいはグリシ
ジルエステル基で置換された低級アルキル基である。) グリシジルエステルの具体例としてはアクリル酸グリシ
ジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジ
ル、イタコン酸グリシジルなどである。好ましいエポキ
シ基含有不飽和単量体としてはメタクリル酸グリシジル
およびアクリル酸グリシジルが挙げられる。
エポキシ基含重合体におけるエポキシ基含有不飽和単量
体の共重合量は0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量
%の範囲が適当である。
また、さらに40重量%以下であれば上記の共重合体と共
重合可能な不飽和モノマすなわちビニルエーテル類、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル
類、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアクリル
酸およびメタクリル酸エステル類、アクリロニトリル、
スチレン、一酸化炭素などを一種以上共重合せしめても
よい。
エポキシ基含有共重合体の好ましい例として、エチレン
/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/ビニ
ルアセテート/グリシジルメタクリルレート共重合体、
エチレン/メタクリル酸メチル/グリシジルメタクリレ
ート共重合体、エチレン/グリシジルアクリレート共重
合体、エチレン/ビニルアセテート/グリシジルアクリ
レート共重合体、エチレン/グリシジルエーテル共重合
体などが挙げられ、中でもエチレン/グリシジルメタク
リレート共重合体が最も好ましい。
本発明においてエポキシ基含有共重合体を使用する場
合、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンよりなる
エチレン系重合体および/またはエチレン、炭素数3以
上のα−オレフィンおよび非共役ジエンからなるジエン
系共重合体を併用すれば、耐衝撃性をより改良すること
ができる。これらの共重合体の具体例としてはエチレン
/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合
体、エチレン/ペンテン−1共重合体、エチレン/プロ
ピレン/ブテン−1共重合体、エチレン/プロピレン/5
−エチリデン−2−ノルボーネン共重合体、エチレン/
プロピレン/1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン/プ
ロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体などであり、
中でもエチレン/プロピレン共重合体およびエチレン/
ブテン−1共重合体が好ましい。
前記エチレン系共重合体またはジエン系共重合体におけ
るエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの共重合比
(モル比)は40/60〜99/1、好ましくは70/30〜95/5であ
る。また、ジエン系共重合体における非共役ジエンの量
は0.1〜10モル%、好ましくは0.5〜5モル%である。
上記のエチレン系共重合体またはジエン系共重合体の添
加量はポリフェニレンエーテルと共重合ポリエステルの
総和100重量部に対して1〜30重量部、好ましくは2〜2
0重量部であり、エポキシ基含有共重合体との合計量が4
0重量部以下であることが好ましい。
なお、エポキシ化合物とカルボン酸との反応を促進する
化合物をさらに添加する場合には耐衝撃性を一層改良で
きるという効果が得られる。これらの化合物としては、
トリフェニルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノ
メチル)フェノールなどの3級アミン、トリフェニルホ
スファイト、トリイソデシルホスファイトなどの亜リン
酸エステル、トリフェニルアリルホスホニウムブロマイ
ドなどのホスホニウム化合物、トリフェニルホスフィン
などの3級ホスフィン、ステアリン酸リチウム、ステア
リン酸カルシウムなどのカルボン酸金属塩、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、3,5−ジカルボメトキシ
ベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸金属
塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどの硫酸エステル塩など
が挙げられ、本発明組成物あたり0.0001〜5重量部添加
されるのが好ましい。
また、前記(iii)に変性エチレン系共重合体は、エチ
レンと炭素数3以上のα−オレフィンからなる未変性エ
チレン系共重合体に対し、0.01〜10重量%の不飽和カル
ボン酸またはその誘導体をグラフト反応させて得ること
ができる。
未変性エチレン系共重合体における炭素数3以上のα−
オレフィンとは、好ましくはプロピレン、ブテン−1、
ペンテン−1,3−メチルペンテン−1、オクタセン−1
などであり、プロピレンおよびブテン−1がさらに好ま
しく、これらは二種以上併用して使用できる。また、未
変性エチレン系共重合体においては、さらに非共役ジエ
ンが共重合されていてもよい。
これらの非共役ジエンとは、好ましくは5−メチリデン
−2−ノルボーネン、5−エチリデン−2−ノルボーネ
ン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどが
使用できる。
非共役ジエンを含有しない場合、エチレンと炭素数3以
上のα−オレフィンの共重合比は40/60〜99/1(モル
比)、好ましくは70/30〜95/5(モル比)である。
非共役ジエンを含有するエチレン系共重合体における炭
素数3以上のα−オレフィンの共重合量は5〜80モル
%、好ましくは20〜60モル%であり、非共役ジエンの共
重合量は0.1〜20モル%、好ましくは0.5〜10モル%であ
る。
また、未変性エチレン系共重合体の結晶化度は好ましく
は60%以下、特に35%以下の範囲であることが好まし
い。60%よりも結晶化度が高いと芳香族ポリエステルの
耐衝撃性の改良効果が小さい傾向がある。ここにおいて
結晶化度はジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス第
18巻(1955年)17〜26頁の記載に従いX線法で測定した
値である。
未変性エチレン系共重合体の具体例としては、エチレン
/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合
体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重
合体、エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノル
ボーネン共重合体などが好ましく挙げられ、中でも非共
役ジエンを含有しないエチレン/プロピレン共重合体お
よびエチレン/ブレン−1共重合体が耐熱性がよく、よ
り好ましく使用できる。
前記の未変性エチレン系共重合体にグラフト反応させて
変性エチレン系共重合体を得る不飽和カルボン酸として
は、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル
酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、
シトラコン酸、ブテンジカルボン酸などである。また、
それらの誘導体としてはアルキルエステル、グリシジル
エステル、酸無水物またはイミドなどが挙げられ、これ
らの中で、グリシジルエステル、酸無水物、イミドが好
ましい。
不飽和カルボン酸またはその誘導体の好ましい具体例と
しては、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジ
ル、イタコン酸ジグリシジルエステル、シトラコン酸ジ
グリシジルエステル、ブテンジカルボン酸ジグリシジル
エステル、ブテンジカルボン酸モノグリシジルエステ
ル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン
酸、マレイン酸イミド、イタコン酸イミド、シトラコン
酸イミドなどであり、特に、メタクリル酸グリシジル、
無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸イミドが
好ましく使用できる。これらの不飽和単量体は二種以上
を併用してもよい。
不飽和単量体のグラフト反応量は、0.01〜10重量%が好
ましく、特に0.05〜5重量%であることが好ましい。不
飽和単量体のグラフト反応量が0.01重量%未満の場合に
は耐衝撃性の改善が十分でなく、10重量%を越えた場合
には、芳香族ポリエステルの耐熱性が損なわれるなどい
ずれの場合も好ましくない。なお、ここでいうグラフト
反応とは、不飽和カルボン酸またはその誘導体が未変性
エチレン系共重合体と化学的に結合することを意味す
る。
変性エチレン系共重重合体の製造は、通常の方法、例え
ば、未変性エチレン系共重合体に不飽和カルボン酸また
はその誘導体を添加して、150〜300℃で溶融混練すると
によって容易に製造することができる。溶融混合する場
合の装置としては、スクリュー押出機、バンバリーミキ
サーなどを用いることができる。さらに溶融混合する際
に、有機過酸化物を未変性エチレン系共重合体に対して
0.001〜0.1重量%使用すれば、より効率的にグラフト反
応を生じさせることができる。このような有機過酸化物
としては分子量200以上のものが好ましい。
具体的には、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−
tert−ブチルパーオキサイド、ジグミルパーオキサイ
ド、2.5−ジメチル−2.5−ジ−(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2.5−ジメチル−2.5−ジ(tert−ブチル
パーオキシ)ヘキシン−3、α、α′−ジ(tert−ブチ
ルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンなどである。
前記(iii)の変性オレフィン系共重合体は、共役ジエ
ンの水添重合体、または共役ジエンと芳香族ビニル炭化
水素の水添共重合体に対し、0.01〜10重量%の不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体をグラフトして得ることがで
きる。
共役ジエンの水添重合体とは、一種以上の共役ジエン単
量体に由来する重合体すなわち単一の共役ジエン例えば
1,3−ブタジエンの単独重合体あるいは二種またはそれ
以上の共役ジエン例えば1,3−ブタジエン、イソプレン
(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,
3−ブタジエン、1,3−ブタジエンおよび1,3−ペンタジ
エンの共重合体の不飽和含量の少なくとも80%が水添に
より還元されているものをさす。
また、共役ジエンと芳香族ビニル炭化水素の水添共重合
体とは共役ジエンと芳香族ビニル炭化水素との比がさま
ざまのブロック共重合体またはランダム共重合体の不飽
和含量の少なくとも80%が水添により還元されているも
のをさす。この場合、共役ジエンと芳香族ビニル炭化水
素とのブロック共重合体が好ましく用いられる。なお、
芳香核の二重結合の水添により還元される比率は10%以
下が好ましい。
水添共重合体の原料として用いる共役ジエンとしては、
1,3−ブタジエン、イソプレン(2,3−ジメチル−1,3−
ブタジエン)、1,3−ペンタジエンなどであり、1,3−ブ
タジエン、イソプレンが好ましく使用でき、芳香族ビニ
ル炭化水素としては、スチレン、α−メチルスチレン、
o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1,3−ジメ
チルスチレン、ビニルナフタレンなどでありスチレンが
好ましく使用できる。
前記水添重合体および水添共重合体のうち好ましい具体
例は水添ポリブタジエン、スチレン/ブタジエン/スチ
レントリブロック水添共重合体、スチレン/イソプレン
/スチレントリブロック水添共重合体などであり、中で
も耐熱性の点からスチレン/ブタジエン/スチレントリ
ブロック水添共重合体がより好ましく用いられる。
前記の共役ジエンの水添共重合体および共役ジエンと芳
香族ビニル炭化水素の水添共重合体にグラフト反応させ
て変性共役ジエン水添重合体および変性共役ジエン/芳
香族ビニル炭化水素水添共重合体を得る不飽和カルボン
酸およびその誘導体としては、(ii)の変性エチレン系
共重合体の項で挙げた化合物が同様に使用できる。
変性オレフィン系重合体の製造は、例えば未変性の水添
重合体あるいは水添共重合体に不飽和カルボン酸または
その誘導体を添加して、150〜300℃で溶融混練すること
によって容易に製造することができる。溶融混合する場
合の装置としては、スクリュー押出機、バンバリーミキ
サーなどを用いることができる。
このグラフト反応は、水添重合体あるいは共重合体中の
残存不飽和結合と不飽和カルボン酸あるいはその誘導体
とのいわゆる“エン”反応により進行するものと考えら
れる。従って高い水添率で水添を行って得られた水添重
合体あるいは水添共重合体を用いる場合は、溶融混合す
る際に有機過酸化物を水添重合体あるいは水添共重体に
対して0.001〜0.1%使用することでグラフト反応を効率
的に生じさせることができる。このような有機過酸化物
としては(ii)の変性エチレン系共重合体の項で記載し
た化合物と同様のものが使用できる。
本発明でさらに使用することができる衝撃改良剤(i)
〜(iii)のメルトフローレート(以下MFRと略す)は、
0.1〜200の範囲にあることが好ましくは、より好ましく
は1〜100、さらに好ましくは2〜50の範囲である。MFR
が前記範囲を外れた場合には耐衝撃性の改良効果が小さ
くなる傾向がある。ここでMFRはASTM D1238(190℃で
測定)に従って求めた値であり、単位g/10分である。
本発明において衝撃改良剤(i)〜(iii)を添加する
場合の量は各々、また二種以上併用した場合の総量共
に、ポリフェニレンエーテルと共重合ポリエステルとの
総和100重量部に対して、1〜60の重量部、好ましくは
3〜40重量部、より好ましくは5〜30重量部が適当であ
る。
なお、本発明組成物に対して、本発明の目的を損なわな
い範囲で、繊維状および粒状の充填剤および強化剤(例
えばガラス繊維、炭素繊維、アスベスト、石コウ繊維、
ワラステナイト、マイカ、クレー、タルク、アルミナ、
酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラスビ
ーズ、ガラスフレークなど)、酸化防止剤および熱安定
剤(例えばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、チオ
エーテル、ホスファイト類およびこれらの置換体および
その組み合わせを含む)、紫外線吸収剤(例えば種々の
レゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、
ベンゾフェノンなど)、滑剤および離型剤(例えばステ
アリン酸及およびその塩、モンタン酸およびその塩、ハ
ーフエステル、エステルなど)、染料および顔料(例え
ば硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブロック
など)を含む着色剤、難燃剤(例えばデカブロモジフェ
ニルエーテル、臭素化ポリカーボネートのようなハロゲ
ン系、メラミンあるいはシアヌル酸系、リン系など)、
難燃助剤(例えば酸化アンチモンなど)、帯電防止剤
(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ
アルキレングコールなど)、可塑剤(例えばリン酸トリ
フェニルなどのリン酸エステル、フタル酸エステル、安
息香酸エステルなど)、結晶化促進剤などの通常の添加
剤を一種以上添加することができる。また他の熱可塑性
樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ABS樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリアミ
ド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリスルホ
ン、ポリエステルエラストマーなど)を一種以上添加し
てもよい。
本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが好
ましくはポリフェニレンエーテル、共重合ポリエステル
および必要に応じて他の添加剤を250〜320℃、より好ま
しくは270〜310℃で溶融混合する方法が挙げられる。溶
融混合をこのような温度範囲で行うことにより各成分の
分散が良好となり、機械的性質も優れた樹脂組成物が得
られる。
溶融混合する装置としては混合ロール、バンバリーミキ
サー、ニーダー、押出機などが挙げられ、中でも押出機
が好ましく使用できる。押出機としては単軸または2軸
以上のスクリューを有するもののいずれも使用可能であ
るが、特に2軸押出機を使用するのが好ましい。
本発明の樹脂組成物から成形品を得る場合、射出成形、
押出成形、ブロー成形などの通常の方法が適用可能であ
り、得られた成形品は良好な性能を発揮する。
<実施例> 以下実施例によって本発明を詳述する。
なお、実施例中の部は重量部を示す。
<参考例1> テレフタル酸83部、1,4−ブタンジオール72部でおよび
触媒としてチタン酸テトラ−n−ブチル0.04部を精留塔
を備えたエステル化缶に仕込み、常圧で160〜210℃、3
時間30分反応させ、連続的に留出液を留出し、エステル
化反応を終了させた。この反応生成物を重合缶に移行し
た後、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル、連鎖
移動剤としてα−チオグリセロールを用いて重合して得
た片末端に2官能性のアルコール性水酸基を有するスチ
レン/アクリロニトリル(85/15重量比)共重合体(数
平均分子量3,000)20部およびチタン酸テトラ−n−ブ
チル0.04部を添加し、0.3mmHgの圧力下250℃で3時間重
合反応を行い、ポリマを水中に吐出し、チップ化乾燥し
た。得られた共重合ポリエステルの還元粘度は1.20dl/g
(A)であった。
<参考例2> ジメチルテレフタレート97部、エチレングリコール69
部、酢酸カルシウム一水塩0.07部および三酸化アンチモ
ン0.05部をオートクレーブに仕込み、窒素気流下でエス
テル交換反応を行い生成するメタノールを留出後、リン
酸トリメチル0.05部を添加し重合缶に移行した。さらに
開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル、連鎖移動剤
としてα−チオグリセロールを用いて得た片末端に2官
能性のアルコール性水酸基を有するポリスチレン(数平
均分子量約5,000)15部添加後、0.2mmHgの圧力下275℃
で3時間重合反応を行い、ポリマを水中に吐出し、チッ
プ化乾燥した。得られた共重合ポリエステルの還元粘度
は1.05dl/g(B)であった。
<参考例3〜4> 参考例1と同様にして表1記載の各種の共重合ポリエス
テルを得た(CおよびD)。
実施例1〜6、比較例1〜4 極限粘度が0.58のポリ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテルおよび表1記載の共重合ポリエステルを表2
に示した割合でドライブレンド後、表2に示した温度条
件で、30mmφ2軸押出機(L/D=28)を用いて溶融混合
した。得られたペレットについてスクリューインライン
型射出成形機を使用して表2に示した溶融混合温度より
15℃低い温度で成形を行い、SATMの1号ダンベル、1/
4″幅の熱変形温度測定用試験片および1/8″幅のモール
ドノッチ付アイゾット衝撃試験変を得た。このときに金
型内に樹脂を充填するのに必要な最小圧力である成形下
限圧(ゲージ圧)を測定した。1号ダンベルを用いて外
観観察を行うと共に成形収縮率および引張物性を求め
た。
また、23℃のガソリン中に7日間浸漬後、引張試験を行
い引張強さおよびその保持率を求めた。さらに熱変形温
度測定用試験片を用いて4.6kg/cm2荷重下の熱変形温度
を求めた。
これらの結果を表2に示す。
第2の結果から明らかなようにポリフェニレンエーテル
と特定のビニル系重合体を共重合せしめてなる共重合ポ
リエステルを特定割合で混合せしめた本発明の組成物
は、成形品外観、引張強さ、破断伸び、アイゾット衝撃
強さに代表される機械的性質、成形下限圧に代表される
成形流動性、成形収縮率に代表される寸法精度および引
張強さの保持率に示されるような耐薬品性が良好であ
る。
実施例7〜13 実施例2に対してさらに表3に示した各種の衝撃改良剤
を添加する他は、実施例2と同様にして溶融混合、射出
成形、特性評価を行った。結果を表4に示す。
表4の結果から明らかなようにポリフェニレンエーテル
と特定のビニル系共重合体を共重合せしめてなる共重合
ポリエステルとに対して、さらに特定の衝撃改良剤を併
用せしめた場合、成形品外観、成形流動性、寸法精度、
耐薬品性が良好であると共に耐衝撃性が大幅に向上する
ことがわかる。
<発明の効果> 本発明の樹脂組成物からの成形品は成形品外観、耐熱性
および耐衝撃性などの機械的性質が良好であると共に、
さらには成形性、寸法精度および耐薬品性に優れ、自動
車外板材料などとして有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式 (ただし、式中R1〜R4は各々、水素、ハロゲン、炭化水
    素基、置換炭化水素基、シアノ基、アルコキシ基、フェ
    ノキシ基、またはニトロ基である。)で表わされる繰り
    返し単位を有する25℃のクロロホルム中で測定した極限
    粘度が0.10〜0.80dl/gのポリフェニレンエーテル5〜95
    重量%および (B)芳香族ポリエステルに対して芳香族ビニル単量
    体、シアン化ビニル単量体およびα、β−不飽和酸エス
    テル系単量体からなる群から選択される一種または二種
    以上から誘導されるビニル系重合体を3〜60重量%共重
    合せしめてなる25℃のオルトクロロフェノール中で測定
    した還元粘度が0.8〜2.5dl/gである共重合ポリエステル
    5〜95重量%からなる樹脂組成物。
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